JP3623092B2 - 光プリンタヘッド - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電子写真プリンタ等の画像形成手段として用いられる固体走査方式の光プリンタヘッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、電子写真プリンタ等の画像形成手段として光プリンタヘッドが用いられている。かかる光プリンタヘッドは、複数個の給電配線を有する基板の一主面に、発光ダイオードアレイチップ(以下、LEDアレイチップという)を取着した構造を有している。前記LEDアレイチップは、例えば図5に示す如く、その一主面に、直線状に配列された複数個の発光部12と、該素子12に個々に対応して設けられる複数個の個別電極端子13とを有しており、これらの個別電極端子13とチップ11の他主面に設けられるグランド電極(図示せず)との間に所定の電力を印加することによって発光部12を発光・駆動させるようになっている。
【0003】
尚、前記LEDアレイチップ11の個別電極端子13やグランド電極はボンディングワイヤ等の接続部材を介して基板上の給電配線に電気的に接続され、これによって外部電源からの電力を基板上の給電配線を介して発光部12に印加するようになっている。
【0004】
そして、前記LEDアレイチップ11の発光部12の発する光はレンズ等の光学系を介して外部の感光体に照射され、感光体に所定の潜像を形成することによって光プリンタヘッドとして機能する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この従来の光プリンタヘッドによれば、LEDアレイチップ11の一主面には発光部12と同数の個別電極端子13が設けられている。このため、LEDアレイチップ11の一主面にはこれらの個別電極端子13を形成するための広いスペースが必要となり、このことがLEDアレイチップ11の小型化を困難なものとしていた。
【0006】
また前述のLEDアレイチップ11は、一般に従来周知の半導体製造技術により形成した半導体ウエハーをダイシングすることによって一度に複数個が製作されるようになっている。ところが、LEDアレイチップ11の小型化が前述のように困難である場合、1枚の半導体ウエハーより得られるLEDアレイチップ11の個数が少なくなってしまい、チップ一個当たりの製造コストが高価なものとなる欠点も有していた。
【0007】
更に前述したLEDアレイチップ11の個別電極端子13は、従来周知の薄膜形成技術、具体的にはスパッタリング法やフォトリソグラフィー技術等によってチップ11の一主面に高密度(20〜40μmピッチ)に形成されており、隣接する個別電極端子13間の間隔が極めて短いことから、この間でショートを起こすことが多く、このことがLEDアレイチップ11の良品率を低下させる原因の一つとなっていた。
【0008】
また更に前述のLEDアレイチップ11は、個別電極端子13の一部を発光部12上に被着させて両者を接続するようにしているため、個別電極端子13が発光部12の発光面を覆ってしまわないように個別電極端子13の一部を出来るだけ細く形成しなければならない。このような個別電極端子13を前述の薄膜形成技術によって形成すると、個別電極端子13が途中で断線してしまうことが多く、このこともLEDアレイチップ11の良品率を低下させる原因の一つとなっていた。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記欠点に鑑み案出されたもので、本発明の光プリンタヘッドは、複数個の給電配線を有する基板の一主面に、端面発光型の発光ダイオードアレイチップを、該チップの発光部を構成するn型半導体層及びp型半導体層に窓付きの絶縁膜が積層されており、該絶縁膜の窓内に位置する前記p型半導体層が前記給電配線に異方性導電接着剤を介して直に接続されるようにして取着してなるものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の光プリンタヘッドの一形態を示す斜視図、図2は図1のX−X線断面図、図3は図1のY−Y線断面図、図4は図1の光プリンタヘッドに使用される発光ダイオードアレイチップ(LEDアレイチップ)の平面図であり、1は基板、2は給電配線、3はLEDアレイチップ、3b,3cはLEDアレイチップ3の発光部構成層、5は異方性導電接着剤である。
