JP3622482B2 - 車両の空調装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車体メンバに取り付けられたダクトにより空調ユニットから導出された空調用エアを案内して車室内に吹き出すように構成された車両の空調装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば実開昭60−176908号公報に示されるように、空調ユニット(冷房用ユニット)から導出された空調用エアを車室内の天井部に案内するルーフダクトが、ルーフパネルの下面に沿って車幅方向に伸びるように設置された車両の空調装置において、ルーフパネルの下面に取り付けられたルーフレインフォースメントからなる車体メンバに、上記ルーフダクトをビス止めするように構成されたルーフダクトの取り付け構造が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記ルーフダクトは、その幅寸法を大きくすることにより開口面積を十分に確保して空調用エアの流動抵抗を小さくすることが望まれるのに対し、上記ルーフレインフォースメントは、その幅寸法を小さくして重量を軽量化することが望まれる。これらの要望を同時に満足するため、上記ルーフダクトの幅寸法を、ルーフレインフォースメントの幅寸法よりも大きくした場合には、ルーフダクトを上記ルーフレインフォースメントからなる車体メンバに安定して取り付けることが困難であるという問題があった。
【0004】
すなわち、上記のようにルーフダクトの幅寸法がその取付部となる車体メンバの幅寸法よりも大きい場合には、ルーフダクトに突設されたフランジ部等を上記車体メンバに取り付ける等の構成を採用することができない。このため、ルーフダクトの側壁面に形成された空調用エアの吹出口からダクト内にビス等からなる取付け具を挿入し、この取付け具によってルーフダクトの上壁部を上記車体メンバに取り付けることが行なわれているが、車体メンバに対する取付部となる上記ダクトの上壁部の設置方向と、上記取付け具を取り付けるための作業孔となる上記吹出口の開口方向とが異なっているので、上記取付け具の取付作業が極めて困難であるという問題があった。
【0005】
また、大きな開口面積を有するルーフダクトの上壁部のみを車体メンバに取り付けるようにした上記構成では、上記ルーフダクトの底壁部を上方に押圧する荷重が作用した場合等に、このルーフダクトが変形するのを防止することができないとともに、ルーフダクトの取付状態が不安定になり易いという問題があった。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑み、空調用エアを案内するダクトを車体メンバに簡単かつ安定して取り付けることができる車両の空調装置を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、空調ユニットから導出された空調用エアを、車体メンバに取り付けられたダクトにより案内して車室内に吹き出すように構成された車両の空調装置において、上記ダクトの幅寸法を車体メンバの幅寸法よりも大きな値とし、上記ダクトを車体メンバの幅方向に跨らせた状態で設置するとともに、上記ダクトを構成する車室内側のダクト壁部および車室外側のダクト壁部の少なくとも一方をダクト内方側に凹入させて車室内側のダクト壁部と車室外側のダクト壁部とを当接させた状態でこの当接部分を上記ダクトの外側から取付け具によって車体メンバに取り付けたものである。
【0008】
上記構成によれば、ダクトの幅寸法が車体メンバの幅寸法よりも大きな値に設定されることにより、ダクトの開口面積が十分に確保されて空調用エアの流動抵抗が小さくなり、この空調用エアがダクト内をスムーズに流れることになる。また、上記ダクトの一側壁部をダクト内方側に凹入させてその凹入端部をダクトの他側壁部に当接させた状態で取付け具によって車体メンバに取り付けることにより、上記ダクトが簡単かつ安定して車体メンバに取り付けられることになる。
【0009】
請求項2に係る発明は、上記請求項1記載の車両の空調装置において、ダクトを構成する車室内側のダクト壁部をダクト内方側に凹入させ、この凹入端部をダクトの車室外側のダクト壁部に当接させた状態で車体メンバに取り付けるように構成したものである。
【0010】
上記構成によれば、上記ダクトの車室内側のダクト壁部をダクト内方側に凹入させてその凹入端部をダクトの車室外側のダクト壁部に当接させた状態で取付け具によって車体メンバに取り付けることにより、上記ダクトが簡単かつ安定して車体メンバに取り付けられることになる。
【0011】
請求項3に係る発明は、上記請求項1または請求項2記載の車両の空調装置において、車体メンバの外側方側に突出したダクトの両膨出部の少なくとも一方に空調用エアの吹出口を形成したものである。
【0012】
