JP3627719B2 - 熱電モジュール - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ペルチェ素子の熱電変換機能を利用した熱電モジュールに関し、特に、パッケージの電極とワイヤボンディングにより接続するためのポスト電極を有する熱電モジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】
熱電モジュールは、下基板及び上基板上に夫々下部電極及び上部電極を形成し、下部電極と上部電極が対向するように前記下基板及び上基板を平行に配置し、両者間に複数個の熱電素子を配置して構成されている。各下部電極及び上部電極には、夫々2個の熱電素子が接合され、隣接する2個の下部電極上に設けられた隣接する2個の熱電素子が、その上端部で1個の上部電極により接続されており、これにより、複数個の熱電素子が下部電極及び上部電極により直列に接続されている。
【0003】
而して、図12(a)は従来の一般的な熱電モジュールを示す平面図、図12(b)はその側面図である。下基板1と上基板2との間に前述の態様で熱電素子3が配置されており、下基板1及び上基板2に設けた下部電極及び上部電極(いずれも図示せず)により熱電素子3が直列に接続されている。そして、この直列に接続された熱電素子の両端の熱電素子は、下基板1上に形成された電極パッド4に夫々接続されている。また、この電極パッド4には例えば直径0.3mmのSnメッキCu線等のリード線5がハンダ付けにより接合されており、電極パッド4はこのリード線5を介して熱電モジュールが搭載されるパッケージの電極パッドと接続されている。
【0004】
しかし、このリード線4を使用して熱電モジュールの端子を外部に導出する方法は、リード線4を手作業によりハンダ付けする必要があり、この接続工程が煩雑であった。
【0005】
そこで、近時、図13に示すように、熱電モジュールの電極パッド4の代わりに、ポスト電極6を設け、図14に示すように、このポスト電極6とパッケージの電極パッド7とをAu線等のボンディングワイヤ8を使用してワイヤボンディングする方法が提案されている(特許第3082170号)。このワイヤボンディングによる接続は、ハンダ付け作業が不要であり、自動化が容易である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のポスト電極を備えた熱電モジュールは、以下に示すような欠点を有する。図15(a)、(b)は電極パッド4と、パッケージの電極パッド7a、7bとをリード線5により接続する場合を示す平面図である。この図15(a)に示すように、熱電モジュールの電極パッド4をその両側に配置された電極パッド7a、7bに接続する場合には、等寸のリード線5を熱電モジュールの中心軸となるAA’を軸に左右対称に延ばしてハンダ付けすればよく、また、図15(b)に示すように、パッケージの電極パッド7c、7dが熱電モジュールに対して一方の側に配置されている場合においても、電極パッド4と電極パッド7c、7dとを接続するリード線5c、5dの長さが異なるだけで、リード線5c、5dは自由に曲がり、また長さも自由に設定できるため、このリード線の取り付け方法は自由度が高い。
【0007】
しかし、ポスト電極の場合は、図16(a)に示すように、ポスト電極6とその両側の電極パッド7とをAuワイヤ8により接続するときは問題がないが、図16(b)に示すように、パッケージの電極パッド7c、7dが熱電モジュールの一方の側に位置する場合は、Auワイヤ8c、8dのうち、電極パッド7c、7dから遠い方のポスト電極6に接続されたAuワイヤ8cが長くなりすぎ、ボンディングが困難になる。このため、パッケージ側の電極パッド7c、7dの位置は大きな制約を受ける。
【0008】
更に、図16(c)に示すように、熱電モジュールのポスト電極6とパッケージの電極パッド7c、7dとを接続する際に、ワイヤ8cとワイヤ8dとが交差するような場合は、電気的ショートが発生する虞がある。なお、リード線の場合は、比較的太いため、剛性があるので、このように配線が交差する場合も、2本のリード線が接触しないように成形しておけば、このショートを回避できる。しかし、ボンディングワイヤは細くて剛性が足りず成形しておくことが困難であると共に、ワイヤボンディングにより自動化をはかる場合に、予め成形しておくような作業自体が困難である。
