JP3629688B2 - 車両のインスツルメントパネル構造 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、車両のインスツルメントパネル構造に関し、特に上部に空調ダクトを構成するインスツルメントパネル構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
車室の前方には、乗員に対置して車幅方向に延びるインスツルメントパネルが配置される。この車両の前部を画成するインスツルメントパネルの背面側すなわち車両前方には空調システムが配置され、空調ダクトが設けられる。また表面には、空気吹き出し口、計器の表示部などが設けられる。また、助手席の前方には、グローブボックス等の収納スペースが形成される。
このようなインスツルメントパネル構造において、車室前部のインスツルメントパネルアパー背面側空間におけるレイアウトおよびインスツルメントパネルの表面に於けるレイアウトは車種によって異なる。したがって、インスツルメントパネルはそれぞれの車種に対応して製造される。
また従来のインスツルメントパネル構造は、実開平3−94313号公報に開示されるように、一体成形のインスツルメントパネルが多い。
【0003】
【解決しようとする課題】
しかし、上記公報に開示されるようにインスツルメントパネルを一体物で構成すると、空調ダクト等をインスツルメントパネルによって構成する場合において加工面の制約から自由度が制限される。
また、インスツルメントパネル上のレイアウトは車種によってそのレイアウトが異なるため、インスツルメントパネルを車種毎に用意しなければならず、部品の共通化の阻害要因となっていた。
本発明はこのような事情に鑑みて構成されたもので、インスツルメントパネル内に配備される装置のレイアウトの自由度を確保するとともに、収納スペースの容量を大きくできる車両のインスツルメントパネル構造を提供することを目的とする。
さらに本発明は、部品の共通化を促進することができるインスツルメントパネル構造を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の目的を達成するため以下のように構成される。
本発明に係る車両のインスツルメントパネル構造は、車幅方向に延びる平面部を上部に有し前記インスツルメントパネル構造の下部を構成するインスツルメントパネルロワーと、
該インスツルメントパネルロワーの上方に前記平面部に対向して延びる平面部を有して車幅方向に延びるインスツルメントパネルアパーとを備え、
該インスツルメントパネルアパーは空調システムの空調ダクトを構成し、前記インスツルメントパネルアパーの乗員との対向面には、車幅方向に延びる空調システムから空気の吹き出し口を形成するとともに、前記インスツルメントパネルアパーの平面部と、インスツルメントパネルロワーの平面部との間に画成される空間部に収納スペースを確保していることを特徴とする。
好ましい態様では、前記収納スペースの車室側端部を覆うフタ部材が設けられる。
さらに、前記収納スペース内に冷風を吹き出す吹き出し口を形成して該収納スペースをクールボックスとして活用するともできる。また、前記インスツルメントパネルアパーの上面に出没自在の空調システムからの空気の吹き出し口を設けるようにしてもよい。
【0005】
【作用】
本発明によれば、インスツルメントパネルを上下2分割として上部パネルすなわちインスツルメントパネルアパーによって空調ダクト、該空調ダクトからの空気吹き出し口を構成する。または運転席の前には、計器表示部を設ける。
このようにインスツルメントパネルアパーに空調ダクト設けるに当たり、インスツルメントパネルロワーとは別体であるので、加工が用意であり、ダクトの構成の自由度が向上する。
また、インスツルメントパネルロワーはインスツルメントパネル構造の下部を構成し、車種によってはフロアシフトのシフトレバーを有する場合には、これに対応して中央部が下方かつ後方に延びるように成形する。また、コラムシフトのシフトレバーを有する車種の場合には、インスツルメントパネルロワーの下部をこのような後方延設部を設けないタイプとする。そして、変更の必要のないインスツルメントパネルアパーは共通に使用するように構成できる。
【0006】
【実施例】