上記構成によれば、車体メンバに対する取付部をダクトの幅方向中央部に形成することにより、この取付部と上記吹出口とが干渉することが防止された状態で、車体メンバの外側方側に突出することにより幅広に形成されたダクトの両膨出部に空調用エアの吹出口がスペース的に余裕をもって形成されることになる。
【0013】
請求項4に係る発明は、上記請求項1〜請求項3記載の車両の空調装置において、ルーフパネルの下面に沿って車幅方向に伸びるように設置されたルーフダクトを、ルーフレインフォースメントからなる車体メンバの幅方向に跨らせた状態で取り付けたものである。
【0014】
上記構成によれば、ルーフダクトの幅寸法がルーフレインフォースメントの幅寸法よりも大きな値に設定されることにより、ルーフダクトの開口面積が十分に確保されて空調用エアの流動抵抗が小さくなり、この空調用エアがルーフダクト内をスムーズに流れることになる。また、上記ルーフダクトの一側壁部をダクト内方側に凹入させてその凹入端部をダクトの他側壁部に当接させた状態で取付け具によってルーフレインフォースメントに取り付けることにより、上記ルーフダクトが簡単かつ安定して車体メンバに取り付けられることになる。
【0015】
請求項5に係る発明は、上記請求項4記載の車両の空調装置において、サイドウインドに向けて空調用エアを吹き出すデフロスター吹出口をルーフダクトに形成したものである。
【0016】
上記構成によれば、車幅方向の左右両側端部に位置するルーフダクトのデフロスター吹出口からサイドウインドに向けて空調用エアが吹き出されることにより、上記サイドウインドの曇りが効果的に除去されることになる。
【0017】
請求項6に係る発明は、上記請求項4または請求項5記載の車両の空調装置において、車室の前後方向に3列の座席が配列された車両において、前から2列目に位置する第1後部座席と、その後方に位置する第2後部座席との間の上方部にルーフダクトを設置したものである。
【0018】
上記構成によれば、ルーフダクトによって第1後部座席と第2後部座席との間の上方部に案内された空調用エアが車室内後部に吹き出されることにより、この車室内後部が効率よく空調されることになる。
【0019】
請求項7に係る発明は、上記請求項6記載の車両の空調装置において、第1後部座席側に向けて空調用エアを吹き出す第1吹出口と、第2後部座席側に向けて空調用エアを吹き出す第2吹出口とをルーフダクトに形成するとともに、車幅方向の中央部におけるルーフダクト部分に上記第1,第2吹出口を配設したものである。
【0020】
上記構成によれば、車幅方向の中央部に形成されたルーフダクトの第1,第2吹出口から第1,第2後部座席の中間部に向けて空調用エアが吹き出されることにより、上記第1後部座席および第2後部座席に着座した乗員の近傍が効率よく空調されることになる。
【0021】
請求項8に係る発明は、上記請求項7記載の車両の空調装置において、前から2列目の第1後部座席を、左右の座席が独立したセパレートタイプに構成したものである。
【0022】
上記構成によれば、車幅方向の中央部に形成されたルーフダクトの第1吹出口から左右に配列された第1後部座席の中間部に向けて空調用エアが吹き出されることにより、左右の第1後部座席に着座した乗員の後頭部に空調用エアが直接当たることが防止された状態で、車室内後部が効率よく冷房されることになる。なお、この際に冷却用エアは第2後部座席に着座する乗員の顔部に直接的に吹き付けられる可能性があるが、この場合はむしろ積極的に上記乗員に涼感を与えることができ、冷房フィーリングを向上させることができる。
【0023】
請求項9に係る発明は、上記請求項6〜請求項8のいずれかに記載の車両の空調装置において、最後方に位置するピラーの下方部と、後輪のホイールハウスとの間に、空調ユニットを配設したものである。
【0024】
上記構成によれば、車体の最後方に位置するピラーの下方部と、後輪のホイールハウスとの間に空調ユニットが設置されることにより、その内方側に位置するスペースの有効利用が図られるとともに、上記空調ユニットの設置部の前方に後部ドアを設置するためのスペースが確保されることになる。
【0025】
請求項10に係る発明は、上記請求項9記載の車両の空調装置において、空調ユニットの設置部の前方に、スライド式の後部ドアを配設したものである。
【0026】
上記構成によれば、大きな開口面積を有するスライドドア設置用の開口部が空調ユニットの設置部の前方に形成され、上記開口部を介して後部座席の乗降が容易に行なわれることになる。
【0027】
請求項11に係る発明は、上記請求項6〜請求項10のいずれかに記載の車両の空調装置において、空調ユニットに、クーラユニットとともにヒータユニットを設け、このヒータユニットから導出された暖房用エアを、車幅方向の中央部に案内するヒータダクトを設置したものである。
【0028】
