JP3625959B2 - 測定器用ケーブル - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、測定器用ケーブルに関し、詳しくは、四端子法によって低抵抗の抵抗値などを測定する測定器に用いるのに適した測定器用ケーブルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の四端子法を用いて抵抗の抵抗値を測定する測定系として図5に示す測定系S2が従来から知られている。この測定系S2は、測定対象物である抵抗Rに測定器用ケーブル21を介して交流定電流を供給する交流電流源PSと、抵抗Rの両端に発生した交流電圧を測定器用ケーブル21を介して入力すると共にその交流電圧の電圧値を測定する交流電圧計VMとを備えている。測定器用ケーブル21は、図1に示すように、ケーブル本体2と、ケーブル本体2と一体的に形成されたリードケーブル3a〜3dと、リードケーブル3a,3bの先端にそれぞれ取り付けられたクリップ状のコネクタ4a,4bと、リードケーブル3c,3dの先端にそれぞれ取り付けられたプラグ5a,5bとを備えて構成されている。
【0003】
測定器用ケーブル21は、図5に示すように、交流電流源PSの交流定電流を出力するための1組の信号出力用導線22a,22bと、抵抗Rの両端の交流電圧を入力するための1組の信号入力用導線23a,23bとを有している。測定器用ケーブル21のケーブル本体2は、図4(c)に示すように、信号出力用導線22aを芯線として信号入力用導線23aを網線とするシールド線24a、および信号出力用導線22bを芯線として信号入力用導線23bを網線とするシールド線24bが平行に挿入されて形成されている。また、測定器用ケーブル21のリードケーブル3a,3cは、同図(a)に示すように、信号出力用導線22aを芯線として信号入力用導線23aを網線とするシールド線24aで形成され、リードケーブル3b,3dは、同図(b)に示すように、信号出力用導線22bを芯線として信号入力用導線23bを網線とするシールド線24bで形成されている。
【0004】
一方、ケーブル本体2とリードケーブル3a〜3dとのそれぞれの境界部位6a,6b(図1参照)では、図5に示すように、両シールド線24a,24bが互いに分離され、分離された両シールド線24a,24bがリードケーブル3a〜3dをそれぞれ構成している。シールド線24a(または24b)の抵抗R側の先端部においては、信号出力用導線22a(または22b)の先端にコネクタ4a(または4b)の電極Ea (またはEb )が、信号入力用導線23a(または23b)の先端にコネクタ4a(または4b)の電極Ea (またはEb )がそれぞれ取り付けられている。さらに、シールド線24a(または24b)の他方の先端部においては、信号出力用導線22a(または22b)の先端にプラグ5a(または5b)のコネクタピンPa (またはPb )が、信号入力用導線23a(または23b)の先端にプラグ5a(または5b)の電極Pa (またはPb )がそれぞれ取り付けられている。
【0005】
この測定系S2では、測定開始に先立って、まず、交流定電流源PSの出力端子にプラグ5aのコネクタピンPa およびプラグ5bのコネクタピンPb を接続すると共に、交流電圧計VMの入力端子にプラグ5aのコネクタピンPa およびプラグ5bのコネクタピンPb を接続し、かつ抵抗Rの一端にコネクタ4aを挟み込むことによってその一端に電極Ea ,Ea を接続すると共に、抵抗Rの他端にコネクタ4bを挟み込むことによってその他端に電極Eb ,Eb を接続する。
【0006】
次いで、交流定電流源PSから交流定電流を出力させると、信号出力用導線22a,22bを介して、抵抗Rに交流定電流が流れることによって、抵抗Rの両端に交流電圧が発生する。交流電圧計VMは、信号入力用導線23a,23bを介して交流電圧を入力し、その交流電圧値を測定する。この結果、交流定電流から出力された電流値Iと交流電圧計VMの測定値である電圧値Vとに基づいて、抵抗Rの抵抗値が、下記の式に従った四端子法により演算される。
抵抗値=V/I
