JP3630709B2 - 脂肪族ジアミンの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は各種のナイロンおよびポリウレタンの原料として、また種々のアミノ基含有有機物の原料として有用な脂肪族ジアミンの新規な製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
脂肪族ジアミンの製造法の一つとして、脂肪族ジアルデヒドを原料とする還元アミノ化反応が知られている。
例えば、米国特許第2636051号にジアルデヒドをアンモニア、水素および水素化触媒を含む反応器中へ、ジアルデヒドの消失速度よりも大きくない速度で供給することを特徴とするジアミンの製造法が開示されている。しかし、ラネーニッケルを触媒として記載された実施例におけるジアミンの収率は40%以下と低く、本製造法は経済的観点から工業的とは言えない。
【0003】
また、特開平5−17413号公報には、水素化触媒、溶媒、水素およびアンモニアの存在する反応系に、ジアルデヒドのアルコ−ル溶液を供給することにより、ジアルデヒドからジアミンへの収率を向上させた例が開示されている。ラネーニッケルが触媒として有効との記載があるので、本発明者が本公報記載の方法を追試してみたところ、反応に使用したラネーニッケルがその触媒活性を失ってしまい、回収触媒の再使用に問題のあることを認めた。従って、この方法は触媒費用を考慮すると経済的な製法ではないといえる。
【0004】
これらの一段階による反応以外にも、ジアルデヒドを原料にジアミンを製造するための方法がいくつか知られている。例えば、米国特許第4197260号には、ジアルデヒドをアンモニアと反応させて生じるジイミンをアンモニアの存在下に水素化することを特徴とする炭素数8〜12のジアミンの製造法が記載されている。この方法には、反応工程が二段階となること、および比較的に良好な収率でジアミンを得るためにはジアルデヒドとアンモニアとの反応を−5℃以下という低温で実施する必要があること等の問題点がある。
特公昭58−26902号公報には、ジアルデヒドをまずモノアミンと反応させて対応するジアゾメチンに変換し、これをアンモニアの存在下に水素添加する方法が記載されているが、本方法は反応工程が二段階からなり、しかも大過剰に用いるモノアミンの回収循環工程を付加する必要があるという問題点がある。
【0005】
特開平3−204840号公報には、水の存在下でジアルデヒドを第一アミンと反応させ、得られる生成物を過剰のアンモニアの存在下で水素化することを特徴とするジアミンの製造法が述べられているが、本方法も反応工程が二段階で、第一アミンの回収循環工程の付加が必要であるという問題点がある。
特公平1−49135号公報には、1,9−ノナンジアールと炭素数5〜10のアルコールから得られる該ジアルデヒドのジアルキルヘミアセタールをアンモニアによって還元アミノ化することを特徴とする1,9−ノナンジアミンの製造法が記載されているが、該ジアルキルヘミアセタールを分離する場合には二段階の反応となるという問題点がある。
【0006】
上記したように脂肪族ジアルデヒドの還元アミノ化反応による脂肪族ジアミンの製造法には問題点があり、それを解決するための技術の開発が数多く試みられてきたが、いまだ工業的に実用可能な一段階の反応工程による製造法は見いだされていないのが実状であり、工業的に実用可能な脂肪族ジアルデヒドの還元アミノ化反応による脂肪族ジアミンの製造法の開発が求められている。
本発明の目的は、脂肪族ジアルデヒドを原料に、工業的に有利な一段階の反応工程で、しかも高収率で脂肪族ジアミンを製造する方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明にしたがって、脂肪族ジアルデヒドをアンモニアおよび水素と溶媒中で反応させる際に、触媒表面の直径10〜100nmの細孔容積が0.1〜0.5ml/gであり、かつ無機酸化物に担持されたニッケル触媒を存在させることを特徴とする対応する脂肪族ジアミンの製造方法を見いだしたことにより上記の目的を達成した。
一般にジアルデヒドから対応するジアミンを得ようとする場合、反応自体はアルデヒドを原料とする還元アミノ化反応に分類されるけれども、モノアルデヒドからモノアミンを製造する場合と異なる特有の問題点のあることが知られている。例えば、米国特許第2636051号に、環状アミンおよびポリマーの生成が問題点として記載されている。
【0008】
