JP3630752B2 - 電子写真感光体、この電子写真感光体を備えた画像形成装置及びプロセスユニット - Google Patents

電子写真感光体、この電子写真感光体を備えた画像形成装置及びプロセスユニット Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、電子写真感光体、この電子写真感光体を備えた画像形成装置及びプロセスユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より電子写真記録方法においては、電子写真感光体が転写残トナーで汚れるだけではなく、繰り返し使うことによって、転写材の成分や帯電時の放電生成物によって次第に汚染される。電子写真感光体が汚染されると表面の電気抵抗が下がって静電潜像を乱してしまったり、また、トナーが電子写真感光体表面に融着し、著しく画像を損ねてしまう結果となる。
【0003】
そこで、従来より実施されているのが、クリーニングブレード等で電子写真感光体を積極的に研磨し感光体表面を常に新しい表面にしてやることで、常に良好な画像を得るという方法である。これによれば感光体は常にリフレッシュされるので、良好な画像が維持される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、電子写真感光体の表面に付着した汚染物質は、感光体を繰り返し使用していくうちに除去しにくくなるため、従来の感光体では、感光体表面を感光体の使い始めから必要以上に多く研磨して、感光体を長期間使用しても汚染物質が完全に除去できるようにしていた。つまり、汚染物質を完全に除去しようとすると、それだけ電子写真感光体の寿命は短くなった。
【0005】
上記のように、安定した画像を保とうとすると電子写真感光体の感光層を多く削り過ぎることになり寿命を短くしてしまい、逆に長寿命化のために感光層の削り量を少なくすると良好な画像が維持できないといった不具合があった。
【0006】
一方、感光層の膜厚を検知する方法が提案されている(例えば特開平5−223513号公報)。これは、感光体を帯電した状態から、電荷を除去したとき(あるいは、電荷を除去した状態から帯電したとき)に流れる電流を検出し、そこからコンデンサーとしての容量を計測して、感光層の膜厚を算出する方法である。こうして、感光体のメインテナンスを適切に行なうことができる。
【0007】
本発明は上記実情に鑑みてなされたもので、常に良好な画像が得られると共に、寿命が長い電子写真感光体、この電子写真感光体を備えた画像形成装置及びプロセスユニットを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の電子写真感光体は、支持体と、電荷発生層と、表面から内部に向かう方向に削れ性が増加する、該電荷発生層上に積層された電荷輸送層と、を具備している電子写真感光体であって、
該電荷輸送層は、バインダー樹脂の分子量を前記表面から内部に向かう方向に小さくして前記削れ性を増加させたものであり、且つ、バインダー樹脂と電荷輸送材とを含み該バインダー樹脂の分子量が互いに異なる以外は同一の組成の6種の電荷輸送層用塗工液の塗工、乾燥、フュ−ミングを一連の工程として繰り返すことにより形成されたものであることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の画像形成装置は、上記の電子写真感光体と、前記電子写真感光体を帯電させる帯電部材と、帯電した前記電子写真感光体に対し像露光を行ない静電潜像を形成する像露光手段と、静電潜像の形成された前記電子写真感光体をトナーで現像する現像手段と、前記電子写真感光体の表面をクリーニングするクリーニング手段とを有するものである。
【0010】
更に本発明のプロセスユニットは、帯電部材、現像手段及びクリーニング手段のうちの少なくとも1つを上記の電子写真感光体とともに一体化したものである。
【0011】
本発明の電子写真感光体は、表面から内部に向かう方向に削れ易くなる感光層を支持体上に有するものである。つまり、電子写真感光体の表面にはクリーニング手段が接触して感光体表面を研磨し、感光体表面のトナー等の汚染物質を除去しているが、本発明においては電子写真感光体の削れ性が、研磨の進行に従って向上するものである。電子写真感光体の削れ性については後に詳しく説明する。
