JP2016121217A - ポリオキサミド樹脂の製造法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明の目的は、シュウ酸ジエステルとジアミンとを混合するときの初期温度が低く、かつ熱媒昇温速度が低下した条件であっても、高分子量のポリオキサミド樹脂を得る製造法を提供することにある。【解決手段】 ジアミンとシュウ酸ジエステルの反応により生成するアルコール存在下で加圧重合する工程を有するポリオキサミド樹脂の製造法において、予め仕込んだ前記ジアミンに前記シュウ酸ジエステルを投入するときの温度が170℃以下であり、その時の熱媒昇温速度が10℃/15分以下であり、あらかじめ仕込んだ前記ジアミンの重量をM(kg)、投入するシュウ酸ジエステルの23℃時のフィード速度をF(L/分)とする時、X=F/Mにより求められるXが、0.16以上0.50以下であるポリオキサミド樹脂の製造法。【選択図】 なし
Description
本発明は、ポリオキサミド樹脂の製造法に関するものである。
シュウ酸ジアルキルのようなシュウ酸ジエステルをモノマーとして用いたポリオキサミド樹脂の製造法も公知であり、種々のジアミンとの重縮合反応によるポリオキサミド樹脂が提案されている。例えば、ジアミン成分として1,10−デカンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,8−オクタンジアミンを用いたポリオキサミド樹脂(いずれも特許文献1)や1,6−ヘキサンジアミンを用いたポリオキサミド樹脂(非特許文献1)など数多くのポリオキサミド樹脂が提案されている。
また、耐圧容器内でシュウ酸ジエステルとジアミンとを混合し、重縮合反応により生成するアルコール存在下で加圧重合する工程を含むことを特徴とするポリオキサミド樹脂の製造法が開示されている(特許文献2)。本方法は、従来のポリオキサミド樹脂の製造に必要であった溶媒中での前重縮合工程を行うことなく、一段階の重合でポリオキサミド樹脂を製造する方法であり、工業的な製造に適する方法であった。
S. W. Shalaby., J. Polym. Sci., 11, 1(1973)
しかしながら、ジアミンを予め耐圧容器に仕込み、シュウ酸ジエステルを耐圧容器に投入し、ジアミンとシュウ酸ジエステルを混合し、反応により生成するアルコール存在下で加圧重合する工程を有するポリオキサミド樹脂の製造法において、シュウ酸ジエステルとジアミンとを混合するときの初期温度、熱媒昇温速度によっては、高分子量のポリオキサミド樹脂が得られない場合があった。
本発明が解決しようとする課題は、シュウ酸ジエステルとジアミンとを混合するときの初期温度が低く、かつ熱媒昇温速度が低下した条件であっても、高分子量のポリオキサミド樹脂を得る製造法を提供することにある。
本発明者らは上記の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、
あらかじめ耐圧容器にジアミンを仕込み、
前記耐圧容器内にシュウ酸ジエステルを投入し、前記ジアミンと混合し、
前記ジアミンと前記シュウ酸ジエステルの反応により生成するアルコールの存在下で加圧重合する工程を有するポリオキサミド樹脂の製造法において、
前記ジアミンに前記シュウ酸ジエステルを投入するときの耐圧容器内の温度が170℃以下であり、
前記シュウ酸ジエステルと前記ジアミンとを混合させるときの熱媒昇温速度が10℃/15分以下であり、
あらかじめ仕込んだ前記ジアミンの重量をM(kg)、投入するシュウ酸ジエステルの23℃時のフィード速度をF(L/分)とする時、X=F/Mにより求められるXが、0.16以上0.50以下であるポリオキサミド樹脂の製造法により、効率的に高分子量のポリオキサミド樹脂を製造できることを見出し、本発明を完成した。
あらかじめ耐圧容器にジアミンを仕込み、
前記耐圧容器内にシュウ酸ジエステルを投入し、前記ジアミンと混合し、
前記ジアミンと前記シュウ酸ジエステルの反応により生成するアルコールの存在下で加圧重合する工程を有するポリオキサミド樹脂の製造法において、
前記ジアミンに前記シュウ酸ジエステルを投入するときの耐圧容器内の温度が170℃以下であり、
前記シュウ酸ジエステルと前記ジアミンとを混合させるときの熱媒昇温速度が10℃/15分以下であり、
あらかじめ仕込んだ前記ジアミンの重量をM(kg)、投入するシュウ酸ジエステルの23℃時のフィード速度をF(L/分)とする時、X=F/Mにより求められるXが、0.16以上0.50以下であるポリオキサミド樹脂の製造法により、効率的に高分子量のポリオキサミド樹脂を製造できることを見出し、本発明を完成した。
本発明のポリオキサミド樹脂の製造法により、ジアミンに前記シュウ酸ジエステルを投入するときの耐圧容器内の温度が170℃以下であり、熱媒昇温速度が10℃/15分以下であっても、高分子量のポリオキサミド樹脂を製造することが可能となった。
(1)ポリオキサミドの構成成分
本発明で製造の対象となるポリオキサミド樹脂のシュウ酸源としては、シュウ酸ジエステルが用いられ、これらはアミノ基との反応性を有するものであれば特に制限はなく、シュウ酸ジメチル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジn−(またはi−)プロピル、シュウ酸ジn−(またはi−、またはt−)ブチル等の脂肪族1価アルコールのシュウ酸ジエステル、シュウ酸ジシクロヘキシル等の脂環式アルコールのシュウ酸ジエステル、シュウ酸ジフェニル等の芳香族アルコールのシュウ酸ジエステル等が挙げられる。これらのうち、重縮合反応により発生するアルコールに生成ポリオキサミド樹脂が良好に溶解し、続く溶融重合、固相重合温度においてアルコールを完全に取り除くことができるアルコールを生成するシュウ酸ジエステルが好ましく用いられる。このようなシュウ酸ジエステルの例としては、シュウ酸ジメチル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジn−(またはi−)プロピル、シュウ酸ジn−(またはi−、またはt−)ブチルを挙げることができる。その中でもシュウ酸ジn−ブチルが特に好ましい。