【0011】
前記基板1は、例えばアルミナセラミックスやガラスエポキシ樹脂,ホウ珪酸ガラス,結晶質ガラス等の電気絶縁性材料から成り、その一主面で複数個の給電配線2から成る回路パターンや後述するLEDアレイチップ3等を支持するための支持母材として機能する。
【0012】
また前記基板1上の給電配線2は、金や銀,アルミニウム,ニッケル等の金属材料から成り、LEDアレイチップ3の各発光部構成層3b,3cに後述する異方性導電接着剤5等を介して外部電源からの電力を供給する作用を為す。これらの給電配線2は、基板1の一端側において図示しないコネクタ等を介して外部の電気回路(プリンタ本体など)に電気的に接続される。
【0013】
尚、前記給電配線2は、前述の金属材料をスパッタリング法やフォトリソグラフィー技術等の薄膜形成技術によって所定パターンに微細加工したり、或いは、所定の導電ペーストをスクリーン印刷等の厚膜形成技術によって所定パターンに印刷・塗布し、これを高温で焼き付けることによって形成される。
【0014】
そしてこのような給電配線2を有した基板1の一主面には、端面発光型のLEDアレイチップ3が、該チップ3の発光部構成層3b,3cを前記給電配線2に異方性導電接着剤5を介して直に接続するようにして取着・実装されている。
【0015】
前記LEDアレイチップ3は、発光部構成層3cと給電配線2との間に介在される異方性導電接着剤5中の導電性微粒子5bをLEDアレイチップ3の一方の電極として機能させるようにしたものであり、この導電性微粒子5bと、チップ3の他主面に形成されるグランド電極3gとの間に外部電源からの電力を印加することによってチップ3のエッジに沿って配列させた複数個の発光部構成層3b,3cを個々に発光・駆動し、該発光した光をLEDアレイチップ3の端面より外部に放出するようになっている。
【0016】
例えばLEDアレイチップ3が、GaAs基板3aの一主面側に発光部を構成するn型半導体層3b及びp型半導体層3cと、窓付きの絶縁膜3dとを積層し、かつ他主面側にグランド電極3gを被着させた構造を有している場合、異方性導電接着剤5中の導電性微粒子5bが絶縁膜3dの窓内に位置するp型半導体層3cに対して直に接触するようになっており、異方性導電接着剤5とグランド電極3gとの間に所定の電力を印加することによってn型半導体層3bとp型半導体層3cとの接合面(pn接合面)4において所定波長の光を発するようになっている。
【0017】
尚、このようなLEDアレイチップ3は従来周知の半導体製造技術によって一度に複数個が製作される。具体的には、例えばGaAsP系のLEDアレイチップ3を製作する場合、まずGaAsから成る半導体ウエハーを炉中にて高温に加熱するとともにAsH3 とPH3 とGaを適量に含むガスを接触させてウエハーの表面にn型半導体3bのGaAsP(ガリウム−砒素−リン)の単結晶を成長させ、次にGaAsP単結晶表面にSi3 N4 (窒化シリコン)の窓付絶縁膜3dを被着させ、その後、前記窓部にZn(亜鉛)のガスをさらし、GaAsP単結晶の一部にZnを拡散させてp型半導体層3cを形成することによってpn接合をもたせ、このような半導体ウエハーを複数個の発光部、例えば128個の発光部毎にダイシングすることによって一度に複数個が製作される。
【0018】
一方、前記LEDアレイチップ3の電極として機能する異方性導電接着剤5は、エポキシ樹脂やアクリル樹脂等の樹脂5a中に銀や金等の導電性微粒子5b(径5〜10μm)を所定の割合(含有率:10〜90重量%)で添加・混合して構成される。
【0019】
前記異方性導電接着剤5は、その中に含まれている導電性微粒子5bを発光部と給電配線2との間、より具体的には絶縁膜3dの窓内に位置するp型半導体層3cと給電配線2との間に挟み込んで両者を電気的に接続させるとともに、接着剤としての樹脂5aでもってLEDアレイチップ3を基板1に接着する作用を為し、これによってLEDアレイチップ3が基板1の一主面に取着・実装されるようになっている。
