JP3626402B2 - 回転子への巻線方法、巻線装置及び回転子 - Google Patents

回転子への巻線方法、巻線装置及び回転子 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば同期発電機等に使用される回転子に電線を巻き付ける回転子への巻線方法、巻線装置及び該巻線方法によって得られる回転子に関する。
【0002】
【従来の技術】
同期発電機等に使用される回転子は、例えば直径が50〜100cm程度の大きな積層コアを有し、このコアの突極部の回りに、例えば直径が2〜3mm程度の、絶縁被膜された太い電線を配置して構成されている。
【0003】
小型モータ等の回転子においては、その突極部にフライヤー等で電線を巻き付けることが一般に行われているが、上記のような大きな回転子の突極部に、上記のように太い電線をフライヤー等で巻き付けることは、極めて困難であった。
【0004】
すなわち、上記大型の回転子は、多極構造をなしており、突極部どうしの間隙が極めて狭いため、電線を繰り出すノズルを突極部の外周に沿って移動させる必要があり、フライヤーのような単純な回転運動によって巻線を施すことができなかった。
【0005】
このため、従来、上記のような大型多極回転子に電線を装着させる方法としては、電線を予め所定の長さのループに巻いてコイル状にしておき、このコイルを回転子の磁極部周りの間隙に手作業で挿入しつつ、コイルを磁極部に装着する方法、もしくは突極部のみ単独構造をなしているものに巻線を行い、ダブテール構造で回転子に組み付ける方法が採用されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の方法では、多数のコイルを手作業で磁極部周りの間隙に挿入しなければならず、また、突極部を回転子に組み付けるに際しても、多大な労力と熟練が要求され、生産性が極めて悪いという問題があった。
【0007】
したがって、本発明の目的は、多極の大型突極型回転子に電線を損傷させることなく自動的に巻き付けることができるようにした回転子への巻線方法、巻線装置及び該巻線方法によって得られる回転子を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の回転子への巻線方法は、多極の回転子の突極部に電線を整列させながら多層巻きする回転子への巻線方法において、
先端にスリット状の開口部を有する平板形状をなし、該開口部の長辺方向の少なくとも一辺と、短辺方向の少なくとも一辺とには、テーパ状に広がる内壁が形成されたノズルを用い、
垂直多関節ロボットを用いて、前記ノズルの、前記テーパ状に広がる内壁とされた長辺方向の辺の平板面が、巻線を施すべき突極部に常に向くようにノズルを回転させると共に、前記突極部の回りを周回するようにノズルを移動させながら、ノズルから繰り出される電線を前記突極部に巻き付けることを特徴とする。
【0009】
本発明の巻線方法によれば、垂直多関節ロボットを用いて突極部の回りを周回するようにノズルを移動させることにより、周回位置に応じてノズルの角度や移動速度を自由に調整することができ、それによって電線の絶縁被膜が損傷することを防ぎつつ、電線を整列させながら多層巻きすることが可能となる。
【0010】
また、前記ノズルは、先端にスリット状の開口部を有する平板形状をなし、該開口部の長辺方向の少なくとも一辺と、短辺方向の少なくとも一辺とには、テーパ状に広がる内壁が形成されており、前記ノズルの、前記テーパ状に広がる内壁とされた長辺方向の辺の平板面が、巻線を施すべき突極部に常に向くようにノズルを回転させて巻くことにより、電線がノズルの開口部周縁に鋭い角度で当たって曲がることが防止され、ノズルの開口部周縁に強くこすられて電線の絶縁被膜が損傷することを防止できる。
本発明の巻線方法において、前記ノズルの、前記テーパ状に広がる内壁とされた長辺方向の辺と対向する辺の外側面は、先端に向かうほど薄くなるようなテーパ壁をなしていることが好ましい。
【0011】
また、前記ノズルは、前記突極部の周壁に対して外側に傾斜した角度を変えながら、前記突極部を周回させることが好ましい。この態様によれば、ノズルを突極部の周壁に対して外側に傾斜させることによって、ノズルの開口部周縁に電線がきつい角度で当たりにくくなる。また、例えばノズルが突極部の両端を回るときには、突極部どうしの間隙を通るときより更に大きく外側に傾斜させることにより、電線の繰り出し方向が急激に変わる上記の部分においても、電線がノズルの開口部周縁にきつい角度で当たることが防止され、電線の絶縁被膜の損傷を効果的に防止できる。
【0012】