本発明で製造の対象となるポリオキサミド樹脂のシュウ酸源としては、シュウ酸ジエステルが用いられ、これらはアミノ基との反応性を有するものであれば特に制限はなく、シュウ酸ジメチル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジn−(またはi−)プロピル、シュウ酸ジn−(またはi−、またはt−)ブチル等の脂肪族1価アルコールのシュウ酸ジエステル、シュウ酸ジシクロヘキシル等の脂環式アルコールのシュウ酸ジエステル、シュウ酸ジフェニル等の芳香族アルコールのシュウ酸ジエステル等が挙げられる。これらのうち、重縮合反応により発生するアルコールに生成ポリオキサミド樹脂が良好に溶解し、続く溶融重合、固相重合温度においてアルコールを完全に取り除くことができるアルコールを生成するシュウ酸ジエステルが好ましく用いられる。このようなシュウ酸ジエステルの例としては、シュウ酸ジメチル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジn−(またはi−)プロピル、シュウ酸ジn−(またはi−、またはt−)ブチルを挙げることができる。その中でもシュウ酸ジn−ブチルが特に好ましい。
原料のジアミンとしては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,5−ペンタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、1,7−ヘプタンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、3−メチル−1,5−ペンタンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2−メチル−1,8−オクタンジアミン、5−メチル−1,9−ノナンジアミンなどの脂肪族ジアミン、さらにシクロヘキサンジアミン、メチルシクロヘキサンジアミン、イソホロンジアミンなどの脂環式ジアミン、さらにp−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、キシレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルなどの芳香族ジアミン等から選ばれる1種または2種以上の任意の混合物が挙げられる。
(2)ポリオキサミド樹脂の製造法
以下、本発明のポリオキサミド樹脂の製造法を具体的に説明する。まず耐圧容器にジアミンを仕込み、容器内を窒素のような不活性ガスで置換する。次いで、容器内のジアミンをシュウ酸ジエステルと混合する温度の170℃以下まで昇温し、シュウ酸ジエステルを投入する。容器は重縮合反応の温度および圧力に耐え得るものであれば特に制限されない。シュウ酸ジエステルとジアミンの比率は、シュウ酸ジエステル/ジアミン(モル比)で、0.8〜1.2(モル比)、好ましくは0.91〜1.09、更に好ましくは0.98〜1.02(モル比)である。
以下、本発明のポリオキサミド樹脂の製造法を具体的に説明する。まず耐圧容器にジアミンを仕込み、容器内を窒素のような不活性ガスで置換する。次いで、容器内のジアミンをシュウ酸ジエステルと混合する温度の170℃以下まで昇温し、シュウ酸ジエステルを投入する。容器は重縮合反応の温度および圧力に耐え得るものであれば特に制限されない。シュウ酸ジエステルとジアミンの比率は、シュウ酸ジエステル/ジアミン(モル比)で、0.8〜1.2(モル比)、好ましくは0.91〜1.09、更に好ましくは0.98〜1.02(モル比)である。
ジアミンにシュウ酸ジエステルを投入することで、直ちに重縮合反応が始まり、ポリオキサミド樹脂およびアルコールが生成する。アルコールによる加圧下で撹拌することにより、生成したポリオキサミド樹脂がアルコールに溶解する。すなわち、アルコール存在下でポリオキサミド樹脂を溶解させながら重縮合反応を進めるためには、ポリオキサミド樹脂のアルコール溶液がより均一であることが望ましい。
基本的に、ジアミンにシュウ酸ジエステルを投入する際の温度は、シュウ酸ジエステルおよびジアミンの融点以上、沸点未満の温度であり、かつシュウ酸ジエステルとジアミンの重縮合反応によって生じるポリオキサミドが熱分解しない温度が好ましい。ジアミンにシュウ酸ジエステルを投入する際の温度が40℃から240℃が好ましく、熱媒昇温速度は50℃/15分〜100℃/15分が好ましいが、本発明のポリオキサミド樹脂の製造法により、ジアミンにシュウ酸エステルを投入する際の温度が70℃以下、ジアミンにシュウ酸ジエステルを投入する際の熱媒昇温速度が10℃/15分以下でも高分子量のポリオキサミド樹脂が得られる。
ジアミンにシュウ酸ジエステルを投入する際には、耐圧容器内を撹拌することが望ましい。撹拌速度は10〜300rpm、好ましくは20〜200rpm、更に好ましくは30〜150rpmである。投入時の撹拌速度が10〜300rpmであると、ジアミンとシュウ酸ジエステルがよく混合され、かつ、生成するポリオキサミド樹脂が耐圧容器内で飛び散らず穏やかに混合される点で良い。
あらかじめ仕込んだジアミン重量M(kg)、投入するシュウ酸ジエステルの23℃時のフィード速度F(L/分)とする時、X=F/Mの式により規定されるシュウ酸ジエステルのフィード速度パラメータが、0.16以上0.50以下である。フィード速度パラメータXが0.16未満であると、シュウ酸ジエステルを投入中に、ポリオキサミド樹脂がアルコール溶液から析出し、好ましくない。また、フィード速度パラメータXが0.50より大きいと、シュウ酸ジエステルの投入が制御しづらく好ましくない。
