JP3621503B2 - プレス加工用金型の劣化度評価方法及び評価装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パンチやダイ等よりなる少なくとも一対の金型を材料に圧接することにより、この材料のせん断又は曲げを伴うプレス加工を行う場合において、この金型の劣化度を評価するためのプレス加工用金型の劣化度評価方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
上述の如きプレス加工を行うに際し、金型が長時間の使用により劣化すると、加工品に生じるかえりやだれが大きくなり、加工品が欠陥品となる。加工品の品質を維持するためには、パンチ等や製品の目視によりパンチ等の劣化度を評価することも考えられるが、かかる方法では欠陥品の発生を未然に防止することはできない。よって、従来では、欠陥品の発生を未然防止するために、余裕を持って使用限界以前にパンチ等を取り替える他なかった。さらに、突発的に発生するパンチの折損やチッピング等を検出できなかった。
【0003】
しかし、パンチ等の研磨には費用がかさみ、しかも複数本のパンチを含む金型にあっては、折損等により一部取り替えられることもあるため、余裕を持って使用限界以前にパンチ等を交換するのは不経済であり且つその管理が煩雑であった。また、パンチ等の折損を直ちに発見できずに、不良品を製造しつづけるといった事態も生じていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
かかる従来の技術に鑑みて、本発明は、プレス加工機を動作させた状態でリアルタイムにパンチ等の金型の劣化度を評価する事の可能なプレス加工用金型の劣化度評価方法及びその評価装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の特徴は、少なくとも一対の金型を材料に圧接することによりこの材料のせん断又は曲げを伴うプレス加工において、前記金型同士の近接状態を検出する近接検出手段に連動するゲートタイマにより、センサが受信する音響信号のうち前記材料の変形時に生じる音響信号を検出し、前記ゲートタイマにより検出された前記音響信号をもって前記金型の劣化度を評価することにある。
【0006】
かかる評価のより具体的な方法としては、前記音響信号の振幅、分布幅又は面積が大きくなるに従って前記金型がより劣化していると評価する方法がある。
【0007】
ここで図5は、プレス加工機により抜き加工を行う際において、音響信号の振幅を代表する値の一つである音響信号の最大値と、加工数との相関を示すグラフである。同図に示すように、発明者らの実験によれば、パンチ等の劣化度を示す加工数と音響信号の振幅との間に相関があり、音響信号の振幅をもってパンチ等の劣化度を推定することが可能であることが判明した。図4のうち、(a)は使用当初のパンチを、(b)は交換時期に達したパンチをそれぞれ使用して得られたフィルタリング及び検波後の音響信号の波形を示すグラフである。同図から、音響信号の振幅が大きくなるにつれて音響信号の分布幅や面積も増大することが理解され、音響信号の分布幅や面積によっても金型の劣化度を評価可能であるという結論を得た。
【0008】
また、評価のより具体的な他の方法としては、前記金型の正常時にサンプリングした前記音響信号をアベレージングすることにより得られる基準波形と、前記音響信号のうちの測定対象波形とを比較し、前記測定対象波形が前記基準波形を所定値以上越える場合に前記金型が取り替え時期に達したと評価する方法もある。
【0009】
ここに、基準波形と測定対象波形とを比較するにあたっては、基準波形に所定のバッファ値をあらかじめ加えた波形と測定対象波形とを比較する他、基準波形と測定対象波形からあらかじめ所定のバッファ値を減じた波形とを比較してもよい。ここにいう「所定値」とは、当該プレス加工方法により得られる加工品の仕上がり精度により適宜定められる値を意味する。
【0010】