【0009】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、パッケージ側の電極パッドの位置に応じて、ポスト電極の位置を調整し、両者を円滑にワイヤボンディングすることができる熱電モジュールを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本願第1発明に係る熱電モジュールは、下基板と、前記下基板に対向する上基板と、前記下基板及び上基板の各対向面に形成された複数個の下部電極及び上部電極と、前記下部電極と上部電極との間に設けられ前記下部電極及び上部電極により直列及び/又は並列に接続された複数個の熱電素子からなる熱電素子群と、前記下基板上に相互に分離して形成され前記熱電素子群の両端部の熱電素子に接続された1対の下部電極に接続された面状の1対のリード層と、前記各リード層上における前記下基板の辺縁に平行の中心軸に対して非対称の位置に配置された1対のポスト電極とを有し、前記リード層はその幅が前記ポスト電極の幅よりも広い部分を有することを特徴とする。この熱電モジュールにおいては、前記1対のリード層の幅を、前記ポスト電極の幅の2倍よりも広くしてもよい。
【0011】
本願第2発明に係る熱電モジュールは、下基板と、前記下基板に対向する上基板と、前記下基板及び上基板の各対向面に形成された複数個の下部電極及び上部電極と、前記下部電極と上部電極との間に設けられ前記下部電極及び上部電極により直列及び/又は並列に接続された複数個の熱電素子からなる熱電素子群と、前記下基板上に相互に分離して形成され前記熱電素子群の両端部の熱電素子に接続された1対の下部電極に接続された面状の1対のリード層と、前記各リード層上における前記下基板の辺縁に平行の中心軸に対して非対称の位置に配置された1対のポスト電極とを有し、前記1対のリード層のうち、一方のリード層の幅は前記ポスト電極の幅と等しく、他方のリード層はその幅が前記ポスト電極の幅よりも広い部分を有することを特徴とする。この熱電モジュールにおいては、前記他方のリード層の幅と前記下基板のパターニング領域の幅とを等しくしてもよい。
【0012】
本発明においては、前記リード層及び前記下部電極は、前記下基板上に導電膜を形成した後、この導電膜をパターニングすることにより、同時に形成することができる。また、前記リード層上に予備のポスト電極を配置することもできる。
【0013】
本発明においては、ポスト電極がリード層により端部の下部電極に接続されているので、ポスト電極を下基板上の任意の位置に配置することができる。このため、熱電モジュールが搭載されるパッケージの電極パッドの位置にあわせてポスト電極の位置を任意に決めることができるので、パッケージの電極パッドの位置に拘わらず、容易にワイヤボンディングによりパッケージの電極パッドとポスト電極とを接続することができる。リード層は、下基板の長手方向中心軸に対して非対称でも対象でもよい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施例について具体的に説明する。図1は、本発明の第1実施例を示し、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は一部斜視図である。Al等の絶縁性の下基板10と上基板12との間に複数個のペルチェ素子からなる熱電素子11が配置されており、下基板10及び上基板12の対向面には、夫々複数個の下部電極及び上部電極(いずれも図示せず)が形成されている。そして、各下部電極上に2個の熱電素子が接合され、隣接する下部電極上の隣接する熱電素子11が1個の上部電極により接続されていて、これにより、複数個の熱電素子11が下部電極及び上部電極により直列に接続されている。
【0015】
この直列接続の端部に配置された2個の熱電素子の下部電極には、リード層16a、16bが接続されており、このリード層16a、16bの端部上にポスト電極15a、15bが接合されている。上基板12上の上部電極及び下基板10上の下部電極は、上基板12及び下基板10上に例えばCu層をメッキにより形成し、このCu層をパターニングすることにより形成されている。又は、基板表面に薄膜メタライズ層を形成し、このメタライズ層を所定形状にパターニングした後、その上に、電解メッキにより、所定のパターンのCu層を形成し、その後、パターン間の薄膜メタライズ層を除去することにより、Cu層をパターン形成することもできる。
