JP3630253B2 - 自動変速機の油圧制御回路 - Google Patents

自動変速機の油圧制御回路 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ライン油圧を断続する複数の電気式シフト装置を車両の運転状況に応じて発生させた信号によって作動させ、上記信号に対応した信号油圧を発生して切換手段を作動させることにより、入力軸とプラネタリ装置のメンバとを所定の変速段となるように係脱させる自動変速機の油圧制御回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の一般的な自動変速機における油圧制御回路は、プラネタリー装置の変速段を切換える複数のシフト装置が1−2速シフト用、2−3速シフト用及び3−4速シフト用として設けられている。しかし、このような自動変速機では変速ショックを一方向クラッチとアキュームレータの作用やスロットルの変化に対応して油圧の高低を変化させる等して防止する必要があり、多くのバルブ類を必要としている。
【0003】
ところで、米国特許第3754482号公報や、特開平63−210443号公報には、車両の運転状況に応じて発生させた電気信号で駆動されるシフト装置群を設け、クラッチ、ブレーキ等の各係合要素における油路への油圧の給排状態を切換えることにより各変速段を成立させようにした自動変速機の油圧制御回路が開示されいる。
【0004】
このような油圧制御回路では、電子制御装置により予め設定された変速線に基づいて上記電気信号を発生し、運転状況に応じて変速ショックが可及的に減じられるタイミングで各シフト装置を駆動し、自動変速機に1方向クラッチを設けたり、スロットルバルブやモジュレータバルブを設ける必要がなくなり、省スペースな油圧制御回路を構成できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図3には上記電気的シフト装置群によって油圧の給排状態を切換え変速を行う油圧制御回路の一例が示されている。
図3において、符号SV1〜SV3は可動鉄心による弁開閉動作によって入力側油路iの油圧を出力側油路oに導出するソレノイドバルブ(以下、シフト装置という)であり、その入力側油路iには図略のマニュアルシフトバルブ、レギュレータバルブ等からライン油圧Prが供給されており、図示しない電子制御装置からの電気信号によって弁開閉が制御されるようになっている。ただし、シフト装置SV1、SV2はノーマルオープン形、シフト装置SV3はノーマルクローズド形である。
【0006】
1、2はそれぞれ上記シフト装置SV1〜SV3の各出力側油路oに導出された信号油圧に基づいて、ここでは四つの係合要素C1、C2(クラッチ)、B0及びB1(ブレーキ)の係脱を設定するスプール型のバルブ装置(切換手段)であり、バルブ装置1はそれぞれ油路3、4及び5をと通して係合要素C2、B0及びB1へ油圧を供給可能に構成され、切換えバルブ2はそれぞれ油路6及び7を通して係合要素C1及びB1へ油圧を供給可能に構成される。
【0007】
上記油圧制御回路は、前進モードにおいて各シフト装置SV1〜SV3が作動状態を次表1のように切換えることによって各変速段(1速〜4速)を成立させる。
【0008】
【表1】
Figure 0003630253
例えば1速時には、シフト装置SV2、SV3が信号によって駆動され、シフト装置SV1とSV3の出力側油路oに信号油圧P1、P3が導出する。信号油圧P1はバルブ装置1、2に供給され、バルブ装置1は主に信号油圧P1により、バルブ装置2は主にライン油圧Prにより、各スプールを右Rに位置させる。これにより信号油圧P1がバルブ装置2の流路を介して油路6に導出され係合要素C1を係合動作させると共に、信号油圧P3が油路5を通して係合要素B1を係合動作させて、1速状態を成立させる。また、2速時には、シフト装置SV1、SV3が信号によって駆動され、シフト装置SV2とSV3の出力側油路oに信号油圧P2とP3が導出する。