JP3629616B2 - 軟質床暖房マット - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、使用時の加熱による基材シートの熱膨張を低減して、マット端縁部側の浮き上がる不具合を解消できるように改良した軟質床暖房マットに関する。
【0002】
【従来の技術】
温水等の加熱流体を熱媒体として用いる可撓性の軟質床暖房マットは、マットの断熱層となる熱可塑性樹脂発泡体製の基材シート上に配管溝を設け、この配管溝に熱媒体を流通させる導管を敷設し、その表面側に被覆材が被着されている構造のものが一般に知られており、基材シートの素材には発泡倍率が10〜40倍の架橋ポリエチレン発泡体が用いられている(実開昭63−55008号公報を参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
可撓性が要求される軟質床暖房マットは肉厚を薄く形成する必要があり、マット表面の被覆材には織布、不織布またはアルミニウムや銅等の金属箔が用いられている。そして、導管に加熱流体を通した使用時では、導管と基材シートは加熱されて膨張し、一方、被覆材はそれに応じた伸びを示さないことから、この熱膨張により発生する応力は基材シートの強度が最も弱くなる部分、即ち、複数本の導管が集まってて湾曲し合っている部分に集中し、これが原因でマットは縁端部側に浮き上がり現象を起す。
【0004】
したがって、マットの上にカーペットを敷いて使用した場合、上記の浮き上がり現象によりカーペットも浮き上がってしまい、安定性に欠けることは勿論、不体裁になって、違和感を抱かせることになる。また、床仕上げ材の下に敷き込んで使用した場合も、その床仕上げ材の変形が懸念される。そして、浮き上がり部分や変形部分によってつまずき易く、怪我をするといった危険性もあって、その防止対策が検討されていた。
【0005】
因みに、被覆材がアルミニウム箔の場合には、その被覆材は導管と基材シートが熱膨張してもほとんど伸びないので、マットは大きく反り返ってしまい、また、被覆材が不織布の場合でも、アルミニウム箔ほどではないが部分的に浮き上がる。
【0006】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであって、その目的は基材シートに特定の素材を用いることで、足感触性やマット巻込み作業性等のマット使用上の効果を有し、併せて、加熱時における基材シートの伸び量をできるだけ小さくしてマット縁端部側の浮き上がりを防止した軟質床暖房マットを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の特徴とする軟質床暖房マットは、断熱層である熱可塑性樹脂発泡体製の基材シート上に配管溝を設け、この配管溝に熱媒体を流通させる導管を敷設し、その表面側に被覆材が被着されている軟質床暖房マットにおいて、基材シートはα−オレフィン含有量が1〜30重量%のプロピレン−α−オレフィン共重合体系樹脂からなる発泡倍率10〜60倍の発泡体により形成されているものである。そして、上記α−オレフィンはエチレン或いはブテン−1であることが、また、α−オレフィン含有量が2〜15重量%であることが後記する理由により好ましい。
【0008】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を図面を参照しながら説明する。図1において、断熱層である基材シート1はα−オレフィン含有量が1〜30重量%のプロピレン−α−オレフィン共重合体系樹脂からなる発泡倍率10〜60倍の発泡体により形成されている。このプロピレン−α−オレフィン共重合体系樹脂のα−オレフィンとしては、例えばエチレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1等が挙げられるが、これらの中でもエチレンとブテン−1がシートの柔軟性と耐熱性のバランスの面から好ましく、特にブテン−1が耐圧縮性及び耐荷重性の面から更に好ましい。
【0009】
そして、α−オレフィンの含有量が30重量%を超えては基材シートが柔らかすぎてマット縁端部側の浮き上がりを抑えることができず、一方、1重量%未満では剛性が大き過ぎてマットの巻き込みができなくなる。α−オレフィンの含有量は、好ましくは2〜15重量%である。また、発泡倍率が60倍を超えてはマット基材シートが柔らかすぎて縁端部側の浮き上がりを抑えることができず、一方、10倍未満では剛性が大き過ぎてマットの巻き込みができなくなる。発泡倍率は、好ましくは20〜50倍である。
【0010】
上記基材シート1の表面側には2〜5本の配管溝2を互いに平行させた状態で蛇行状に設けてあり。図示の場合は配管溝2を3本設けた実施例であって、各々の配管溝2は両端部が基材シート1の縁端1aに臨んだ部分で集合し、この集合部分3にはヘッダー4が設けられている。各々の配管溝2には温水等の熱媒体を各別に流通させる導管5を敷設し、これら導管5の始端部と終端部をヘッダー4の導入口4aと戻し口部4bにそれぞれ接続する一方、基材シート1の表面側に被覆材6を被覆接着して軟質床暖房マットが構成される。
【0011】
なお、基材シート1の素材であるプロピレン−α−オレフィン共重合体系樹脂発泡体の製造方法としては、予備発泡粒子を型内に充填し、これをスチーム加熱して発泡させる、所謂、型内発泡法の外、押出し発泡法等であってもよく、架橋、未架橋を問わない。また、発泡体は、上記プロピレン−α−オレフィン共重合体系樹脂の本来の物性を損なわない範囲で低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−プロピレン共重合体ゴム等を配合したものを用いて製造してもよい。
【0012】
そして、基材シート1の厚さは3〜20mmであり、導管5は、例えば基材シート1の厚さが10mmの場合には、外径が8mm、内径が5mmである低密度ポリエチレンの架橋体を用いるのが好ましく、また、被覆材6としては熱可塑性樹脂フイルム及び、その発泡体、織布、不織布またはアルミニウムや銅等の金属箔が用いられる。
