JP3630173B2 - 蒸発燃料処理装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、燃料タンク内に発生する蒸発燃料が大気に放出されるのを防止する蒸発燃料処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、この種の蒸発燃料処理装置として実開昭63−155727号公報記載のものが知られている。この蒸発燃料処理装置は燃料タンクとキャニスタとを連通する蒸発燃料通路に電磁弁を備え、給油時に電磁弁を開放して燃料タンク内で発生する蒸発燃料を蒸発燃料通路を介してキャニスタに吸着させる。また、燃料タンク内の蒸発燃料通路の端部にはフロート弁が設けられており、燃料タンク内の液体燃料が満タンになるとフロート弁が蒸発燃料通路を遮断して満タンになった液体燃料がキャニスタに流れ込むのを防止する。
【0003】
フロート弁は本体に収容されたフロートと蒸発燃料通路に通じるパイプ部とを有し、パイプ部周縁のシート部はテーパ状に形成されているので、半球形を有するフロート頭部が着座しやすくなるように工夫されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の蒸発燃料処理装置では燃料タンク内に給油された液体燃料が満タンになり、フロート弁が蒸発燃料通路を遮断する際に一気にその通路を塞いでしまうので、燃料タンク内の圧力が急激に上昇してしまうといった問題があった。燃料タンク内の圧力が急激に上昇すると同時に、給油管内に注がれている液体燃料の液面も急激に上昇し、給油管に差し込まれた給油ガンのオートストップ機構が作動する前に液体燃料が給油口から吹き返すおそれがあった。
【0005】
そこで、本発明はかかる問題を解決し、燃料タンク内に給油された液体燃料が満タンになっても、燃料タンク内の圧力が急激に上昇することを防止できる蒸発燃料処理装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る蒸発燃料処理装置は、燃料タンクと、該燃料タンク内で発生した蒸発燃料を吸着するキャニスタと、該キャニスタと前記燃料タンクとを連通する蒸発燃料通路と、該蒸発燃料通路の前記燃料タンクへの開口部に設けられた遮断弁と、前記蒸発燃料通路に設けられ、給油時に前記蒸発燃料通路を開放する開閉弁とを有する蒸発燃料処理装置において、前記遮断弁は、筒部を有するケース本体と、前記ケース本体内に収容され、頭部を有するフロートとからなるフロート弁であり、前記ケース本体の前記蒸発燃料通路への開口部周縁に形成され、前記フロートの頭部が着座するシート面をテーパ面に形成し、前記シート面に続く前記筒部の内面を前記シート面より挟み角の小さいテーパ面に形成し、前記フロートの頭部に続く側面を、前記筒部の内面と略同一の挟み角を持つテーパ面に形成するとともに、前記頭部が前記シート面に着座した状態で前記筒部の内面との隙間がほぼ無くなるように形成し、前記燃料タンク内の燃料が満タンに近付くにつれて上昇する前記フロートの頭部によって前記シート面で前記蒸発燃料通路が絞られるのに先だって、前記筒部の内面と前記フロートの側面との間に形成される燃料流路が徐々に絞られることを特徴とする。
【0015】
【作用】
本発明の請求項1に係る蒸発燃料処理装置では、蒸発燃料通路に設けられ、給油時に前記蒸発燃料通路を開閉弁により開放する際に、該蒸発燃料通路の前記燃料タンクの開口部に設けられた遮断弁において、前記燃料タンク内の燃料が満タンに近付くにつれて上昇するフロートの頭部によってシート面で前記蒸発燃料通路が絞られるのに先だって、本体ケースの筒部の内面と前記フロートの側面との間に形成される燃料流路が徐々に絞られる。
【0024】
【実施例】
以下、本発明の蒸発燃料処理装置の一実施例を図面に基づいて説明する。
【0025】
[第1実施例]
図1は第1実施例の蒸発燃料処理装置を概略的に示す構成図である。図1において燃料タンク1は給油管2を有し、給油管2の給油口には燃料キャップ(図示せず)が外されて給油ガン100が差し込まれている。
