JP2001296422A - 位相差補償フィルムの製造方法 - Google Patents

位相差補償フィルムの製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高性能な液晶表示装置の厳しい要求品質を満
たすべく、均一な位相差を発現可能な位相差補償フィル
ムを提供すること。 【解決手段】 溶液流延法により得られるフィルムを延
伸処理して位相差補償フィルムを製造する方法におい
て、有機溶剤に溶解した樹脂溶液を支持体に塗工後、1
次乾燥において残留溶剤成分を5.0〜10.0重量%
に減少させ、支持体からフィルムを剥離し、2次乾燥に
おいて長さ方向に1.1〜1.5倍延伸させながら残留
溶剤成分が0.5〜5.0重量%に減少するまで乾燥さ
せることを特徴とする位相差補償フィルムの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は位相差補償フィルム
の製造方法に関する。さらに詳しくは、液晶表示装置に
用いられ、均一な位相差を発現可能な位相差補償フィル
ムの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】溶液流延法は、溶液樹脂成分を溶剤成分
に溶解し、支持体上にコーターにより流延後、溶剤成分
を乾燥させて膜状物とした後、該膜状物を支持体より剥
離することにより樹脂フィルムを製造する方法である。
【0003】位相差補償フィルムは、溶液流延法等によ
り得られた樹脂フィルムをそのTg以上の温度で長さ方
向又は幅方向に延伸しフィルムに複屈折性を与えること
により製造される。
【0004】溶液流延法は多くの分野で用いられている
が、特に光学用途に用いられる透明フィルムにおいて
は、光学的に高度な品質を保持するために、発泡やスジ
等の表面異常に対し非常に厳密な品質が要求されてい
る。
【0005】なかでも、液晶表示装置に用いられる位相
差補償フィルムは、キャスト後に延伸操作を行い所定の
レタデーション値を得て液晶表示装置に搭載されるが、
その延伸操作工程におけるキャスト時に発生したスジ、
ハジキ等の表面異常が品質に大きく影響するため、キャ
スト時の表面状態に対する品質要求はより一層厳しいも
のとなる。
【0006】溶液流延法は、特開平2−111511号
公報に記載されているように、カンマコーター、ドクタ
ーブレードコーター、バーコーター、ロールコーター等
のコーターにより、樹脂溶液がプラスチックフィルム、
ステンレスベルト等の支持体にキャストされ、乾燥工程
において溶剤を蒸発させた後支持体から剥離してフィル
ムを得る方法が一般的である。
【0007】しかしながら、コーターヘッドの異常によ
るスジ等の発生、樹脂溶液と支持体との密着不足による
ハジキ、乾燥課程における熱風による風紋等により、溶
液流延法にはフィルムの表面品質を損ない、位相差補償
フィルムとして使用した場合、均一な位相差を得ること
が困難である。
【0008】一般的には、特開平4−204503号公
報のように、溶媒含有量を残して延伸を行うと均一な位
相差が発現しやすいことが知られているが、フィルム中
に残る残留溶剤の分布が位相差の発現性に大きな影響を
与える。
【0009】また、溶液流延法においては、支持体の上
に溶剤(塩化メチレン、トルエン、キシレン、アニソー
ル等)+樹脂(ポリカーボネート、ポリアリレート、ポ
リノルボルネン、ポリサルフォン等)を流し、熱風、遠
赤外線等で乾燥させるので、塗工時の最適粘度を考える
と溶剤量は多くなり、それを表裏均一に乾燥させるには
多大な時間を要する。
【0010】したがって、乾燥工程を2段階に分け、1
次乾燥である程度の状態まで乾燥させた後、製膜された
フィルムを支持体から引き離し、フィルム単体で表裏両
面あるいは全面を均一に乾燥させる方法が一般的に用い
られている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この2
段階の乾燥工程においては、 (1)溶剤の残留揮発成分がフィルム面内で均一に分布
しない (2)キャスト時の厚みムラがそのままの形で残ってし
まうといった問題点が発生する。
【0012】(1)は乾燥炉内の幅方向、長さ方向の熱
量分布の精度が不足するためであり、(2)は乾燥時に
フィルム裏表の表面近傍の残留揮発成分が先に揮発する
