JP3627528B2 - 現像装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式を利用した複写機、プリンタ等の画像形成装置に使用される現像装置に係り、特に、現像剤補給装置を備えた現像装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、現像剤補給装置を備えた現像装置としては種々のものが提案されており、本出願人も、例えば、現像剤補給装置の制御内容に特徴のある提案を行っている(特開平7−311501号公報)。
【0003】
この提案に係る現像剤補給装置aは、図6に示すように、補給用トナーbをトナーカートリッジ(補給貯蔵器)cからリザーブタンク(予備貯蔵器)dを一旦介して現像装置eに補給するタイプのものであり、また、図7に示すように、そのリザーブタンクd内に配設されたトナーセンサfが「トナー有り」と検知している間に、制御手段gによって、リザーブタンクd内のトナーbを現像装置e側に送り出すオーガ(送出手段)hの動作時間(t)が累積計数され、その累積時間T(=t+t+・・・)が閾値時間E(=T)に達した時点で点検修理を促すための警告表示をする等の所定の警告処理が実行される仕組みになっている。
【0004】
そして、このような制御が行われることにより、例えば、トナーセンサf自体の故障やそのセンサfの清掃棒iの破損等の確認が困難なトラブルが発生しても、点検修理を促す警告表示等がなされるため、かかるトラブルが発生したことを早期に予測して発見することが可能になり、しかも、かかるトラブルが原因で従来発生していたリザーブタンクd内のトナー検知不能や誤検知によるトナーの補給不良等を未然に防止することが可能になる。なお、図6中の符号pはアジテータjを回転させるための駆動モータ、qはオーガhを回転させるための駆動モータ、rは表示装置を示す。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような制御が行われる現像剤補給装置を備えた現像装置であっても、次のような新たな技術的課題がある。
【0006】
すなわち、トナーカートリッジcからリザーブタンクdへのトナー供給は、通常時には、トナーカートリッジc内に配設されたアジテータ(搬送手段)jの作動により行われるが、実際には、トナーカートリッジc内に補給用トナーbが十分に貯蔵されている段階では、装置内部で発生する動作振動や外部から与えられる衝撃振動等が発生すると、そのような振動の影響によってトナーカートリッジc内の排出口k付近に存在する補給トナーbがその排出口kから接続供給路mを通して下方に位置するリザーブタンクdに自然落下し、これによってもトナーの供給がなされることがある。このトナーの自然落下は、特にアジテータkの作動により行われる本来(通常時)のトナー供給が終了した後に起こりやすいという傾向にある。
【0007】
そして、このようなトナーの自然落下が発生した場合には、まず、トナーカートリッジcから本来(通常時)の供給量よりも多いトナーbがリザーブタンクdに供給されるため、トナーセンサfが平常時(図7中の二点鎖線で示す部分が平常時の動作状態)よりも長い間「トナー有り」と検知し続け、この結果、前述した制御手段gによる動作時間の累積計数が平常時よりも長く続行されるようになる。そして、従来の制御手段gにおける閾値時間E(=T)は、トナーカートリッジc内のトナー残量とは関係なく一定に設定されるため、例えば図7に例示するように、トナーセンサfの故障等によるトラブルが発生していないにもかかわず制御手段gによる累積時間Tがすぐに閾値時間Eに達して警告表示等がされてしまうという誤検知が発生するのである。
【0008】
この自然落下の発生に起因する誤検知は、その自然落下するトナーの量が多ければ多いほど、また閾値時間Eが短ければ短いほど頻繁に起こるようになり、この場合には、トラブルが発生していないのにもかかわらず装置の点検修理を行う機会や装置が動作不能になる機会が増えることになるため、その分、画像形成のできない時間も増えてしまうという問題がある。
【0009】
ちなみに、このような誤検知の問題を避けるため、図7に例示するように上記閾値時間E(T)をそれまでよりも長い(多い)閾値時間(T>T)にするという対策案も考えられる。