さらに、前記音響信号の振幅が前記金型の飽和音響信号レベルを少なくとも越える場合に、前記金型が折損又は欠落していると評価する方法もある。
【0011】
上述の図5によれば、パンチ等の加工数がある値を越えると、音響信号は飽和域に達してその増大が停止する。よって、かかる飽和音響信号レベルを測定した音響信号が越える場合には、パンチ等が折損等していると判断することが可能となる。「少なくとも越える場合」とは、飽和音響信号レベルに所望のバッファ値を加えた値を越える場合をも含む意である。
【0012】
一方、本発明にかかるプレス加工用金型の劣化度評価装置の特徴は、前記音響信号を受信するためのセンサと、前記金型同士の近接状態を検出する近接検出手段と、この近接検出手段に連動して前記センサによる受信信号のうち前記材料の変形時に生じる音響信号を検出するゲートタイマと、比較用の基準値を記憶するメモリ手段と、前記ゲートタイマにより検出された前記音響信号から抽出された特徴量と前記基準値とを比較する比較手段と、この比較手段により前記特徴量が前記基準値を越える場合に前記金型が取り替え時期に達した旨を知らせる警報手段とを備えていることにある。
【0013】
ここに、「近接検出手段」は例えば金型等に近接センサを取り付けて構成することができる。また、「特徴量」とは、音響信号の振幅、分布幅又は面積等をいい、「基準値」とは定数の他、上述の如くアベレージングにより得られた基準波形をも含む意である。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に、図1〜図5を参照しながら、本発明の第一の実施形態を説明する。
図1は、本発明にかかる評価方法の実施対象となる抜き加工用プレス加工機の概略断面図である。本発明は、厳密な製品の品質管理を要求されるICリードフレームの切断時におけるパンチ等の劣化や折損を検出する場合に特に好適に実施可能である。図1に示すプレス加工機1は、材料Sのプレス加工の内、材料Sのせん断をともなう抜き加工を行う装置である。このプレス加工機1の金型は、パンチ2及びダイ3を備えており、パンチ2はパンチホルダ5に支持されて上下移動を行う。パンチホルダ5の下部には材料Sを押さえつけるためのストリッパ6及びスプリング7を設けてある。また、パンチホルダ5の側部には、上記材料Sのせん断を含む変形時に生じる音響信号を受信するためのAEセンサ11を取り付けてある。このAEセンサ11は、パンチホルダ5のみならずダイ3の側や他の部分に取り付けることも可能であるが、本実施形態ではパンチ2の劣化を評価し易くするためにパンチ2の側にこのAEセンサ11を取り付けてある。なお、図示省略するが、パンチ2はほぼ同様のものを複数本並列に紙面垂直方向に並べてあり、そのうちの1本に異常をきたした場合でも、本発明によれば確実にその兆候を評価することが可能となる。
【0015】
ダイ3の側部には、センサホルダ16を介して光電式又は磁気式の近接センサ15を取り付けてあり、この近接センサ15を作動させるための近接片17をストリッパ6の側部に近接センサ15に対向させる状態で取り付けある。この近接センサ15は、金型同士、すなわちパンチ2及びダイ3の近接状態を検出する近接検出手段として機能する。この近接センサ15は、パンチ2及びダイ3に材料Sが挟まれてせん断に至るまでの過程を含む変形時の音響信号を検出する後述するゲートタイマのトリガーとなる。また、近接片17をストリッパ6に取り付けることによって材料Sとストリッパ6との間の異物の噛み込を検出することも同時に可能であるが、ゲートタイマをより精度よく作動させるためには、近接片17をパンチホルダ5の側に取り付けても構わない。
【0016】
次に、図1(a)〜(c)と図4(a)を比較しつつ、抜き加工の工程とAEセンサ11により受信される音響信号との関係について説明する。図4(a)の内第一の信号群Q1は、図1(b)の如く材料Sにストリッパ6が接当する際に発生する信号であり、図1(c)に示す第二の信号群Pは材料Sの変形時に生じる音響信号すなわち、材料Sのせん断にともなう音響信号である。さらに、第三の信号群Q2は抜き加工後に材料Sからストリッパ6が離れるときの音響信号である。本実施形態では、これらの音響信号の内、第二群の音響信号を測定対象とする。よって、先の近接センサ15及び近接片17の一定距離以上の近接をトリガーとして時間T0よりゲートタイマを作動させ、Q1,Q2を含まずPを含む検出時間T1〜T2間で音響信号の検出を行う。