信号油圧P2はバルブ装置1、2に供給され、バルブ装置2は主に信号油圧P2によりスプールを左Lに位置され、バルブ装置1は主に信号油圧P2によりスプールを右Rに位置させる。これにより信号油圧P2がバルブ装置1の流路を介して油路3に導出され係合要素C2を係合動作させ、信号油圧P3が油路5を通して係合要素B1を係合動作させて、2速状態を成立させる。因みに3速時は、シフト装置SV1とSV2に信号油圧P1、P2が導出し、バルブ装置1は主に信号油圧P1により右Rに位置され、バルブ装置2は主にライン油圧Prにより右Rに位置される。また、4速時は、シフト装置SV2、SV3に信号油圧P2、P3が導出し、バルブ装置1はスプリング8の力によって左Lに位置され、バルブ装置2は主にライン油圧Prによって右Rに位置される。
【0009】
しかしながら、上記構成の油圧制御回路では、例えば1速時、バルブ装置1が作動油中の異物、或は油漏れ等により不動となると(以下、この現象をバルブスティックという)、変速段で係合を必要とする係合要素以外の係合要素へ油圧が供給されたり、必要な係合要素へ油圧が供給されなくなって、二重係合等を生じて所望の変速段への切換えが不能になる虞れがある。
【0010】
例えば1速時において、右Rへ移動すべきバルブ装置2のスプールが左Lに位置した固定状態になると、係合要素B1にだけ油圧が供給され、係合要素C1へ油圧が供給されなくなり、変速機はN(ニュートラル状態)モードに固定されてまう。この場合は、1速、すなわち前進モードがNモードになるだけで走行に支障は生じないが、バルブ装置1においてバルブスティックが発生すると、右Rに位置すべきバルブ装置1のスプールが左Lに位置をとり、この場合、シフト装置SV3へ供給されているライン油圧Prが油路3へ導出され、係合要素C1とC2とが共に係合したに二重係合を生じ、正常に動力が伝達されなくなる。表2は図3のような油圧制御回路の各変速段で生じるダブルロックを示す。
【0011】
【表2】
Figure 0003630253
上表2において、1速〜3速においてバルブ装置1がバルブスティックを生じたときと、2速時においてバルブ装置2がバルブスティックを生じたときに二重係合の問題がある。
【0012】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたもので、バルブ装置がバルブスティックの故障を生じたときに、二重係合現象を確実に回避することを解決すべき課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の自動変速機の油圧制御回路は、入力軸とプラネタリ装置のメンバとを油圧によって作動される複数の係合要素により係脱して各変速段に切換える自動変速機の油圧制御回路において、 車両の運転状況に応じて発生させた電気信号によって作動され、入力側油路に供給される前記油圧を出力側油路に対し断続する複数のシフト装置と、前記出力側油路あるいは前記出力側油路及び前記入力側油路に連通する複数の入力ポートと、前記複数の係合要素の全てにそれぞれ対応して連通し前記複数の入力ポートにそれぞれ対応して連通状態及び遮断状態をとる複数の出力ポートと、常時付勢されて基準位置で前記遮断状態を形成し前記複数の入力ポートのうち特定の入力ポートに前記油圧が供給されたとき該油圧に駆動されて作動位置に移動し前記連通状態を形成するスプールとで構成されるバルブ装置と、を具備し、前記特定の入力ポートに前記油圧が供給されたとき、前記スプールが前記作動位置に正常に移動した場合は前記連通状態となり前記係合要素へ前記油圧が供給され、前記スプールが故障により前記基準位置から不動の場合は前記遮断状態のままで前記係合要素へ前記油圧が供給されないことを特徴とする。
【0014】
また、前記バルブ装置を二以上具備し、第一のバルブ装置の特定の出力ポートを第二以降のバルブ装置の入力ポートに連通させるようにしてもよい。