【0026】
燃料タンク1は蒸発燃料通路12を介してキャニスタ16に連通しており、キャニスタ16は蒸発燃料を吸着する活性炭(図示せず)を有する。蒸発燃料通路12の途中には電磁弁14が設けられている。
【0027】
電磁弁14のソレノイド14aの一端にはリレー11の接点が接続されており、他端は接地されている。また、リレー11の他方の接点にはヒューズ10を介してバッテリ(図示せず)の正極が接続されている。リレー11は図示しない圧力スイッチからの信号によって両接点を接続して電磁弁14を通電する。
【0028】
また、蒸発燃料通路12と並列に燃料タンク1とキャニスタ16とを連通するバイパス通路13が設けられており、バイパス通路13の途中には二方向弁15が取り付けられている。蒸発燃料通路12の断面積はバイパス通路13の断面積より大きく設定されており、本実施例では通路12の径断面積は通路13の断面積の約9倍程度である。
【0029】
二方向弁15は、隔壁15cにより隔てられた第1室15a及び第2室15bと、正圧弁15dと負圧弁15eとからなり、第1室15aは通路12の燃料タンク側に連通し、第2室15bは大気に連通している。正圧弁15dは燃料タンク1内の圧力が大気圧より所定圧以上高くなったときに開弁し、負圧弁15eは燃料タンク1内の圧力がキャニスタ16内の圧力より所定圧以上低下したとき開弁する。
【0030】
燃料タンク1及びキャニスタ16は図示しないエンジンに接続されている。図中17は燃料タンク1の満タン時に通路12の開口部を閉塞するフロート弁(遮断弁)を、また18は当該車両の傾斜時に通路13の開口部を閉塞するフロート弁をそれぞれ模式的に示したものである。フロート弁17は燃料タンク1内の液面がフロート弁18より低い液面で作動する。フロート弁18は通路13の開口部を満タン時でも完全に閉塞しないように設定されている。
【0031】
つぎに、フロート弁17の構造について説明する。図2はフロート弁17の構造を示す概略断面図である。本実施例のフロート弁17はフロート(フロート弁体)20を収容するケース本体19を有する(図2の(A))。ケース本体19はパイプ部19a、フランジ部19bおよび筒部19cからなり、フランジ部19bを燃料タンク1に取り付けることにより固定される。パイプ部19aは蒸発燃料通路12の一端に嵌合されており、その開口部周縁にはシート面19eがテーパ状に形成されている。筒部19cには複数の孔19dが設けられており、この孔19dを通って蒸発燃料や液体燃料が流入する。
【0032】
一方、フロート20の頭部20aは略円錐状に形成されており、シート面19eに着座すると蒸発燃料通路12が遮断される(図2の(B))。頭部20aがシート面19に着座する際に、鎖線及び破線で示すようにシート面19eと頭部20aの間に形成された通路は徐々に狭くなる(図2の(C))。このように、シート面19eと頭部20aの間には絞り部が形成される。
【0033】
また、フロート20の底部には凹部20bが形成されており、この凹部20bとケース本体19の底面との間にはスプリング21が介装されており、フロート20を着座方向、即ち蒸発燃料通路12の閉塞方向に付勢する。
【0034】
上記構成を有する蒸発燃料処理装置の動作について説明する。まず、給油時には、燃料キャップ(図示せず)が外され、給油ガン100が給油管2の給油口に挿入されると給油管2の給油口近傍の圧力は略大気圧まで低下する。一方、燃料タンク1内の圧力は給油に伴って発生する蒸発燃料により上昇して行き、この圧力差により圧力スイッチ(図示せず)がオンしてリレー11を作動させる。その結果、ソレノイド14aに通電がなされて電磁弁14が開弁する。従って、給油時に発生する蒸発燃料は蒸発燃料通路12及び電磁弁14を介してキャニスタ16に吸着される。
【0035】
燃料タンク1内の給油量の増加につれて液面が上昇し満タンに近付くと、フロート弁17のフロート20が上昇し始め、液面が所定の高さに達するとフロート20は通路12を完全に遮断する。
【0036】