【0020】
尚、前記LEDアレイチップ3の基板1への取着は、まず給電配線2が形成されている基板1の一主面に、樹脂5aの前駆体を用いて作製した液状の異方性導電接着剤5をディスペンサー等によって帯状に塗布し、次に該塗布面にLEDアレイチップ3を押圧し、LEDアレイチップ3のp型半導体層3cと給電配線2とで異方性導電接着剤5中の導電性微粒子5bを挟持した状態で前記異方性導電接着剤5に熱を印加し、樹脂5aの前駆体を熱硬化させることによって行われ、これによって発光部構成層3b,3cと給電配線2とが異方性導電接着剤5により電気的に接続され、同時にLEDアレイチップ3が基板1に接着・固定される。この場合、各LEDアレイチップ3の構成層3b,3cはその総数が極めて多い場合でもその全てが基板1の給電配線2に異方性導電接着剤5を介して一度に、且つ強固に電気的接続されることから、LEDアレイチップ3の各発光部構成層3b,3cと給電配線2との電気的接続を極めて短時間に行うことができ、光プリンタヘッドの組立の作業性が向上する。
【0021】
またLEDアレイチップ3の他主面に形成される他方電極としてのグランド電極3gは、図示しないボンディングワイヤや他の回路基板等を介して基板1上の配線に電気的に接続され、更にコネクタ等を介して外部の電気回路と電気的に接続されることとなる。
【0022】
そして前記LEDアレイチップ3の端面より放出される光の光路上には図示しないレンズが配置されるようになっており、LEDアレイチップ3からの光を前記レンズを介して外部の感光体に照射させることによって感光体に潜像を形成するようになっている。
【0023】
以上のような本形態の光プリンタヘッドにおいては、複数個の給電配線2を有する基板1の一主面に、端面発光型のLEDアレイチップ3を、該チップ3の発光部構成層3b,3cが前記給電配線2に異方性導電接着剤5を介して直に接続されるようにして取着させたことから、チップ3の一主面には発光部構成層3b,3cを給電配線2に接続させるための複数個の個別電極端子等を別途、設ける必要がなくなり、これによってLEDアレイチップ3の小型化が可能になるとともに、個別電極端子等の形成が不要となったことでLEDアレイチップ3の良品率も向上する。
【0024】
また前述の如く、個々のLEDアレイチップ3が小型化されると、1枚の半導体ウエハーより得られるLEDアレイチップ3の数を増やすことができるため、前述した良品率向上の効果と相まってLEDアレイチップ3の製造コストが大幅に低減され、製品としての光プリンタヘッドを安価になすことが可能となる。
【0025】
更に本形態の光プリンタヘッドにおいては、LEDアレイチップ3が端面発光型であるため、LEDアレイチップ3の一主面と対面配置される給電配線2の線幅等に何ら制約を受けることはなく、給電配線2を電力の供給に十分な線幅、例えば、発光部と略等しいか、それ以上の幅でもって形成することができる。
【0026】
尚、本発明は上述の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更が可能である。例えば、上述の形態において説明を簡略化するために1個の基板上にLEDアレイチップを1個だけ搭載する例でもって説明したが、1個の基板上に複数個のLEDアレイチップを搭載しても良いことは勿論であり、例えば、A4サイズ,600dpiの光プリンタヘッドを構成する場合、1個の基板上に、128個の発光部が24個/mmの線密度で配列されているLEDアレイチップを40個、取着させることによって光プリンタヘッドが構成される。
【0027】
【発明の効果】
本発明の光プリンタヘッドによれば、複数個の給電配線を有する基板の一主面に、端面発光型のLEDアレイチップを、該チップの発光部を構成するn型半導体層及びp型半導体層に窓付きの絶縁膜が積層されており、該絶縁膜の窓内に位置する前記p型半導体層が前記給電配線に異方性導電接着剤を介して直に接続されるようにして取着させたことから、LEDアレイチップの一主面にはn型半導体層及びp型半導体層からなる発光部構成層を給電配線に接続させるための複数個の個別電極端子等を別途、設ける必要がなくなり、これによってLEDアレイチップの小型化が可能になるとともに、個別電極端子等の形成が不要となったことでLEDアレイチップの良品率も向上する。