【0012】
このようにすることにより、電子写真感光体の使い始めにおいて感光層が必要以上に削り取られることがなくなり、感光体の寿命が伸びる。
【0013】
本発明において、感光層の削れ性は次のように評価した。
【0014】
ヒューレットパッカード社製のレーザービームプリンター(商品名レーザージェット4プラス)に、評価対象の電子写真感光体を装着し、温度25℃、湿度50%RHでプリントを行ない、500枚の記録紙にプリントしたときに感光層がどのくらい削れるかで削れ性を評価した。即ち、1枚目の記録紙にプリントしてから500枚目の記録紙にプリントするまでの感光層の削れ量をα 、501枚目の記録紙にプリントしてから1000枚目の記録紙にプリントするまでの削れ量をα 、1001枚目の記録紙にプリントしてから1500枚目の記録紙にプリントするまでの削れ量をα 、1501枚目の記録紙にプリントしてから2000枚目の記録紙にプリントするまでの削れ量をα 、…、{500(n−1)+1}枚目の記録紙にプリントしてから500n枚目の記録紙にプリントするまでの削れ量をα 、というように記録紙500枚毎の削れ量α で削れ性を示した。
【0015】
削れ性の評価は、前記のレーザージェット4プラスにより、1枚間欠モード(1枚の記録紙にプリントを行ない、プリント終了後感光体の回転が完全に停止してから、再び画像信号を入力して次のプリントを行なうモード)でプリントすることにより行なった。この際の画像パターンは、太さ2ドットの横線とした。横線と横線の間隔は99ドット相当とした。
【0016】
本発明において、削れ性が増加する範囲は、未使用状態の電子写真感光体表面から深さ方向に少なくとも深さ10μm、更には25μm、特に30μmまでとするのが好ましい。また、未使用状態の電子写真感光体表面から所定の深さまで削れ性が一定で、その後深さ方向に10μm、更には25μm、特に30μmの範囲で削れ性が増加するようにしてもよい。この場合、削れ性が一定の範囲は、未使用状態の電子写真感光体表面から3〜8μmの範囲とするのが好ましい。
【0017】
本発明の電子写真感光体において、削れ性の増加する割合は、電子写真感光体表面から内部に向かう方向に10μm進む毎に削れ性が1.2〜3.0倍となるのが好ましい。
【0018】
本発明の電子写真感光体は、未使用状態から記録紙500枚にプリントするまでの削れ量α が0.3〜0.9μmであるのが好ましい。
【0019】
本発明の電子写真感光体は、支持体上に感光層を有するものである。感光層としては、電荷発生層、電荷輸送層を積層したものが使用できる。電荷発生層には、露光により電荷を発生する電荷発生材料を含有する。電荷輸送層には電荷を輸送する電荷輸送材料を含有する。電荷発生層と電荷輸送層は、導電性支持体側から電荷発生層、電荷輸送層の順に積層される
【0020】
電荷発生層は、電荷発生材料を蒸着するか、または適当なバインダーと共に(バインダーが無くても可)分散した塗料を塗工することによって形成できる。
【0021】
電荷発生物質としては、例えばアゾ系顔料(例えばモノアゾ、ビスアゾ、トリスアゾなど)、フタロシアニン系顔料(例えば金属フタロシアニン、非金属フタロシアニン)、インジゴ系顔料(例えばインジゴ、チオインジゴなど)、多環キノン系顔料(例えばアンスラキノン、ピレンキノンなど)、ペリレン系顔料(例えばペリレン酸無水物、ペリレン酸イミドなど)、スクワリウム系色素、ピリリウム、チオピリリウム塩類、トリフェニルメタン系色素などが挙げられる。また、セレン、セレン−テルルあるいはアモルファスシリコンなどの無機材料も、発荷発生物質として使用することができる。
【0022】
電荷発生層に使用するバインダーは広範な絶縁性樹脂または有機光導電性ポリマーから選択できる。たとえば絶縁性樹脂としてはポリビニルブチラール、ポリアリレート(ビスフェノールAとフタル酸の縮重合体等)、ポリカーボネート(ポリカーボネートZや変性ポリカーボネート等)、ポリエステル、フェノキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド、ポリアミド、セルロース系樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコールなどをあげることができる。また、有機光導電性ポリマーとしては、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレンなどが挙げられる。
