JP3628979B2 - 表皮材付成形体の開口部形成方法 - Google Patents

表皮材付成形体の開口部形成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両用インストルメントパネル等のようにエア吹出口等の開口部を有する表皮材付成形体の開口部形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
表皮材付成形体の開口部形成方法として、例えば特開平7−171847号公報(以下、公報例1という)や特開平10−180781号公報(以下、公報例2という)に開示されている方法があり、いずれも自動車のドアトリムにおいてスピーカグリル等を装着する開口部を形成する例を挙げている。
【0003】
公報例1では、まず、表皮材がセットされた成形型に溶融樹脂を注入して表皮材と基材とが一体成形された成形体を成形する。この段階で、上記成形体の表皮材及び基材には共に開口部が形成されていない。次いで、上記成形体を成形型から脱型して別の打抜型にセットし、この打抜型に備えられているカット刃で表皮材及び基材を共に打ち抜いて成形体に開口部を形成している。
【0004】
公報例2では、まず、表皮材がセットされた成形型に溶融樹脂を注入して表皮材と基材とが一体成形された成形体を成形する。この段階で、上記成形体の基材には開口部が形成されているが、表皮材には開口部が形成されておらず、上記基材の開口部は表皮材で覆われている。次いで、上記成形体が型内にある状態で、上記成形型に備えられている切刃で表皮材を基材の開口部に沿って切断して成形体に開口部を形成している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、公報例1では、成形体を成形するための成形型とは別に、開口部を形成するための打抜型が必要なため、設備費用が高騰する。また、成形体を成形型から打抜型に移し替えなければならず、生産性が低下するという問題もある。
【0006】
公報例2では、成形型という1つの型で成形体の成形と開口部の形成とを行うため、成形体を型から型へと移し替える必要がなく、その分だけ公報例1に比べて生産性が向上するという利点を有する。しかし、成形体に開口部を形成するのに切刃を用いているため、長期に亘って使用すると刃が磨り減って新しい切刃と交換しなければならず、その管理が大変であるとともに交換費用が掛かる。この点では、カット刃を用いる公報例1も同様の問題を抱えている。また、一般に、成形体を切断する刃物には熱刃が用いられているため、設備が大掛かりになって設備費用が高騰するとともに、熱刃の熱影響で開口部周辺に熱歪みが生ずる等の悪影響を及ぼすという問題がある。
【0007】
さらに、公報例1,2の双方について言えることであるが、切断した開口部に相当する部分は完全に成形体から切り離されているため、成形体を脱型した後に型内に手を入れて除去しなければならず、危険であるとともに手間が掛かるという問題もある。
【0008】
この発明はかかる諸点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、設備費用をあまり掛けることなく簡単かつ迅速に、しかも高精度に開口部を成形体に形成することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、この発明は、成形型に刃物ではなく押切具を設け、表皮材に形成した薄肉部を上記押切具で押し切ることを特徴とする。
【0010】
具体的には、この発明は、少なくとも表皮材と基材とが一体成形された成形体に開口部を形成する表皮材付成形体の開口部形成方法を前提とし、次のような解決手段を講じた。
【0011】
すなわち、請求項1に記載の発明は、上記成形体の開口部の輪郭に沿って環状薄肉部が予め形成された押切予定部分を有する表皮材を第1成形型にセットするとともに、上記成形体の開口部に対応して開口部が予め形成された基材をその開口部が上記押切予定部分に対応するように第2成形型にセットして少なくとも表皮材と基材とが一体成形された成形体を成形し、次いで、上記第1成形型と第2成形型とが型閉じされて上記成形体が型内にある状態で、上記第1成形型側又は第2成形型側から押切具をその外縁が環状薄肉部の内方に位置するように表皮材の上記押切予定部分に押し当てるとともに、該押切予定部分を上記第2成形型側又は第1成形型側の当て板に当接させ、押切予定部分を押切具と当て板とで挟持しながら押切方向に移動させて上記薄肉部を押し切ることで成形体に開口部を形成することを特徴とする。
【0012】
上記の構成により、請求項1に記載の発明では、成形型という1つの型で成形体の成形と開口部の形成とが行われることから、成形体の成形と開口部の形成とを別々の型で行う場合に比べて設備費用が低減する。
【0013】
また、成形体を型から型へと移し替える必要がなく、その分だけ生産性が向上する。
【0014】
さらには、押切具を表皮材の押切予定部分に押し当ててその薄肉部に沿って押し切ることで開口部を形成するため、開口部が容易に形成され、しかも、交換の必要な刃物がいらず、管理が簡単で刃物の交換費用が掛からない。
【0015】
加えて、熱刃を用いる場合の大掛かりな設備がいらず、この点でも設備費用の低減に寄与できるとともに、熱刃の熱影響で開口部周辺に熱歪みが生ずる等の悪影響が回避され、開口部が精度良く形成される。
【0016】
さらにまた、押切り時、表皮材の押切予定部分が当て板に当接して当て板と押切具とで挟持された状態となっているため、表皮材に押切具の押上げ力が作用しても上記押切予定部分が上記押切具と当て板とで挟持されながら押切方向に移動するので、該押切予定部分は伸びない。したがって、上記押切予定部分が押切具の当接部分で破れることなく薄肉部に沿って確実にかつ綺麗に押し切られるため、表皮材の切り口周縁が変形せず、成形体の開口部周縁の見栄えが向上する。
【0017】
また、押切具の外縁が表皮材の押切予定部分に押し当てた状態で環状薄肉部の内方に位置するようになっているので、表皮材の押切予定部分の薄肉部に沿った押切り及び表皮材の変形防止が効果的に実現する。
【0018】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、押切具で押し切られた表皮材の押切予定部分は、薄肉部を介して基材と一体の表皮材と一部連結しており、成形体を脱型した後、上記一部連結の薄肉部を切断して上記押切予定部分を基材と一体の表皮材から分離することを特徴とする。
【0019】
上記の構成により、請求項2に記載の発明では、押切具で押し切られた表皮材の押切予定部分は、基材と一体の表皮材と薄肉部で一部繋がっているため、成形型から脱型した成形体と一緒に成形型から取り出される。よって、一々、型内に手を入れて上記押切予定部分を除去する手間が省けるとともに、安全に作業が行われる
【0020】
請求項に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、表皮材はパウダースラッシュ成形法により成形され、表皮材の押切予定部分の肉厚が表皮材の一般部分の肉厚より薄肉に形成されていることを特徴とする。
【0021】
上記の構成により、請求項に記載の発明では、押し切られた押切予定部分は製品とならない不要部分であるため、薄肉にすることにより材料費が節約される。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。
【0023】
は表皮材付成形体としての車両用インストルメントパネル1を示す。このインストルメントパネル1には、空調エアを車室内に吹き出すフロントデフロスターエア吹出口3、サイドベントエア吹出口5及びセンターエア吹出口7等の各種の開口部が形成されているが、ここでは、上記サイドベントエア吹出口5を例に挙げ、この発明の実施形態に係る開口部形成方法を説明することにする。なお、図11では、サイドベントエア吹出口5にだけグリル9が装着されているが、他のエア吹出口3,7にも同様にグリルが装着されるものである
【0024】
まず、図1に示すように、下型である第1成形型11のキャビティ11aに表皮材13をセットする。上記第1成形型11には、サイドベントエア吹出口5に対応して貫通孔11bが形成されている。上記表皮材13は、パウダースラッシュ成形法や真空成形法等により成形された樹脂製のものであり、この表皮材13には、インストルメントパネル1の開口部であるサイドベントエア吹出口5の輪郭に沿って環状薄肉部13aが矩形環状に予め形成されており、この薄肉部13aで囲まれる領域が押切予定部分13bである。上記のセット状態とは、この薄肉部13aを上記第1成形型11の貫通孔11bに対応させた状態である。なお、薄肉部13aは環状に連続したものに限らず、複数箇所で分断された間欠的な環状であってもよい。また、上記表皮材13をパウダースラッシュ成形法により成形する場合、表皮材13の押切予定部分13bの肉厚を表皮材13の一般部分13cの肉厚より薄肉に形成すれば、押切予定部分13bは押し切られて製品とならない不要部分であるため、材料費を節約することができる。その成形方法としては、表皮材13が単層構造である場合には、押切予定部分13bのパウダー樹脂原料の付着量をその他の一般部分13cよりも少なくする。表皮材13が2層構造である場合には、押切予定部分13bを裏面層で構成し、かつ裏面層は製品表面から見えないので安価なパウダー樹脂原料で構成するようにする。
【0025】
一方、上型である第2成形型15に基材17をセットする。上記第2成形型15にも、サイドベントエア吹出口5に対応して貫通孔15aが形成されており、この貫通孔15aは、上記第1成形型11の貫通孔11bに上下に連通して対応している。上記基材17は、インジェクション成形等により成形された樹脂製のものであり、この基材17には、インストルメントパネル1の開口部であるサイドベントエア吹出口5に対応して開口部17aが予め形成されているとともに、この開口部17a外周にはシール用の環状突起17bが形成されている。上記のセット状態とは、この開口部17aを上記第2成形型15の貫通孔15aに対応させた状態であり、これにより、基材17の開口部17aが表皮材13の押切予定部分13bに上下に対応している。
【0026】
次いで、上記第1成形型11と第2成形型15とを型閉じし、キャビティ11aに発泡樹脂原料を注入する。この際、上記基材17の環状突起17bが表皮材13の薄肉部13a外周に当接し、発泡樹脂原料が漏れ出ないようにキャビティ11aを密閉している。なお、第1成形型11と第2成形型15とを型開きした状態で、第1成形型11のキャビティ11aに発泡樹脂原料を注入した後に型閉じするやり方でもよい。
【0027】
この状態で、キャビティ11aに注入された発泡樹脂原料が発泡硬化することで、表皮材13と基材17とが発泡体層19で一体成形された表皮材付成形体としての3層構造のインストルメントパネル1が成形される。
【0028】
なお、上記第2成形型15の貫通孔15a内には矩形の当て板31が配置されている。この当て板31の背面中央にはロッド33が突設され、該ロッド33は上記貫通孔15aを跨る支持部材35の挿入孔35aに上下動自在に挿入されて上記当て板31を吊下げ支持している。また、上記ロッド33にはコイルスプリング37が外嵌めされ、このコイルスプリング37のバネ力により上記当て板31を下方に付勢している。
【0029】
その後、図2に示すように、上記第1成形型11と第2成形型15とが型閉じされて上記インストルメントパネル1が型内にある状態で、第1成形型11の貫通孔11b内に対応配置された2つの押切具21を流体圧シリンダ23の伸長作動により第1成形型11側から上方に進出させて表皮材13の押切予定部分13bに押し当てる。この際、上記各押切具21の外縁は、表皮材13の押切予定部分13bに押し当てた状態で上記薄肉部13aの内方に位置するようにする。これにより、該押切予定部分13bが上方に押し上げられて上記第2成形型15側の当て板31に当接し、押切予定部分13bが各押切具21と当て板31とで挟持される。当て板31は、図3に示すように、上記2つの押切具21のさらなる進出によりコイルスプリング37のバネ力に抗して持ち上げられ、上記表皮材13の薄肉部13aが押し切られてインストルメントパネル1にサイドベントエア吹出口5が形成される。
【0030】
上記2つの押切具21は共に直角三角形の厚肉の金属板からなるブロック状のものであり、互いに傾斜面21aを上に向けてその頂部を互いに外側に向け、かつ互いに向かい合うように並列され、図に示すように、左右に少しずれた状態で上記流体圧シリンダ23のピストンロッド23a先端のプレート25に固定されている。
【0031】
このような2つの押切具21の押当て力は、表皮材13の押切予定部分13bの左右外側部分に集中して強く掛かるため、この集中荷重により当該部分の薄肉部13aが破断し易く、この破断の影響がその周りの薄肉部13aに及ぶようになっている。したがって、この2つの押切具21で押し切られた表皮材13の押切予定部分13bは、図5に示すように、2つのコの字形のスリット27aからなる矩形の環状スリット27を境に薄肉部13aの一部分である中程の2つの連結部29を介して基材17と一体の表皮材13と一部連結している。なお、連結部29は一箇所であってもよい。
【0032】
しかる後、図4に示すように、上記各押切具21を流体圧シリンダ23の収縮作動により下方に後退させる。これにより、上記当て板31に対する押上げ力が解除され、当て板31がコイルスプリング37のバネ力によって下降する。その後、上記第1成形型11と第2成形型15とを型開きし、上記成形されたインストルメントパネル1を脱型する。この際、表皮材13の押切予定部分13bがその外側である基材17と一体である表皮材13と連結部29によって一部引っ付いているため、インストルメントパネル1と一緒に型外に引き出される。
【0033】
その後、表皮材13の連結部29(薄肉部13aの一部)を切断して上記押切予定部分13bを基材17と一体の表皮材13から分離し、サイドベントエア吹出口5を完全に開口する。
【0034】
このように、第1成形型11及び第2成形型15という上下一対の1つの成形型でインストルメントパネル1の成形とサイドベントエア吹出口5の形成とを行うことから、インストルメントパネル1の成形とサイドベントエア吹出口5の形成とを別々の型で行う場合に比べて設備費用を低減することができる。
【0035】
また、インストルメントパネル1を型から型へと移し替える必要がないことから、その分だけ生産性を向上させることができる。
【0036】
さらには、2つの押切具21を表皮材13に押し当ててその薄肉部13aに沿って押し切ることでサイドベントエア吹出口5を形成するだけであることから、サイドベントエア吹出口5を容易に形成することができ、しかも、交換の必要な刃物を持ちいないので管理を簡単に行うことができ、刃物の交換費用も掛からず経済的なものにすることができる。
【0037】
加えて、熱刃を用いる場合の大掛かりな設備が不要で、その分、設備費用を低減することができるとともに、熱刃の熱影響による開口部周辺の熱歪み等の問題もなく、サイドベントエア吹出口5を精度良く形成することができる。
【0038】
さらにまた、押切具21で押し切られた表皮材13の押切予定部分13bが基材17と一体の表皮材13と連結部29(薄肉部13aの一部)と一部繋がっているので、上記押切予定部分13bをインストルメントパネル1と一緒に成形型(第1成形型11及び第2成形型15)から取り出すことができ、一々、型内に手を入れて上記押切予定部分13bを除去する手間を省くことができるとともに、安全に作業を行うことができる。
【0039】
さらに、表皮材13の押切予定部分13bを各押切具21と当て板31とで挟持した状態で該各押切具21で押し切るようにしているので、表皮材13に各押切具21の押上げ力が作用しても上記押切予定部分13bを上記各押切具21と当て板31とで挟持しながら押切方向に移動させることで、該押切予定部分13bを伸びないように拘束して、上記押切予定部分13bを各押切具21の当接部分で破れることなく薄肉部13aに沿って確実にかつ綺麗に押し切ることができる。これにより、表皮材13の切り口周縁の変形を防止してインストルメントパネル1のサイドベントエア吹出口5周縁を見栄え良くすることができる。
【0040】
また、各押切具21の外縁を薄肉部13aの内方で表皮材13の押切予定部分13bに押し当てるようにしているので、表皮材13の押切予定部分13bの薄肉部13aに沿った押切り及び表皮材13の変形防止を効果的に実現することができる。
【0041】
なお、図示しないが、上記の実施形態に限らず、例えば下型に表皮材をセットして上型を閉じ、キャビティに溶融樹脂を射出して表皮材と基材を一体成形するインジェクション成形にも適用することができるものである。
【0042】
さらに、上記の実施形態では、押切具21を下型である第1成形型11側に配置して上方に進出させることで表皮材13の薄肉部13aを押し切るようにしたが、これとは逆に、押切具21を上型である第2成形型15側に配置して下方に進出させることで表皮材13の薄肉部13aを押し切るようにしてもよい。また、押切具21の配列及びその数も適宜設定することができるものである。
【0043】
また、成形体もインストルメントパネル1に限らず、ドアトリム等の内装品でや車両以外の成形体であってもよい。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明によれば、薄肉部が予め形成された押切予定部分を有する表皮材を第1成形型に、開口部を有する基材を第2成形型にそれぞれセットして少なくとも表皮材と基材とが一体成形された成形体を成形した後、上記第1成形型と第2成形型とが型閉じされて成形体が型内にある状態で、上記第1成形型側又は第2成形型側から押切具をその外縁が環状薄肉部の内方に位置するように表皮材の押切予定部分に押し当てるとともに、該押切予定部分を上記第2成形型側又は第1成形型側の当て板に当接させ、押切予定部分を押切具と当て板とで挟持しながら押切方向に移動させて上記薄肉部を押し切って成形体に開口部を形成するので、成形体の成形と開口部の形成とを別々の型で行う場合に比べて設備費用を低減することができる。また、成形体を型から型へと移し替えずに済むので、その分だけ生産性を向上させることができる。さらには、押切具で表皮材の薄肉部を押し切って開口部を形成するので、開口部を容易に形成することができ、しかも、交換の必要な刃物がいらず、管理が簡単で経済的である。加えて、大掛かりな設備を要する熱刃を用いる場合に比べて設備費用を低減できるとともに、熱刃の熱影響による熱歪み等がなく、開口部を精度良く形成することができる。さらにまた、押切予定部分を伸びないように拘束して薄肉部に沿って確実にかつ綺麗に押し切ることができ、表皮材の切り口周縁すなわち成形体の開口部周縁の見栄えを向上させることができる。また、押切具の外縁を表皮材の押切予定部分の環状薄肉部内方に押し当てて押し切るようにしたので、表皮材の押切予定部分の薄肉部に沿った押切り及び表皮材の変形防止を効果的に実現することができる。
【0045】
請求項2に係る発明によれば、押切具で押し切られた表皮材の押切予定部分を基材と一体の表皮材と連結部で一部繋げているので、脱型した成形体と一緒に上記押切予定部分を成形型から取り出すことができ、押切予定部分を型内に手を入れて除去する手間を省けるとともに、安全に作業を行うことができる
【0046】
請求項に係る発明によれば、パウダースラッシュ成形法により成形された表皮材の肉厚を表皮材の一般部分の肉厚より薄肉に形成したので、上記押切予定部分は製品とならない不要部分であるため材料費を節約することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態においてインストルメントパネルのサイドベントエア吹出口部分の表皮材の押切予定部分に押切具が対応配置されている状態を示す製造工程図である。
【図2】この発明の実施形態においてインストルメントパネルのサイドベントエア吹出口部分の表皮材の押切予定部分を押切具の上昇により押し切り始めた状態を示す製造工程図である。
【図3】この発明の実施形態においてインストルメントパネルのサイドベントエア吹出口部分の表皮材の押切予定部分を押切具のさらなる上昇により押し切った状態を示す製造工程図である。
【図4】この発明の実施形態においてインストルメントパネルのサイドベントエア吹出口部分の表皮材の押切予定部分を押切具で押し切った後に押切具が下降した状態を示す製造工程図である。
【図5】この発明の実施形態において押切具で押し切られた表皮材の押切予定部分の押切り形状を示す平面図である。
【図6】この発明の実施形態において押切具の並列状態を示す平面図である
【図7】インストルメントパネルの斜視図である。
【符号の説明】
1 インストルメントパネル(成形体)
5 サイドベントエア吹出口(開口部)
11 第1成形型
13 表皮材
13a 薄肉部
13b 押切予定部分
15 第2成形型
17 基材
17a 開口部
21 押切具
31 当て板

Claims (3)

  1. 少なくとも表皮材と基材とが一体成形された成形体に開口部を形成する表皮材付成形体の開口部形成方法であって、
    上記成形体の開口部の輪郭に沿って環状薄肉部が予め形成された押切予定部分を有する表皮材を第1成形型にセットするとともに、上記成形体の開口部に対応して開口部が予め形成された基材をその開口部が上記押切予定部分に対応するように第2成形型にセットして少なくとも表皮材と基材とが一体成形された成形体を成形し、
    次いで、上記第1成形型と第2成形型とが型閉じされて上記成形体が型内にある状態で、上記第1成形型側又は第2成形型側から押切具をその外縁が環状薄肉部の内方に位置するように表皮材の上記押切予定部分に押し当てるとともに、該押切予定部分を上記第2成形型側又は第1成形型側の当て板に当接させ、押切予定部分を押切具と当て板とで挟持しながら押切方向に移動させて上記薄肉部を押し切ることで成形体に開口部を形成することを特徴とする表皮材付成形体の開口部形成方法。
  2. 請求項1に記載の表皮材付成形体の開口部形成方法において、
    押切具で押し切られた表皮材の押切予定部分は、薄肉部を介して基材と一体の表皮材と一部連結しており、成形体を脱型した後、上記一部連結の薄肉部を切断して上記押切予定部分を基材と一体の表皮材から分離することを特徴とする表皮材付成形体の開口部形成方法。
  3. 請求項1又は2に記載の表皮材付成形体の開口部形成方法において、
    表皮材はパウダースラッシュ成形法により成形され、表皮材の押切予定部分の肉厚が表皮材の一般部分の肉厚より薄肉に形成されていることを特徴とする表皮材付成形体の開口部形成方法。
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