【0010】
しかし、この場合には、トナーカートリッジc内のトナー残量が少なくなって前記したようなトナーの自然落下の発生も少なくなった段階でトラブルが発生すると、トラブルが発生しているにもかかわらず制御手段gによる警告表示等の警告処理が行われるのが遅くなる。このため、その警告表示等が行われる前の段階において、リザーブタンクd内のトナー残量が少なくっているにもかかわらずトナーセンサfの故障により「トナー有り」の検知信号が出続けることによりトナーbが補給されなかったり、あるいは、トナーカートリッジc内のアジテータjの駆動モータpの故障によりトナーセンサfが「トナーなし」と検知しているのに実際にはリザーブタンクdへトナーbが補給されなくなり、その結果として、トナー不足による画質不良(白抜けや濃度低下など)が起こるという不具合がある。また、警告処理が遅れる分、故障した部品が発生したことを早期に発見することが難しくなる。
【0011】
従って、本発明の目的は、以上の問題点を解決することにあり、具体的には、トナーカートリッジ等の補給貯蔵器からの補給用現像剤の自然落下現象が発生することがあっても、その補給貯蔵器内にある現像剤を消費し尽くすまでの間、誤検知などによる稼働時間のロスもなく、より安定した現像剤の補給が行われる現像剤補給装置を備えた現像装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成し得る本発明(請求項1に係る発明)の現像装置は、現像装置に補給するための補給用現像剤を貯蔵し、その現像剤を排出口にむけて搬送するように作動する搬送手段が配設された補給貯蔵器と、この補給貯蔵器の下方側に配設され、その貯蔵器の排出口から排出されて供給される補給用現像剤を一時的に貯蔵し、その現像剤を現像装置の現像剤収容部にむけて送り出すように作動する送出手段が配設された予備貯蔵器と、この予備貯蔵器内の補給用現像剤の有無を検知する現像剤検知手段と、この現像剤検知手段が現像剤有りと検知している間に、前記予備貯蔵器の搬送手段の動作時間を累積計数し、その累積時間が閾値時間に達した時点で警告処理を実行する異常検知手段とからなる現像剤補給装置を備えた現像装置において、前記現像剤補給装置の異常検知手段に、前記補給貯蔵器内にある補給用現像剤の残量を予測検知して把握する現像剤量把握手段と、前記異常検知手段の閾値時間を初期段階では標準の閾値時間よりも長い時間に設定し、かつ、前記現像剤量把握手段により把握された現像剤量が閾値量になった時点で前記初期段階の閾値時間を標準の閾値時間よりも短い時間に変更する制御手段とを具備させたものである。
【0013】
ここで、上記標準の閾値時間とは、前述した現像剤の自然落下が発生することを考慮しない場合(又はその自然落下が発生しないと仮定した場合)、異常検知手段による警告処理を行うべき適切な設定時間をいう。また、上記警告処理とは、現像剤補給装置内において前述したような認識が困難な故障(異常)が発生したことをユーザーに知らせたり、装置の保全を図るために必要な制御動作であればよく、具体的には、ユーザーに対して点検依頼を促すための警告表示を行ったり、画像形成(現像)のための機械動作を不能にしたりする処理である。
【0014】
また、上記現像剤量把握手段は、補給貯蔵器内にある現像剤の量を実測するものであってもよいが、少なくとも異常検知手段における閾値時間を変更する際に目安とする補給貯蔵器内のトナー残量を予測検知できるものである。例えば、前記現像剤検知手段の検知情報、前記送出手段の作動時間の情報、又は、現像すべき画像の画素量(ピクセルカウント量)情報のうち少なくとも1つを利用して現像剤量を判別する手段である
【0015】
さらに、上記したような異常検知手段に具備させる現像剤量把握手段及び制御手段は、予備貯蔵器を有する現像剤補給装置を備えた前記現像装置に代えて、次のような現像剤補給装置を備えた現像装置における異常検知手段に具備させてもよい。すなわち、現像装置に補給するための補給用現像剤を貯蔵し、その現像剤を排出口にむけて搬送するように作動する搬送手段が配設された補給貯蔵器と、この補給貯蔵器の下方側において現像装置の現像剤収容部と接続され、その貯蔵器の排出口から排出される補給用現像剤を前記現像剤収容部にむけて送る接続供給路と、現像装置の現像剤収容部内の現像剤の有無を検知する現像剤検知手段と、この現像剤検知手段が現像剤有りと検知している間に、前記現像装置の現像剤収容部内における現像剤の消費予測量を累積係数し、その累積量が閾値量に達した時点で警告処理を実行する異常検知手段とからなる現像剤補給装置を備えた現像装置における異常検知手段に具備させてもよい。