【0028】
また前述の如く、個々のLEDアレイチップが小型化されると、1枚の半導体ウエハーより得られるLEDアレイチップの数を増やすことができるため、前述した良品率向上の効果と相まってLEDアレイチップの製造コストが大幅に低減されるようになり、製品としての光プリンタヘッドを安価になすことが可能となる。
【0029】
更に本発明の光プリンタヘッドにおいては、LEDアレイチップが端面発光型であるため、LEDアレイチップの一主面と対面配置される基板上の給電配線はその線幅等に何ら制約を受けることはなく、給電配線を電力の供給に十分な線幅、例えば、発光部と略等しいか、それ以上の幅でもって形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光プリンタヘッドの一形態を示す断面図である。
【図2】図1のX−X線断面図である。
【図3】図1のY−Y線断面図である。
【図4】図1の光プリンタヘッドに使用されるLEDアレイチップの平面図である。
【図5】従来の光プリンタヘッドに使用されるLEDアレイチップの平面図である。
【符号の説明】
1・・・基板
2・・・給電配線
3・・・LEDアレイチップ(発光ダイオードアレイチップ)
3b,3c・・・発光部構成層
5・・・異方性導電接着剤
【発明の属する技術分野】
本発明は電子写真プリンタ等の画像形成手段として用いられる固体走査方式の光プリンタヘッドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、電子写真プリンタ等の画像形成手段として光プリンタヘッドが用いられている。かかる光プリンタヘッドは、複数個の給電配線を有する基板の一主面に、発光ダイオードアレイチップ(以下、LEDアレイチップという)を取着した構造を有している。前記LEDアレイチップは、例えば図5に示す如く、その一主面に、直線状に配列された複数個の発光部12と、該素子12に個々に対応して設けられる複数個の個別電極端子13とを有しており、これらの個別電極端子13とチップ11の他主面に設けられるグランド電極(図示せず)との間に所定の電力を印加することによって発光部12を発光・駆動させるようになっている。
【0003】
尚、前記LEDアレイチップ11の個別電極端子13やグランド電極はボンディングワイヤ等の接続部材を介して基板上の給電配線に電気的に接続され、これによって外部電源からの電力を基板上の給電配線を介して発光部12に印加するようになっている。
【0004】
そして、前記LEDアレイチップ11の発光部12の発する光はレンズ等の光学系を介して外部の感光体に照射され、感光体に所定の潜像を形成することによって光プリンタヘッドとして機能する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この従来の光プリンタヘッドによれば、LEDアレイチップ11の一主面には発光部12と同数の個別電極端子13が設けられている。このため、LEDアレイチップ11の一主面にはこれらの個別電極端子13を形成するための広いスペースが必要となり、このことがLEDアレイチップ11の小型化を困難なものとしていた。
【0006】
また前述のLEDアレイチップ11は、一般に従来周知の半導体製造技術により形成した半導体ウエハーをダイシングすることによって一度に複数個が製作されるようになっている。ところが、LEDアレイチップ11の小型化が前述のように困難である場合、1枚の半導体ウエハーより得られるLEDアレイチップ11の個数が少なくなってしまい、チップ一個当たりの製造コストが高価なものとなる欠点も有していた。
【0007】
更に前述したLEDアレイチップ11の個別電極端子13は、従来周知の薄膜形成技術、具体的にはスパッタリング法やフォトリソグラフィー技術等によってチップ11の一主面に高密度(20〜40μmピッチ)に形成されており、隣接する個別電極端子13間の間隔が極めて短いことから、この間でショートを起こすことが多く、このことがLEDアレイチップ11の良品率を低下させる原因の一つとなっていた。