上記構成によれば、車室内を暖房する際に、上記ヒータユニットから導出された暖房用エアがヒータユニットにより車幅方向の中央部に案内されて車室内に吹き出されることにより、車室内後部が効果的に暖房されることになる。
【0029】
【発明の実施の形態】
図1は、運転席および助手席からなる前部座席1と、その後方に位置する左右の座席が独立したセパレートタイプの第1後部座席2と、その後方に位置するベンチシートタイプの第2後部座席3とからなる3列の座席が車室内に前後方向に配列されたワンボックスカーからなる車両に搭載された本発明に係る空調装置の実施形態を示している。
【0030】
上記空調装置は、ブロアおよびヒータコアを有するヒータユニット4と、エバポレータおよびエアミックス部材を有するクーラユニット5と、上記ヒータユニット4から導出された暖房用エアを案内するヒータダクト6と、上記クーラユニット5から導出された冷房用エアを案内するクーラダクト7とを有し、上記ヒータユニット4とクーラユニット5とが一体化されることによって空調ユニット8が構成されている。この空調ユニット8は、車室の最後方に位置する第2後部座席3の右側方において、車体の最後方に位置するいわゆるDピラー9の下方部と、右後輪のホイールハウス10との間に設置され、その前方にはスライド式の後部ドア11が配設されている。
【0031】
上記ヒータダクト6は、図2および図3に示すように、ヒータユニット4の設置部から車体側壁に沿って斜め前方側に傾斜した状態で、車体の下方側に伸びる第1ダクト12と、この第1ダクト12の下端部からフロアパネル13の上面に沿って車幅方向の中央部まで伸びる第2ダクト14と、この第2ダクト14の先端部から車室の前方側に伸びる第3ダクト15とによって構成されている。
【0032】
上記第3ダクト15には、車幅方向の中心位置を通るセンタラインCLに沿って左右対称に配設された一対の分岐部16,16が前半部分に設けられている。そして、上記分岐部16,16は、第2後部座席3の前端部よりもやや前方まで伸びるとともに、その先端部上面に暖房用エアの吹出口17が形成され、車室内後部のフロア部から上方に向けて暖房用エアを吹き出すように構成されている。
【0033】
上記フロアパネル13の上面には、図4および図5に示すように、フェルト、ウレタンフォーム、ポリエチレンフォームまたはグラスウール等からなる遮音材18が設けられるとともに、この遮音材18に形成された切欠部に上記ヒータダクト6の第2ダクト14および第3ダクト15が設置されている。これによって第2,第3ダクト14,15が上記遮音材18内に埋設され、その上面にカーペットまたはマット等からなる敷物19が設置されることにより、平坦な床面が形成されている。
【0034】
上記ヒータダクト6の第2ダクト14には、その底壁の前半部分を下方に凹入させてなる膨出部20が形成され、フロアパネル13には、上記膨出部20に対応した凹入部21が形成されている。また、上記第2ダクト14の設置部の後方には、車幅方向に伸びるクロスメンバ22と、下方に凹入する所定幅の凹部23とが設けられている。この凹部23は、上記第2後部座席3のシートボトム上にシードバックを折り畳んだ状態で、これらを一体の状態で後方に回動変位させるように操作された場合に、上記第2後部座席3を格納し得る大きさに形成され、その右側方に上記空調ユニット8がレイアウトされるようになっている。
【0035】
また、上記ヒータダクト6の第2ダクト14および第3ダクト15には、その変形を防止する複数の補強部24が設けられている。この補強部24は、上記第2ダクト14および第3ダクト15の上壁部および底壁部をダクト内方側に凹入させてこの凹入端部を互いに接合することにより形成されるとともに、上記第2ダクト14および第3ダクト15内を通る暖房用エアの流れを阻害しないように、ダクト幅方向の寸法がダクト長さ方向の寸法よりも小さく形成されている。
【0036】
上記ヒータダクト6の吹出口には、図5および図6に示すように、車室の前後方向に伸びる複数の補強リブ25を有するグリル26が取り付けられ、このグリル26の前端部には、第2後部座席3に着座した乗員の足元に向けて暖房用エアを斜め上方に案内する案内板27が設けられている。また、上記グリル26の外周部には、敷物19の上面に圧接されるフランジ28が形成され、このフランジ28により、敷物19に形成されたグリル設置孔の周縁部が係止されるとともに、隠蔽されるようになっている。
【0037】
上記クーラユニット5から導出された冷房用エアを案内するクーラダクト7は、図1示すように、クーラユニット5の設置部から最後部のDピラー9に沿って上方に伸びる立上りダクト29と、この立上りダクト29の上端部から車体のルーフサイド部30に沿って車室の前方側に伸びるサイドダクト31と、このサイドダクト31の前端部からルーフパネル32の下面に沿って車幅方向に伸びるルーフダクト33とを有し、このルーフダクト33は、前部座席1の後方に位置する第1後部座席2と、その後方に位置する第2後部座席3と間の上方部に配設されている。