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、この従来の測定器用ケーブル21には、以下の問題点がある。すなわち、一般的には、2本の導線が隣接している場合、一方の導線に電流が流れると、その導線に磁界が発生する。この場合、その磁界中の隣接している他方の導線には、発生した磁界に起因して一方の導線に流れている電流とは位相が90゜異なる誘導電圧が発生する。具体的には、例えば、信号出力用導線22aに交流定電流が流れると、隣接している信号入力用導線23aに誘導電圧が発生する。この誘導電圧は、交流定電流が大きければ大きいほど、その電圧値が大きくなる。このため、この測定器用ケーブル21を用いて抵抗Rの抵抗値を測定した場合には、上記した四端子法による演算において、誘導電圧に起因する誤差が生じてしまうという問題点がある。
【0008】
この場合、誘導電圧が小さな電圧値の場合には、信号入力用導線23a,23bを介して入力される交流電圧と誘導電圧とは位相が常に90゜異なるため、公知のキャンセリング技術によってある程度までキャンセルすることは可能である。しかし、この場合にあっても、誘導電圧の電圧値が大きいと、交流電圧計VM内のプリアンプが誘導電圧によって飽和させられてしまうために、交流電圧を正確に検出することができない状態になってしまうという問題点がある。
【0009】
なお、誘導電圧を低減させる方法として、四端子対法が知られている(特開平3−249570号公報)。この方法によれば、信号出力用導線22a,22bおよび信号入力用導線23a,23bの代わりに、4本の同軸ケーブルを用いる必要があり、しかも、同軸ケーブルのシールド線部分(網線部分)を測定対象の抵抗側で互いに直列接続しなければならない。このため、測定器用ケーブルの材料費が高価格となるばかりでなく、その加工が極めて煩雑のために加工コストも上昇してしまう。また、四端子法では、測定対象の抵抗R側のリードケーブル3a,3bを互いに分離させておくことが可能であるに対し、四端子対法では、測定対象の抵抗の両端にそれぞれ接続される同軸ケーブルのシールド線同士を接続しなければならないため、自由に分離させることができず、測定器用ケーブルの取り扱いが極めて不便であるという問題点がある。
【0010】
本発明は、かかる問題点を解決すべくなされたものであり、誘導電圧の発生を低減可能な測定器用ケーブルを提供することを主目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく請求項1記載の測定器用ケーブルは、相互に絶縁された2本の導線からそれぞれ構成される1組の第1信号伝送用導線および1組の第2信号伝送用導線を少なくとも備え、2組の伝送用導線のそれぞれの中間部位において、第1信号伝送用導線および第2信号伝送用導線を集合させ、2組の信号伝送用導線の両端部位において、第1信号伝送用導線の一方の導線と第2信号伝送用導線の一方の導線とを互いに隣接させると共に第1信号伝送用導線の他方の導線と第2信号伝送用導線の他方の導線とを互いに隣接させた測定器用ケーブルにおいて、中間部位において、第1信号伝送用導線の一方の導線と第2信号伝送用導線の他方の導線とを互いに隣接させると共に、第1信号伝送用導線の他方の導線と第2信号伝送用導線の一方の導線とを互いに隣接させたことを特徴とする。
【0012】
この測定器用ケーブルでは、第2信号伝送用導線の一方の導線は、両端部位では、第1信号伝送用導線の一方の導線と隣接し、中間部位では、第1信号伝送用導線の他方の導線と隣接している。このため、例えば、第1信号伝送用導線および第2信号伝送用導線をそれぞれ信号出力用導線および信号入力用導線として使用した場合、両端部位おいて第1信号伝送用導線の一方の導線に発生した磁界に起因して第2信号伝送用導線の一方の導線に誘導する誘導電圧の向きと、中間部位において第1信号伝送用導線の他方の導線に発生した磁界に起因して第2信号伝送用導線の一方の導線に誘導する誘導電圧の向きとが互いに逆向きとなる。したがって、両部位において第2信号伝送用導線の一方の導線に誘導した誘導電圧が互いに打ち消し合って低減される。これにより、例えば、第2信号伝送用導線を介して入力した電圧を電圧計などによって測定する場合には、電圧計に入力される誘導電圧の電圧値が小さくなるため、測定誤差を小さくすることが可能になる。なお、同様にして、第2信号伝送用導線の他方の導線に誘導する誘導電圧も互いに打ち消し合って低減される。
