JP2011213978A - ポリオキサミド樹脂の製造法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明が解決しようとする課題は、従来のポリオキサミド樹脂の製造に必要であった溶媒中での前重縮合工程を行うことなく、また原料を混合する際に、高温高圧下で耐圧容器内にて反応させることもなく、未反応の原料が残らないように原料を混合し、末端基濃度のバランスが崩れないようにポリオキサミド樹脂を製造する方法を提供すること。
【解決手段】シュウ酸ジエステルとジアミンを原料とする重縮合反応によりポリオキサミド樹脂を得る製造法において、あらかじめ容器内にジアミンを仕込み、次いでシュウ酸ジエステルを混練することにより混合することを特徴とするポリオキサミド樹脂の製造法。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリオキサミド樹脂の製造法に関する。詳しくは、ジカルボン酸成分がシュウ酸であるポリアミド樹脂の製造法に関するものである。
ポリオキサミド樹脂は、アミド結合と炭化水素の比率が同じ他のポリアミド樹脂と比較して融点が高いこと及び吸水率が低いことが知られている(特許文献1)。
ポリオキサミド樹脂は、シュウ酸もしくはシュウ酸ジエステルと脂肪族、脂環族もしくは芳香族ジアミンとの重縮合反応により得られ、これまでに、種々のジアミンを用いたポリオキサミド樹脂が提案されている。しかしながら、シュウ酸は180℃を超えると熱分解するために原料としてシュウ酸を用いた場合に、高分子量のポリオキサミド樹脂が得られることはなく、合成例も無い。
また、シュウ酸ジアルキルのようなシュウ酸ジエステルをモノマーとして用いたポリオキサミド樹脂の製造法においては、種々のジアミンとの重縮合反応によるポリオキサミド樹脂が提案されている。例えば、ジアミンとして1,10−デカンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,8−オクタンジアミンを用いたポリオキサミド樹脂(いずれも特許文献2)や1,6−ヘキサンジアミンを用いたポリオキサミド樹脂(非特許文献1)など多くのポリオキサミド樹脂が提案されている。
しかしながら、これらのポリオキサミド樹脂はすべてトルエンなどの溶媒中で重縮合反応させてプレポリマーを得る前重縮合工程と、ここで得られるプレポリマーから溶媒を留去した後に溶融重合、もしくは固相重合してポリマーを得る後重縮合工程の2段階の重合工程が必要であった。このため、ポリオキサミド樹脂の製造は溶媒を留去させるために多くのエネルギーと時間を必要とするという問題があり、工業的な製造には適していない。
一方、耐圧容器内で原料のシュウ酸ジエステルとジアミンとを混合し、重縮合反応によって生成するアルコール存在下で加圧重合する工程を含むことを特徴とする、ポリオキサミド樹脂の製造法が提案されている(特許文献3)。この方法は、溶液重合工程を行うことなく1段階の重合でポリオキサミド樹脂を製造できるが、耐圧容器が必要となり、かつポリオキサミド樹脂を、生成するアルコール中でスラリー状もしくは溶液状を維持するために、高温高圧の反応条件が必要となるものであった。
さらに、容器内にシュウ酸ジエステルをあらかじめ仕込み、次いでジアミンを混合して撹拌し、溶媒を用いずにポリオキサミド樹脂の前重合物を得ることも開示されている(特許文献4)。しかしこの方法では、耐圧性のない容器でも製造可能であるものの、原料を混合する途中で前重合物が析出し、撹拌に伴う流れが充分に生じないために未反応の原料が残る可能性があり、末端基濃度のバランスが崩れる恐れがあった。
本発明が解決しようとする課題は、従来のポリオキサミド樹脂の製造に必要であった溶媒中での前重縮合工程を行うことなく、また原料を混合する際に、高温高圧下で耐圧容器内にて反応させることもなく、未反応の原料が残らないように原料を混合し、末端基濃度のバランスが崩れないようにポリオキサミド樹脂を製造する方法を提供することにある。
本発明者らは上記の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、原料であるシュウ酸ジエステルとジアミンを混練によって混合することにより、溶媒中での前重縮合工程が不要であり、かつ耐圧容器を使用することなく、末端基濃度のバランスが崩れないようにポリオキサミド樹脂を製造できることを見出して、本発明を完成した。従来、既に高分子量化した樹脂に対して他の樹脂をブレンドしたり、フィラーや着色剤、または、酸化防止剤や紫外線吸収剤などの各種添加剤をコンパウンドするために、混練操作を行うことがあった。しかし、原料、すなわち単量体(モノマー)から高分子量化するような樹脂の製造過程において、混練操作を行うことは、容易に想到し得ないことであった。