【0016】
この場合、制御手段は、異常検知手段の閾値量を初期段階では標準の閾値量よりも大きな値に設定し、かつ、前記現像剤量把握手段により把握された現像剤量が閾値量になった時点で前記初期段階の閾値量を標準の閾値量よりも小さな値に変更するものとなる。また、現像装置の現像剤収容部内における現像剤の消費予測量を累積係数するとは、例えば、その現像剤収容部内に配設された現像剤の搬送手段の動作時間、又は、その現像装置自体の駆動時間、又は、現像すべき画像の画素量を累積係数することをいい、このような時間や量を累積係数することにより現像剤収容部内における現像剤の消費量を予測する。
【0017】
このような現像剤量把握手段及び制御手段を具備する異常検知手段をもつ現像剤補給装置を備えた現像装置によれば、異常検知手段は、初期段階では標準の閾値時間(量)よりも長い閾値時間(大きな値)にもとづいて作動し、現像剤量把握手段により把握された現像剤量が閾値量になった時点以降においてはその初期段階の閾値時間(量)に代えて標準の閾値時間(量)よりも短い閾値時間(小さな値)に基づいて作動する。
【0018】
これにより、補給貯蔵器内に現像剤が十分あってその現像剤の予備貯蔵器への自然落下が発生しやすい時期には、異常検知手段が閾値時間に達して警告処理を実行するまでの(検知)時間が標準の閾値時間(量)の場合に比べて長くなるため、かかる自然落下に起因する従来のような誤検知が発生しにくくなる。また、補給貯蔵器内の現像剤が少なくなってその現像剤の自然落下が発生しにくい時期には、異常検知手段が閾値時間(量)に達して警告処理を実行するまでの(検知)時間が標準の場合に比べて短くなるため、検知手段等の故障のような認識が困難な故障が発生しても効率よく的確に対応することができる。この結果、補給貯蔵器内にある現像剤が消費し尽くされるまでの間は、誤検知などによる稼働時間のロスもなく、より安定した現像剤の補給が行われるようになる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。
【0020】
[実施の形態1]
図1は、本発明を適用した現像装置を示すものである。この現像装置1は、現像剤(トナー)補給装置2を備えたものであり、そのトナー補給装置2は補給貯蔵器としてのトナーカートリッジ3と、予備貯蔵器としてのリザーブタンク4と、現像剤検知手段としてのトナーセンサ5と、異常検知手段としての異常検知装置6とでその主要部が構成されている。
【0021】
トナーカートリッジ3は、中空の円筒形状からなる容器体30であり、その内部には補給用の現像剤であるトナーGが貯蔵され、そのトナーGが消費されてほぼ無くなった時点で取り外されて新しいものと交換されるようになっている。また、このトナーカートリッジ3は、その一端側の下部にトナーGを排出させるための排出口31が開設されており、また、その容器内に排出口31にむけてトナーGを搬送するための搬送手段としてのアジテータ32が回転可能に配設されている。このアジテータ32は、線材を直線状の主軸32aを中心にして螺旋状に曲げ加工した構造のものであり、その主軸32aがカートリッジ3の装着時に回転伝達機構及び連結具を介してカートリッジ用駆動モータ33と連結され、そのモータ33の回転動力によりカートリッジ内で回転するようになっている。
【0022】