【0013】
本発明に係る軟質床暖房マット(ブテン−1含有量10重量%のプロピレン−ブテン−1共重合体樹脂発泡体製及びエチレン含有量3重量%のプロピレン−エチレン共重合体樹脂発泡体製の基材シートを用いて実施した)と、基材シートに発泡倍率が20倍の架橋ポリエチレン発泡体が用いられている従来の軟質床暖房マットにおける縁端部側の浮き上がり現象を実験した結果は後記の表に示す通りであって、本発明は足感触性やマット巻込み作業性等の点でも一段と優れていることは勿論、マットの浮き上がり現象を低く抑えることができることが確認された。
【0014】
本実験に用いられたマットの大きさは縦約2000mm、横約3000mmであって、その基材シートの厚さは10mm、導管は外径が8mm、内径が5mmの低密度ポリエチレン架橋体製、被覆材は厚さが50μのアルミニウム箔製であり、また、加熱媒体の温度は60℃である。なお、後記の表における各評価の基準について説明する。
【0015】
マットの縁端部側の浮き上がりについては、厚さ約5.5mmのタフテッドカーペットを軟質床暖房マットの上に敷設して、通湯3時間後の浮き上がり量を測定し、以下の基準で評価した。○は0〜5.0mm、△は5.1〜10.0mm、×は10.1mm以上である。
【0016】
配管溝からの導管の離脱については、基材シート上における湾曲配管部の導管が配管溝壁を押し潰し、配管溝から離脱している状況を通湯3時間後に調べ、以下の基準で評価した。○は全く異常なし、△は配管溝壁の若干の変形は認められるが、導管が配管溝から離脱していない、×は導管が配管溝壁を押し潰して配管溝から離脱し、表面の被覆材を盛り上げている。
【0017】
マットの足感触性については、厚さ約5.5mmのタフテッドカーペット上から人が踏み込んだ時の足の沈み込みの感触を、通湯3時間後に以下の基準で評価した。○は沈み込むが弾力性を感じ、凹んだ部分の回復感を強く感じる、△は沈み込んだ時の弾力性をやや感じるが、凹んだ部分の回復感は○の場合ほどではない、×は沈む感覚を強く感じるが、凹んだ部分の回復感はない。
【0018】
マット巻込み作業性については、マットを横方向に丸めて35cm×35cm×200cm(長さ)の梱包用段ボール箱に収容する際に、約30cm径に巻込むときの作業性を以下の基準で評価した。○は容易に巻込み可能、△は強い力とかなりの時間を必要とするが巻込み可能、×は硬くて脆く巻込み不可能である。
【0019】
【表1】
【0020】
【発明の効果
本発明は上記の如くであって、α−オレフイン含有量が1〜30重量%のプロピレン−α−オレフイン共重合体系樹脂からなる発泡倍率10−60倍の発泡体により形成されている基材シートを用いて形成された本軟質床暖房マットは、加熱されても基材シートの伸び量は小さく、マット端縁部側の浮き上り現象を抑えることができる。したがって、マットにつまづいて怪我をするといった危険性から開放され、軟質床暖房マットを安全かつ快適に使用できるし、また、耐圧縮性や耐荷重性に優れていると共に、前掲の表に見られるようにマットの巻き込み作業性等マット使用上の効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示すもので、被覆材を部分的に引き剥がした略示的平面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【符号の説明】
1は基材シート
2は配管溝
5は導管
6は被覆材
Claims (4)
- 断熱層である熱可塑性樹脂発泡体製の基材シート上に配管溝を設け、この配管溝に熱媒体を流通させる導管を敷設し、その表面側に被覆材が被着されている軟質床暖房マットにおいて、上記基材シートはα−オレフィン含有量が1〜30重量%のプロピレン−α−オレフィン共重合体系樹脂からなる発泡倍率10〜60倍の発泡体により形成されていることを特徴とする軟質床暖房マット。
- α−オレフィンがエチレンであることを特徴とする請求項1記載の軟質床暖房マット。
- α−オレフィンがブテン−1であることを特徴とする請求項1記載の軟質床暖房マット。
- α−オレフィン含有量が2〜15重量%であることを特徴とする請求項1、2または3記載の軟質床暖房マット。
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JP20308594A JP3629616B2 (ja) | 1994-08-05 | 1994-08-05 | 軟質床暖房マット |
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JP20308594A JP3629616B2 (ja) | 1994-08-05 | 1994-08-05 | 軟質床暖房マット |
Publications (2)
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ID=16468120
Family Applications (1)
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JP20308594A Expired - Lifetime JP3629616B2 (ja) | 1994-08-05 | 1994-08-05 | 軟質床暖房マット |
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Families Citing this family (2)
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-
1994
- 1994-08-05 JP JP20308594A patent/JP3629616B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
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