以下、添付の図面に基づいて本発明の実施例を説明する。
図1を参照すると本発明の1実施例に係る車両のインスツルメントパネル構造の斜視図が示されている。
本例のインスツルメントパネル構造1は、車室の前部壁を構成するように車幅方向に延びている。本例のインスツルメントパネル構造1は上部を構成するインスツルメントパネルアパー2と下部を構成するインスツルメントパネルロワー3とからなる。インスツルメントパネルアパー2は、ほぼ水平にかつ車幅方向に延びる水平部4を備えている。水平部4の右側には、この水平部4から下方に延びる速度、水温、回転数等の計器の表示部5を備えている。また、両端部には該水平部4の車室側端部から下方に延びてインスツルメントパネルロワー3の上端面付近に達する垂直面部6が設けられる。この垂直面部6には、車室7に向けてすわなち後方に向けて空調ダクトからの空気を噴出するサイドベント8がそれぞれが設けられる。上記表示部5は、ほぼ矩形形状を成し車室側に突出する縁部9を有しており、この縁の先端はインスツルメントパネルロワー3の車室側端部よりも僅かに突出する位置まで延びている。表示部5は、この縁部9によって囲まれる凹部において、ほぼ垂直面を成す表示パネルを有している。
【0007】
図2に示すように、そして、表示部5の左側縁部9と、インスツルメントパネルアパー2の左側端部に設けられる垂直面部6との間の部分は、水平部から僅かに下方に延びた位置ですぐに湾曲して上記水平部4とほぼ平行に後方に延びる傾斜面10が形成されている。したがって、左側垂直面部6と、表示部5の左側縁部9との間は車室側端面が細い帯状の突出部11を構成して車幅方向に延びている。すなわち、前方に向かって左側垂直面部6と表示部5との間は門型になって前方に向かって凹部が形成される。上記帯状の突出部11には一対のセンターベント12が設けられており、中央部から車室側にむけて空調ダクトからの空気を吹き出すようになっている。すなわちこの帯状の突出部11は左側垂直面部6から車幅方向に中心部を越えて計器表示部5の左側縁部9まで達している。
そして、インスツルメントパネルアパー2のこの部分は上記傾斜面10が前方すなわちエンジンルーム側でかつやや下方に延び、その後垂直に延びる垂直部14に連続する。この垂直部14は下方に延びてほぼ上記左右の垂直面部6の下端の位置および表示部5の下端の位置まで達している。インスツルメントパネルロワー3の上面には図2に示すように水平部15が形成されており、この水平部15の前端、すなわちエンジンルーム側は、インスツルメントパネルアパー2の上記垂直部14の折り曲げられた下端と結合されている。またこの部分の左右は表示部5の縁部9の下端および垂直面部6の下端に当接している。
【0008】
この結果、インスツルメントパネルアパー2とインスツルメントパネルロワー3とによって上記突出部11の下方に、インスツルメントパネルロワー3の上面部との間に車幅方向に延びる空間部16が形成される。
そして、インスツルメントパネルロワー3の上記インスツルメントパネルアパー2の表示部5の下方の位置には、ステアリング装置のステアリングコラム(図示せず)支持する支持部17が形成されている。また、中央部の下方には、音響機器のための操作部18が形成されている。
インスツルメントパネルロワー3の左側の部分は水平部15から車室側に延びる付近で上方に突出する突出部19が形成されこの突出部19はインスツルメントパネルアパー2の突出部11よりも僅かに車室側に突出している。そして、インスツルメントパネルロワー3はその後下方かつ前方に延びる傾斜面20を有する。そしてその途中には、小物を収容するためのグローブボックスが形成され、グローブボックスのフタ201はインスツルメントパネルロワー3の面と同じ外形を構成するように取りつけられる。
図2に示すようにインスツルメントパネルアパー2の水平部4の前端部と垂直部14の下端部ははパネル部材21によって接続され、インスツルメントパネルアパー2とこのパネル部材21によって閉断面パネル構造が構成されてこの内部空間は空調ダクト25を構成する。
【0009】