係合要素の点数が多い場合は、二以上のバルブ装置の出力ポートに分散して連通させることになる。このときには、第一のバルブ装置の特定の出力ポートを第二以降のバルブ装置の入力ポートに連通させて、第二以降のバルブ装置で断続制御してやればよい。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態は、入力軸とプラネタリ装置のメンバとを油圧によって作動される複数の係合要素により係脱して各変速段に切換える自動変速機において、エンジンの回転によってライン油圧の元となる供給油圧を発生するオイルポンプと、上記ライン油圧を油圧制御回路側に導出する油圧供給手段と、車両の運転状況に応じて発生させた電気信号によって作動され、その入力側油路に上記油圧供給手段から送給されるライン油圧を出力側油路に対し断続する第1、第2及び第3のシフト装置と、各スプールを収嵌した二以上のバルブ装置からなる。
車両の運転状況に応じて発生させた電気信号とは、変速段の選択信号であり、例えば1速から4速に対応して表1に示されるようにシフト装置SV1、SV2、SV3が通電され、開閉制御されている。各シフト装置の出力側油路は、第一のバルブ装置の入力ポートに連通している。また、第一のバルブ装置の出力ポートは複数の係合要素にそれぞれ対応して連通するとともに、特定の出力ポートは第二以降のバルブ装置の入力ポートに連通している。第一のバルブ装置のスプールは、常時付勢されて基準位置で入力ポートと出力ポートとの間を遮断状態としている。第一のバルブ装置の特定の入力ポートに油圧が供給されたとき、スプールは該油圧に駆動されて作動位置に移動し入力ポートと出力ポートとの間は連通状態となる。
第二以降のバルブ装置の入力ポートには、第一のバルブ装置の特定の出力ポートと入力側油路及び出力側油路が連通し、出力ポートには第一のバルブ装置に連通していない残りの係合要素が連通している。
【0016】
上記構成の自動変速機の油圧制御回路は、エンジンが回転すると、オイルポンプの作動によってライン油圧が発生し、ドライブレンジ(前進モード)にマニュアル設定されると、油圧供給手段から各シフト装置の入力側油路にライン油圧が導かれる。各シフト装置の入力側油路に導かれたライン油圧は、弁通路を開くように電気信号によって駆動されたシフト装置の出力側油路に信号油圧として導出される。そして、信号油圧を導出したいずれかのシフト装置における出力側油路からの信号油圧は、切換手段を構成するバルブ装置群に供給される。
【0017】
バルブ装置群は、スプールの所定弁部(ランド)が受ける受圧面積の差、あるいは信号油圧と予め供給されているライン油圧との油圧差によってスプールが移動され、移動後に所定係合要素への油路と信号油圧が供給されたポートもしくはライン油圧が供給されているポートとが連通すると、上記所定係合要素が係合動作して選択された変速段に切換えられる。
【0018】
好適な実施形態において、第一のバルブ装置のスプールが故障により基準位置から動かない場合は遮断状態のままで、係合要素及び第二以降のバルブ装置へは油圧が供給されない。この具体的な構成は、スプールの1ランドによって断続される一組の入力ポート及び出力ポートと、遮断時に出力ポートと連通し油の排出機能を有した別ポートとによって実現されている。
【0019】
上記好適な実施形態では、入力ポートに信号油圧が供給されたとき、スプールが作動位置に移動しないと、係合要素または第二以降のバルブ装置に連通した出力ポートが別ポートと連通する。この結果、入力ポート側の信号油圧はどこへも供給されない。また、出力ポート側の油圧は、油の排出機能を有した別ポートから排出される。
【0020】
【実施例】
以下、本発明の自動変速機の油圧制御回路を図1及び図2に示す具体的一実施例によって詳細に説明する。ただし、変速機は表1と同様の係合要素をもつものとする。
図1において、符号11はエンジンによって駆動されるオイルポンプであり、ストレーナ12を介してオイルパン13上の油を吸上げる。オイルポンプ11によって汲上げられた油はプライマリレギュレータ14及びセカンダリレギュレータ15に供給され、プライマリレギュレータ14は調圧されたライン油圧14aを導出し、セカンダリレギュレータ15はトルクコンバータ(図示略)へのコンバータ油圧15aを導出する。
【0021】