それ故、ジアルデヒドの還元アミノ化反応には、モノアルデヒドからモノアミンを合成する際の技術をそのまま適用できないことは明白である。従って、ジアルデヒドからジアミンの工業的製造法を確立するには、ジアルデヒドの還元アミノ化に係わる特有の問題点を解決するための技術の開発が必要である。本発明者は還元アミノ化の触媒について詳細な検討を行ない本発明を完成した。
【0009】
無機酸化物に担持されたニッケルは、一般の水素化反応の触媒として公知である。しかし、本発明の製法における反応、すなわちアルデヒドをアンモニアおよび水素と反応させて対応するアミンを得る還元アミノ化反応においては、この種の触媒は通常使用されていない。それは、例えば、『接触水素化反応−有機合成への応用−、西村重夫、高木弦共著(東京化学同人)、1987年発行』の187ページには、一般に還元アミノ化の触媒としてラネーニッケル、ラネーコバルト、パラジウム、ロジウムなどが用いられると記載されていること、また、『反応別実用触媒、多羅間公雄監修(化学工業社)、昭和45年発行』の242ページには、還元アミノ化反応に用いる触媒はラネーニッケル、白金、パラジウムであると記載されていることから明らかである。さらに、前記特開平5−17413号公報に、触媒として、収率面、経済性からラネーニッケルが有効であることが記載されていることから、当業者においても、還元アミノ化反応には無機酸化物に担持されたニッケルは適していないと認識されていたことが窺われる。
【0010】
本発明者は驚くべきことに、(1)このような周知の概念に反して、無機酸化物に担持されたニッケルがラネーニッケルよりも高活性かつ触媒寿命も長く、脂肪族ジアルデヒドから対応するジアミンを製造する際の触媒として好適であること、さらに(2)該触媒表面における直径10〜100nmの細孔容積が0.1〜0.5ml/gであるものが特に優れていることを見いだし、本発明を完成するに至った。『触媒講座第5巻(工学編1)触媒設計、触媒学会編(講談社)、1985年発行』の122ページに記載されているように、細孔構造および表面積のような触媒の物理構造が触媒活性に影響することは一般論として認識されていた。しかし、これまで還元アミノ化反応における触媒の細孔構造と触媒活性あるいは触媒寿命との相関性については何ら知られておらず、上記(2)の細孔容積の効果は全く予想できるものではなかった。
【0011】
本発明では、無機酸化物に担持されたニッケルを触媒として用いる。無機酸化物としては、ケイソウ土、シリカ、アルミナ、シリカアルミナ、マグネシア、カルシア、チタニア、ジルコニア、酸化ニオブ、酸化ランタンなど触媒担体として通常用いられるもの、あるいはこれらの内、少なくとも2種類の混合物が例示されるが、特にケイソウ土、シリカ、アルミナまたはこれらの内、少なくとも2種類の混合物が好適である。なお、これらの担体はアルカリ金属、アルカリ土類金属、あるいはリンの酸化物、またはこれらの混合物を含んでいてもよい。触媒金属の主体はニッケルであるが、ニッケル単独でもよく、コバルト、鉄、銅、クロム、マンガン、銀、モリブデン、レニウム、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、白金などの1種あるいは複数の金属で変性されていてもよい。金属成分の担持量は10〜80重量%、特に20〜70重量%、好ましくは40〜60重量%である。金属成分に対するニッケルの比率は80〜100%、好ましくは90〜100%である。
【0012】
これらの触媒表面に存在する細孔の直径および容積は、例えば水銀圧入式ポロシメトリーにより測定できる。この測定法においては、水銀の注入圧力から細孔の直径が、また静電量の変化から圧入水銀量を経て細孔の容積が求められる。本発明者らは水銀圧入式ポロシメーターである島津製作所−マイクロメトリチックス社製オートポア9200形を用いて分析を行ったが、本分析法において10nmの細孔直径は水銀注入圧力19838.7psiaに相当し、100nmの細孔直径は水銀注入圧力1833.3psiaに相当することから、直径10〜100nmの細孔の容積とは、上記圧力の範囲で測定された細孔容積の和を意味する。好適な触媒の表面に存在する直径10〜100nmの細孔の容積は好ましくは0.1〜0.5ml/g、特に好ましくは0.13〜0.23ml/gである。
【0013】