更に、前記ノズルが前記突極部どうしの間隙を通るとき、該間隙の長さ方向の中間部において、前記ノズルが前記回転子の半径方向外方に移動して巻線を行うことが好ましい。この態様によれば、突極部の回りに電線が多層に巻き付けられて、突極部どうしの間隙がますます狭くなったとき、ノズルを突極部どうしの間隙の中間部においては奥方まで挿入しなくても、突極部の間隙の両端部においてノズルを奥方に挿入することにより、突極部の基部側に電線を巻き付けることができ、ノズルが既に巻き付けられた電線に接触して絶縁被膜が損傷することを防止することができる。
【0013】
一方、本発明の回転子への巻線装置は、回転子を支持する支持台と、回転子の回転軸を把持して位置決めを行うチャックと、前記支持台の側方に配置された多関節ロボットと、この多関節ロボットの可動部先端に取付けられ、電線を繰り出す開口部を有するノズルとを備え、
前記ノズルは、先端にスリット状の開口部を有する平板形状をなし、該開口部の長辺方向の少なくとも一辺と、短辺方向の少なくとも一辺とには、テーパ状に広がる内壁が形成されており、
前記垂直多関節ロボットは、前記ノズルの、前記テーパ状に広がる内壁とされた長辺方向の辺の平板面が、巻線を施すべき突極部に常に向くようにノズルを回転させると共に、前記突極部の回りを周回するようにノズルを移動させながら、ノズルから繰り出される電線を前記突極部に巻き付けることを特徴とする。
【0014】
上記巻線装置によれば、回転子を支持台上に設置し、チャックによって回転軸を把持して位置決めさせ、支持台の側方に配置された多関節ロボットを作動させて、ノズルを突極部の回りに周回させることによって、電線を突極に巻き付けることができる。このとき、多関節ロボットの動作を制御することにより、ノズルの角度や移動速度を、突極部に対する移動位置に応じて最適な条件となるように変更することができ、電線の絶縁被膜の損傷を防止しつつ、大型の回転子の突極部に比較的太い電線を機械的に巻き付けることが可能となる。
【0015】
また、ノズルが平板状をなしているので、突極部どうしの狭い間隙にもノズルを挿入することができ、太い電線にも耐えられる強度を付与することができる。更に、前記ノズルの、前記テーパ状に広がる内壁とされた長辺方向の辺の平板面が、巻線を施すべき突極部に常に向くようにノズルを回転させて巻くことにより、電線がノズルの開口部周縁に鋭い角度で当たって曲がることが防止され、ノズルの開口部周縁に強くこすられて電線の絶縁被膜が損傷することを防止できる。
本発明の巻線装置において、前記ノズルの、前記テーパ状に広がる内壁とされた長辺方向の辺と対向する辺の外側面は、先端に向かうほど薄くなるようなテーパ壁をなしていることが好ましい。
【0016】
更に、本発明の回転子は、回転子コアの突極に、絶縁された電線を直巻してなる回転子において、前記回転子コアが一体に形成されたものからなり、前記回転子コアの突極数が6以上であって、前記回転子コアの直径が400mm以上であり、かつ、電線の太さが2mm以上のものからなり、前記突極の基部側から先端側に向けて電線が整列して多層に連続して巻き付けられていることを特徴とする。
【0017】
本発明の回転子によれば、従来、機械的に巻線することが不可能であった大型多極回転子を提供することができる。この回転子は、上述した本発明の巻線方法によって機械的に巻線することが可能であり、今まで手作業で製造していた大型回転子を工業的に作業性よく製造することが可能となる。
【0018】
また、本発明の回転子は、回転子コアを一体に形成しておき、これに巻線することができるので、製造作業性が向上する。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の巻線装置の一実施形態を説明する。
図1、2に示すように、この巻線装置は、基台10と、回転子の支持台11とを有している。支持台11は、回転子12の回転軸13の両端部を回転可能に支持する一対の軸受け11a、11bとで構成されている。各軸受け11a、11bは、基台10に配置されたレール14に沿って、回転軸12の軸方向に移動可能に設置されている。また、同じくレール14上には、一方の軸受け11bに隣接してチャック取付け台15が設置され、チャック取付け台15はレール14に沿って移動可能とされている。このチャック取付け台15には、支持台11上に設置された回転子12の回転軸13を着脱可能に保持するチャック16が、図示しない駆動機構によって回転自在に装着されている。また、基台10の一方の端部に隣接してコントロールボックス17が立設されている。更に、基台10内には、軸受け11a、11bや、チャック取付け台15をレール14に沿って移動させるための、図示しない駆動機構が配置されている。
【0020】
