JP3628665B2 - 穀類ブレンド装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は穀類ブレンド装置に係り、特に精米工場において精米後の米をブレンドするのに好適な装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、穀物のブレンド装置では、種別に収容している複数の穀物タンクからブレンド割合に応じてコンベア上に払い出しをなし、混合タンクで混合した上でストックタンクに保管し、当該ストックタンクから袋詰する構成を採用している。例えば、米のブレンド装置では、配列している複数の精米タンクから、A種:B種:C種=10:5:3というような割合で、各精米タンクから機械式コンベアに払い出しするようにしている。機械式コンベアはチェーンコンベアとバケットコンベアからなっている。
【0003】
複数種の米を所定の混合割合に応じてブレンドする場合、払い出し時間を合わせ、各々の米をコンベア上に時間管理によって排出する。通常、穀物タンクの配列方向に沿って搬送ラインを形成したコンベア上に排出するため、コンベア上にはブレンドすべき米が層状に堆積することになる。したがって、このままストックタンクに供給して袋詰めすると、米が分散混合せず混合性能が悪い状態となってしまうため、中間に一時保管タンクを設け、ここで適正に混合した状態でストックした上で、再度の払い出しをすることで混合性能を上げるようにしていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来は、米の混合性能を上げるため、精米タンクと袋詰め用のストックタンクの間に一時保管タンクを設け、混合すべき米を上述した機械式のコンベアによる輸送方法で投入し、一旦、一時保管した上で混合するようにしてから払出しすることにより、タンクからの排出する時の、米の流れ方などの特性を考慮して、混合性能を上げていた。このため、一時保管タンクに関与するコストが余計に発生した。
【0005】
一時保管タンクに関与するコストを低減するには、穀類収容タンクから払い出した複数種の穀類が搬送ライン上で適正に混合することが望ましい。したがって、コンベアを利用した搬送方法に代えて、ブレンドすべき複数種の穀物が層状にならないように、空気輸送することが考えられる。
しかし、空気輸送する場合には、輸送管に供給される圧送空気が計量手段側に逆流し、計量精度を低下させてしまう問題がある。
【0006】
本発明は、上記従来の問題点に着目し、従来以上の混合性能を維持できるとともに、高い精度で計量排出することができるようにした穀類ブレンド装置を提供することを目的とする。
また、本発明は混合ブレンドのために必要とされている一時保管タンクを省略しつも、混合性能を確保できるブレンド装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る穀類ブレンド装置は、ブレンド対象穀類を収容する複数の穀類収容タンクと、各タンクに接続され穀類の払い出し量を計量する計量排出手段と、1または複数単位の計量排出手段毎に設置され払い出された穀類をロータリバルブにより連続排出可能としてなる供給手段と、当該供給手段から穀類を導入される空気輸送管路とを備え、前記複数の穀類収容タンクから必要種類の穀類を前記空気輸送管路にてブレンド搬送させつつ、前記計量排出手段におけるケーシングには排気手段に接続された集塵口を設けるとともにケーシング内部に前記空気輸送管路から漏出される空気とともに内部空気を排気して前記ケーシング内部をほぼ大気圧に保持可能としたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る穀類ブレンド装置の具体的実施の形態について、図面を参照しながら、詳細に説明する。
図1は実施形態に係る穀類ブレンド装置の全体構成を示し、図2は計量排出装置の概念図を示している。図示のように、実施形態に係る穀類ブレンド装置は、精米や糠取り等の工程を経た白米A、B、C、………を種別に収容格納するための複数の精米タンク10(10A、10B,10C………)が連接配置されている。個々の精米タンク10に収容された白米A、B、C、………を計量して排出するために、各タンク10の下端部のホッパ出口には計量排出装置12(12A、12B,12C………)が設けられ、ここで各精米タンク10の白米をブレンド割合に応じた量だけ正確に計量して排出するようになっている。