本反応で用いる無機酸化物に担持されたニッケル触媒は、沈澱法あるいは含浸法といった通常公知の方法により調製することができる。例えば、硫酸ニッケルなどのニッケル塩と必要に応じて他の金属塩との混合水溶液に担体を分散させ、これに炭酸ナトリウムなどを加えることにより、炭酸ニッケルと水酸化ニッケルとの混合物を担体に沈着させる。濾過などにより水溶液と分離して得られるケークを乾燥し、空気中で焼成して酸化物とした後、水素などで還元することにより、活性な触媒を得ることができる。得られた活性な触媒はそのまま反応に使用することも可能であるが、部分酸化などの手段で安定化させた触媒として取り出し、これを反応器内で水素により再活性化して反応に供することもできる。なお、触媒は粉末形状でも、粒状あるいは円柱状などの形状の成形品でもよい。また、触媒に含まれていてもよいニッケル以外の金属元素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、あるいはリンの酸化物の触媒への添加は、用いる担体にあらかじめ加えておくことも可能であるし、前記触媒調製工程中で適宜行うことができる。
【0014】
本発明に従う脂肪族ジアルデヒドをアンモニアおよび水素と溶媒中で反応させて対応する脂肪族ジアミンを製造する方法は、バッチ式あるいは連続式のいずれの反応方式でも行うことができるが、特に該脂肪族ジアルデヒドの溶液を前記ニッケル触媒、アンモニア、水素および溶媒を含む反応器中に供給しながら反応させる方式、すなわちセミ連続式あるいは連続式が好適である。ジアルデヒドの溶液は一定速度で供給してもよく、また、断続的に供給してもよいが、通常、ジアルデヒドあるいは反応中間体が反応器内に蓄積しないような速度で原料ジアルデヒドの溶液を供給することが好ましい。
【0015】
本発明の原料となる脂肪族ジアルデヒドとしては、炭素数4〜20、好ましくは炭素数6〜16、より好ましくは炭素数8〜12の直鎖または分岐の脂肪族ジアルデヒドが使用される。例えば、1,4−ブタンジアール、1,6−ヘキサンジアール、1,8−オクタンジアール、1,9−ノナンジアール、1,10−デカンジアール、1,11−ウンデカンジアール、1,12−ドデカンジアール、1,14−テトラデカンジアール、1,16−ヘキサデカンジアール、1,18−オクタデカンジアール、1,20−エイコサンジアールなどの直鎖脂肪族ジアルデヒド、あるいは2−メチル−1,8−オクタンジアール、2−メチル−1,9−ノナンジアール、2,7−ジメチル−1,8−オクタンジアールなどの分岐鎖脂肪族ジアルデヒドなどが例示される。
これらの脂肪族ジアルデヒドは炭素数が1個少ないオレフィン、あるいは2個少ないジオレフィンのオキソ反応により容易にかつ安価に合成することが可能である。また、同じ炭素数を有する環状オレフィンのオゾン分解とそれに続く還元によっても得ることができる。
【0016】
上記の脂肪族ジアルデヒドを原料に、それぞれ対応する1,4−ブタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,11−ウンデカンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、1,14−テトラデカンジアミン、1,16−ヘキサデカンジアミン、1,18−オクタデカンジアミン、1,20−エイコサンジアミンなどの直鎖脂肪族ジアミン、あるいは2−メチル−1,8−オクタンジアミン、2−メチル−1,9−ノナンジアミン、2,7−ジメチル−1,8−オクタンジアミンなどの分岐鎖脂肪族ジアミンなどが合成される。
【0017】
本反応で使用できる溶媒としては、反応条件において原料ジアルデヒド、生成物ジアミン、およびアンモニアを溶解するものであれば使用可能であるが、特に、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール、1−ヘキサノール、1−オクタノール、2−エチルヘキサノール、2−メトキシエタノール、シクロヘキサノールなどの低級アルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール類;テトラヒドロフラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサンなどの環状エーテル類;が好ましく、これらは単独でも混合溶媒としても用いることができる。溶媒の使用量に特に制限はないが、該ジアルデヒドに対して0.5〜50重量倍、好ましくは2〜10重量倍の範囲で用いられる。濃度が低すぎると実用的に不利となり、高すぎると収率が低下する。
【0018】
無機酸化物に担持されたニッケル触媒の使用量は、望む反応速度に応じて変化させることができ、反応混合物に対して0.01〜30重量%、好ましくは0.1〜5重量%の範囲で選ばれる。なお、触媒は反応液相に懸濁状態で使用してもよく、固定床として使うこともできる。
【0019】