そして、垂直部14には、空調システムからの空気を上記空間部16に吹き出す吹き出し口22が設けられこれを開閉するダンパ23が垂直部14の背面側に取りつけられる。また、傾斜面10にも同様の空調システムからの空気のための吹き出し口24が設けられる。さらに傾斜面10の裏面側には、傾斜面10に沿う一定の閉空間26を形成するようにパネル部材27が取りつけられており、この閉空間26にはすだれ状のブラインド28は収納されるようになっている。このブラインド28は、展開状態においてはインスツルメントパネルロワー3の突出部19の上端平面19aに係合して上記空間部16を閉じるフタとして機能する。そして、パネル部材27の裏面側にも空調システムからの空気のための吹き出し口29が設けられるとともに、この吹き出し口29を開閉するダンパ30が設けられる。
したがって、図3に示すようにブラインド28が上記パネル部材27と傾斜面20の裏面側との間の空間に収納された状態で上記ダンパ30が開くと上記空調ダクト25からの空気は空間部16の車室側開口を通って矢印のように車室7内に導入される。
【0010】
また、ブラインド28が閉まっている状態で垂直部14のダンパ23が開くと空間部16内に空気が充満する。したがって、冷風を送りこむようにして使用することによってこの空間部16をクールボックスとして活用することができる。図4ないし図8を参照すると、円筒形状のベンチレーション装置31が示されている。このベンチレーション装置31は、二重構造になっており、外筒32とこれに支持され、外筒32の上面に設けられた開口から上方に一部が突出するように入れ子状に外筒に収容される内筒33から構成されている。内筒は外筒に対して相対回転ができるようになっており、内筒33の頂部は閉塞しており、頂部よりやや下がった位置において肩部34が形成されており、外筒32の上端面の平面部35に係合している。外筒32の下端部は、外方に延びるフランジ部を備えておりこのフランジ部321によってインスツルメントパネルロワー3の水平部の下面側に取り付けられたブラケット301によって固定されている。
またこのベンチレーション装置31は、典型的にはインスツルメントパネルアパー2の水平部4上に設置され、空調ダクト25からの空気が下方から導入されるようになっている。
【0011】
外筒32は車室側に複数の細長い開口36すなわち吹き出し口を有しておりその内部にはそれぞれの開口に対応してフィン37が取りつけられる。このフィン37は外筒33の内面と相補形状の曲率を有しており、その中央部の突出部38を有している。この突出部38はそれぞれ外筒32の内側に設けられた係合部39に係合している。またフィン37は内端部において上下方向に延びるコネクター40によって回動自在に結合されている。この最上部のフィン37は両側端部から後方に延びる一対の延長部371が設けられこの延長部には、これに対して垂直方向すなわち半径方向外方に延びるピン41が取りつけられている。このピン41は内筒に設けられた長穴42に係合している。この長穴42は斜め方向に延びている。このため、内筒33を外筒32に対して回転させると、ピン41の長穴42における係合位置が上下に変化し、これにによってフィン37がその突出部38と係合部39との係合点を支点として上下に回動するこれによって吹き出し口からの空気の向きを変えることができる。
このように構成することにより、外筒32の状態を全く変化させることなく吹き出し方向を変化させることができるので、見栄えがよい。
【0012】
またこのベンチレーション装置31は使用しない場合には下方に押し込んで空間部16に格納することができるようにしてもよい。
図9および図10を参照すると、インスツルメントパネルアパー2を共通に使用しつつ、インスツルメントパネルロワー3は車種に応じて、変更した例が示されている。図9に示す場合はフロアシフトのシフトレバー43を有する車種に対応するものである。
この場合には、インスツルメントパネルロワー3は中央部が下方かつ後方に延びる延設部44を備えている。
一方図10に示す例は、コラムシフトのシフトレバーを有する車種に対応するものである。
この場合には、インスツルメントパネルロワー3の下部には、上記のような後方延設部は設けられていない。
【0013】
【発明の効果】