通路12の遮断に際して、燃料タンク1内の液面が所定の高さに達する迄は、フロート20はスプリング21に付勢されていても自重により浮き上がらないので、シート面19eと頭部20aとの間に形成されている通路(蒸発燃料流路)は大きく開放されたままである。したがって、給油によって発生する蒸発燃料は筒部19に形成された孔19dを抜けると抵抗を受けることなくそのままキャニスタ16側に流れる。
【0037】
液面の高さが所定の高さに達すると、フロート20は液体燃料からの浮力とスプリング21の付勢力によって浮き上がり始める。シート面19eと頭部20aとの間の燃料流路の開口面積は、フロート20の上昇と共に徐々に減少するので(図2の(C))、完全に流路を遮断するのに遅れを伴うことになる。この結果、蒸発燃料通路12が満タン時に緩やかに閉じられることとなり、燃料タンク1内の圧力は急激に高圧にならない。給油管2内の燃料も徐々に上昇し燃料の吹き返しは発生しない。給油ガン100の先端に達したときに給油ガン100のオートストップ機構(図示せず)が作動して給油は終了する。
【0038】
また、追加給油を行なっても、通路12はフロート弁17により遮断されているので、キャニスタ16に液体燃料が流れ込むことはない。
【0039】
給油ガン100を抜き去って供給管2に給油キャップ(図示せず)を閉じると、給油管2内の圧力が高くなって燃料タンク1と給油管2の給油口近傍との圧力差が小さくなるので、前述の圧力スイッチはオフとなり電磁弁14が閉弁して蒸発燃料通路12は遮断される。
【0040】
その後に発生する蒸発燃料によって燃料タンク1内の圧力がさらに高まるが、二方向弁15の設定圧を越えるときに二方向弁15は開弁し、蒸発燃料はバイパス通路13を通ってキャニスタ16に吸着される。したがって、燃料タンク1内の圧力が蒸発燃料によって高圧になることはない。
【0041】
また、車両が横転したときには図2の(d)に示すように、フロート20の自重とスプリング21の付勢力がフロート20の浮力に抗して沈むので、フロート20の頭部20aはシート面19eに着座し、蒸発燃料通路12を遮断する。
【0042】
以上示したように、本実施例の蒸発燃料処理装置によれば、給油時に燃料タンク1が満タンになっても燃料タンク1内が急激に高圧となることを防止でき、給油管2の給油口からの吹き返しを防止できる。
【0043】
[第2実施例]
つぎに、第2実施例の蒸発燃料処理装置について説明する。図3は第2実施例の蒸発燃料処理装置のフロート弁の構造を示す概略断面図である。本実施例の蒸発燃料処理装置は前記第1実施例と較べてフロート弁の構造が異なるだけでその他の構成は同じである。
【0044】
本実施例のフロート弁37はフロート40の側面と筒部39cの内側の面とから形成される燃料流路をフロート40の上昇につれて徐々に狭めることに特徴を有する。すなわち、フロート弁37はケース本体39のパイプ部39aに形成されたシート面39eに着座するフロート40の頭部40aを円錐台に形成し、頭部40aに続くフロート40の頭部40aに続く側面40cをテーパ状に形成する。また、シート面39eに続く筒部39cの内面39fをテーパ状に形成し、筒部39cの内面39fとフロート40の側面40cとの間に形成される燃料流路はフロート40の上昇につれて徐々に狭まり、絞りを形成する。
【0045】
このように、通路が徐々に狭まることによりフロート40は抵抗を受けながらシート面39eに着座することになるので、急激に蒸発燃料通路12が閉じられることはない。
【0046】
したがって、本実施例の蒸発燃料処理装置によれば、前記第1実施例と同様の効果が得られる他に、フロート40の側面40cと筒部39c内面39fとの間に形成される比較的長い通路(図中2点鎖線で囲まれる部分)を絞ることによってフロート40の着座をより一層の緩やかな遮断を実現できる。
【0047】
図4は第2実施例のフロート弁の変形例を示す概略断面図である。フロート弁47は前記第1実施例と同様の本体ケース49を有し、筒部49cには上下方向の2箇所に分かれて孔49d、49gが形成されている。一方、フロート50の側面50cはテーパ状に形成されており、その側面50cにはリブ50eが一条設けられている。