ジアミンにシュウ酸ジエステルを投入するとポリオキサミド樹脂およびアルコールが生成し、耐圧容器内は生成したアルコールより加圧状態となる。耐圧容器内の圧力は、生成したアルコールを留去させながら0〜1.0MPa(ゲージ圧)の範囲で一定に調節することが好ましい。圧力を保持したまま、生成したポリオキサミド樹脂の融点以上の温度へ昇温する。例えば、1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンからなり、かつ1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンのモル比が85:15であるジアミンを用いたポリオキサミド樹脂の場合、融点は235℃である。したがってこの場合、耐圧容器内が235℃以上に到達した段階で、n−ブタノールを留去させ、常圧窒素気流下もしくは必要に応じて減圧下において継続して重縮合反応を行う。常圧もしくは減圧重合するときの温度は245℃〜315℃、好ましく245℃〜285℃、更に好ましくは245℃〜265℃ある。また、減圧重合を行う場合の好ましい最終到達圧力は760〜0.1Torrである。
(3)ポリオキサミドの性状および物性
本発明により得られるポリオキサミドの分子量に特別の制限はないが、数平均分子量が18000〜50000の範囲内である。数平均分子量が18000以上であると成形物の靭性が増し、物性が向上する。一方、数平均分子量が50000以下であると溶融粘度が成形加工に適しており望ましい。また、本発明により得られるポリオキサミド樹脂の末端基は、アミノ基、アルコキシ基、ホルムアミド基のうちのいずれかである。ホルムアミド基は下記式1で示される末端基で、下記式2に示されるように、原料中および反応系中の(1)水分とアルコキシ基の反応、または、(2)アミノ基とアルコキシ基の反応により生成する。
(式1)
本発明により得られるポリオキサミドの分子量に特別の制限はないが、数平均分子量が18000〜50000の範囲内である。数平均分子量が18000以上であると成形物の靭性が増し、物性が向上する。一方、数平均分子量が50000以下であると溶融粘度が成形加工に適しており望ましい。また、本発明により得られるポリオキサミド樹脂の末端基は、アミノ基、アルコキシ基、ホルムアミド基のうちのいずれかである。ホルムアミド基は下記式1で示される末端基で、下記式2に示されるように、原料中および反応系中の(1)水分とアルコキシ基の反応、または、(2)アミノ基とアルコキシ基の反応により生成する。
(式1)
式中のR1はポリマーの残基、または脂肪族ジアミン、脂環族ジアミン、芳香族ジアミンのアミノ基を1つ除いた残基のうちいずれかを示し、R2はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基のうちいずれかを示す。
(4)ポリオキサミド樹脂に配合できる成分
本発明から得られるポリオキサミド樹脂には本発明の効果を損なわない範囲で、他のポリオキサミドや、芳香族ポリアミド、脂肪族ポリアミド、脂環式ポリアミドなどポリアミド類を混合することが可能である。更に、ポリアミド以外の熱可塑性ポリマー、エラストマー、フィラーや、補強繊維、各種添加剤を同様に配合することができる。
本発明から得られるポリオキサミド樹脂には本発明の効果を損なわない範囲で、他のポリオキサミドや、芳香族ポリアミド、脂肪族ポリアミド、脂環式ポリアミドなどポリアミド類を混合することが可能である。更に、ポリアミド以外の熱可塑性ポリマー、エラストマー、フィラーや、補強繊維、各種添加剤を同様に配合することができる。
さらに、本発明により得られるポリオキサミド樹脂には必要に応じて、銅化合物などの安定剤、着色剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、結晶化促進剤、ガラス繊維、可塑剤、潤滑剤などを重縮合反応時、またはその後に添加することもできる。
則ち、本発明から得られるポリオキサミド樹脂は、ポリオキサミド樹脂に配合できる成分を含む組成物にすることができる。
(5)ポリオキサミド樹脂の成形加工
本発明により得られるポリオキサミド樹脂の成形方法としては、射出、押出、中空、プレス、ロール、発泡、真空・圧空、延伸などポリアミドに適用できる公知の成形加工法はすべて可能であり、これらの成形法によってフィルム、シート、成形品、繊維などに加工することができる。
本発明により得られるポリオキサミド樹脂の成形方法としては、射出、押出、中空、プレス、ロール、発泡、真空・圧空、延伸などポリアミドに適用できる公知の成形加工法はすべて可能であり、これらの成形法によってフィルム、シート、成形品、繊維などに加工することができる。
(6)ポリオキサミド成形物の用途
本発明によって得られるポリオキサミドの成形物は、従来ポリアミド成形物が用いられてきた各種成形品、シート、フィルム、パイプ、チューブ、モノフィラメント、繊維、容器等として自動車部材、コンピューター及び関連機器、光学機器部材、電気・電子機器、情報・通信機器、精密機器、土木・建築用品、医療用品、家庭用品など広範な用途に使用できる。
本発明によって得られるポリオキサミドの成形物は、従来ポリアミド成形物が用いられてきた各種成形品、シート、フィルム、パイプ、チューブ、モノフィラメント、繊維、容器等として自動車部材、コンピューター及び関連機器、光学機器部材、電気・電子機器、情報・通信機器、精密機器、土木・建築用品、医療用品、家庭用品など広範な用途に使用できる。
[評価方法]
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら制限されるものではない。なお、実施例中の構造解析、数平均分子量の算出、末端基濃度の算出、相対粘度の測定は以下の方法により行った。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら制限されるものではない。なお、実施例中の構造解析、数平均分子量の算出、末端基濃度の算出、相対粘度の測定は以下の方法により行った。
