JP2004354466A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】現像剤供給装置を備えた画像形成装置として、その現像剤供給装置による現像剤の供給量が画像形成装置間の特性の差やその使用環境または条件の違いによって大きくばらつくことがあっても、現像剤容器の現像剤の残量や有無を正確に予測して検知することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】記憶手段に累積して記憶保持される現像剤供給装置の累積動作量が現像剤容器の空状態になると予測される予測値に達するか否かを判断する制御手段を備え、その制御手段は、現像剤容器が交換されたときの現像剤供給装置の累積動作量を前記記憶手段に記憶保持するとともに、その記憶保持された複数の累積動作量を平均した値を前記予測値として使用するように構成した。
【選択図】 図6
【解決手段】記憶手段に累積して記憶保持される現像剤供給装置の累積動作量が現像剤容器の空状態になると予測される予測値に達するか否かを判断する制御手段を備え、その制御手段は、現像剤容器が交換されたときの現像剤供給装置の累積動作量を前記記憶手段に記憶保持するとともに、その記憶保持された複数の累積動作量を平均した値を前記予測値として使用するように構成した。
【選択図】 図6
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式、静電記録方式等を利用したプリンタ、複写機、ファクシミリ、複合機等に代表される、現像剤を用いて画像を形成する画像形成装置に係り、特に、着脱交換式の現像剤容器に収容されている現像剤を現像装置に供給する現像剤供給装置を備えた画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の画像形成装置においては、一般に以下のような現像剤を用いた画像形成が行われる。すなわち、感光体等の像担持体上に電子写真プロセス等により画像情報に応じて形成する静電潜像を現像装置から供給する粉体状の現像剤(例えば、トナーのみからなる一成分現像剤、又はトナーとキャリアからなる二成分現像剤)により現像してトナー像とした後、そのトナー像を記録紙等の記録媒体に直接又は中間転写体を介して転写するとともに加熱加圧して記録媒体に定着させる。これにより現像剤からなる画像が形成される。
【0003】
また、このような画像形成装置では、上記画像形成時の現像動作により現像装置内の現像剤が消費されて次第に減少することから、その減少した分を補う目的で新たな現像剤(通常はトナーのみ)を現像装置に供給する現像剤供給装置を装備していることが多い。かかる現像剤供給装置としては、その現像装置に供給すべき現像剤を収容する着脱交換式(カートリッジ式)のトナーボトル等の現像剤容器を使用し、この容器内に収容されている現像剤を現像装置に直接または現像剤搬送通路を介して供給するものがある。
【0004】
ところで、このような現像剤供給装置を備えた画像形成装置では、その現像剤容器に収容されている現像剤の残量や有無を検知する必要があり、その現像剤の残量や有無を検知する手段として以下のようなものが主に採用している。
【0005】
その1つとしては、現像剤容器から排出される現像剤の有無などを光学式センサ、圧電センサ等の検知センサで直接的に検知する方式がある(例えば特許文献1)。それ以外のものとしては、現像装置内にある現像剤の状態(例えばトナー濃度)などを検知センサで検知するか、あるいは所定の基準画像を形成してその画像濃度を検知して現像剤容器内の現像剤残量を予測するような方式が可能である。
【0006】
しかし、前者の方式では、現像剤容器内で現像剤が凝集固化(ブロッキング)したり現像剤搬送部材の故障等によって良好に搬送されず容器外に排出されないことがあると、現像容器容器内には現像剤が十分にあるにもかかわらず「現像剤無し」と誤検知してしまう。
【0007】
また、後者の方式では、現像剤供給装置による現像剤容器からの現像剤の供給遅れや現像装置内での現像剤の使用状況の違い等により、現像装置内での現像剤の状態やその現像剤で形成される基準画像の濃度がばらつくことがあり、この場合には現像剤残量について正確に予測することができず誤検知してしまうことがある。
【0008】
一方、このような問題などを解消するための画像形成装置として、現像剤補給手段(現像剤供給装置の1種)の累積補給時間を記憶手段に保存し、その累積補給時間が所定の値に達したときに現像部のトナー濃度の検出結果からトナー収容部のトナー切れを検知するトナー検知手段(前記後者の方式の1種)の検知動作を開始するように構成したものが提案されている(特許文献2)。
【0009】
【特許文献1】特開平10−326038号公報
【特許文献2】特開2002−258596号公報(請求項2、段落0029〜0031、図12など)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記提案の画像形成装置においては、以下のような問題がある。
【0011】
まず、その現像剤補給手段による現像剤の補給量(ひいては累積補給時間)は、通常、画像形成装置間の特性の差やその使用環境または条件(画像形成内容等)の違いによって大きくばらつくことがある(図8参照)。このため、かかる累積補給時間を常に同じ所定の値を用いて対比判断していると、画像形成装置どうしの違いや使用情況の違い等により現像剤容器の空状態と判断されるタイミングなどが異なってしまう。したがって、その現像剤の残量や有無を検知するうえで、その検知の正確さに欠けることがある。
【0012】
また、現像剤容器が空状態になる前に取り外されて新しいものに交換された場合には、現像剤容器と現像剤補給時間の累積情報との関係などが不明になって所定の値との対比判断が不能になり、現像剤容器における現像剤の残量や有無を正確に検知することができなくなる。
【0013】
さらに、現像剤の収容量が異なる現像剤容器を混在させて使用するような場合にあっては、その収容量が異なる現像剤容器どうしの間で現像剤補給時間と所定の値との対比判断が混乱してしまい、やはり現像剤の残量や有無を検知するうえでの正確さに欠けることがある。
【0014】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、上述したような現像剤供給装置を備えた画像形成装置として、その現像剤供給装置による現像剤の供給量が画像形成装置間の特性の差やその使用環境または条件の違いによって大きくばらつくことがあっても、現像剤容器の現像剤の残量や有無を正確に予測して検知することができる画像形成装置を提供することにある。
【0015】
また、本発明の他の目的とするところは、現像剤容器が使用可能であるにもかかわらず途中で交換された場合や現像剤の収容量が異なる現像剤容器を混在させて使用する場合であっても、現像剤容器の現像剤の残量や有無を正確に検知することができる画像形成装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明の画像形成装置は、画像情報に応じて形成される静電潜像を現像剤により現像する現像装置と、この現像装置に供給するための現像剤を収容する着脱交換式の現像剤容器と、この現像剤容器に収容されている現像剤を前記現像装置に供給する現像剤供給装置と、この現像剤供給装置の現像剤供給時における動作の量を書き換え可能に記憶保持する記憶手段と、この記憶手段に累積して記憶保持される前記現像剤供給装置の累積動作量が、前記現像剤容器の空状態になると予測される予測値に達するか否かを判断する制御手段とを備えた画像形成装置であって、前記制御手段は、前記現像剤容器が交換されたときの前記現像剤供給装置の累積動作量を前記記憶手段に記憶保持するとともに、その記憶保持された複数の累積動作量を平均した値を前記予測値として使用することを特徴とするものである。
【0017】
ここで、上記現像剤容器は、通常、画像形成装置本体(の現像剤容器装着部)に対して着脱自在に装着して使用する着脱交換式の形態のものであり、その形態等については特に制約されるものではない。この現像剤容器に収容する現像剤は、通常、トナーからなる一成分現像剤や、トナー及びキャリアからなる二成分現像剤のうちのトナーであるが、必要に応じて二成分現像装置におけるトナーおよびキャリアの双方であってもよく、最終的にその現像剤の供給先である現像装置に補給すべき条件に応じて適宜選定すればよい。
【0018】
上記現像剤供給装置は、現像剤容器と現像装置がほとんど直結した状態で位置する構造であれば、その現像剤容器内に設けられる現像剤搬送部材と、その搬送部材に駆動力を与える駆動源等とで構成される。また、現像剤容器と現像装置の間に現像剤搬送通路を設置する構造であれば、その現像剤搬送通路と、その通路内に設けられる現像剤搬送部材と、その搬送部材に動力を与える駆動源等とで構成される。
【0019】
この現像供給装置による現像剤供給は、例えば、形成すべき画像の画素数等に基づいて算出される予測消費量や、濃度測定用として形成される基準画像の濃度測定結果に基づいて算出される調整量などの情報に基づいて画像形成中に適宜配分しながら行われる。
【0020】
上記記憶手段は、現像剤供給装置の現像剤供給時における動作の量を累積して書き換え可能に記憶保持することに適したものであればよく、その形式、形態等については特に制約されない。その記憶する現像剤供給装置の動作量としては、動作時間や動作状態(回転数など)などの要素が挙げられる。この記憶手段は、装置本体(の制御部)側にのみ設置したものであってもよいが、装置本体側に加えて現像剤容器側に取り付けるものを使用することが好ましい。特に現像剤容器として複数種のものを使用する画像形成装置では、その各現像剤容器ごとに固有の情報を記憶させることやその記憶情報を識別情報として利用することができる等の観点から、その各現像剤容器側に個別に取り付けた記憶手段を使用することが好ましい。
【0021】
そして、この制御手段は、現像剤容器の空状態になると予測される予測値に達するか否かを少なくとも判断するものである。また、現像剤容器が交換されたときの現像剤供給装置の累積動作量を記憶手段に記憶保持するとともに、その記憶保持された複数の累積動作量を平均した値を予測値として使用するものである。上記予測値は、現像剤容器内の現像剤が無くなってその容器が完全に空状態になる手前の状態を見極めるための値であって、その容器内に或る程度の量の現像剤が残っており、まもなく空状態の手前段階と達するだろうと予測される値である。この予測値としては、最初、予め適宜設定した初期値が使用される。また、予測値としては、後述するように、必要に応じて、その値をそのまま使用するのではなく、そのうちの何割かの値を使用するように補正した値を用いてもよい。平均するために使用される累積動作量は、少なくとも2つ以上、好ましくは3つ以上であればよい。その累積動作量には、最初に予め設定される初期値としての予測値を含めてもよい。
【0022】
このような画像形成装置によれば、現像剤容器が交換されたときの現像剤供給装置の累積動作量が当該現像剤容器の交換履歴情報として記憶手段に残されるとともに、その過去複数の累積動作量を平均した値が現像剤容器の空状態になると予測される予測値として更新されて使用される。これにより、その累積動作量と予測値との対比判断が、現像剤供給装置による現像剤の供給量が画像形成装置間の特性の差やその使用環境または条件の違いによって大きくばらつくことを加味(考慮)して行われることになるため、かかる違いが存在していても現像剤容器の現像剤の残量や有無を正確に予測検知できるようになる。
【0023】
また、このような画像形成装置においては、前記現像剤容器の現像剤残りの有無を検知する検知手段を設置し、かつ、前記制御手段は、前記現像剤供給装置の累積動作量が予測値に達したときに前記検知手段の検知結果を確認して前記現像剤容器が空状態になったか否かを判断するように構成するとよい。
【0024】
この場合、上記検知手段としては、例えば、現像剤容器から排出される現像剤の有無を直接的に検知するセンサや、現像装置における現像剤の有無を検知するセンサや、基準画像を形成してその画像濃度を測定して間接的に予測検知するセンサ等が挙がれられる。この検知手段の検知結果を確認して現像剤容器が空状態になったか否かの判断は、例えば、その検知結果が現像剤無しとの検知結果であったときに「現像剤容器が空状態である」と判断するようにする。また、このような判断を行う場合、検知手段の検知動作そのものは、少なくとも前記累積動作量が予測値に達した段階で実行するように構成すればよいが、必要により、画像形成動作中、現像剤供給中等の一定の時期は継続して実行させるように構成しても構わない。
【0025】
さらに、上記各画像形成装置における記憶手段は現像剤容器に取り付ける記憶手段を含むものであり、かつ、その現像剤容器に取り付けた記憶手段には、少なくともその現像剤容器に収容される現像剤量に応じて設定される予定動作量が予め記憶保持させるように構成するとよい。この場合、その予定動作量を現像剤容器の識別情報として利用することが可能になる。
