JP3671831B2 - 伝動ベルトのフープずれ量計測装置及びフープ変動量計測方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、1対のプーリに巻き掛けられて動力を伝達する伝動ベルトのフープの横ずれの変動を計測する装置および計測方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
1対のプーリ、たとえば回転軸に固定された固定回転体とその回転軸に対して軸心方向に移動可能な可動回転体とから構成された溝幅すなわち有効径(ベルト掛かり径)が可変な1対の可変プーリの間に巻き掛けられてそれらの間で動力を伝達する伝動ベルトの一種に、略均一な幅を有する金属製の無端薄板材すなわちフープが複数重ね合わせて構成されたフープ部と、そのフープ部に沿って厚み方向に密接した状態で連ねられた多数個のブロックとを備えた伝動ベルトが知られている。たとえば、特開昭62−232530号公報の第3図に記載されたベルト式無段変速機用伝動ベルトがそれである。
【0003】
上記伝動ベルトのブロックは、厚板状の部材であって、たとえば、1対のフープ部の内周側に位置する足部と、その1対のフープ部の外周側に位置する頭部と、それら足部と頭部とをそれらの幅方向の中央部において相互に連結する首部とから構成され、相対向する足部の外周側端面と頭部の内周面との間に上記1対のフープ部がそれぞれ位置させられるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のような伝動ベルトの回転時において、フープ部はその内周面形状或いはそれと係合する足部の外周面の形状によるセンタリング作用によって、その横ずれが防止されるようになっている。しかし、フープ部やブロックの形状不良などにより横ずれが発生する場合がある。
【0005】
上記横ずれを検出するために、本出願人は、先に、光学的手段により横ずれを検出する発明を出願した(特願平11−261534)。その先に出願した発明の要旨は、略均一な幅を有する無端薄板材から成るフープが複数重ね合わせられて構成されたフープ部と、そのフープ部に沿って厚み方向に密接した状態で連ねられた多数個のブロックとを備えた伝動ベルトにおいて、上記フープ部を構成するために複数重ね合わせられた無端帯状のフープのずれ量を計測するための装置であって、所定の1対のプーリに巻き掛けられた状態の前記伝動ベルトのフープの側端面に対してそのフープの厚みよりも小さな集光径で測定光を照射し且つその側端面からの反射光を受光する測定ヘッドを備え、その側端面からの反射光に基づいて基準位置からその側端面までの距離を光学的に検出するフープ位置検出装置と、上記測定ヘッドを前記フープの厚み方向に移動可能に支持し、前記フープ部を構成する複数のフープの側端面のそれぞれに前記測定光を集光させるようにその測定ヘッドを移動させる測定ヘッド移動装置とを、含むことにある。このようにフープずれ量検出装置を構成すれば、フープ位置検出装置により光学的に検出された基準位置から前記フープの側端面までの距離に基づいて、各フープの側端縁とブロックとの間の隙間がそれぞれ算出され得るので、ブロックとフープ部との接触が発生する前に、フープの基準位置からのずれ量或いはその接触が発生するまでのずれ量などを評価することができるのである。
【0006】
しかしながら、上記光学的手段により横ずれを検出するフープずれ量計測装置では、前記測定光としてレーザー光を使用するため、ずれ量を測定する際には伝動ベルトの潤滑用オイル量を制限しなければならなず、実車の状態を再現してずれ量を測定することができない。このように潤滑用オイル量を制限する必要があるのは、レーザー光が乱反射して正確な測定ができなくなることを防ぐため、および、反射光を受光する測定ヘッドに潤滑用オイルが付着して測定自体が不可能になることを防ぐためである。
【0007】
さらに、伝動ベルトの良否を判定するには、フープ全体の横ずれの周方向における変動を測定する必要がある。すなわち、伝動ベルトの良否を判定するには、フープ全体の横ずれを無端帯状のフープの全周において測定し、その変動を算出する必要があるが、上記光学的手段により横ずれを検出する形式の装置では各フープ毎にずれ量を測定しなければならないため、フープ全体の横ずれの変動を測定しようとするとフープの枚数だけ測定を繰り返す必要があり、測定に時間がかかってしまうという問題があった。
【0008】
本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、フープ全体の横ずれの周方向における変動を迅速に、且つ、高い信頼性で測定できる伝動ベルトのフープずれ量計測装置及びフープ変動量計測方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための第1の手段】
かかる目的を達成するための第1発明の要旨とするところは、略均一な幅を有する無端帯状の薄板材から成るフープが複数重ね合わせられて構成されたフープ部とそのフープ部に沿って重ね合わされた多数個のブロックとを備えた伝動ベルトの、そのフープ部を構成するフープのずれの変動を計測するためのフープずれ量計測装置であって、(a)一方のプーリが他方のプーリに対して接近離隔する方向に移動可能とされ、前記伝動ベルトを巻き掛ける1対のプーリと、そのプーリを回転駆動させる駆動装置とを備えた伝動ベルト回転装置と、(b)その1対のプーリに前記伝動ベルトが巻き掛けられた状態で、前記移動可能に構成されたプーリに前記一方のプーリから離隔する方向へ10000(N)以上の所定の力を加えることにより、前記伝動ベルトの張力を調整する張力調整装置と、 (c) その1対のプーリのうち、駆動側プーリの回転速度を2000(回転/分)以上の一定速度となるように制御する回転速度制御装置と、 (d) 前記伝動ベルト回転装置に巻き掛けられた状態の前記伝動ベルトのフープの幅方向に移動可能とされ、そのフープの側端面側に付勢され、さらに、前記フープ部の積層厚さ以上の長さとされた接触面が前記フープ部を構成するフープのいずれとも接触可能な位置に設けられた接触子を備え、その接触子の変位を逐次検出する接触式変位センサとを、含むことにある(請求項1)。
【0010】
【第1発明の効果】
このようにすれば、フープ部の積層厚さよりも長くされ、且つ、各フープのいずれとも接触可能な位置に設けられた接触子の接触面が、付勢力により最もずれの大きいフープの側端面に接触させられていることから、接触子の変位は最もずれの大きいフープの側端面の変位を表し、その接触子の変位が接触式変位センサにより検出されるので、伝動ベルト回転装置により、その伝動ベルト回転装置の1対のプーリに巻き掛けられた伝動ベルトが回転させられると、フープ全体の横ずれの周方向における変動が迅速に測定できる。また、接触子の変位から横ずれの変動を測定するので、潤滑用オイル量を制限する必要がなく、実車の状態を再現して測定できるため、信頼性の高い測定ができる。
さらに、フープの横ずれの変動が大きい伝動ベルトでは、その伝動ベルトの回転速度が速いほど、また、その伝動ベルトの張力が大きいほど、フープの横ずれの変動が大きくなることが実験により明らかになっているので、このように、回転速度制御装置により、駆動側プーリの回転速度を2000(回転/分)以上の一定速度に制御し、張力調整装置により、一方のプーリに他方のプーリから離隔する方向へ10000(N)以上の所定の力を加えて伝動ベルトの張力を調整した状態で伝動ベルトの横ずれの変動を測定すれば、より確実に伝動ベルトの良否を判定できる。
【0011】
【第1発明の他の態様】
ここで、好適には、前記接触子は、前記フープ部の積層方向に略垂直且つ前記フープの幅方向に移動可能とされた接触子軸と、その接触子軸の軸心回りに回転可能且つ円筒面が前記接触面とされた筒体とを備えたものである。このようにすれば、伝動ベルト回転装置により伝動ベルトが回転させられる際に、フープの側端面と接触子の接触面との間の摩擦が減少するので、横ずれの変動の測定によるフープおよび接触子の摩耗を低減できる。
【0012】
【課題を解決するための第2の手段】