(1)構造解析
一次構造の同定は、1H−NMRにより行った。1H−NMRは、ブルカー・バイオスピン社製 AVANCE500を使用して、溶媒:重硫酸、積算回数:1024回の条件で測定した。
一次構造の同定は、1H−NMRにより行った。1H−NMRは、ブルカー・バイオスピン社製 AVANCE500を使用して、溶媒:重硫酸、積算回数:1024回の条件で測定した。
(2)数平均分子量(Mn)
数平均分子量(Mn)は、1H−NMRスペクトルから求めたシグナル強度をもとに、1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンからなり、かつ1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンのモル比が85:15であるジアミンとシュウ酸ジn−ブチルを原料とするポリオキサミド樹脂〔以下、PA92(NMDA/MODA=85/15)と略称する〕の場合は下式により算出した。
Mn=np×212.30+n(NH2)×157.28+n(OBu)×129.14+n(NHCHO)×29.14
また、前記式中の各項は以下のように規定される。
・np=Np/[(N(NH2)+N(NHCHO)+N(OBu))/2]
・n(NH2)=N(NH2)/[(N(NH2)+N(NHCHO)+N(OBu))/2]
・n(NHCHO)=N(NHCHO)/[(N(NH2)+N(NHCHO)+N(OBu))/2]
・n(OBu)=N(OBu)/[(N(NH2)+N(NHCHO)+N(OBu))/2]
・Np=[(Sp/sp)−1]/sp−N(NHCHO)
・N(NH2)=S(NH2)/s(NH2)
・N(NHCHO)=S(NHCHO)/s(NHCHO)
・N(OBu)=S(OBu)/s(OBu)
但し、各項は以下の意味を有する。
・Np:PA92(NMDA/MODA=85/15)の末端ユニットを除いた、分子鎖中の繰り返しユニット総数。
・np:分子1本当たりの分子鎖中の繰り返しユニット数。
・Sp:PA92(NMDA/MODA=85/15)の末端を除いた、分子鎖中の繰り返しユニット中のオキサミド基に隣接するメチレン基のプロトンに基づくシグナル(3.1ppm付近)の積分値。
・sp:積分値Spにカウントされる水素数(2個)。
・N(NH2):PA92(NMDA/MODA=85/15)の末端アミノ基の総数。
・n(NH2):分子1本当たりの末端アミノ基の数。
・S(NH2):PA92(NMDA/MODA=85/15)の末端アミノ基に隣接するメチレン基のプロトンに基づくシグナル(2.6ppm付近)の積分値。
・s(NH2):積分値S(NH2)にカウントされる水素数(2個)。
・N(NHCHO):PA92(NMDA/MODA=85/15)の末端ホルムアミド基の総数。
・n(NHCHO):分子1本当たりの末端ホルムアミド基の数。
・S(NHCHO):PA92(NMDA/MODA=85/15)のホルムアミド基のプロトンに基づくシグナル(7.8ppm)の積分値。
・s(NHCHO):積分値S(NHCHO)にカウントされる水素数(1個)。
・N(OBu):PA92(NMDA/MODA=85/15)の末端ブトキシ基の総数。
・n(OBu):分子1本当たりの末端ブトキシ基の数。
・S(OBu):PA92(NMDA/MODA=85/15)の末端ブトキシ基の酸素原子に隣接するメチレン基のプロトンに基づくシグナル(4.1ppm付近)の積分値。
・s(OBu):積分値S(OBu)にカウントされる水素数(2個)。
数平均分子量(Mn)は、1H−NMRスペクトルから求めたシグナル強度をもとに、1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンからなり、かつ1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンのモル比が85:15であるジアミンとシュウ酸ジn−ブチルを原料とするポリオキサミド樹脂〔以下、PA92(NMDA/MODA=85/15)と略称する〕の場合は下式により算出した。
Mn=np×212.30+n(NH2)×157.28+n(OBu)×129.14+n(NHCHO)×29.14
また、前記式中の各項は以下のように規定される。
・np=Np/[(N(NH2)+N(NHCHO)+N(OBu))/2]
・n(NH2)=N(NH2)/[(N(NH2)+N(NHCHO)+N(OBu))/2]
・n(NHCHO)=N(NHCHO)/[(N(NH2)+N(NHCHO)+N(OBu))/2]
・n(OBu)=N(OBu)/[(N(NH2)+N(NHCHO)+N(OBu))/2]
・Np=[(Sp/sp)−1]/sp−N(NHCHO)
・N(NH2)=S(NH2)/s(NH2)
・N(NHCHO)=S(NHCHO)/s(NHCHO)
・N(OBu)=S(OBu)/s(OBu)
但し、各項は以下の意味を有する。
・Np:PA92(NMDA/MODA=85/15)の末端ユニットを除いた、分子鎖中の繰り返しユニット総数。
・np:分子1本当たりの分子鎖中の繰り返しユニット数。
・Sp:PA92(NMDA/MODA=85/15)の末端を除いた、分子鎖中の繰り返しユニット中のオキサミド基に隣接するメチレン基のプロトンに基づくシグナル(3.1ppm付近)の積分値。
・sp:積分値Spにカウントされる水素数(2個)。
・N(NH2):PA92(NMDA/MODA=85/15)の末端アミノ基の総数。
・n(NH2):分子1本当たりの末端アミノ基の数。
・S(NH2):PA92(NMDA/MODA=85/15)の末端アミノ基に隣接するメチレン基のプロトンに基づくシグナル(2.6ppm付近)の積分値。