【0026】
また、この場合、制御手段は、現像剤容器に取り付けた記憶手段に現像剤供給装置の動作量を累積して記憶保持するように構成するとよい。これにより、現像剤容器が修理点検等において途中で取り外された後に再装着されることがあっても、当該現像剤容器の累積動作量が継続して把握され、予測値との対比判断も適切に行われるようになる。
【0027】
また、現像剤容器に取り付ける記憶手段を記憶手段の一部として含む上記各画像形成装置においては、前記予定動作量が異なる現像剤容器を使用する場合、制御手段は、その予定動作量が同じ前記現像剤容器ごとに、前記現像剤供給装置の累積動作量を分類して記憶保持するとともに、その同じ分類で記憶保持された複数の累積動作量どうしを平均した値を前記予測値として使用するように構成するとよい。これにより、現像剤容器が途中で新品に交換された場合や現像剤収容量が異なる現像剤容器を混在させて使用する場合であっても、累積動作量と予測値との対比判断が同種の現像剤容器ごとに整然と行われるようになる。
【0028】
以上の各画像形成装置における制御手段は、前記予測値に基づいて現像剤容器の現像剤残量に関する表示を行うように構成するとよい。予測値に基づく現像剤残量に関する表示を行うとは、例えば、累積動作量が予測値(時にはその何割かの値)に達したときに現像剤残量が少なくなった等の警告表示を行うことである。この場合には、予測値が前述したように更新されるため、正確な予測値に基づく表示を行うことが可能となり、その表示自体も正確なものになる。
【0029】
なお、以上のような本発明の画像形成装置は、現像剤により形成される画像を記録用紙等の記録媒体に直接又は中間転写体を介して転写することにより所望の画像を形成することができるものであればよく、特にその形式、形態等について制約されるものではない。特に画像形成装置が色の異なる複数色のトナーを用いてカラー画像を形成するカラー画像形成装置である場合には、前記現像装置、現像剤容器及び現像剤供給装置の組み合わせが独立して複数備えた構成になることもある。
【0030】
【発明の実施の形態】
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の形態1に係る画像形成装置としてのカラープリンタを示すものである。
【0031】
<プリンタ全体の基本構成>
このカラープリンタは、その筐体1内に、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー像を形成する作像ユニット10と、この作像ユニット10に記録用紙Pを供給する給紙ユニット30と、この給紙ユニット30から供給した記録用紙Pに作像ユニット10の通過時に転写される各トナー像を定着させる定着ユニット40と、作像ユニット10(の各現像装置)にトナーを補給するように供給する4つのトナー供給装置50(Y,M,C,K)とが主に配置されている。図中の符号90はプリンタの各部位の動作等を制御する制御装置、95は電源装置を示す。
【0032】
作像ユニット10は、前記Y,M,C,Kの色のトナー像を専用に形成するための各感光ドラム11Y,11M,11C,11Kを上下方向に一定の間隔をあけて配置し、その各感光ドラム11(Y,M,C,K)の回りに、その各感光ドラム11の表面を接触した状態で帯電させる帯電ロール12(Y,M,C,K)と、その各感光ドラム11に現像剤(トナー)を供給する現像装置14(Y,M,C,K)とを有する作像ユニット10とを同様にそれぞれ配置している。各感光ドラム11(Y,M,C,K)は、有機感光材料からなる感光層が形成されたドラム状の回転体であり、図1中において反時計回りの方向に回転駆動する。上記各帯電ロール12には、電源装置95から所定の帯電用電圧がそれぞれ供給されている。
【0033】
上記各現像装置14はいずれも、トナー(T)及びキャリアからなる二成分現像剤を使用して磁気ブラシ接触型現像を行う二成分現像装置であり、その装置内に収容される二成分現像剤を攪拌しながら搬送する攪拌搬送部材(図示省略)と、この攪拌搬送部材により搬送される二成分現像剤を担持して感光ドラム11と対向する現像域に搬送する現像ロール(15)とで主に構成されている。現像ロールはいずれも、回転する円筒状のスリーブ(図示省略)とそのスリーブの内部に配置されるマグネットロール(図示省略)とで構成されるものであり、そのスリーブには電源装置95から所定の現像バイアスがそれぞれ供給されている。
【0034】
また、作像ユニット10は、各感光ドラム11の帯電ロール12と現像装置14の間に対し、前記Y,M,C,Kの各色の静電潜像を画像信号に応じて形成する各レーザビーム光LBを光学系(図示省略)を介して各感光体ドラム11の表面にそれぞれ照射するレーザ式潜像形成ユニット(露光装置)13が配置されている。レーザ式潜像形成ユニット13に対しては、このプリンタに接続されるパーソナルコンピュタータ等の外部接続機器から入力される画像情報(プリント内容の情報)が制御装置90における画像処理装置により処理された後に、正式な画像信号として入力される。
【0035】
さらに、作像ユニット10は、各感光ドラム11(Y,M,C,K)で形成されるトナー像を記録用紙Pに転写するための転写装置が配置されている。この転写装置は、4つの感光ドラム11のうちで2つの感光体ドラム11Y,11Mに接触する第1の一次中間転写ドラム21と、他の2つの感光ドラム11C,11Kに接触する第2の一次中間転写ドラム22と、この第1の一次中間転写ドラム21と第2の一次中間転写ドラム22に同時に接触する二次中間転写ドラム23と、この二次中間転写ドラム23に接触する最終転写ロール24とでその主要部が構成されている。
【0036】
この転写装置において、中間転写ドラム21、22はいずれも、円筒状のロール芯材の表面に導電性シリコーンゴム等からなる弾性ゴム層を形成した構造のものであり、図1中において時計回りの方向に回転駆動する。中間転写ドラム23は、円筒状のロール芯材の表面に導電性シリコーンゴム等からなる弾性ゴム層を形成するとともにフッ素ゴム等からなる離型層を形成したものであり、反時計回りの方向に回転駆動する。また、最終転写ロール18は、ロール芯材にウレタンゴム等からなる被覆層を形成した構造のものであり、図1中において時計回りの方向に回転自在になっている。
【0037】
さらに、各中間転写ドラム21、22、23には電源装置95から所定の各一次転写用電圧や二次転写用電圧がそれぞれ供給されており、また、最終転写ロール18には電源装置95から所定の三次転写用電圧が印加されている。しかも、各中間転写ドラム21、22、23には、その表面に付着するトナー等の不要付着物を除去するための図示しない清掃部材が設置されている。
【0038】
給紙ユニット30は、筐体1の前方側(図1では右側)に引き出し可能に装着された、複数枚の記録用紙Pを積載して収容する用紙トレイ31と、この用紙トレイ31に収容されている記録用紙Pをその最上部のものから1枚ずつ送り出すロール式の用紙送出装置32とで主に構成されている。
【0039】
定着ユニット40は、回転駆動するように支持されるとともに加熱ランプがロール中空内に設置された加熱ロール41と、この加熱ロール41に圧接した状態で回転するように支持された加圧ロール42と、用紙排出ロール43とで主に構成されている。
【0040】
図1中の1点鎖線は、記録用紙Pの主な用紙搬送路である。この用紙搬送路は、複数の用紙搬送ロール35、37、レジストロール36、用紙搬送ガイド(図示省略)等を適宜配置することで形成されている。また、図中の1aは、定着後に筐体1内から排出される記録用紙Pを積載した状態で収容する傾斜曲面からなる排紙部である。
【0041】
4つのトナー供給装置50(Y,M,C,K)はいずれも、図1〜3に示すように、前記Y,M,C,K色のトナーがそれぞれ収容された円筒状のトナーボトル60Y,60M,60C,60Kを着脱可能に保持するとともにその各トナーボトル60内のトナーを一時的に貯留するホルダー51Y,51M,51C,51Kと、この各ホルダー51と各現像装置14の間を接続するように配置されるトナー搬送パイプ52Y,52M,52C,52Kと、各ホルダー51内に貯留されるトナーを各トナー搬送パイプ52側に送り込むためのオーガー53(Y,M,C,K)と、この各トナー搬送パイプ52内に送り込まれるトナーを現像装置14側にむけて搬送する螺旋状の搬送部材54(Y,M,C,K)とでその主要部が構成されている。図2a中において符号14aは現像装置14の開口部、15は開口部14から一部露出する現像ロールである。
【0042】
各トナー供給装置50におけるホルダー51はいずれも、円筒状のトナーボトル60の下半分を保持するほぼ半円筒状の形態からなるホルダー本体部51aと、このホルダー本体部51aの下方側に突出するように形成されるトナー貯留部51bとで形成されている。この各ホルダー本体部51aの一端部側には、トナーボトル60が装着されているか否かを検知するトナーボトル装着検知センサ55(Y,M,C,K)がそれぞれ取り付けられている。また、このトナー貯留部51bには、トナーボトル60から排出されて貯留されるトナーが存在するか否かを検知するトナー検知センサ56(Y,M,C,K)がそれぞれ取り付けられている。
【0043】
オーガー53は、回転軸にトナー送り羽根を螺旋状に巻きつけるような状態で形成してなるものであり、トナー貯留部51bの底部空間内に回転可能に取り付けられている。また、オーガー53は、図2に示すように、ディスペンス用のモータ(以下、単に「DPモータ」とも略称する)57(Y,M,C,K)の回転動力が所定の減速ギア列58(Y,M,C,K)を介して伝えられることにより回転する。このディスペンス用のモータ57としては、ステッピングモータが使用されるが、必要に応じてDCモータ、ACモータ等の別のモータを使用しても構わない。
【0044】
トナー搬送パイプ52は、フレキシブルなプラスチック製パイプからなるものであり、その一端部が各ホルダー51の貯留部51bのトナー送出口51cに接続され、その他端部が各現像装置14のトナー受入口14bに接続されている。螺旋状の搬送部材54は、トナー搬送パイプ52の内部に挿入して回転し得るように、金属製の線材をトナー搬送パイプ52の内径よりも小さい巻き径でかつ所定のピッチで螺旋状に巻いてなるものである。また、この螺旋状の搬送部材54は、その一端部が前記オーガー53の先端部と連結され、その他端部が自由端となっており、オーガー53の回転に伴って同時に回転するようになっている。
【0045】
トナーボトル60は、図2や図3に示すように、トナー供給装置50のボルダー51に着脱可能に装着して使用される形式のものである。具体的には、1端部側の下部面にトナー排出口62が形成された円筒状のボトル本体61と、そのボトル本体61の両端部の開口を塞ぐ蓋体63、64と、この蓋体63、64に回転可能に支持され、ボトル本体61の内部でトナーEを排出口61にむけて搬送するように回転するアジテータ65(この例では、回転支持体65aの先端部にボトル内面に接触するフィルム65bを取り付けたもの)とで主に構成されている。
【0046】
上記アジテータ65は、その一端部に取り付けられたギア67が前記減速ギア列58の一部と噛み合い、前記DPモータ57の回転駆動力が伝えられることにより回転するようになっている。また、各トナーボトル60は、筐体1の前記排紙部1aに取り外し可能に取り付けられている蓋(図示省略)を取り外した状態で、その下方に露出する各トナー供給装置50のホルダー51に載置して収納するように装着させるようになっている。
【0047】
<基本的なプリント動作>
このカラープリンタによるフルカラー画像のプリントは、概略、次のように行われる。
【0048】
まず、作像ユニット10において4つの感光ドラム11(Y,M,C,K)が帯電ロール12により一様に帯電された後、その帯電された各感光ドラム11の表面にレーザ式潜像形成ユニット13からY,M,C,Kの各色に対応したレーザビーム光LBが別々に照射され、プリンタへの入力情報に応じた各色の静電潜像が形成される。次いで、その各感光ドラム11上の各静電潜像は、各現像装置14によって現像され、Y,M,C,Kの各色のトナー像として可視化される。
【0049】
続いて、各感光ドラム11上に形成された各色のトナー像は、第1の中間転写ドラム21及び第2の一次中間転写ドラム22上に静電的に一次転写される。すなわち、感光ドラム11Y,11Mに形成されたY,Mの色のトナー像は第1の中間転写ドラム21上に、感光ドラム11C、11Kに形成されたC,Kの色のトナー像は第2の中間転写ドラム22上にそれぞれ転写される。これにより、第1の中間転写ドラム21上にはM色のトナー像とY色のトナー像とが形成され、一方、第2の中間転写ドラム22上にはC色のトナー像とK色のトナー像とが形成される。
【0050】
