JP3630823B2 - 電動機の制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、船舶の推進機を駆動する電動機の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、船舶の推進機を電動機で駆動する電気推進船が提案されている。この種の電気推進船に採用されている従来の電動機の制御装置を図3に示す。図3は交流電動機を用いた場合の例で、一定速度で駆動される原動機5と発電機6で成る電源1から供給される電力が、制御部7で可変周波数の交流電力に変換され、交流電動機3を可変速駆動し、船舶の推進機4を駆動する。
【0003】
制御部7は、速度設定部8で設定された速度基準aと、速度検出器9を介して検出される交流電動機3の速度検出値bと、電流検出器10を介して検出される交流電動機3の電流検出値cに基づいて発電機6から供給される電力を可変周波数の交流電力に変換する電力変換器としての機能を備えている。
【0004】
上記構成において、制御部7は、速度基準aと速度検出値bを比較して電流基準を生成し、この電流基準と電流検出値cを比較して交流電動機3の電流を制御することにより、発電機6から供給される電力を可変周波数の交流電力に変換し、交流電動機3の速度検出値bを速度基準aに対応した値に制御する。
【0005】
このような装置において、交流電動機3を急速に減速させると、船舶の慣性力により推進機4が交流電動機3の回転を維持するように作用し、交流電動機3が発電状態となり、制御部7が交流電動機3の発電電力を発電機6へ回生するように制御される。この回生電力が発電機6の内部損失と駆動系の機械損失以上に達すると加速トルクとして作用し、速度が上昇して原動機5に危険な過速度状態に至る場合がある。
【0006】
このような危険を避けるため、従来装置では、危険速度まで上昇しないように電動機の減速率を小さく設定し、また、回生電流の最大値を小さく制限するようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来装置では、電源の安全性や制御の安定性を重視する場合、減速率や回生電力の最大値を限界値から余裕をとって小さく設定するので船舶の操作性や運動性能が低下する。また、船舶の操作性や運動性能を良くするため、減速率や回生電力の最大値を限界値近傍に設定すると、船速、海象等の変化により場合によっては原動機に危険な過速度状態が生じるという問題がある。
【0008】
本発明は、上記問題を解消しようとしてなされたもので、その目的とするところは、減速率や回生電力の最大値を限界値近傍まで大きくして、船舶の操作性や運転性能を向上させ、しかも、原動機に危険な過速度状態を防止することのできる電動機の制御装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の電動機の制御装置は、原動機により一定速度で駆動される発電機の電力を、速度基準と電動機の速度検出値に基づいて所望の電力に変換し、前記電動機の速度を制御する制御部と、前記制御部から前記発電機へ回生される電力を検出し、この電力が所定の回生電力を越えないように前記速度基準を制御する速度補正部を備え、前記電動機で船舶の推進機を駆動すると共に、回生電力による原動機の過速度を防止する。(請求項1)
更に、前記速度補正部は、前記制御部から前記発電機へ回生される電力が所定の回生電力を越えるとき、前記速度基準の減速率を制限する。(請求項2)
更に、前記速度補正部は、前記制御部から前記発電機へ回生される電力が所定の回生電力を越えるとき、前記速度基準の減速を中止する。(請求項3)
更に、前記速度補正部は、減速時に前記速度検出値に基づいて前記速度基準の減速率を予定された値に制御すると共に、前記制御部から前記発電機へ回生される電力が所定の回生電力を越えないように前記速度基準を制御する。(請求項4)
更に、予め前記発電機が加速トルクを発生して前記原動機を危険速度付近まで上昇させ、該速度における駆動電力を測定し、前記速度補正部は、前記駆動電力に基づいて前記所定の回生電力を設定する。(請求項5)
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明による電動機の制御装置の実施例を図1に示す。図1において、12は制御部7から発電機6へ回生される回生電力dを検出する電力検出器、11は電力検出器12を介して検出される回生電力dに基づき、速度補正信号eを出力する速度補正部である。その他は従来(図3)と同様のもので構成される。但し、速度設定部8は速度補正信号eに応じて速度基準aを補正する機能を備えている。
【0011】
上記構成において、内燃機関等でなる原動機5は一定の回転速度で発電機6を駆動して一定周波数の交流電力を発生させる。この交流電力は制御部7で可変周波数の交流電力に変換されて交流電動機3に供給され、交流電動機3は船舶の推進機4を可変速駆動する。この場合、制御部7は、速度基準a、速度検出値b、電流検出値cに基づいて従来と同様に制御され、交流電動機3の回転速度(速度検出値b)が速度基準aに対応するように電力が供給される。
【0012】
一定の速度基準aが与えられ交流電動機3が一定の回転速度ωで運転される場合、推進機4による交流電動機3の負荷トルクτは図2の曲線Aに示すように、ほぼ回転速度ωの2乗に比例して力行運転となり、制御部7は発電機6の発生電力をほぼωに対応する周波数でωの3乗に比例する交流電力に変換して交流電動機3を駆動し、船舶はωに対応した速度で前進走行する。
【0013】
図2の曲線B1 、B2 は、交流電動機3が回転速度100%で前進走行中に、速度基準aを一定の減速率β1 、β2 で変化させ、正転から逆転に変化させたときの推進機4による交流電動機3の負荷トルクτの変化を示した特性図である。(但し、β1 >β2 )このように、船舶の速力を前進から後進へ変更すると、負荷トルクτは回転速度ωの減少と共に急速に減少し、途中から船舶の慣性エネルギーにより極性が反転して負の負荷トルクとして作用する。この負の負荷トルクにより交流電動機3は発電機として作用し、その発電電力は制御部7を介して発電機6へ回生される。
【0014】