・s(NH2):積分値S(NH2)にカウントされる水素数(2個)。
・N(NHCHO):PA92(NMDA/MODA=85/15)の末端ホルムアミド基の総数。
・n(NHCHO):分子1本当たりの末端ホルムアミド基の数。
・S(NHCHO):PA92(NMDA/MODA=85/15)のホルムアミド基のプロトンに基づくシグナル(7.8ppm)の積分値。
・s(NHCHO):積分値S(NHCHO)にカウントされる水素数(1個)。
・N(OBu):PA92(NMDA/MODA=85/15)の末端ブトキシ基の総数。
・n(OBu):分子1本当たりの末端ブトキシ基の数。
・S(OBu):PA92(NMDA/MODA=85/15)の末端ブトキシ基の酸素原子に隣接するメチレン基のプロトンに基づくシグナル(4.1ppm付近)の積分値。
・s(OBu):積分値S(OBu)にカウントされる水素数(2個)。
(3)末端基濃度:蓚酸ジブチルを用いた場合、末端アミノ基濃度[NH2]、末端ブトキシ基濃度[OBu]、末端ホルムアミド基濃度[NHCHO]は次の式に従ってそれぞれ求めた。
・末端アミノ基濃度[NH2]=n(NH2)/Mn
・末端ブトキシ基濃度[OBu]=n(OBu)/Mn
・末端ホルムアミド基濃度[NHCHO]=n(NHCHO)/Mn
(4)相対粘度(ηr)
ηrはポリオキサミドの96%硫酸溶液(濃度:1.0g/dL)を使用してオストワルド型粘度計を用いて25℃で測定した。
・末端アミノ基濃度[NH2]=n(NH2)/Mn
・末端ブトキシ基濃度[OBu]=n(OBu)/Mn
・末端ホルムアミド基濃度[NHCHO]=n(NHCHO)/Mn
(4)相対粘度(ηr)
ηrはポリオキサミドの96%硫酸溶液(濃度:1.0g/dL)を使用してオストワルド型粘度計を用いて25℃で測定した。
[参考例1]
撹拌機、温度計、トルクメーター、圧力計、窒素ガス導入口、放圧口、ポリマー取出口、および直径1/8インチのSUS316製配管によって原料フィードポンプを直結させた原料投入口を備えた5Lの耐圧容器に、1,9−ノナンジアミン703g(4.44モル)と2−メチル−1,8−オクタンジアミン124g(0.784モル)の混合物(1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンのモル比が85:15)を仕込み、窒素ガスで3.0MPaに加圧した後、次に常圧まで窒素ガスを放出する操作を5回繰り返した。次いで、耐圧容器内の初期温度を150℃にした後、原料フィードポンプにより、シュウ酸ジn−ブチル1060g(5.23モル)を流速65mL/分で注入を開始し、同時に熱媒を昇温させた。撹拌速度は100rpm、熱媒昇温速度は100℃/15分、シュウ酸ジn−ブチルのフィード速度パラメータXは0.079であった。重縮合反応により生成したn−ブタノールによる圧力を0.5MPaに調節した。耐圧容器内が235℃に到達した後、放圧口よりn−ブタノールを留去させ、撹拌速度50rpm、50mL/分の窒素気流下において常圧重合を行った。耐圧容器内の最終的な到達温度は260℃とし、撹拌トルクが一定になったところで重合を終了した。その後、撹拌を止めて系内を窒素で3MPaに加圧して10分間静置した後、内圧0.5MPaまで放圧し、重合物を圧力容器下部より紐状に抜き出した。紐状の重合物は直ちに水冷し、ペレタイザーによりペレット化した。得られたポリオキサミド樹脂は白色であった。
撹拌機、温度計、トルクメーター、圧力計、窒素ガス導入口、放圧口、ポリマー取出口、および直径1/8インチのSUS316製配管によって原料フィードポンプを直結させた原料投入口を備えた5Lの耐圧容器に、1,9−ノナンジアミン703g(4.44モル)と2−メチル−1,8−オクタンジアミン124g(0.784モル)の混合物(1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンのモル比が85:15)を仕込み、窒素ガスで3.0MPaに加圧した後、次に常圧まで窒素ガスを放出する操作を5回繰り返した。次いで、耐圧容器内の初期温度を150℃にした後、原料フィードポンプにより、シュウ酸ジn−ブチル1060g(5.23モル)を流速65mL/分で注入を開始し、同時に熱媒を昇温させた。撹拌速度は100rpm、熱媒昇温速度は100℃/15分、シュウ酸ジn−ブチルのフィード速度パラメータXは0.079であった。重縮合反応により生成したn−ブタノールによる圧力を0.5MPaに調節した。耐圧容器内が235℃に到達した後、放圧口よりn−ブタノールを留去させ、撹拌速度50rpm、50mL/分の窒素気流下において常圧重合を行った。耐圧容器内の最終的な到達温度は260℃とし、撹拌トルクが一定になったところで重合を終了した。その後、撹拌を止めて系内を窒素で3MPaに加圧して10分間静置した後、内圧0.5MPaまで放圧し、重合物を圧力容器下部より紐状に抜き出した。紐状の重合物は直ちに水冷し、ペレタイザーによりペレット化した。得られたポリオキサミド樹脂は白色であった。
[参考例2]
1,9−ノナンジアミン699g(4.42モル)と2−メチル−1,8−オクタンジアミン123g(0.780モル)の混合物(1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンのモル比が85:15)、シュウ酸ジn−ブチル1051g(5.20モル)を使用し、シュウ酸ジn−ブチルのフィード開始時の熱媒昇温速度を10℃/15分、耐圧容器内の初期温度を190℃、シュウ酸ジn−ブチルのフィード速度パラメータXを0.079にしたこと以外は、参考例1と同様に重縮合反応を行った。得られたポリオキサミド樹脂は白色であった。