本発明のポリオキサミド樹脂製造法により、従来技術において必要であった溶液重合工程を行うことなく、また耐圧容器の中で高温高圧の反応をする必要もなく、末端基濃度のバランスが崩れないようにポリオキサミド樹脂を製造することが可能となった。
(1)ポリオキサミドの構成成分
本発明で製造の対象となるポリオキサミド樹脂のシュウ酸源としては、シュウ酸ジエステルが用いられ、これらはアミノ基との反応性を有するものであれば特に制限はなく、シュウ酸ジメチル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジn−(またはi−)プロピル、シュウ酸ジn−(またはi−、またはt−)ブチル等の脂肪族1価アルコールのシュウ酸ジエステル、シュウ酸ジシクロヘキシル等の脂環式アルコールのシュウ酸ジエステル、シュウ酸ジフェニル等の芳香族アルコールのシュウ酸ジエステル等が挙げられる。これらのうち、続く溶融重合、固相重合温度において、完全に取り除くことができるアルコールを生成するシュウ酸ジエステルが好ましく用いられる。このようなシュウ酸ジエステルの例としては、シュウ酸ジメチル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジn−(またはi−)プロピル、シュウ酸ジn−(またはi−、またはt−)ブチルを挙げることができる。さらに、ジアミンに対して混練により混合しやすい、室温で液体であるシュウ酸ジエチル、シュウ酸ジn−(またはi−)プロピル、シュウ酸ジn−(またはi−、またはt−)ブチルが特に好ましく用いられる。
原料のジアミンとしては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,5−ペンタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、1,7−ヘプタンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、3−メチル−1,5−ペンタンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2−メチル−1,8−オクタンジアミン、5−メチル−1,9−ノナンジアミンなどの脂肪族ジアミン、さらにシクロヘキサンジアミン、メチルシクロヘキサンジアミン、イソホロンジアミンなどの脂環式ジアミン、さらにp−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、キシレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルなどの芳香族ジアミン等から選ばれる1種または2種以上の任意の混合物が挙げられる。
(2)ポリオキサミドの製造法
以下、本発明の製造方法を具体的に説明する。まず重合反応器あるいは混練機内の混練室(以下、「容器」と言う)に、原料であるジアミンを、1種または2種以上仕込む。容器は、後でシュウ酸ジエステル混合時に行う混練操作に耐えるものであれば、特に制限されない。容器外部にジャケットを備え、恒温水循環器あるいは熱媒循環器を接続して、容器内部を温度調節できるものが望ましい。また容器外部に電熱ヒーターを備え、容器内部を温度調節できるものも望ましい。ジアミンを仕込んだ後、容器内を窒素のような不活性ガスで置換する。
次いで容器内のジアミンに、シュウ酸ジエステルを混練することにより混合する。ここで混練とは、主として固−液系、液−液系を扱い、強力なせん断により原料の変形、細分化、凝集の破壊、分散を行う(非特許文献2)混合の方式であり、羽根でせん断力場を形成させ、循環流れに基づく位置の入替えで均一混合する撹拌とは異なるものである。ポリオキサミド樹脂の製造法において、原料を混合する途中で重合物が析出し、撹拌に伴う循環流れが充分に生じない。そのため、析出した重合物と未反応の原料が循環流れを生じなくても、強制的に混合できるような、強力なせん断を起こす混練能力を備えた容器を使用する。混練方式は、得られるポリオキサミド樹脂の末端基濃度のバランスが崩れないような効果があればその方式に特に制限はないが、容器内の2本のローター羽根が回転するバンバリーミキサーや加圧ニーダー、あるいは2枚のブレードが公転運動と自転運動を同時に行う2軸遊星方式混合・混練機などのバッチ式混練機を使用することができる。また、単軸混練押出機、あるいは2軸混練押出機などの連続式スクリュー混練機も使用することができる。