また、前記目的を達成するための第2発明の要旨とするところは、略均一な幅を有する金属製の無端帯状の薄板材から成るフープが複数重ね合わせられて構成されたフープ部とそのフープ部に沿って重ね合わされた多数個のブロックとを備えた伝動ベルトの、そのフープ部を構成するフープのずれの変動を計測するためのフープずれ量計測装置であって、(a)一方のプーリが他方のプーリに対して接近離隔する方向に移動可能とされ、前記伝動ベルトを巻き掛ける1対のプーリと、そのプーリを回転駆動させる駆動装置とを備えた伝動ベルト回転装置と、(b)その1対のプーリに前記伝動ベルトが巻き掛けられた状態で、前記移動可能に構成されたプーリに前記一方のプーリから離隔する方向へ10000(N)以上の所定の力を加えることにより、前記伝動ベルトの張力を調整する張力調整装置と、(c)その1対のプーリのうち、駆動側プーリの回転速度を2000(回転/分)以上の一定速度となるように制御する回転速度制御装置とを備え、(d)さらに、前記伝動ベルト回転装置に巻き掛けられた状態の前記伝動ベルトのフープ部の側方において、検出面がそのフープ部の側部に対向する位置に配置され、その検出面に対向する部分のそのフープ部の変位を逐次検出する磁気式変位センサを、その検出面の中心が前記フープ部の積層方向において互いに異なる位置となるように、複数備えていることにある(請求項2)。
【0013】
【第2発明の効果】
このようにすれば、検出面がフープ部の側部に対向する位置に配置された磁気式変位センサにより、その検出面に対向する部分のフープ部の変位が検出され、このフープ部の変位は検出面に対するフープ部を構成する各フープの側端面の平均距離を表すので、伝動ベルト回転装置により、その伝動ベルト回転装置の1対のプーリに巻きかけられた伝動ベルトが回転させられると、フープ全体の横ずれの周方向における変動が迅速に測定できる。また、磁界の変化に基づいて横ずれの変動を測定することから、潤滑用オイル量を制限する必要がなく、実車の状態を再現して測定できるので、信頼性の高い測定ができる。さらに、非接触に横ずれの変動を測定するできるので、フープの側端面が損傷することもない。
さらに、フープの横ずれの変動が大きい伝動ベルトでは、その伝動ベルトの回転速度が速いほど、また、その伝動ベルトの張力が大きいほど、フープの横ずれの変動が大きくなることが実験により明らかになっているので、このように、回転速度制御装置により、駆動側プーリの回転速度を2000(回転/分)以上の一定速度に制御し、張力調整装置により、一方のプーリに他方のプーリから離隔する方向へ10000(N)以上の所定の力を加えて伝動ベルトの張力を調整した状態で伝動ベルトの横ずれの変動を測定すれば、より確実に伝動ベルトの良否を判定できる。
また、フープの変位に対する磁気式変位センサの感度はフープの積層方向における位置によって異なっており、一つの磁気式変位センサにより全てのフープの変位を検出すると、全てのフープについて高い感度で変位を検出することができず、その結果、高い信頼性で横ずれの変動を計測することができないが、本発明では、複数の磁気式変位センサが、その検出面の中心が前記フープ部の積層方向において互いに異なる位置に配置されていることから、各フープの変位は、何れかの磁気式変位センサにより高い感度で検出されるので、測定の信頼性がさらに向上する。
【0016】
また、好適には、前記フープずれ量計測装置は、前記複数の磁気式変位センサにより逐次検出される変位値の磁気式変位センサ毎の最大値と最小値との差に基づいて、前記伝動ベルトの良否を判定する判定手段をさらに備えている(請求項5)。伝動ベルトは、周方向における横ずれの変動が大きい場合が不良であるので、このように、判定手段により、変位値の磁気式変位センサ毎の最大値と最小値との差に基づいて伝動ベルトの良否を判定すれば、簡単に伝動ベルトの良否判定をすることができる。
【0017】
【第1発明および第2発明の他の態様】
また、好適には、前記1対のプーリの回転速度比は2.0以上である(請求項7)。フープ部の横ずれの変動が大きいほどフープの早期破断が発生しやすいこと、および、1対のプーリの回転速度比が大きいほど横ずれの変動が大きくなることが実験により明らかになっていることから、このようにすれば、より確実に伝動ベルトの良否を判定できる。
【0018】
また、好適には、前記1対のプーリのうち、一のプーリの中心を通り且つそのプーリの軸に対して垂直な中心面と、他方のプーリの中心を通り且つそのプーリの軸に対して垂直な中心面とが、所定距離離隔している(請求項8)。このように、一方のプーリの中心面と他方のプーリの中心面とが所定距離離隔されている場合には、その一対のプーリ間に巻き掛けられた伝動ベルトのフープに横方向への力が発生し、それにより横ずれの変動が大きくなるので、より確実に伝動ベルトの良否を判定できる。
【0021】
また、好適には、前記フープずれ量計測装置は、前記1対のプーリの軸間距離を測定する軸間距離測定装置と、その軸間距離測定装置により測定された軸間距離から予め記憶された関係に基づいて前記伝動ベルトの周長を算出する周長算出装置とを、さらに備えている(請求項9)。このようにすれば、フープの横ずれの変動の測定に加えて、フープが積層されたままで伝動ベルトの周長が測定できる。因みに、従来は、フープを積層してフープ部が構成された状態で伝動ベルトの周長を測定する手法は存在しなかったのである。
【0022】
また、好適には、前記フープずれ量計測装置は、前記接触式変位センサまたは前記磁気式変位センサから出力される信号に基づいて、前記フープ全体の横ずれの周方向における変動量を算出する変動量算出手段をさらに含むものである。このようにすれば、自動的にフープ全体の横ずれの周方向における変動量が算出される利点がある。
【0023】
また、好適には、前記伝動ベルトのフープずれ量計測装置は、前記接触式変位センサまたは前記磁気式変位センサから出力される信号に基づいて、前記フープ全体のずれ量の平均値を算出する平均ずれ量算出手段をさらに含むものである。このようにすれば、フープ全体のずれ量の平均値が自動的に算出されるので、その平均値が予め定められた判断基準値を越えているか否かを判定し、越えている場合にはその伝動ベルトを不良と判定するなど、その平均値も伝動ベルトの良否判定に用いることができる利点がある。
【0024】
【課題を解決するための第3の手段】
また、前記目的を達成するための第3発明の要旨とするところは、略均一な幅を有する無端帯状の薄板材から成るフープが複数重ね合わせられて構成されたフープ部とそのフープ部に沿って重ね合わされた多数個のブロックとを備えた伝動ベルトの、そのフープ部を構成するフープのずれの変動を計測するフープ変動量計測方法であって、一方のプーリが他方のプーリに対して接近離隔する方向に移動可能とされた1対のプーリに前記伝動ベルトを巻きかけ、その移動可能に構成されたプーリに一方のプーリから離隔する方向へ10000(N)以上の所定の力を加えることにより前記伝動ベルトの張力を調整し、その1対のプーリのうち、駆動側プーリの回転速度を2000(回転/分)以上の一定速度となるように制御した状態で、前記伝動ベルトのフープの幅方向に移動可能とされ、そのフープの側端面側に付勢され、さらに、前記フープ部の積層厚さ以上の長さとされた接触面が前記フープ部を構成するフープのいずれとも接触可能な位置に設けられた接触子を前記フープ部の側端面に接触させて、その接触子の変位を検出する接触式変位センサによりそのフープ部の変位を検出し、その接触式変位センサにより検出された変位値に基づいて前記フープのずれの変動を計測することにある(請求項3)。
【0025】
【第3発明の効果】
このように、接触式変位センサの接触子を、回転させられているフープ部の側端面に接触させることにより逐次測定されるフープ部の変位は、最もずれの大きいフープの周方向における変位であり、そのフープ部の変位に基づいてフープのずれの変動を計測するので、フープ全体の横ずれの周方向における変動が迅速に測定できる。また、接触子の変位から横ずれの変動を測定するので、潤滑用オイル量を制限する必要がなく、実車の状態を再現して測定できるため、信頼性の高い測定ができる。
さらに、このように駆動側プーリの回転速度が2000(回転/分)以上の一定速度となるように制御され、一方のプーリに他方のプーリから離隔する方向へ10000(N)以上の所定の力が加えられて伝動ベルトの張力が調整されると、フープの横ずれの変動が大きくなるので、より確実に伝動ベルトの良否を判定できる。