リザーブタンク4は、トナーカートリッジ2の下方側の位置であってそのカートリッジ2と現像装置1との間に配設される所定形状からなる容器体40であり、カートリッジ3から排出されて排出されるトナーGを一時的に貯蔵し、補給が必要な時期に所定量だけ現像装置1側に供給するようになっている。このリザーブタンク4は、容器体40の上部側にカートリッジ3の排出口31と接続される受入口41が、容器体40の下部側に現像装置1のトナー収容部1a(図中の点線で示す部分)と直接に又はトナー搬送経路を介して接続される供給口42がそれぞれ開設されており、また、その容器体40の内部にはトナーGを攪拌しながら現像装置のトナー収容部1a又はトナー搬送経路に送り出す送出手段としてのオーガ43が回転可能に配設されている。このオーガ43は、回転軸43aのまわりに線材を螺旋状に曲げ加工したものやあるいは螺旋状の回転羽根を形成したもので、その回転軸43aが回転伝達機構を介してリザーブタンク用駆動モータ(ディスペンスモータ)44と連結され、そのモータ44の回転動力によりタンク内で回転するようになっている。なお、このオーガ43には必要に応じてトナーセンサ5のセンサ面を摺接するようにして清掃するための回転清掃棒を配設してもよい。図中の符号21はカートリッジの排出口31とリザーブタンクの受入口41とを接続するための接続部材、22はリザーブタンクの供給口42と現像装置のトナー収容部又はトナー搬送経路とを接続するための接続部材である。
【0023】
トナーセンサ5は、リザーブタンク4内のトナーの有無を検知するためのものであり、例えば圧電素子等からなるセンサが使用され、リザーブタンク4の容器体40内部における受入口41のほぼ下方側でかつ底面から所定の高さとなる位置にそのセンサ面が容器体内部に露出するような状態で配設される。そして、このトナーセンサ5の場合、そのセンサ面の周囲にトナーGが存在しているときには「トナー有り」の検知信号を発信し、そのセンサ面の周囲にトナーGが存在しないときには「トナーなし」の検知信号を発信するようになっている。
【0024】
上記のカートリッジ用駆動モータ33とリザーブタンク用駆動モータ44は、駆動用コントローラ25に接続されている。このコントローラ25は、トナーセンサ5と接続されてそのセンサからの検知信号が入力されるようになっているとともに、図示しない本体制御部等と接続されてその制御部等からトナー補給要求等の必要な信号SSが入力されるようになっている。そして、この駆動用コントローラ25は、トナーセンサ5から「トナーなし」との検知信号を受信したときにカートリッジ用駆動モータ33をそのセンサ5が「トナー有り」と検知するまで駆動させ、また、トナー補給要求信号を受信した場合にリザーブタンク用駆動モータ44を所定時間だけ駆動させるように設定されている。
【0025】
異常検知装置6は、基本的に、トナー補給装置2において確認が困難な不測の部品故障等のトラブル(異常)が発生したことを予測してその補給装置2の保全を図るための所要の警告処理を実行するものである。
【0026】
この実施形態では、異常検知装置6は、トナーセンサ5と接続されてそのセンサからの検知信号が入力されるようになっているとともに、図示しない濃度検知装置等に接続されて画像濃度情報等のデータ信号Sが入力されるようになっている。また、この異常検知装置6は、駆動用コントローラ25と接続されており、そのコントローラ25からカートリッジ用駆動モータ33及びリザーブタンク用駆動モータ44の動作状態やその動作時間の情報を入力し、トナーセンサ5から「トナー有り」の検知信号が入力されている間はそのリザーブタンク用駆動モータ44の動作時間について累積計測するようになっており、また、そのコントローラ25に上記動作時間の累積時間Tが閾値時間Eに達したときには何らかの異常が発生したものとみなして駆動停止信号を送信するようになっている。さらに、この異常検知装置6は、液晶パネル等からなる表示装置7と接続されており、前述したように累積時間Tが閾値時間Eに達した時点で何らかの異常が発生したものとみなして、警告処理としてトナー補給装置2等の点検を促すための警告表示を行うようになっている。
【0027】
そして、この異常検知装置6には、さらに、リザーブタンク4内にあるトナーGの量を把握する現像剤量把握手段としてのトナー量把握部61と、異常検知装置6の前記閾値時間Eを初期段階では標準の閾値時間Eよりも長い時間(E1)に設定し、かつ、トナー量把握部61により把握されたトナー量が閾値量Qになった時点で初期段階における前記閾値時間(E1)を標準の閾値時間Eよりも短い時間(E2)に変更する制御手段としての閾値時間変更制御部62とが具備されている。
【0028】