【0008】
また更に前述のLEDアレイチップ11は、個別電極端子13の一部を発光部12上に被着させて両者を接続するようにしているため、個別電極端子13が発光部12の発光面を覆ってしまわないように個別電極端子13の一部を出来るだけ細く形成しなければならない。このような個別電極端子13を前述の薄膜形成技術によって形成すると、個別電極端子13が途中で断線してしまうことが多く、このこともLEDアレイチップ11の良品率を低下させる原因の一つとなっていた。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記欠点に鑑み案出されたもので、本発明の光プリンタヘッドは、複数個の給電配線を有する基板の一主面に、端面発光型の発光ダイオードアレイチップを、該チップの発光部を構成するn型半導体層及びp型半導体層に窓付きの絶縁膜が積層されており、該絶縁膜の窓内に位置する前記p型半導体層が前記給電配線に異方性導電接着剤を介して直に接続されるようにして取着してなるものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の光プリンタヘッドの一形態を示す斜視図、図2は図1のX−X線断面図、図3は図1のY−Y線断面図、図4は図1の光プリンタヘッドに使用される発光ダイオードアレイチップ(LEDアレイチップ)の平面図であり、1は基板、2は給電配線、3はLEDアレイチップ、3b,3cはLEDアレイチップ3の発光部構成層、5は異方性導電接着剤である。
【0011】
前記基板1は、例えばアルミナセラミックスやガラスエポキシ樹脂,ホウ珪酸ガラス,結晶質ガラス等の電気絶縁性材料から成り、その一主面で複数個の給電配線2から成る回路パターンや後述するLEDアレイチップ3等を支持するための支持母材として機能する。
【0012】
また前記基板1上の給電配線2は、金や銀,アルミニウム,ニッケル等の金属材料から成り、LEDアレイチップ3の各発光部構成層3b,3cに後述する異方性導電接着剤5等を介して外部電源からの電力を供給する作用を為す。これらの給電配線2は、基板1の一端側において図示しないコネクタ等を介して外部の電気回路(プリンタ本体など)に電気的に接続される。
【0013】
尚、前記給電配線2は、前述の金属材料をスパッタリング法やフォトリソグラフィー技術等の薄膜形成技術によって所定パターンに微細加工したり、或いは、所定の導電ペーストをスクリーン印刷等の厚膜形成技術によって所定パターンに印刷・塗布し、これを高温で焼き付けることによって形成される。
【0014】
そしてこのような給電配線2を有した基板1の一主面には、端面発光型のLEDアレイチップ3が、該チップ3の発光部構成層3b,3cを前記給電配線2に異方性導電接着剤5を介して直に接続するようにして取着・実装されている。
【0015】
前記LEDアレイチップ3は、発光部構成層3cと給電配線2との間に介在される異方性導電接着剤5中の導電性微粒子5bをLEDアレイチップ3の一方の電極として機能させるようにしたものであり、この導電性微粒子5bと、チップ3の他主面に形成されるグランド電極3gとの間に外部電源からの電力を印加することによってチップ3のエッジに沿って配列させた複数個の発光部構成層3b,3cを個々に発光・駆動し、該発光した光をLEDアレイチップ3の端面より外部に放出するようになっている。
【0016】
例えばLEDアレイチップ3が、GaAs基板3aの一主面側に発光部を構成するn型半導体層3b及びp型半導体層3cと、窓付きの絶縁膜3dとを積層し、かつ他主面側にグランド電極3gを被着させた構造を有している場合、異方性導電接着剤5中の導電性微粒子5bが絶縁膜3dの窓内に位置するp型半導体層3cに対して直に接触するようになっており、異方性導電接着剤5とグランド電極3gとの間に所定の電力を印加することによってn型半導体層3bとp型半導体層3cとの接合面(pn接合面)4において所定波長の光を発するようになっている。
【0017】