【0048】
上記構造のフロート弁47では、液面が上昇して液体燃料が筒部49cの下方に形成された孔49dから本体内側に流入してくると、その浮力によりフロート50は浮き上がり始める。さらに、液面が高くなりそれにつれてフロート50が上昇してくると、当初開放されていた下方の孔49dとフロート50の側面50hとの間に形成された燃料流路(図中2点鎖線で囲まれた部分)は徐々に狭まってきて僅かな流入しかできなくなるので、フロート50の上昇は極めて緩やかになる。やがて、フロート50の頭部50aがパイプ部49aのシート面49eに着座して蒸発燃料通路12は遮断されることになる。
【0049】
このように、変形例のフロート弁47においても、フロート50の側面50hと筒部49c内面との間に形成される燃料流路を絞ることによって蒸発燃料通路12の遮断を緩やかにできる。
【0050】
[第3参考例]
つぎに、第3参考例の蒸発燃料処理装置について説明する。図5は第3参考例のフロート弁の構造を示す概略断面図である。
【0051】
本参考例のフロート弁57は本体ケース59のパイプ部59aのシート面59eに着座可能にピストン型の絞り部材61が設けられた構造を有する。絞り部材61はその内側に比較的大きな開口61aを有し、パイプ部59aの内側と摺動する面には溝61bが形成されている。また、絞り部材61のパイプ部59a側後部にはスプリング62が設けられており、絞り部材61はスプリング62によってフロート60側に付勢されている。孔61aの周縁にはフロート60の頭部60aが着座するためのシート面61eがテーパ状に形成されている。
【0052】
したがって、本体ケース59の孔59gから流入する蒸発燃料は大方絞り部材61の孔61aを通って蒸発燃料通路12へ導かれる(図5(A))。燃料タンク1内の液面の上昇につれてフロート60が上昇するとその頭部60aが絞り部材61のシート面61eに着座する。蒸発燃料は孔61aを通れなくなり、孔61aに較べて狭い溝61bを通って流れることになる(図5(B))。さらに、フロート60が上昇して絞り部61をスプリング62に抗して押し上げるとパイプ部59aの通路は完全に塞がれることになる(図5(C))。
【0053】
このように、本参考例のフロート弁57によれば、前記第1実施例と同様の効果を得ることができる他に孔61a、61bの大きさあるいはスプリング62の付勢力を変更することにより絞り量の調節を容易にできる。
【0054】
[第4参考例]
つぎに、第4参考例の蒸発燃料装置のフロート弁の構造について説明する。図6は第4参考例のフロート弁の構造を示す概略断面図である。本参考例のフロート弁77は本体ケース79を2つの室79i、79jに仕切り、それぞれの室にフロート80a、80bを並列に配置し(図6の(A))、パイプ部79a、79bに2つの燃料流路を有する。フロート80aの比重はフロート80bの比重に較べて小さく設定されている。したがって、液体燃料が増加するとその浮力によりまずフロート80aが上昇してパイプ部79aの流路を塞ぎ(図6の(B))、さらに液面が高くなると大きな浮力を浮けてフロート80bが上昇してパイプ部79bの流路を塞ぐことになる(図6の(C))。
【0055】
したがって、本参考例のフロート弁77によれば、フロート弁を単に並列に設けただけの簡単な構成で前記第3参考例と同様の効果を挙げることができる。
【0056】
尚、本参考例ではフロート80a、80bを同一の形状とし、空洞の大きさを違えることで比重を変えたが、材質や形状を変更してもよいし、フロート80a、80bを付勢するスプリングの弾性力を変更してもよいことは勿論である。
【0057】
[第5参考例]