ために、フィルム内部の残留揮発成分が揮発しにくく、
フィルム厚みが厚いところはその傾向がそのまま残るか
らである。
【0013】残留揮発成分や厚みを均一にするのは、そ
れらが延伸工程での位相差発現性に大きな影響を与える
からであり、具体的には、残留揮発成分が多い部分及び
厚みが薄い部分においては位相差値が低くなってしま
い、これは、昨今の液晶表示装置の厳しい要求品質を満
たすことは出来ない。
【0014】本発明者は上述の課題に鑑み、特に溶液流
延法における2次乾燥の処理において、 1)フィルム中の残留揮発成分の含有量をフィルム内部
で均一にし、 2)フィルムの厚みを均一にするという観点から、均一
な位相差を発現可能な位相差補償フィルムを得るべく鋭
意研究した結果、溶液流延法により得られるフィルムを
延伸処理して位相差補償フィルムを製造する方法におい
て、有機溶剤に溶解した樹脂溶液を支持体に塗工後、1
次乾燥において残留溶剤成分を5.0〜10.0重量%
に減少させ、支持体からフィルムを剥離し、2次乾燥に
おいて長さ方向に1.1〜1.5倍延伸させながら残留
溶剤成分が0.5〜5.0重量%に減少するまで乾燥さ
せたフィルムを延伸すると、均一な位相差を発現出来る
位相差補償フィルムが製造でき、これを用いた液晶表示
装置は色むらが無く、高品質な表示性能を得られること
を見出し本発明を完成するに至った。
【0015】本発明の目的は、高性能な液晶表示装置の
厳しい要求品質を満たすことができる位相差補償フィル
ムの製造方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、溶
液流延法により得られるフィルムを延伸処理して位相差
補償フィルムを製造する方法において、有機溶剤に溶解
した樹脂溶液を支持体に塗工後、1次乾燥において残留
溶剤成分を5.0〜10.0重量%に減少させ、支持体
からフィルムを剥離し、2次乾燥において長さ方向に
1.1〜1.5倍延伸させながら残留溶剤成分が0.5
〜5.0重量%に減少するまで乾燥させることを特徴と
する位相差補償フィルムの製造方法を提供するものであ
る。
【0017】また、本発明は、前記位相差補償フィルム
がポリノルボルネン系樹脂からなることを特徴とする前
記の位相差補償フィルムの製造方法を提供するものであ
る。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成について詳述
する。
【0019】本発明において溶液流延法とは溶液キャス
ト製膜を意味し、従来公知の方法を用いることができ、
支持体に塗工後の1次乾燥と、支持体からフィルム
を剥離した後の2次乾燥の乾燥工程を含むものであれ
ば、特に限定されるものではない。
【0020】本発明において、樹脂溶液は、高分子を溶
解して溶液キャストし得る有機溶剤と、乾燥後に透明フ
ィルムを形成し得る高分子を含有するものであれば特に
限定されるものではない。
【0021】上記高分子を溶解する有機溶剤は、各々の
高分子を均一、且つ、好ましい速度で溶解する溶剤の一
種または二種以上が適宜選択され使用される。例えば、
塩化メチレン、アニソール、メチルエチルケトン、トル
エン、キシレン等が挙げられる。
【0022】乾燥後に透明フィルムを形成し得る高分子
としては、例えば、ポリカーボネート、ポリスチレン、
ポリメタクリル酸メチル、ポリアリレート、ポリサルホ
ン、ポリエーテルサルホン、ポリフェニレンオキサイ
ド、ポリノルボルネン等が挙げられる。本発明において
好ましい高分子であるポリノルボルネン系樹脂は、熱可
塑性飽和ポリノルボルネンである。
【0023】熱可塑性飽和ポリノルボルネンは、例え
ば、特開平3−14882号公報、特開平3−1221
37号公報などに開示されている公知の樹脂である。
【0024】熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂を構成す
るモノマーを例示すると、例えば、ノルボルネン、5−
メチル−2−ノルボルネン、5−エチル−2−ノルボル
ネン、5−ブチル−2−ノルボルネン、5−エチリデン
−2−ノルボルネン、5−メトキシカルボニル−2−ノ
ルボルネン、5,5−ジメチル−2−ノルボルネン、5
−シアノ−2−ノルボルネン、5−メチル−5−メトキ
シカルボニル−2−ノルボルネン、5−フェニル−2−