尚、このようなLEDアレイチップ3は従来周知の半導体製造技術によって一度に複数個が製作される。具体的には、例えばGaAsP系のLEDアレイチップ3を製作する場合、まずGaAsから成る半導体ウエハーを炉中にて高温に加熱するとともにAsH3 とPH3 とGaを適量に含むガスを接触させてウエハーの表面にn型半導体3bのGaAsP(ガリウム−砒素−リン)の単結晶を成長させ、次にGaAsP単結晶表面にSi3 N4 (窒化シリコン)の窓付絶縁膜3dを被着させ、その後、前記窓部にZn(亜鉛)のガスをさらし、GaAsP単結晶の一部にZnを拡散させてp型半導体層3cを形成することによってpn接合をもたせ、このような半導体ウエハーを複数個の発光部、例えば128個の発光部毎にダイシングすることによって一度に複数個が製作される。
【0018】
一方、前記LEDアレイチップ3の電極として機能する異方性導電接着剤5は、エポキシ樹脂やアクリル樹脂等の樹脂5a中に銀や金等の導電性微粒子5b(径5〜10μm)を所定の割合(含有率:10〜90重量%)で添加・混合して構成される。
【0019】
前記異方性導電接着剤5は、その中に含まれている導電性微粒子5bを発光部と給電配線2との間、より具体的には絶縁膜3dの窓内に位置するp型半導体層3cと給電配線2との間に挟み込んで両者を電気的に接続させるとともに、接着剤としての樹脂5aでもってLEDアレイチップ3を基板1に接着する作用を為し、これによってLEDアレイチップ3が基板1の一主面に取着・実装されるようになっている。
【0020】
尚、前記LEDアレイチップ3の基板1への取着は、まず給電配線2が形成されている基板1の一主面に、樹脂5aの前駆体を用いて作製した液状の異方性導電接着剤5をディスペンサー等によって帯状に塗布し、次に該塗布面にLEDアレイチップ3を押圧し、LEDアレイチップ3のp型半導体層3cと給電配線2とで異方性導電接着剤5中の導電性微粒子5bを挟持した状態で前記異方性導電接着剤5に熱を印加し、樹脂5aの前駆体を熱硬化させることによって行われ、これによって発光部構成層3b,3cと給電配線2とが異方性導電接着剤5により電気的に接続され、同時にLEDアレイチップ3が基板1に接着・固定される。この場合、各LEDアレイチップ3の構成層3b,3cはその総数が極めて多い場合でもその全てが基板1の給電配線2に異方性導電接着剤5を介して一度に、且つ強固に電気的接続されることから、LEDアレイチップ3の各発光部構成層3b,3cと給電配線2との電気的接続を極めて短時間に行うことができ、光プリンタヘッドの組立の作業性が向上する。
【0021】
またLEDアレイチップ3の他主面に形成される他方電極としてのグランド電極3gは、図示しないボンディングワイヤや他の回路基板等を介して基板1上の配線に電気的に接続され、更にコネクタ等を介して外部の電気回路と電気的に接続されることとなる。
【0022】
そして前記LEDアレイチップ3の端面より放出される光の光路上には図示しないレンズが配置されるようになっており、LEDアレイチップ3からの光を前記レンズを介して外部の感光体に照射させることによって感光体に潜像を形成するようになっている。
【0023】
以上のような本形態の光プリンタヘッドにおいては、複数個の給電配線2を有する基板1の一主面に、端面発光型のLEDアレイチップ3を、該チップ3の発光部構成層3b,3cが前記給電配線2に異方性導電接着剤5を介して直に接続されるようにして取着させたことから、チップ3の一主面には発光部構成層3b,3cを給電配線2に接続させるための複数個の個別電極端子等を別途、設ける必要がなくなり、これによってLEDアレイチップ3の小型化が可能になるとともに、個別電極端子等の形成が不要となったことでLEDアレイチップ3の良品率も向上する。
【0024】
また前述の如く、個々のLEDアレイチップ3が小型化されると、1枚の半導体ウエハーより得られるLEDアレイチップ3の数を増やすことができるため、前述した良品率向上の効果と相まってLEDアレイチップ3の製造コストが大幅に低減され、製品としての光プリンタヘッドを安価になすことが可能となる。
【0025】
更に本形態の光プリンタヘッドにおいては、LEDアレイチップ3が端面発光型であるため、LEDアレイチップ3の一主面と対面配置される給電配線2の線幅等に何ら制約を受けることはなく、給電配線2を電力の供給に十分な線幅、例えば、発光部と略等しいか、それ以上の幅でもって形成することができる。