【0038】
上記立上りダクト29は、図7に示すように、車体の最後方に位置する上記Dピラー9の内壁面に沿って設置されるとともに、その車室内側に配設されたトリム材34によって内壁面が覆われるように構成されている。上記Dピラー9の内壁面の前方側には、車外側に凹入する凹入段部35が形成されている。そして、上記立上りダクト29が、Dピラー9の凹入段部35に沿って設置された状態で、取付け具によって取り付けられるようになっている。
【0039】
上記立上りダクト29の上端部と、サイドダクト31の後端部との間には、図8および図9に示すように、両端部が立上りダクト29およびサイドダクト31にそれぞれ嵌入されることにより、両ダクト29,31を連結する連結ダクト36が設けられている。この連結ダクト36の前辺部には、プラスチック材等からなる側面保護部材37が突設されている。この側面保護部材37は、上記サイドダクト31の底壁面および車体のルーフサイド部30の内壁面に沿って車体の前方側に伸びる所定幅の側面板38と、その外面側に突設された蛇腹状のリブ板39とを有し、車両の側突時等に、乗員の頭部等が上記側面板38に当接した場合に、上記リブ板39が車体のルーフサイド部30に圧接されて弾性変形することにより、乗員の頭部に作用する荷重を吸収して乗員を保護するように構成されている。
【0040】
上記ルーフパネル32の下面には、図8に示すように、車幅方向に伸びる断面逆ハット型のルーフレインフォースメント40が取り付けられている。また、上記ルーフダクト33は、上記ルーフレインフォースメント40からなる車体メンバの外側方側、つまり車体の前方側に突出する第1膨出部41と、後方側に突出する第2膨出部42とを備えた平坦な断面形状を有している。また、上記ルーフダクト33の上壁面には、ルーフレインフォースメント40に対応して下方に凹する凹入部43が中央に形成され、このルーフレインフォースメント40の幅方向に跨った状態で上記ルーフダクト33から設置されるようになっている。
【0041】
そして上記ルーフダクト33の底壁面には、図10に示すように、車幅方向の左右両側方部にデフロスター吹出口44がそれぞれ形成されるとともに、その内方側に上記車体メンバに対する取付部45が設けられている。また、ルーフダクト33の底壁面には、第1後部座席2用の左右一対の第1吹出口46,46が上記第1膨出部41の底壁部に形成されるとともに、第2後部座席3用の左右一対の第2吹出口47,47が上記第2膨出部42の底壁部に形成され、これらの第1吹出口46,46および第2吹出口47,47は、それぞれ車幅方向の中心位置を通るセンタラインCLに沿って左右対称に配列されている。
【0042】
上記デフロスター吹出口44には、図11の矢印aに示すように、車室のサイドウインド48に向けて冷却用エアを案内する外方位置と、同矢印bに示すように、車室の内方側に向けて冷却用エアを案内する内方位置との間で風向きを変化させる風向案内部49を有するグリル50が取り付けられている。また、このグリル50の外周部には、トップシーリング材51の下面に圧接されるフランジ52が形成され、このフランジ52により上記グリル設置孔の周縁部が係止されて隠蔽されるようになっている。
【0043】
上記ルーフダクト33の取付部45は、図12に示すように、ルーフダクト33の底壁部53をダクト内方側、つまり上方側に凹入させることによって形成され、この凹入端部54がルーフダクト33の上壁部55に当接した状態で、クリップ止め具またはビス等からなる取付け具56により上記ルーフレインフォースメント40の下面に取り付けられるように構成されている。
【0044】
上記第1後部座席2用の第1吹出口46は、図13に示すように、車室の前方側に突出する上記第1膨出部41の底壁部に設けられた前上がりの傾斜壁57に形成され、上記第1吹出口46から斜め前方側、つまり第1後部座席2の後面側に向けて冷却用エアが吹き出されるように構成されている。上記第2後部座席3用の第2吹出口47は、車室の後方側に突出する第2膨出部41の底壁部に設けられた後上がりの傾斜壁58に形成され、上記第2吹出口47から斜め後方側、つまり第2後部座席3の前面側に向けて冷却用エアが吹き出されるように構成されている。
【0045】
また、上記第1,第2吹出口46,47は、図14に示すように、車幅方向の中央部における上記ルーフダクト33部分に配設されることにより、上記第1吹出口46から吹き出された冷却用エアが、セパレートタイプに形成された左右の第1後部座席2,2の間に吹き付けられるように構成されている。また、上記第1吹出口46の後方側に配設された第2吹出口47から吹き出した冷房用エアは、ベンチシートタイプに形成された第2後部座席3の中央部に吹き付けられることになる。なお、上記第1,第2吹出口46,47には、車室の前後方向および左右方向に冷却用エアの吹出方向を変化させる風向案内部を有するグリルがそれぞれ取り付けられるようになっている。