【0026】
【課題を解決するための第4の手段】
また、前記目的を達成するための第4発明の要旨とするところは、略均一な幅を有する金属製の無端帯状の薄板材から成るフープが複数重ね合わせられて構成されたフープ部とそのフープ部に沿って重ね合わされた多数個のブロックとを備えた伝動ベルトの、そのフープ部を構成するフープのずれの変動を計測するフープ変動量計測方法であって、一方のプーリが他方のプーリに対して接近離隔する方向に移動可能とされた1対のプーリに伝動ベルトを巻きかけ、その移動可能に構成されたプーリに一方のプーリから離隔する方向へ10000(N)以上の所定の力を加えることにより前記伝動ベルトの張力を調整し、その1対のプーリのうち、駆動側プーリの回転速度を2000(回転/分)以上の一定速度となるように制御した状態で、検出面が前記フープの側部に対向する位置に配置され、且つ、その検出面の中心が前記フープ部の積層方向において互いに異なる位置とされた複数の磁気式変位センサにより前記フープ部の変位を検出し、その複数の磁気式変位センサにより検出された変位値に基づいて前記フープのずれの変動を計測することにある(請求項4)。
【0027】
【第4発明の効果】
このようにすれば、検出面がフープ部の側部に対向する位置に配置された磁気式変位センサにより逐次検出されるフープ部の変位は、検出面に対するフープ部を構成する各フープの側端面の平均距離を表すので、伝動ベルトが回転させられると、フープ全体の横ずれの周方向における変動が迅速に測定できる。また、磁界の変化に基づいて横ずれの変動を測定することから、潤滑用オイル量を制限する必要がなく、実車の状態を再現して測定できるので、信頼性の高い測定ができる。さらに、非接触に横ずれの変動を測定するできるので、フープの側端面が損傷することもない。
さらに、このように駆動側プーリの回転速度が2000(回転/分)以上の一定速度となるように制御され、一方のプーリに他方のプーリから離隔する方向へ10000(N)以上の所定の力が加えられて伝動ベルトの張力が調整されると、フープの横ずれの変動が大きくなるので、より確実に伝動ベルトの良否を判定できる。
また、検出面の中心が前記フープ部の積層方向において互いに異なる位置に配置された複数の磁気式変位センサにより前記フープ部の変位が検出されることから、各フープの変位は、何れかの磁気式変位センサにより高い感度で検出されるので、測定の信頼性がさらに向上する。
【0030】
また、好適には、前記フープ変動量計測方法は、前記複数の磁気式変位センサにより検出される複数の変位値の最大値と最小値との差に基づいて、前記伝動ベルトの良否を判定する(請求項6)。このようにすれば、簡単に伝動ベルトの良否判定をすることができる。
【0031】
【第3発明および第4発明の他の態様】
また、好適には、前記フープ変動量計測方法は、前記1対のプーリの回転速度比を2.0以上にしてそのプーリを回転駆動させる(請求項10)。このようにすれば、フープ部の横ずれの変動が大きくなることから、より確実に伝動ベルトの良否を判定できる。
【0032】
また、好適には、前記フープ変動量計測方法は、前記1対のプーリのうち、一のプーリの中心を通り且つそのプーリの軸に対して垂直な中心面と、他方のプーリの中心を通り且つそのプーリの軸に対して垂直な中心面とが、所定距離離隔された状態でそのプーリを回転駆動させる(請求項11)。このようにすれば、一対のプーリ間に巻き掛けられた伝動ベルトのフープに横方向への力が発生し、それにより横ずれの変動が大きくなるので、より確実に伝動ベルトの良否を判定できる。
【0035】
また、好適には、前記フープ変動量計測方法は、前記1対のプーリに巻き掛けられた伝動ベルトが撓んでいない状態での前記1対のプーリの軸間距離を測定し、その軸間距離から予め記憶された関係に基づいて前記伝動ベルトの周長を測定する(請求項12)。このようにすれば、フープの横ずれの変動の測定に加えて、フープが積層されたままで伝動ベルトの周長が測定できる。
【0036】
【発明の好適な実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0037】
図1は、本発明の一実施例のフープずれ量計測装置10の構成を概念的に説明する図である。図1において、駆動装置として機能する電動モータ12は、回転軸14により減速機16と連結されている。上記軸14と減速機16との間には、トルクセンサ17が介挿されている。このトルクセンサ17は回転計としても機能し、軸14のトルクおよび回転軸14の回転数を検出する。
【0038】
小プーリ18の軸20は上記減速機16と連結されている。大プーリ22は上記小プーリ18と対を成し、小プーリ18と大プーリ22との間に伝動ベルト34が巻き掛けられる。これら電動モータ12、小プーリ18、および大プーリ22等が伝動ベルト回転装置23として機能し、小プーリ18と大プーリ22との間に伝動ベルト34が巻き掛けられた状態で電動モータ12が駆動させられると、伝動ベルト34が回転させられる。
【0039】
上記大プーリ22は、その軸24が、ピストンロッド26の基部28に固定されている。また、ピストンロッド26の基部28は、大プーリ22と小プーリ18とを結ぶ直線と平行に配置された2本の案内レール30に、その直線方向に移動可能に固定され、さらに、ピストンロッド26の先端に固設されたシリンダピストン27は引張シリンダ32に嵌入させられている。これらピストンロッド26、シリンダピストン27、案内レール30、および引張シリンダ32は、小プーリ18と大プーリ22との間に巻きかけられた伝動ベルト34の張力を調整する張力調整装置35として機能する。
【0040】
図2は、伝動ベルト34の構成を説明する斜視図であり、伝動ベルト34は、たとえば車両用ベルト式無段変速機において有効径が可変の1対の可変プーリ間に巻き掛けられて相互間に動力を伝達するためのものであって、略均一な幅を有する金属製の無端帯状の薄板から成るフープ36が複数枚たとえば9枚重ね合わせられて構成された1対のフープ部38と、その1対のフープ部38に沿って密接した状態で重ね合わされた多数個のブロック40とを備えている。
【0041】
上記1対のフープ部38は幅方向において所定の間隔を隔てて位置させられており、ブロック40は、厚板状の金属製部材であって、両端部からフープ部38の幅寸法よりも僅かに長く形成された1対の幅方向の切欠を備え、その1対の切欠内において上記1対のフープ部38の内周側に位置する足部42と、その1対のフープ部38の外周側に位置する頭部44と、それら足部42と頭部44とをそれらの幅方向の中央部において相互に連結する首部46とから構成され、相対向する足部42の外周面48と頭部44の内周面50との間に一対のフープ部38がそれぞれ位置させられている。また、上記フープ部38の内周面形状は若干の凹面とされ、或いはそれと係合する足部42の外周面48の形状は若干の凸面とされることにより、伝動ベルト34の回転時においてフープ部38が横方向にずれるのを抑止しようとするセンタリング作用が発生させられるようになっている。また、上記ブロック40の足部42は、内周側に向かうほど互いに接近するようにテーパ状に傾斜させられた1対の側端面52を備えている。
【0042】
小プーリ18および大プーリ22は、上記のように構成された伝動ベルト34を巻き掛けるためのV溝を有し、小プーリ18の有するV溝の幅寸法は、伝動ベルト34がその小プーリ18に巻き掛けられたときに、フープ部38或いはそれを構成するフープ36の側端面が小プーリ18の外周面よりも外周側に位置するように設定されている。
【0043】
図1に戻って、測定部54は、接触式変位センサ或いは磁気式変位センサを含んで、フープ部38の周方向の各点における変位すなわち位置およびずれ量を測定する部分である。
【0044】