上記トナー量把握部61は、トナーセンサ5からの検知情報、即ち「トナー有り」又は「トナーなし」の情報を利用してリザーブタンク4内のトナー量を直接的に判別するように構成されている。一方、閾値時間変更制御部62は、トナー量把握部61にて把握されたトナー量が予め設定する閾値量Q(この実施形態では、「トナーなし」との検知信号が連続10回得られるとき)に達するか否かを検知し、その閾値量になった時点で初期段階の閾値時間(E1)を標準の閾値時間Eよりも短い時間(E2)に変更するようになっている。また、この変更制御部62は、トナーカートリッジ3内のトナーGが消費し尽くされて新しいカートリッジに交換された後に、トナーセンサ5により最初に「トナー有り」と検知された時点で、その変更した閾値時間(E2)を再び初期段階の閾値時間(E1)に変更するようになっている。
【0029】
標準の閾値時間Eは、前述したようにトナーカートリッジ4内においてトナーGの自然落下が発生することを考慮しない場合(又はその自然落下が発生しないと仮定した場合)、異常検知装置6による警告処理を行うべき適切な設定時間である。そして、トナーカートリッジ4において発生する自然落下するトナー量は、トナーカートリッジ3とリザーブタンク4の各構成等によっても異なるが、一般的には、図5に示すようにカートリッジ4内にトナーGが満タン状態に近く十分にあるときほど多く、そのトナーGが空状態に近く少ないほど少なくなる。このような関係から、一般に、初期段階の閾値時間E1は標準の閾値時間Eに対して2〜3倍程度の長い時間とし、一方、変更後の閾値時間E2は標準の閾値時間Eに対して1/2〜1/3倍程度の短い時間とすることが好ましい。
【0030】
この実施形態では、トナーカートリッジ4として直径が100mm、トナー収容量が860gの円筒容器体からなるものを使用し、リザーブタンク4として容量が約150gの容器体を使用した場合、初期段階の閾値時間E1を「500sec」、変更後の閾値時間E2を「75sec」としている。ちなみに、この場合、標準の閾値時間Eは約200secとなる。
【0031】
次に、この現像装置におけるトナー補給装置2の動作について説明する。
【0032】
初めに基本的なトナーの補給動作について説明すると、画像形成時において現像装置1が作動することにより図示しない感光体等の像担持体に形成された静電潜像が現像装置1から供給されるトナーにより現像され、この現像工程を繰り返すにつれて現像装置のトナー収容部1a内のトナーが徐々に消費されるが、この間、駆動用コントローラ25に画像濃度に関する情報信号Sが入力される。
【0033】
そして、その情報信号からトナーの補給が必要であると判断された場合には、図1や図2に示すように、コントローラ25によってディスペンスモータ44が補給量に応じた時間だけ駆動させられる。これにより、オーガ43が回転して、リザーブタンク4内のトナーGがオーガ43の送り出し作用により供給口42から現像装置のトナー収容部又はトナー搬送経路に送り出されて補給される。このリザーブタンク4からのトナー補給により、そのタンク4内のトナー量は次第に少なくなる。
【0034】
一方、画像形成が行われている間は、トナーセンサ5によりリザーブタンク4内にトナーGが所定量以上あるか否かが検知される。この際、「トナーなし」と検知されると、図1や図2に示すように、その検知信号が駆動用コントローラ25へ送られた後、そのコントローラ25によってカートリッジ用駆動モータ33が駆動させられる。これにより、アジテータ32が回転して、カートリッジ3内のトナーGがアジテータ32の搬送力により排出口31にむけて徐々に搬送されるとともにその排出口31から送り出されてリザーブタンク4内に落下するような状態で供給される。そして、このリザーブタンク4へのトナー供給によりトナーセンサ5が「トナー有り」と検知した時点で、駆動用コントローラ25がカートリッジ用駆動モータ33を停止させる。
【0035】
そして、このトナー補給装置2においては、トナーセンサ5から「トナー有り」との検知信号が発信されている間は次のような動作が行われる。
【0036】