【0016】
この下部電極の形成のためのパターニングの際に、前記直列接続の端部の下部電極から延出するようにCu層をパターニングすることにより、リード層16a、16bを形成することができる。ポスト電極15a、15bは、例えば、厚さが2.5mmのCu板の表裏両面に、厚さが3μmのNi層をメッキし、更に、厚さが1μmのAu層をメッキにより形成したものを、ダイシングにより1辺長が0.7mmの正方形になるように切断したものである。この断面正方形の直方体のポスト電極15a、15bをCuリード層16a、16b上に配置し、ポスト電極15a、15bのAu層とCuリード層16a、16bとをハンダ付けすることによりポスト電極15a、15bをCuリード層16a、16bに固定する。なお、この下部電極、上部電極及びCuリード層のCuの表面には、Niメッキ層(例えば、厚さが3μm)が形成されている場合が多く、また前記Niメッキ層の上に更にAuメッキ層(例えば、厚さが1μm)が形成されていても良い。
【0017】
ポスト電極はCu製ではなく、Al製でも良い。厚さが2.5mmの純Al板の片面のみに、厚さが3μmのNi層をメッキにより形成し、更に厚さが0.5μmのAu層をメッキにより形成したものを、ダイシングにより1辺長が0.7mmの正方形になるように切断する。このポスト電極のNi及びAuメッキが施されている面と、Cuリード層とをはんだ付けにより接合する。ポスト電極の上面は滑らかなAl表面のままで良い。
【0018】
このAlポスト電極の場合には、Alポスト電極に対して最もボンディング性が優れたAlワイヤーを使用して接続することが好ましい。Alワイヤーは、Auワイヤに比して、太線化が可能であり、Auワイヤでは困難な直径が100μm又は200μm、更には500μmのワイヤを使用することができる。このため、ワイヤに大電流を流すことが容易であり、この点で、AlワイヤはAuワイヤよりも有利である。但し、Alワイヤは接続せんとする接合面の高さが相違する場合、又は接続距離が長い場合に接続の信頼性が低下する。このため、本実施例においては、広いCuリード層の中でも、パッケージの電極になるべく近い位に、高さが揃うようにAl製ポスト電極を設置する必要がある。逆にいえば、Al製ポスト電極は、本実施例のように、広いCuリード層を有している場合に効果的である。なお、Alワイヤを使用する際は、ポスト電極を全てAlにより形成しなくても、少なくともポスト電極の上面がAlにより形成されていれば、良好なボンディング性が維持される。また、パッケージ側のボンディングされる電極表面もAlにより形成することが好ましい。なお、本発明において、Cu又はAlという場合は、Cu合金又はAl合金も含むものである。
【0019】
熱電モジュールの下基板10の外側の面(下面)には、熱電モジュールをパッケージ等にハンダ付けするためのメタライズ層13が形成されている。また、熱電モジュールの上基板12の外側の面(上面)には、LD(半導体レーザダイオード)及びサーミスタ等の素子をハンダ付けするためのメタライズ層14が形成されている。これらのメタライズ層13、14は、夫々下基板10、上基板12上に、例えば、Cu層、Ni層及びAu層をメッキにより形成した3層構造のメッキ層である。なお、本実施例においては、例えば、ポスト電極の高さは前述の如く2.5mm、上基板12の長さは10mm、下基板10の長さは12mm、上基板12及び下基板10の幅は6mmであり、従って、下基板10は上基板12より2mm長く延長しており、この幅が6mm、長さが2mmの延長領域(以下、パターニング領域という)にて、リード層16a、16bがパターニングされている。リード層16bは上基板12を基準に上面から見るとその長手方向、即ち、下基板10が延長された方向(以下、この方向を熱電モジュールの長手方向という)に若干はみ出して延出し、リード層16aはリード層16b以外の前記パターニング領域を占めるようにしてリード層16bの近傍まで延出している。
【0020】
而して、本実施例の熱電モジュールにおいては、1対のポスト電極15a、15bが熱電モジュールの一方の側縁の近傍に配置されている。従って、図1(b)に示すように、ポスト電極15a、15bに接続すべきパッケージ側の電極パッドが熱電モジュールに対して一方の側に配置されている場合においても、このポスト電極15a、15bはこのパッケージ側の電極パッドに対向してその近傍に配置されているので、ワイヤボンダーを使用して容易にポスト電極15a、15bとパッケージ側の電極パッドとをボンディングワイヤにより接続することができる。