【0046】
上記構成において、車室の後部に配設された上記空調ユニット8のヒータユニット4を作動させると、このヒータユニット4から導出された暖房用エアが、上記ヒータダクト6の第1〜第3ダクト12,14,15内を流動することにより、第2後部座席3の下方を通って車幅方向の中央部に案内されるとともに、その前方側に案内された後、上記第2後部座席3に着座した乗員の足元Fに向けてフロア部に位置する上記吹出口17から上方に吹き出すことになる(図1参照)。この結果、車室の前部に設けられた空調ユニット(図示せず)の暖房範囲から離れた車室内後部が、上記暖房用エアによって効果的に暖房される。
【0047】
また、上記空調ユニット8のクーラユニット5を作動させると、このクーラユニット5から導出された冷房用エアが、上記クーラダクト7の立上りダクト29、サイドダクト31およびルーフダクト33内を流動することにより、第1後部座席2と第2後部座席3との間の上方部を通って車室内の中央部に案内された後、上記第1,第2吹出口46,47から下方に吹き出すことにより、車室内後部が効果的に冷房される。
【0048】
上記のようにルーフダクト33の幅寸法をルーフレインフォースメント40からなる車体メンバの幅寸法よりも大きな値とし、上記ルーフダクト33をルーフレインフォースメント40の幅方向に跨らせた状態で設置するように構成したため、上記ルーフダクト33の開口面積を十分に確保して冷房用エアからなる空調用エアの流動抵抗を小さくすることにより、この冷房用エアの流動が阻害されることに起因した冷房効率の低下を防止して車室内後部を効率よく冷房することができる。
【0049】
そして、上記のようにルーフダクト33を構成する車室内側のダクト壁部、つまり底壁部53をダクト内方側に凹入させ、この凹入端部54をルーフダクト33の上壁部55からなる車室外側のダクト壁部に当接させた状態で取付け具56によって車体メンバに取り付けるように構成することにより、この取付部の設置方向と、上記取付け具56による取付け方向とを相対応させるようにしたため、ルーフダクト33の上壁部55および底壁部53を単一の取付け具56によってワンタッチで車体メンバに簡単かつ安定して固定することができる。また、ルーフダクト33の底壁部53を上記のようにダクト内方側に凹入させることにより、ルーフダクト33の底壁部53を補強する補強部が形成されることになる。したがって、上記ルーフダクト33の底壁部53を上方に押圧する荷重が作用した場合においても、上記底壁部53が変形するのを効果的に防止してその損傷を効果的に防止することができる。
【0050】
なお、上記ルーフダクト33の上壁部55からなる車室外方側の壁部を下方に凹入させ、その凹入端部を底壁部53の上面に当接させた状態で上記車体メンバに取り付けるように構成し、あるいは上記上壁部55および底壁部53の両方をダクト内方側に凹入させて両凹入端部を互いに当接させた状態で取り付けるように構成することも可能である。しかし、図12に示すように、ルーフダクト33の底壁部53を上方に大きく凹入させるように構成した場合には、車体メンバに対するルーフダクト33の取付部の形状を簡略化できるとともに、上記凹入部内に取付け具56の頭部を配設して、この頭部が車室内側に突出するのを確実に防止できるため、上記のようにルーフダクト33の底壁部53を上方に凹入させた構造とすることが望ましい。
【0051】
また、上記実施形態では、車体メンバの外方側、つまり上記ルーフレインフォースメント40の前方側および後方側に突出したルーフダクト33の第1膨出部41および第2膨出部42の底壁部に、冷却用エアの吹出口46,47を形成したため、ルーフダクト33の幅方向中央部に設けられた車体メンバに対する取付部45と、上記吹出口46,47とが干渉するのを防止することがでるとともに、車体メンバの外側方側に突出することにより幅広に形成されたダクトの両膨出部41,42に冷房用エアの吹出口46,47をスペース的に余裕をもって形成することができる。
【0052】
さらに、上記実施形態に示すようにルーフダクト3の車幅方向の左右両側方部に、サイドウインド48に向けて冷房用エアを吹き出すデフロスター吹出口44を形成した場合には、このデフロスター吹出口44から吹き出される冷房用エアにより、上記サイドウインド48の曇りを効果的に除去できるという利点がある。特に、上記実施形態に示すように、車室のサイドウインド48に向けて冷却用エアを案内する外方位置と、車室の内方側に向けて冷却用エアを案内する内方位置との間で風向きを変化させる風向案内部49を有するグリル50を上記デフロスター吹出口44に取り付けた場合には、デフロスター吹出口44から吹き出される冷却用エアの吹出方向を車室の内方側に向けることにより、車室内の冷房性能を重視した状態と、上記吹出方向をサイドウインド48に向けることにより、その曇り取りを重視した状態とに必要に応じて切り替えることができる。