すなわち、図2や図3に示すように、トナーセンサ5による検知が行われている際(ステップ1:S1)、「トナー有り」との検知信号が発信されている間は、その検知信号は駆動用コントローラ25に加えて異常検知装置6にも送られる。この「トナー有り」との検知信号が入力されている間、異常検知装置6では、駆動用コントローラ25からの入力情報により前記したカートリッジ用駆動モータ33が「トナーなし」との検知信号を受信した際に駆動したか否かを検知している(S2)。このときカートリッジ用駆動モータ33が駆動していないと検知された場合には、リザーブタンク用駆動モータ(ディスペンスモータ)44の動作時間(t,t,・・)を累積カウントし始める(S3)。一方、このとき駆動モータ33が駆動していると検知された場合には、それまでのディスペンスモータ44の動作時間Tのカウント値がリセットされる(S4)。
【0037】
そして、異常検知装置6では、そのディスペンスモータ44の動作時間(t,t,・・)を累積カウントした累積時間Tが予め設定されている初期段階の閾値時間E1になっているか否かが判断され(S5)、その累積時間Tが初期段階の閾値時間E1(T=t+t+・・・+tm−1 +t=500sec)に達した場合には、何らかのトラブル(トナーセンサ5の故障、カートリッジ用駆動モータ33の故障など)が発生したものとみなして所定の警告処理が実行される(S6)。このときの警告処理としては、例えば表示装置7に「サービスコールを依頼してください」等の警告表示を行ったり、あるいは、現像装置等の保全すべき構成部品の動作をすべて不可にするような処理を行う。これにより、トナー補給装置の保全が図れるとともに、サービスコールによる点検作業によりトラブルの発生原因が究明されて適切に排除され、再び、正常なトナーの補給動作を復帰させることが可能となる。
【0038】
ここで、異常検知装置6における初期段階の閾値時間E1については標準の閾値時間Eよりも長い時間に設定されているため、図2に示すように、トナーカートリッジ3内にトナーGが十分にある初期段階においてトナーGがリザーブタンク4へ自然落下してトナーセンサ5が「トナー有り」の検知信号を平常時(トナーの自然落下がないとき)よりも長い間発信し続けるようなことが発生しても、標準の閾値時間Eを採用した場合のように故障等のトラブルが発生していないにもかかわらず警告処理を実行してしまうという従来のような誤検知(動作)の発生を少なくすることができる。
【0039】
一方、ステップ1においてトナーセンサ5による「トナーなし」の検知信号が発信されると、図2や図3に示すように、カートリッジ駆動用モータ33が回転駆動され(S20)、また、その「トナーなし」の検知信号を累積カウントして(S21)、そのカウントした値が連続して10回になったか否かが判断される(S22)。このとき、その検知信号が連続して10回発信されると、図2や図3に示すように、その検知信号が異常検知装置6におけるトナー量把握部61に入力され、これをきっかけにして同検知装置6における閾値時間変更制御部62により初期段階の閾値時間E1が「閾値時間E2」に変更される(S7)。これにより、その後においては、異常検知装置6における累積時間Tが閾値時間Eに達したか否かの判別は、閾値時間E2のもとで行われることになる。また、このとき、その検知信号が連続して10回になっていない場合は、トナーセンサ5による検知が行われる(S1)。
【0040】
このように閾値時間Eが変更されると、異常検知装置6においては、現像装置1が使用されている画像形成装置の作業用外装カバーの開閉動作を検知するインターロックスイッチSWやその画像形成装置の電源スイッチSWがオン/オフ動作されたか否かが判断される(S8)。
【0041】
この際、オン/オフ動作がないと判断された場合には、トナーセンサ5によるトナーの有無が検知される(S9)。そして、ここで「トナーなし」と検知された場合には、再びステップ8に戻されて各スイッチのオン/オフ動作の有無について判断されるが、「トナー有り」と検知された場合には、異常検知装置6によるディスペンスモータ44の動作時間(t,t,・・)の累積カウントが開始される(S10)。
【0042】