次いで、第1及び第2の一次中間転写ドラム21、22上にそれぞれ形成された各トナー像は、二次中間転写ドラム23上に静電的に二次転写される。これにより、二次中間転写ドラム23上には、第1の中間転写ドラム21上のトナー像(Y,M)と第2の中間転写ドラム22上のトナー像(C,K)とがそれぞれ転写されて4色(Y,M,C,K)のトナー像が形成される。この4色がトナー像は、第2の二次中間転写ドラム23の回転に伴って最終転写ロール24と圧接する最終転写部にむけて搬送される。
【0051】
この作像ユニット10でのトナー像の形成に合わせた所定のタイミングで、上記最終転写部にむけて給紙ユニット30から記録用紙Pが供給される。すなわち、収容トレイ31に収容された記録用紙Pが、用紙送出装置32により1枚だけ用紙搬送路に送り出されてレジロール36で一旦停止させられた後に、そのレジロール36により所定のタイミングで最終転写部に送り込まれる。これにより、二次中間転写ドラム23上の4色(Y,M,C,K)のトナー像は、この二次中間転写ドラム23と最終転写ロール24の圧接部である最終転写部に送り込まれる記録用紙Pに加圧された状態で静電的に三次転写される。
【0052】
次いで、この4色のトナー像が転写された記録用紙Pは、定着ユニット40に送られ、その定着ユニットの加熱ロール41と加圧ロールの間を通過することにより加熱加圧されて定着処理された後、排紙部1aに排出される。以上のような一連の画像形成プロセスが実行されることにより、記録用紙P上にフルカラー画像が形成される。
【0053】
<トナー補給の構成および動作>
このプリンタでは、上述したような画像形成プロセスを繰り返すことにより各現像装置14(Y,M,C,K)内のトナーが消費されて減少するため、所定のタイミングで各トナー供給装置50(Y,M,C,K)による各色のトナーの補給(例えば消費された分に相当する量のトナー補給)がそれぞれ行われる。
【0054】
このプリンタにおけるトナー補給は、まず基本的に、制御装置90内における画像処理装置等からレーザ式潜像形成ユニット13に送信される画像信号(ビデオ信号)の量をカウントし、そのカウント値に基づいて現像工程で消費されるトナーの量を予測し、その予測した情報に基づいて後述する制御装置(制御部70)の制御動作により行うように構成されている。
【0055】
すなわち、そのカウント値をトナー供給装置50におけるDPモータ57の補給用駆動量(回転数や回転時間)に換算した値として算出したうえで、次のプリント動作(ジョブ)時に、その補給用駆動量に基づいてDPモータ57を所要の時間だけ駆動させることにより行われる。
【0056】
また、このトナー補給は、補助的に、濃度制御用の基準トナー像(パッチ)を各色ごとに感光ドラム11で形成した後に中間転写ドラム(例えば最終転写ドラム24)に転写させ、その転写ドラム上でパッチの画像濃度を図示しない光学式の濃度検出センサで計測し、その情報結果に基づいて上記トナー補給量を後述する制御装置(制御部)の制御動作により更に適切な値に調整するように構成されている。
【0057】
すなわち、そのパッチ濃度の測定値を基準値と比較したうえで、その測定値が基準値を下回る(濃度が低い)場合には、次回以降のプリント動作時にトナー補給量(DPモータ57の補給用駆動量)を所定割合で増やすように適宜配分して調整したうえで実際のトナー補給が実行される。反対に、その測定値が基準値を上回る(濃度が高い)場合には、次回以降のプリント動作時にトナー補給量を所定の割合で減らすように適宜配分して調整したうえで実際のトナー補給が実行される。このパッチ形成とその濃度測定は、累積プリント枚数が所定の枚数に達した段階等において行われる。
【0058】
そして、このトナー補給の要求(DPモータ57の駆動要求)があると、各色のトナー供給装置50におけるDPモータ57が所定の駆動量分(この例では駆動時間分)だけそれぞれ回転駆動する。
【0059】
これにより、各トナーボトル60(Y,M,C,K)に収容されている各色のトナーEが、そのアジテータ65の回転によりボトル本体61のトナー排出口62から各トナー供給装置50のホルダー51の貯留部51bに落下して貯留される。またこれと同時に、各ホルダー51の貯留部51bに貯留されている各トナーEが、DPモータ57の回転駆動により回転するオーガー53により各トナー搬送パイプ52に送り出された後、その各トナー搬送パイプ52内でオーガー53と連動して回転する螺旋状の搬送部材(例えば線材を螺旋状に巻いてなるアジテータ)54により搬送される。この結果、その各色(Y,M,C,K)のトナーは、各トナー搬送パイプ52(Y,M,C,K)を介して現像装置14に補給される。
【0060】
なお、このトナーの補給を繰り返すことにより、トナーボトル60内のトナーが無くなった場合には、その使い切った使用済みのトナーボトル60をホルダー51から取り外し、そのホルダー51に新品のトナーボトル60を装着することになる。
【0061】
<トナーボトルのトナー空検知に関する構成>
そして、このカラープリンタでは、トナーボトル60(Y,M,C,K)のトナーが無くなって空状態になることについて、次のようなトナー空検知方式によって検知している。
【0062】
すなわち、各トナー供給装置50(Y,M,C,K)の動作量を随時所定の記憶手段にそれぞれ記憶保持させ、その記憶保持される累積動作量が所定の予測値(各トナーボトル60(Y,M,C,K)が空状態になると予測される動作量)に達するか否かを判断する。そして、その累積動作量が予測値に達したときに前述のトナー検知センサ56(Y,M,C,K)の検知結果を確認し、その検知結果が「トナー無し」であるときに「トナーボトルが空状態である」と判定するようになっている。また特に、このトナー空検知方式では、上記予測値が、交換されるときのトナーボトル60の累積動作量に関する過去の蓄積情報を複数利用して後述するような予測値の見直す処理を行うようになっている。
【0063】
図4は、このトナー空検知に関する動作等を行うための制御手段の構成を示すブロック図である。
【0064】
図4中において符号70は、マイクロコンピュータ等で構成される制御部であり、前記したプリンタの各部位を制御する制御装置90の一部として組み込まれているか、あるいは別の部位に独立して取り付けられている。この制御部70には、制御プログラム等が記憶されるROMや、制御情報や各種情報が可能に書き換え記憶保持されるRAM等からなる記憶手段71を具備している。
【0065】
上記記憶手段71の書き換え可能に記憶保持することができる不揮発性メモリ72には、トナーボトル60ごとの空状態になると予測される予測値Tp(トナー供給装置の累積駆動時間に換算した値)が記憶保持されている。この予測値Tpは、予め使用対象のトナーボトル60について、その収容されているトナーをすべて使い切るまでトナー補給を伴う試験的プリント動作を行ったときに得られるデータ等に基づいて決定される。すなわち、そのデータからトナーボトルが完全に空状態になる手前の状態として予測される値に適宜決定される。
【0066】
また、不揮発性メモリ72には、トナー供給装置50(Y,M,C,K)の動作量としての駆動時間T(Y,M,C,K)が所定のカウント値として累積的に記憶保持される。この動作量の駆動時間Tは、このプリンタによるプリント動作が開始されたときにトナー補給のためのDPモータ57の駆動要求があると、前述したように決定される補給用駆動量(時間)に応じてDPモータ57が回転駆動するとともに、その補給用駆動量が駆動時間Tとしてメモリ71に記憶保持される。この場合、その駆動時間Tは、後述するトナーボトルごとに付される予定動作量(Ts)の種類ごとに分類して累積保存できるようにしている。
【0067】
また、制御部70には、前記トナーボトル装着検知センサ55(Y,M,C,K)や前記トナー検知センサ56(Y,M,C,K)等がそれぞれ接続されており、その各センサ55、56から各検知情報(トナーボトルの装着および非装着、トナーの有無等の情報)が入力される。この他にも、制御部70には、前述したような画像処理装置91から画像信号の累積カウント値の情報が入力されるとともに、前述したような濃度検出センサ29から測定値が入力される。
【0068】
さらに、制御部70には、プリンタの各種状態やメッセージ等を表示する液晶パネルからなる表示部19や、各トナー供給装置50におけるDPモータ57の駆動をそれぞれ制御するDPモータ駆動制御部75(Y,M,C,K)がそれぞれ接続されており、その表示部19や各モータ駆動制御部75に制御部70から所定の表示信号や制御信号を送り出すようになっている。表示部19は、通常プリンタ筐体1の所定部位に設置されるものであるが、このプリンタに接続される外部接続機器の表示部を利用するものであってもよい。
【0069】
また、このプリンタでは、図2、3に示すように、各トナーボトル60(Y,M,C,K)の底部側に書き換えが可能な不揮発性のメモリ80(Y,M,C,K)をそれぞれ取り付けている。
【0070】
また、この各不揮発性メモリ80に記憶されている情報の読み出しやその各メモリ80への情報の書き込み(書き換え)をそれぞれ行うための非接触式のメモリ読み書き装置81(Y,M,C,K)をトナー供給装置50等の所定部位に設置している。図中の符号81aは、メモリ読み書き装置81における読み書き用のヘッド部(アンテナ部などを含む)を示す。トナー供給装置のホッパー51には、上記メモリ80と書き込み装置の一部(読み取りや書き込みなどを行うヘッド部分)と対向する部位に開口部51bを形成している。
【0071】
メモリ読み書き装置81(Y,M,C,K)は、図4に示すように前記制御部70に接続されており、各不揮発性メモリ80(Y,M,C,K)に記録保持されている情報の読み出し情報を制御部70に入力したり、あるいは、制御部70から出される必要な情報をその各メモリ80(Y,M,C,K)に書き込むようになっている。この実施形態では、メモリ読み書き装置81として、不揮発性メモリ80との間で無線方式(具体的にはRFID、電磁結合方式)による読み書きが可能なものを適用しているが、接触方式のものを適用しても構わない。
【0072】
上記各不揮発性メモリ80(Y,M,C,K)には、図4に示すように、トナーボトル60(Y,M,C,K)ごとに収容するトナーEの収容量に応じて設定される予定動作量:Ts(Y,M,C,K)が記憶保持されている。この予定動作量Tsは、各トナーボトル60の識別情報として利用することができる。また、各不揮発性メモリ80には、そのメモリが取り付けられているトナーボトル60ごとに、トナー供給装置50の動作量としての駆動時間T(Y,M,C,K)が所定のカウント値として累積的に書き込まれるようになっている。そして、この各不揮発性メモリ80に記憶されている各種情報は、トナーボトル60を装着したときにメモリ読み書き装置81で読み取られて制御部70(の記憶手段71)に保存される。
【0073】
<トナーボトルのトナー空検知の動作>
以下、このトナー空検知の動作について図5などを参照しつつ説明する。なお、以下に例示するトナー空検知は、各色のトナーボトル60として常に同じトナー収容量のものを交換しながら使用する場合を前提としている。
【0074】
まず、このトナー空検知動作が例えば前記トナー補給の開始に伴って開始されると、制御部70は、記憶手段71における不揮発性メモリ72に記憶保持されている最新の累積駆動時間Tの情報を読み出す(ステップS10)。この実施の形態では、トナー補給動作中にトナー検出センサ57による検知動作が実行されている(これは、主に、まったく予測し得ない時期にトナー無しの状況が突然発生しても、その事実を検知するようにする必要があるためである。)。また、この最新の累積駆動時間Tは、トナーボトル60の不揮発性メモリ80に記憶されているものを読み出すことも可能である。
【0075】
次いで、この累積駆動時間Tが予測値Tp以上であるか否かが判断される(S11)。このときの判断は、図5に例示するように、予測値Tpに補正値A(%)を乗じた値と対比してもよい。
【0076】
補正値Aは、予測値Tpを少なめに(何割の値として)扱ってトナーボトル60に現像剤が確実に残っている時点を特定し、そのときの状態でトナー検出センサ57の検知結果を確実に反映させることができるように調整するものである。予測値として上記予測値Tpに補正値Aを乗じた値を用いることによって、トナーボトル60にトナーが十分に残っているにもかかわらず、トナー検出センサ57が「トナー無し」と検知してしまう誤検知の発生を回避(把握)することが可能になる。このような補正値Aは、例えば80%程度の値を目安にして適宜設定される。
【0077】
このとき最新の累積駆動時間Tが予測値(補正後のものも含む)に達していないと判断した場合は、トナーボトル60にはトナーが十分に残っているため、トナー空検知の動作は終了する。
【0078】
一方、最新の累積駆動時間Tが予測値に達したと判断した場合には、トナーボトル60のトナー残量が少なくなって空状態になる時期が近づいていることが予測できるため、このときに初めてトナー供給装置50(Y,M,C,K)における各ホルダー51内のトナーの有無を検出するトナー検出センサ57(Y,M,C,K)の出力結果が確認される(S12)。