【0011】
単体の計量排出装置12、または複数をひとつのグループ単位とした計量排出装置12から払い出される白米A、B、C、………を受け取る供給ホッパ14が設けられ、この供給ホッパ14の下端出口にはロータリバルブ16を設けて、連続的に白米を排出できるようにしている。各供給ホッパ14は連続するライン上に配列され、このラインに沿って設けた空気輸送管路18に接続されている。したがって、ロータリバルブ16から切り出された白米A,B,C………はロータリバルブ16により複数の供給ホッパ14から払い出され、空気輸送管路18に導入されるのである。空気輸送管路18には、送風ブロア20が設けられており、搬送すべき白米が搬送中の衝突などにより割れないような流速となるように制御された圧送空気が流通される。
【0012】
これによって、ブレンドすべき対象の白米A,B,C………が収容されている精米タンク10が選択され、ブレンド割合に応じた量が計量排出装置12から計量されて空気輸送管路18に排出される。ブレンド対象となっている複数種の白米A,B,C………が同時的に空気輸送管路18に供給されると、管路18内で異種白米同士が混合しあい、一定の管路長だけ搬送されることにより均等に分散される。したがって、特別に混合のために一時保管するタンクなどの存在が不要となる。そこで、この実施形態では、一保管タンクを経由させることなく、最初に摂取装置22で異物を除去した後、更に、混入金属が金属検出器24により検出除去し、次いで垂直用コンベア26で上方に搬送された後に、水平コンベア28を経て、ストックタンク30に貯蔵させるようにしている。ストックタンク30に貯蔵されたブレンド米は、ストックタンク30で計測されながら包装設備32に移され、所定重量ずつ包装されて出荷する。
【0013】
ところで、圧縮空気が通流している空気輸送管路18に供給ホッパ14から計量された白米を供給する際、気流がホッパ側に逆流しないようにロータリバルブ16が用いられているが、実際上は漏洩空気を完全に除去できない。この漏洩空気の流れは、計量排出装置12での計量精度に影響を与える。
【0014】
計量排出装置12は、図2に示すように、計量部ケーシング34の上部側から順次に、投入ホッパ36、計量ホッパ38、定量排出ホッパ40、並びに排出ホッパ42から構成されている。精米タンク10から供給される白米は、計量部ケーシング34の上端面に形成された投入口44から投入され、最初に投入ホッパ36に収容するようにしている。この投入ホッパ36の下端部には投入ゲート46が設けられ、下位の計量ホッパ38に指定量だけ白米を供給するようになっている。計量ホッパ38はホッパ重量を検知して投入された白米の量を計量するようになっており、ロードセル48が用いられる。図示しない制御手段により計量ホッパ38内の白米が定量に達したことが検知されると、計量ホッパ38下端に設けた計量排出ゲート50が開放され、下位の定量排出ホッパ40に排出する。定量排出ホッパ40は下部の定量排出ゲート52を開放することで、一定量ずつ白米を排出する。そして、最下部の排出ホッパ42は、計量部ケーシング34の下端面に臨ませた排出口54を有し、ここから供給ホッパ14に排出するものとしている。
【0015】
ここで、計量部ケーシング34は投入口44が精米タンク10に連接され、排出口54が供給ホッパ14を介して空気輸送管路18に接続された構成となっている。したがって、ロータリバルブ16部分からの漏洩気流があると、計量部ケーシング34内に入り込み、これが計量ホッパ38での計量精度に影響する。このため、本実施形態では、計量部ケーシング34に吸気口56と、集塵口(排気口)58を設け、集塵口58を排気手段に60に接続し、当該排気手段60によりケーシング34の内部に前記空気輸送管路18から漏出される空気とともに内部空気を排気して前記ケーシング34の内部をほぼ大気圧に保持できるようにしている。排気手段60は排気ファンなどにより、ケーシング34の内圧が大気圧より高い正圧となったときに作動する差圧作動形式とすればよい。もちろん、差圧ダンパなどによって構成することも可能である。
なお、実施形態に係る計量排出装置12に内臓されている計量ホッパ38は密閉構造ではなく、開放型とし、排出部から逆流してくる空気や空気圧の影響を無くすようにしている。
【0016】