【0053】
また、上記実施形態では、車室の前後方向に3列の座席1〜3が配列された車両において、前から2列目に位置する第1後部座席2とその後方に位置する第2後部座席3との間の上方部にクーラダクト7を配設したため、クーラユニット5から導出された冷房用エアを上記第1後部座席2と第2後部座席3との間の上方部に案内して車室内後部に吹き出すことにより、この車室内向部を効率よく冷却することができる。
【0054】
さらに、上記実施形態に示すように、上記第1後部座席2側に向けて冷房用エアを吹き出す第1吹出口46と、上記第2後部座席3側に向けて冷房用エアを吹き出す第2吹出口47とをクーラダクト7に設けるとともに、上記第1,第2吹出口46,47を車幅方向の中央部に配設した場合には、単な構成で上記両後部座席2,3に着座した乗員の近傍を効果的に冷却することができる。また、上記ルーフパネル30の下面に沿って設置された1列のルーフダクト33に形成された上記第1,第2吹出口46,47から第1,第2後部座席2,3側に向けてそれぞれ冷房用エアが吹き出されるため、上記ルーフパネル30の下面に沿って複数のダクトを設置した場合のようにダクトの構造を複雑化することなく、上記冷房用エアの分配性を向上させて車室内後部を広範囲に亘って均一に冷房することができる。
【0055】
しかも、車室の側方部に配設されたクーラユニット5の近傍、つまり車室の右側方部等に吹出口を設けた場合のように、この吹出口から吹き出された冷房用エアが上記クーラユニット5の近傍を循環して後部車室の一部のみが冷房されるという冷房の片寄り現象を生じることなく、車室の前部に設けられた空調ユニットによる冷房範囲から離れた車室内後部を広範囲に亘って均等に冷房することができる。特に、車室の後部に配設される上記空調ユニット8は、外気導入タイプに比べ、上記暖房用エアが車室内の一部で循環する可能性の高い内気循環タイプが用いられることが多いため、上記構成を採用することの効果が顕著である。
【0056】
また、上記第1吹出口46が車幅方向の中央部に配設された車両において、前から2列目の第1後部座席2を、左右の座席が独立したセパレートタイプに構成した場合には、前部座席1および第1後部座席2から第2後部座席3への移動を容易に行なうことができるとともに、上記ルーフダクト33の車幅方向の中央部に形成された第1吹出口46から左右に配列された第1後部座席2の中間に冷房用エアが吹き出されることにより、左右の第1後部座席2に着座した乗員の後頭部に冷房用エアが直接当たることによる空調フィーリングの悪化を防止した状態で、車室内後部を効率よく冷房することができる。
【0057】
なお、必ずしも上記ルーフダクト33の第1,第2膨出部41,42の両方に上記第1,第2吹出口46,47を形成する必要はなく、そのいずれか一方を省略した構造としてもよい。また、上記Dピラー9の内壁面に沿って取付けられる立上りダクト29、ルーフサイド部30の内壁面に沿って取付けられるサイドダクト31、またはヒータダクト6の取付部に本発明の構成を適用してもよい。
【0058】
上記実施形態に示すように、クーラダクト7の立上りダクト29を最後部に位置するピラー9に沿って設置した場合には、乗員の視界が妨げられるのを抑制しつつ、車室内後部を効率よく冷房することができる。すなわち、車体の最後方に位置する上記Dピラー9は、その幅寸法(前後方向寸法)を大きく形成した場合でも、車室内の座席に着座した乗員の視界にそれ程大きな悪影響が与えられることがない。したがって、上記Dピラー9とともに、これに沿って設置される上記クーラダクト7の幅寸法を大きくすることにより、乗員の視界に悪影響を与えることなく、上記クーラダクト7の開口面積を十分に確保して冷房用エアの流動抵抗を小さくすることができるとともに、Dピラー9の強度を向上させて車体の安定感を向上させることができる。
【0059】
また、上記実施形態では、車体の最後方に位置するDピラー9の下方部と、後輪のホイールハウス10との間に上記クーラユニット5を有する空調ユニット8を設置したため、上記第2後部座席3からなる最後方に位置する座席の側方に設けられたスペースを有効に利用して上記空調ユニット8を適正に設置することができるとともに、その前方に後部ドア11の設置スペースを確保することができる。
【0060】
さらに、上記実施形態に示すように、クーラユニット5の設置部の前方に、スライド式の後部ドア11を配設した場合には、ヒンジ式のドアに比べて大きな開放面積を確保することができるので、上記第1,第2後部座席2,3に対する乗降性を容易に行ない得るように構成できるという利点がある。
【0061】