【0017】
図4(b)は、交換時期を越える劣化したパンチを使用して抜き加工を行う際の音響信号を示すグラフである。同図に示す通り、第二群の測定対象波形Pの振幅が増大すると共に、その信号の分布幅も増大している。また、検出時間T1〜T2間における信号Pを積分した波形面積Aもこれにともなって増大している。発明者らの実験によれば、加工数が増えてパンチが劣化するにともなって、音響信号Pの振幅の最大値、分布幅及び波形面積等の特徴量が増大することが確認されている。
【0018】
図5は、加工数と検出時間T1〜T2間における音響信号の最大値との関係を例示するグラフである。本例では、音響信号の振幅が2.0ボルトを越える近辺で不良品が発生することが目視検査で判明し、かかる値に音響信号の振幅しきい値Lを定めている。また、音響信号Pの分布幅は、ノイズに埋没しない程度のしきい値Nを検出時間T1〜T2間で最初に越える時点と最後に下回る時点の時間差である分布時間幅Twを求め、このTwが所定の分布基準値Wを越える場合に交換時期に達したと評価することもできる。さらに、先の波形面積Aが所定の基準面積値aを越える場合も交換時期に達していると評価することができる。
【0019】
図5に示すように、パンチは加工限界に達すると、材料Sの変形時に生じる音響信号の最大値の増大が飽和する。少なくともこの飽和音響信号レベルmを越える場合には、パンチの折損が生じていると判断することができる。図4(c)はパンチの折損により発生する音響信号Pを示し、飽和音響信号レベルmにバッファ値を加えた折損しきい値Mを越えるか否かで折損の旨を判定すれば、外乱をバッファ値で吸収できる。
【0020】
図2は、本実施形態に使用する評価装置のブロック図である。AEセンサ11により受信された音響信号は、フィルタ部20を介してフィルタリング及び検波された後パーソナルコンピュータ30に処理される。警報手段40は、音響信号の波形及び金型の評価結果を表示するディスプレイ41と、金型が交換時期に達した場合や折損した場合に警報音を発生する警報装置42とを備えている。フィルタ部20は、AEセンサ11により受信された音響信号を増幅するためのプリアンプ21及びノイズ除去用のハイパスフィルタ22,ローパスフィルタ23と正の信号を取り出すための検波回路24とを備えている。感度調整アンプ18は、近接センサ15と近接片17が一定距離以上近づいた場合に、ゲートタイマ37に対してトリガー用の信号を送出する。
【0021】
図2及び図3を参照しつつ、パーソナルコンピュータ30における処理手順を説明する。ストリッパ6が材料Sに所定距離以上接近すると近接センサが作動し(ステップS1)、これにともなってゲートタイマ37が作動する(ステップS2)。フィルタ部20からの音響信号は、A/Dコンバータ31によりデジタル信号に変換され経路32、幅計測タイマ33または積分手段34を介して比較手段35に送られる。
【0022】
経路32を介しての比較手段35における処理は、フローチャートにおけるステップS3〜S6に従い、ゲートタイマ37により設定される検出時間T1〜T2間の音響信号Pの絶対値と、パラメータ入力部38を介して入力されメモリ手段36に記憶されている振幅しきい値Lとの比較が行われる。音響信号Pに振幅しきい値Lを越える部分がある場合には(ステップS4)、音響信号Pに折損しきい値Mを越える部分があるか否かが判断される(ステップS5)。音響信号に折損しきい値Mを越える部分がある場合には、プレス加工機が直ちに停止される(ステップS6)。ステップS4においてNoの場合はステップS14が、ステップS5においてNoの場合にはステップS11が実施される。
【0023】
