JP3630532B2 - ファクシミリ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ファクシミリ装置に関し、詳細には、着信先に発信元電話番号を通知する発信電話番号通知サービスを提供する回線に接続されたファクシミリ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ファクシミリ装置は、その普及に伴って、機能が発達し、秘密を要する画情報を親展送信する親展機能等を備えるようになっている。
【0003】
また、近時、電話回線網においては、発信元の電話番号等の情報(以下、必要に応じて、発ID情報という。)を着信側に通知する発信電話番号通知サービスが企画され、実験段階に入っている。
【0004】
この発信電話番号通知サービスにおいては、回線の交換機から受信端末にID受信端末起動信号を送出して、受信端末から一次応答があると、発ID情報(発信元電話番号等の情報)を通知し、受信端末から受信完了信号があると、通常の呼出信号を送出して、二次応答があると、通常の通信に入る。
【0005】
したがって、このような発信電話番号通知サービスを提供する回線に接続されたファクシミリ装置においては、着信先(相手先)が発信電話番号通知機能に対応し、そのサービスの契約をしている場合、当該相手先に従来のように親展送信を行うと、発信電話番号通知サービスにより発信元である親展送信を行ったファクシミリ装置の電話番号が相手先に通知される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来のファクシミリ装置にあっては、発信電話番号通知サービスを提供する回線に接続されると、親展送信の場合にも、送信側である発信元の電話番号が相手ファクシミリ装置に通知され、相手ファクシミリ装置が発信電話番号通知機能を有していると、発信元電話番号や当該電話番号に基づいて発信元名称が表示部に表示されたり、管理ファイル上に記録され、誰から親展が入ったかが、知られてしまう可能性があり、親展送信の秘密性が阻害されるおそれがある。
【0007】
そこで、請求項1記載の発明は、発信電話番号通知サービスを提供する回線に接続されて、親展送信を行う際、発信元電話番号非通知番号を相手先電話番号に自動的に付加して、送出することにより、秘密性を要する親展送信では、相手先に発信元の電話番号を非通知にして、発信元電話番号や当該電話番号に基づいて発信元名称が受信側ファクシミリ装置の表示部に表示されたり、管理ファイル上に記録され、誰から親展送信が入ったかが、知られてしまうことを防止し、親展送信の秘密性を確保することのできる利用性の良好なファクシミリ装置を提供することを目的としている。
【0008】
請求項2記載の発明は、着信時、回線から発信元電話番号非通知番号に応じて発信元電話番号が非通知であると、受信画情報のうち1ページ目の受信画情報のみを記録出力させ、2ページ目以降の受信画情報を画情報記憶手段に記憶させることにより、発信元電話番号非通知で送信されてくる画情報が必要であるか、不要であるかを1ページ目の受信画情報で判断して、記録紙に記録出力するか否かを選択し、ダイレクトメール等の不要な受信画情報を記録紙に記録して記録紙を無駄にすることを防止して、より一層利用性の良好なファクシミリ装置を提供することを目的としている。
【0009】
請求項3記載の発明は、記録手段による受信画情報の記録不可状態であって、かつ、受信画情報を一時記憶する画情報記憶手段を備えていないか、当該画情報記憶手段が満杯等の状態であって、代行受信不可能状態のときに着信があると、発信電話番号通知サービスによる発信元電話番号を取得して、着信履歴記憶手段に記憶させた後、当該相手先あるいは回線により回線が切断されるのを待って、直流ループ断を行うことにより、何らかの理由により、受信画情報の記録出力が不可能で、かつ、代行受信も行えない状態において、従来のファクシミリ装置のように、着呼を受け付けず、待機待ちを行うことなく、通信料金が課金されない状態で、一旦着呼を受け付け、相手先を確認して、その電話番号を記憶し、受信不可状態中にどこから通信の要求があったかを確認できるようにして、相手先に通信料金の負担をかけることなく、より一層利用性が良好なファクシミリ装置を提供することを目的としている。
【0010】