【0021】
このため、本実施例においては、ポスト電極と接続すべきボンディングワイヤがボンディング不可能な程に長くなりすぎることがなく、確実にワイヤボンディングすることができる。このようにして、熱電モジュールのポスト電極の位置をリード層16a、16bにより任意に変更することができ、パッケージの電極パッドの位置に容易にあわせることができる。
【0022】
なお、リード層16aは、図1(a)に破線にて示すように、帯状のL字形をなすパターンに形成することもできる。
【0023】
また、図2に示すように、このL字形をなす帯状のリード層17aの根幹の部分、即ち、下部電極の近傍にポスト電極18aを配置すれば、このポスト電極18aと、リード層17b上に配置されたポスト電極18bとは、熱電モジュールの両側方に配置されることになり、パッケージ側の電極パッドが熱電モジュールの両側方に位置する場合に対応することができる。
【0024】
図3(a)乃至(c)は本発明の他の実施例を示す平面図である。これらの実施例は、リード層19a、19bがL字形をなして延びており、熱電モジュールの長手方向に一旦延びた後、垂直に屈曲して相互に平行になって延びている。
【0025】
図3(a)においては、ポスト電極20a及び20bが夫々リード層19a、19bの先端に配置されている。また、図3(b)においては、ポスト電極21aはリード層19aの屈曲部に配置され、ポスト電極21bはリード層19aの先端部に配置されており、図3(c)においては、ポスト電極22bがリード層19bの屈曲部に配置され、ポスト電極22aがリード層19aの先端部に配置されている。
【0026】
図4(a)乃至(c)は本発明の更に他の実施例を示す図である。図4(a)、(b)においては、下基板20が上基板22よりも延出するパターニング領域として、下基板20の長手方向の一端部だけでなく、一方の側部も確保されている。リード層23aは熱電モジュールの長手方向に一旦延出した後、垂直に屈曲し下基板20の端縁にそって横方向に進み、更に、コーナー部で垂直に屈曲して下基板20の側縁にそって進む。またリード層23bは上基板22の端縁と上基板22の側縁にそってL字形に延びている。
【0027】
そして、図4(a)においては、ポスト電極24a、24bは、リード層23a、23bにおける熱電モジュールの側縁に沿って延びる部分に配置されている。この場合は、ポスト電極24a、24bを熱電モジュールの長手方向の任意の位置に配置することができ、パッケージの電極パッドが熱電モジュールの側縁にそっていずれの位置に配置されても、これに対応することができる。
【0028】
図4(b)においては、ポスト電極25aはリード層23aにおける熱電モジュールの側縁に沿って延びる部分の先端部に配置され、ポスト電極25bはリード層23bにおける上基板22の端縁に沿って延びる部分の先端部に配置されている。このように、リード層23a、23bが熱電モジュールの長手方向に延びる部分を有するから、ポスト電極をパッケージの電極パッドにあわせて任意に配置することができる。
【0029】
図4(c)においては、下基板10上に、その周縁部に上基板22よりも延出するパターニング領域に1対のリード層26a、26bが形成されている。リード層26aは下基板20の4辺の縁辺に沿って延びており、リード層26bはリード層26aの内側にて下基板20の4辺の縁辺に沿って延びている。
【0030】
このように、図4(c)においては、熱電モジュールの4辺に沿ってリード層26a、26bが形成されており、ポスト電極27a、27bを任意の位置に配置することができる。よって、パッケージ側の電極パッドがいずれの位置に配置されることになっても、その電極パッドとポスト電極とを常に最短距離でボンディングワイヤにより接続することができる。以上のように、ポスト電極27a、27bは複数の方向に対して、少なくとも1方向で非対称の位置をとっていればよい。
【0031】