幅計測タイマ33を介しての比較手段35における処理は、ステップS7〜S10に従い、先と同様に検出時間T1〜T2間で先の図4(b)における低いしきい値Nと測定対象波形Pとが交わる前端と後端を求める(ステップS7、S8)。そしてこれら前端と後端の差である分布時間幅Twを求め(ステップS9)、比較手段35において分布時間幅Twが分布基準値Wを越えているか否かが判断される。TwがWを越える場合にはステップS11に進み、越えない場合にはステップS14に進む(ステップS10)。
【0024】
積分手段34を介しての比較手段35における処理は、検出時間T1〜T2間で音響信号Pの波形面積Aを求め(ステップS12)、波形面積Aが基準面積値aより大きいか否かが判断される(ステップS13)。Aがaより大きい場合はステップS11が行われ、そうでない場合はステップS14が実施される。
【0025】
本実施形態では、検出時間T1〜T2間において、音響信号Pの特徴量である最大値、分布幅Tw又は波形面積Aのうち少なくとも一つが所定の各基準値L,W,a,Mを超える場合に、パンチ交換を交換すべき旨の警報が警報手段40より発せられる。よって、複数の特徴量の判断が相互補完しあい、パンチ劣化の兆候を捉えやすくなる。警報等が発生されない場合には(ステップS14)、ディスプレイ41を介してパンチが正常である旨が表示される(ステップS15)。
【0026】
なお、ステップS14におけるパンチ交換の警報を上記特徴量の内、少なくとも二つ以上が基準値を超える場合にのみ警報を発生するように構成することも可能である。かかる構成によれば、環境ノイズによる外乱を受け難くなる。また、ステップS4、S5、S10、S13における判断はいずれも測定対象信号Pを複数回アベレージングして得られる特徴量を用いて行うことももちろん可能である。
【0027】
次に図6〜図9を参照しながら本発明の第二の実施形態について説明する。
本実施形態では、測定対象信号が定数ではなく時間関数として表現される基準波形を越えるか否かをもって金型の劣化度を評価する。ここに、図6における基準信号Rは上記パンチ2,ダイ3の正常時にサンプリングした音響信号を上述の検出時間T1〜T2間でアベレージングすることにより得られた信号に適当な所定のバッファ値、本例では0.5ボルトを加えたものである。同図に示す基準信号Rは、パンチ2の正常時に発生する音響信号Pが複数ピークを有する場合もあるために若干幅広の信号となっている。本実施形態では、測定対象波形Pが基準波形Rを超える部分がある場合に、パンチが交換時期に達したものと評価する。本実施形態は、パンチの先端に傾斜を付与した場合や、高さの異なる複数本のパンチを用いた場合等、特に材料の変形時が比較的広い時間幅を有する場合に、その劣化を正確に評価することができる。
【0028】
本実施形態に用いられる評価装置の内、AEセンサ11,フィルタ部20,警報手段40,近接センサ15等は、上述の第一形態におけるものとほぼ同様であるが、パーソナルコンピュータ30の構成が一部異なっている。
【0029】
同図及び図8を参照しつつ、基準信号を求める手順について説明する。あらかじめパラメータ入力部38を介してアベレージング回数Xやバッファ値等のパラメーターを入力しておく(ステップS21)。AEセンサ11により受信された信号は、A/Dコンバータ31を介してアベレージング手段39に送られる。アベレージング手段39に含まれるカウンタがリセットされ(ステップS22)、ステップS23〜S27のアベレージングのためのループが入力されたX回繰り返される。すなわち、近接センサの作動(ステップS23)にともなって、ゲートタイマ37が作動し(ステップS24)、検出時間T1〜T2間で信号の加算平均が行われる(ステップS25)。カウンタnに1が加えられ(ステップS26)、アベレージングがX回行われたか否かが評価される(ステップS27)。アベレージングが所定回数行われた場合には、入力済みのバッファ値が時間関数としての信号に一様に加えられて基準波形が生成され(ステップ28)、メモリ手段36に記憶される(ステップS29)。
【0030】