異常検知装置6では、その累積カウントした累積時間Tが変更された閾値時間E2になっているか否かが判断され(S11)、その累積時間Tが閾値時間E2(T=t+t+・・・+t=75sec)に達した場合には、何らかのトラブルが発生したものとみなして前述したような所定の警告処理が同様に実行される(S6)。しかし、その累積時間Tが閾値時間E2になっていない段階ではステップ8に再び戻される。
【0043】
ここで、異常検知装置6における変更された閾値時間E2については標準の閾値時間Eよりも短い時間に設定されているため、図2に示すように、トナーカートリッジ3内にトナーGが少なくなった段階において比較的早期にトラブルが発生しても、素早く検知して警告処理を行い、そのトラブルの原因も迅速に排除することができる。このため、標準の閾値時間Eを採用した場合のように、トナー補給装置2においてトラブルが既に発生しているにもかかわらずそのトラブル発生の予測が遅くなり迅速な警告処理が実行できない場合が発生し、この結果、トナーが正常に補給されず、そのトラブルの原因の究明や排除が行われる前にトナー不足による従来例のような画質不良(白抜けや濃度低下など)が発生してしまうという不具合を回避することができる。
【0044】
また、ステップ8において、各スイッチのオン/オフ動作がありと判断された場合には、トナーカートリッジ3内のトナーGが消費されてなくなり新しいカートリッジ3と交換されたものと認定し、駆動用コントローラ25によってカートリッジ用駆動モータ33が駆動される(S12)。これにより、その新しいカートリッジ3からリザーブタンク4へ新たなトナーGが供給される。
【0045】
そして、その後、トナーセンサ5によるトナーの有無が検知され(S13)、この際「トナーなし」と検知されると、再びステップ8に戻されるが、「トナー有り」と検知されると、その検知信号が異常検知装置6におけるトナー量把握部61に入力され、これをきっかけにして同検知装置6における閾値時間変更制御部62により初期段階の閾値時間E2が「閾値時間E1」に再び変更される(S14)。これにより、その後においては、異常検知装置6における累積時間Tが閾値時間Eに達したか否かの判別は、初期段階における閾値時間E1のもとで行われることになる。
【0046】
また、この際、それまでのディスペンスモータ44の動作時間Tのカウント値についても同時にリセットされる(S15)。その後は、以上の各動作が同様に繰り返されることになる。
【0047】
図4は、本発明を適用した他の現像装置を示すものである。この現像装置1は、現像剤(トナー)補給装置20を備えたものであり、そのトナー補給装置20がリザブタンクを有しておらず、補給貯蔵器としてのトナーカートリッジ3と、そのカートリッジ3からトナーGを現像装置のトナー収容部1aにむけて送る接続供給路としての接続部材23と、現像剤検知手段としてのトナーセンサ5と、異常検知手段としての異常検知装置6とでその主要部構成され、また、トナーセンサ5を現像装置のトナー収容部1a内又はトナー搬送経路内に配設した以外は実施の形態1に係る現像装置と同じ構成からなるものである。
【0048】
そして、このタイプのトナー補給装置20も、その動作については以下の点で異なるのみで実施の形態1のトナー補給装置2の動作内容とほぼ同様である。すなわち、図2のタイミングチャートでは、リザーブタンク用駆動モータの動作がなく、その駆動モータの動作時間カウントに代えて、例えば現像装置1の駆動時間や画像形成枚数や画像の画素数等のカウントを行うようにした点で異なる。また、図3のフローチャートでは、ステップ3及びステップ10において上記した各値のいずれかのカウントをするようにし、また、ステップ4及びステップ15において上記カウントのリセットをするようにした点で異なる。
【0049】
従って、この実施の形態に係る現像装置においても、実施の形態1に係る現像装置の場合とほぼ同様にして、トナーの補給がなされるとともに、トナーセンサ5により「トナー有り」と検知されたときの動作が行われる。しかも、異常検知装置6における閾値(時間、枚数、量など)Eの初期段階の値E1の設定や、その後における閾値Eの変更についても同様にして行われる。
【0050】
[他の実施の形態]