【0079】
これにより、実際のトナー補給によりトナーボトル60にトナーEが少なくなった段階でトナーの有無の検知が行われる。この結果、トナー空検知をトナー検出センサ57の結果のみに基づいて行っている既述した従来技術の場合のように、トナーボトル60にトナーEが十分に残っているにもかかわらずトナー無と判断してしまうという誤検知の発生を防止することが可能となる。
【0080】
そして、このステップS12においてトナー検出センサ57の検出結果が「トナー有」であるときには、該当するトナーボトル60(Y,M,C,K)の交換をユーザに促すための交換警告(メッセージ。例えば「トナーボトルの交換時期になりました。」)が表示部19に表示される(S16)。
【0081】
しかし、トナー検出センサ57の検出結果が「トナー無」であるときには、該当するトナーボトル60(Y,M,C,K)はすでに空状態であることが予測できるため、トナーボトルの交換をユーザに直ぐに行ってもらうことを指示する交換指示(メッセージ。例えば「トナーボトルを交換してください。」)が表示部19に表示される(S13)。この表示が出された段階では、制御装置90によりプリント動作が禁止されるように制御される。
【0082】
この交換指示が表示されると、トナーボトル装着センサ55の出力結果が確認される(S14)。その出力結果が有る場合には、交換指示の表示に対してユーザが該当するトナーボトル60の交換を行ったものとみなすことができる。反対に、その出力結果がない場合には、トナーボトル60の交換が行われていないものとみなすことができ、その出力がなされるまで出力結果の確認が行われる。
【0083】
トナーボトル60の交換が行われた場合には、以下のような予測値Tpの見直し処理が実行される(S15)。なお、以下に示す見直し処理は、各色のトナーボトル60として常に同じトナー収容量のもの(即ち予定駆動量Tsが同じもの)を交換しながら使用する場合を前提としている。
【0084】
まず、図6に示すように、その交換で取り外されたトナーボトル60(Y,M,C,K)の最終的な累積駆動時間(Tn)が制御部70における不揮発性メモリ72に記憶保持される(S30)。この場合、その最終的な累積駆動時間(Tn)は、該当するトナーボトル60に取り付けた不揮発性メモリ80にもメモリ読み書き装置81を介して同時に記憶保持される。
【0085】
次いで、その不揮発性メモリ72に過去に記憶保持した累積駆動時間の情報があるか否かが判断される(S31)。この際、その過去の累積駆動時間の記憶情報がない場合には予測値の見直し処理は行われない。この場合、その後に行われるトナー空検知の予測値を用いた判断(図5のステップS11)時においては、予め設定されている予測値Tpがそのまま継続して使用される。
【0086】
一方、過去の累積駆動時間の記憶情報がある場合には、その過去のすべての累積駆動時間(T1〜Tn)(直前に記憶した情報Tnも含む)について平均値(TAVE)が算出される(S32)。このときの平均値TAVEとしては、例えばTAVE=(T1+T2+…+Tn−1+Tn)/nで算出されるものが使用される。「n」は正の整数を示す。
【0087】
この平均値(TAVE)が新たな予測値Tpとして不揮発性メモリ71に記憶保持されて更新される(S33)。この更新された予測値Tpは、その後に行われるトナー空検知の予測値を用いた判断時(図5のステップS11)において使用されることになる。
【0088】
このような予測値Tpの見直し処理を行うことにより、各トナーボトル60の予測値Tpが過去複数回分の交換時におけるトナーボトルの累積駆動時間(Tn)に基づいて算出されて更新されるため、実際に使用しているプリンタの個々の実特性や使用環境やそのプリント条件によるトナー補給量のばらつきを加味したものとなる。この結果、この更新される予測値Tpを使用する前記トナー空検知動作はより正確に行われるようになる。
【0089】
これにより、このプリンタでは、プリンタごとの特性や使用状況等が違っても、その各トナーボトル60が空状態であると判断されるタイミングがほぼ揃ったものとなり、より適切な時期にトナーボトル60の交換を行うことができる。
【0090】
また、このプリンタでは、必要に応じて各トナーボトル60の累積駆動時間Tが予測値Tp以上になった判断されたときに、その累積駆動時間Tから推定される「トナーボトル60内のトナーの残量」を表示部19に表示させることもできる。この場合にも、その予測値Tpが更新されるため、トナー残量の表示も正確に行うことができるようになる。
【0091】
さらに、このプリンタでは、トナーボトル60が空状態になる前にトナー供給装置50におけるホルダー51から一時的に取り外されて再装着された場合であっても、そのボトルごとに取り付けられた不揮発性メモリ80に予測駆動量Tsと累積駆動時間Tとが記憶保持されているので、その2つの記憶情報に基づいてその取り外されたトナーボトル60と再装着されたトナーボトルとの照合が可能であり、その後の空検知動作も継続して行われるようになる。
【0092】
そして、このプリンタでは、トナーボトル60として各色別ごとにトナー収容量が異なるものを使用する場合、その予測値Tpの見直し処理は以下のようにして行われる。
【0093】
すなわち、図7に示すように、まず、前述した交換指示の表示で取り外されたトナーボトル60(Y,M,C,K)の最終的な累積駆動時間(Tn)が、制御部70における不揮発性メモリ72に同じ予定駆動時間Tsごとに分類して記憶保持される(ステップS40)。この場合、その最終的な累積駆動時間(Tn)は、該当するトナーボトル60に取り付けた不揮発性メモリ80にも同時に記憶保持される。
【0094】
次いで、取り外されたトナーボトル60の不揮発性メモリ80に記憶されていた予測駆動時間Tsが制御部70の記憶手段71に読み出される(S41)。その後、その読み出された予測駆動時間Tsと同種の累積駆動時間Tに関する記憶情報があるか否かが判断される(S42)。その予測駆動時間Tsであるトナーボトル60の使用が初めてであれば、その過去の累積駆動時間Tの情報がないため見直し処理も行われない。
【0095】
反対に、読み出された予測駆動時間Tsと同種の累積駆動時間Tに関する記憶情報があれば、その同種の予測駆動時間Tsに関する過去の累積駆動時間がすべて制御部70に読み出される(S43)。しかる後、その読み出された過去のすべての累積駆動時間(T1〜Tn)(直前に記憶した情報Tnも含む)について平均値(TAVE)が算出される(S44)。
【0096】
最後に、この平均値(TAVE)が該当する予定駆動時間Tsの新たな予測値Tpとして不揮発性メモリ71に更新される(S45)。その更新された予測値Tpは、その後に行われる予定駆動時間Tsが同じトナーボトルに対するトナー空検知動作の判断時(図5のステップS11)において使用される。
【0097】
これにより、トナー収容量が異なるトナーボトル60を混在させて使用することがあっても、その予定駆動時間Tsごとに応じてトナーボトル60の累積駆動時間Tnが分類して管理されるため、かかるトナーボトルの交換についてより適切な時期に行うことができる。
【0098】
しかも、そのトナー収容量が異なるトナーボトル60を混在させて使用することがあっても、その予定駆動時間Tsによりトナーボトル60が識別されるとともにその累積駆動時間Tnも分類して管理されるため、その累積動作量Tnと予測値Tpとの対比判断が同種のトナーボトルごとに整然と行われるようになる。この結果、トナー収容量が異なるトナーボトルを混在して使用しても、その空検知を混乱させることなく正確に行うことができる。
【0099】
<評価実験>
以下、このプリンタを用いて行った評価実験について説明する。
【0100】
実施の形態1に係るプリンタとして同種のものを13台(♯A−1〜13)用意していずれも同じ環境下に設置したうえで、その各プリンタに同じ条件のシアン用トナーボトル60Cを装着して使い切るまでテストプリントを行った。このテストプリントは、前記したトナー補給を行いつつ4本のトナーボトル60Cをそれぞれ使い切るまで所定のテスト画像をプリントし、その1本目から4本目までの各トナーボトルを使い切ってそれぞれ交換する各時点におけるトナー補給装置50の最終的な累積駆動時間Tnについて調べた。
【0101】
トナーボトル60Cとしては、ポリエステル樹脂を基材にし、表面に微粒子を外添したポリエステル樹脂製のシアン色トナー(平均粒径7.5μm)を同じ量(120g)収容したものを使用した。トナー補給装置50Cは、トナー補給時にそのアジテータ53を50rpmの回転数で回転駆動させた。また、トナーボトルの使い切りは、前記したトナー空検知動作を実行し、トナー補給装置50Cの累積駆動時間Tpが所定の予測値Tpに達した時点でトナー検出センサ56の「トナー無し」との検出結果を確認することで判断した。
【0102】
実施例では、1〜3本目のトナーボトル使用中のトナー空検知に予測値Tpとして初期値(1791秒)を適用し、4本目のトナーボトル使用中のトナー空検知に1〜3本目のトナーボトル交換時に得た3つの累積駆動時間Tnを平均した値(TAVE)を予測値Tpとして適用した。また、参考までに実施例に準じた比較例を行った。その比較例では、4本目のトナーボトル使用中のトナー空検知でもその1〜3本目のトナーボトル使用中の場合と同様に初期値(1791秒)を同様に適用した点が実施例と異なるのみである。
【0103】
この実施例および比較例において、各4本目のトナーボトル60Cを使い切って交換するときに得られた累積駆動時間Tnを各予測値Tpとを比較し、その各予測値Tpに対する累積駆動時間Tnの実績値(実測値を100%とした場合の値)を求めた。結果を図8および図9に示す。
【0104】
図8に示す結果から、実施例のように予測値Tpとして過去の累積駆動時間Tnを平均した値を適用した場合には、比較例に比べて、実際の累積駆動時間Tnがいずれも当該予測値Tpに近いものとなることが確認された。このことから、その予測値Tpを適用して行うトナー空検知も正確なものになることがわかる。
【0105】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の画像形成装置によれば、現像剤容器が空状態になると予測される予測値が、実際の現像剤容器交換時における過去の累積動作量に基づいて算出したものを使用しているので、現像剤供給装置による現像剤の供給量が画像形成装置間の特性の差やその使用環境または条件の違いによって大きくばらつくことがあっても、現像剤容器の現像剤の残量や有無を正確に予測して検知することができる。
【0106】
また、現像剤容器に取り付けた記憶手段に予定動作量を記憶保持させて、その予測動作量が同じ現像剤容器ごとに予測値を算出して使用しているので、現像剤容器が使用可能であるにもかかわらず途中で交換された場合や現像剤の収容量が異なる現像剤容器を混在させて使用する場合であっても、現像剤容器の現像剤の残量や有無を正確に検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1に係るカラープリンタの全体構成を示す概要図。
【図2】(a)はトナーボトル、トナー供給装置及び現像装置を示す概略断面図、(b)は(a)のQ−Q線断面図。
【図3】トナー供給装置からトナーボトルを取り外した状態を示す要部概略断面図。
【図4】トナー補給およびトナー空検知を行うための制御系の構成を示すブロック図。
【図5】トナー空検知の主な動作を示すフローチャート。
【図6】予測値の見直し処理(トナー収容量が同じトナーボトルを使用する場合)の動作を示すフローチャート。
【図7】予測値の見直し処理(トナー収容量が異なるトナーボトルを混在させて使用する場合)の動作を示すフローチャート。
【図8】評価試験の結果を示す図表。
【図9】評価試験の結果を示すグラフ図。
【符号の説明】
14…現像装置、50…トナー供給装置(現像剤供給装置)、60…トナーボトル(現像剤容器)、70…制御部(制御手段)、71…不揮発性メモリ(記憶手段の一部)、80…不揮発性メモリ(記憶手段の一部)、E…トナー(現像剤)、T…累積駆動時間(累積動作量)、Tp…予測値、Ts…予定駆動時間(予定動作量)。
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式、静電記録方式等を利用したプリンタ、複写機、ファクシミリ、複合機等に代表される、現像剤を用いて画像を形成する画像形成装置に係り、特に、着脱交換式の現像剤容器に収容されている現像剤を現像装置に供給する現像剤供給装置を備えた画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の画像形成装置においては、一般に以下のような現像剤を用いた画像形成が行われる。すなわち、感光体等の像担持体上に電子写真プロセス等により画像情報に応じて形成する静電潜像を現像装置から供給する粉体状の現像剤(例えば、トナーのみからなる一成分現像剤、又はトナーとキャリアからなる二成分現像剤)により現像してトナー像とした後、そのトナー像を記録紙等の記録媒体に直接又は中間転写体を介して転写するとともに加熱加圧して記録媒体に定着させる。これにより現像剤からなる画像が形成される。