図3は、接触式変位センサによりフープ部38のずれ量および横ずれの変動を測定する場合の測定部54の構成を示す図であって、接触式変位センサとして差動トランス式変位センサ56が用いられている。差動トランス式変位センサ56は、接触子58およびその接触子58の変位すなわち位置を検出する検出部60を備え、接触子58は、円筒形状の筒体62が接触子軸64回りに回転可能に構成され、且つ、筒体62と接触子軸64との間には複数個のベアリング66が介挿されることにより、筒体62は接触子軸64回りに滑らかに回転するようになっている。筒体62の外周面である接触面68の接触子軸64方向の長さは、その接触面68がフープ部38を構成する各フープ36と接触可能なように、フープ部38の積層厚さTよりも長くされている。
【0045】
検出部60は、接触子軸64をフープ36の幅方向に移動可能に支持するとともに、その内部に設けられ付勢部材として機能するバネ70により、接触子軸64をフープ36の側端面側(すなわちブロック40の首部46側)へ比較的弱い力で付勢している。
【0046】
上記のように構成された差動トランス式変位センサ56は、フープ部38を構成する各フープ36の側端面の位置が揃っている場合に、すなわち、フープ部38を構成する各フープ36の側端面が一つの平面を構成する場合に、接触子58の接触面68が、全てのフープ36の側端面と接触できる位置に図示しない固定装置により測定中の位置が固定されている。すなわち、差動トランス式変位センサ56は、図示しない固定装置により、高さ方向の位置が、接触子58の下端面72がブロック40の足部42の外周面48と同じ高さとなり、幅方向(図3において横方向)の位置が、フープ36の外側の側端面が接触子58の可動範囲内となる位置に、さらに、接触子軸64がフープ36の積層方向に対して垂直となる位置に測定中の位置が固定されている。
【0047】
従って、図3にも示すように、接触子58はフープ部38を構成する各フープ36のうち、最も外側(ブロック40の首部46とは反対側)にずれているフープ36の側端面と接触させられるので、差動トランス式変位センサ56には、最も外側にずれているフープ36の側端面の位置が逐次検出される。また、伝動ベルト34が回転させられると、フープ36の側端面に接触させられている接触子58の筒体62は、その回転に従って接触子軸64回りに回転させられるとともに、接触子58は、最も外側にずれているフープ36の側端面の位置に従って移動させられるので、差動トランス式変位センサ56により、最も外側にずれているフープ36の側端面の位置が周方向の各点において検出される。
【0048】
ずれ量算出手段74、平均ずれ量算出手段76、変動量算出手段78、および判定手段80は、たとえば予め記憶されたプログラムに従って入力信号を演算処理するマイクロコンピュータによって構成されるものであり、ずれ量算出手段74は、差動トランス式変位センサ56により検出される最も外側にずれているフープ36の側端面の位置が側端面の基準位置に対してずれている距離を、フープ36全体のずれ量sとして逐次算出する。上記側端面の基準位置とは、フープ部38の内周面形状或いはそれと係合する足部42の外周面48の形状により伝動ベルト34の回転時においてその場に留まろうとするセンタリング作用により位置させられる設計上のフープ36の側端面の位置である。
【0049】
平均ずれ量算出手段76および変動量算出手段78は、実際の車両に用いられるものと同量の潤滑用オイルが使用され、張力調整装置35により、その張力が実際に車両に搭載されている場合と同程度の張力に調整された伝動ベルト34が、電動モータ12の駆動力により所定の回転速度v1 (r.p.m.)で回転させられた状態のずれ量sの平均値savまたは横ずれの周方向における変動量fを算出するものであり、平均ずれ量算出手段76は、伝動ベルト34が予め設定された所定時間回転させられる間或いは伝動ベルト34が所定数回転させられる間に、前記ずれ量算出手段74により逐次算出されるずれ量sを平均することにより、ずれ量sの平均値savを算出し、その算出した平均値savを表示器81に表示する。
【0050】
変動量算出手段78は、上記のように潤滑用オイル量および張力が調整された伝動ベルト34が、上記所定の回転速度v1 で予め設定された所定時間或いは所定数回転させられる間に、前記差動トランス式変位センサ56からの信号を逐次読み込み、その信号が表すフープ36の側端面の位置に基づいて、或いは、その側端面の位置から前記ずれ量算出手段74により逐次算出されるずれ量sに基づいて、フープ全体の横ずれの周方向における変動を表す変動量fを算出し、その算出した変動量fを表示器81に表示する。ここで、上記変動量fには、たとえば、フープ36の側端面の位置または上記ずれ量sの最大値と最小値との差、或いはそれらの標準偏差σ等が用いられる。
【0051】
判定手段80は、前記変動量算出手段78により算出される変動量fが予め設定された判断基準値を越えたか否かに基づいて、またはその変動量fおよび前記平均ずれ量算出手段76により算出される平均値savの少なくとも一方がそれぞれについて予め設定された判断基準値を越えたか否かに基づいて伝動ベルト34の良否を判定し、その判定結果を表示器81に表示する。
【0052】
上述のように、本実施例によれば、フープ部36の積層厚さTよりも長くされ、且つ、各フープ36のいずれとも接触可能な位置に設けられた接触子58の接触面68が、バネ70の付勢力により最もずれの大きいフープ36の側端面に接触させられていることから、接触子58の位置は最もずれの大きいフープ36の側端面の位置を表し、その接触子58の位置が差動トランス式変位センサ56により検出されるので、伝動ベルト回転装置23により、その伝動ベルト回転装置23の1対のプーリ18、22に巻き掛けられた伝動ベルト34が回転させられると、フープ36全体の横ずれの周方向における変動が迅速に測定できる。また、接触子58の位置から横ずれの変動を測定するので、潤滑用オイル量を制限する必要がなく、実車の状態を再現して測定できるため、信頼性の高い測定ができる。
【0053】
また、本実施例によれば、接触子58は、フープ部38の積層方向に略垂直且つフープ36の幅方向に移動可能とされた接触子軸64と、その接触子軸64の軸心回りに回転可能且つ円筒面が接触面68とされた筒体62とを備えたものであることから、伝動ベルト回転装置23により伝動ベルト34が回転させられる際に、フープ36の側端面と接触子58の接触面68との間の摩擦が減少するので、横ずれの変動の測定によるフープ36および接触子58の摩耗を低減できる。
【0054】
また、本実施例によれば、フープずれ量計測装置10は、差動トランス式変位センサ56から出力される信号に基づいて、フープ36全体の横ずれの周方向における変動量fを算出する変動量算出手段78を備えているので、自動的にフープ36全体の横ずれの周方向における変動量fが算出される利点がある。
【0055】
また、本実施例によれば、フープずれ量計測装置10は、差動トランス式変位センサ56から出力される信号に基づいて、フープ36全体のずれ量sの平均値savを算出する平均ずれ量算出手段76を備えていることから、フープ36全体のずれ量sの平均値savが自動的に算出されるので、その平均値savが予め定められた判断基準値を越えたか否かを判定し、越えている場合にはその伝動ベルト34を不良と判定するなど、その平均値savも伝動ベルト34の良否判定に用いることができる利点がある。
【0056】
次に、本発明の他の実施例を説明する。本実施例は、測定部54が、磁界の変化に基づいて変位を測定する磁気式変位センサを含んでいる場合の例であり、他の構成は前述の実施例と同様である。なお、以下の説明において前述の実施例と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0057】