上記のように本発明によれば、インスツルメントパネルアパーを空気ダクトとして構成するので、ダクトの構成にあたって自由度を向上させることができるとともに、収納スペースの確保が容易となり、その容量を増大することができる。また、上記のようにインスツルメントパネルアパーを共通にして適宜車種の応じてインスツルメントパネルロワーの構造だけ変更することによって対応することができるので、部品の共通化を促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例に係るインスツルメントパネル構造の斜視図、
【図2】図1のインスツルメントパネル構造の断面図、
【図3】図1のインスツルメントパネル構造の断面図、
【図4】ベンチレーション装置の斜視図、
【図5】ベンチレーション装置の外筒の斜視図、
【図6】ベンチレーション装置の内筒およびフィンの斜視図、
【図7】ベンチレーション装置の断面図、
【図8】ベンチレーション装置の内部を示す平面図、
【図9】インスツルメントパネルロワーの例を示す斜視図、
【図10】インスツルメントパネルロワーの他の例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 インスツルメントパネル構造、2 インスツルメントパネルアパー、
3 インスツルメントパネルロワー、4 水平部、5 表示部、
6 垂直面部、7 車室、20 傾斜面、24 パネル部材、
25 空調ダクト、 26 吹き出し口、
31 ベンチレーション装置、32 外筒、33 内筒。
【産業上の利用分野】
本発明は、車両のインスツルメントパネル構造に関し、特に上部に空調ダクトを構成するインスツルメントパネル構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
車室の前方には、乗員に対置して車幅方向に延びるインスツルメントパネルが配置される。この車両の前部を画成するインスツルメントパネルの背面側すなわち車両前方には空調システムが配置され、空調ダクトが設けられる。また表面には、空気吹き出し口、計器の表示部などが設けられる。また、助手席の前方には、グローブボックス等の収納スペースが形成される。
このようなインスツルメントパネル構造において、車室前部のインスツルメントパネルアパー背面側空間におけるレイアウトおよびインスツルメントパネルの表面に於けるレイアウトは車種によって異なる。したがって、インスツルメントパネルはそれぞれの車種に対応して製造される。
また従来のインスツルメントパネル構造は、実開平3−94313号公報に開示されるように、一体成形のインスツルメントパネルが多い。
【0003】
【解決しようとする課題】
しかし、上記公報に開示されるようにインスツルメントパネルを一体物で構成すると、空調ダクト等をインスツルメントパネルによって構成する場合において加工面の制約から自由度が制限される。
また、インスツルメントパネル上のレイアウトは車種によってそのレイアウトが異なるため、インスツルメントパネルを車種毎に用意しなければならず、部品の共通化の阻害要因となっていた。
本発明はこのような事情に鑑みて構成されたもので、インスツルメントパネル内に配備される装置のレイアウトの自由度を確保するとともに、収納スペースの容量を大きくできる車両のインスツルメントパネル構造を提供することを目的とする。
さらに本発明は、部品の共通化を促進することができるインスツルメントパネル構造を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の目的を達成するため以下のように構成される。
本発明に係る車両のインスツルメントパネル構造は、車幅方向に延びる平面部を上部に有し前記インスツルメントパネル構造の下部を構成するインスツルメントパネルロワーと、
該インスツルメントパネルロワーの上方に前記平面部に対向して延びる平面部を有して車幅方向に延びるインスツルメントパネルアパーとを備え、
該インスツルメントパネルアパーは空調システムの空調ダクトを構成し、前記インスツルメントパネルアパーの乗員との対向面には、車幅方向に延びる空調システムから空気の吹き出し口を形成するとともに、前記インスツルメントパネルアパーの平面部と、インスツルメントパネルロワーの平面部との間に画成される空間部に収納スペースを確保していることを特徴とする。
好ましい態様では、前記収納スペースの車室側端部を覆うフタ部材が設けられる。