【0003】
また、このような画像形成装置では、上記画像形成時の現像動作により現像装置内の現像剤が消費されて次第に減少することから、その減少した分を補う目的で新たな現像剤(通常はトナーのみ)を現像装置に供給する現像剤供給装置を装備していることが多い。かかる現像剤供給装置としては、その現像装置に供給すべき現像剤を収容する着脱交換式(カートリッジ式)のトナーボトル等の現像剤容器を使用し、この容器内に収容されている現像剤を現像装置に直接または現像剤搬送通路を介して供給するものがある。
【0004】
ところで、このような現像剤供給装置を備えた画像形成装置では、その現像剤容器に収容されている現像剤の残量や有無を検知する必要があり、その現像剤の残量や有無を検知する手段として以下のようなものが主に採用している。
【0005】
その1つとしては、現像剤容器から排出される現像剤の有無などを光学式センサ、圧電センサ等の検知センサで直接的に検知する方式がある(例えば特許文献1)。それ以外のものとしては、現像装置内にある現像剤の状態(例えばトナー濃度)などを検知センサで検知するか、あるいは所定の基準画像を形成してその画像濃度を検知して現像剤容器内の現像剤残量を予測するような方式が可能である。
【0006】
しかし、前者の方式では、現像剤容器内で現像剤が凝集固化(ブロッキング)したり現像剤搬送部材の故障等によって良好に搬送されず容器外に排出されないことがあると、現像容器容器内には現像剤が十分にあるにもかかわらず「現像剤無し」と誤検知してしまう。
【0007】
また、後者の方式では、現像剤供給装置による現像剤容器からの現像剤の供給遅れや現像装置内での現像剤の使用状況の違い等により、現像装置内での現像剤の状態やその現像剤で形成される基準画像の濃度がばらつくことがあり、この場合には現像剤残量について正確に予測することができず誤検知してしまうことがある。
【0008】
一方、このような問題などを解消するための画像形成装置として、現像剤補給手段(現像剤供給装置の1種)の累積補給時間を記憶手段に保存し、その累積補給時間が所定の値に達したときに現像部のトナー濃度の検出結果からトナー収容部のトナー切れを検知するトナー検知手段(前記後者の方式の1種)の検知動作を開始するように構成したものが提案されている(特許文献2)。
【0009】
【特許文献1】特開平10−326038号公報
【特許文献2】特開2002−258596号公報(請求項2、段落0029〜0031、図12など)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記提案の画像形成装置においては、以下のような問題がある。
【0011】
まず、その現像剤補給手段による現像剤の補給量(ひいては累積補給時間)は、通常、画像形成装置間の特性の差やその使用環境または条件(画像形成内容等)の違いによって大きくばらつくことがある(図8参照)。このため、かかる累積補給時間を常に同じ所定の値を用いて対比判断していると、画像形成装置どうしの違いや使用情況の違い等により現像剤容器の空状態と判断されるタイミングなどが異なってしまう。したがって、その現像剤の残量や有無を検知するうえで、その検知の正確さに欠けることがある。
【0012】
また、現像剤容器が空状態になる前に取り外されて新しいものに交換された場合には、現像剤容器と現像剤補給時間の累積情報との関係などが不明になって所定の値との対比判断が不能になり、現像剤容器における現像剤の残量や有無を正確に検知することができなくなる。
【0013】
さらに、現像剤の収容量が異なる現像剤容器を混在させて使用するような場合にあっては、その収容量が異なる現像剤容器どうしの間で現像剤補給時間と所定の値との対比判断が混乱してしまい、やはり現像剤の残量や有無を検知するうえでの正確さに欠けることがある。
【0014】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、上述したような現像剤供給装置を備えた画像形成装置として、その現像剤供給装置による現像剤の供給量が画像形成装置間の特性の差やその使用環境または条件の違いによって大きくばらつくことがあっても、現像剤容器の現像剤の残量や有無を正確に予測して検知することができる画像形成装置を提供することにある。
【0015】
また、本発明の他の目的とするところは、現像剤容器が使用可能であるにもかかわらず途中で交換された場合や現像剤の収容量が異なる現像剤容器を混在させて使用する場合であっても、現像剤容器の現像剤の残量や有無を正確に検知することができる画像形成装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明の画像形成装置は、画像情報に応じて形成される静電潜像を現像剤により現像する現像装置と、この現像装置に供給するための現像剤を収容する着脱交換式の現像剤容器と、この現像剤容器に収容されている現像剤を前記現像装置に供給する現像剤供給装置と、この現像剤供給装置の現像剤供給時における動作の量を書き換え可能に記憶保持する記憶手段と、この記憶手段に累積して記憶保持される前記現像剤供給装置の累積動作量が、前記現像剤容器の空状態になると予測される予測値に達するか否かを判断する制御手段とを備えた画像形成装置であって、前記制御手段は、前記現像剤容器が交換されたときの前記現像剤供給装置の累積動作量を前記記憶手段に記憶保持するとともに、その記憶保持された複数の累積動作量を平均した値を前記予測値として使用することを特徴とするものである。
【0017】
ここで、上記現像剤容器は、通常、画像形成装置本体(の現像剤容器装着部)に対して着脱自在に装着して使用する着脱交換式の形態のものであり、その形態等については特に制約されるものではない。この現像剤容器に収容する現像剤は、通常、トナーからなる一成分現像剤や、トナー及びキャリアからなる二成分現像剤のうちのトナーであるが、必要に応じて二成分現像装置におけるトナーおよびキャリアの双方であってもよく、最終的にその現像剤の供給先である現像装置に補給すべき条件に応じて適宜選定すればよい。
【0018】
上記現像剤供給装置は、現像剤容器と現像装置がほとんど直結した状態で位置する構造であれば、その現像剤容器内に設けられる現像剤搬送部材と、その搬送部材に駆動力を与える駆動源等とで構成される。また、現像剤容器と現像装置の間に現像剤搬送通路を設置する構造であれば、その現像剤搬送通路と、その通路内に設けられる現像剤搬送部材と、その搬送部材に動力を与える駆動源等とで構成される。
【0019】
この現像供給装置による現像剤供給は、例えば、形成すべき画像の画素数等に基づいて算出される予測消費量や、濃度測定用として形成される基準画像の濃度測定結果に基づいて算出される調整量などの情報に基づいて画像形成中に適宜配分しながら行われる。
【0020】
上記記憶手段は、現像剤供給装置の現像剤供給時における動作の量を累積して書き換え可能に記憶保持することに適したものであればよく、その形式、形態等については特に制約されない。その記憶する現像剤供給装置の動作量としては、動作時間や動作状態(回転数など)などの要素が挙げられる。この記憶手段は、装置本体(の制御部)側にのみ設置したものであってもよいが、装置本体側に加えて現像剤容器側に取り付けるものを使用することが好ましい。特に現像剤容器として複数種のものを使用する画像形成装置では、その各現像剤容器ごとに固有の情報を記憶させることやその記憶情報を識別情報として利用することができる等の観点から、その各現像剤容器側に個別に取り付けた記憶手段を使用することが好ましい。
【0021】
そして、この制御手段は、現像剤容器の空状態になると予測される予測値に達するか否かを少なくとも判断するものである。また、現像剤容器が交換されたときの現像剤供給装置の累積動作量を記憶手段に記憶保持するとともに、その記憶保持された複数の累積動作量を平均した値を予測値として使用するものである。上記予測値は、現像剤容器内の現像剤が無くなってその容器が完全に空状態になる手前の状態を見極めるための値であって、その容器内に或る程度の量の現像剤が残っており、まもなく空状態の手前段階と達するだろうと予測される値である。この予測値としては、最初、予め適宜設定した初期値が使用される。また、予測値としては、後述するように、必要に応じて、その値をそのまま使用するのではなく、そのうちの何割かの値を使用するように補正した値を用いてもよい。平均するために使用される累積動作量は、少なくとも2つ以上、好ましくは3つ以上であればよい。その累積動作量には、最初に予め設定される初期値としての予測値を含めてもよい。
【0022】
このような画像形成装置によれば、現像剤容器が交換されたときの現像剤供給装置の累積動作量が当該現像剤容器の交換履歴情報として記憶手段に残されるとともに、その過去複数の累積動作量を平均した値が現像剤容器の空状態になると予測される予測値として更新されて使用される。これにより、その累積動作量と予測値との対比判断が、現像剤供給装置による現像剤の供給量が画像形成装置間の特性の差やその使用環境または条件の違いによって大きくばらつくことを加味(考慮)して行われることになるため、かかる違いが存在していても現像剤容器の現像剤の残量や有無を正確に予測検知できるようになる。
【0023】
また、このような画像形成装置においては、前記現像剤容器の現像剤残りの有無を検知する検知手段を設置し、かつ、前記制御手段は、前記現像剤供給装置の累積動作量が予測値に達したときに前記検知手段の検知結果を確認して前記現像剤容器が空状態になったか否かを判断するように構成するとよい。
【0024】
この場合、上記検知手段としては、例えば、現像剤容器から排出される現像剤の有無を直接的に検知するセンサや、現像装置における現像剤の有無を検知するセンサや、基準画像を形成してその画像濃度を測定して間接的に予測検知するセンサ等が挙がれられる。この検知手段の検知結果を確認して現像剤容器が空状態になったか否かの判断は、例えば、その検知結果が現像剤無しとの検知結果であったときに「現像剤容器が空状態である」と判断するようにする。また、このような判断を行う場合、検知手段の検知動作そのものは、少なくとも前記累積動作量が予測値に達した段階で実行するように構成すればよいが、必要により、画像形成動作中、現像剤供給中等の一定の時期は継続して実行させるように構成しても構わない。
【0025】
さらに、上記各画像形成装置における記憶手段は現像剤容器に取り付ける記憶手段を含むものであり、かつ、その現像剤容器に取り付けた記憶手段には、少なくともその現像剤容器に収容される現像剤量に応じて設定される予定動作量が予め記憶保持させるように構成するとよい。この場合、その予定動作量を現像剤容器の識別情報として利用することが可能になる。
【0026】
また、この場合、制御手段は、現像剤容器に取り付けた記憶手段に現像剤供給装置の動作量を累積して記憶保持するように構成するとよい。これにより、現像剤容器が修理点検等において途中で取り外された後に再装着されることがあっても、当該現像剤容器の累積動作量が継続して把握され、予測値との対比判断も適切に行われるようになる。
【0027】
また、現像剤容器に取り付ける記憶手段を記憶手段の一部として含む上記各画像形成装置においては、前記予定動作量が異なる現像剤容器を使用する場合、制御手段は、その予定動作量が同じ前記現像剤容器ごとに、前記現像剤供給装置の累積動作量を分類して記憶保持するとともに、その同じ分類で記憶保持された複数の累積動作量どうしを平均した値を前記予測値として使用するように構成するとよい。これにより、現像剤容器が途中で新品に交換された場合や現像剤収容量が異なる現像剤容器を混在させて使用する場合であっても、累積動作量と予測値との対比判断が同種の現像剤容器ごとに整然と行われるようになる。
【0028】
以上の各画像形成装置における制御手段は、前記予測値に基づいて現像剤容器の現像剤残量に関する表示を行うように構成するとよい。予測値に基づく現像剤残量に関する表示を行うとは、例えば、累積動作量が予測値(時にはその何割かの値)に達したときに現像剤残量が少なくなった等の警告表示を行うことである。この場合には、予測値が前述したように更新されるため、正確な予測値に基づく表示を行うことが可能となり、その表示自体も正確なものになる。
【0029】
なお、以上のような本発明の画像形成装置は、現像剤により形成される画像を記録用紙等の記録媒体に直接又は中間転写体を介して転写することにより所望の画像を形成することができるものであればよく、特にその形式、形態等について制約されるものではない。特に画像形成装置が色の異なる複数色のトナーを用いてカラー画像を形成するカラー画像形成装置である場合には、前記現像装置、現像剤容器及び現像剤供給装置の組み合わせが独立して複数備えた構成になることもある。
【0030】
【発明の実施の形態】