混合するジアミンとシュウ酸ジエステルの比率は、ジアミン/シュウ酸ジエステル(モル比)で、0.8〜1.2、好ましくは0.91〜1.09、更に好ましくは0.98〜1.02である。原料を混合する温度は、生成するポリオキサミド樹脂の融点、あるいは熱分解しない温度のうち、どちらか低い方の温度であれば特に制限されないが、より効率よく混練するために、あらかじめ容器内に仕込むジアミンが液体である温度が望ましく、20℃から150℃が好ましい。さらに、重縮合反応に伴い生成するアルコールが沸騰し、容器内で加圧状態になる恐れがある場合には、原料を混合する温度を生成するアルコールの沸点未満に制御することが望ましく、20℃から100℃がより好ましい。20℃よりも低い温度で混合した場合は、ジアミンが固体になる場合が多く好ましくない。150℃よりも高い温度で混合した場合には、生成するアルコールが激しく沸騰するため好ましくない。ジアミンにシュウ酸ジエステルを混練する工程の圧力については、0.19MPa(ゲージ圧)以下が好ましく、0MPa(ゲージ圧)すなわち常圧がさらに好ましい。0.19MPa以下の場合は、高温高圧でない穏やかな反応になるからである。
次に、上記により得られたポリオキサミド前重合物を重合反応器に移し、ポリオキサミド樹脂の融点以上でかつ熱分解しない温度以下に昇温して溶融する。その後、必要に応じて常圧窒素気流下もしくは減圧下において重縮合反応を行う。減圧下で溶融重合を行う場合の好ましい最終到達圧力は760〜0.1Torrである。温度は、得られるポリオキサミド樹脂の融点に応じて変化させることができるが、240〜300℃が好ましい。重縮合反応に伴い生成するアルコールは、水冷コンデンサで冷却して凝縮させ、回収する。
得られたポリオキサミド前重合物は、ポリオキサミド樹脂の融点以下の温度で固相重合することもできる。得られたポリオキサミド前重合物を固相重合器に移し、必要に応じて常圧窒素気流下もしくは減圧下において重縮合反応を行う。固相重合器は、ポリアミド樹脂やポリエステル樹脂の製造に一般的に用いられるものが望ましく、コニカルドライヤー(回転型真空乾燥機)やパドルドライヤー(連続式撹拌乾燥機)などが好適に用いられる。減圧下で固相重合を行う場合の好ましい最終到達圧力は760〜0.1Torrである。温度は、得られるポリオキサミド樹脂の融点に応じて変化させることができるが、220〜280℃が好ましい。同様に、重縮合反応に伴い生成するアルコールは、水冷コンデンサで冷却して凝縮させ、回収する。
また、得られたポリオキサミド前重合物を容器から取り出さず、そのまま、ポリオキサミド樹脂の融点以上の温度で溶融重合、および/または、融点未満の温度で固相重合することもできる。その場合は容器を、混練に次いで行う重合の温度および圧力条件に耐えられるものにする。
本発明のポリオキサミド樹脂の製造法において、必要に応じて重合触媒を添加することができる。重合触媒としては、リン酸、ピロリン酸、ポリリン酸などのリン化合物、ヒ素、アンチモンなど周期表V族元素の酸化物およびハロゲン化物、例えば、フッ化アンチモン、三酸化二ヒ素などが挙げられる。また触媒と耐熱剤の両方の効果をねらって、亜リン酸、次亜リン酸、及びこれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩などの無機系リン化合物を添加することもできる。触媒の添加は、容器に原料であるジアミンを仕込んだ後、シュウ酸ジエステルを混練する前に添加し、あらかじめ均一化おくのが望ましい。添加量は、通常、仕込み原料に対して50〜3000ppmである。
(3)ポリオキサミドの性状および物性
本発明により得られるポリオキサミドの分子量に特別の制限はないが、数平均分子量が8000〜50000の範囲内である。数平均分子量が8000より低いと成形物が脆くなり物性が低下する。一方、数平均分子量が50000より高いと溶融粘度が高くなり、成形加工性が悪くなる。また、本発明により得られるポリオキサミド樹脂の末端基は、アミノ基、アルコキシ基、ホルムアミド基のうちのいずれかである。ホルムアミド基は下記式1で示される末端基で、下記式2に示されるように、原料中および反応系中の(1)水分とアルコキシ基の反応、または、(2)アミノ基とアルコキシ基の反応により生成する