1,9−ノナンジアミン699g(4.42モル)と2−メチル−1,8−オクタンジアミン123g(0.780モル)の混合物(1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンのモル比が85:15)、シュウ酸ジn−ブチル1051g(5.20モル)を使用し、シュウ酸ジn−ブチルのフィード開始時の熱媒昇温速度を10℃/15分、耐圧容器内の初期温度を190℃、シュウ酸ジn−ブチルのフィード速度パラメータXを0.079にしたこと以外は、参考例1と同様に重縮合反応を行った。得られたポリオキサミド樹脂は白色であった。
[参考例3]
1,9−ノナンジアミン697g(4.41モル)と2−メチル−1,8−オクタンジアミン123g(0.778モル)の混合物(1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンのモル比が85:15)、シュウ酸ジn−ブチル1050g(5.19モル)を使用し、シュウ酸ジn−ブチルのフィード開始時の熱媒昇温速度を10℃/15分、耐圧容器内の初期温度を180℃、シュウ酸ジn−ブチルのフィード速度パラメータXを0.079にしたこと以外は、参考例1と同様に重縮合反応を行った。得られたポリオキサミド樹脂は白色であった。
1,9−ノナンジアミン697g(4.41モル)と2−メチル−1,8−オクタンジアミン123g(0.778モル)の混合物(1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンのモル比が85:15)、シュウ酸ジn−ブチル1050g(5.19モル)を使用し、シュウ酸ジn−ブチルのフィード開始時の熱媒昇温速度を10℃/15分、耐圧容器内の初期温度を180℃、シュウ酸ジn−ブチルのフィード速度パラメータXを0.079にしたこと以外は、参考例1と同様に重縮合反応を行った。得られたポリオキサミド樹脂は白色であった。
[実施例1]
撹拌機、温度計、トルクメーター、圧力計、窒素ガス導入口、放圧口、ポリマー取出口、および直径1/8インチのSUS316製配管によって原料フィードポンプを直結させた原料投入口を備えた5Lの耐圧容器に、1,9−ノナンジアミン698g(4.41モル)と2−メチル−1,8−オクタンジアミン123.16g(0.779モル)の混合物(1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンのモル比が85:15)を仕込み窒素ガスで3.0MPaに加圧した後、次に常圧まで窒素ガスを放出する操作を5回繰り返した。次いで、耐圧容器内の初期温度を170℃にした後、原料フィードポンプにより、シュウ酸ジn−ブチル1050g(5.19モル)を流速195mL/分で注入を開始し、同時に熱媒を昇温させた。撹拌速度は100rpm、熱媒昇温速度は10℃/15分、シュウ酸ジn−ブチルのフィード速度パラメータXは0.237であった。重縮合反応により生成したn−ブタノールによる圧力を0.5MPaに調節した。耐圧容器内が235℃に到達した後、放圧口よりn−ブタノールを留去させ、撹拌速度50rpm、50mL/分の窒素気流下において常圧重合を行った。耐圧容器内の最終的な到達温度は260℃とし、撹拌トルクが一定になったところで重合を終了した。その後、撹拌を止めて系内を窒素で3MPaに加圧して10分間静置した後、内圧0.5MPaまで放圧し、重合物を圧力容器下部より紐状に抜き出した。紐状の重合物は直ちに水冷し、ペレタイザーによりペレット化した。得られたポリオキサミド樹脂は白色であった。
撹拌機、温度計、トルクメーター、圧力計、窒素ガス導入口、放圧口、ポリマー取出口、および直径1/8インチのSUS316製配管によって原料フィードポンプを直結させた原料投入口を備えた5Lの耐圧容器に、1,9−ノナンジアミン698g(4.41モル)と2−メチル−1,8−オクタンジアミン123.16g(0.779モル)の混合物(1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンのモル比が85:15)を仕込み窒素ガスで3.0MPaに加圧した後、次に常圧まで窒素ガスを放出する操作を5回繰り返した。次いで、耐圧容器内の初期温度を170℃にした後、原料フィードポンプにより、シュウ酸ジn−ブチル1050g(5.19モル)を流速195mL/分で注入を開始し、同時に熱媒を昇温させた。撹拌速度は100rpm、熱媒昇温速度は10℃/15分、シュウ酸ジn−ブチルのフィード速度パラメータXは0.237であった。重縮合反応により生成したn−ブタノールによる圧力を0.5MPaに調節した。耐圧容器内が235℃に到達した後、放圧口よりn−ブタノールを留去させ、撹拌速度50rpm、50mL/分の窒素気流下において常圧重合を行った。耐圧容器内の最終的な到達温度は260℃とし、撹拌トルクが一定になったところで重合を終了した。その後、撹拌を止めて系内を窒素で3MPaに加圧して10分間静置した後、内圧0.5MPaまで放圧し、重合物を圧力容器下部より紐状に抜き出した。紐状の重合物は直ちに水冷し、ペレタイザーによりペレット化した。得られたポリオキサミド樹脂は白色であった。
[実施例2]
1,9−ノナンジアミン697g(4.41モル)と2−メチル−1,8−オクタンジアミン123g(0.778モル)の混合物(1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンのモル比が85:15)、シュウ酸ジn−ブチル1050g(5.18モル)を使用し、シュウ酸ジn−ブチルのフィード開始時の熱媒昇温速度を10℃/15分、耐圧容器内の初期温度を170℃にしたこと以外は、実施例1と同様に重縮合反応を行った。得られたポリオキサミド樹脂は白色であった。