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の形態1に係る画像形成装置としてのカラープリンタを示すものである。
【0031】
<プリンタ全体の基本構成>
このカラープリンタは、その筐体1内に、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー像を形成する作像ユニット10と、この作像ユニット10に記録用紙Pを供給する給紙ユニット30と、この給紙ユニット30から供給した記録用紙Pに作像ユニット10の通過時に転写される各トナー像を定着させる定着ユニット40と、作像ユニット10(の各現像装置)にトナーを補給するように供給する4つのトナー供給装置50(Y,M,C,K)とが主に配置されている。図中の符号90はプリンタの各部位の動作等を制御する制御装置、95は電源装置を示す。
【0032】
作像ユニット10は、前記Y,M,C,Kの色のトナー像を専用に形成するための各感光ドラム11Y,11M,11C,11Kを上下方向に一定の間隔をあけて配置し、その各感光ドラム11(Y,M,C,K)の回りに、その各感光ドラム11の表面を接触した状態で帯電させる帯電ロール12(Y,M,C,K)と、その各感光ドラム11に現像剤(トナー)を供給する現像装置14(Y,M,C,K)とを有する作像ユニット10とを同様にそれぞれ配置している。各感光ドラム11(Y,M,C,K)は、有機感光材料からなる感光層が形成されたドラム状の回転体であり、図1中において反時計回りの方向に回転駆動する。上記各帯電ロール12には、電源装置95から所定の帯電用電圧がそれぞれ供給されている。
【0033】
上記各現像装置14はいずれも、トナー(T)及びキャリアからなる二成分現像剤を使用して磁気ブラシ接触型現像を行う二成分現像装置であり、その装置内に収容される二成分現像剤を攪拌しながら搬送する攪拌搬送部材(図示省略)と、この攪拌搬送部材により搬送される二成分現像剤を担持して感光ドラム11と対向する現像域に搬送する現像ロール(15)とで主に構成されている。現像ロールはいずれも、回転する円筒状のスリーブ(図示省略)とそのスリーブの内部に配置されるマグネットロール(図示省略)とで構成されるものであり、そのスリーブには電源装置95から所定の現像バイアスがそれぞれ供給されている。
【0034】
また、作像ユニット10は、各感光ドラム11の帯電ロール12と現像装置14の間に対し、前記Y,M,C,Kの各色の静電潜像を画像信号に応じて形成する各レーザビーム光LBを光学系(図示省略)を介して各感光体ドラム11の表面にそれぞれ照射するレーザ式潜像形成ユニット(露光装置)13が配置されている。レーザ式潜像形成ユニット13に対しては、このプリンタに接続されるパーソナルコンピュタータ等の外部接続機器から入力される画像情報(プリント内容の情報)が制御装置90における画像処理装置により処理された後に、正式な画像信号として入力される。
【0035】
さらに、作像ユニット10は、各感光ドラム11(Y,M,C,K)で形成されるトナー像を記録用紙Pに転写するための転写装置が配置されている。この転写装置は、4つの感光ドラム11のうちで2つの感光体ドラム11Y,11Mに接触する第1の一次中間転写ドラム21と、他の2つの感光ドラム11C,11Kに接触する第2の一次中間転写ドラム22と、この第1の一次中間転写ドラム21と第2の一次中間転写ドラム22に同時に接触する二次中間転写ドラム23と、この二次中間転写ドラム23に接触する最終転写ロール24とでその主要部が構成されている。
【0036】
この転写装置において、中間転写ドラム21、22はいずれも、円筒状のロール芯材の表面に導電性シリコーンゴム等からなる弾性ゴム層を形成した構造のものであり、図1中において時計回りの方向に回転駆動する。中間転写ドラム23は、円筒状のロール芯材の表面に導電性シリコーンゴム等からなる弾性ゴム層を形成するとともにフッ素ゴム等からなる離型層を形成したものであり、反時計回りの方向に回転駆動する。また、最終転写ロール18は、ロール芯材にウレタンゴム等からなる被覆層を形成した構造のものであり、図1中において時計回りの方向に回転自在になっている。
【0037】
さらに、各中間転写ドラム21、22、23には電源装置95から所定の各一次転写用電圧や二次転写用電圧がそれぞれ供給されており、また、最終転写ロール18には電源装置95から所定の三次転写用電圧が印加されている。しかも、各中間転写ドラム21、22、23には、その表面に付着するトナー等の不要付着物を除去するための図示しない清掃部材が設置されている。
【0038】
給紙ユニット30は、筐体1の前方側(図1では右側)に引き出し可能に装着された、複数枚の記録用紙Pを積載して収容する用紙トレイ31と、この用紙トレイ31に収容されている記録用紙Pをその最上部のものから1枚ずつ送り出すロール式の用紙送出装置32とで主に構成されている。
【0039】
定着ユニット40は、回転駆動するように支持されるとともに加熱ランプがロール中空内に設置された加熱ロール41と、この加熱ロール41に圧接した状態で回転するように支持された加圧ロール42と、用紙排出ロール43とで主に構成されている。
【0040】
図1中の1点鎖線は、記録用紙Pの主な用紙搬送路である。この用紙搬送路は、複数の用紙搬送ロール35、37、レジストロール36、用紙搬送ガイド(図示省略)等を適宜配置することで形成されている。また、図中の1aは、定着後に筐体1内から排出される記録用紙Pを積載した状態で収容する傾斜曲面からなる排紙部である。
【0041】
4つのトナー供給装置50(Y,M,C,K)はいずれも、図1〜3に示すように、前記Y,M,C,K色のトナーがそれぞれ収容された円筒状のトナーボトル60Y,60M,60C,60Kを着脱可能に保持するとともにその各トナーボトル60内のトナーを一時的に貯留するホルダー51Y,51M,51C,51Kと、この各ホルダー51と各現像装置14の間を接続するように配置されるトナー搬送パイプ52Y,52M,52C,52Kと、各ホルダー51内に貯留されるトナーを各トナー搬送パイプ52側に送り込むためのオーガー53(Y,M,C,K)と、この各トナー搬送パイプ52内に送り込まれるトナーを現像装置14側にむけて搬送する螺旋状の搬送部材54(Y,M,C,K)とでその主要部が構成されている。図2a中において符号14aは現像装置14の開口部、15は開口部14から一部露出する現像ロールである。
【0042】
各トナー供給装置50におけるホルダー51はいずれも、円筒状のトナーボトル60の下半分を保持するほぼ半円筒状の形態からなるホルダー本体部51aと、このホルダー本体部51aの下方側に突出するように形成されるトナー貯留部51bとで形成されている。この各ホルダー本体部51aの一端部側には、トナーボトル60が装着されているか否かを検知するトナーボトル装着検知センサ55(Y,M,C,K)がそれぞれ取り付けられている。また、このトナー貯留部51bには、トナーボトル60から排出されて貯留されるトナーが存在するか否かを検知するトナー検知センサ56(Y,M,C,K)がそれぞれ取り付けられている。
【0043】
オーガー53は、回転軸にトナー送り羽根を螺旋状に巻きつけるような状態で形成してなるものであり、トナー貯留部51bの底部空間内に回転可能に取り付けられている。また、オーガー53は、図2に示すように、ディスペンス用のモータ(以下、単に「DPモータ」とも略称する)57(Y,M,C,K)の回転動力が所定の減速ギア列58(Y,M,C,K)を介して伝えられることにより回転する。このディスペンス用のモータ57としては、ステッピングモータが使用されるが、必要に応じてDCモータ、ACモータ等の別のモータを使用しても構わない。
【0044】
トナー搬送パイプ52は、フレキシブルなプラスチック製パイプからなるものであり、その一端部が各ホルダー51の貯留部51bのトナー送出口51cに接続され、その他端部が各現像装置14のトナー受入口14bに接続されている。螺旋状の搬送部材54は、トナー搬送パイプ52の内部に挿入して回転し得るように、金属製の線材をトナー搬送パイプ52の内径よりも小さい巻き径でかつ所定のピッチで螺旋状に巻いてなるものである。また、この螺旋状の搬送部材54は、その一端部が前記オーガー53の先端部と連結され、その他端部が自由端となっており、オーガー53の回転に伴って同時に回転するようになっている。
【0045】
トナーボトル60は、図2や図3に示すように、トナー供給装置50のボルダー51に着脱可能に装着して使用される形式のものである。具体的には、1端部側の下部面にトナー排出口62が形成された円筒状のボトル本体61と、そのボトル本体61の両端部の開口を塞ぐ蓋体63、64と、この蓋体63、64に回転可能に支持され、ボトル本体61の内部でトナーEを排出口61にむけて搬送するように回転するアジテータ65(この例では、回転支持体65aの先端部にボトル内面に接触するフィルム65bを取り付けたもの)とで主に構成されている。
【0046】
上記アジテータ65は、その一端部に取り付けられたギア67が前記減速ギア列58の一部と噛み合い、前記DPモータ57の回転駆動力が伝えられることにより回転するようになっている。また、各トナーボトル60は、筐体1の前記排紙部1aに取り外し可能に取り付けられている蓋(図示省略)を取り外した状態で、その下方に露出する各トナー供給装置50のホルダー51に載置して収納するように装着させるようになっている。
【0047】
<基本的なプリント動作>
このカラープリンタによるフルカラー画像のプリントは、概略、次のように行われる。
【0048】
まず、作像ユニット10において4つの感光ドラム11(Y,M,C,K)が帯電ロール12により一様に帯電された後、その帯電された各感光ドラム11の表面にレーザ式潜像形成ユニット13からY,M,C,Kの各色に対応したレーザビーム光LBが別々に照射され、プリンタへの入力情報に応じた各色の静電潜像が形成される。次いで、その各感光ドラム11上の各静電潜像は、各現像装置14によって現像され、Y,M,C,Kの各色のトナー像として可視化される。
【0049】
続いて、各感光ドラム11上に形成された各色のトナー像は、第1の中間転写ドラム21及び第2の一次中間転写ドラム22上に静電的に一次転写される。すなわち、感光ドラム11Y,11Mに形成されたY,Mの色のトナー像は第1の中間転写ドラム21上に、感光ドラム11C、11Kに形成されたC,Kの色のトナー像は第2の中間転写ドラム22上にそれぞれ転写される。これにより、第1の中間転写ドラム21上にはM色のトナー像とY色のトナー像とが形成され、一方、第2の中間転写ドラム22上にはC色のトナー像とK色のトナー像とが形成される。
【0050】
次いで、第1及び第2の一次中間転写ドラム21、22上にそれぞれ形成された各トナー像は、二次中間転写ドラム23上に静電的に二次転写される。これにより、二次中間転写ドラム23上には、第1の中間転写ドラム21上のトナー像(Y,M)と第2の中間転写ドラム22上のトナー像(C,K)とがそれぞれ転写されて4色(Y,M,C,K)のトナー像が形成される。この4色がトナー像は、第2の二次中間転写ドラム23の回転に伴って最終転写ロール24と圧接する最終転写部にむけて搬送される。
【0051】
この作像ユニット10でのトナー像の形成に合わせた所定のタイミングで、上記最終転写部にむけて給紙ユニット30から記録用紙Pが供給される。すなわち、収容トレイ31に収容された記録用紙Pが、用紙送出装置32により1枚だけ用紙搬送路に送り出されてレジロール36で一旦停止させられた後に、そのレジロール36により所定のタイミングで最終転写部に送り込まれる。これにより、二次中間転写ドラム23上の4色(Y,M,C,K)のトナー像は、この二次中間転写ドラム23と最終転写ロール24の圧接部である最終転写部に送り込まれる記録用紙Pに加圧された状態で静電的に三次転写される。
【0052】
次いで、この4色のトナー像が転写された記録用紙Pは、定着ユニット40に送られ、その定着ユニットの加熱ロール41と加圧ロールの間を通過することにより加熱加圧されて定着処理された後、排紙部1aに排出される。以上のような一連の画像形成プロセスが実行されることにより、記録用紙P上にフルカラー画像が形成される。
【0053】
<トナー補給の構成および動作>
このプリンタでは、上述したような画像形成プロセスを繰り返すことにより各現像装置14(Y,M,C,K)内のトナーが消費されて減少するため、所定のタイミングで各トナー供給装置50(Y,M,C,K)による各色のトナーの補給(例えば消費された分に相当する量のトナー補給)がそれぞれ行われる。
【0054】
このプリンタにおけるトナー補給は、まず基本的に、制御装置90内における画像処理装置等からレーザ式潜像形成ユニット13に送信される画像信号(ビデオ信号)の量をカウントし、そのカウント値に基づいて現像工程で消費されるトナーの量を予測し、その予測した情報に基づいて後述する制御装置(制御部70)の制御動作により行うように構成されている。
【0055】