ノルボルネン、5−フェニル−5−メチル−2−ノルボ
ルネン、6−メチル−1,4:5,8−ジメタノ−1,
4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタ
レン、6−エチル−1,4:5,8−ジメタノ−1,
4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタ
レン、6−エチル−1,4:5,8−エチリデン−1,
4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタ
レン、6−クロロ−1,4:5,8−ジメタノ−1,
4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタ
レン、6−シアノ−1,4:5,8−ジメタノ−1,
4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタ
レン、6−ピリジル−1,4:5,8−ジメタノ−1,
4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタ
レン、6−メトキシカルボニル−1,4:5,8−ジメ
タノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒ
ドロナフタレン、1,4−ジメタノ−1,4,4a,4
b,5,8,8a,9a−オクタヒドロフルオレン、
5,8−メタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a
−オクタヒドロ−2.3−シクロペンタジエノナフタレ
ン、4,9:5,8−ジメタノ−3a,4,4a,5,
8,8a,9,9a−オクタヒドロ−1H−ベンゾイン
デン、4,11:5,10:6,9−トリメタノ−3
a,4,4a,5,5a,6,9,9a,10,10
a,11,11a−ドデカヒドロ−1H−シクロペンタ
アントラセン等が挙げられる。
【0025】熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂は、例え
ば、(イ)ノルボルネン系モノマーの開環重合体若しく
は開環共重合体を、必要に応じてマレイン酸付加、シク
ロペンタジエン付加の如き変性を行った後に、水素添加
した樹脂、(ロ)ノルボルネン系モノマーを付加重合さ
せた樹脂、(ハ)ノルボルネン系モノマーとエチレンや
α−オレフィンなどのオレフィン系モノマーと付加重合
させた樹脂、(ニ)ノルボルネン系モノマーとシクロペ
ンテン、シクロオクテン、5,6−ジヒドロジシクロペ
ンタジエンなどの環状オレフィン系モノマーと付加重合
させた樹脂、これらの樹脂の変性物等が挙げられる。
【0026】上記重合は、例えば、重合媒体としてI
r、Os、Ruの三塩化物の含水塩、MoCl5、W
l6、ReCl5、(C253Al、(C253Al
/TiCl4、(π−C474Mo/TiCl4、(π
−C474W/TiCl4、(π−C 353Cr/W
Cl6等を用いて、常法により行うことができる。
【0027】上記熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂とし
ては、日本ゼオン社より商品名「ZEONOR」、「Z
EONEX」、ジェイエスアール社より商品名「ART
ON」として上市されている。本発明においては、「Z
EONOR」、「ZEONEX」が好ましい。
【0028】上記熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂の数
平均分子量は、小さくなると耐湿性が低下し透湿度が大
きくなり、大きくなるとフィルム成形性が低下するの
で、トルエン溶媒によるゲル・パーミュエーション・ク
ロマトグラフで測定して、2万5千〜10万が好まし
く、より好ましくは3万〜8万である。
【0029】本発明の位相差補償フィルムは、上記の熱
可塑性飽和ノルボルネン系樹脂等の樹脂を有機溶剤に溶
解し、溶液流延法により製膜するが、さらにフィルムの
耐熱性、耐紫外線性、平滑性等を向上させるために、フ
ェノール系、リン系などの老化防止剤、フェノール系な
どの熱劣化防止剤、アミン系などの帯電防止剤、脂肪族
アルコールのエステル、多価アルコールの部分エステル