請求項4記載の発明は、記録手段による受信画情報の記録不可状態であって、かつ、受信画情報を一時記憶する画情報記憶手段を備えていないか、当該画情報記憶手段が満杯等の状態であって、代行受信不可能状態のときに着信があると、発信元電話番号非通知番号に応じた発信元電話番号非通知を確認すると、当該発信元電話番号非通知の着信回数を着信履歴記憶手段に記憶することにより、発信元電話番号非通知の相手先から何件通信要求があったかを確認できるようにし、より一層利用性の良好なファクシミリ装置を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明のファクシミリ装置は、着信先に発信元電話番号を通知するとともに、発信元から所定の発信元電話番号非通知番号とともに相手先電話番号が送出されると、当該発信元電話番号を非通知にする発信電話番号通知サービスを提供する回線に接続され、相手先と所定のファクシミリ通信手順により画情報を送受信するファクシミリ装置であって、送信時、当該送信が親展送信であると、前記発信元電話番号非通知番号を前記相手先の電話番号に自動的に付加する発信元電話番号非通知番号付加手段を備えることにより、上記目的を達成している。
【0012】
上記構成によれば、発信電話番号通知サービスを提供する回線に接続されて、親展送信を行う際、発信元電話番号非通知番号を相手先電話番号に付加して、送出するので、秘密性を要する親展送信では、相手先に発信元の電話番号を非通知にして、発信元電話番号や当該電話番号に基づいて発信元名称が受信側ファクシミリ装置の表示部に表示されたり、管理ファイル上に記録されて、誰から親展送信が入ったかが、知られてしまうことを防止することができ、親展送信の秘密性を確保して、ファクシミリ装置の利用性を向上させることができる。
【0013】
請求項2記載の発明のファクシミリ装置は、着信先に発信元電話番号を通知するとともに、発信元から所定の発信元電話番号非通知番号とともに相手先電話番号が送出されると、当該発信元電話番号を非通知にする発信電話番号通知サービスを提供する回線に接続され、相手先と所定のファクシミリ通信手順により画情報を送受信するファクシミリ装置であって、受信画情報を一時記憶する画情報記憶手段と、前記受信画情報を記録紙に記録出力する記録手段と、着信時、前記回線が前記発信元電話番号非通知番号に応じて前記発信元電話番号を非通知としたとき、前記受信画情報のうち1ページ目の前記受信画情報のみを前記記録手段で記録出力させ、2ページ目以降の前記受信画情報を前記画情報記憶手段に記憶させる制御手段と、を備えることにより、上記目的を達成している。
【0014】
上記構成によれば、着信時、回線から発信元電話番号非通知番号に応じて発信元電話番号が非通知であると、受信画情報のうち1ページ目の受信画情報のみを記録出力させ、2ページ目以降の受信画情報を画情報記憶手段に記憶させるので、発信元電話番号非通知で送信されてくる画情報が必要であるか、不要であるかを1ページ目の受信画情報で判断して、記録紙に記録出力するか否かを選択することができ、ダイレクトメール等の不要な受信画情報を記録紙に記録して記録紙を無駄にすることを防止して、ファクシミリ装置の利用性をより一層向上させることができる。
【0015】
請求項3記載の発明のファクシミリ装置は、着信先に発信元電話番号を通知するとともに、発信元から所定の発信元電話番号非通知番号とともに相手先電話番号が送出されると、当該発信元電話番号を非通知にする発信電話番号通知サービスを提供する回線に接続され、相手先と所定のファクシミリ通信手順により画情報を送受信するファクシミリ装置であって、受信画情報を記録紙に記録出力する記録手段と、着信履歴を記憶する着信履歴記憶手段と、前記記録手段による前記受信画情報の記録不可状態であって、かつ、前記受信画情報を一時記憶する画情報記憶手段を備えていないか、当該画情報記憶手段が満杯等の状態であって、代行受信不可能状態のときに着信があると、前記発信電話番号通知サービスによる前記発信元電話番号を取得して、前記着信履歴記憶手段に記憶させた後、当該相手先あるいは前記回線により前記回線が切断されるのを待って、直流ループ断を行う制御手段と、を備えることにより、上記目的を達成している。
【0016】
上記構成によれば、記録手段による受信画情報の記録不可状態であって、かつ、受信画情報を一時記憶する画情報記憶手段を備えていないか、当該画情報記憶手段が満杯等の状態であって、代行受信不可能状態のときに着信があると、発信電話番号通知サービスによる発信元電話番号を取得して、着信履歴記憶手段に記憶させた後、当該相手先あるいは回線により回線が切断されるのを待って、直流ループ断を行うので、何らかの理由により、受信画情報の記録出力が不可能で、かつ、代行受信も行えない状態において、従来のファクシミリ装置のように、着呼を受け付けず、待機待ちを行うことなく、通信料金が課金されない状態で、一旦着呼を受け付け、相手先を確認して、その電話番号を記憶し、受信不可状態中にどこから通信の要求があったかを確認することができ、相手先に通信料金の負担をかけることなく、ファクシミリ装置の利用性をより一層向上させることができる。