すなわち、そのカウント値をトナー供給装置50におけるDPモータ57の補給用駆動量(回転数や回転時間)に換算した値として算出したうえで、次のプリント動作(ジョブ)時に、その補給用駆動量に基づいてDPモータ57を所要の時間だけ駆動させることにより行われる。
【0056】
また、このトナー補給は、補助的に、濃度制御用の基準トナー像(パッチ)を各色ごとに感光ドラム11で形成した後に中間転写ドラム(例えば最終転写ドラム24)に転写させ、その転写ドラム上でパッチの画像濃度を図示しない光学式の濃度検出センサで計測し、その情報結果に基づいて上記トナー補給量を後述する制御装置(制御部)の制御動作により更に適切な値に調整するように構成されている。
【0057】
すなわち、そのパッチ濃度の測定値を基準値と比較したうえで、その測定値が基準値を下回る(濃度が低い)場合には、次回以降のプリント動作時にトナー補給量(DPモータ57の補給用駆動量)を所定割合で増やすように適宜配分して調整したうえで実際のトナー補給が実行される。反対に、その測定値が基準値を上回る(濃度が高い)場合には、次回以降のプリント動作時にトナー補給量を所定の割合で減らすように適宜配分して調整したうえで実際のトナー補給が実行される。このパッチ形成とその濃度測定は、累積プリント枚数が所定の枚数に達した段階等において行われる。
【0058】
そして、このトナー補給の要求(DPモータ57の駆動要求)があると、各色のトナー供給装置50におけるDPモータ57が所定の駆動量分(この例では駆動時間分)だけそれぞれ回転駆動する。
【0059】
これにより、各トナーボトル60(Y,M,C,K)に収容されている各色のトナーEが、そのアジテータ65の回転によりボトル本体61のトナー排出口62から各トナー供給装置50のホルダー51の貯留部51bに落下して貯留される。またこれと同時に、各ホルダー51の貯留部51bに貯留されている各トナーEが、DPモータ57の回転駆動により回転するオーガー53により各トナー搬送パイプ52に送り出された後、その各トナー搬送パイプ52内でオーガー53と連動して回転する螺旋状の搬送部材(例えば線材を螺旋状に巻いてなるアジテータ)54により搬送される。この結果、その各色(Y,M,C,K)のトナーは、各トナー搬送パイプ52(Y,M,C,K)を介して現像装置14に補給される。
【0060】
なお、このトナーの補給を繰り返すことにより、トナーボトル60内のトナーが無くなった場合には、その使い切った使用済みのトナーボトル60をホルダー51から取り外し、そのホルダー51に新品のトナーボトル60を装着することになる。
【0061】
<トナーボトルのトナー空検知に関する構成>
そして、このカラープリンタでは、トナーボトル60(Y,M,C,K)のトナーが無くなって空状態になることについて、次のようなトナー空検知方式によって検知している。
【0062】
すなわち、各トナー供給装置50(Y,M,C,K)の動作量を随時所定の記憶手段にそれぞれ記憶保持させ、その記憶保持される累積動作量が所定の予測値(各トナーボトル60(Y,M,C,K)が空状態になると予測される動作量)に達するか否かを判断する。そして、その累積動作量が予測値に達したときに前述のトナー検知センサ56(Y,M,C,K)の検知結果を確認し、その検知結果が「トナー無し」であるときに「トナーボトルが空状態である」と判定するようになっている。また特に、このトナー空検知方式では、上記予測値が、交換されるときのトナーボトル60の累積動作量に関する過去の蓄積情報を複数利用して後述するような予測値の見直す処理を行うようになっている。
【0063】
図4は、このトナー空検知に関する動作等を行うための制御手段の構成を示すブロック図である。
【0064】
図4中において符号70は、マイクロコンピュータ等で構成される制御部であり、前記したプリンタの各部位を制御する制御装置90の一部として組み込まれているか、あるいは別の部位に独立して取り付けられている。この制御部70には、制御プログラム等が記憶されるROMや、制御情報や各種情報が可能に書き換え記憶保持されるRAM等からなる記憶手段71を具備している。
【0065】
上記記憶手段71の書き換え可能に記憶保持することができる不揮発性メモリ72には、トナーボトル60ごとの空状態になると予測される予測値Tp(トナー供給装置の累積駆動時間に換算した値)が記憶保持されている。この予測値Tpは、予め使用対象のトナーボトル60について、その収容されているトナーをすべて使い切るまでトナー補給を伴う試験的プリント動作を行ったときに得られるデータ等に基づいて決定される。すなわち、そのデータからトナーボトルが完全に空状態になる手前の状態として予測される値に適宜決定される。
【0066】
また、不揮発性メモリ72には、トナー供給装置50(Y,M,C,K)の動作量としての駆動時間T(Y,M,C,K)が所定のカウント値として累積的に記憶保持される。この動作量の駆動時間Tは、このプリンタによるプリント動作が開始されたときにトナー補給のためのDPモータ57の駆動要求があると、前述したように決定される補給用駆動量(時間)に応じてDPモータ57が回転駆動するとともに、その補給用駆動量が駆動時間Tとしてメモリ71に記憶保持される。この場合、その駆動時間Tは、後述するトナーボトルごとに付される予定動作量(Ts)の種類ごとに分類して累積保存できるようにしている。
【0067】
また、制御部70には、前記トナーボトル装着検知センサ55(Y,M,C,K)や前記トナー検知センサ56(Y,M,C,K)等がそれぞれ接続されており、その各センサ55、56から各検知情報(トナーボトルの装着および非装着、トナーの有無等の情報)が入力される。この他にも、制御部70には、前述したような画像処理装置91から画像信号の累積カウント値の情報が入力されるとともに、前述したような濃度検出センサ29から測定値が入力される。
【0068】
さらに、制御部70には、プリンタの各種状態やメッセージ等を表示する液晶パネルからなる表示部19や、各トナー供給装置50におけるDPモータ57の駆動をそれぞれ制御するDPモータ駆動制御部75(Y,M,C,K)がそれぞれ接続されており、その表示部19や各モータ駆動制御部75に制御部70から所定の表示信号や制御信号を送り出すようになっている。表示部19は、通常プリンタ筐体1の所定部位に設置されるものであるが、このプリンタに接続される外部接続機器の表示部を利用するものであってもよい。
【0069】
また、このプリンタでは、図2、3に示すように、各トナーボトル60(Y,M,C,K)の底部側に書き換えが可能な不揮発性のメモリ80(Y,M,C,K)をそれぞれ取り付けている。
【0070】
また、この各不揮発性メモリ80に記憶されている情報の読み出しやその各メモリ80への情報の書き込み(書き換え)をそれぞれ行うための非接触式のメモリ読み書き装置81(Y,M,C,K)をトナー供給装置50等の所定部位に設置している。図中の符号81aは、メモリ読み書き装置81における読み書き用のヘッド部(アンテナ部などを含む)を示す。トナー供給装置のホッパー51には、上記メモリ80と書き込み装置の一部(読み取りや書き込みなどを行うヘッド部分)と対向する部位に開口部51bを形成している。
【0071】
メモリ読み書き装置81(Y,M,C,K)は、図4に示すように前記制御部70に接続されており、各不揮発性メモリ80(Y,M,C,K)に記録保持されている情報の読み出し情報を制御部70に入力したり、あるいは、制御部70から出される必要な情報をその各メモリ80(Y,M,C,K)に書き込むようになっている。この実施形態では、メモリ読み書き装置81として、不揮発性メモリ80との間で無線方式(具体的にはRFID、電磁結合方式)による読み書きが可能なものを適用しているが、接触方式のものを適用しても構わない。
【0072】
上記各不揮発性メモリ80(Y,M,C,K)には、図4に示すように、トナーボトル60(Y,M,C,K)ごとに収容するトナーEの収容量に応じて設定される予定動作量:Ts(Y,M,C,K)が記憶保持されている。この予定動作量Tsは、各トナーボトル60の識別情報として利用することができる。また、各不揮発性メモリ80には、そのメモリが取り付けられているトナーボトル60ごとに、トナー供給装置50の動作量としての駆動時間T(Y,M,C,K)が所定のカウント値として累積的に書き込まれるようになっている。そして、この各不揮発性メモリ80に記憶されている各種情報は、トナーボトル60を装着したときにメモリ読み書き装置81で読み取られて制御部70(の記憶手段71)に保存される。
【0073】
<トナーボトルのトナー空検知の動作>
以下、このトナー空検知の動作について図5などを参照しつつ説明する。なお、以下に例示するトナー空検知は、各色のトナーボトル60として常に同じトナー収容量のものを交換しながら使用する場合を前提としている。
【0074】
まず、このトナー空検知動作が例えば前記トナー補給の開始に伴って開始されると、制御部70は、記憶手段71における不揮発性メモリ72に記憶保持されている最新の累積駆動時間Tの情報を読み出す(ステップS10)。この実施の形態では、トナー補給動作中にトナー検出センサ57による検知動作が実行されている(これは、主に、まったく予測し得ない時期にトナー無しの状況が突然発生しても、その事実を検知するようにする必要があるためである。)。また、この最新の累積駆動時間Tは、トナーボトル60の不揮発性メモリ80に記憶されているものを読み出すことも可能である。
【0075】
次いで、この累積駆動時間Tが予測値Tp以上であるか否かが判断される(S11)。このときの判断は、図5に例示するように、予測値Tpに補正値A(%)を乗じた値と対比してもよい。
【0076】
補正値Aは、予測値Tpを少なめに(何割の値として)扱ってトナーボトル60に現像剤が確実に残っている時点を特定し、そのときの状態でトナー検出センサ57の検知結果を確実に反映させることができるように調整するものである。予測値として上記予測値Tpに補正値Aを乗じた値を用いることによって、トナーボトル60にトナーが十分に残っているにもかかわらず、トナー検出センサ57が「トナー無し」と検知してしまう誤検知の発生を回避(把握)することが可能になる。このような補正値Aは、例えば80%程度の値を目安にして適宜設定される。
【0077】
このとき最新の累積駆動時間Tが予測値(補正後のものも含む)に達していないと判断した場合は、トナーボトル60にはトナーが十分に残っているため、トナー空検知の動作は終了する。
【0078】
一方、最新の累積駆動時間Tが予測値に達したと判断した場合には、トナーボトル60のトナー残量が少なくなって空状態になる時期が近づいていることが予測できるため、このときに初めてトナー供給装置50(Y,M,C,K)における各ホルダー51内のトナーの有無を検出するトナー検出センサ57(Y,M,C,K)の出力結果が確認される(S12)。
【0079】
これにより、実際のトナー補給によりトナーボトル60にトナーEが少なくなった段階でトナーの有無の検知が行われる。この結果、トナー空検知をトナー検出センサ57の結果のみに基づいて行っている既述した従来技術の場合のように、トナーボトル60にトナーEが十分に残っているにもかかわらずトナー無と判断してしまうという誤検知の発生を防止することが可能となる。
【0080】
そして、このステップS12においてトナー検出センサ57の検出結果が「トナー有」であるときには、該当するトナーボトル60(Y,M,C,K)の交換をユーザに促すための交換警告(メッセージ。例えば「トナーボトルの交換時期になりました。」)が表示部19に表示される(S16)。
【0081】
しかし、トナー検出センサ57の検出結果が「トナー無」であるときには、該当するトナーボトル60(Y,M,C,K)はすでに空状態であることが予測できるため、トナーボトルの交換をユーザに直ぐに行ってもらうことを指示する交換指示(メッセージ。例えば「トナーボトルを交換してください。」)が表示部19に表示される(S13)。この表示が出された段階では、制御装置90によりプリント動作が禁止されるように制御される。
【0082】
この交換指示が表示されると、トナーボトル装着センサ55の出力結果が確認される(S14)。その出力結果が有る場合には、交換指示の表示に対してユーザが該当するトナーボトル60の交換を行ったものとみなすことができる。反対に、その出力結果がない場合には、トナーボトル60の交換が行われていないものとみなすことができ、その出力がなされるまで出力結果の確認が行われる。
【0083】
トナーボトル60の交換が行われた場合には、以下のような予測値Tpの見直し処理が実行される(S15)。なお、以下に示す見直し処理は、各色のトナーボトル60として常に同じトナー収容量のもの(即ち予定駆動量Tsが同じもの)を交換しながら使用する場合を前提としている。
【0084】
まず、図6に示すように、その交換で取り外されたトナーボトル60(Y,M,C,K)の最終的な累積駆動時間(Tn)が制御部70における不揮発性メモリ72に記憶保持される(S30)。この場合、その最終的な累積駆動時間(Tn)は、該当するトナーボトル60に取り付けた不揮発性メモリ80にもメモリ読み書き装置81を介して同時に記憶保持される。