などの滑剤、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系
などの紫外線吸収剤等が樹脂溶液中に添加されても良
い。
【0030】熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂を用いる
場合の樹脂溶液は、トルエン、キシレン、エチルベンゼ
ン、クロロベンゼン、トリエチルベンゼン、ジエチルベ
ンゼン、イソプロピルベンゼン等の高沸点溶媒又はこれ
ら高沸点溶媒とシクロヘキサン、ベンゼン、テトラヒド
ロフラン、ヘキサン、オクタン等の低沸点溶媒の混合溶
媒に、上記熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂を好ましく
は5〜60重量%溶解して調製される。
【0031】次に、得られた樹脂溶液を、バーコータ
ー、ドクターナイフ、メイアバー、ロール、Tダイ等を
用いて、支持体上に塗工し、加熱乾燥する。キャスト用
支持体としては、上記樹脂溶液に用いられている溶剤に
侵されず、且つ、表面が平滑性に優れるものであれば特
に限定されるものではないが、例えば、銅やステンレス
鋼等の金属、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレート等の熱変形性の低い合成
樹脂、上記金属や合成樹脂の表面にガラスやセラミック
スを被覆したものあるいはこれらの支持体の表面をシリ
コーン樹脂やフッ素樹脂等で離型処理したものが、ドラ
ム、エンドレスベルト、板等の形態で使用される。
【0032】支持体に塗工した後に行なう1次乾燥の手
段としては特に制限はなく、従来公知の乾燥手段によ
り、残留溶剤成分が5.0〜10.0重量%になるま
で、適宜乾燥強度、乾燥時間を調節して乾燥させる。
【0033】例えば、支持体上の塗膜の法線方向に設置
された複数対の熱風吹出しノズルから前記キャスト溶液
の粘度に応じて与えられる風速の範囲内で熱風を吹き出
して乾燥するものであっても良く、又、上記塗膜面とそ
の反対側の支持対面の両側から熱風を吹き出して乾燥す
るものであってもよい。さらに、塗膜面に対して斜め方
向あるいは塗膜面に平行の吹出しノズルから熱風が吹き
出されてもよい。また、上記支持体や搬送ロールの加熱
による乾燥や赤外線等の輻射熱を補助乾燥手段として用
いても良い。
【0034】次に、上記1次乾燥の後、支持体から1次
乾燥が終了したフィルムを剥がし、2次乾燥を行なう。
2次乾燥の手段は特に制限されないが、フィルムの表裏
両面を熱風若しくは遠赤外線等で追加乾燥させ、残留溶
剤成分が0.5〜5.0重量%になるまで、適宜、乾燥
強度、乾燥時間を調節して乾燥する。
【0035】2次乾燥においては、フィルムの動的粘弾
性を測定し、そのtanδピーク温度を測定し、その温
度より10〜50℃、望ましくは20〜40℃の高い温
度の炉内を、張力を掛けながら、長さが1.1〜1.5
倍、望ましくは1.2〜1.4倍に延伸処理する。炉内
の温度は残留溶剤の沸点よりも高いことが好ましい。
【0036】tanδピーク温度より高い温度で乾燥さ
せるのは、少ない張力で伸ばすことが可能であり、ま
た、延伸した際に余分な位相差を発現させないためであ
る。炉内温度が、tanδピーク温度より50℃を超え
ると、フィルムが変形しすぎ、張力等の制御は困難とな
り、また10℃未満では、張力を加えても延伸させるこ
とは困難となる。
【0037】延伸倍率が1.5倍を超えると、製品幅が
狭くなると同時に厚みも薄くなり、また、1.1倍未満
では、溶剤が効率よく揮発せず、さらに、厚みの均一化
効果も期待出来ず、本発明の効果を発揮出来ない。
【0038】本発明は2次乾燥において上記の如く一定
の残留溶剤含有量になるまで延伸しながら追加乾燥させ
ることにより、(1)フィルム中の残留揮発成分が均一
に分布し、かつ、(2)厚みの精度が向上して、位相差
の均一な発現性が達成される。これは延伸すると、フィ
ルム内部まで均一に乾燥できることを意味する。また、
弾性率の低い領域で延伸することにより、厚みパターン
も一定となる。
【0039】上記で得られたフィルムを原反として延伸
処理することにより位相差補償フィルムが製造され、均
一な位相差の発現が期待できる。延伸方法は液晶分子の
位相差を補償できるようであれば特に限定されない。一
般的には550nm入光時のレタデーションが100〜