基台10の一側方には、垂直多関節ロボット30が設置されている。この垂直多関節ロボット30は、図1、2中の一点鎖線a(図1)、b(図2)、c(図2)、d(図1)、e(図2)、f(図1)を回転軸とする6軸の多関節ロボットであり、具体的にはファナック株式会社製の垂直多関節ロボット(型名「S430i」)が使用されている。このように、多関節ロボット30自体は、各社から市販されており、本発明においては、それらの中から目的に応じて適宜選択して使用することができる。
【0021】
多関節ロボット30の後方には、電線リールの受け台40が設置されており、この受け台40に設置された図示しない電線リールから繰り出される電線41は、多関節ロボット30に取付けられた電線ガイド42を通して、ロボット30の可動部先端に導かれるようになっている。
【0022】
図3、4、5に示すように、ロボット30の可動部先端、すなわち回転軸fによって回転する回転板31には、支持板50の一端がボルト51によって取付けられている。支持板50の他端部には、サーボモータ52が設置され、その回転軸は支持板50を貫通し、そこに駆動ギヤ53が取付けられている。また、サーボモータ52に隣接して軸受け54が設置されており、この軸受け54にノズル55の基端部が回転自在に支持されている。ノズル55の基端部には、上記駆動ギヤ53に歯合する従動ギヤ56が装着されており、サーボモータ52の作動によって、駆動ギヤ53及び従動ギヤ56を介して、ノズル55が図3中の矢印で示すように回転するようになっている。
【0023】
支持板50には、電線51のガイドを取付けるためのガイド取付け板57が立設されている。ガイド取付け板57の上部には、一対のガイドリール58、59が取付けられている。また、ガイドリール58、59を通った電線41を導入する一対のガイド孔60、61を有する板62、63が取付けられている。そして、板62、63の間には、スプリング64によって電線41に適度の通過抵抗を与えるテンション調節部65が設置されている。電線41は、ガイド孔60、テンション調節部65、ガイド孔61を通り、軸受け54の端面に設置された導入口66からノズル55内に導かれるようになっている。
【0024】
図6、7に示すように、ノズル55は、全体として平板状をなし、その内部に電線の挿通路70を有している。挿通路70は、ノズル55の先端部において幅方向に広がり、スリット状の開口71に至っている。この開口71の長辺方向の一辺と、短辺方向の両辺とは、テーパ状に広がるテーパ壁71a、71bをなしている。また、テーパ壁71aに対向する長辺方向の辺の外側面は、先端に向かうほど薄くなるようなテーパ壁72をなしている。
【0025】
図8に示すように、巻線を施されるべき回転子12は、回転軸13と、その長さ方向中央部に装着された、積層鉄芯からなるコア80とを有している。コア80は、外周に複数、この実施形態の場合、6個の突極部81を有し、各突極部81の間は、スロット82をなしている。また、突極部81の両端面には、電線41の保持枠83が取付けられている。本発明において、前記コア80は、突極数が6以上あって、直径が400mm以上であることが好ましい。また、電線41は、太さが2mm以上のものが好ましく使用される。
【0026】
なお、図9は、ノズル55が突極部81の両端部を周回する状態を示す説明図であり、図10、11、12は、コア80の突極部81にノズル55で巻線を施すときの、ノズル55と突極部81との傾斜角を示す説明図である。
【0027】
次に、上記巻線装置を用いて実施される、本発明の巻線方法の一実施形態について説明する。
【0028】
巻線操作に先立って、回転子12の回転軸13の両端部を支持台11の軸受け11a、11bに載せて支持する。チャック取付け台15をレール14に沿って移動させ、回転軸13の一端をチャック16で保持させる。この状態でチャック16を回動させて、回転子12を回動させ、回転子12の所定の突極部81が真上を向くように回転位置決めをする。
【0029】
この状態で、垂直多関節ロボット30と、その可動部先端に支持板50を介して取付けられたサーボモータ52とを、予め設定した所定のプログラムによって作動させながら、ノズル55を回転子12のコア80の突極部81に対して周回させることにより、巻線を施す。
【0030】
このとき、ノズル55から繰り出される電線41が、突極部81の基部側から突出側に、あるいは突出側から基部側に向けて一列に並びながら巻付けられ、保持枠83のフランジ84で折り返しながら多層に巻付けられるようにする。
【0031】