【0085】
次いで、その不揮発性メモリ72に過去に記憶保持した累積駆動時間の情報があるか否かが判断される(S31)。この際、その過去の累積駆動時間の記憶情報がない場合には予測値の見直し処理は行われない。この場合、その後に行われるトナー空検知の予測値を用いた判断(図5のステップS11)時においては、予め設定されている予測値Tpがそのまま継続して使用される。
【0086】
一方、過去の累積駆動時間の記憶情報がある場合には、その過去のすべての累積駆動時間(T1〜Tn)(直前に記憶した情報Tnも含む)について平均値(TAVE)が算出される(S32)。このときの平均値TAVEとしては、例えばTAVE=(T1+T2+…+Tn−1+Tn)/nで算出されるものが使用される。「n」は正の整数を示す。
【0087】
この平均値(TAVE)が新たな予測値Tpとして不揮発性メモリ71に記憶保持されて更新される(S33)。この更新された予測値Tpは、その後に行われるトナー空検知の予測値を用いた判断時(図5のステップS11)において使用されることになる。
【0088】
このような予測値Tpの見直し処理を行うことにより、各トナーボトル60の予測値Tpが過去複数回分の交換時におけるトナーボトルの累積駆動時間(Tn)に基づいて算出されて更新されるため、実際に使用しているプリンタの個々の実特性や使用環境やそのプリント条件によるトナー補給量のばらつきを加味したものとなる。この結果、この更新される予測値Tpを使用する前記トナー空検知動作はより正確に行われるようになる。
【0089】
これにより、このプリンタでは、プリンタごとの特性や使用状況等が違っても、その各トナーボトル60が空状態であると判断されるタイミングがほぼ揃ったものとなり、より適切な時期にトナーボトル60の交換を行うことができる。
【0090】
また、このプリンタでは、必要に応じて各トナーボトル60の累積駆動時間Tが予測値Tp以上になった判断されたときに、その累積駆動時間Tから推定される「トナーボトル60内のトナーの残量」を表示部19に表示させることもできる。この場合にも、その予測値Tpが更新されるため、トナー残量の表示も正確に行うことができるようになる。
【0091】
さらに、このプリンタでは、トナーボトル60が空状態になる前にトナー供給装置50におけるホルダー51から一時的に取り外されて再装着された場合であっても、そのボトルごとに取り付けられた不揮発性メモリ80に予測駆動量Tsと累積駆動時間Tとが記憶保持されているので、その2つの記憶情報に基づいてその取り外されたトナーボトル60と再装着されたトナーボトルとの照合が可能であり、その後の空検知動作も継続して行われるようになる。
【0092】
そして、このプリンタでは、トナーボトル60として各色別ごとにトナー収容量が異なるものを使用する場合、その予測値Tpの見直し処理は以下のようにして行われる。
【0093】
すなわち、図7に示すように、まず、前述した交換指示の表示で取り外されたトナーボトル60(Y,M,C,K)の最終的な累積駆動時間(Tn)が、制御部70における不揮発性メモリ72に同じ予定駆動時間Tsごとに分類して記憶保持される(ステップS40)。この場合、その最終的な累積駆動時間(Tn)は、該当するトナーボトル60に取り付けた不揮発性メモリ80にも同時に記憶保持される。
【0094】
次いで、取り外されたトナーボトル60の不揮発性メモリ80に記憶されていた予測駆動時間Tsが制御部70の記憶手段71に読み出される(S41)。その後、その読み出された予測駆動時間Tsと同種の累積駆動時間Tに関する記憶情報があるか否かが判断される(S42)。その予測駆動時間Tsであるトナーボトル60の使用が初めてであれば、その過去の累積駆動時間Tの情報がないため見直し処理も行われない。
【0095】
反対に、読み出された予測駆動時間Tsと同種の累積駆動時間Tに関する記憶情報があれば、その同種の予測駆動時間Tsに関する過去の累積駆動時間がすべて制御部70に読み出される(S43)。しかる後、その読み出された過去のすべての累積駆動時間(T1〜Tn)(直前に記憶した情報Tnも含む)について平均値(TAVE)が算出される(S44)。
【0096】
最後に、この平均値(TAVE)が該当する予定駆動時間Tsの新たな予測値Tpとして不揮発性メモリ71に更新される(S45)。その更新された予測値Tpは、その後に行われる予定駆動時間Tsが同じトナーボトルに対するトナー空検知動作の判断時(図5のステップS11)において使用される。
【0097】
これにより、トナー収容量が異なるトナーボトル60を混在させて使用することがあっても、その予定駆動時間Tsごとに応じてトナーボトル60の累積駆動時間Tnが分類して管理されるため、かかるトナーボトルの交換についてより適切な時期に行うことができる。
【0098】
しかも、そのトナー収容量が異なるトナーボトル60を混在させて使用することがあっても、その予定駆動時間Tsによりトナーボトル60が識別されるとともにその累積駆動時間Tnも分類して管理されるため、その累積動作量Tnと予測値Tpとの対比判断が同種のトナーボトルごとに整然と行われるようになる。この結果、トナー収容量が異なるトナーボトルを混在して使用しても、その空検知を混乱させることなく正確に行うことができる。
【0099】
<評価実験>
以下、このプリンタを用いて行った評価実験について説明する。
【0100】
実施の形態1に係るプリンタとして同種のものを13台(♯A−1〜13)用意していずれも同じ環境下に設置したうえで、その各プリンタに同じ条件のシアン用トナーボトル60Cを装着して使い切るまでテストプリントを行った。このテストプリントは、前記したトナー補給を行いつつ4本のトナーボトル60Cをそれぞれ使い切るまで所定のテスト画像をプリントし、その1本目から4本目までの各トナーボトルを使い切ってそれぞれ交換する各時点におけるトナー補給装置50の最終的な累積駆動時間Tnについて調べた。
【0101】
トナーボトル60Cとしては、ポリエステル樹脂を基材にし、表面に微粒子を外添したポリエステル樹脂製のシアン色トナー(平均粒径7.5μm)を同じ量(120g)収容したものを使用した。トナー補給装置50Cは、トナー補給時にそのアジテータ53を50rpmの回転数で回転駆動させた。また、トナーボトルの使い切りは、前記したトナー空検知動作を実行し、トナー補給装置50Cの累積駆動時間Tpが所定の予測値Tpに達した時点でトナー検出センサ56の「トナー無し」との検出結果を確認することで判断した。
【0102】
実施例では、1〜3本目のトナーボトル使用中のトナー空検知に予測値Tpとして初期値(1791秒)を適用し、4本目のトナーボトル使用中のトナー空検知に1〜3本目のトナーボトル交換時に得た3つの累積駆動時間Tnを平均した値(TAVE)を予測値Tpとして適用した。また、参考までに実施例に準じた比較例を行った。その比較例では、4本目のトナーボトル使用中のトナー空検知でもその1〜3本目のトナーボトル使用中の場合と同様に初期値(1791秒)を同様に適用した点が実施例と異なるのみである。
【0103】
この実施例および比較例において、各4本目のトナーボトル60Cを使い切って交換するときに得られた累積駆動時間Tnを各予測値Tpとを比較し、その各予測値Tpに対する累積駆動時間Tnの実績値(実測値を100%とした場合の値)を求めた。結果を図8および図9に示す。
【0104】
図8に示す結果から、実施例のように予測値Tpとして過去の累積駆動時間Tnを平均した値を適用した場合には、比較例に比べて、実際の累積駆動時間Tnがいずれも当該予測値Tpに近いものとなることが確認された。このことから、その予測値Tpを適用して行うトナー空検知も正確なものになることがわかる。
【0105】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の画像形成装置によれば、現像剤容器が空状態になると予測される予測値が、実際の現像剤容器交換時における過去の累積動作量に基づいて算出したものを使用しているので、現像剤供給装置による現像剤の供給量が画像形成装置間の特性の差やその使用環境または条件の違いによって大きくばらつくことがあっても、現像剤容器の現像剤の残量や有無を正確に予測して検知することができる。
【0106】
また、現像剤容器に取り付けた記憶手段に予定動作量を記憶保持させて、その予測動作量が同じ現像剤容器ごとに予測値を算出して使用しているので、現像剤容器が使用可能であるにもかかわらず途中で交換された場合や現像剤の収容量が異なる現像剤容器を混在させて使用する場合であっても、現像剤容器の現像剤の残量や有無を正確に検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1に係るカラープリンタの全体構成を示す概要図。
【図2】(a)はトナーボトル、トナー供給装置及び現像装置を示す概略断面図、(b)は(a)のQ−Q線断面図。
【図3】トナー供給装置からトナーボトルを取り外した状態を示す要部概略断面図。
【図4】トナー補給およびトナー空検知を行うための制御系の構成を示すブロック図。
【図5】トナー空検知の主な動作を示すフローチャート。
【図6】予測値の見直し処理(トナー収容量が同じトナーボトルを使用する場合)の動作を示すフローチャート。
【図7】予測値の見直し処理(トナー収容量が異なるトナーボトルを混在させて使用する場合)の動作を示すフローチャート。
【図8】評価試験の結果を示す図表。
【図9】評価試験の結果を示すグラフ図。
【符号の説明】
14…現像装置、50…トナー供給装置(現像剤供給装置)、60…トナーボトル(現像剤容器)、70…制御部(制御手段)、71…不揮発性メモリ(記憶手段の一部)、80…不揮発性メモリ(記憶手段の一部)、E…トナー(現像剤)、T…累積駆動時間(累積動作量)、Tp…予測値、Ts…予定駆動時間(予定動作量)。
Claims (6)
- 画像情報に応じて形成される静電潜像を現像剤により現像する現像装置と、
この現像装置に供給するための現像剤を収容する着脱交換式の現像剤容器と、
この現像剤容器に収容されている現像剤を前記現像装置に供給する現像剤供給装置と、
この現像剤供給装置の現像剤供給時における動作の量を書き換え可能に記憶保持する記憶手段と、
この記憶手段に累積して記憶保持される前記現像剤供給装置の累積動作量が、前記現像剤容器の空状態になると予測される予測値に達するか否かを判断する制御手段とを備えた画像形成装置であって、
前記制御手段は、前記現像剤容器が交換されたときの前記現像剤供給装置の累積動作量を前記記憶手段に記憶保持するとともに、その記憶保持される複数の累積動作量を平均した値を前記予測値として使用することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1に記載の画像形成装置において、
前記現像剤容器の現像剤残りの有無を検知する検知手段を設置し、
かつ、前記制御手段は、前記現像剤供給装置の累積動作量が予測値に達したときに前記検知手段の検知結果を確認して前記現像剤容器が空状態になったか否かを判断することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1または2に記載の画像形成装置において、
前記記憶手段は、前記現像剤容器に取り付ける記憶手段を含むものであり、かつ、その現像剤容器に取り付けた記憶手段には、少なくともその現像剤容器に収容される現像剤量に応じて設定される予定動作量を予め記憶保持させることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項3に記載の画像形成装置において、
前記制御手段は、前記現像剤容器に取り付けた記憶手段に前記現像剤供給装置の動作量を累積して記憶保持することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項3または4に記載の画像形成装置において、
前記予定動作量が異なる前記現像剤容器を使用する場合、
前記制御手段は、その予定動作量が同じ前記現像剤容器ごとに、前記現像剤供給装置の累積動作量を分類して記憶保持するとともに、その同じ分類で記憶保持された複数の累積動作量どうしを平均した値を前記予測値として使用することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至5のいずれかに記載の画像形成装置において、前記制御手段は、前記予測値に基づいて前記現像剤容器の現像剤残量に関する表示を行うことを特徴とする画像形成装置。
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-
2003
- 2003-05-27 JP JP2003149097A patent/JP2004354466A/ja not_active Withdrawn
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