800nmとなる範囲で使用される場合が多い。
【0040】本発明の製造方法により製造された位相差
補償フィルムは、透明な粘着剤を介して、片面は偏光
板、その反対面はガラスセル等の構成体と接着され、常
法により液晶表示装置を製造することが出来る。
【0041】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に
説明する。本発明は以下の実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0042】(1)樹脂溶液の調製 透明樹脂は、ZEONEX#480(日本ゼオン株式会
社製:6−メチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,
4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタ
レンの開環重合、水素添加反応により得られた熱可塑性
飽和ノルボルネン系樹脂)を用いた。これをトルエンに
溶解し、40重量%、粘度25000cpsの樹脂溶液
を調製した。
【0043】(2)支持体に塗工 上記で得られた樹脂溶液を、支持体である金属ベルトの
上にコンマコーターを用い、乾燥後の厚みが100μm
になるように塗布した。
【0044】(3)1次乾燥 1次乾燥は100℃−170℃の2ゾーンを通して行な
った。乾燥後の平均残留揮発成分量は8.5重量%であ
った。
【0045】(4)2次乾燥 次に金属ベルトから剥がしたフィルムのtanδを動的
粘弾性測定装置で測定したところ、82.0℃であっ
た。これを元に以下の条件で2次乾燥を行った。乾燥後
はエアージェット式ドライヤーを用い、エアークッショ
ンノズルから吹き出した熱風で乾燥を行った。最適乾燥
温度はトルエンの沸点110℃以上であって(82.0
+50)℃=132.0℃以下である。乾燥後の平均残
留揮発成分量は1.2〜3.5重量%であった。2次乾
燥時の乾燥温度、延伸倍率は「表1」に示した。また、
厚みを幅方向で1mm間隔にて測定しその標準偏差を求
めた。 さらに、ガスクロマドグラフを用い、延伸前の
幅方向で均等に5点の残留揮発成分(トルエン)の量を
測定し、最大測定値と最小値測定値の差を、残揮量差と
して、「表1」に示した。
【0046】次に、2次乾燥が終了したフィルムを、ロ
ール法により、長さ方向縦1軸延伸を行った。延伸温度
を若干調整し、一般的には550nm入光時のレタデー
ションが250nm+30nmとなるようにした。
【0047】「評価」得られた位相差補償フィルムを、
複屈折計(大塚電子製:RETS−2000)を用い、
入光波長550nmの時の位相差を製品の幅方向に10
mm間隔で測定した。その際の最大位相差値と最小位相
差値との差を位相差バラツキとして「表1」に示した。
【0048】
【表1】
【0049】「表1」から、実施例の位相差補償フィル
ムにおいては、延伸前の厚みと残留揮発成分量が均一に
なっていることが分かる。これらの相乗効果により、位
相差補償フィルムの発現レタデーション値のバラツキが
極めて低くなっていることが分かる。
【0050】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、均一な位相
差を発現可能な位相差補償フィルムを提供することが出
来る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶液流延法により得られるフィルムを延
    伸処理して位相差補償フィルムを製造する方法におい
    て、有機溶剤に溶解した樹脂溶液を支持体に塗工後、1
    次乾燥において残留溶剤成分を5.0〜10.0重量%
    に減少させ、支持体からフィルムを剥離し、2次乾燥に
    おいて長さ方向に1.1〜1.5倍延伸させながら残留
    溶剤成分が0.5〜5.0重量%に減少するまで乾燥さ
    せることを特徴とする位相差補償フィルムの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記位相差補償フィルムがポリノルボル
    ネン系樹脂からなることを特徴とする請求項1記載の位
    相差補償フィルムの製造方法。
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