1,9−ノナンジアミン697g(4.41モル)と2−メチル−1,8−オクタンジアミン123g(0.778モル)の混合物(1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンのモル比が85:15)、シュウ酸ジn−ブチル1050g(5.18モル)を使用し、シュウ酸ジn−ブチルのフィード開始時の熱媒昇温速度を10℃/15分、耐圧容器内の初期温度を170℃にしたこと以外は、実施例1と同様に重縮合反応を行った。得られたポリオキサミド樹脂は白色であった。
[実施例3]
1,9−ノナンジアミン697g(4.41モル)と2−メチル−1,8−オクタンジアミン123g(0.778モル)の混合物(1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンのモル比が85:15)、シュウ酸ジn−ブチル1048g(5.19モル)を使用し、シュウ酸ジn−ブチルのフィード開始時の熱媒昇温速度を10℃/15分、耐圧容器内の初期温度を170℃、シュウ酸ジn−ブチルのフィード速度を260mL/分、すなわちフィード速度パラメータXを0.317にしたこと以外は、実施例1と同様に重縮合反応を行った。得られたポリオキサミド樹脂は白色であった。
1,9−ノナンジアミン697g(4.41モル)と2−メチル−1,8−オクタンジアミン123g(0.778モル)の混合物(1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンのモル比が85:15)、シュウ酸ジn−ブチル1048g(5.19モル)を使用し、シュウ酸ジn−ブチルのフィード開始時の熱媒昇温速度を10℃/15分、耐圧容器内の初期温度を170℃、シュウ酸ジn−ブチルのフィード速度を260mL/分、すなわちフィード速度パラメータXを0.317にしたこと以外は、実施例1と同様に重縮合反応を行った。得られたポリオキサミド樹脂は白色であった。
[実施例4]
直径1/8インチのSUS316製配管によって原料フィードポンプを2台直結させた原料投入口を備えた5Lの耐圧容器を用い、1,9−ノナンジアミン697g(4.41モル)と2−メチル−1,8−オクタンジアミン123g(0.778モル)の混合物(1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンのモル比が85:15)、シュウ酸ジn−ブチル1050g(5.18モル)を使用し、シュウ酸ジn−ブチルのフィード開始時の熱媒昇温速度を10℃/15分、耐圧容器内の初期温度を170℃、2台の原料フィードポンプを使いシュウ酸ジn−ブチルをそれぞれ195mL/分(合計390mL/分)のフィード速度でフィードし、フィード速度パラメータXを0.474にしたこと以外は、実施例1と同様に重縮合反応を行った。得られたポリオキサミド樹脂は白色であった。
直径1/8インチのSUS316製配管によって原料フィードポンプを2台直結させた原料投入口を備えた5Lの耐圧容器を用い、1,9−ノナンジアミン697g(4.41モル)と2−メチル−1,8−オクタンジアミン123g(0.778モル)の混合物(1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンのモル比が85:15)、シュウ酸ジn−ブチル1050g(5.18モル)を使用し、シュウ酸ジn−ブチルのフィード開始時の熱媒昇温速度を10℃/15分、耐圧容器内の初期温度を170℃、2台の原料フィードポンプを使いシュウ酸ジn−ブチルをそれぞれ195mL/分(合計390mL/分)のフィード速度でフィードし、フィード速度パラメータXを0.474にしたこと以外は、実施例1と同様に重縮合反応を行った。得られたポリオキサミド樹脂は白色であった。
[比較例1]
1,9−ノナンジアミン700g(4.42モル)と2−メチル−1,8−オクタンジアミン126g(0.800モル)の混合物(1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンのモル比が85:15)、シュウ酸ジn−ブチル1060g(5.23モル)を使用し、シュウ酸ジn−ブチルのフィード開始時の熱媒昇温速度を10℃/15分、耐圧容器内の初期温度を150℃、シュウ酸ジn−ブチルのフィード速度を65mL/分、すなわちフィード速度パラメータXを0.079にしたこと以外は、実施例1と同様に重縮合反応を行った。得られたポリオキサミド樹脂を圧力容器下部より紐状に抜き出したが、低粘度であった。色は白色であった。
1,9−ノナンジアミン700g(4.42モル)と2−メチル−1,8−オクタンジアミン126g(0.800モル)の混合物(1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンのモル比が85:15)、シュウ酸ジn−ブチル1060g(5.23モル)を使用し、シュウ酸ジn−ブチルのフィード開始時の熱媒昇温速度を10℃/15分、耐圧容器内の初期温度を150℃、シュウ酸ジn−ブチルのフィード速度を65mL/分、すなわちフィード速度パラメータXを0.079にしたこと以外は、実施例1と同様に重縮合反応を行った。得られたポリオキサミド樹脂を圧力容器下部より紐状に抜き出したが、低粘度であった。色は白色であった。
[比較例2]
1,9−ノナンジアミン698g(4.41モル)と2−メチル−1,8−オクタンジアミン123g(0.778モル)の混合物(1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンのモル比が85:15)、シュウ酸ジn−ブチル1050g(5.19モル)を使用し、シュウ酸ジn−ブチルのフィード開始時の熱媒昇温速度を10℃/15分、耐圧容器内の初期温度を170℃、シュウ酸ジn−ブチルのフィード速度を65mL/分、すなわちフィード速度パラメータXを0.079にしたこと以外は、実施例1と同様に重縮合反応を行った。得られたポリオキサミド樹脂を圧力容器下部より紐状に抜き出したが、非常に低粘度であった。色は白色であった。