さらに、前記収納スペース内に冷風を吹き出す吹き出し口を形成して該収納スペースをクールボックスとして活用するともできる。また、前記インスツルメントパネルアパーの上面に出没自在の空調システムからの空気の吹き出し口を設けるようにしてもよい。
【0005】
【作用】
本発明によれば、インスツルメントパネルを上下2分割として上部パネルすなわちインスツルメントパネルアパーによって空調ダクト、該空調ダクトからの空気吹き出し口を構成する。または運転席の前には、計器表示部を設ける。
このようにインスツルメントパネルアパーに空調ダクト設けるに当たり、インスツルメントパネルロワーとは別体であるので、加工が用意であり、ダクトの構成の自由度が向上する。
また、インスツルメントパネルロワーはインスツルメントパネル構造の下部を構成し、車種によってはフロアシフトのシフトレバーを有する場合には、これに対応して中央部が下方かつ後方に延びるように成形する。また、コラムシフトのシフトレバーを有する車種の場合には、インスツルメントパネルロワーの下部をこのような後方延設部を設けないタイプとする。そして、変更の必要のないインスツルメントパネルアパーは共通に使用するように構成できる。
【0006】
【実施例】
以下、添付の図面に基づいて本発明の実施例を説明する。
図1を参照すると本発明の1実施例に係る車両のインスツルメントパネル構造の斜視図が示されている。
本例のインスツルメントパネル構造1は、車室の前部壁を構成するように車幅方向に延びている。本例のインスツルメントパネル構造1は上部を構成するインスツルメントパネルアパー2と下部を構成するインスツルメントパネルロワー3とからなる。インスツルメントパネルアパー2は、ほぼ水平にかつ車幅方向に延びる水平部4を備えている。水平部4の右側には、この水平部4から下方に延びる速度、水温、回転数等の計器の表示部5を備えている。また、両端部には該水平部4の車室側端部から下方に延びてインスツルメントパネルロワー3の上端面付近に達する垂直面部6が設けられる。この垂直面部6には、車室7に向けてすわなち後方に向けて空調ダクトからの空気を噴出するサイドベント8がそれぞれが設けられる。上記表示部5は、ほぼ矩形形状を成し車室側に突出する縁部9を有しており、この縁の先端はインスツルメントパネルロワー3の車室側端部よりも僅かに突出する位置まで延びている。表示部5は、この縁部9によって囲まれる凹部において、ほぼ垂直面を成す表示パネルを有している。
【0007】
図2に示すように、そして、表示部5の左側縁部9と、インスツルメントパネルアパー2の左側端部に設けられる垂直面部6との間の部分は、水平部から僅かに下方に延びた位置ですぐに湾曲して上記水平部4とほぼ平行に後方に延びる傾斜面10が形成されている。したがって、左側垂直面部6と、表示部5の左側縁部9との間は車室側端面が細い帯状の突出部11を構成して車幅方向に延びている。すなわち、前方に向かって左側垂直面部6と表示部5との間は門型になって前方に向かって凹部が形成される。上記帯状の突出部11には一対のセンターベント12が設けられており、中央部から車室側にむけて空調ダクトからの空気を吹き出すようになっている。すなわちこの帯状の突出部11は左側垂直面部6から車幅方向に中心部を越えて計器表示部5の左側縁部9まで達している。
そして、インスツルメントパネルアパー2のこの部分は上記傾斜面10が前方すなわちエンジンルーム側でかつやや下方に延び、その後垂直に延びる垂直部14に連続する。この垂直部14は下方に延びてほぼ上記左右の垂直面部6の下端の位置および表示部5の下端の位置まで達している。インスツルメントパネルロワー3の上面には図2に示すように水平部15が形成されており、この水平部15の前端、すなわちエンジンルーム側は、インスツルメントパネルアパー2の上記垂直部14の折り曲げられた下端と結合されている。またこの部分の左右は表示部5の縁部9の下端および垂直面部6の下端に当接している。
【0008】
この結果、インスツルメントパネルアパー2とインスツルメントパネルロワー3とによって上記突出部11の下方に、インスツルメントパネルロワー3の上面部との間に車幅方向に延びる空間部16が形成される。
そして、インスツルメントパネルロワー3の上記インスツルメントパネルアパー2の表示部5の下方の位置には、ステアリング装置のステアリングコラム(図示せず)支持する支持部17が形成されている。また、中央部の下方には、音響機器のための操作部18が形成されている。