【0013】
請求項2記載の測定器用ケーブルは、請求項1記載の測定器用ケーブルにおいて、中間部位および両端部位のケーブル長は、第1信号伝送用導線と第2信号伝送用導線との相互間において発生する誘導電圧を互いに打ち消し合い可能な長さにそれぞれ形成されていることを特徴とする。
【0014】
一般的に、2本の平行導線のうちの一方の導線に電流が流れると、その一方の導線に磁界が発生することにより、両導線間には相互インダクタンスが発生する。この場合、相互インダクタンスは、平行導線の長さと長さの対数値とに少なくとも基づいて近似される。一方、他方の導線に誘導される誘導電圧の電圧値は、相互インダクタンスにほぼ比例するため、両端部位のケーブル長および中間部位のケーブル長を所定の長さに規定することによって、第1信号伝送用導線と第2信号伝送用導線との相互間において発生する誘導電圧を互いに完全に打ち消し合うことが可能になる。このため、例えば、第2信号伝送用導線を介して入力した電圧を電圧計によって測定する場合などでは、電圧計に入力される誘導電圧の電圧値を殆ど0Vにすることが可能になるため、測定誤差をなくすことが可能になる。
【0015】
請求項3記載の測定器用ケーブルは、請求項1または2記載の測定器用ケーブルにおいて、両端部位の合計ケーブル長と中間部位のケーブル長とをほぼ等しく形成したことを特徴とする。
【0016】
誘導電圧の値は、厳密には、上記したように、平行導線の長さと、その長さの対数値とに少なくとも基づいて近似される。しかし、一般的に、測定器用ケーブルとして使用する長さ(2m程度)では、誘導電圧の電圧値がケーブル長にほぼ比例するものとして考えることができる。このため、両端部位の合計ケーブル長と中間部位のケーブル長とをほぼ等しく形成することにより、誘導電圧の値を低減させることが可能になる。
【0017】
請求項4記載の測定器用ケーブルは、請求項1から3のいずれかに記載の測定器用ケーブルにおいて、両端部位において、第1信号伝送用導線の一方の導線と第2信号伝送用導線の一方の導線とを1組のリードケーブルとしてそれぞれ形成すると共に、第1信号伝送用導線の他方の導線と第2信号伝送用導線の他方の導線とを1組のリードケーブルとしてそれぞれ形成し、4つのリードケーブルは互いにそれぞれ分離させられていることを特徴とする。
【0018】
両端部位のケーブルは、その両端において測定用プローブなどが取り付けられる限り、中間部位と一体的に形成されていても構わない。つまり、1本のケーブル内において第1信号伝送用導線および第2信号伝送用導線が交差する構造であってもよい。一方、この測定器用ケーブルのように、ケーブルの両端部位におけるリードケーブル部分が互いに分離している構造を採用すれば、中間部位の部分は、一般的な平行2芯導線をさらに2本平行に埋め込んだ複合ケーブルなどを用い、中間部位の部分とリードケーブルとの両境界部位において、第1信号伝送用導線の一方の導線と他方の導線とが(または第2信号伝送用導線の一方の導線と他方の導線とが)互いに交差するようにケーブル加工することにより、測定器用ケーブル内で導線を交差させることによって製造する場合と比較して、ケーブル製造コストを上昇させることなく、簡易に製造することが可能になる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る測定器用ケーブル(以下、単に「ケーブル」ともいう)の好適な実施の形態について説明する。
【0020】
ケーブル1は、例えば、数mΩ〜数Ωの低抵抗の抵抗値を測定する低抵抗計用のケーブルに好適に用いられるものであつて、基本的には、従来の測定器用ケーブル21と同一の外観を有している。したがって、従来の測定器用ケーブル21と同一の構成要素については同一の符号を用いて、従来の測定器用ケーブル21と異なる点について詳述する。
【0021】
最初に、図1を参照して、ケーブル1の構成について説明する。
【0022】
ケーブル1は、同図に示すように、ケーブル自体としては、中間部位のケーブル本体2と、ケーブル本体2と一体的に形成された両端部位のリードケーブル3a〜3dとで構成されている。ケーブル1は、図2に示すように、相互に絶縁された4本の導線を有しており、これらの導線は、2本の導線から構成される1組の信号出力用導線(本発明における第1信号伝送用導線に相当する)12a,12bと、同じく2本の導線から構成される1組の信号入力用導線(本発明における第2信号伝送用導線に相当する)13a,13bとを有している。