【0017】
この場合、例えば、請求項4に記載するように、前記ファクシミリ装置は、前記記録手段による受信画情報の記録不可状態であって、かつ、前記受信画情報を一時記憶する画情報記憶手段を備えていないか、当該画情報記憶手段が満杯等の状態であって、代行受信不可能状態のとき、着信があると、前記発信元電話番号非通知番号に応じた前記発信元電話番号非通知を確認すると、当該発信元電話番号非通知の着信回数を前記着信履歴記憶手段に記憶させるものであってもよい。
【0018】
上記構成によれば、記録手段による受信画情報の記録不可状態であって、かつ、受信画情報を一時記憶する画情報記憶手段を備えていないか、当該画情報記憶手段が満杯等の状態であって、代行受信不可能状態のときに着信があると、発信元電話番号非通知番号に応じた発信元電話番号非通知を確認すると、当該発信元電話番号非通知の着信回数を着信履歴記憶手段に記憶するので、発信元電話番号非通知の相手先から何件通信要求があったかを確認することができ、ファクシミリ装置の利用性をより一層向上させることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0020】
図1〜図10は、本発明のファクシミリ装置の一実施の形態を示す図であり、図1は、本発明のファクシミリ装置の一実施の形態を適用したファクシミリ装置1の回路ブロック図である。
【0021】
図1において、ファクシミリ装置1は、操作表示部2、スキャナ3、プロッタ4、画像メモリ5、RAM(Random Access Memory)6、通信制御部7、モデム8、網制御部9、発ID用信号制御部10、符号化・復号化部11、CPU(Central Processing Unit )12及びROM(Read Only Memory)13等を備えており、上記各部は、システムバス14により接続されている。
【0022】
操作表示部2は、テンキー、スタートキー、ワンタッチキー及びファンクションキー等の各種操作キーを備えるとともに、ディスプレイ(例えば、液晶ディスプレイ)を備え、操作キーからは、送信操作等の各種命令の入力操作が行われ、ディスプレイには、操作キーから入力された命令内容やファクシミリ装置1からファクシミリ装置1のオペレータに通知する各種情報が表示される。
【0023】
スキャナ3は、例えば、CCD(Charge Coupled Device )を利用したイメージスキャナ等が利用されており、一般に、ADF(自動原稿送り装置)を備えている。ADFには、複数枚の原稿がセットされ、ADFは、セットされた原稿を1枚ずつスキャナ3の原稿読取位置に送給する。スキャナ3は、ADFから搬送されてきた原稿を走査し、原稿の画像を所定の解像度で読み取る。
【0024】
プロッタ(記録手段)4は、例えば、サーマル素子を利用したサーマル記録装置あるいは電子写真式記録装置等が使用されており、受信した画像やスキャナ3で読み取った画像及び必要な管理ファイル等を記録紙に記録出力する。
【0025】
画像メモリ(画情報記憶手段)5は、例えば、ハードディスク等で構成され、スキャナ3により読み取られた原稿の画情報を蓄積するとともに、受信した画情報を蓄積する。
【0026】
通信制御部7は、CPU12の制御下で動作し、相手ファクシミリ装置との間でファクシミリ制御信号を交換し、ファクシミリ通信手順を実行する。
【0027】
モデム8は、通信制御部7及び網制御部9に接続されており、送信信号の変調及び受信信号の復調を行う。
【0028】
網制御部9には、回線L、例えば、公衆電話回線等が接続されており、回線Lからの発呼に対して自動着呼し、また、回線Lへの自動発呼処理を行う。
【0029】
この回線Lは、発信電話番号通知サービスを提供する交換機に接続されており、着信先に発信元電話番号を通知するとともに、発信元から所定の発信元電話番号非通知番号とともに相手先電話番号が送出されると、当該発信元電話番号を非通知にする発信電話番号通知サービスを提供する。
【0030】