アンモニア量は、反応液中のアンモニア量として原料ジアルデヒドに対して2〜100モル倍、好ましくは5〜50モル倍、特に好適には10〜30モル倍の範囲で用いられる。アンモニア量が少なすぎると収率が低下し、多すぎると実用的に不利となる。
反応温度は40〜200℃、好ましくは80〜180℃、特に100〜160℃が好適である。反応温度が40℃より低いと実用的に可能な速度で反応が進行しなくなり、200℃より高いと副生成物量が増えるため収率低下を引き起こす。
反応圧力には特に制限はないが、通常、20〜200気圧の範囲である。なお、反応で消費された水素を補給するように水素を追加してもよく、水素を常に流しながら反応を行ってもよい。
【0020】
このようにして得られたジアミンは、一般的な精製手段、例えば反応混合物から触媒を濾過により除去し、次にアンモニアおよび溶媒を留去した後、蒸留あるいは再結晶により精製することができ、これにより高純度のジアミンを得ることができる。
【0021】
【実施例】
次に実施例をあげて本発明の方法をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例で使用した触媒の細孔容積の測定方法を以下に示す。
<触媒の細孔容積測定方法>
水銀圧入式ポロシメーターである島津製作所−マイクロメトリチックス社製オートポア9200形を用いた。圧力範囲0.40〜59625.4psiaを下記のステップで変化させ、圧力平衡時間10秒にて圧力センサーから圧力を、また静電検出器から静電量の変化を読みとり、これらに基づいて細孔の直径および容積を求めた。なお、水銀の接触角は130度、表面張力は484dyn/cmとした。以下の実施例において、直径約10〜約100nmの細孔の容積は、圧力19838.7〜1833.3psiaの範囲で測定された細孔容積の和として計算した値である。
圧力ステップ(psia)
0.40,0.70,0.90,1.20,1.60,2.20,2.90,3.90,5.10,6.90,9.10,12.20,16.30,18.80,21.80,28.90,33.20,39.20,44.50,51.10,59.00,69.40,79.30,91.30,105.40,121.70,142.00,163.40,189.20,217.30,250.90,294.50,342.30,394.10,454.60,516.10,601.10,635.90,792.50,922.30,1070.80,1233.90,1413.60,1651.30,1833.30,2131.00,2523.40,2912.00,3354.80,3977.30,4503.10,5173.70,5978.40,6317.20,7990.10,9212.00,10597.30,12222.20,14174.40,16379.80,19838.70,21804.20,25127.30,29001.80,33691.10,39341.40,44957.50,51772.10,59625.40
【0022】
<実施例1>
300mlの電磁撹拌型オートクレーブに、直径約10〜約100nmの細孔の容積が0.19ml/gであるケイソウ土に担持されたニッケル触媒(ニッケル含有率52%)1.15gおよび1−ブタノール63.00gを入れ、水素60気圧を導入した後、160℃に昇温し、この温度で20分間触媒還元処理を行った。オートクレーブを室温まで冷却してから水素を放圧した。次に、アンモニア30.6gを仕込み、水素30気圧をかけて160℃まで温度を上げた。水素ガスを20l/時で流しながら、1,9−ノナンジアールおよび2−メチル−1,8−オクタンジアールの混合物18.72g(これらのジアルデヒドの比率は72:28)の1−ブタノール75.0g溶液を40分間かけて高圧定量ポンプにてオートクレーブ内へ供給した。該溶液の供給終了後、さらに1時間160℃で撹拌下に水素ガスを通じた。
水素流通を停止し、冷却後にオートクレーブを常圧に戻した。反応液から触媒を濾過で除き、濾液を濃縮することにより粗生成物18.78gを得た。ガスクロマトグラフ分析により、これは1,9−ノナンジアミン12.67gおよび2−メチル−1,8−オクタンジアミン4.88gを含んでおり、収率はそれぞれ92.8%、92.0%で、平均収率は92.6%であった。
【0023】
<実施例2〜5>
1−ブタノールに代えて表1に示す溶媒を用いて、実施例1と同様の操作により反応を行った。結果を表1に示す。
【0024】
【表1】
Figure 0003630709
【0025】
<実施例6〜8>