【0023】
ケーブル本体2は、図3(c)に示すように、信号出力用導線12aを芯線として信号入力用導線13bを網線とするシールド線15a、および信号出力用導線12bを芯線として信号入力用導線13aを網線とするシールド線15bが平行に挿入されて形成されている。また、リードケーブル3a,3cは、同図(a)に示すように、信号出力用導線12aを芯線として信号入力用導線13aを網線とするシールド線14aで形成され、リードケーブル3b,3dは、同図(b)に示すように、信号出力用導線12bを芯線として信号入力用導線13bを網線とするシールド線14bで形成されている。
【0024】
一方、ケーブル本体2とリードケーブル3a〜3dとのそれぞれの境界部位6a,6b(図1参照)では、図2に示すように、両シールド線14a,14bが互いに分離され、分離された両シールド線14a,14bがリードケーブル3a〜3dをそれぞれ構成している。シールド線14a(または14b)の抵抗R側の先端部においては、信号出力用導線12a(または12b)の先端にコネクタ4a(または4b)の電極Ea (またはEb )が、信号入力用導線13a(または13b)の先端にコネクタ4a(または4b)の電極Ea またはEb )がそれぞれ取り付けられている。さらに、シールド線14a(または14b)の他方の先端部においては、信号出力用導線12a(または12b)の先端にプラグ5a(または5b)のコネクタピンPa (またはPb )が、信号入力用導線13a(または13b)の先端にプラグ5a(または5b)の電極Pa (またはPb )がそれぞれ取り付けられている。
【0025】
次いで、ケーブル1の製造方法の概略について説明する。
【0026】
まず、ケーブル本体2内のシールド線15a,15bの両先端部の被覆を剥ぐことにより、信号出力用導線12a(芯線部分)および信号入力用導線13b(網線部分)をそれぞれ露出させる。次いで、互いにそれぞれ分離して同一長の4本のシールド線14a,14a,14b,14bを用意し、これらの両端の芯線部分および網線部分をそれぞれ露出させる。次に、シールド線15aの信号出力用導線12aの両端部分を、シールド線14a,14aの信号出力用導線12a,12a(芯線部分)にそれぞれ半田付けする。また、シールド線15aの信号入力用導線13bの両端部分を、シールド線14b,14bの信号入力用導線13b(網線部分)にそれぞれ半田付けする。同じようにして、シールド線15bの信号出力用導線12bの両端部分を、シールド線14b,14bの信号出力用導線12b,12b(芯線部分)にそれぞれ半田付けし、シールド線15bの信号入力用導線13aの両端部分を、シールド線14a,14aの信号入力用導線13a(網線部分)にそれぞれ半田付けする。
【0027】
次に、シールド線14a,14a,14b,14bの先端部にコネクタ4a,4bおよびプラグ5a,5bを取り付けた後、一体成形によってシールド線15a,15b,14a,14a,14b,14b全体を樹脂で覆うことにより、ケーブル1が完成する。このように、ケーブル1の両端部位におけるそれぞれのリードケーブル3a〜3dを互いに分離させているため、ケーブル本体2の部分は、一般的な平行2芯導線をさらに2本平行に埋め込んだ複合ケーブル(または2本の平行2芯導線)などを用い、ケーブル本体2とリードケーブル3a〜3dとの両境界部位6a,6bにおいて、信号出力用導線12aと信号出力用導線12bとが(信号入力用導線13aと信号入力用導線13bとであってもよい)互いに交差するようにケーブル加工することにより、ケーブル1内で導線を交差させることによって製造する場合と比較して、ケーブル製造コストを上昇させることなく、簡易に製造することが可能になる。
【0028】
次に、このケーブル1を用いた測定について説明する。図2に示す測定系S1では、従来の測定系S2と同様にして、四端子法によって抵抗Rの抵抗値を測定することができ、その際において、信号出力用導線12a,12bに交流定電流が流れることに起因して信号入力用導線13a,13bに誘導する誘導電圧が極めて低減されている。
【0029】