この回生電力は電力検出器12で検出されて速度補正部11に入力され、速度補正部11は回生電力が所定の回生電力を越えると速度補正信号eを出力し、速度設定部8から出力される速度基準aの減速率を減少させ、回生電力が所定の回生電力を越えないように制御される。例えば、図2の曲線B1 (減速率β1 )で速度基準aを減速させたとき、負荷トルクの極性が正から負に変化する時点の回転速度ω1 からゼロ速度に至るまでの速度範囲で回生電力が発生し、この速度範囲で回生電力が最大となる速度が存在し、回生電力が所定の回生電力を越えると減速率をβ1 からβ2 側へ変化させるように速度補正信号eが出力される。この速度補正信号eによって曲線B2 側へ特性が変化し、負荷トルクの極性が正から負に変化する時点の回転速度がω1 からω2 側へシフトして回生電力を発生する速度範囲が狭くなり、回生電力の最大値も小さくなる。従って、回生電力が所定の回生電力に制限される。(請求項1、2)
また、速度補正信号eによって減速を中断(減速率β=0)させても同様の効果を得ることができる。(請求項3)
また、船舶が任意の速度で前進走行中に所定の減速率で減速を行ったときの負荷トルクの変化を事前に測定することにより、任意の速度における回生電力の最大値が所定の回生電力となる減速率を電動機の回転速度から予測することができる。従って、前記速度補正部に、減速時に速度検出値bに基づいて速度基準aの減速率を予定された値に制御する手段を設け、減速時にその時点の回転速度における最大減速率を予測して速度基準aの減速率を補正し、船舶の減速を最短時間で行うようにすることができる。(請求項4)
また、予め、発電機6が加速トルクを発生して原動機5を危険速度付近まで上昇させ、その速度における駆動電力を測定し、速度補正部11は、上述の所定の回生電力を上記駆動電力より少し余裕をみて低く設定する。これにより、回生能力限度付近までの減速率に設定し、船速、海象等が変化しても回生電力により危険速度以上に上昇することが防止され、船舶の操作性を向上させ、しかも、原動機に危険な過速度状態を防止することができる。(請求項5)
なお、以上の説明では交流電動機を用いる例で説明したが、直流電動機を用いても同様の効果を得ることができる。この場合、制御部7は発電機6の電力を所望の直流電力に変換する電力変換器の機能とすることはいうまでもない。
また、回生電力の検出は、制御部7の内部で生成される電流基準と速度検出信号bにより演算によって求め、電力検出器12を省略することもできる。
【0015】
【発明の効果】
本発明によれば、電動機で船舶の推進機を駆動する場合、電動機の減速率を能力一杯に設定して船舶の減速性能を高め操作性を向上させ、減速時に発生する回生電力による原動機の過速度を防止し、安全性、信頼性の向上した電動機の制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電動機の制御装置の実施例を示す構成図。
【図2】電動機の回転速度と負荷トルクの関係を示す特性図。
【図3】従来の電動機の制御装置を示す構成図。
【符号の説明】
1…電源
3…交流電動機 4…推進機
5…原動機 6…発電機
7…制御部 8…速度設定部
9…速度検出器 10…電流検出器
11…速度補正部 12…電力検出器
Claims (5)
- 原動機により一定速度で駆動される発電機の電力を、速度基準と電動機の速度検出値に基づいて所望の電力に変換し、前記電動機の速度を制御する制御部と、前記制御部から前記発電機へ回生される電力を検出し、この電力が所定の回生電力を越えないように前記速度基準を制御する速度補正部を備え、前記電動機で船舶の推進機を駆動すると共に、回生電力による原動機の過速度を防止することを特徴とする電動機の制御装置。
- 請求項1に記載の電動機の制御装置において、前記速度補正部は、前記制御部から前記発電機へ回生される電力が所定の回生電力を越えるとき、前記速度基準の減速率を制限することを特徴とする電動機の制御装置。
- 請求項1に記載の電動機の制御装置において、前記速度補正部は、前記制御部から前記発電機へ回生される電力が所定の回生電力を越えるとき、前記速度基準の減速を中止することを特徴とする電動機の制御装置。
- 請求項1に記載の電動機の制御装置において、前記速度補正部は、減速時に前記速度検出値に基づいて前記速度基準の減速率を予定された値に制御すると共に、前記制御部から前記発電機へ回生される電力が所定の回生電力を越えないように前記速度基準を制御する手段を備え、船舶の減速を早くすることを特徴とする電動機の制御装置。
- 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の電動機の制御装置において、予め前記発電機が加速トルクを発生して前記原動機を危険速度付近まで上昇させ、該速度における駆動電力を測定し、前記速度補正部は、前記駆動電力に基づいて前記所定の回生電力を設定することを特徴とする電動機の制御装置。
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JP02881296A JP3630823B2 (ja) | 1996-02-16 | 1996-02-16 | 電動機の制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP02881296A JP3630823B2 (ja) | 1996-02-16 | 1996-02-16 | 電動機の制御装置 |
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JPH09224389A JPH09224389A (ja) | 1997-08-26 |
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Family Applications (1)
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JP02881296A Expired - Fee Related JP3630823B2 (ja) | 1996-02-16 | 1996-02-16 | 電動機の制御装置 |
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1996
- 1996-02-16 JP JP02881296A patent/JP3630823B2/ja not_active Expired - Fee Related
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