【0026】
尚、本発明は上述の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更が可能である。例えば、上述の形態において説明を簡略化するために1個の基板上にLEDアレイチップを1個だけ搭載する例でもって説明したが、1個の基板上に複数個のLEDアレイチップを搭載しても良いことは勿論であり、例えば、A4サイズ,600dpiの光プリンタヘッドを構成する場合、1個の基板上に、128個の発光部が24個/mmの線密度で配列されているLEDアレイチップを40個、取着させることによって光プリンタヘッドが構成される。
【0027】
【発明の効果】
本発明の光プリンタヘッドによれば、複数個の給電配線を有する基板の一主面に、端面発光型のLEDアレイチップを、該チップの発光部を構成するn型半導体層及びp型半導体層に窓付きの絶縁膜が積層されており、該絶縁膜の窓内に位置する前記p型半導体層が前記給電配線に異方性導電接着剤を介して直に接続されるようにして取着させたことから、LEDアレイチップの一主面にはn型半導体層及びp型半導体層からなる発光部構成層を給電配線に接続させるための複数個の個別電極端子等を別途、設ける必要がなくなり、これによってLEDアレイチップの小型化が可能になるとともに、個別電極端子等の形成が不要となったことでLEDアレイチップの良品率も向上する。
【0028】
また前述の如く、個々のLEDアレイチップが小型化されると、1枚の半導体ウエハーより得られるLEDアレイチップの数を増やすことができるため、前述した良品率向上の効果と相まってLEDアレイチップの製造コストが大幅に低減されるようになり、製品としての光プリンタヘッドを安価になすことが可能となる。
【0029】
更に本発明の光プリンタヘッドにおいては、LEDアレイチップが端面発光型であるため、LEDアレイチップの一主面と対面配置される基板上の給電配線はその線幅等に何ら制約を受けることはなく、給電配線を電力の供給に十分な線幅、例えば、発光部と略等しいか、それ以上の幅でもって形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光プリンタヘッドの一形態を示す断面図である。
【図2】図1のX−X線断面図である。
【図3】図1のY−Y線断面図である。
【図4】図1の光プリンタヘッドに使用されるLEDアレイチップの平面図である。
【図5】従来の光プリンタヘッドに使用されるLEDアレイチップの平面図である。
【符号の説明】
1・・・基板
2・・・給電配線
3・・・LEDアレイチップ(発光ダイオードアレイチップ)
3b,3c・・・発光部構成層
5・・・異方性導電接着剤
Claims (1)
- 複数個の給電配線を有する基板の一主面に、端面発光型の発光ダイオードアレイチップを、該チップの発光部を構成するn型半導体層及びp型半導体層に窓付きの絶縁膜が積層されており、該絶縁膜の窓内に位置する前記p型半導体層が前記給電配線に異方性導電接着剤を介して直に接続されるようにして取着してなる光プリンタヘッド。
Priority Applications (1)
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JP35529097A JP3623092B2 (ja) | 1997-12-24 | 1997-12-24 | 光プリンタヘッド |
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JP (1) | JP3623092B2 (ja) |
-
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- 1997-12-24 JP JP35529097A patent/JP3623092B2/ja not_active Expired - Fee Related
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