【0023】
電荷発生層の膜厚は0.01〜15μm、更には0.05〜5μmが好ましく、バインダーを用いる場合、電荷発生材料とバインダーとの重量比は10:1〜1:20が好ましい。
【0024】
電荷発生層の塗工に用いる有機溶剤は、使用する樹脂や電荷発生材料の溶解性や分散安定性から選択されるが、アルコール類、スルホキシド類、エーテル類、エステル類、脂肪族ハロゲン化炭化水素類あるいは芳香族化合物などを用いることができる。
【0025】
電荷輸送層は、電荷輸送材料を成膜性のあるバインダーに溶解させて形成される。本発明に用いられる電荷輸送材料の例としては、ヒドラゾン系化合物、スチルベン系化合物、ピラゾリン系化合物、オキサゾール系化合物、チアゾール系化合物、トリアリールアミン系化合物などが挙げられる。これらの電荷輸送材料は1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
【0026】
電荷輸送層に用いるバインダーとしては、例えばポリビニルブチラール、ポリエステル、ポリカーボネート(ポリカーボネートZ、変性ポリカーボネート等)、ナイロン、ポリイミド、ポリアリレート、ポリウレタン、スチレン−ブタジエンコポリマー、スチレン−アクリル酸コポリマー、スチレン−アクリロニトリルコポリマー等が挙げられる。電荷輸送層の塗工に用いる有機溶剤は、電荷発生層の塗工で用いたものと同様である。
【0027】
電荷輸送層の膜厚は5〜50μm、更には8〜20μmが好ましく、電荷輸送材料とバインダーとの重量比は5:1〜1:5、更には3:1〜1:3が好ましい。
【0030】
支持体は、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、ステンレスなどの導電性材料を用いて形成できる。また、プラスチック、紙あるいは金属などの支持体表面に導電表面層を形成したものも使用することができる。導電表面層としては、アルミニウム、アルミニウム合金、酸化インジウム−酸化錫合金などの真空蒸着膜や、バインダーに導電性粒子(例えばカーボンブラック、酸化錫粒子など)を混入して塗工した塗工膜を用いることができる。導電表面層の厚さは、1〜30μmが好ましい。支持体の形状は、円筒状、ベルト状あるいはシート状が好ましい。
【0031】
支持体あるいは導電表面層と、感光層との間に、バリヤー機能や接着機能を有する下引層を必要に応じ設けてもよい。下引層は例えばカゼイン、ポリビニルアルコール、ニトロセルロース、エチレン−アクリル酸コポリマー、ポリアミド、変性ポリアミド、ポリウレタン、ゼラチン、酸化アルミニウムなどによって形成できる。下引層の膜厚は5μm以下、更には0.5〜3μmが好ましい。下引層は10 Ω・cm以上であることが望ましい。
【0032】
電子写真感光体表面には、必要に応じて保護層を設けてもよい。保護層は、ポリビニルブチラール、ポリエステル、ポリカーボネート(ポリカーボネートZ、変性ポリカーボネート等)、ナイロン、ポリイミド、ポリアリレート、ポリウレタン、スチレン−ブタジエンコポリマー、スチレン−アクリル酸コポリマー、スチレン−アクリロニトリルコポリマーなどの樹脂を適当な有機溶剤によって溶解し、感光層の上に塗布、乾燥して形成できる。保護層の膜厚は、0.05〜20μmが好ましい。また、保護層中に導電粉紫外線吸収剤などを含ませてもよい。
【0033】
本発明の電子写真感光体は、感光層に使用する材料を真空蒸着、スパッタ、CVDあるいは適当な結着樹脂と組み合わせて、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ローラーコーティング法、マイヤーバーコーティング法、ブレードコーティング法などのコーティング法を用いて支持体上に成膜して得られる。
【0034】
表面から内部に向かう方向に削れ易くなる電子写真感光体を得るには、電荷輸送層を構成するバインダー成分の分子量を表面から内部に向かって小さくする。
【0035】
本発明の電子写真感光体を用いた画像形成装置を、図1を参照して説明する。
【0036】