上記ライン油圧14aは前進(D−2−L)と後進の切換えを行うマニュアルバルブ16へ供給され、該マニュアルバルブ16へ供給されたライン油圧14aは本発明の油圧制御回路21にライン油圧16aとして導出されるとともに、別系統でライン油圧17aを油圧制御回路21に導出するシグナルバルブ17に供給されている。また、プライマリレギュレータ14からのライン油圧14aは、更に別系統として直接に油圧制御回路21に供給されている。
【0022】
しかして、油圧制御回路21は、上記プライマリレギュレータ14のライン油圧14aが入力側油路18aに供給され該入力側油路18aのライン油圧14aを出力側油路18bに対し断続する第1シフト装置18と、上記シグナルバルブ17からのライン油圧17aが入力側油路19aに供給され該入力側油路19aのライン油圧17aを出力側油路19bに対し断続する第2シフト装置19と、上記マニュアルバルブ16からのライン油圧16aが入力側油路20aに供給され該入力側油路20aのライン油圧17aを出力側油路20bに対し断続する第3シフト装置20とを備える。第1及び第2シフト装置18、19は3方向ノーマルオープン形の電磁弁、第3シフト装置20は3方向ノーマルクローズ形の電磁弁であり、入出力側油路以外の通路路は油が排出される。
【0023】
更に油圧制御回路21は図2に拡大して示すように、入力ポートI1〜I4、出力ポートO1〜O4を有し、スプリング24によって常に一方方向(以下、図面で左方向とする)に付勢されるスプールSが、上記入力ポートI1と出力ポートO1間、入力ポートI2と出力ポートO2間及び入力ポートI2と出力ポートO1間並びに入力ポートI3と出力ポートO3間及び入力ポートI4と出力ポートO4間の連通と遮断を切換える第1バルブ装置22と、入力ポートI5〜I8及び出力ポートO5を有し、スプールSが入力ポートI7と出力ポートO5間の連通と遮断を切換える第2バルブ装置23とを具備している。本実施例では、上記両バルブ装置22、23によって変速段を切換える切換手段が構成される。
【0024】
ここで、スプールSがスプリング24によって左Lに付勢されている位置が基準位置であり、右Rに移動した位置が作動位置である。第1バルブ装置22の入力ポートI3と出力ポートO3とは、スプールSが右Rに位置するとき連通し、左Lに位置するときランドaによって遮断されると同時に出力ポートO3が絞りポートAと連通する。同様に、第1バルブ装置22の入力ポートIと出力ポートO4とは、スプールSが右Rに位置するとき連通し、左Lに位置するときランドaによって遮断されると同時に出力ポートO4が絞りポートBと連通する。
【0025】
詳述すれば、第1シフト装置18の出力側油路18bは、第1バルブ装置22の入力ポートI4に接続され、第2シフト装置19の出力側油路19bは(シグナルバルブ17を介して)第1バルブ装置22の入力ポートI2及び第2バルブ装置23の入力ポートI6に接続され、第3シフト装置20の出力側油路20bは第1バルブ装置22の入力ポートI3及び第2バルブ装置23の入力ポートI5に接続される。また、第1シフト装置18の入力側油路18aは第2バルブ装置23の入力ポートI8に接続され、第3シフト装置20の入力側油路20aは第1バルブ装置22の入力ポートI1に接続されるとともに、チェックボール弁25を介してアキュームレータ26に接続される。アキュームレータ26は第3シフト装置20の出力側油路20bにおける信号油圧P3を調圧するもので、その出力油路26aは第1バルブ装置22の出力ポートO3及び係合要素B1への油路31に接続される。同様の構成は、第2シフト装置19の出力側油路19bにもアキュームレータ27が接続され、第1シフト装置18の出力側油路18bに対しては第2バルブ装置23の出力ポートI5に接続された係合要素C1への油路33にアキュームレータ28が接続されている。このアキュームレータ28の場合、第1バルブ装置22の出力ポートO4と第2バルブ装置23の入力ポートI7とが油路35にて接続され、第1バルブ装置22の入力ポートI4と出力ポートO4が連通し、かつ、第2バルブ装置23の入力ポートI7と出力ポートO5が連通したとき実効がある。