図4は、磁気式変位センサによりフープ部38のずれ量sおよび横ずれの変動を測定する場合の測定部54の構成を示す図であって、磁気式変位センサとして渦電流式変位センサ82が用いられている。渦電流式変位センサ82は、図示しない内部に高周波発生コイルを備え、その高周波発生コイルに金属体が近づくと磁界が変化させられることに基づいて、金属体すなわち金属製のフープ36と渦電流式変位センサ82との距離すなわち変位を逐次測定する。上記渦電流式変位センサ82は円筒形状であり、一方の底面が検出面84であり、他方の底面から信号電圧が出力される。この渦電流式変位センサ82は、図示しない固定装置によりフープ部38の側部に測定中の位置が固定されている。その状態では、検出面84が、フ−プ36の側端面に対して所定距離離隔して対向させられ且つフープ36の幅方向に対して略垂直になるように配置されている。また、検出面84の直径は、フープ部38を構成する全てのフープ36の幅方向の変位を検出できる大きさ、たとえばフープ36の積層厚さTと同程度の大きさとされている。従って、この渦電流式変位センサ82から出力される信号は、検出面84に対する各フープ36の側端面の距離の平均を表している。また、検出面84の位置は測定中は固定されていることから、検出面84とブロック40の首部46との距離は一定であるので、渦電流式変位センサ82から出力される信号は、ブロック40の首部46に対する各フープ36の側端面の平均位置を表している。
【0058】
ずれ量算出手段86、平均ずれ量算出手段88、および変動量算出手段90は、たとえば予め記憶されたプログラムに従って入力信号を演算処理するマイクロコンピュータによって構成されるものであり、ずれ量算出手段86は、渦電流式変位センサ82により検出される各フープ36の側端面の平均位置が、側端面の基準位置に対してずれている距離を、フープ36全体のずれ量として逐次算出する。なお、上記側端面の基準位置は前述の実施例と同様である。
【0059】
平均ずれ量算出手段88および変動量算出手段90は、実際の車両に用いられるものと同量の潤滑用オイルが使用され、張力調整装置35により、その張力が実際に車両に搭載されている場合と同程度の張力に調整された伝動ベルト34が、電動モータ12の駆動力により所定の回転速度v1 (r.p.m.)で回転させられた状態のずれ量sの平均値savまたは横ずれの変動量fを算出するものであり、平均ずれ量算出手段88は、伝動ベルト34が予め設定された所定時間回転させられる間或いは伝動ベルト34が所定数回転させられる間に、前記ずれ量算出手段74により逐次算出されるずれ量sを平均することにより、ずれ量sの平均値savを算出し、その算出した平均値savを表示器81に表示する。
【0060】
変動量算出手段90は、上記のように潤滑用オイル量および張力が調整された伝動ベルト34が、上記所定の回転速度v1 で予め設定された所定時間或いは所定数回転させられる間に、渦電流式変位センサ82からの信号を逐次読み込み、その信号が表すフープ36全体の側端面の平均位置に基づいて、或いは、その側端面の平均位置から前記ずれ量算出手段74により逐次算出されるずれ量に基づいて、フープ36全体の横ずれの周方向における変動を表す変動量fを算出し、その算出した変動量を表示器81に表示する。ここで、上記変動量fは、前述の実施例と同様の意味であり、たとえば、渦電流式変位センサ82から検出される信号が表すフープ36の側端面の位置(変位)または上記ずれ量sの最大値と最小値との差、或いはそれらの標準偏差σ等が用いられる。なお、渦電流式変位センサ82から出力される信号は交流信号であり、その交流信号の振幅の大きさが検出面84とフープ36の側端面との距離を表す。
【0061】
上述のように、本実施例によれば、検出面84がフープ部38の側部に対向する位置に配置された渦電流式変位センサ82により、その検出面84に対向する部分のフープ部38の変位が検出され、このフープ部38の変位は検出面84に対するフープ部38を構成する各フープ36の側端面の平均距離を表すので、伝動ベルト回転装置23により、その伝動ベルト回転装置23の1対のプーリ18、22に巻きかけられた伝動ベルト34が回転させられると、フープ36全体の横ずれの周方向における変動が迅速に測定できる。また、磁界の変化に基づいて横ずれの変動を測定することから、潤滑用オイル量を制限する必要がなく、実車の状態を再現して測定できるので、信頼性の高い測定ができる。さらに、非接触に横ずれの変動を測定するできるので、フープ36の側端面が損傷することもない。
【0062】
また、本実施例によれば、フープずれ量計測装置10は、渦電流式変位センサ82から出力される信号に基づいて、フープ全体36の横ずれの周方向における変動量fを算出する変動量算出手段90を備えているので、自動的にフープ36全体の横ずれの周方向における変動量fが算出される利点がある。
【0063】
また、本実施例によれば、フープずれ量計測装置10は、渦電流式変位センサ82から出力される信号に基づいて、フープ全体のずれ量sの平均値savを算出する平均ずれ量算出手段88を備えていることから、フープ36全体のずれ量sの平均値savが自動的に算出されるので、その平均値savが予め定められた判断基準値を越えたか否かを判定し、越えている場合にはその伝動ベルト34を不良と判定するなど、その平均値savも伝動ベルト34の良否判定に用いることができる利点がある。
【0064】
次に、本発明のさらに他の実施例を説明する。図5は、前述の2つの実施例とは別のフープずれ量計測装置100の概略図である。本実施例のフープずれ量計測装置100は、渦電流式変位センサ102が用いられてフープ36の横ずれの変動を計測する点では前述の第2実施例と同様であるが、渦電流式変位センサ102が2つ用いられている点で第2実施例と異なる。以下、第2実施例との相違点を中心に説明する。
【0065】
図5において、伝動ベルト回転装置104は、小プーリ18側は前述の実施例と同じ構成を有し、さらに大プーリ22側も、小プーリ18側と略同様に構成されている。すなわち、大プーリ24の軸24には、小プーリ18側のそれと同様の減速機106が設けられ、その減速機106に、トルクセンサ108および負荷モータ110が軸112により連結されている。このように負荷モータ110が備えられると、より実車に近い状態で測定ができる。なお、上記トルクセンサ108も小プーリ18側のトルクセンサ17と同様に回転計としての機能も備えている。
【0066】
上記減速機106、トルクセンサ108、および負荷モータ110は、一つの可動台114上に固定されており、その可動台114は張力調整装置115のピストンロッド26の基端部に連結されるとともに、2本の案内レール30により伝動ベルト34と平行に移動可能とされている。また、張力調整装置115には、張力を検出するためにロードセル116が設けられている。
【0067】
2つの渦電流式変位センサ102は円筒形状であって、小プーリ18と大プーリ22との間において、検出面118がフープ36の側端面に対して所定距離離隔して対向させられ且つ検出面118がフープ36の幅方向に対して略垂直になるように、図示しない固定装置により測定中の位置が固定されている。渦電流式変位センサ102から出力された信号は演算制御装置120に供給される。演算制御装置120は、図示しないCPU、ROM、RAM等を備えた所謂マイクロコンピュータであり、演算制御装置120では渦電流式変位センサ102から供給された信号に基づいて、伝動ベルト34の良否判定などが行なわれる。
【0068】
図6(a)は、フープずれ量計測装置100を正面から見た図であって、点線で囲まれた範囲を拡大した図が図6(b)であり、渦電流式変位センサ102は図6(b)に示す位置に固定されている。
【0069】
図6(b)において、2つの渦電流式変位センサ102は、それぞれ一枚のフープ36の約10倍の直径を有している。たとえば、一枚のフープ36の厚みが0.2mmであり、図のようにフープ36が9枚積層されているとすると、検出面118の直径が約2mmのものが用いられる。2つの渦電流式変位センサ102のフープ部38の積層方向の位置は、2つの渦電流式変位センサ102により、全てのフープ36の横ずれが最も高感度に検出できる位置として予め実験に基づいて決定され、たとえば、一方の渦電流式変位センサ102の中心が、フープ部38の積層方向の中心からその積層方向と平行に0.5mmだけブロック40の頭部44側の位置、他方の渦電流式変位センサ102の中心が、フープ部38の積層方向の中心からその積層方向と平行に0.5mmだけブロック40の足部42側の位置とされる。また、2つの渦電流式変位センサ102のフープ36の周方向の位置は、一方の渦電流式変位センサ102の磁場が他方に影響しないようにするために、本実施例では、フープ36の周方向に4〜5mm離隔されている。
【0070】