図5(a)、(b)は本発明の他の実施例を示す図である。リード層31a、31bは、Cu層により、交差するようにパターン形成されているが、図5(b)に示すように、リード層31bはリード層31aと交差する部分でとぎれている。そして、このとぎれた部分において、リード層31bはリード層31aを非接触でまたぐ橋部品33により接続されている。この橋部品33はCu板により成形することができる。橋部品33はボンディングの際、接触しないように、ポスト電極32a、32bより高さを低くするのが望ましい。
【0032】
図6(a)、(b)は、本発明の他の実施例を示す図である。図6(a)においては、図2に示す熱電モジュールにおいて、ポスト電極40a、40b、40cを設けたものである。リード層17bには1個のポスト電極40cが設けられているが、リード層17aには2個のポスト電極40a、40bが設けられている。従って、搭載されるパッケージの電極パッドの位置に応じて、ポスト電極40a又はポスト電極40bのいずれかを選択することができる。
【0033】
図6(b)においては、各リード層19a、19bに夫々2個のポスト電極41a、41bとポスト電極41c、41dとを設けたものである。本実施例において、搭載されるパッケージの電極パッドの位置に応じて、ポスト電極41a、41bのいずれかと、ポスト電極41c、41dのいずれかを選択することができる。
【0034】
図7(a)、(b)は本発明の他の実施例を示す図である。図7(a)、(b)においては、リード層50a、50bが帯状ではなく、広い面状に形成されている。従って、ポスト電極51a、51b及びポスト電極52a、52bはこの広大なリード層50a、50bの任意の位置に接合することができる。ポスト電極52a、52bの配置が2次元的に自由度が増すので、パッケージの電極パッドの位置に拘らず、そこから最短距離となるようにポスト電極52a、52bを配置したり、位置を微調整することができる。ワイヤ交差防止の観点から、ポスト電極52a、52bの幅に対してリードの幅が2倍以上とするのが好ましい。
【0035】
図8(a)、(b)は、本発明の他の実施例を示す図である。図8(a)、(b)は、一方のリード層53aが他方のリード層53bよりも広大に形成されており、このリード層53aが、上基板12に覆われていない下基板10のパターニング領域の殆どの領域を占めている。この場合は、ポスト電極55bはその位置が制約を受けるが、ポスト電極55aは広大なリード層53aの任意の位置に設けることができる。例えば、1対のリード層53a、53bのうち、一方のリード層53bの幅はポスト電極54bとほぼ同じ幅とするのに対し、他方のリード層53aはそれよりも広い幅とすることができる。しかし、他方のリード層53aの幅は下基板(パターニング領域)の幅一杯に形成することができる。この場合は、パッケージの電極パッドがいかなる場所であっても、一方のポスト電極54bまでの距離を最短としつつ、他方のポスト電極54aを自在に配置することができる。
【0036】
上述の各実施例のように、リード層の任意の位置にポスト電極を配置するときには、位置決めを容易とするために、リード層にマーキングを設けておくのが好ましい。これらのマーキングはリード層のパターンの周辺又はパターン内部に、スリット、凹部又は切り込み等の形状としてパターン形成時に設けることができる。図9(a)及び(b)乃至図11(a)及び(b)はマーキングが形成されたリード層を示す模式図である。図9(a)及び(b)は、リード層60、61、62、63に正方形の位置合せ用マーキング70、71、72、73を設けたものである。
【0037】
また、図10(a)及び(b)に示すように、マーキング74、75、76、77を、ポスト電極の位置ずれを防止するために、例えば長方形状にすることもできる。特に、面状のリード層63の場合は、マーキング77の配置はグリッド状にするのが好ましい。これにより、設計通りの位置にポスト電極を配置することができると共に、ポスト電極の位置ずれを防止することができる。
【0038】
また、図11(a)及び(b)に示すように、位置合わせの精度向上のために、リード層60、61、62、63とは独立に、位置合わせの画像認識用のマーキング78、79、80、81を設けてもよい。この場合、マーキング78、79、80、81は、リード層形成時に別のパターンを同時に形成することで作製できる。なお、この位置合わせの画像認識用のマーキング80、81は、リード層62、63が形成される基板の余白に形成される。