本発明の電子写真感光体1は、支持体1aが接地されて矢印方向に回転する。電子写真感光体1の感光層1bには帯電部材2が接触して、この帯電部材2により感光体1は正または負の所定電圧に帯電される。帯電部材2には、正または負の直流電圧がかけられている。帯電部材2に印加する直流電圧は、−2000V〜+2000Vが好ましい。帯電部材2には前記直流電圧に加え、更に交流電圧を重畳して脈流電圧を印加するようにしてもよい。直流電圧に重畳する交流電圧は、ピーク間電圧4000V以下のものが好ましい。
【0037】
帯電した感光体1は、次いで像露光手段12により光像露光5(スリット露光あるいはレーザービーム走査露光など)を受ける。これにより感光体周面に露光像に対応した静電潜像が順次形成されていく。その静電潜像は、次いで現像手段6でトナー現像され、そのトナー現像像が転写帯電手段8により不図示の給紙部から感光体1と転写帯電手段8との間に感光体1の回転と同期取りされて給送される記録材4の面に順次転写されていく。像転写を受けた記録材4は感光体面から分離されて不図示の像定着手段へ導入されて像定着を受けて機外へプリントアウトされる。
【0038】
像転写後の感光体1の表面はクリーニング手段9にて転写残りトナーの除去を受けて清浄面化されて繰り返して像形成に使用される。
【0039】
電子写真装置として、上述の感光体や現像手段などの構成要素のうち、複数のものをプロセスユニットとして一体に結合して構成し、このユニットを装置本体に対して着脱自在に構成しても良い。例えば、少なくとも感光体1、帯電部材2及び現像手段6を一体としてプロセスユニット13とし、このプロセスユニット13を装置本体のレールなどの案内手段を用いて着脱自在の構成にしてもよい。クリーニング手段9はプロセスユニット13内に設けても設けなくてもよい。また、少なくとも感光体1及び帯電手段2を一体として第1のプロセスユニットとし、少なくとも現像手段7を第2のプロセスユニットとし、これら第1のプロセスユニットと、第2のプロセスユニットとを着脱自在に構成してもよい。クリーニング手段9は第1のプロセスユニット内に設けても設けなくてもよい。
【0040】
帯電手段2は及び転写帯電手段8には電源10により電圧印加される。電源10は、制御部11により制御されている。
【0041】
帯電手段2と電源10との間に配置した膜厚検知手段15は、帯電した感光体1を除電するときに流れる電流を検出して、感光層を構成する所定膜の厚みを検知するものである。こうして電子写真感光体の交換時期を知ることができる。
【0042】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。以下に示す「部」は「重量部」を示すものである。
【0043】
実施例1
外径30mm、長さ260mmのアルミニウムシリンダーを支持体とし、この支持体の外面に以下の材料より構成される塗料を浸漬法で塗布し、140℃、30分熱硬化して15μmの導電層を形成した。
【0044】
導電性顔料:酸化スズコート処理酸化チタン…10部
抵抗調節用顔料:酸化チタン…10部
バインダー樹脂:フェノール樹脂…10部
レベリング材:シリコーンオイル…0.001部
溶剤:メタノール/メチルセロソルブ=1/1…20部
【0045】
この導電層上にN−メトキシメチル化ナイロン3部と共重合ナイロン3部とをメタノール65部とn−ブタノール30部との混合溶剤に溶解した溶液を浸漬法で塗布して0.5μmの下引層を形成した。
【0046】
次に、CuKαのX線回折スペクトルにおける回折角2θ±0.2°が9.0°、14.2°、23.9°、27.1°に強いピークを有するTiOPc4部、ポリビニルブチラール(商品名エスレックBM−2積水化学製)2部およびシクロヘキサノン80部をφ1mmガラスビーズを用いたサンドミル装置で4時間分散した分散液に、メチルエチルケトン115部を加えて電荷発生層用分散液を得た。この分散液を前記下引層上に浸漬法で塗布し、0.3μmの電荷発生層を形成した。
【0047】
次に下記構造式(I)のアミン化合物7部と、下記構造式(II)のアミン化合物3部と、粘度平均分子量15000のビスフェノールZポリカーボネート樹脂10部とを、モノクロルベンゼン50部及びジクロルメタン10部の混合溶剤に溶解して電荷輸送層用塗工液(A)を作成した。
【0048】
【外1】
Figure 0003630752
【0049】