つぎに、第5参考例の蒸発燃料処理装置のフロート弁について説明する。図7は第5参考例のフロート弁の構造を示す概略断面図である。本参考例のフロート弁87はフロート80の頭部80aとパイプ部89aのシート面89eとで弁を構成する他に、フロート80の内側にさらに第2のフロート弁97を有する。即ち、フロート80の頭部80aにはその内側の中空部と通じる孔80bが形成されている。孔80bの内側に形成されたシート面80eには第2のフロート98の頭部98aが着座することになる。フロート80の側面には孔80gが形成されており、この孔80gを通って液体燃料はフロート80の内側に流入する。
【0058】
第2のフロート弁97を構成するフロート98の底面には凹部98bが形成されており、凹部98bにはスプリング99が設けられていてフロート98を頭部98a側に付勢する。
【0059】
上記構造のフロート弁87では、蒸発燃料は大方フロート80とパイプ部89aとの間に形成された燃料流路を通ってパイプ89aから蒸発燃料通路12側に流れるが(図7の(A))、液体燃料の液面がある高さに達するとフロート80はその浮力により上昇し、シート面89eにフロート80の頭部80aが着座しフロート80とパイプ部89aとの間に形成された流路は塞がれる。したがって、流入した蒸発燃料はフロート80に形成された80gを通ってフロート80の頭部80aの孔80bを通って蒸発燃料通路12側に流れることになる(図7の(B))。さらに、液体燃料の液面が上昇して第2のフロート98が上昇し、その頭部98aがシート面80eに着座するとこの流路も塞がれる(図7の(C))。これにより、パイプ部89aの流路は完全に塞がれることになる。
【0060】
本参考例のフロート弁87によれば、前記第1実施例と同様の効果を挙げることができる他に、本体ケースの構造を変更することなく、フロート80の構造を変更するだけで確実に絞り量を2段階に変更できる。
【0061】
[第6参考例]
つぎに、第6参考例の蒸発燃料処理装置のフロート弁について説明する。図8は第6参考例のフロート弁の構造を示す概略断面図である。すなわち、前記第5参考例のフロート弁87において、フロート80の頭部80aに形成された孔80bにリリーフ弁を設けた構造を有する。
【0062】
すなわち、本参考例のフロート弁107は孔80bにリリーフ弁108が設けられているので、フロート110の頭部110aがパイプ部119のシート面119aに着座してその流路を塞いだ後に、すぐに頭部110aの内側に形成された孔110bを通って蒸発燃料が蒸発燃料通路12側に流れ込まず、燃料タンク1内で蒸発燃料の圧力がリリーフ弁108の設定圧を越えたときに始めてリリーフ弁108が開放されて蒸発燃料が孔110bを通って流路に流れ込む。
【0063】
このように、本参考例のフロート弁107によればリリーフ弁108を設けたことにより一層段階的に絞ることができる。
【0064】
図9は変形例のリリーフ弁を用いたフロート弁の構造を示す概略断面図である。変形例のフロート弁117は前記第4実施例のフロート弁77の一方にリリーフ弁121を設けた構造を有する。すなわち、パイプ部119aに形成された流路120aにはリリーフ弁121が設けられている。リリーフ弁121が設けられた室のフロート130aの比重は、リリーフ弁121が設けられていない室のフロート130bの比重に較べて大きい値に設定されている。したがって、液体燃料の液面の上昇につれてフロート130bが最初に上昇しての流路120bを塞ぐことになる。この後、リリーフ弁121はすぐに開放されないので、燃料タンク1内の圧力が高まり、リリーフ弁121の設定圧を越えると始めて開放するようになる。さらに、液面が高くなって流路120aを塞ぐと蒸発燃料通路は完全に塞がれることになる。
【0065】
このように、変形例のフロート弁117においても第5参考例のフロート弁107と同様の効果を挙げることができる。
【0066】
[第7参考例]
つぎに、第7参考例の蒸発燃料処理装置のフロート弁について説明する。図10は第7参考例のフロート弁の構造を示す概略断面図である。本参考例のフロート弁137は底部に設けられた付勢手段であるスプリング141の特性に特徴を有する。すなわち、本参考例に用いられるスプリング141は伸びに応じて弾性係数が連続的に変化する非線形特性を有しており、液面が低いときには比較的大きな弾性係数を有するが(図10の(A))、液面が高くなってフロート140が上昇してスプリング141が伸びてくると小さな弾性係数となる(図10の(B))。これにより、フロート140の上昇を途中から遅らせることができ、パイプ部139aの流路面積の減少に変化を持たせることができる。