上記通信制御部7は、発ID用信号制御部10を備えており、発ID用信号制御部(発信元電話番号非通知番号付加手段)10は、CPU12の制御下で動作して、回線Lの提供する発信電話番号通知サービスにより通知される発信元の電話番号を取得して、取得した発信元電話番号をCPU12に出力し、また、発信電話番号通知サービスを提供する回線Lを利用してファクシミリ通信する際に、後述するように、親展送信の場合に、発信元電話番号が通知されないようにする制御番号である「184」を相手先の電話番号の前に付加する等の発信電話番号通知サービスを利用するのに必要な各種動作処理を行う。すなわち、発ID用信号制御部10は、例えば、カデンス検出部を備え、カデンス検出部のカデンスの検出結果から、受信信号が通常の呼出信号であるか、回線Lの提供する発信元の電話番号等の情報(ID)を通知するための信号(ID起動信号)であるか、を判定し、また、親展送信の場合に、発信元電話番号が通知されないようにする制御番号(発信元電話番号非通知番号)である「184」を相手先の電話番号の前に付加する等の処理を行う。
【0031】
符号化・復号化部11は、画情報の画像メモリ5への蓄積の効率化及び伝送時間の短縮化を図るためのものであり、所定の符号化方式に従って画情報を符号化し、また、符号化された画情報を復号化する。
【0032】
ROM13には、ファクシミリ装置1の基本処理プログラム及び発信電話番号通知送受信制御処理プログラム等の各種プログラムが格納されているとともに、これら各処理プログラムを実行するのに必要な各種データ及びシステムデータ等が格納されている。
【0033】
CPU12は、ROM13内の基本処理プログラム及び発信電話番号通知送受信制御処理プログラムに基づいて、RAM6をワークメモリとして利用しつつファクシミリ装置1の各部を制御し、ファクシミリ装置1としての基本処理を実行するとともに、後述する発信電話番号通知送受信制御処理を実行する。
【0034】
RAM(着信履歴記憶手段)6は、上述のように、CPU12のワークメモリとして利用されるとともに、図2に示すような受信原稿管理ファイルや図3に示すような着信管理ファイル等を記憶する。受信原稿管理ファイルには、図2に示すように、ファイルナンバー(No.)と受信メモリアドレスが受信原稿毎に作成されて記憶され、着信管理ファイル(着信履歴ファイル)は、図3に示すように、受信不能状態のときに着信があった場合に作成され、当該着信相手先の発信元電話番号を取得すると、着信相手先番号と着信時間が着信管理ファイルに登録され、発信元電話番号の通知がないときには、発ID無しからの着信として、当該着信の回数がカウントされて、着信管理ファイルに登録される。
【0035】
次に、本実施の形態の作用を説明する。ファクシミリ装置1は、発信電話番号通知サービスを提供する回線Lを介してのファクシミリ通信を効果的に行うところにその特徴がある。
【0036】
すなわち、ファクシミリ装置1の接続されている回線Lの交換機は、発信元の電話番号を着信元に通知する発信電話番号通知サービスを提供する。すなわち、当該回線Lの交換機(加入者線交換機)は、図4に示すように、ID受信端末(ファクシミリ装置1等)に着信を行う際に、まず、ID受信端末への回線L(L1、L2)の極性を反転した後、ID受信端末起動信号を送出するID受信端末の起動処理を行い、次いで、ID受信端末から1次応答信号(直流ループ)を受信すると、発ID情報、すなわち、発信元電話番号、ID非通知理由(例えば、発信者拒否、提供エリア外発信、公衆電話発信)をID受信端末に送信する処理を行う。次に、交換機は、ID受信端末から受信完了信号(直流ループ断)を検出すると、通常の呼出信号をID受信端末に送出するとともに、同時に、発信側へ呼出音(リングバックトーン)を送出するID受信端末の呼出を行い、ID受信端末から2次応答信号(直流ループ)を受信すると、回線L(L1、L2)の極性を復局して、通信パスを形成し、課金を開始する通信状態に入る。そして、ファクシミリ装置1がID受信端末のときには、この状態から通常のファクシミリ通信プロトコルの交換が開始される。
【0037】
そこで、ファクシミリ装置1は、発信元として、図4のID受信端末としてのファクシミリ装置に親展送信を行う場合には、回線Lの発信電話番号通知サービスの発信元電話番号の通知を拒否する処理を行う。
【0038】
すなわち、図5に示すように、ファクシミリ装置1は、送信時、CPU12が、当該送信が親展送信かどうかを操作表示部2で親展送信が指示操作されたかどうかによりチェックし(ステップS1)、親展送信のときには、当該送信相手先のファクシミリ番号である発番号の前に、発ID用信号制御部10を介して発信元電話番号の通知を拒否する制御番号(発ID非通知番号)、例えば、「184」を付加させる(ステップS2)。
【0039】
CPU12は、発信元電話番号の通知を拒否する制御番号の付加した相手先電話番号を送出させて、発呼し(ステップS3)、相手先が応呼すると、通常のファクシミリ制御手順により送信制御して、ファクシミリ送信を行う(ステップS4)。
【0040】