また、上記実施形態では、車室の前後方向に複数列の座席1〜3が配列された車両において、最後方に位置する第2後部座席3の側方に上記クーラユニット5とともにヒータユニット4を配設するとともに、このヒータユニット4から導出された暖房用エアを車幅方向の中央部側に案内するヒータダクト6を設置したため、搭載可能な車種が限定されるという問題を生じることなく、ワンボックスカー等の車室内後部を効率よく暖房することができる。
【0062】
すなわち、上記第2後部座席3の側方にヒータユニット4およびクーラユニット5を有する空調ユニット8を配設したため、この空調ユニット8の前方、つまり車室の前後方向の中央部に位置する上記第1後部座席2の側方に後部ドア11を設置するためのスペースを確保することが可能となる。したがって、車体の一側方部にのみ後部ドアが配設された車両は勿論のこと、車体の左右両側部に後部ドア11が配設された車両についても上記ヒータユニット4およびヒータダクト6等を有する空調装置を搭載して車室内後部を効果的に空調することができる。
【0063】
また、上記実施形態では、車室の最後方に位置する上記後部座席3の下方側にヒータダクト6を設置するとともに、上記暖房用エアを車室内のフロア部から上方に吹き出す吹出口17を上記ヒータダクト6に形成したため、上記後部座席3の後方に配設されたトランクルーム等のスペースに影響を与えることなく、上記ヒータダクト6の開口面積を十分に確保することができる。したがって、上記ヒータユニット4から導出された暖房用エアを、ヒータダクト6を介してスムーズに供給することができるとともに、上記トランクルームのフロア部を平坦面に形成してその利用効率を向上させることができる。
【0064】
また、車幅方向の中央部に位置する上記ヒータダクト6の吹出口17から車室内の上方に向けて暖房用エアが吹き出されるため、車室の側方部に配設されたヒータユニット4の近傍、つまり車室の右側方部に吹出口を設けた場合のように、ヒータユニット4から吹き出された暖房用エアが上記ヒータユニット4の近傍を循環して後部車室の一部のみが暖房されるという事態を生じることなく、車室の前部に設けられた空調ユニットによる暖房範囲から離れた車室内後部を広範囲に亘って均等に暖房することができる。
【0065】
また、上記実施形態では、ヒータユニット4の設置部から車体側壁に沿って下方に伸びる第1ダクト12と、この第1ダクト12の下端部から車体のフロアパネル13の上面に沿って車幅方向の中央部まで伸びる第2ダクト14と、この第2ダクト14の先端部から車室の前方側に伸びる第3ダクト15とによってヒータダクト6を構成し、上記第3ダクト15の先端部に暖房用エアの吹出口17を設けたため、後輪のホイールハウス10の上面および前面部に沿ってヒータダクトを設置した場合のように、このヒータダクトが後部座席2,3に対する乗降の障害になるという事態を生じることなく、上記ヒータダクト6を介して車室内後部の適正位置に上記暖房用エアを供給することができる。
【0066】
さらに、上記実施形態に示すように、第3ダクト15の前部に、センタラインCLに沿って左右対称に配設された一対の分岐部16,16を設けるとともに、この分岐部16,16の先端部に暖房用エアの吹出口17を設けた場合には、上記第3ダクト15の開口面積を十分に確保しつつ、上記分岐部16,16によって暖房用エアを車幅方向の左右に均等に分配した状態で、車室内に吹き出して車室内後部の広範囲を効率よく暖房することができる。また、上記両分岐部16,16の間に、チャイルドシートの固定具等を配設することが可能になるという利点もある。
【0067】
また、上記実施形態では、フロアパネル13の上面に遮音材18を設置するとともに、この遮音材18内にヒータダクト6を埋設したため、このヒータダクト6および上記遮音材18の上方に敷物19を設置することにより、上記ヒータダクト6の設置スペースを確保しつつ、車室内の底面を平坦に形成することができる。したがって、上記第2後部座席3を取り外して上記ヒータダクト6の設置部をトランクルームとして使用する際に、荷物の収納性を効果的に向上させることができる。
【0068】
さらに、上記のように車室の前後方向に複数列の座席1〜3が配列された車両において、車室内の後部に位置するフロアパネル13に、後方に変位した第2後部座席3が格納される凹部23を形成するとともに、この凹部23の側方に空調ユニット8を配設した場合には、上記第2後部座席3を後方に変位させて上記凹部23内に格納する操作に支障を生じることなく、上記空調ユニット8を車室内後部に設置することができる。