【0026】
なお、第1バルブ装置22の出力ポートO1は係合要素C2への油路34に接続され、第1バルブ装置22の出力ポートO2は係合要素B0への油路32に接続される。
また、本実施例では、ロックアップ(L/U)クラッチ付きの自動変速機に適用したもので、ライン油圧14aによって駆動されるL/U制御バルブ29をもち、該L/U制御バルブ29にはセカンダリレギュレータ15が導出するコンバータ油圧15aと、ソレノイドバルブ30を介して係合要素C2への油圧とが供給される。このL/U制御バルブ29の動作は周知のため説明は省略する。なお、L/U制御の油はオイルクーラ36で冷却される。
【0027】
以上の構成よりなる自動変速機の油圧制御回路は、前進モードにおいて、マニュアルバルブ16よりライン油圧16aが導出され、シグナルバルブ17は左Lに位置して、各シフト装置18、19、20には、それぞれライン油圧14a、17a、16aが供給される。以下、表1も参照して各変速段ごとに動作を説明する。なお、第1シフト装置18はSV1に、第2シフト装置19はSV2に、第3シフト装置20はSV3に対応している。
【0028】
1速時には、作動表1に示すように、ノーマルオープンの第1シフト装置18における出力側油路18aに信号油圧P1が導出し、第1バルブ装置22の入力ポートI4を通して広面積のランドbに右方向の油圧がかかり、スプリング24の力に抗してスプールSが右方向に移動される。この入力ポートI4の信号油圧P1はスプールSが右Rに位置すると、入力ポートI4と出力ポートO4とが連通するので、油路35を通して第2バルブ装置23の入力ポートI7に油圧を供給する。また、ノーマルクローズの第3シフト装置20における出力側油路20bに信号油圧P3が導出し、第1バルブ装置22の入力ポートI3及び出力ポートO3を通して油路31に油圧がかかる。これにより係合要素B1が係合する。一方、第2バルブ装置23にはライン油圧14aが左端室に供給されており、右端室に供給される信号油圧P3より勝った力でスプールSを右Rに移動させる。これにより入力ポートI7と出力ポートO5が連通し、油路33に油圧がかかって係合要素C1を係合させる。
【0029】
2速時には、第2シフト装置19の出力側油路19bに信号油圧P2が導出し、第1バルブ装置22の入力ポートI2に油圧が供給される。また、第3シフト装置20の出力側油路20bに信号油圧P3が継続して導出しており、同信号油圧P3が第1バルブ装置22の入力ポートI3を通して左端室に作用し、スプリング24の力に勝り、スプールSの右位置を保持する。これにより、入力ポートI3から出力ポートOを通り油路31に油圧がかかって係合要素B1を係合させるとともに、入力ポートI2から出力ポートO1を通り油路34に油圧が供給されて係合要素C2を係合させる。この2速時には、第2バルブ装置23は、信号油圧P3が右端室に作用し、かつ、信号油圧P2が左方向に作用するため、左Lに位置する。
【0030】
3速時には、第1シフト装置18の出力側油路18bに信号油圧P1が導出して1速時と同様に第1バルブ装置22のスプールSを右位置に保持するとともに、同信号油圧P1が油路35を通り第2バルブ装置23を介して油路33に油圧を供給し、係合要素C1を係合させる。また、第2シフト装置19の出力側油路19bに信号油圧P2が導出し、入力ポートI2から出力ポートO1を通り油路34に油圧が供給されて係合要素C2を係合させる。第2バルブ装置23は、2速時、右端室に作用していた信号油圧P3がなくなるので、ライン油圧14aの力により右Rに位置する。
【0031】
4速時には、第2シフト装置19の出力側油路19bにだけ信号油圧P2が導出し、第1バルブ装置22の入力ポートI2に油圧が供給される。そして第1バルブ装置22は、その入力ポートI4及び入力ポートI3には油圧が供給されないので、スプリング24の力が勝ってスプールSを左Lに位置させる。これにより、第1バルブ装置22は入力ポートI1と出力ポートO1及び入力ポートI2と出力ポートO2が連通する。従って入力ポートI2に供給されている信号油圧P2が出力ポートO2を通して油路32に供給され係合要素B0を係合させる。また、入力ポートI1に供給されているライン油圧16aが入力ポートI1から出力ポートO1を通り油路34に供給され、係合要素C2を係合させる。第2バルブ装置23はライン油圧14aによって右Rに位置する。