このように構成された計量排出装置12を備えた穀類ブレンド装置では、次のようにブレンド作業が行われる。精米工程を経て精米タンク10に投入された白米は、計量排出装置12によってブレンドに必要な割合で定量排出され、供給ホッパ14を介して空気輸送管路18に導入される。空気輸送管路18に入った白米は、その空気輸送過程で混合分散され、均一なブレンド状態で搬送され、空気により分離機にて空気と分離された後、摂取異物除去装置22、金属探知機24を経てストックタンク30に投入される。ストックタンク30に充填されたブレンド米は、下のパッカ32で袋詰めして出荷する。また、出荷の形態として、金属探知機24を経た白米を直接パッカ32で袋詰めすることも可能である。この場合は、それが可能なブレンド米のストックタンクを削減できる効果がある。
【0017】
異種の白米混合のメカニズムは、複数個の精米タンク10から切出した白米を同時に空気輸送管路18に払出しすることにより、当該管路18内で混合することになる。切出し方法は、計量排出装置12における定量排出ゲート52の調整により払出し時間を調整したり、あるいはロータリバルブ16の回転数の調整することで行うことができる。ただし、通常は、ロータリバルブ16の切出し量が定量排出ゲート52の時間当たりの排出量と同じか又はそれを上回るようにその回転数を設定する。
なお、精米タンクに1対1に計量排出装置12を置かずともよい。
【0018】
また、この実施形態では、計量排出装置12のケーシング32内を集塵し、特に給気口56を設け、下部から空気流入分(排出シュート側からの空気の漏れ;背圧)を集塵することで、ケーシング34内圧を大気圧近辺に維持する。そして、 計量ホッパ38は一般には密閉式であるが、開放型とし、排出部から逆流してくる空気や空気圧の影響を無くするように考慮している。
【0019】
このようなことから、ロータリバルブ16からの空気漏れは上部の供給ホッパ14を集塵廃棄するようにしてもよく、上部の計量排出装置12側に影響の無いように、できるだけこの供給ホッパ14で漏れ空気を処理するようにすればよい。この集塵経路を62で示す。
【0020】
この実施形態では、特に計量排出装置12にても集塵するようにし、この計量排出装置12の集塵は、装置内が負圧にならないように調整する。
なお、ロータリバルブの回転数を一定で運転した場合、ロータリバルブの漏洩空気量は駆動しているロータリバルブの数と相関を有するため、その数量に合わせて輸送風量、ブロアの回転数を制御するようにすればよい。
【0021】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、穀類収容タンクから設定量の穀類を計量して空気輸送管路に供給するに際して、前記空気輸送管路から計量部ケーシング内に漏洩してくる気流相当分を排気してほぼ大気圧を保持しながら穀類を計量するように構成し、空気輸送管路に同時的に、すなわち、複数の計量排出機からの排出時間をシンクロさせつつ、ブレンド対象の白米を供給するようにして管路内で分散させるようにしたので、計量精度を高く維持することができるとともに、混合が良好に行われ、一時的な保管タンクなどを不要にできる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る穀類ブレンド装置の全体構成図である。
【図2】実施形態に係る計量排出装置の概略構成図である。
【符号の説明】
10………精米タンク、12………計量排出装置、14………供給ホッパ、16………ロータリバルブ、18………空気輸送管路、30………ストックタンク、36………投入ホッパ、38………計量ホッパ、40………定量排出ホッパ、42………排出ホッパ、48………ロードセル。
Claims (1)
- ブレンド対象穀類を収容する複数の穀類収容タンクと、各タンクに接続され穀類の払い出し量を計量する計量排出手段と、1または複数単位の計量排出手段毎に設置され払い出された穀類をロータリバルブにより連続排出可能としてなる供給手段と、当該供給手段から穀類を導入される空気輸送管路とを備え、前記複数の穀類収容タンクから必要種類の穀類を前記空気輸送管路にてブレンド搬送させつつ、前記計量排出手段におけるケーシングには排気手段に接続された集塵口を設けるとともにケーシング内部に前記空気輸送管路から漏出される空気とともに内部空気を排気して前記ケーシング内部をほぼ大気圧に保持可能としたことを特徴とする穀類ブレンド装置。
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