次いで、このケーブル1を使用することによって誘導電圧が低減される原理について説明する。
【0030】
例えば、4本のリードケーブル3a〜3dのケーブル長(信号出力用導線12a,12bが交差する境界部位6a(または6b)から先端部までの長さ)をそれぞれ0.5m(以下、「L」とも表す)とし、ケーブル本体2のケーブル長(信号出力用導線12a,12bがそれぞれ交差する境界部位6a,6b間の長さ)を1m(以下、「2×L」とも表す)とし、リードケーブル3a〜3dにおける信号出力用導線12a(または12b)と信号入力用導線13a(または13b)との間隔、およびケーブル本体2における信号出力用導線12a(または12b)と信号入力用導線13b(または13a)との間隔をそれぞれ2mm(以下、「d」とも表す)とする。この場合、信号出力用導線12a,12bに交流定電流が流れると、両導線12a,12bに磁界が発生することにより、両導線12a,12bと信号入力用導線13a,13bとの間に、相互インダクタンスがそれぞれ発生する。
【0031】
この場合、相互インダクタンスMは、磁界の磁束密度をμとすると、一般的に、以下の式によって近似される。
M=μ×L×(Log(2×L/d)−1)/(2×π)
また、リードケーブル3aにおける相互インダクタンスをM1とし、リードケーブル3cにおける相互インダクタンスをM3とし、ケーブル本体2における相互インダクタンスをM2とすると、以下の関係になる。
M1+M3=μ×L×(Log(2×L/d)−1)/π
Figure 0003625959
と表される。
したがって、相互インダクタンス(M1+M3)およびM2は、互いにほぼ等しくなる。
【0032】
一方、誘導電圧の電圧値が相互インダクタンスにほぼ比例するため、リードケーブル3a,3c(または3b,3d)の部分での誘導電圧の電圧値と、ケーブル本体2の部分での誘導電圧の電圧値とは、電圧の向きが互いに逆向きでかつ互いにほぼ等しい値になる。このため、両リードケーブル3a,3cの合計ケーブル長および両リードケーブル3b,3dの合計ケーブル長と、ケーブル本体2のケーブル長とをほぼ等しく形成することにより、リードケーブル3a,3c(または3b,3d)の部分で誘導する誘導電圧と、ケーブル本体2の部分で誘導する誘導電圧とが相互に打ち消し合うことにより、交流電圧計VMに入力する誘導電圧の値が殆ど0Vになり、これにより、交流電圧計VMにおける測定誤差をなくすことができる。
【0033】
なお、上記ケーブル1では、リードケーブル3a,3cの合計ケーブル長を、ケーブル本体2の合計ケーブル長と等しく形成したが、本発明は、これに限定されず、上記した相互インダクタンス(M1+M3)と、相互インダクタンスM2とが等しくなるように、それぞれのケーブル長を規定してもよい。
【0034】
さらに、ケーブル1として、ケーブル本体2の部分において、網線などによってシールド線15a,15bをさらにシールドし、境界部位において、その網線と信号入力用導線13bとを半田付けするように構成してもよい。
【0035】
また、本発明に係るケーブル1は、低抵抗計に限らず、2本の導線によって信号を出力すると共に2本の導線によって信号を入力することによって各種パラメータを測定する計測器のすべてに適用することが可能である。
【0036】
【発明の効果】
以上のように請求項1記載の測定器用ケーブルによれば、第2信号伝送用導線の一方の導線を、両端部位において、第1信号伝送用導線の一方の導線と隣接させると共に、中間部位において、第1信号伝送用導線の他方の導線と隣接させ、かつ、第2信号伝送用導線の他方の導線を、両端部位において、第1信号伝送用導線の他方の導線と隣接させると共に、中間部位において、第1信号伝送用導線の一方の導線と隣接させたことにより、例えば、第1信号伝送用導線および第2信号伝送用導線をそれぞれ信号出力用導線および信号入力用導線として使用した場合、両端部位および中間部位において第1信号伝送用導線に発生した磁界に起因して第2信号伝送用導線に誘導する誘導電圧を互いに打ち消し合わせることができる。これにより、例えば、第2信号伝送用導線を介して入力した電圧を電圧計などによって測定する場合に、その測定誤差を小さくすることができる。
【0037】