次いで、図7及び図9を参照しつつ、本実施形態の評価手順について説明する。上述した如く近接センサ15の作動(ステップS31)にともなってゲートタイマ37が作動し(ステップS32)、基準波形Rがメモリ手段36より呼び出される(ステップS33)。経路32を介して比較手段35に受信信号が送出される一方、メモリ手段36から基準波形Rが呼び出され(ステップ33)、検出時間T1〜T2間で測定波形対象Pと基準波形Rとが比較される(ステップ34)。測定対象波形Pに基準波形Rを超える部分があるか否か(ステップS35)、及び測定対象波形Pに折損基準値Mを越える部分があるか否かが判断される(ステップS36)。PにMを越える部分がある場合には、プレス加工機が直ちに停止され(ステップS37)、PがMを越えない場合にはパンチ交換の警報が警報手段40により発生する(ステップS38)。測定対象波形Pが基準波形Rを越えない場合には(ステップS35)パンチ正常の旨がディスプレイ41に表示されることとなる(ステップS39)。
【0031】
さらに、本発明の他の実施形態の可能性について列挙する。
上記各形態ではパンチ2の磨耗による劣化を評価したが、ダイ3の磨耗による劣化を評価することももちろん可能である。また、金型はパンチ2及びダイ3による抜き加工の他、材料の切断加工、シェービング加工、切り起こし加工等、材料のせん断をともなうあらゆるプレス加工に実施することが可能である。また、上記実施例では材料Sに鋼板を用いたが、鋼板以外の金属板の他樹脂材料等のプレス加工にも本発明は適応の可能性がある。
【0032】
第二の実施形態では、先の音響信号の内第一群Q1、及び第三群の信号Q2を含まないようにしたが、これら第一第三群の信号を含む波形を用いて基準波形及び測定対象波形を生成してもよい。但し、スプリングのきしみ等の不確定要素を排除できるする点において、上記各実施例の如く検出時間T1〜T2を限定することが望ましい。
【0033】
本発明は劣化度評価方法として表現されているが、加工対象となる材料自体に亀裂等を生じた場合にもその信号を検出し、不良品の発生を検知することも可能である。
【0034】
なお、特許請求の範囲の項に記した符号は、あくまでも図面との対照を便利にするためのものにすぎず、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。
【0035】
【発明の効果】
このように、本発明にかかるプレス加工用金型の劣化度評価方法及びその評価装置によれば、少なくとも材料の変形時に生じる音響信号をもって評価を行うのでパンチ等の金型の劣化度をリアルタイムで評価することができ、しかも金型がパンチ等を複数本含むような複雑なものであっても目視では発見し難いその一部の劣化についても確実に捕捉して評価することが可能となった。
【0036】
また、基準波形と測定対象波形とを比較することで、金型が材料に複数回分かれて接当する等、特に材料の変形時が比較的広い時間幅を有する場合にも、その劣化をより正確に評価することが可能となった。
【0037】
さらに、近接手段及びこれに連動するゲートタイマを用いた場合には、材料の変形時に生じる音響信号に可能な限り限定して音響信号をサンプリングでき外乱の要素を排除することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】プレス加工機による抜き加工の工程を示し(a)は材料に対するストリッパの接当前、(b)は材料に対するストリッパーの接当後、(c)は抜き加工終了後の状態をそれぞれ示す概略断面図である。
【図2】本発明にかかる評価装置の第一の実施形態を示すブロック図である。
【図3】図2の評価装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】図1のプレス加工機による抜き加工の1サイクル分のフィルタリング及び検波後の音響信号を示すグラフであり、(a)は正常なパンチ使用時、(b)は交換時期に達したパンチの使用時、(c)はパンチの少なくとも一つが折れているパンチの使用時をそれぞれ示す。
【図5】加工数と音響信号の最大振幅との関係を示すグラフである。