ノズル55は、突極部81どうしの間のスロット82内を通るとき、その扁平な面がスロット82の方向に沿うようにして、かつ、突極部81に対して外側に倒れるように傾斜した状態で移動する。なお、ノズル55の、テーパ壁71aが形成された長辺が、巻線すべき突極部81に向くように配置される。
【0032】
図10は、ノズル55により突極部81の突出方向の基部を巻くとき、すなわちスロット82の奥方で巻くときの状態を示し、ノズル55は突極部81の側面に対して比較的小さな角度で外側に傾斜している。
【0033】
図11は、ノズル55により突極部81の突出方向の上記よりもやや高い位置を巻くとき、すなわちスロット82のやや開口側に移動した位置で巻くときの状態を示し、ノズル55は突極部81の側面に対して上記よりも大きな角度で外側に傾斜している。
【0034】
図12は、ノズル55により突極部81の突出方向の先端部を巻くとき、すなわちスロット82の最も開口側に移動した位置で巻くときの状態を示し、ノズル55は突極部81の側面に対して更に大きな角度で外側に傾斜している。
【0035】
このようにノズル55を傾斜させることによって、電線41がノズル55の開口部71から繰り出されるとき、その開口縁部に強い角度で当たるのをできるだけ防止し、太い電線であっても絶縁被膜が損傷することを防止できる。ノズル55の開口部71には、前述したようにテーパ壁71a、71bが設けられているが、ノズル55を傾斜させない場合、これらのテーパ壁だけでは、上記絶縁被膜の損傷を完全に防止することはできなかった。
【0036】
また、図9に示すように、ノズル55が突極部81の両端部(コア80の両端面)を周回するとき、サーボモータ52(図3参照)の作動によってノズル55が図9の矢印で示すように回動する。このため、ノズル55の、テーパ壁71aが形成された長辺が、常に突極部81に向くようにして、ノズル55を周回させることができる。更に、多関節ロボット30の動作によって、ノズル55の突極部81に対する外側への傾斜角が突極部81の端部を回るにつれて変化するようになっている。すなわち、図9における位置▲1▼、▲2▼、▲3▼において、ノズル55の外側への傾斜角(倒れ角)が▲3▼>▲2▼>▲1▼となるように、言いかえると突極部81の端部に近いほど大きく外側に倒れるように変化しながら、周回するようになっている。
【0037】
このようにノズル55の外側への傾斜角を変化させつつ、テーパ壁71aが形成された長辺が、常に突極部81に向くようにして、ノズル55を周回させることにより、電線41の繰り出し方向が急激に変化する、突極部81の両端部を周回するときにおいても、電線41がノズル55の開口縁部に強い角度で当たることが防止され、電線41の絶縁被膜の損傷を確実に防止することができる。
【0038】
また、突極部81に電線41が多層に巻付けられ、巻付けられた電線41によってスロット82が狭くなり、その状態でノズル55がスロット82の奥方を移動するときは、ノズル55の先端が、図8(a)中の一点鎖線Xで示すような経路で、スロット82内を移動するようになっている。すなわち、ノズル55は、スロット82の長さ方向の中間部を通るとき、コア80の外径側に浮き上がるようにして移動する。
【0039】
電線41が突極部81の両端を周回するときは、ノズル55がスロット82から出ているので、ノズル55をコア80の内径側に移動させても、既に巻付けられた電線41に接触することはない。一方、スロット82の長さ方向の中間部を通るときに、ノズル55をコア80の外径側に浮き上がらせても、突極部81の両端部で電線41が正規の位置に巻き付けば、スロット82の中間部を通る電線41も張力によって自然に正規の位置に納まるので、電線41の整列状態が崩れることがない。こうして、ノズル55がスロット82内を通過するときに、既に巻付けられた電線41に接触することを防止できる。
【0040】
更に、多関節ロボット30による動作を制御することにより、ノズル55の移動速度や、傾斜角度や、移動経路などを、巻線位置の変化に応じて自由に設定することができる。
【0041】
こうして得られた回転子12は、コア80の突極部81に、太さが2mm以上の絶縁された電線41が、整列して多層に巻き付けられている。そして、コア80は、6以上の突極部81を一体に形成されており、直径が400mm以上とされている。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、垂直多関節ロボットを用いて回転子のコアの突極部の回りを周回するようにノズルを移動させることにより、周回位置に応じてノズルの角度や、向きや、移動速度を自由に調整することができ、それによって電線の絶縁被膜が損傷することを防ぎつつ、電線を整列させながら多層巻きすることが可能となる。その結果、コアの突極数が6以上であって、直径が400mm以上であり、かつ、電線の太さが2mm以上のものからなり、突極の基部側から先端側に向けて電線が整列して多層に巻き付けられた回転子を工業的に作業性よく製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による回転子への巻線装置の一実施形態を示す正面図である。
