JP6485143B2 - ポリオキサミド樹脂の製造法 - Google Patents
ポリオキサミド樹脂の製造法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6485143B2 JP6485143B2 JP2015054228A JP2015054228A JP6485143B2 JP 6485143 B2 JP6485143 B2 JP 6485143B2 JP 2015054228 A JP2015054228 A JP 2015054228A JP 2015054228 A JP2015054228 A JP 2015054228A JP 6485143 B2 JP6485143 B2 JP 6485143B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- diamine
- polyoxamide resin
- polyoxamide
- oxalic acid
- pressure
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Polyamides (AREA)
Description
耐圧容器内でシュウ酸ジエステルとジアミンとを混合し、重縮合反応により生成するアルコール存在下で加圧重合する工程を有するポリオキサミド樹脂の製造法において、
シュウ酸ジエステルとジアミンとを混合する前に、ジアミン1kgに対し、50gから100gのn−ブタノールを添加・加熱し、気化成分を除去する工程を有するポリオキサミド樹脂の製造法により、より高分子量のポリオキサミド樹脂を製造できることを見出し、本発明を完成した。
前記シュウ酸ジエステルと前記ジアミンとを混合する前に、前記ジアミン1kgに対し、50gから100gのn−ブタノールを添加・加熱し、気化成分を除去する工程を有するポリオキサミド樹脂の製造法である。
ジアミンにシュウ酸ジエステルをフィードする際には、耐圧容器内を撹拌することが望ましい。撹拌速度は10〜300rpm、好ましくは20〜200rpm、更に好ましくは30〜150rpmである。フィード時の撹拌速度が10〜300rpmであると、ジアミンとシュウ酸ジn−ブチルがよく混合され、かつ、生成するポリオキサミド樹脂が耐圧容器内で飛び散らず穏やかに混合される点で良い。
本発明により得られるポリオキサミドの分子量に特別の制限はないが、数平均分子量が10000〜50000の範囲内である。数平均分子量が10000以上であると成形物の靭性が増す。一方、数平均分子量が50000以下であると溶融粘度が成形加工に適しており望ましい。また、本発明により得られるポリオキサミド樹脂の末端基は、アミノ基、アルコキシ基、ホルムアミド基のうちのいずれかである。ホルムアミド基は下記式1で示される末端基で、下記式2に示されるように、原料中および反応系中の(1)水分とアルコキシ基の反応、または、(2)アミノ基とアルコキシ基の反応により生成する。
本発明の製造法により得られるポリオキサミド樹脂には本発明の効果を損なわない範囲で、他のポリオキサミドや、芳香族ポリアミド、脂肪族ポリアミド、脂環式ポリアミドなどポリアミド類を混合することが可能である。更に、ポリアミド以外の熱可塑性ポリマー、エラストマー、フィラーや、補強繊維、各種添加剤を同様に配合することができる。則ち、本発明の製造方法により製造されるポリオキサミド樹脂を含む組成物にすることができる。
本発明の製造法により得られるポリオキサミド樹脂及びそのポリオキサミド樹脂を含む組成物の成形方法としては、射出、押出、中空、プレス、ロール、発泡、真空・圧空、延伸などポリアミドに適用できる公知の成形加工法はすべて可能であり、これらの成形法によってフィルム、シート、成形品、繊維などの成形品に加工することができる。
本発明の製造法によって得られるポリオキサミド及びそのポリオキサミド樹脂を含む組成物からなる成形品は、従来ポリアミド成形物が用いられてきた各種成形品、シート、フィルム、パイプ、チューブ、モノフィラメント、繊維、容器等として自動車部材、コンピューター及び関連機器、光学機器部材、電気・電子機器、情報・通信機器、精密機器、土木・建築用品、医療用品、家庭用品など広範な用途に使用できる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら制限されるものではない。なお、実施例中の構造解析、数平均分子量の算出、末端基濃度の算出、相対粘度の測定は以下の方法により行った。
一次構造の同定は、1H−NMRにより行った。1H−NMRは、ブルカー・バイオスピン社製 AVANCE500を使用して、溶媒:重硫酸、積算回数:1024回の条件で測定した。
数平均分子量(Mn)は、1H−NMRスペクトルから求めたシグナル強度をもとに、1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンからなり、かつ1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンのモル比が85:15であるジアミンとシュウ酸ジn−ブチルを原料とするポリオキサミド樹脂〔以下、PA92(NMDA/MODA=85/15)と略称する〕の場合は下式により算出した。
Mn=np×212.30+n(NH2)×157.28+n(OBu)×129.14+n(NHCHO)×29.14
また、前記式中の各項は以下のように規定される。
・np=Np/[(N(NH2)+N(NHCHO)+N(OBu))/2]
・n(NH2)=N(NH2)/[(N(NH2)+N(NHCHO)+N(OBu))/2]
・n(NHCHO)=N(NHCHO)/[(N(NH2)+N(NHCHO)+N(OBu))/2]
・n(OBu)=N(OBu)/[(N(NH2)+N(NHCHO)+N(OBu))/2]
・Np=[(Sp/sp)−1]/sp−N(NHCHO)
・N(NH2)=S(NH2)/s(NH2)
・N(NHCHO)=S(NHCHO)/s(NHCHO)
・N(OBu)=S(OBu)/s(OBu)
但し、各項は以下の意味を有する。