渦電流式変位センサ102のフープ部38の積層方向における位置を決定するための実験は、たとえば以下に説明する内容である。すなわち、いずれか一つのフープ36を渦電流式変位センサ102側に0.5mm飛び出させた状態で伝動ベルト34を回転させ、渦電流式変位センサ102をフープ36の積層方向と平行に移動させたときに、その渦電流式変位センサ102から出力される電圧(V)を調べた実験である。飛び出させたフープ36は、9層目すなわち最もブロック40の頭部44側(図7(a))と、5層目すなわち中央層(図7(b))と、1層目すなわち最もブロック40の足部42側(図7(c))である。また、本実験において、渦電流式変位センサ102の検出面118と飛び出していないフープ36の側端面との距離は、0.8mmに設定され、フープ36の厚みは0.2mm、渦電流式変位センサ102の直径はフープ36の厚みの10倍すなわち2.0mmのものを用いた。
【0071】
図8は、上記実験の結果を示す図である。渦電流式変位センサ102の検出面118の中心がフープ36の積層厚みの中心と一致する位置を基準点とし、検出面118の中心が積層方向と平行に9層目のフープ36側へ移動する方向を「+」方向、検出面118の中心が積層方向と平行に1層目のフープ36側へ移動する方向を「−」方向とすると、図8に示すように、渦電流式変位センサ102を+方向へ0.5mm移動させると、5層目を飛び出させた時の出力電圧、および9層目を飛び出させた時の出力電圧がともに低くなっている。飛び出した量(変位)が同じ場合、出力電圧が低いほど検出感度がよいことになるので、この+0.5mmの位置が5層目から9層目までの変位を最も高感度に検出できる位置となる。また、渦電流式変位センサ102を−方向へ0.5mm移動させると、5層目を飛び出させた時の出力電圧、および1層目を飛び出させた時の出力電圧がともに低くなっているので、この位置が1層目から5層目までの変位を最も高感度に検出できる位置となる。
【0072】
図9は、前記演算制御装置120の制御作動の要部を説明するフローチャートである。なお、本フローチャートは、伝動ベルト34が予め所定の回転速度v1 (たとえば10.8 m/s)で回転させられている状態で実行される。
【0073】
まず、ステップS1(以下、ステップを省略する。)では、2つの渦電流式変位センサ102から出力されるセンサ信号が読み込まれる。続くS2では、センサ信号の読み込みが開始されてから、予め設定されたサンプリング期間が経過したか否かが判断される。なお、上記サンプリング期間は、たとえば、60秒或いはそれ以上に設定される。このS2の判断が否定された場合は、前記S1以下が繰り返し実行されることにより、センサ信号の読み込みが継続される。図10は、S1で読み込まれたセンサ信号の一例を示す図である。
【0074】
一方、上記S2の判断が否定された場合には、続くS3において、上記S1で読み込まれた2つの渦電流式変位センサ102からのセンサ信号から包絡線を得るために、そのセンサ信号がそれぞれローパスフィルタ処理されて、所定の周波数以下の信号がそれぞれ抽出される。図11は、S3において抽出された包絡線の一例を示す図であり、包絡線の振幅の大きさがフープ36の変位値である。
【0075】
続くS4では、S3で渦電流式変位センサ102毎に抽出された2つの包絡線について、振幅すなわち出力Pの最大値PMAX および最小値PMIN がそれぞれ決定される。続くS5では、上記S4でそれぞれ決定された最大値PMAX と最小値PMIN から、出力幅ΔP(=PMAX −PMIN )がそれぞれ算出される。本実施例では、出力幅ΔPが変動量に相当するので、S5が変動量算出手段に相当する。
【0076】
続くS6では、上記S5で算出された2つの出力幅ΔPが予め設定された判定基準値TH(たとえば0.2)を越えたか否かに基づいて、伝動ベルト34の良否が判断される。フープ36の横ずれの周方向における変動が大きいほど出力幅ΔPが大きくなることから、2つの出力幅ΔPのうち少なくとも一方が上記判定基準値THを越えた場合には、伝動ベルト34は不良であると判定され、2つの出力幅ΔPがいずれも上記判定基準値TH以下である場合には、伝動ベルト34は良品と判定される。本実施例では、このS6が判定手段に相当する。そして、続くS7では、上記S6で判定された結果が表示器81に表示される。なお、このようにして判定された結果は、従来の光学的手段に基づいて判定された結果と非常に高い相関があった。
【0077】
上述のように、本実施例によれば、検出面118がフープ部38の側部に対向する位置に配置された2つの渦電流式変位センサ102により、検出面118に対するフープ部38を構成する各フープ36の側端面の平均距離が逐次測定されるので、伝動ベルト回転装置104により、その伝動ベルト回転装置104の1対のプーリ18、22に巻きかけられた伝動ベルト34が回転させられると、フープ36全体の横ずれの周方向における変動が迅速に測定できる。また、磁界の変化に基づいて横ずれの変動を測定することから、潤滑用オイル量を制限する必要がなく、実車の状態を再現して測定できるので、信頼性の高い測定ができる。さらに、非接触に横ずれの変動を測定するできるので、フープ36の側端面が損傷することもない。
【0078】
また、本実施例によれば、2つの渦電流式変位センサ102は、フープ36の積層厚みの中心から積層方向と平行に0.5mm上下に移動させた位置に、それぞれの検出面118の中心が位置させられていることから、各フープ36の横ずれの変動は、2つの渦電流式変位センサ102のいずれかにより高い感度で測定されるので、測定の信頼性がさらに向上する。
【0079】
また、本実施例によれば、S5(変動量算出手段)において、自動的にフープ36全体の横ずれの周方向における変動量すなわち出力幅ΔPが算出され、S6(判定手段)において、出力Pの磁気式変位センサ102毎の最大値PMAX と最小値PMIN との差すなわち出力幅ΔPに基づいて伝動ベルト34の良否が判定されるので、簡単に伝動ベルト34の良否判定をすることができる。
【0080】
次に、本発明のさらに他の実施例を説明する。図12は、前述の3つの実施例とは別のフープずれ量計測装置130の構成を示す概略図である。
【0081】
図12において、介挿部材132は、軸24の大プーリ22側の端において大プーリ22よりも減速機106側に嵌め入れられている。小プーリ18の中心を通り、且つ、その小プーリ18の軸20に対して垂直な面を中心面Aとし、大プーリ22の中心を通り、且つ、その大プーリ22の軸24に対して垂直な面を中心面Bとすると、上記介挿部材132が嵌め入れられることにより、小プーリ18の中心面Aと大プーリ22の中心面Bとは、その介挿部材132の厚みdだけ離隔させられている。すなわち、大プーリ22はその大プーリ22の中心面Bが小プーリ18の中心面Aと一致する位置から、軸24と平行方向に距離dだけオフセットされている。
【0082】
上記のように小プーリ18の中心面Aと大プーリ22の中心面Bとが距離dだけ離隔して設けられているので、小プーリ18と大プーリ22との間に巻き掛けられた伝動ベルト34には、横方向すなわちフープ36の幅方向にそのフープ36を移動させる強制的な力が働く。
【0083】
張力発生装置134は、ピストンロッド26、シリンダピストン27、案内レール30、引張シリンダ32、ロードセル116、および油圧制御装置136により構成される。上記油圧制御装置136は、図示しない油タンク、油圧ポンプ、モータ等を備えた油圧パッケージであり、演算制御装置120からの駆動信号に基づいて引張シリンダ32内の圧力を制御する。
【0084】
一対のプーリ18、22に伝動ベルト34が巻き掛けられた状態で、張力調整装置134により可動台114が伝動モータ12から離隔する方向に平行に引っ張られると、伝動ベルト34には、張力調整装置134が可動台114を引っ張る力に応じた張力が発生する。また、張力調整装置134が可動台114を引っ張る力は、小プーリ18の軸20と大プーリ22の軸24との間に発生する軸間力と等しい。
【0085】