実施の形態1、2では、トナー量把握部61は、トナーセンサ5からの検知情報を利用してトナー量を判別するようにしたが、本発明では、この他にも、例えば、リザーブタンク4内のオーガ43(ディスペンスモータ44)の作動時間Tの累積情報や、現像すべき画像の画素量(ピクセルカウント量)の累積情報を利用し、その各時間や画素量が判別すべきトナー量に相当する閾値に達した時点で、トナー量を判別するように構成してもよい。また、トナー量把握部61は、トナーセンサ5の検知情報、オーガ43の作動累積時間の情報、及び、画素量の情報を複数組み合わせて利用してトナー量を判別するように構成してもよい。
【0051】
また、実施の形態1、2では、補給貯蔵器として交換使用されるトナーカートリッジ3を例示したが、本発明では、固定されたトナーホッパー等であっても同様に適用することが可能である。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、トナーカートリッジ等の補給貯蔵器からの補給用現像剤の自然落下現象が発生することがあっても、その補給貯蔵器内にある現像剤を消費し尽くすまでの間、誤検知などによる稼働時間のロスもなく、より安定した現像剤の補給が行われるようになる。この結果、この現像装置を使用した場合には、トナー不足による白抜けや濃度低下等の画像不良が発生しない、良好な現像ひいては画像形成を安定して行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1に係る現像装置(トナー補給装置)の要部概要図である。
【図2】トナー補給装置の動作タイミングを示すタイミングチャートである。
【図3】トナー補給装置の動作内容を示すフローチャートである。
【図4】実施の形態2に係る現像装置(トナー補給装置)の要部概要図である。
【図5】自然落下するトナー量とカートリッジ内のトナー残量との関係を示す相関図である。
【図6】従来のトナー補給装置を備えた現像装置の概要図である。
【図7】図7のトナー補給装置と対策案の各動作タイミングを示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
1…現像装置、1a…トナー収容部、2、20…トナー補給装置、3…トナーカートリッジ(補給貯蔵器)、4…リザーブタンク(予備貯蔵器)、5…トナーセンサ(現像剤検知手段)、6…異常検知装置、23…接続部材(接続供給路)、31…排出口、32…アジテータ(搬送手段)、43…オーガ(送出手段)、61…トナー量把握部(現像剤量把握手段)、62…閾値時間変更制御部(制御手段)、G…補給用トナー、E…閾値時間、E…標準の閾値時間、E1…初期段階の閾値時間、E2…標準の閾値時間Eよりも短い閾値時間。

Claims (2)

  1. 現像装置に補給するための補給用現像剤を貯蔵し、その現像剤を排出口にむけて搬送するように作動する搬送手段が配設された補給貯蔵器と、
    この補給貯蔵器の下方側に配設され、その貯蔵器の排出口から排出されて供給される補給用現像剤を一時的に貯蔵し、その現像剤を現像装置の現像剤収容部にむけて送り出すように作動する送出手段が配設された予備貯蔵器と、
    この予備貯蔵器内の補給用現像剤の有無を検知する現像剤検知手段と、
    この現像剤検知手段が現像剤有りと検知している間に、前記予備貯蔵器の搬送手段の動作時間を累積計数し、その累積時間が閾値時間に達した時点で警告処理を実行する異常検知手段と
    からなる現像剤補給装置を備えた現像装置において、
    前記現像剤補給装置の異常検知手段に、
    前記補給貯蔵器内にある補給用現像剤の残量を予測検知して把握する現像剤量把握手段と、
    前記異常検知手段の閾値時間を初期段階では標準の閾値時間よりも長い時間に設定し、かつ、前記現像剤量把握手段により把握された現像剤量が閾値量になった時点で前記初期段階の閾値時間を標準の閾値時間よりも短い時間に変更する制御手段と
    を具備させたことを特徴とする現像装置。
  2. 請求項1記載の現像装置において、
    現像剤量把握手段は、前記現像剤検知手段の検知情報、前記送出手段の作動時間の情報及び現像すべき画像の画素量情報のうち少なくとも1つを利用して現像剤量を判別する手段であることを特徴とする現像装置。
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