【図2】同巻線装置の側面図である。
【図3】同巻線装置におけるノズル取付け部を示す正面図である。
【図4】同ノズル取付け部の側面図である。
【図5】同ノズル取付け部の底面図である。
【図6】同巻線装置におけるノズルの先端部を示す斜視図である。
【図7】同ノズルの先端部を示す断面図である。
【図8】同巻線装置に適用される回転子の一例を示し、(a)は回転子全体を示す側面図、(b)は突極部を示す部分断面図、(c)は(a)のc−c矢示線に沿った断面図である。
【図9】同巻線装置において、ノズルが突極部の両端部を周回する状態を示す説明図である。
【図10】回転子の突極部の基部側にノズルで巻線を施すときの、ノズルと突極部との傾斜角を示す説明図である。
【図11】回転子の突極部の基部よりやや高い位置に巻線を施すときの、ノズルと突極部との傾斜角を示す説明図である。
【図12】回転子の突極部の最も突出した部分に巻線を施すときの、ノズルと突極部との傾斜角を示す説明図である。
【符号の説明】
10 基台
11 支持台
12 回転子
13 回転軸
14 レール
15 チャック取付け台
16 チャック
30 垂直多関節ロボット
31 回転板
41 電線
50 支持板
52 サーボモータ
53 駆動ギヤ
54 軸受け
55 ノズル
71 開口部
71a、71b テーパ壁
80 コア
81 突極部
83 保持枠

Claims (8)

  1. 多極の回転子の突極部に電線を整列させながら多層巻きする回転子への巻線方法において、
    先端にスリット状の開口部を有する平板形状をなし、該開口部の長辺方向の少なくとも一辺と、短辺方向の少なくとも一辺とには、テーパ状に広がる内壁が形成されたノズルを用い、
    垂直多関節ロボットを用いて、前記ノズルの、前記テーパ状に広がる内壁とされた長辺方向の辺の平板面が、巻線を施すべき突極部に常に向くようにノズルを回転させると共に、前記突極部の回りを周回するようにノズルを移動させながら、ノズルから繰り出される電線を前記突極部に巻き付けることを特徴とする回転子への巻線方法。
  2. 前記ノズルの、前記テーパ状に広がる内壁とされた長辺方向の辺と対向する辺の外側面は、先端に向かうほど薄くなるようなテーパ壁をなしている請求項1記載の回転子への巻線方法。
  3. 前記ノズルは、前記突極部の周壁に対して外側に傾斜した角度を変えながら、前記突極部を周回させる請求項2記載の回転子への巻線方法。
  4. 前記ノズルが前記突極部どうしの間隙を通るとき、該間隙の長さ方向の中間部において、前記ノズルが前記回転子の半径方向外方に移動して巻線を行う請求項1〜4のいずれか1つに記載の回転子への巻線方法。
  5. 回転子を支持する支持台と、回転子の回転軸を把持して位置決めを行うチャックと、前記支持台の側方に配置された多関節ロボットと、この多関節ロボットの可動部先端に取付けられ、電線を繰り出す開口部を有するノズルとを備え、
    前記ノズルは、先端にスリット状の開口部を有する平板形状をなし、該開口部の長辺方向の少なくとも一辺と、短辺方向の少なくとも一辺とには、テーパ状に広がる内壁が形成されており、
    前記垂直多関節ロボットは、前記ノズルの、前記テーパ状に広がる内壁とされた長辺方向の辺の平板面が、巻線を施すべき突極部に常に向くようにノズルを回転させると共に、前記突極部の回りを周回するようにノズルを移動させながら、ノズルから繰り出される電線を前記突極部に巻き付けることを特徴とする回転子への巻線装置。
  6. 前記ノズルの、前記テーパ状に広がる内壁とされた長辺方向の辺と対向する辺の外側面は、先端に向かうほど薄くなるようなテーパ壁をなしている請求項5記載の回転子への巻線装置。
  7. 回転子コアの突極に、絶縁された電線を直巻してなる回転子において、前記回転子コアが一体に形成されたものからなり、前記回転子コアの突極数が6以上であって、前記回転子コアの直径が400mm以上であり、かつ、電線の太さが2mm以上のものからなり、前記突極の基部側から先端側に向けて電線が整列して多層に連続して巻き付けられていることを特徴とする回転子。
  8. 請求項1〜4のいずれかに記載の巻線方法によって製造されたものである請求項7記載の回転子。
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