【図6】本発明の第二の実施形態における基準波形と測定対象波形との関係を示す図である。
【図7】第二の実施形態における上記図2相当図である。
【図8】第二の実施形態における基準波形の生成手順を示すフローチャートである。
【図9】図7の評価装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 プレス加工機
2 パンチ(金型)
3 ダイ(金型)
5 パンチホルダ
6 ストリッパ
7 スプリング
11 AEセンサ
15 近接センサ
16 センサホルダ
17 近接片
18 感度調整アンプ
20 フィルタ部
21 プリアンプ
22 ハイパスフィルタ
23 ローパスフィルタ
24 検波回路
30 パーソナルコンピュータ
31 A/Dコンバータ
32 経路
33 幅計測タイマ
34 積分手段
35 比較手段
36 メモリ手段
37 ゲートタイマ
38 パラメータ入力部
39 アベレージング手段
40 警報手段
41 ディスプレイ
42 警報機
S 材料
P 測定対象波形(音響信号)
R 基準波形
L 振幅しきい値
M 折損しきい値
Tw 分布時間幅
W 分布基準値
A 波形面積
a 基準面積値
Claims (7)
- 少なくとも一対の金型(2,3)を材料(S)に圧接することによりこの材料(S)のせん断又は曲げを伴うプレス加工を行う場合における前記金型(2,3)の劣化度を評価するためのプレス加工用金型の劣化度評価方法であって、前記金型(2,3)同士の近接状態を検出する近接検出手段(15)に連動するゲートタイマ(37)により、センサ(11)が受信する音響信号のうち前記材料(S)の変形時に生じる音響信号(P)を検出し、前記ゲートタイマ(37)により検出された前記音響信号(P)をもって前記金型(2,3)の劣化度を評価するプレス加工用金型の劣化度評価方法。
- 前記音響信号(P)の振幅が大きくなるに従って前記金型(2,3)がより劣化していると評価する請求項1記載のプレス加工用金型の劣化度評価方法。
- 前記音響信号(P)の分布幅が大きくなるに従って前記金型(2,3)がより劣化していると評価する請求項1又は2に記載のプレス加工用金型の劣化度評価方法。
- 前記音響信号(P)の面積が大きくなるに従って前記金型(2,3)がより劣化していると評価する請求項1〜3のいずれかに記載のプレス加工用金型の劣化度評価方法。
- 前記金型(2,3)の正常時にサンプリングした前記音響信号をアベレージングすることにより得られる基準波形(R)と、前記音響信号のうちの測定対象波形(P)とを比較し、前記測定対象波形(P)が前記基準波形(R)を所定値以上越える場合に前記金型(2,3)が取り替え時期に達したと評価する請求項1記載のプレス加工用金型の劣化度評価方法。
- 前記音響信号(P)の振幅が前記金型(2,3)の飽和音響信号レベルを少なくとも越える場合に、前記金型が折損又は欠落していると評価する請求項1〜5のいずれかに記載のプレス加工用金型の劣化度評価方法。
- 請求項1〜6のいずれかに記載のプレス加工用金型の劣化度評価方法に用いられるプレス加工用金型の劣化度評価装置であって、前記音響信号を受信するためのセンサ(11)と、前記金型(2,3)同士の近接状態を検出する近接検出手段(15)と、この近接検出手段(15)に連動して前記センサ(11)による受信信号のうち前記材料(S)の変形時に生じる音響信号(P)を検出するゲートタイマ(37)と、比較用の基準値(L,W,a,R)を記憶するメモリ手段(36)と、前記ゲートタイマ(37)により検出された前記音響信号(P)から抽出された特徴量(P,Tw,A)と前記基準値(L,W,a,R)とを比較する比較手段(35)と、この比較手段(35)により前記特徴量(P,Tw,A)が前記基準値(L,W,a,R)を越える場合に前記金型(2,3)が取り替え時期に達した旨を知らせる警報手段(40)とを備えているプレス加工用金型の劣化度評価装置。
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