また、請求項2記載の測定器用ケーブルによれば、中間部位および両端部位のケーブル長を、第1信号伝送用導線と第2信号伝送用導線との相互間において発生する誘導電圧を互いに打ち消し合わせることが可能な長さにそれぞれ形成したため、第1信号伝送用導線と第2信号伝送用導線との相互間において発生する誘導電圧を互いに完全に打ち消し合わせることができる。これにより、例えば、第2信号伝送用導線を介して入力した電圧を電圧計によって測定する場合など、電圧計に入力される誘導電圧の電圧値を殆ど0Vにすることができ、測定誤差をなくすことができる。
【0038】
さらに、請求項3記載の測定器用ケーブルによれば、両端部位の合計ケーブル長と中間部位のケーブル長とをほぼ等しく形成したため、誘導電圧の値を低減させることができる。
【0039】
また、請求項4記載の測定器用ケーブルによれば、測定器用ケーブルの両端の両リードケーブルを互いにそれぞれ分離したため、ケーブル本体と一体的に形成する場合と比較して、ケーブル製造コストを上昇させることなく、簡易に製造することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る測定器用ケーブルおよび従来の測定器用ケーブルの外観図である。
【図2】本発明の実施形態に係る測定系を説明するための測定系概略図である。
【図3】(a)は本発明の実施形態に係る測定器用ケーブルにおけるリードケーブルの断面図であり、(b)は本発明の実施形態に係る測定器用ケーブルにおけるリードケーブルの断面図であり、(c)は本発明の実施形態に係る測定器用ケーブルにおけるケーブル本体の断面図である。
【図4】(a)は従来の測定器用ケーブルにおけるリードケーブルの断面図であり、(b)は従来の測定器用ケーブルにおけるリードケーブルの断面図であり、(c)は従来の測定器用ケーブルにおけるケーブル本体の断面図である。
【図5】従来の測定器用ケーブルを使用した場合の測定系を説明するための測定系概略図である。
【符号の説明】
1 測定器用ケーブル
2 ケーブル本体
3a リードケーブル
3b リードケーブル
3c リードケーブル
3d リードケーブル
12a 信号出力用導線
12b 信号出力用導線
13a 信号入力用導線
13b 信号入力用導線
15a シールド線
15b シールド線

Claims (4)

  1. 相互に絶縁された2本の導線からそれぞれ構成される1組の第1信号伝送用導線および1組の第2信号伝送用導線を少なくとも備え、前記2組の伝送用導線のそれぞれの中間部位において、前記第1信号伝送用導線および前記第2信号伝送用導線を集合させ、前記2組の信号伝送用導線の両端部位において、前記第1信号伝送用導線の一方の前記導線と前記第2信号伝送用導線の一方の前記導線とを互いに隣接させると共に前記第1信号伝送用導線の他方の前記導線と前記第2信号伝送用導線の他方の前記導線とを互いに隣接させた測定器用ケーブルにおいて、
    前記中間部位において、前記第1信号伝送用導線の一方の導線と前記第2信号伝送用導線の他方の導線とを互いに隣接させると共に、前記第1信号伝送用導線の他方の導線と前記第2信号伝送用導線の一方の導線とを互いに隣接させたことを特徴とする測定器用ケーブル。
  2. 前記中間部位および前記両端部位のケーブル長は、前記第1信号伝送用導線と前記第2信号伝送用導線との相互間において発生する誘導電圧を互いに打ち消し合い可能な長さにそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項1記載の測定器用ケーブル。
  3. 前記両端部位の合計ケーブル長と前記中間部位のケーブル長とをほぼ等しく形成したことを特徴とする請求項1または2記載の測定器用ケーブル。
  4. 前記両端部位において、前記第1信号伝送用導線の一方の導線と前記第2信号伝送用導線の一方の導線とを1組のリードケーブルとしてそれぞれ形成すると共に、前記第1信号伝送用導線の他方の導線と前記第2信号伝送用導線の他方の導線とを1組のリードケーブルとしてそれぞれ形成し、当該4つのリードケーブルは互いにそれぞれ分離させられていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の測定器用ケーブル。
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