Figure 2011213978
ホルムアミド基生成反応式
(1)水とアルコキシ基の反応
Figure 2011213978
式中のR1はポリマーの残基、または脂肪族ジアミン、脂環族ジアミン、芳香族ジアミンのアミノ基を1つ除いた残基のうちいずれかを示し、R2はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基のうちいずれかを示す。
(2)アミノ基とアルコキシ基の反応
Figure 2011213978
式中のR3およびR4はポリマーの残基、または脂肪族ジアミン、脂環族ジアミン、芳香族ジアミンのアミノ基を1つ除いた残基のうちいずれかを示し、R5はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基のうちいずれかを示す。
(4)ポリオキサミド樹脂に配合できる成分
本発明により得られるポリオキサミド樹脂には、本発明の効果を損なわない範囲で、他のポリオキサミドや、芳香族ポリアミド、脂肪族ポリアミド、脂環式ポリアミドなどのポリアミド樹脂類を混合することが可能である。更に、ポリアミド樹脂以外の熱可塑性ポリマー、エラストマー、フィラーや、補強繊維、各種添加剤を配合することができる。
さらに、本発明により得られるポリオキサミド樹脂には必要に応じて、銅化合物などの安定剤、着色剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、結晶化促進剤、ガラス繊維、可塑剤、潤滑剤などを重縮合反応時、またはその後に添加することもできる。
(5)ポリオキサミド樹脂の成形加工
本発明により得られるポリオキサミド樹脂の成形方法としては、射出、押出、中空、プレス、ロール、発泡、真空・圧空、延伸などポリアミドに適用できる公知の成形加工法はすべて可能であり、これらの成形法によってフィルム、シート、成形品、繊維などに加工することができる。
(6)ポリオキサミド成形物の用途
本発明によって得られるポリオキサミドの成形物は、従来ポリアミド成形物が用いられてきた各種成形品、シート、フィルム、パイプ、チューブ、モノフィラメント、繊維、容器等として自動車部材、コンピューター及び関連機器、光学機器部材、電気・電子機器、情報・通信機器、精密機器、土木・建築用品、医療用品、家庭用品など広範な用途に使用できる。
[評価方法]
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら制限されるものではない。なお、実施例中の構造解析、数平均分子量の算出、末端基濃度の算出、相対粘度の測定は以下の方法により行った。
(1)構造解析
一次構造の同定は、1H−NMRにより行った。1H−NMRは、ブルカー・バイオスピン社製 AVANCE500を使用して、溶媒:重硫酸、積算回数:1024回の条件で測定した。
(2)数平均分子量(Mn)
数平均分子量(Mn)は、H−NMRスペクトルから求めたシグナル強度をもとに、1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンからなり、かつ1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンのモル比が85:15であるジアミンとシュウ酸ジブチルを原料とするポリオキサミド樹脂〔以下、PA92(NMDA/MODA=85/15)と略称する〕の場合は下式により算出した。
Mn=np×212.30+n(NH2)×157.28+n(OBu)×129.14+n(NHCHO)×29.14
また、前記式中の各項は以下のように規定される。
・np=Np/[(N(NH2)+N(NHCHO)+N(OBu))/2]
・n(NH2)=N(NH2)/[(N(NH2)+N(NHCHO)+N(OBu))/2]
・n(NHCHO)=N(NHCHO)/[(N(NH2)+N(NHCHO)+N(OBu))/2]
・n(OBu)=N(OBu)/[(N(NH2)+N(NHCHO)+N(OBu))/2]
・Np=[(Sp/sp)−1]/sp−N(NHCHO)
・N(NH2)=S(NH2)/s(NH2)
・N(NHCHO)=S(NHCHO)/s(NHCHO)
・N(OBu)=S(OBu)/s(OBu)
但し、各項は以下の意味を有する。