直径約10〜約100nmの細孔の容積が0.19ml/gであるケイソウ土に担持されたニッケル触媒(ニッケル含有率52%)に代えて、表2に示す担体、ニッケル含有率、直径約10〜約100nmの細孔の容積を有するニッケル触媒を用いて、実施例1と同様の操作に従って反応を行った。結果を表2に示す。
【0026】
【表2】
Figure 0003630709
【0027】
比較例1
直径約10〜約100nmの細孔の容積が0.19ml/gであるケイソウ土に担持されたニッケル触媒(ニッケル含有率52%)に代えて、該細孔の容積が0.05ml/gであるケイソウ土担持ニッケル触媒(ニッケル含有率50%)を用いて、実施例1と同様の方法で反応を行ったところ、ジアミンの平均収率は66%と低い値であった。
【0028】
<実施例
実施例1で使用した1,9−ノナンジアールおよび2−メチル−1,8−オクタンジアールの混合物18.72gに代えて、1,10−デカンジアール、2−メチル−1,9−ノナンジアールおよび2,7−ジメチル−1,8−オクタンジアールの混合物20.41g(これらのジアルデヒドの比率は72:25:3)を用いて、実施例1と同様の操作により反応を行った。得られたそれぞれ対応する3種類のジアミンの平均収率は88.1%であった。
【0029】
<比較例(触媒の再使用性の検討)>
100mlの電磁撹拌型オートクレーブに、ラネーニッケル0.26g、メタノール11.4gおよび1,10−デカンジアミン2.27g(触媒の再使用時には、反応容器中に前回の反応生成物としてのジアミンが存在することを想定し、分析の際、確認の容易な他のジアミンを共存させた)を入れた。これにアンモニア5.3gを仕込み、水素30気圧をかけて100℃まで温度を上げた。水素ガスを10l/時で流しながら、1,9−ノナンジアールおよび2−メチル−1,8−オクタンジアールの混合物3.30g(これらのジアルデヒドの比率は72:28)およびガスクロマトグラフ分析の内部標準物質であるトリエチレングリコールジメチルエーテル1.50gのメタノール18.2g溶液とアンモニア10.0gとを1時間かけて、別々の高圧定量ポンプにてオートクレーブ内へ供給した。該溶液の供給終了後、反応液をガスクロマトグラフ分析したところ、1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンの平均収率は23.3%であった。さらにその温度で撹拌を2時間続けた後に反応液を同様に分析したところ、該平均収率は89.5%であった。
この反応液の20.91gを抜き取り、先と同様に原料ジアルデヒドのメタノール溶液とアンモニアを別々にオートクレーブへ供給した。供給終了後のガスクロマトグラフ分析では目的物のジアミンのピークは検出されず、原料ジアルデヒドとアンモニアとの反応により生じたと思われる白色沈澱物が認められた。
【0030】
<実施例10
ラネーニッケル0.26gに代えて、直径約10〜約100nmの細孔の容積が0.19ml/gであるケイソウ土に担持されたニッケル触媒(ニッケル含有率52%)0.50gを用いた以外は、比較例2に記載したのと同様の操作を行った。なお、ケイソウ土担持ニッケルの触媒使用量は、ニッケル重量としてラネーニッケルの場合とほぼ同一となるように設定した。原料ジアルデヒドのメタノール溶液の供給終了後のジアミンの平均収率は75.7%であった。さらに2時間そのまま撹拌継続後の収率は94.1%となった。
比較例2と同様の方法で2回目の原料溶液の供給を行ったところ、供給終了後の収率は74.5%であり、1回目とほぼ同じ速度で反応が進行していることが確認された。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、脂肪族ジアルデヒドを原料に、工業的に有利な一段階の反応工程で、しかも高収率で脂肪族ジアミンを製造することができる。

Claims (4)

  1. 脂肪族ジアルデヒドをアンモニアおよび水素と溶媒中で反応させる際に、触媒表面の直径10〜100nmの細孔容積が0.13〜0.23ml/gであり、かつ無機酸化物に担持されたニッケル触媒を存在させることを特徴とする対応する脂肪族ジアミンの製造方法。
  2. ケイソウ土、シリカ、アルミナ、あるいはこれらの内、少なくとも2種類の混合物に担持したニッケル触媒を用いることを特徴とする請求項1記載の脂肪族ジアミンの製造方法。
  3. 溶媒として低級アルコールを用いることを特徴とする請求項記載の脂肪族ジアミンの製造方法。
  4. 溶媒として環状エーテルを用いることを特徴とする請求項記載の脂肪族ジアミンの製造方法。
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