そして、上記ステップS1で、親展送信でないときには、送信相手先のファクシミリ番号に発信元電話番号の通知を拒否する制御番号を付加することなく、相手先を発呼して(ステップS3)、通常のファクシミリ送信を行う(ステップS4)。
【0041】
したがって、秘密を要する原稿を親展送信する際に、発信元電話番号の通知を拒否する制御番号を自動的に付加してファクシミリ送信するため、送信元であるファクシミリ装置1のファクシミリ番号や名称等が、相手ファクシミリ装置に通知されず、相手ファクシミリ装置の表示部に表示されたり、受信原稿に記録出力されることを防止することができ、親展送信の秘密性を確保することができる。
【0042】
次に、回線Lから発ID受信端末起動信号を受信したが、発信元電話番号が非通知の場合の処理を図6及び図7に基づいて、説明する。
【0043】
ファクシミリ装置1は、図6に示すように、着信時、CPU12が、ID受信端末起動信号(図4参照)を受信したかを発ID用信号制御部10の検出結果に基づいてチェックし(ステップP1)、ID受信端末起動信号を受信すると、網制御部9を介して直流ループを閉結して一次応答(図4参照)を行った後(ステップP2)、発ID(発信元電話番号)が送信されてくるかチェックする(ステップP3)。
【0044】
ステップP3で、発IDにより発信元電話番号が通知されてこないときには、すなわち、ID非通知のときには、CPU12は、受信原稿の1ページ目(1枚目)のみ記録出力する1枚目記録フラグF1をオンにした後(ステップP4)、直流ループを断にして受信完了信号(図4参照)を送出し(ステップP5)、呼出信号を受信したかチェックする(ステップP6)。
【0045】
CPU12は、呼出信号を受信すると、直流ループを閉結して二次応答(図4参照)を行った後(ステップP7)、受信を開始し(ステップP8)、図7に示すように、1枚目記録フラグF1がオンかチェックする(ステップP9)。
【0046】
ステップP9で、1枚目記録フラグF1がオンのときには、CPU12は、親展原稿やダイレクトメール等の発信元電話番号や発信元名称等の発IDを知られたくない原稿等の受信であると判断して、図2に示したRAM6の受信原稿管理ファイルとして、ID非通知ファイルを作成し(ステップP10)、受信原稿が1ページ目であるかチェックする(ステップP11)。
【0047】
ステップP11で、受信原稿が1ページ目であるときには、CPU12は、当該受信原稿の画情報にファイルナンバーを付加して、受信原稿管理ファイル(ID非通知ファイル)に当該付加したファイルナンバーを登録した後、受信原稿の1ページ目の画情報を符号化・復号化部11で復号化した後、プロッタ4で記録紙に記録出力させる(ステップP13)。このとき、ステップP12で付加したファイルナンバーを記録紙の所定領域、例えば、画情報上、あるいは、画情報の領域外の余白部分等に記録出力させ、後述する2ページ目以降の画情報との関連性を明確にする。
【0048】
CPU12は、受信原稿の1ページ目の画情報の記録を行うと、受信原稿の全ページを受信したかチェックし(ステップP14)、全ページの受信を完了していないときには、ステップP9に戻って、1枚目記録フラグF1がオンかどうかのチェックから上記同様に処理する(ステップP9〜P11)。
【0049】
ステップP9で、1枚目記録フラグF1がオンで、ステップP11で、受信原稿の画情報が1ページ目でないときには、すなわち、2ページ目以降の画情報のときには、CPU12は、受信画情報を画像メモリ5に蓄積し(ステップP15)、全ページを受信したかチェックする(ステップP14)。このとき、CPU12は、受信原稿の画情報の画像メモリ5への格納アドレスを、RAM6の受信原稿管理ファイルに、図2に示したように、受信メモリアドレスとして記憶して、ファイルナンバーと当該ファイルナンバーに対応する画像メモリ5内の画情報を対応付けることができるようにする。
【0050】
ステップP14で、全ページの画情報の受信を完了していないときには、ステップP9に戻って、上記同様に処理し、ステップP14で、全ページの画情報の受信を完了すると、CPU12は、1枚目記録フラグF1をリセットし、受信画情報が1ページのみであると、上記RAM6の当該受信原稿の受信原稿管理ファイル(ID非通知ファイル)を消去して、受信処理を終了する(ステップP16)。
【0051】
そして、ステップP3で、発ID情報により発信元電話番号が通知されてくると、CPU12は、1枚目記録フラグF1をオンにすることなく、受信完了信号を送出し(ステップP5)、呼出信号を受信すると(ステップP6)、二次応答を行って(ステップP7)、ファクシミリ受信を開始する(ステップP8)。
【0052】