インスツルメントパネルロワー3の左側の部分は水平部15から車室側に延びる付近で上方に突出する突出部19が形成されこの突出部19はインスツルメントパネルアパー2の突出部11よりも僅かに車室側に突出している。そして、インスツルメントパネルロワー3はその後下方かつ前方に延びる傾斜面20を有する。そしてその途中には、小物を収容するためのグローブボックスが形成され、グローブボックスのフタ201はインスツルメントパネルロワー3の面と同じ外形を構成するように取りつけられる。
図2に示すようにインスツルメントパネルアパー2の水平部4の前端部と垂直部14の下端部ははパネル部材21によって接続され、インスツルメントパネルアパー2とこのパネル部材21によって閉断面パネル構造が構成されてこの内部空間は空調ダクト25を構成する。
【0009】
そして、垂直部14には、空調システムからの空気を上記空間部16に吹き出す吹き出し口22が設けられこれを開閉するダンパ23が垂直部14の背面側に取りつけられる。また、傾斜面10にも同様の空調システムからの空気のための吹き出し口24が設けられる。さらに傾斜面10の裏面側には、傾斜面10に沿う一定の閉空間26を形成するようにパネル部材27が取りつけられており、この閉空間26にはすだれ状のブラインド28は収納されるようになっている。このブラインド28は、展開状態においてはインスツルメントパネルロワー3の突出部19の上端平面19aに係合して上記空間部16を閉じるフタとして機能する。そして、パネル部材27の裏面側にも空調システムからの空気のための吹き出し口29が設けられるとともに、この吹き出し口29を開閉するダンパ30が設けられる。
したがって、図3に示すようにブラインド28が上記パネル部材27と傾斜面20の裏面側との間の空間に収納された状態で上記ダンパ30が開くと上記空調ダクト25からの空気は空間部16の車室側開口を通って矢印のように車室7内に導入される。
【0010】
また、ブラインド28が閉まっている状態で垂直部14のダンパ23が開くと空間部16内に空気が充満する。したがって、冷風を送りこむようにして使用することによってこの空間部16をクールボックスとして活用することができる。図4ないし図8を参照すると、円筒形状のベンチレーション装置31が示されている。このベンチレーション装置31は、二重構造になっており、外筒32とこれに支持され、外筒32の上面に設けられた開口から上方に一部が突出するように入れ子状に外筒に収容される内筒33から構成されている。内筒は外筒に対して相対回転ができるようになっており、内筒33の頂部は閉塞しており、頂部よりやや下がった位置において肩部34が形成されており、外筒32の上端面の平面部35に係合している。外筒32の下端部は、外方に延びるフランジ部を備えておりこのフランジ部321によってインスツルメントパネルロワー3の水平部の下面側に取り付けられたブラケット301によって固定されている。
またこのベンチレーション装置31は、典型的にはインスツルメントパネルアパー2の水平部4上に設置され、空調ダクト25からの空気が下方から導入されるようになっている。
【0011】
外筒32は車室側に複数の細長い開口36すなわち吹き出し口を有しておりその内部にはそれぞれの開口に対応してフィン37が取りつけられる。このフィン37は外筒33の内面と相補形状の曲率を有しており、その中央部の突出部38を有している。この突出部38はそれぞれ外筒32の内側に設けられた係合部39に係合している。またフィン37は内端部において上下方向に延びるコネクター40によって回動自在に結合されている。この最上部のフィン37は両側端部から後方に延びる一対の延長部371が設けられこの延長部には、これに対して垂直方向すなわち半径方向外方に延びるピン41が取りつけられている。このピン41は内筒に設けられた長穴42に係合している。この長穴42は斜め方向に延びている。このため、内筒33を外筒32に対して回転させると、ピン41の長穴42における係合位置が上下に変化し、これにによってフィン37がその突出部38と係合部39との係合点を支点として上下に回動するこれによって吹き出し口からの空気の向きを変えることができる。