【0032】
ところで、上記第1バルブ装置22の入力ポートI4、出力ポートO4及び絞りポートBと、入力ポートI3、出力ポートO3及び絞りポートAは、スプールSが右Rに移動したとき、I4−O4及びI3−O4が連通し、かつ、O3−A及びO4−Bが遮断する。また、スプールSが左Lに移動したとき、I4−O4及びI3−O4が遮断し、かつ、O3−A及びO4−Bが連通する。このため、第1バルブ装置22でバルブのスプールSが移動せずバルブスティックを生じたとき、入力ポートI3又はI4に入力した油圧は、それぞれ出力ポートO3と絞りポートA又は出力ポートO4と絞りポートBが連通することにより、係合要素B1への油圧の排出又は第2バルブ装置23への油圧を排出し、係合要素B1又はC1へ油圧を供給しなくなる。従って、作動表に設定された係合要素以外の組合わせで油圧が供給されることを回避して二重係合を確実に防止可能となる。
【0033】
次表3は本実施例の油圧制御回路21でバルブスティックが発生した場合に、実際のレンジがいずれに設定されるかを表記したものである。
【0034】
【表3】
Figure 0003630253
このように1速〜2速の前進モードにおいて、バルブスティックが発生しても、実際に変位するモードはニュートラルないし前進モードのいずれかとなり、二重係合現象の発生は確実に阻止される。
【0035】
なお、本発明は特許請求の範囲に記載通りの構成を具備するもので、上記実施例の構成に限定されることなく、スプールの形状等によって種々の変形態様が考えられる。
【0036】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、自動変速機における油圧制御回路でバルブスティックが生じても、係合要素の二重係合現象を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る自動変速機の油圧制御回路を示す回路図である。
【図2】前進モードにおける図1の油圧制御回路を示す回路図である。
【図3】本発明の前提となった油圧制御回路を示す回路図である。
【符号の説明】
18〜20はシフト装置、21は油圧制御回路、22及び23はバルブ装置(切換手段)である。

Claims (2)

  1. 入力軸とプラネタリ装置のメンバとを油圧によって作動される複数の係合要素により係脱して各変速段に切換える自動変速機の油圧制御回路において、
    車両の運転状況に応じて発生させた電気信号によって作動され、入力側油路に供給される前記油圧を出力側油路に対し断続する複数のシフト装置と、
    前記出力側油路あるいは前記出力側油路及び前記入力側油路に連通する複数の入力ポートと、前記複数の係合要素の全てにそれぞれ対応して連通し前記複数の入力ポートにそれぞれ対応して連通状態及び遮断状態をとる複数の出力ポートと、常時付勢されて基準位置で前記遮断状態を形成し前記複数の入力ポートのうち特定の入力ポートに前記油圧が供給されたとき該油圧に駆動されて作動位置に移動し前記連通状態を形成するスプールとで構成されるバルブ装置と、を具備し、
    前記特定の入力ポートに前記油圧が供給されたとき、前記スプールが前記作動位置に正常に移動した場合は前記連通状態となり前記係合要素へ前記油圧が供給され、前記スプールが故障により前記基準位置から不動の場合は前記遮断状態のままで前記係合要素へ前記油圧が供給されないことを特徴とする自動変速機の油圧制御回路。
  2. 前記バルブ装置を二以上具備し、第一のバルブ装置の特定の出力ポートを第二以降のバルブ装置の入力ポートに連通させた請求項1記載の自動変速機の油圧制御回路。
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