ロードセル116は、張力調整装置134が可動台114を引っ張る力を検出し、その力を表す信号を演算制御装置120へ供給する。演算制御装置120は、ロードセル116から供給された信号に基づいて油圧制御装置136へ制御信号を出力し、油圧制御装置136はその制御信号に基づいて、ピストンロッド26が可動台114を引っ張る力すなわち軸間力が10000(N)以上の所定の力になるように、引張シリンダ32内の圧力を制御する。なお、軸間力が10000(N)以上の所定の力とされると、一対のプーリ18、22間に巻き掛けられた伝動ベルト34には、その伝動ベルト34が撓まない張力が加えられる。
【0086】
回転計としても機能するトルクセンサ17は、回転軸14の回転数を検出してその回転数を表す回転数信号を演算制御装置120へ出力する。演算制御装置120はその回転数信号に基づいて回転速度制御装置138へ駆動信号を出力する。回転速度制御装置138は、演算制御装置120からの駆動信号に基づいて、駆動側(一次側)のプーリすなわち小プーリ18の回転速度v2 (r.p.m.)が2000回転以上の所定の回転速度となるように、電動モータ12の回転速度を制御する。
【0087】
図13は、小プーリ18の回転速度v2 とフープ36の横ずれの変動量fとの関係を示す図である。なお、図13の変動量fは、ずれ量sの最大値と最小値との差(mm)である。また、図13において、不良の伝動ベルト34の変動量fは破線で示され、良い伝動ベルト34の変動量fは実線で示されている。図13に示されるように、良い伝動ベルト34は、回転速度v2 が速くなっても変動量fはあまり変わらないが、不良の伝動ベルト34は、回転速度v2 が速くなると変動量fが大きくなる傾向があるので、伝動ベルト34の良否を確実に判定するために小プーリ18の回転速度v2 を2000回転以上とするのである。このように、不良の伝動ベルト34では回転速度v2 が速いほど変動量fが大きくなる理由は、以下のように考えられる。すなわち、フープ部38を構成する各フープ36間の相対滑り速度は小プーリ18の回転速度v2 (入力回転速度)に比例し、各フープ36間の相対滑り速度が大きいほど各フープ36間の摩擦係数が小さくなるためであると考えられる。
【0088】
図12に戻って、小プーリ18および大プーリ22は、前述の実施例と同様の構成であり、小プーリ18の半径に対する大プーリ22の半径の半径比は約2.2とされている。大プーリ22の回転速度に対する小プーリ18の回転速度の比すなわち回転速度比(或いはギヤ比)は半径比と等しいので約2.2となる。回転速度比が約2.2となるように小プーリ18の半径および大プーリ22の半径が設定されているのは、回転速度比が大きいほど、フープ部38を構成する各フープ36間の相対滑り速度が大きくなって、各フープ36間の摩擦係数が小さくなるので、回転速度比が大きいほど横ずれの変動量fが大きくなるからである。
【0089】
位置センサ140は、その測定子142が軸24に当接させられて、軸24のその軸24に垂直な方向における位置を検出し、その位置を表す信号を演算制御装置120に出力する。演算制御装置120は、予め記憶された関係から、上記軸24の位置を表す信号に基づいて、小プーリ18の軸20と大プーリ22の軸24との軸間距離Lを算出する。従って、本実施例では、位置センサ140および演算制御装置120が軸間距離測定装置として機能する。
【0090】
さらに、演算制御装置120は周長算出装置としても機能し、前記軸間距離Lに基づいて、予め記憶された式1から伝動ベルト34の周長Xを算出する。なお、式1は、図14に示す幾何的計算から求められるものである。
(式1) X =d2×[(π/2)+α]
+2{(L2 −[(d2−d1)/2]2 }1/2
+d1×[(π/2)−α)]
ここで、α=sin-1{(d2−d1)/2}/2L(ただし、d2≧d1)、d1は小プーリ18の直径、d2は大プーリ22の直径である。
【0091】
上述のように、本実施例のフープずれ量計測装置130は、一対のプーリ18、22の回転速度比が約2.2であり、小プーリ18の中心面Aと大プーリ22の中心面Bとが所定距離d離隔され、回転速度制御装置138により小プーリ18の回転速度が2000回転以上に制御され、張力調整装置134により大プーリ24に小プーリ18から離隔する方向へ10000(N)以上の所定の力が加えられて伝動ベルト34の張力が調整された状態で、伝動ベルト34の横ずれの変動が測定されるので、確実に伝動ベルト34の良否が判定できる。
【0092】
以上、本発明の一実施例を図面に基づいて説明したが、本発明は他の態様においても適用される。
【0093】
たとえば、前述の第1の実施例では、接触式変位センサとして差動トランス式変位センサ56が用いられていたが、直線的に移動する摺動片と抵抗体から成る直線型ポテンショメータや、磁気目盛りが施された磁気スケールとその上を移動する磁気検出用ヘッドを含んで構成されるマグネスケール等他の接触式変位センサが用いられてもよい。
【0094】
また、前述の第2の実施例および第3の実施例では、磁気式変位センサとして渦電流式変位センサ82、102が用いられていたが、検出面84、118とフープ36の側端面との間の空隙を閉回路の一部とする磁気回路を設けるとともに、その磁気回路に一定の起磁力を与えたときの磁束密度を検出し、その磁束密度の変化に基づいて上記空隙の平均的変位を検出するようにした磁気式変位センサ等、他の磁気式変位センサが用いられてもよい。
【0095】
また、前述の第1および第2の実施例では、横ずれの周方向における変動量fを算出する変動量算出手段78、90に加えて、ずれ量sおよびそのずれ量sの平均値savを算出するずれ量算出手段74、86および平均ずれ量算出手段76、88が設けられていたが、ずれ量sの平均値savは、伝動ベルト34の良否判定においては変動量fの補助的な指標であり、変動量fのみによる伝動ベルト34の良否判定も可能であることから、ずれ量算出手段74、86および平均ずれ量算出手段76、88が設けられなくてもよい。
【0096】
また、前述の第3の実施例のフープずれ量計測装置100は、渦電流式変位センサ102を2つ備えていたが、3つ以上であってもよい。特に、フープ部38を構成するフープ36の層数が多くなる場合には、それに応じて渦電流式変位センサの数を増やすことが好ましい。たとえば、12枚積層されているフープ36の横ずれの変動を、前述の第3の実施例における渦電流式変位センサ102で測定する場合には、その渦電流式変位センサ102を3つ用いる。この場合、それぞれの検出位置は、たとえば、2つの渦電流式変位センサ102は第3の実施例と同様の検出位置、すなわち検出面118の中心が積層厚みの中心から積層方向と平行に0.5mm上または下となる位置、他の1つの渦電流式変位センサ102は、検出面118の中心がフープ36の積層厚みの中心となる位置とされる。
【0097】
また、前述の第3の実施例の渦電流式変位センサ102は、検出面118の直径がフープ36の厚みの10倍であったが、各フープ36の横ずれが何れかの渦電流式変位センサにより高感度に測定される範囲であれば、直径がフ−プ36の10倍以上或いは10倍以下であってもよい。
【0098】
また、前述の実施例では、小プーリ18の半径に対する大プーリ22の半径の半径比が2.2(すなわち回転速度比が2.2)であったが、2.0以上のローギヤ時に用いられる半径比であればよい。なお、前述の実施例のフープずれ量計測装置10、100、130において半径比を変更するには、小プーリ18または大プーリ22を異なる半径を有するプーリに付け替えるが、伝動ベルトが掛けられる径すなわち有効径が可変の可変プーリが用いられ、その有効径を調整することにより半径比が変更される形式でもよい。
【0099】
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、これはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるフープずれ量計測装置の構成を説明する図である。
【図2】図1の伝動ベルトの構成を説明する斜視図である。
【図3】図1のフープずれ量計測装置の測定部54を詳しく示す図であって、差動トランス式変位センサ56が用いられた場合の測定部54の構成を示す図である。
【図4】図1のフープずれ量計測装置の測定部54を詳しく示す図であって、渦電流式変位センサ82が用いられた場合の測定部54の構成を示す図である。
【図5】本発明の第3実施例のフープずれ量計測装置の概略図である。