このとき、ステップP9で、1枚目記録フラグF1は、オフであるので、CPU12は、受信した画情報を符号化・復号化部11で復号化した後、プロッタ4で記録紙に記録出力させる(ステップP13、P14、P9)。
【0053】
また、上記ステップP1で、ID受信端末起動信号を受信しないときには、CPU12は、ステップP8に移行して、通常のファクシミリ受信を行い(ステップP8)、1枚目記録フラグF1がオンされていないので、そのままステップP13に移行して、受信した画情報をプロッタ4で記録出力させる(ステップP13、P14、P9)。
【0054】
そして、ファクシミリ装置1は、上記発ID非通知で受信した受信原稿を管理して、操作表示部2のキー操作に応じて、発ID非通知で受信した受信原稿の有無や受信原稿の記録出力を行う。
【0055】
すなわち、ファクシミリ装置1は、待機時、CPU12が操作表示部2のキー操作をチェックして、受信原稿の管理処理用に設定されたキー、例えば、ファンクションキーが投入されると、受信原稿の管理モードに入り、図8に示すように、RAM6の受信原稿管理ファイルを検索して、ID非通知ファイルがあるかチェックする(ステップQ1)。
【0056】
CPU12は、ステップQ1で、ID非通知ファイルがあると、次のファイル番号を操作表示部2のディスプレイに表示し(ステップQ2)、記録出力(ステップQ3)、消去(ステップQ4)、あるいは、管理モード終了(ステップQ5)のいずれのキー操作が操作表示部2で行われたかチェックして、ステップQ1に戻る。
【0057】
ステップQ3で、ファイルナンバーを指定した記録出力がキー操作されると、CPU12は、当該指定されたファイルナンバーの2ページ目以降の受信画情報を画像メモリ5から読み出し、符号化・復号化部11で復号化した後、プロッタ4に転送して、プロッタ4で記録紙に記録出力させる(ステップQ6)。受信画情報の記録出力を完了すると、CPU12は、RAM6の受信管理ファイルの当該ファイルナンバーのファイル管理情報(ID非通知ファイル)を削除するとともに、画像メモリ5から当該ファイルナンバーの受信画情報を削除する(ステップQ7)。
【0058】
ステップQ4で、ファイルナンバーを指定した消去がキー操作されると、CPU12は、RAM6の受信管理ファイルの当該ファイルナンバーのファイル管理情報(ID非通知ファイル)を削除するとともに、画像メモリ5から当該ファイルナンバーの受信画情報を削除する(ステップQ8)。
【0059】
ステップQ5で、管理モードの終了がキー操作されるか、RAM6の受信管理ファイルにファイルがなくなると、管理モード処理を終了する。
【0060】
したがって、着信時、回線Lから発信元電話番号非通知番号に応じて発信元電話番号が非通知であると、受信画情報のうち1ページ目の受信画情報のみをプロッタ4で記録紙に記録出力させ、2ページ目以降の受信画情報を画像メモリ5に記憶させることができ、発信元電話番号非通知で送信されてくる画情報が必要であるか、不要であるかを1ページ目の受信画情報で判断して、記録紙に記録出力するか否かを選択することができる。その結果、ダイレクトメール等の不要な受信画情報を記録紙に記録して記録紙を無駄にすることを防止することができ、ファクシミリ装置1の利用性をより一層向上させることができる。
【0061】
次に、ファクシミリ装置1が受信不可状態、例えば、プロッタ4が記録紙無し等により記録不可状態であり、かつ、画像メモリ5が満杯等によりメモリ受信(代行受信)不可状態であるときに、着信があった場合の処理について、図9に基づいて、以下、説明する。
【0062】
ファクシミリ装置1は、記録紙切れ等によりプロッタ4による受信画情報の記録不可状態であって、かつ、画像メモリ5が満杯等の状態であって、代行受信不可能状態のときに着信があると、CPU12が、発ID用信号制御部10を介してID受信端末起動信号を受信したかチェックし(ステップR1)、ID受信端末起動信号を受信すると、直流ループを閉結して一次応答(図4参照)を行った後(ステップR2)、発信元電話番号が送信されてくるかチェックする(ステップR3)。
【0063】
ステップR3で、発信元電話番号を受信すると、CPU12は、当該発信元電話番号を取得して、図3に示したRAM6の着信管理ファイル(着信履歴ファイル)に当該取得した発信元電話番号を着信相手先番号として記憶するとともに、着信日時を記憶し(ステップR4)、回線開放タイマーをセットした後(ステップR5)、当該セットした回線開放タイマーがタイムアップしたかチェックする(ステップR6)。
【0064】
ステップR6で、回線開放タイマーが所定時間計時してタイムアップすると、CPU12は、直流ループを断して、処理を終了する(ステップR7)。