・Np:PA92(NMDA/MODA=85/15)の末端ユニットを除いた、分子鎖中の繰り返しユニット総数。
・np:分子1本当たりの分子鎖中の繰り返しユニット数。
・Sp:PA92(NMDA/MODA=85/15)の末端を除いた、分子鎖中の繰り返しユニット中のオキサミド基に隣接するメチレン基のプロトンに基づくシグナル(3.1ppm付近)の積分値。
・sp:積分値Spにカウントされる水素数(2個)。
・N(NH2):PA92(NMDA/MODA=85/15)の末端アミノ基の総数。
・n(NH2):分子1本当たりの末端アミノ基の数。
・S(NH2):PA92(NMDA/MODA=85/15)の末端アミノ基に隣接するメチレン基のプロトンに基づくシグナル(2.6ppm付近)の積分値。
・s(NH2):積分値S(NH2)にカウントされる水素数(2個)。
・N(NHCHO):PA92(NMDA/MODA=85/15)の末端ホルムアミド基の総数。
・n(NHCHO):分子1本当たりの末端ホルムアミド基の数。
・S(NHCHO):PA92(NMDA/MODA=85/15)のホルムアミド基のプロトンに基づくシグナル(7.8ppm)の積分値。
・s(NHCHO):積分値S(NHCHO)にカウントされる水素数(1個)。
・N(OBu):PA92(NMDA/MODA=85/15)の末端ブトキシ基の総数。
・n(OBu):分子1本当たりの末端ブトキシ基の数。
・S(OBu):PA92(NMDA/MODA=85/15)の末端ブトキシ基の酸素原子に隣接するメチレン基のプロトンに基づくシグナル(4.1ppm付近)の積分値。
・s(OBu):積分値S(OBu)にカウントされる水素数(2個)。
・末端アミノ基濃度[NH2]=n(NH2)/Mn
・末端ブトキシ基濃度[OBu]=n(OBu)/Mn
・末端ホルムアミド基濃度[NHCHO]=n(NHCHO)/Mn
(4)相対粘度(ηr)
ηrはポリオキサミドの96%硫酸溶液(濃度:1.0g/dL)を使用してオストワルド型粘度計を用いて25℃で測定した。
撹拌機、温度計、トルクメーター、圧力計、窒素ガス導入口、放圧口および冷却トラップ、ポリマー取出口、および直径1/8インチのSUS316製配管によって原料フィードポンプを直結させた原料投入口を備えた5Lの耐圧容器に、1,9−ノナンジアミン698g(4.41モル)と2−メチル−1,8−オクタンジアミン123g(0.779モル)の混合物(1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンのモル比が85:15)、およびn−ブタノール50.1g仕込み、窒素ガスで3.0MPaに加圧した後、次に常圧まで窒素ガスを放出する操作を5回繰り返した。次に、50mL/分の窒素気流下において耐圧容器内を120℃で2時間加熱することにより、気化成分を留去させた。撹拌速度は100rpmとした。次いで、耐圧容器内の初期温度を210℃にした後、原料フィードポンプにより、シュウ酸ジn−ブチル1050g(5.19モル)のフィードを開始し、同時に熱媒を昇温させた。撹拌速度は100rpmであった。重縮合反応により生成したn−ブタノールによる圧力を0.5MPaに調節した。耐圧容器内が235℃に到達した後、放圧口よりn−ブタノールを留去させ、撹拌速度50rpm、50mL/分の窒素気流下において常圧重合を行った。耐圧容器内の最終的な到達温度は260℃とし、撹拌トルクが一定になったところで重合を終了した。その後、撹拌を止めて系内を窒素で3.0MPaに加圧して10分間静置した後、内圧0.5MPaまで放圧し、重合物を圧力容器下部より紐状に抜き出した。紐状の重合物は直ちに水冷し、ペレタイザーによりペレット化した。得られたポリオキサミド樹脂は白色であった。
1,9−ノナンジアミン697g(4.41モル)と2−メチル−1,8−オクタンジアミン123g(0.778モル)の混合物(1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンのモル比が85:15)、シュウ酸ジn−ブチル1050g(5.19モル)を使用し、n−ブタノールを仕込まなかったこと以外は、実施例1と同様に重縮合反応を行った。得られたポリオキサミド樹脂は白色であった。
1,9−ノナンジアミン697g(4.41モル)と2−メチル−1,8−オクタンジアミン123g(0.78モル)の混合物(1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンのモル比が85:15)、シュウ酸ジn−ブチル1050g(5.19モル)を使用し、n−ブタノールを50.0g仕込み、シュウ酸ジn−ブチルのフィード開始時の耐圧容器内の初期温度を190℃にしたこと以外は、実施例1と同様に重縮合反応を行った。得られたポリオキサミド樹脂は白色であった。
1,9−ノナンジアミン699g(4.42モル)と2−メチル−1,8−オクタンジアミン123g(0.780モル)の混合物(1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンのモル比が85:15)、シュウ酸ジn−ブチル1050g(5.20モル)を使用し、n−ブタノールを仕込まなかったこと以外は、実施例2と同様に重縮合反応を行った。得られたポリオキサミド樹脂は白色であった。
Claims (3)
- 耐圧容器内でシュウ酸ジエステルとジアミンとを混合し、重縮合反応により生成するア
ルコール存在下で加圧重合する工程を有するポリオキサミド樹脂の製造法において、
前記シュウ酸ジエステルと前記ジアミンとを混合する前に、前記ジアミン1kgに対し
、50gから100gのn−ブタノールを添加・加熱し、気化成分を除去する工程を有す
るポリオキサミド樹脂の製造法であって、
前記ジアミンが、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、1,4−ブタンジアミン
、1,5−ペンタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、1,7−ヘプタンジアミン、
1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,