【図6】(a)図5のフープずれ量計測装置を正面から見た図である。(b)渦電流式変位センサの固定位置を示す図である。
【図7】図5の渦電流式変位センサの固定位置を決定するための実験条件を示す図である。
【図8】図7の実験の結果を示す図である。
【図9】図5の演算制御装置の制御作動の要部を説明するフローチャートである。
【図10】図5の渦電流式変位センサから出力されるセンサ信号の一例を示す図である。
【図11】図10のセンサ信号から抽出された包絡線を示す図である。
【図12】本発明の第4実施例のフープずれ量計測装置の概略図である。
【図13】小プーリの回転速度v2 とフープの横ずれの変動量fとの関係を示す図である。
【図14】軸間距離から伝動ベルトの周長を算出するための幾何的計算を説明する図である。
【符号の説明】
10:フープずれ量計測装置
12:伝動モータ
18:小プーリ
22:大プーリ
23:伝動ベルト回転装置
34:伝動ベルト
36:フープ
38:フープ部
56:差動トランス式変位センサ(接触式変位センサ)
58:接触子
82:渦電流式変位センサ(磁気式変位センサ)
84:検出面
102:渦電流式変位センサ(磁気式変位センサ)
118:検出面
120:演算制御装置(周長算出装置)
134:張力調整装置
138:回転速度制御装置
S6:判定手段
Claims (12)
- 略均一な幅を有する無端帯状の薄板材から成るフープが複数重ね合わせられて構成されたフープ部と該フープ部に沿って重ね合わされた多数個のブロックとを備えた伝動ベルトの、該フープ部を構成するフープのずれの変動を計測するためのフープずれ量計測装置であって、
一方のプーリが他方のプーリに対して接近離隔する方向に移動可能とされ、前記伝動ベルトを巻き掛ける1対のプーリと、該プーリを回転駆動させる駆動装置とを備えた伝動ベルト回転装置と、
該1対のプーリに前記伝動ベルトが巻き掛けられた状態で、前記移動可能に構成されたプーリに前記一方のプーリから離隔する方向へ10000(N)以上の所定の力を加えることにより、前記伝動ベルトの張力を調整する張力調整装置と、
該1対のプーリのうち、駆動側プーリの回転速度を2000(回転/分)以上の一定速度となるように制御する回転速度制御装置と、
前記伝動ベルト回転装置に巻き掛けられた状態の前記伝動ベルトのフープの幅方向に移動可能とされ、該フープの側端面側に付勢され、さらに、前記フープ部の積層厚さ以上の長さとされた接触面が前記フープ部を構成するフープのいずれとも接触可能な位置に設けられた接触子を備え、該接触子の変位を逐次検出する接触式変位センサと
を、含むことを特徴とする伝動ベルトのフープずれ量計測装置。 - 略均一な幅を有する金属製の無端帯状の薄板材から成るフープが複数重ね合わせられて構成されたフープ部と該フープ部に沿って重ね合わされた多数個のブロックとを備えた伝動ベルトの、該フープ部を構成するフープのずれの変動を計測するためのフープずれ量計測装置であって、
一方のプーリが他方のプーリに対して接近離隔する方向に移動可能とされ、前記伝動ベルトを巻き掛ける1対のプーリと、該プーリを回転駆動させる駆動装置とを備えた伝動ベルト回転装置と、
該1対のプーリに前記伝動ベルトが巻き掛けられた状態で、前記移動可能に構成されたプーリに前記一方のプーリから離隔する方向へ10000(N)以上の所定の力を加えることにより、前記伝動ベルトの張力を調整する張力調整装置と、
該1対のプーリのうち、駆動側プーリの回転速度を2000(回転/分)以上の一定速度となるように制御する回転速度制御装置とを備え、
さらに、前記伝動ベルト回転装置に巻き掛けられた状態の前記伝動ベルトのフープ部の側方において、検出面が該フープ部の側部に対向する位置に配置され、該検出面に対向する部分の該フープ部の変位を逐次検出する磁気式変位センサを、その検出面の中心が前記フープ部の積層方向において互いに異なる位置となるように、複数備えている
ことを特徴とする伝動ベルトのフープずれ量計測装置。 - 略均一な幅を有する無端帯状の薄板材から成るフープが複数重ね合わせられて構成されたフープ部と該フープ部に沿って重ね合わされた多数個のブロックとを備えた伝動ベルトの、該フープ部を構成するフープのずれの変動を計測するフープ変動量計測方法であって、
一方のプーリが他方のプーリに対して接近離隔する方向に移動可能とされた1対のプーリに前記伝動ベルトを巻きかけ、該移動可能に構成されたプーリに一方のプーリから離隔する方向へ10000(N)以上の所定の力を加えることにより前記伝動ベルトの張力を調整し、該1対のプーリのうち、駆動側プーリの回転速度を2000(回転/分)以上の一定速度となるように制御した状態で、
前記伝動ベルトのフープの幅方向に移動可能とされ、該フープの側端面側に付勢され、さらに、前記フープ部の積層厚さ以上の長さとされた接触面が前記フープ部を構成するフープのいずれとも接触可能な位置に設けられた接触子を前記フープ部の側端面に接触させて、該接触子の変位を検出する接触式変位センサにより該フープ部の変位を検出し、該接触式変位センサにより検出された変位値に基づいて前記フープのずれの変動を計測するフープ変動量計測方法。 - 略均一な幅を有する金属製の無端帯状の薄板材から成るフープが複数重ね合わせられて構成されたフープ部と該フープ部に沿って重ね合わされた多数個のブロックとを備えた伝動ベルトの、該フープ部を構成するフープのずれの変動を計測するフープ変動量計測方法であって、
一方のプーリが他方のプーリに対して接近離隔する方向に移動可能とされた1対のプーリに伝動ベルトを巻きかけ、該移動可能に構成されたプーリに一方のプーリから離隔する方向へ10000(N)以上の所定の力を加えることにより前記伝動ベルトの張力を調整し、該1対のプーリのうち、駆動側プーリの回転速度を2000(回転/分)以上の一定速度となるように制御した状態で、検出面が前記フープの側部に対向する位置に配置され、且つ、その検出面の中心が前記フープ部の積層方向において互いに異なる位置とされた複数の磁気式変位センサにより前記フープ部の変位を検出し、該複数の磁気式変位センサにより検出された変位値に基づいて前記フープのずれの変動を計測するフープ変動量計測方法。 - 前記複数の磁気式変位センサにより逐次検出される変位値の磁気式変位センサ毎の最大値と最小値との差に基づいて、前記伝動ベルトの良否を判定する判定手段をさらに備えたことを特徴とする請求項2に記載のフープずれ量計測装置。
- 請求項4に記載のフープ変動量計測方法であって、前記複数の磁気式変位センサにより逐次検出される変位値の磁気式変位センサ毎の最大値と最小値との差に基づいて、前記伝動ベルトの良否を判定することを特徴とするフープ変動量計測方法。
- 前記1対のプーリの回転速度比が2.0以上であることを特徴とする請求項1、2、5のいずれかに記載のフープずれ量計測装置。
- 前記1対のプーリのうち、一のプーリの中心を通り且つ該プーリの軸に対して垂直な中心面と、他方のプーリの中心を通り且つ該プーリの軸に対して垂直な中心面とが、所定距離離隔していることを特徴とする請求項1、2、5のいずれかに記載のフープずれ量計測装置。
- 前記1対のプーリの軸間距離を測定する軸間距離測定装置と、
該軸間距離測定装置により測定された軸間距離から予め記憶された関係に基づいて前記伝動ベルトの周長を算出する周長算出装置と
を、さらに備えたことを特徴とする請求項1、2、5のいずれかに記載のフープずれ量計測装置。 - 前記1対のプーリの回転速度比を2.0以上にして該プーリを回転駆動させる請求項3、4、6のいずれかに記載のフープ変動量計測方法。
- 前記1対のプーリのうち、一のプーリの中心を通り且つ該プーリの軸に対して垂直な中心面と、他方のプーリの中心を通り且つ該プーリの軸に対して垂直な中心面とが、所定距離離隔された状態で該プーリを回転駆動させる請求項3、4、6のいずれかに記載のフープ変動量計測方法。
- 前記1対のプーリに巻き掛けられた伝動ベルトが撓んでいない状態での前記1対のプーリの軸間距離を測定し、その軸間距離から予め記憶された関係に基づいて前記伝動ベルトの周長を測定する請求項3、4、6のいずれかに記載のフープ変動量計測方法。
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