【0065】
また、上記ステップR3で、発信元電話番号がないと、CPU12は、RAM6の発ID無しカウンタを「1」だけインクリメントとし(ステップR8)、ステップR5に移行し、上記同様に、回線開放タイマーをセットして、回線開放タイマーがタイムアップすると、直流ループを断して処理を終了する(ステップR7)。
【0066】
ステップR1で、ID受信端末起動信号を受信しないときには、CPU12は、そのまま処理を終了する。
【0067】
上記処理を着信がある毎に行うと、RAM6には、図3に示したように、着信相手先番号(発信元電話番号)と着信日時が順次記憶されるとともに、発ID無しの着信件数が発ID無しカウンタのカウント結果として記憶される。
【0068】
そして、CPU12は、常時、あるいは、操作表示部2の所定のキー操作等に応じて、着信があった旨やRAM6の着信管理ファイルの内容を操作表示部2のディスプレイに表示し、その後、ファクシミリ装置1のプロッタ4の記録不可能状態が復旧されると、RAM6の着信管理ファイルの内容を予めROM13あるいはRAM6に格納されている着信リストフォーマットに基づいて、図10に示すような着信リストを作成して、プロッタ4から記録紙に記録出力させる。
【0069】
したがって、どの相手先からいつ着信要求があったかを着信リストにより知ることができ、当該相手先への連絡を速やかに行うことができる。その結果、重要な情報を速やかに入手することができる。
【0070】
また、相手先通知の段階で回線を切断しているので、相手先に通信料金が課金されることがなく、利用性を向上させることができる。
【0071】
なお、上記実施の形態においては、発ID情報を受信した後、回線開放タイマーをセットして、回線開放タイマーがタイムアップすると、直流ループを断しているが、直流断のタイミングは、上記のものに限るものではなく、要は、発信側に課金されない状態で、発信元電話番号を取得したり、発信元電話番号非通知であることを確認できれば、どのようなタイミングで行ってもよい。
【0072】
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記のものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0073】
【発明の効果】
請求項1記載の発明のファクシミリ装置によれば、発信電話番号通知サービスを提供する回線に接続されて、親展送信を行う際、発信元電話番号非通知番号を相手先電話番号に自動的に付加して、送出するので、秘密性を要する親展送信では、相手先に発信元の電話番号を非通知にして、発信元電話番号や当該電話番号に基づいて発信元名称が受信側ファクシミリ装置の表示部に表示されたり、管理ファイル上に記録されて、誰から親展送信が入ったかが、知られてしまうことを防止することができ、親展送信の秘密性を確保して、ファクシミリ装置の利用性を向上させることができる。
【0074】
請求項2記載の発明のファクシミリ装置によれば、着信時、回線から発信元電話番号非通知番号に応じて発信元電話番号が非通知であると、受信画情報のうち1ページ目の受信画情報のみを記録出力させ、2ページ目以降の受信画情報を画情報記憶手段に記憶させるので、発信元電話番号非通知で送信されてくる画情報が必要であるか、不要であるかを1ページ目の受信画情報で判断して、記録紙に記録出力するか否かを選択することができ、ダイレクトメール等の不要な受信画情報を記録紙に記録して記録紙を無駄にすることを防止して、ファクシミリ装置の利用性をより一層向上させることができる。
【0075】
請求項3記載の発明のファクシミリ装置によれば、記録手段による受信画情報の記録不可状態であって、かつ、受信画情報を一時記憶する画情報記憶手段を備えていないか、当該画情報記憶手段が満杯等の状態であって、代行受信不可能状態のときに着信があると、発信電話番号通知サービスによる発信元電話番号を取得して、着信履歴記憶手段に記憶させた後、当該相手先あるいは回線により回線が切断されるのを待って、直流ループ断を行うので、何らかの理由により、受信画情報の記録出力が不可能で、かつ、代行受信も行えない状態において、従来のファクシミリ装置のように、着呼を受け付けず、待機待ちを行うことなく、通信料金が課金されない状態で、一旦着呼を受け付け、相手先を確認して、その電話番号を記憶し、受信不可状態中にどこから通信の要求があったかを確認することができ、相手先に通信料金の負担をかけることなく、ファクシミリ装置の利用性をより一層向上させることができる。
【0076】