【0067】
このように液面の高さに応じて、フロート140の底部から受ける付勢力を変更する手段としては上記のように単一の非線形スプリングを用いる代わりに弾性係数の異なるスプリングを151a、151bを2段に積み重ねてもよい。フロート140は一方のスプリングが完全に伸びきると弾性係数に応じた付勢力で上昇する。
【0068】
このように、スプリングを弾性係数を変更するだけの簡単な構成でも、前記第1実施例と同様の効果を挙げることができる。
【0069】
【発明の効果】
以上示したように、本発明の請求項1に係る蒸発燃料処理装置によれば、前記燃料タンク内の燃料が満タンに近付くにつれて上昇するフロートの頭部によってシート面で前記蒸発燃料通路が絞られるのに先だって、本体ケースの筒部の内面と前記フロートの側面との間に形成される燃料流路が徐々に絞られるので、簡単な構造で、急激に蒸発燃料通路が閉じられることはなく、蒸発燃料通路のより一層の緩やかな遮断を実現できる。したがって、満タン時に燃料タンク内の圧力が急激に上昇することを防止でき、給油管内の液体燃料が急激に上昇して給油ガンがオートストップが作動する前に給油口から燃料が吹き返すのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の蒸発燃料処理装置を概略的に示す構成図である。
【図2】フロート弁17の構造を示す概略断面図である。
【図3】第2実施例の蒸発燃料処理装置のフロート弁の構造を示す概略断面図である。
【図4】第2実施例のフロート弁の変形例を示す概略断面図である。
【図5】第3参考例のフロート弁の構造を示す概略断面図である。
【図6】第4参考例のフロート弁の構造を示す概略断面図である。
【図7】第5参考例のフロート弁の構造を示す概略断面図である。
【図8】第6参考例のフロート弁の構造を示す概略断面図である。
【図9】変形例のリリーフ弁を用いたフロート弁の構造を示す概略断面図である。
【図10】第7参考例のフロート弁の構造を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 … 燃料タンク
2 … 燃料供給管
12 … 蒸発燃料通路
14 … 電磁弁
15 … 2方向弁
16 … キャニスタ
17、18 … フロート弁
19 … 本体ケース
20 … フロート
100 … 給油ガン
Claims (1)
- 燃料タンクと、
該燃料タンク内で発生した蒸発燃料を吸着するキャニスタと、
該キャニスタと前記燃料タンクとを連通する蒸発燃料通路と、
該蒸発燃料通路の前記燃料タンクへの開口部に設けられた遮断弁と、
前記蒸発燃料通路に設けられ、給油時に前記蒸発燃料通路を開放する開閉弁とを有する蒸発燃料処理装置において、
前記遮断弁は、筒部を有するケース本体と、前記ケース本体内に収容され、頭部を有するフロートとからなるフロート弁であり、
前記ケース本体の前記蒸発燃料通路への開口部周縁に形成され、前記フロートの頭部が着座するシート面をテーパ面に形成し、
前記シート面に続く前記筒部の内面を前記シート面より挟み角の小さいテーパ面に形成し、
前記フロートの頭部に続く側面を、前記筒部の内面と略同一の挟み角を持つテーパ面に形成するとともに、前記頭部が前記シート面に着座した状態で前記筒部の内面との隙間がほぼ無くなるように形成し、
前記燃料タンク内の燃料が満タンに近付くにつれて上昇する前記フロートの頭部によって前記シート面で前記蒸発燃料通路が絞られるのに先だって、前記筒部の内面と前記フロートの側面との間に形成される燃料流路が徐々に絞られることを特徴とする蒸発燃料処理装置。
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