【0039】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、下基板上に非対象又は対象のリード層を設けたので、ポスト電極を、熱電モジュールが配置されるパッケージの電極パッドにあわせて任意の位置に配置することができ、このため、パッケージの電極パッドの位置に拘わらず、容易にワイヤボンディングによりポスト電極と電極パッドとを接続することができる。よって、接続作業の自動化も可能となり、製造コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示し、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は一部斜視図である。
【図2】本実施例の変形例を示す平面図である。
【図3】(a)乃至(c)は本発明の他の実施例を示す平面図である。
【図4】(a)乃至(c)は本発明の更に他の実施例を示す図である。
【図5】(a)及び(b)は本発明の他の実施例を示す図である。
【図6】(a)及び(b)は本発明の他の実施例を示す図である。
【図7】(a)及び(b)は本発明の他の実施例を示す図である。
【図8】(a)及び(b)は本発明の他の実施例を示す図である。
【図9】(a)及び(b)はマーキングが形成されたリード層を示す模式図である。
【図10】(a)及び(b)はマーキングが形成されたリード層を示す模式図である。
【図11】(a)及び(b)はマーキングが形成されたリード層を示す模式図である。
【図12】(a)は従来の一般的な熱電モジュールを示す平面図、図12(b)はその側面図である。
【図13】(a)はポスト電極を有する従来の熱電モジュールを示す平面図、図13(b)はその側面図である。
【図14】ポスト電極を有する従来の熱電モジュールを示す平面図である。
【図15】(a)及び(b)は電極パッド4と、パッケージの電極パッド7a、7bとをリード線5により接続する場合を示す平面図である。
【図16】ポスト電極を有する従来の熱電モジュールの欠点を説明する図である。
【符号の説明】
10;下基板、 11;熱電素子、 12;上基板、 13、14;メタライズ層、 15a、15b、18a、18b、20a、20b;ポスト電極、 16a、16b、17a、17b、19a、19b;リード層

Claims (5)

  1. 下基板と、前記下基板に対向する上基板と、前記下基板及び上基板の各対向面に形成された複数個の下部電極及び上部電極と、前記下部電極と上部電極との間に設けられ前記下部電極及び上部電極により直列及び/又は並列に接続された複数個の熱電素子からなる熱電素子群と、前記下基板上に相互に分離して形成され前記熱電素子群の両端部の熱電素子に接続された1対の下部電極に接続された面状の1対のリード層と、前記各リード層上における前記下基板の辺縁に平行の中心軸に対して非対称の位置に配置された1対のポスト電極とを有し、前記リード層はその幅が前記ポスト電極の幅よりも広い部分を有することを特徴とする熱電モジュール。
  2. 前記1対のリード層の幅は、前記ポスト電極の幅の2倍よりも広いことを特徴とする請求項1に記載の熱電モジュール。
  3. 下基板と、前記下基板に対向する上基板と、前記下基板及び上基板の各対向面に形成された複数個の下部電極及び上部電極と、前記下部電極と上部電極との間に設けられ前記下部電極及び上部電極により直列及び/又は並列に接続された複数個の熱電素子からなる熱電素子群と、前記下基板上に相互に分離して形成され前記熱電素子群の両端部の熱電素子に接続された1対の下部電極に接続された面状の1対のリード層と、前記各リード層上における前記下基板の辺縁に平行の中心軸に対して非対称の位置に配置された1対のポスト電極とを有し、前記1対のリード層のうち、一方のリード層の幅は前記ポスト電極の幅と等しく、他方のリード層はその幅が前記ポスト電極の幅よりも広い部分を有することを特徴とする熱電モジュール。
  4. 前記他方のリード層の幅と前記下基板のパターニング領域の幅とが等しいことを特徴とする請求項3に記載の熱電モジュール。
  5. 前記リード層及び前記下部電極は、前記下基板上に導電膜を形成した後、この導電膜をパターニングすることにより、同時に形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の熱電モジュール。
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