請求項4記載の発明のファクシミリ装置によれば、記録手段による受信画情報の記録不可状態であって、かつ、受信画情報を一時記憶する画情報記憶手段を備えていないか、当該画情報記憶手段が満杯等の状態であって、代行受信不可能状態のときに着信があると、発信元電話番号非通知番号に応じた発信元電話番号非通知を確認すると、当該発信元電話番号非通知の着信回数を着信履歴記憶手段に記憶するので、発信元電話番号非通知の相手先から何件通信要求があったかを確認することができ、ファクシミリ装置の利用性をより一層向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のファクシミリ装置の一実施の形態を適用したファクシミリ装置の回路ブロック図。
【図2】図1のRAMの受信原稿管理ファイルの一例を示す図。
【図3】図1のRAMの着信管理ファイルの一例を示す図。
【図4】発信電話番号通知サービスを提供する加入者交換機と受信端末との接続シーケンスを示す図。
【図5】図1のファクシミリ装置による親展送信処理を示すフローチャート。
【図6】図1のファクシミリ装置によるファクシミリ受信処理を示すフローチャート。
【図7】図6のファクシミリ受信処理の続きの処理を示すフローチャート。
【図8】図6及び図7の発ID通知処理で受信して記憶した画情報の管理処理を示すフローチャート。
【図9】受信不可能状態時の着信履歴作成処理を示すフローチャート。
【図10】図9の着信履歴作成処理で作成した着信履歴を記録した着信リストの一例を示す図。
【符号の説明】
1 ファクシミリ装置
2 操作表示部
3 スキャナ
4 プロッタ
5 画像メモリ
6 RAM
7 通信制御部
8 モデム
9 網制御部
10 発ID用信号制御部
11 符号化・復号化部
12 CPU
13 ROM
14 システムバス

Claims (4)

  1. 着信先に発信元電話番号を通知するとともに、発信元から所定の発信元電話番号非通知番号とともに相手先電話番号が送出されると、当該発信元電話番号を非通知にする発信電話番号通知サービスを提供する回線に接続され、相手先と所定のファクシミリ通信手順により画情報を送受信するファクシミリ装置であって、送信時、当該送信が親展送信であると、前記発信元電話番号非通知番号を前記相手先の電話番号に自動的に付加する発信元電話番号非通知番号付加手段を備えたことを特徴とするファクシミリ装置。
  2. 着信先に発信元電話番号を通知するとともに、発信元から所定の発信元電話番号非通知番号とともに相手先電話番号が送出されると、当該発信元電話番号を非通知にする発信電話番号通知サービスを提供する回線に接続され、相手先と所定のファクシミリ通信手順により画情報を送受信するファクシミリ装置であって、受信画情報を一時記憶する画情報記憶手段と、前記受信画情報を記録紙に記録出力する記録手段と、着信時、前記回線が前記発信元電話番号非通知番号に応じて前記発信元電話番号を非通知としたとき、前記受信画情報のうち1ページ目の前記受信画情報のみを前記記録手段で記録出力させ、2ページ目以降の前記受信画情報を前記画情報記憶手段に記憶させる制御手段と、を備えたことを特徴とするファクシミリ装置。
  3. 着信先に発信元電話番号を通知するとともに、発信元から所定の発信元電話番号非通知番号とともに相手先電話番号が送出されると、当該発信元電話番号を非通知にする発信電話番号通知サービスを提供する回線に接続され、相手先と所定のファクシミリ通信手順により画情報を送受信するファクシミリ装置であって、受信画情報を記録紙に記録出力する記録手段と、着信履歴を記憶する着信履歴記憶手段と、前記記録手段による前記受信画情報の記録不可状態であって、かつ、前記受信画情報を一時記憶する画情報記憶手段を備えていないか、当該画情報記憶手段が満杯等の状態であって、代行受信不可能状態のときに着信があると、前記発信電話番号通知サービスによる前記発信元電話番号を取得して、前記着信履歴記憶手段に記憶させた後、当該相手先あるいは前記回線により前記回線が切断されるのを待って、直流ループ断を行う制御手段と、を備えたことを特徴とするファクシミリ装置。
  4. 前記ファクシミリ装置は、前記記録手段による受信画情報の記録不可状態であって、かつ、前記受信画情報を一時記憶する画情報記憶手段を備えていないか、当該画情報記憶手段が満杯等の状態であって、代行受信不可能状態のとき、着信があると、前記発信元電話番号非通知番号に応じた前記発信元電話番号非通知を確認すると、当該発信元電話番号非通知の着信回数を前記着信履歴記憶手段に記憶させることを特徴とする請求項3記載のファクシミリ装置。
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