・Np:PA92(NMDA/MODA=85/15)の末端ユニットを除いた、分子鎖中の繰り返しユニット総数。
・np:分子1本当たりの分子鎖中の繰り返しユニット数。
・Sp:PA92(NMDA/MODA=85/15)の末端を除いた、分子鎖中の繰り返しユニット中のオキサミド基に隣接するメチレン基のプロトンに基づくシグナル(3.1ppm付近)の積分値。
・sp:積分値Spにカウントされる水素数(2個)。
・N(NH2):PA92(NMDA/MODA=85/15)の末端アミノ基の総数。
・n(NH2):分子1本当たりの末端アミノ基の数。
・S(NH2):PA92(NMDA/MODA=85/15)の末端アミノ基に隣接するメチレン基のプロトンに基づくシグナル(2.6ppm付近)の積分値。
・s(NH2):積分値S(NH2)にカウントされる水素数(2個)。
・N(NHCHO):PA92(NMDA/MODA=85/15)の末端ホルムアミド基の総数。
・n(NHCHO):分子1本当たりの末端ホルムアミド基の数。
・S(NHCHO):PA92(NMDA/MODA=85/15)のホルムアミド基のプロトンに基づくシグナル(7.8ppm)の積分値。
・s(NHCHO):積分値S(NHCHO)にカウントされる水素数(1個)。
・N(OBu):PA92(NMDA/MODA=85/15)の末端ブトキシ基の総数。
・n(OBu):分子1本当たりの末端ブトキシ基の数。
・S(OBu):PA92(NMDA/MODA=85/15)の末端ブトキシ基の酸素原子に隣接するメチレン基のプロトンに基づくシグナル(4.1ppm付近)の積分値。
・s(OBu):積分値S(OBu)にカウントされる水素数(2個)。
(3)末端基濃度:蓚酸ジブチルを用いた場合、末端アミノ基濃度[NH]、末端ブトキシ基濃度[OBu]、末端ホルムアミド基濃度[NHCHO]は次の式に従ってそれぞれ求めた。
・末端アミノ基濃度[NH]=n(NH)/Mn
・末端ブトキシ基濃度[OBu]=n(OBu)/Mn
・末端ホルムアミド基濃度[NHCHO]=n(NHCHO)/Mn
(4)相対粘度(ηr)
ηrはポリオキサミドの96%硫酸溶液(濃度:1.0g/dl)を使用してオストワルド型粘度計を用いて25℃で測定した。
[実施例1]
公転運動と自転運動が同時に生じる2枚の混練用ブレード、窒素導入管、原料フィード口を備え、内容積が1Lの2軸遊星方式混合・混練機のジャケット付き容器内に、1,9−ノナンジアミン9.77g(0.0617モル)、2−メチル−1,8−オクタンジアミン153.02g(0.9673モル)の混合物(1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンのモル比が6:94)を仕込んだ。次いで、容器内を真空ポンプを使って減圧し、純度が99.99%の窒素ガスを常圧まで導入する操作を5回繰り返した。恒温水循環器により20℃に設定した循環水を容器のジャケットに流し、公転回転速度40rpm、自転回転速度96rpmで、2枚の混練用ブレードを回転させた。そして、純度99.99%の窒素ガスを容器内に流しながら、フィードポンプを用いて、シュウ酸ジブチル208.02g(1.029モル)を10分間かけて容器内にフィードした(フィードポンプの流速設定は21mL/分)。その間、容器内の圧力は常圧であった。更に、シュウ酸ジブチルをフィード後も6分間混練を続け、前重合物を得た。
上記操作によって得られた前重合物約16gを、アンカー型撹拌羽根を持つ撹拌機、空冷管、窒素導入管を備えた直径約35mmφのガラス製重合試験管に仕込んだ。試験管内を13.3Pa以下の減圧下に保ち次いで純度が99.9999%の窒素ガスを常圧まで導入する操作を5回繰り返した後、50ml/分の窒素気流下260℃に保った塩浴に移し、2時間重縮合反応を行った。撹拌の回転数は50rpmであった。続いて塩浴から取り出し、50ml/分の窒素気流下で室温まで冷却して生成物を得た。得られたものは淡黄色の強靭な重合物であった。
[実施例2]
公転運動と自転運動が同時に生じる2枚の混練用ブレード、窒素導入管、原料フィード口を備え、内容積が0.3Lの2軸遊星方式混合・混練機のジャケット付き容器内に、1,10−デカンジアミン50.32g(0.2920モル)を仕込んだ。次いで、容器内を真空ポンプを使って減圧し、純度が99.9999%の窒素ガスを常圧まで導入する操作を5回繰り返した。恒温水循環器により75℃に設定した循環水を容器のジャケットに流し、公転回転速度100rpm、自転回転速度240rpmで、2枚の混練用ブレードを回転させた。そして、純度99.9999%の窒素ガスを容器内に流しながら、フィードポンプを用いて、シュウ酸ジブチル59.06g(0.2920モル)を10分間かけて容器内にフィードした(フィードポンプの流速設定は6mL/分)。その間、容器内の圧力は常圧であった。更に、シュウ酸ジブチルをフィード後も75分間混練を続け、前重合物を得た。