1,9−ノナンジアミン698g(4.41モル)と2−メチル−1,8−オクタンジアミン123g(0.778モル)の混合物(1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンのモル比が85:15)、シュウ酸ジn−ブチル1050g(5.19モル)を使用し、シュウ酸ジn−ブチルのフィード開始時の熱媒昇温速度を10℃/15分、耐圧容器内の初期温度を170℃、シュウ酸ジn−ブチルのフィード速度を65mL/分、すなわちフィード速度パラメータXを0.079にしたこと以外は、実施例1と同様に重縮合反応を行った。得られたポリオキサミド樹脂を圧力容器下部より紐状に抜き出したが、非常に低粘度であった。色は白色であった。
[比較例3]
1,9−ノナンジアミン698g(4.41モル)と2−メチル−1,8−オクタンジアミン123g(0.778モル)の混合物(1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンのモル比が85:15)、シュウ酸ジn−ブチル1050g(5.19モル)を使用し、シュウ酸ジn−ブチルのフィード開始時の熱媒昇温速度を10℃/15分、耐圧容器内の初期温度を170℃、シュウ酸ジn−ブチルのフィード速度を130mL/分、すなわちフィード速度パラメータXを0.158にしたこと以外は、実施例1と同様に重縮合反応を行った。得られたポリオキサミド樹脂を圧力容器下部より紐状に抜き出したが、低粘度であった。色は白色であった。
1,9−ノナンジアミン698g(4.41モル)と2−メチル−1,8−オクタンジアミン123g(0.778モル)の混合物(1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンのモル比が85:15)、シュウ酸ジn−ブチル1050g(5.19モル)を使用し、シュウ酸ジn−ブチルのフィード開始時の熱媒昇温速度を10℃/15分、耐圧容器内の初期温度を170℃、シュウ酸ジn−ブチルのフィード速度を130mL/分、すなわちフィード速度パラメータXを0.158にしたこと以外は、実施例1と同様に重縮合反応を行った。得られたポリオキサミド樹脂を圧力容器下部より紐状に抜き出したが、低粘度であった。色は白色であった。
[比較例4]
直径1/8インチのSUS316製配管によって原料フィードポンプを2台直結させた原料投入口を備えた5Lの耐圧容器を用い、1,9−ノナンジアミン697g(4.41モル)と2−メチル−1,8−オクタンジアミン123g(0.778モル)の混合物(1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンのモル比が85:15)、シュウ酸ジn−ブチル1050g(5.18モル)を使用し、シュウ酸ジn−ブチルのフィード開始時の熱媒昇温速度を10℃/15分、耐圧容器内の初期温度を170℃、2台の原料フィードポンプを使いシュウ酸ジn−ブチルをそれぞれ260mL/分(合計520mL/分)のフィード速度でフィードし、フィード速度パラメータXを0.634にしたこと以外は、実施例1と同様に重縮合反応を行った。得られたポリオキサミド樹脂を圧力容器下部より紐状に抜き出したが、非常に低粘度であった。白色であった。
直径1/8インチのSUS316製配管によって原料フィードポンプを2台直結させた原料投入口を備えた5Lの耐圧容器を用い、1,9−ノナンジアミン697g(4.41モル)と2−メチル−1,8−オクタンジアミン123g(0.778モル)の混合物(1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンのモル比が85:15)、シュウ酸ジn−ブチル1050g(5.18モル)を使用し、シュウ酸ジn−ブチルのフィード開始時の熱媒昇温速度を10℃/15分、耐圧容器内の初期温度を170℃、2台の原料フィードポンプを使いシュウ酸ジn−ブチルをそれぞれ260mL/分(合計520mL/分)のフィード速度でフィードし、フィード速度パラメータXを0.634にしたこと以外は、実施例1と同様に重縮合反応を行った。得られたポリオキサミド樹脂を圧力容器下部より紐状に抜き出したが、非常に低粘度であった。白色であった。
実施例1〜4、比較例1〜4、および参考例1〜3によって得られたポリオキサミド樹脂のηr、数平均分子量、および末端基濃度を表1に示す。
Claims (8)
- あらかじめ耐圧容器にジアミンを仕込み、
前記耐圧容器内にシュウ酸ジエステルを投入し、前記ジアミンと混合し、
前記ジアミンと前記シュウ酸ジエステルの反応により生成するアルコールの存在下で加圧重合する工程を有するポリオキサミド樹脂の製造法において、
前記ジアミンに前記シュウ酸ジエステルを投入するときの耐圧容器内の温度が170℃以下であり、
前記シュウ酸ジエステルと前記ジアミンとを混合させるときの熱媒昇温速度が10℃/15分以下であり、
あらかじめ仕込んだ前記ジアミンの重量をM(kg)、投入するシュウ酸ジエステルの23℃時のフィード速度をF(L/分)とする時、X=F/Mにより求められるXが、0.16以上0.50以下であるポリオキサミド樹脂の製造法。 - ジアミンが炭素数6〜12のジアミンである請求項1に記載のポリオキサミド樹脂の製造法。
- ジアミンが炭素数9のジアミンである請求項1又は2に記載のポリオキサミド樹脂の製造法。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のポリオキサミド樹脂の製造法により製造されるポリオキサミド樹脂。
- 平均分子量が18000以上である請求項4に記載のポリオキサミド樹脂。
- 請求項4又は5に記載のポリオキサミド樹脂を含む組成物。
- 請求項4又は5に記載のポリオキサミド樹脂からなる成形品。
- 請求項7に記載の組成物からなる成形品。
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