このように構成することにより、外筒32の状態を全く変化させることなく吹き出し方向を変化させることができるので、見栄えがよい。
【0012】
またこのベンチレーション装置31は使用しない場合には下方に押し込んで空間部16に格納することができるようにしてもよい。
図9および図10を参照すると、インスツルメントパネルアパー2を共通に使用しつつ、インスツルメントパネルロワー3は車種に応じて、変更した例が示されている。図9に示す場合はフロアシフトのシフトレバー43を有する車種に対応するものである。
この場合には、インスツルメントパネルロワー3は中央部が下方かつ後方に延びる延設部44を備えている。
一方図10に示す例は、コラムシフトのシフトレバーを有する車種に対応するものである。
この場合には、インスツルメントパネルロワー3の下部には、上記のような後方延設部は設けられていない。
【0013】
【発明の効果】
上記のように本発明によれば、インスツルメントパネルアパーを空気ダクトとして構成するので、ダクトの構成にあたって自由度を向上させることができるとともに、収納スペースの確保が容易となり、その容量を増大することができる。また、上記のようにインスツルメントパネルアパーを共通にして適宜車種の応じてインスツルメントパネルロワーの構造だけ変更することによって対応することができるので、部品の共通化を促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例に係るインスツルメントパネル構造の斜視図、
【図2】図1のインスツルメントパネル構造の断面図、
【図3】図1のインスツルメントパネル構造の断面図、
【図4】ベンチレーション装置の斜視図、
【図5】ベンチレーション装置の外筒の斜視図、
【図6】ベンチレーション装置の内筒およびフィンの斜視図、
【図7】ベンチレーション装置の断面図、
【図8】ベンチレーション装置の内部を示す平面図、
【図9】インスツルメントパネルロワーの例を示す斜視図、
【図10】インスツルメントパネルロワーの他の例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 インスツルメントパネル構造、2 インスツルメントパネルアパー、
3 インスツルメントパネルロワー、4 水平部、5 表示部、
6 垂直面部、7 車室、20 傾斜面、24 パネル部材、
25 空調ダクト、 26 吹き出し口、
31 ベンチレーション装置、32 外筒、33 内筒。
Claims (4)
- 車室空間の前部を画成する壁部を構成するインスツルメントパネル構造であって、
車幅方向に延びる平面部を上部に有し前記インスツルメントパネル構造の下部を構成するインスツルメントパネルロワーと
該インスツルメントパネルロワーの上方に前記平面部に対向して延びる平面部を有して車幅方向に延びるインスツルメントパネルアパーとを備え、
該インスツルメントパネルアパーは空調システムの空調ダクトを構成し、前記インスツルメントパネルアパーの乗員との対向面には、車幅方向に延びる空調システムから空気の吹き出し口を形成するとともに、前記インスツルメントパネルアパーの平面部と、インスツルメントパネルロワーの平面部との間に画成される空間部に収納スペースを確保していることを特徴とする車両のインスツルメントパネル構造。 - 請求項1において、前記収納スペースの車室側端部を覆うフタ部材を設けたことを特徴とする車両のインスツルメントパネル構造。
- 請求項1又は請求項2において、前記収納スペース内に冷風を吹き出す吹き出し口を形成して該収納スペースをクールボックスとして活用することを特徴とする車両のインスツルメントパネル構造。
- 請求項1において、前記インスツルメントパネルアパーの上面に出没自在の空調システムからの空気の吹き出し口を設けたことを特徴とする車両のインスツルメントパネル構造。
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JP33730393A JP3629688B2 (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | 車両のインスツルメントパネル構造 |
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