【0069】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、空調ユニットから導出された空調用エアを、車体メンバに取り付けられたダクトにより案内して車室内後部に吹き出すように構成された車両の空調装置において、上記ダクトの幅寸法を車体メンバの幅寸法よりも大きな値とし、上記ダクトを車体メンバの幅方向に跨らせた状態で設置するとともに、上記ダクトを構成する車室内側のダクト壁部および車室外側のダクト壁部の少なくとも一方をダクト内方側に凹入させてこの凹入端部を同他方に当接させた状態で取付け具によって車体メンバに取り付けたため、上記ダクトの開口面積を十分に確保して空調用エアの流動抵抗を小さくすることにより、この空調用エアの流動が阻害されることに起因した空調効率の低下を防止して車室内後部を効率よく空調することができる。また、上記ダクトの両ダクト壁部を単一の取付け具によって車体メンバに簡単かつ安定して固定することができるとともに、上記凹入部によってダクトを補強してダクトの変形を効果的に防止できる等の利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両用の空調装置の実施形態を示す説明図である。
【図2】ヒータユニットおよびヒータダクトの構成を示す斜視図である。
【図3】ヒータユニットおよびヒータダクトの構成を示す平面図である。
【図4】図3のA−A線断面図である。
【図5】図3のB−B線断面図である。
【図6】ヒータダクトの吹出口に取り付けられたグリルの構成を示す平面図ある。
【図7】クーラダクトの設置状態を示す断面図である。
【図8】クーラダクトの設置状態を示す側面図である。
【図9】図8のC−C線断面図である。
【図10】ルーフダクトの構造を示す底面図である。
【図11】図10のD−D線断面図である。
【図12】図10のE−E線断面図である。
【図13】図10のF−F線断面図である。
【図14】ルーフダクトの設置状態を示す正面図である。
【符号の説明】
1 前部座席
2 第1後部座席
3 第2後部座席
4 ヒータユニット
5 クーラユニット
6 ヒータダクト
7 クーラダクト
8 空調ユニット
9 Dピラー(最後方に位置するピラー)
10 後輪のホイールハウス
11 後部ドア
13 フロアパネル
17 暖房用エアの吹出口
33 ルーフダクト
44 デフロスター吹出口
46 第1吹出口
47 第2吹出口
48 サイドウインド
Claims (11)
- 空調ユニットから導出された空調用エアを、車体メンバに取り付けられたダクトにより案内して車室内に吹き出すように構成された車両の空調装置において、上記ダクトの幅寸法を車体メンバの幅寸法よりも大きな値とし、上記ダクトを車体メンバの幅方向に跨らせた状態で設置するとともに、上記ダクトを構成する車室内側のダクト壁部および車室外側のダクト壁部の少なくとも一方をダクト内方側に凹入させて車室内側のダクト壁部と車室外側のダクト壁部とを当接させた状態でこの当接部分を上記ダクトの外方側から取付け具によって車体メンバに取り付けたことを特徴とする車両の空調装置。
- ダクトを構成する車室内側のダクト壁部をダクト内方側に凹入させ、この凹入端部をダクトの車室外側のダクト壁部に当接させた状態で車体メンバに取り付けるように構成したことを特徴とする請求項1記載の車両の空調装置。
- 車体メンバの外側方側に突出したダクトの両膨出部の少なくとも一方に空調用エアの吹出口を形成したことを特徴とする請求項1または請求項2記載の車両の空調装置。
- ルーフパネルの下面に沿って車幅方向に伸びるように設置されたルーフダクトを、ルーフレインフォースメントからなる車体メンバの幅方向に跨らせた状態で取り付けたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の車両の空調装置。
- サイドウインドに向けて冷房用エアを吹き出すデフロスター吹出口をルーフダクトに形成したことを特徴とする請求項4記載の車両の空調装置。
- 車室の前後方向に3列の座席が配列された車両において、前から2列目に位置する第1後部座席と、その後方に位置する第2後部座席との間の上方部にルーフダクトを設置したことを特徴とする請求項4または請求項5記載の車両の空調装置。
- 第1後部座席側に向けて空調用エアを吹き出す第1吹出口と、第2後部座席側に向けて空調用エアを吹き出す第2吹出口とをルーフダクトに形成するとともに、車幅方向の中央部におけるルーフダクト部分に上記第1,第2吹出口を配設したことを特徴とする請求項6記載の車両の空調装置。
- 前から2列目の第1後部座席を、左右の座席が独立したセパレートタイプに構成したことを特徴とする請求項7記載の車両の空調装置。
- 最後方に位置するピラーの下方部と、後輪のホイールハウスとの間に、空調ユニットを配設したことを特徴とする請求項6〜請求項8のいずれかに記載の車両の空調装置。
- 空調ユニットの設置部の前方に、スライド式の後部ドアを配設したことを特徴とする請求項9記載の車両の空調装置。
- 空調ユニットに、クーラユニットとともにヒータユニットを設け、このヒータユニットから導出された暖房用エアを、車幅方向の中央部に案内するヒータダクトを設置したことを特徴とする請求項6〜請求項10のいずれかに記載の車両の空調装置。
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