上記操作によって得られた前重合物約16gを実施例1と同様のガラス製重合試験管に仕込み、試験管内を13.3Pa以下の減圧下に保ち次いで純度が99.9999%の窒素ガスを常圧まで導入する操作を5回繰り返した後、50ml/分の窒素気流下270℃に保った塩浴に移し、2時間重縮合反応を行った。撹拌の回転数は50rpmであった。続いて塩浴から取り出し、50ml/分の窒素気流下で室温まで冷却して生成物を得た。得られたものは黄色の強靭な重合物であった。
[比較例1]
アンカー型撹拌羽根を持つ撹拌機、窒素導入管、原料投入口、ブタノール留出管を備えた内容積が500mLのセパラブルフラスコの容器内を13.3Pa以下の減圧下に保ち、次いで純度が99.999%の窒素ガスを常圧まで導入する操作を5回繰り返した後、60℃のオーブンで融解させた1,9−ノナンジアミン74.56g(0.4710モル)、2−メチル−1,8−オクタンジアミン13.16g(0.08312モル)の混合物(1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンのモル比が85:15)を、漏斗を用いて仕込んだ。このセパラブルフラスコをオイルバス中に設置して50℃に昇温した後、シュウ酸ジブチル112.1g(0.5542モル)を30秒間かけて容器内に仕込んだ。このとき、アンカー型撹拌羽根を持つ撹拌機により、回転数300rpmで容器内を撹拌した。重縮合反応により生成した重合物が容器内に析出し、同時に生成したブタノールの一部が留出した。なお、原料仕込みから反応終了までの全ての操作は100ml/分の窒素気流下で行った。
上記操作によって得られた前重合物約10gを実施例1と同様のガラス製重合試験管に仕込み、試験管内を13.3Pa以下の減圧下に保ち次いで純度が99.9999%の窒素ガスを常圧まで導入する操作を5回繰り返した後、50ml/分の窒素気流下190℃に保った塩浴に移し、3時間重縮合反応を行った。1時間かけて塩浴の温度を260℃とした後、さらに2時間反応させた。その間の撹拌の回転数は50rpmであった。続いて塩浴から取り出し、50ml/分の窒素気流下で室温まで冷却して生成物を得た。得られたものは黄色のもろい重合物であった。
実施例1と2および比較例1によって得られたポリオキサミド樹脂のηr、末端基濃度、数平均分子量を表1に示す。
Figure 2011213978
以上詳述したように、本発明の製造法により、溶媒中での前重縮合工程を行うことなく、また高温高圧下で耐圧容器内にて反応させることもなく、末端基濃度のバランスが崩れないようにポリオキサミド樹脂を製造することができる。
特開2006−57033 特表平5−506466 WO2008/123531 特開2009−235224
S. W. Shalaby., J. Polym. Sci., 11, 1(1973) 撹拌・混合・混練・分散技術集成 村上泰弘著(1991年)

Claims (3)

  1. シュウ酸ジエステルとジアミンを原料とする重縮合反応によりポリオキサミド樹脂を得る製造法において、あらかじめ容器内にジアミンを仕込み、次いでシュウ酸ジエステルを混練することにより混合することを特徴とするポリオキサミド樹脂の製造法。
  2. 請求項1に記載のポリオキサミド樹脂の製造法において、ジアミンにシュウ酸ジエステルを混練する工程に次いで、生成したポリオキサミド樹脂の融点以上の温度で溶融重合する、および/または、融点未満の温度で固相重合することを特徴とするポリオキサミド樹脂の製造法。
  3. 請求項1又は2に記載のポリオキサミド樹脂の製造法において、ジアミンにシュウ酸ジエステルを混練する工程の圧力が0.19MPa(ゲージ圧)以下であることを特徴とするポリオキサミド樹脂の製造法。
JP2010112821A 2010-03-16 2010-05-17 ポリオキサミド樹脂の製造法 Pending JP2011213978A (ja)

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