粘度平均分子量15000のビスフェノールZポリカーボネート樹脂の代わりに重量平均分子量20000のビスフェノールZでポリカーボネート樹脂を用い、その他は塗工液(A)と同様にして電荷輸送層用塗工液(B)を作成した。
【0050】
以下、塗工液(B)の場合と同様に、粘度平均分子量25000のビスフェノールZポリカーボネート樹脂を用いて塗工液(C)を、粘度平均分子量30000のビスフェノールZポリカーボネート樹脂を用いて塗工液(D)を、粘度平均分子量35000のビスフェノールZポリカーボネート樹脂を用いて塗工液(E)を、粘度平均分子量40000のビスフェノールZポリカーボネート樹脂を用いて塗工液(F)をそれぞれ作成した。
【0051】
こうして、まず塗工液(A)を電荷発生層上に浸漬法で塗布し、110℃で20分間乾燥して厚さ4μmの電荷輸送層を形成した。
【0052】
この電荷輸送層の表面をジクロロメタンでフューミング(fuming)した後、塗工液(A)と同様にして塗工液(B)を塗工し、厚さ4μmの電荷輸送層を積層した。以下同様に、塗工液(C)〜(F)を用いて、(C)から(F)の順にそれぞれ厚さ4μmの電荷輸送層を形成し、最終的に総膜厚24μmの電荷輸送層を形成した。尚、一番外側の電荷輸送層(塗工液(F)により形成したもの)の乾燥時間は40分間とした。
【0053】
こうして得た本発明の電子写真感光体について、表面から内部に向って厚さ2μm毎の粘度平均分子量を測定した。粘度平均分子量はオストヴァルト粘度計の測定により算出した。その結果を表1に示した。
【0054】
【表1】
Figure 0003630752
【0055】
また、この電子写真感光体を、前記した評価機のレーザージェット4プラスに装着してプリントを行ない、耐久性及び削れ性の評価を行なった。削れ性の評価は、感光体の未使用状態から記録紙500枚にプリントするまでの削れ性(以下、初期削れ性)と、未使用状態からの全削れ量が10μmを越えた時点での削れ性(以下、内部削れ性)とで評価した。評価結果を表2に示した。
【0056】
比較例1
電荷輸送層を実施例1の塗工液(A)のみで形成し、その他は実施例1と同様にして電子写真感光体を得た。電荷輸送層の厚さは24μmとした。また、電荷輸送層の乾燥条件は105℃で1時間とした。
【0057】
こうして得た電子写真感光体について、実施例1と同様にして耐久性及び削れ性の評価を行なった。評価結果を表2に示した。
【0058】
比較例2
比較例1で用いた塗工液(A)の代わりに、実施例1の塗工液(E)を用い、その他は比較例1と同様にして電子写真感光体を得た。
【0059】
こうして得た電子写真感光体について、実施例1と同様にして耐久性及び削れ性の評価を行なった。評価結果を表2に示した。
【0060】
【表2】
Figure 0003630752
【0061】
参考例1
下記構造単位(A)及び(B)を用い、表3に示す共重合比で6種類の共重合体(1)〜(6)を合成した。表3には、共重合体(1)〜(6)のそれぞれのガラス転移点Tgも示した。共重合体(1)〜(6)の粘度平均分子量はいずれも20000であった。
【0062】
【外2】
Figure 0003630752
【0063】
【表3】
Figure 0003630752
【0064】
次に、実施例1で用いた電荷輸送層用塗工液中のビスフェノールZポリカーボネート樹脂に代えて共重合体(1)をバインダーとして用い、その他は実施例1の塗工液と同様にして電荷輸送層用塗工液(1)を作成した。同様に、共重合体(2)〜(6)を用いて、それぞれ電荷輸送層用塗工液(2)〜(6)を作成した。
【0065】
こうして作成した塗工液(1)を、実施例1で用いた塗工液(A)の代わりに用い、塗工液(2)を塗工液(B)の代わりに用い、以下同様に塗工液(3)〜(6)をそれぞれ塗工液(C)〜(F)の代わりに用い、その他は実施例1と同様にして本発明の電子写真感光体を得た。この電子写真感光体は、表面から内部に向かってガラス転移点が高くなるものである。
【0066】
こうして得た電子写真感光体について、実施例1と同様にして耐久性及び削れ性の評価を行なった。評価結果を表4に示した。
【0067】
比較例3
電荷輸送層を参考例1の塗工液(3)のみで形成し、その他は参考例1と同様にして電子写真感光体を得た。電荷輸送層の厚さは24μmであった。また、電荷輸送層の乾燥条件は105℃で1時間とした。
【0068】
こうして得た電子写真感光体について、実施例1と同様にして耐久性及び削れ性の評価を行なった。評価結果を表4に示した。
【0069】
比較例4
比較例3で用いた塗工液(3)の代わりに、参考例1の塗工液(5)を用い、その他は比較例3と同様にして電子写真感光体を得た。
【0070】
こうして得た電子写真感光体について、実施例1と同様にして耐久性及び削れ性の評価を行なった。評価結果を表4に示した。
【0071】
【表4】
Figure 0003630752
【0072】
参考例2
実施例1で用いた構造式(I)のアミン化合物7部と、下記構造式(III)のアミン化合物3部と、粘度平均分子量20000のビスフェノールZポリカーボネート樹脂10部とを、モノクロルベンゼン90部及びジクロルメタン20部の混合溶剤に溶解し、更に四フッ化エチレン粉末1部を加えて塗工液(i)を作成した。
【0073】
【外3】
Figure 0003630752
【0074】
四フッ化エチレン粉末の量を2部とし、その他は塗工液(i)と同様にして塗工液(ii)を作成した。以下同様に、四フッ化エチレン粉末の量を3部、4部、5部及び6部として、それぞれ塗工液(iii)、(iv)、(v)及び(vi)を作成した。
【0075】
実施例1と同様の支持体に、実施例1と同様にして導電層、下引層及び電荷発生層を形成し、更に電荷発生層上に塗工液(i)をスプレー法で塗布した。次に、塗工液(i)の塗膜が乾燥する前に、塗工液(i)の塗膜上に塗工液(ii)をスプレー法で塗布した。以下、同様にして塗工液(iii)、(iv)、(v)及び(vi)を、この順でそれぞれスプレー法で塗布して、最後に105℃で、1時間の乾燥を行なった。こうして、四フッ化エチレン粉末の含有量が表面から内部に向かって少なくなる厚さ24μmの電荷輸送層を有する参考例2の電子写真感光体を得た。
【0076】
こうして得た電子写真感光体について、実施例1と同様にして耐久性及び削れ性の評価を行なった。評価結果を表5に示した。
【0077】
比較例5
電荷輸送層を参考例2の塗工液(iii)のみで形成し、その他は参考例2と同様にして電子写真感光体を得た。電荷輸送層の厚さは24μmとした。
【0078】
こうして得た電子写真感光体について、実施例1と同様にして耐久性及び削れ性の評価を行なった。評価結果を表5に示した。
【0079】
【表5】
Figure 0003630752
【0080】
【発明の効果】
本発明の電子写真感光体は、感光層が表面から内部に向かう方向に削れ易くなるため、感光層の削れ量が常に適度となり、寿命が長く、長期間良好な画像が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置の一例を示す側面図である。
【符号の説明】
1 電子写真感光体
2 帯電部材
6 現像手段
8 転写帯電手段
9 クリーニング手段
10 電源
11 制御部
15 膜厚検知手段

Claims (3)

  1. 支持体と、電荷発生層と、表面から内部に向かう方向に削れ性が増加する、該電荷発生層上に積層された電荷輸送層と、を具備している電子写真感光体であって、
    該電荷輸送層は、バインダー樹脂の分子量を前記表面から内部に向かう方向に小さくして前記削れ性を増加させたものであり、且つ、バインダー樹脂と電荷輸送材とを含み該バインダー樹脂の分子量が互いに異なる以外は同一の組成の6種の電荷輸送層用塗工液の塗工、乾燥、フュ−ミングを一連の工程として繰り返すことにより形成されたものであることを特徴とする電子写真感光体。
  2. 請求項1に記載の電子写真感光体と、前記電子写真感光体を帯電させる帯電部材と、帯電した前記電子写真感光体に対し像露光を行ない静電潜像を形成する像露光手段と、静電潜像の形成された前記電子写真感光体をトナーで現像する現像手段と、前記電子写真感光体の表面をクリーニングするクリーニング手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
  3. 帯電部材、現像手段及びクリーニング手段のうちの少なくとも1つを請求項1に記載の電子写真感光体とともに一体化したことを特徴とするプロセスユニット。
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