12−ドデカンジアミン、3−メチル−1,5−ペンタンジアミン、2,2,4−トリメ
チル−1,6−ヘキサンジアミン、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン
、2−メチル−1,8−オクタンジアミン、5−メチル−1,9−ノナンジアミン、シクロヘキサンジアミン、メチルシクロヘキサンジアミン、イソホロンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、キシレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルから選ばれる1種または2種以上の任意の混合物である、ポリオキサミド樹脂の製造法。 - 前記ジアミンが炭素数6〜12のジアミンである請求項1に記載のポリオキサミド樹脂
の製造法。 - 前記ジアミンが炭素数9のジアミンであることを特徴とする請求項1又は2に記載のポ
リオキサミド樹脂の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015054228A JP6485143B2 (ja) | 2015-03-18 | 2015-03-18 | ポリオキサミド樹脂の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015054228A JP6485143B2 (ja) | 2015-03-18 | 2015-03-18 | ポリオキサミド樹脂の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016172831A JP2016172831A (ja) | 2016-09-29 |
JP6485143B2 true JP6485143B2 (ja) | 2019-03-20 |
Family
ID=57009535
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015054228A Expired - Fee Related JP6485143B2 (ja) | 2015-03-18 | 2015-03-18 | ポリオキサミド樹脂の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6485143B2 (ja) |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3630709B2 (ja) * | 1993-12-28 | 2005-03-23 | 株式会社クラレ | 脂肪族ジアミンの製造方法 |
JP5593978B2 (ja) * | 2010-09-01 | 2014-09-24 | 宇部興産株式会社 | ポリオキサミド樹脂の製造法 |
-
2015
- 2015-03-18 JP JP2015054228A patent/JP6485143B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2016172831A (ja) | 2016-09-29 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5170085B2 (ja) | ポリアミド樹脂の製造法 | |
JP5796573B2 (ja) | ポリアミド樹脂 | |
JP5975038B2 (ja) | ポリアミド樹脂及びそれからなる成形品 | |
JP2009235225A (ja) | ポリアミド樹脂 | |
JP5141331B2 (ja) | ポリアミド樹脂の製造法 | |
JP2011063694A (ja) | ポリオキサミド樹脂の分子量制御方法及びポリオキサミド樹脂 | |
JP5593978B2 (ja) | ポリオキサミド樹脂の製造法 | |
JP5310429B2 (ja) | ポリオキサミド樹脂の分子量制御方法、及びポリオキサミド樹脂 | |
JP5482426B2 (ja) | 固相重合によるポリオキサミド樹脂の製造方法 | |
JP6485143B2 (ja) | ポリオキサミド樹脂の製造法 | |
JP2016121217A (ja) | ポリオキサミド樹脂の製造法 | |
JP6428253B2 (ja) | ポリオキサミド樹脂の製造法 | |
US9284410B2 (en) | Polyamide production method | |
JP6451082B2 (ja) | ポリアミド樹脂 | |
JP6464567B2 (ja) | ポリアミド樹脂及びそれを用いて製造される成形品 | |
JP6273883B2 (ja) | ポリアミド樹脂 | |
JP2011213978A (ja) | ポリオキサミド樹脂の製造法 | |
TWI545146B (zh) | Polyamide production method | |
JP2016065191A (ja) | ポリオキサミド樹脂及びその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20180119 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20180918 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20180925 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20181114 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20190122 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20190204 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6485143 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |