JP3628933B2 - 位相差補償フィルムの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は位相差補償フィルムの製造方法に関する。さらに詳しくは、液晶表示装置に用いられ、均一な位相差を発現可能な位相差補償フィルムの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
溶液流延法は、溶液樹脂成分を溶剤成分に溶解し、支持体上にコーターにより流延後、溶剤成分を乾燥させて膜状物とした後、該膜状物を支持体より剥離することにより樹脂フィルムを製造する方法である。
【0003】
位相差補償フィルムは、溶液流延法等により得られた樹脂フィルムをそのTg以上の温度で長さ方向又は幅方向に延伸しフィルムに複屈折性を与えることにより製造される。
【0004】
溶液流延法は多くの分野で用いられているが、特に光学用途に用いられる透明フィルムにおいては、光学的に高度な品質を保持するために、発泡やスジ等の表面異常に対し非常に厳密な品質が要求されている。
【0005】
なかでも、液晶表示装置に用いられる位相差補償フィルムは、キャスト後に延伸操作を行い所定のレタデーション値を得て液晶表示装置に搭載されるが、その延伸操作工程におけるキャスト時に発生したスジ、ハジキ等の表面異常が品質に大きく影響するため、キャスト時の表面状態に対する品質要求はより一層厳しいものとなる。
【0006】
溶液流延法は、特開平2−111511号公報に記載されているように、カンマコーター、ドクターブレードコーター、バーコーター、ロールコーター等のコーターにより、樹脂溶液がプラスチックフィルム、ステンレスベルト等の支持体にキャストされ、乾燥工程において溶剤を蒸発させた後支持体から剥離してフィルムを得る方法が一般的である。
【0007】
しかしながら、コーターヘッドの異常によるスジ等の発生、樹脂溶液と支持体との密着不足によるハジキ、乾燥課程における熱風による風紋等により、溶液流延法にはフィルムの表面品質を損ない、位相差補償フィルムとして使用した場合、均一な位相差を得ることが困難である。
【0008】
一般的には、特開平4−204503号公報のように、溶媒含有量を残して延伸を行うと均一な位相差が発現しやすいことが知られているが、フィルム中に残る残留溶剤の分布が位相差の発現性に大きな影響を与える。
【0009】
また、溶液流延法においては、支持体の上に溶剤(塩化メチレン、トルエン、キシレン、アニソール等)+樹脂(ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリノルボルネン、ポリサルフォン等)を流し、熱風、遠赤外線等で乾燥させるので、塗工時の最適粘度を考えると溶剤量は多くなり、それを表裏均一に乾燥させるには多大な時間を要する。
【0010】
したがって、乾燥工程を2段階に分け、1次乾燥である程度の状態まで乾燥させた後、製膜されたフィルムを支持体から引き離し、フィルム単体で表裏両面あるいは全面を均一に乾燥させる方法が一般的に用いられている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この2段階の乾燥工程においては、
(1)溶剤の残留揮発成分がフィルム面内で均一に分布しない
(2)キャスト時の厚みムラがそのままの形で残ってしまう
といった問題点が発生する。
【0012】
(1)は乾燥炉内の幅方向、長さ方向の熱量分布の精度が不足するためであり、(2)は乾燥時にフィルム裏表の表面近傍の残留揮発成分が先に揮発するために、フィルム内部の残留揮発成分が揮発しにくく、フィルム厚みが厚いところはその傾向がそのまま残るからである。
【0013】
残留揮発成分や厚みを均一にするのは、それらが延伸工程での位相差発現性に大きな影響を与えるからであり、具体的には、残留揮発成分が多い部分及び厚みが薄い部分においては位相差値が低くなってしまい、これは、昨今の液晶表示装置の厳しい要求品質を満たすことは出来ない。
【0014】
本発明者は上述の課題に鑑み、特に溶液流延法における2次乾燥の処理において、
1)フィルム中の残留揮発成分の含有量をフィルム内部で均一にし、
2)フィルムの厚みを均一にするという観点から、均一な位相差を発現可能な位相差補償フィルムを得るべく鋭意研究した結果、溶液流延法により得られるフィルムを延伸処理して位相差補償フィルムを製造する方法において、有機溶剤に溶解した樹脂溶液を支持体に塗工後、1次乾燥において残留溶剤成分を5.0〜10.0重量%に減少させ、支持体からフィルムを剥離し、2次乾燥において長さ方向に1.1〜1.5倍延伸させながら残留溶剤成分が0.5〜5.0重量%に減少するまで乾燥させたフィルムを延伸すると、均一な位相差を発現出来る位相差補償フィルムが製造でき、これを用いた液晶表示装置は色むらが無く、高品質な表示性能を得られることを見出し本発明を完成するに至った。
【0015】
本発明の目的は、高性能な液晶表示装置の厳しい要求品質を満たすことができる位相差補償フィルムの製造方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、溶液流延法により得られるフィルムを延伸処理して位相差補償フィルムを製造する方法において、有機溶剤に溶解した樹脂溶液を支持体に塗工後、1次乾燥において残留溶剤成分を5.0〜10.0重量%に減少させ、支持体からフィルムを剥離し、2次乾燥において長さ方向に1.1〜1.5倍延伸させながら残留溶剤成分が0.5〜5.0重量%に減少するまで乾燥させることを特徴とする位相差補償フィルムの製造方法を提供するものである。
【0017】
また、本発明は、前記位相差補償フィルムがポリノルボルネン系樹脂からなることを特徴とする前記の位相差補償フィルムの製造方法を提供するものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成について詳述する。
【0019】
本発明において溶液流延法とは溶液キャスト製膜を意味し、従来公知の方法を用いることができ、▲1▼支持体に塗工後の1次乾燥と、▲2▼支持体からフィルムを剥離した後の2次乾燥の乾燥工程を含むものであれば、特に限定されるものではない。
【0020】
本発明において、樹脂溶液は、高分子を溶解して溶液キャストし得る有機溶剤と、乾燥後に透明フィルムを形成し得る高分子を含有するものであれば特に限定されるものではない。
【0021】
上記高分子を溶解する有機溶剤は、各々の高分子を均一、且つ、好ましい速度で溶解する溶剤の一種または二種以上が適宜選択され使用される。例えば、塩化メチレン、アニソール、メチルエチルケトン、トルエン、キシレン等が挙げられる。
【0022】
乾燥後に透明フィルムを形成し得る高分子としては、例えば、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリアリレート、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリノルボルネン等が挙げられる。本発明において好ましい高分子であるポリノルボルネン系樹脂は、熱可塑性飽和ポリノルボルネンである。
【0023】
熱可塑性飽和ポリノルボルネンは、例えば、特開平3−14882号公報、特開平3−122137号公報などに開示されている公知の樹脂である。
【0024】
熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂を構成するモノマーを例示すると、例えば、ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、5−エチル−2−ノルボルネン、5−ブチル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メトキシカルボニル−2−ノルボルネン、5,5−ジメチル−2−ノルボルネン、5−シアノ−2−ノルボルネン、5−メチル−5−メトキシカルボニル−2−ノルボルネン、5−フェニル−2−ノルボルネン、5−フェニル−5−メチル−2−ノルボルネン、6−メチル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−エチル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−エチル−1,4:5,8−エチリデン−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−クロロ−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−シアノ−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−ピリジル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−メトキシカルボニル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、1,4−ジメタノ−1,4,4a,4b,5,8,8a,9a−オクタヒドロフルオレン、5,8−メタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロ−2.3−シクロペンタジエノナフタレン、4,9:5,8−ジメタノ−3a,4,4a,5,8,8a,9,9a−オクタヒドロ−1H−ベンゾインデン、4,11:5,10:6,9−トリメタノ−3a,4,4a,5,5a,6,9,9a,10,10a,11,11a−ドデカヒドロ−1H−シクロペンタアントラセン等が挙げられる。
【0025】
熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂は、例えば、(イ)ノルボルネン系モノマーの開環重合体若しくは開環共重合体を、必要に応じてマレイン酸付加、シクロペンタジエン付加の如き変性を行った後に、水素添加した樹脂、(ロ)ノルボルネン系モノマーを付加重合させた樹脂、(ハ)ノルボルネン系モノマーとエチレンやα−オレフィンなどのオレフィン系モノマーと付加重合させた樹脂、(ニ)ノルボルネン系モノマーとシクロペンテン、シクロオクテン、5,6−ジヒドロジシクロペンタジエンなどの環状オレフィン系モノマーと付加重合させた樹脂、これらの樹脂の変性物等が挙げられる。
【0026】
上記重合は、例えば、重合媒体としてIr、Os、Ruの三塩化物の含水塩、MoCl5、WCl6、ReCl5、(C2H5)3Al、(C2H5)3Al/TiCl4、(π−C4H7)4Mo/TiCl4、(π−C4H7)4W/TiCl4、(π−C3H5)3Cr/WCl6等を用いて、常法により行うことができる。
【0027】
上記熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂としては、日本ゼオン社より商品名「ZEONOR」、「ZEONEX」、ジェイエスアール社より商品名「ARTON」として上市されている。本発明においては、「ZEONOR」、「ZEONEX」が好ましい。
【0028】
上記熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂の数平均分子量は、小さくなると耐湿性が低下し透湿度が大きくなり、大きくなるとフィルム成形性が低下するので、トルエン溶媒によるゲル・パーミュエーション・クロマトグラフで測定して、2万5千〜10万が好ましく、より好ましくは3万〜8万である。
【0029】
本発明の位相差補償フィルムは、上記の熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂等の樹脂を有機溶剤に溶解し、溶液流延法により製膜するが、さらにフィルムの耐熱性、耐紫外線性、平滑性等を向上させるために、フェノール系、リン系などの老化防止剤、フェノール系などの熱劣化防止剤、アミン系などの帯電防止剤、脂肪族アルコールのエステル、多価アルコールの部分エステルなどの滑剤、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系などの紫外線吸収剤等が樹脂溶液中に添加されても良い。
【0030】
熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂を用いる場合の樹脂溶液は、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クロロベンゼン、トリエチルベンゼン、ジエチルベンゼン、イソプロピルベンゼン等の高沸点溶媒又はこれら高沸点溶媒とシクロヘキサン、ベンゼン、テトラヒドロフラン、ヘキサン、オクタン等の低沸点溶媒の混合溶媒に、上記熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂を好ましくは5〜60重量%溶解して調製される。
【0031】
次に、得られた樹脂溶液を、バーコーター、ドクターナイフ、メイアバー、ロール、Tダイ等を用いて、支持体上に塗工し、加熱乾燥する。キャスト用支持体としては、上記樹脂溶液に用いられている溶剤に侵されず、且つ、表面が平滑性に優れるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、銅やステンレス鋼等の金属、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等の熱変形性の低い合成樹脂、上記金属や合成樹脂の表面にガラスやセラミックスを被覆したものあるいはこれらの支持体の表面をシリコーン樹脂やフッ素樹脂等で離型処理したものが、ドラム、エンドレスベルト、板等の形態で使用される。
【0032】
支持体に塗工した後に行なう1次乾燥の手段としては特に制限はなく、従来公知の乾燥手段により、残留溶剤成分が5.0〜10.0重量%になるまで、適宜乾燥強度、乾燥時間を調節して乾燥させる。
【0033】
例えば、支持体上の塗膜の法線方向に設置された複数対の熱風吹出しノズルから前記キャスト溶液の粘度に応じて与えられる風速の範囲内で熱風を吹き出して乾燥するものであっても良く、又、上記塗膜面とその反対側の支持対面の両側から熱風を吹き出して乾燥するものであってもよい。さらに、塗膜面に対して斜め方向あるいは塗膜面に平行の吹出しノズルから熱風が吹き出されてもよい。また、上記支持体や搬送ロールの加熱による乾燥や赤外線等の輻射熱を補助乾燥手段として用いても良い。
【0034】
次に、上記1次乾燥の後、支持体から1次乾燥が終了したフィルムを剥がし、2次乾燥を行なう。2次乾燥の手段は特に制限されないが、フィルムの表裏両面を熱風若しくは遠赤外線等で追加乾燥させ、残留溶剤成分が0.5〜5.0重量%になるまで、適宜、乾燥強度、乾燥時間を調節して乾燥する。
【0035】
2次乾燥においては、フィルムの動的粘弾性を測定し、そのtanδピーク温度を測定し、その温度より10〜50℃、望ましくは20〜40℃の高い温度の炉内を、張力を掛けながら、長さが1.1〜1.5倍、望ましくは1.2〜1.4倍に延伸処理する。炉内の温度は残留溶剤の沸点よりも高いことが好ましい。
【0036】
tanδピーク温度より高い温度で乾燥させるのは、少ない張力で伸ばすことが可能であり、また、延伸した際に余分な位相差を発現させないためである。炉内温度が、tanδピーク温度より50℃を超えると、フィルムが変形しすぎ、張力等の制御は困難となり、また10℃未満では、張力を加えても延伸させることは困難となる。
【0037】
延伸倍率が1.5倍を超えると、製品幅が狭くなると同時に厚みも薄くなり、また、1.1倍未満では、溶剤が効率よく揮発せず、さらに、厚みの均一化効果も期待出来ず、本発明の効果を発揮出来ない。
【0038】
本発明は2次乾燥において上記の如く一定の残留溶剤含有量になるまで延伸しながら追加乾燥させることにより、(1)フィルム中の残留揮発成分が均一に分布し、かつ、(2)厚みの精度が向上して、位相差の均一な発現性が達成される。これは延伸すると、フィルム内部まで均一に乾燥できることを意味する。また、弾性率の低い領域で延伸することにより、厚みパターンも一定となる。
【0039】
上記で得られたフィルムを原反として延伸処理することにより位相差補償フィルムが製造され、均一な位相差の発現が期待できる。延伸方法は液晶分子の位相差を補償できるようであれば特に限定されない。一般的には550nm入光時のレタデーションが100〜800nmとなる範囲で使用される場合が多い。
【0040】
本発明の製造方法により製造された位相差補償フィルムは、透明な粘着剤を介して、片面は偏光板、その反対面はガラスセル等の構成体と接着され、常法により液晶表示装置を製造することが出来る。
【0041】
【実施例】
次に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
【0042】
(1)樹脂溶液の調製
透明樹脂は、ZEONEX#480(日本ゼオン株式会社製:6−メチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレンの開環重合、水素添加反応により得られた熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂)を用いた。これをトルエンに溶解し、40重量%、粘度25000cpsの樹脂溶液を調製した。
【0043】
(2)支持体に塗工
上記で得られた樹脂溶液を、支持体である金属ベルトの上にコンマコーターを用い、乾燥後の厚みが100μmになるように塗布した。
【0044】
(3)1次乾燥
1次乾燥は100℃−170℃の2ゾーンを通して行なった。乾燥後の平均残留揮発成分量は8.5重量%であった。
【0045】
(4)2次乾燥
次に金属ベルトから剥がしたフィルムのtanδを動的粘弾性測定装置で測定したところ、82.0℃であった。これを元に以下の条件で2次乾燥を行った。乾燥後はエアージェット式ドライヤーを用い、エアークッションノズルから吹き出した熱風で乾燥を行った。最適乾燥温度はトルエンの沸点110℃以上であって(82.0+50)℃=132.0℃以下である。乾燥後の平均残留揮発成分量は1.2〜3.5重量%であった。2次乾燥時の乾燥温度、延伸倍率は「表1」に示した。また、厚みを幅方向で1mm間隔にて測定しその標準偏差を求めた。 さらに、ガスクロマドグラフを用い、延伸前の幅方向で均等に5点の残留揮発成分(トルエン)の量を測定し、最大測定値と最小値測定値の差を、残揮量差として、「表1」に示した。
【0046】
次に、2次乾燥が終了したフィルムを、ロール法により、長さ方向縦1軸延伸を行った。延伸温度を若干調整し、一般的には550nm入光時のレタデーションが250nm+30nmとなるようにした。
【0047】
「評価」
得られた位相差補償フィルムを、複屈折計(大塚電子製:RETS−2000)を用い、入光波長550nmの時の位相差を製品の幅方向に10mm間隔で測定した。その際の最大位相差値と最小位相差値との差を位相差バラツキとして「表1」に示した。
【0048】
【表1】
【0049】
「表1」から、実施例の位相差補償フィルムにおいては、延伸前の厚みと残留揮発成分量が均一になっていることが分かる。これらの相乗効果により、位相差補償フィルムの発現レタデーション値のバラツキが極めて低くなっていることが分かる。
【0050】
【発明の効果】
本発明の製造方法によれば、均一な位相差を発現可能な位相差補償フィルムを提供することが出来る。
Claims (2)
- 溶液流延法により得られるフィルムを延伸処理して位相差補償フィルムを製造する方法において、有機溶剤に溶解した樹脂溶液を支持体に塗工後、1次乾燥において残留溶剤成分を5.0〜10.0重量%に減少させ、支持体からフィルムを剥離し、2次乾燥において長さ方向に1.1〜1.5倍延伸させながら残留溶剤成分が0.5〜5.0重量%に減少するまで乾燥させることを特徴とする位相差補償フィルムの製造方法。
- 前記位相差補償フィルムがポリノルボルネン系樹脂からなることを特徴とする請求項1記載の位相差補償フィルムの製造方法。
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