JP3621071B2 - 圧力抜きラベル付き食品包装容器及び食品容器用圧力抜きラベルシートの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電子レンジ等で食品を包装袋内に収納したままで加熱調理する場合に内部の水蒸気の圧力で破裂しないようにする圧力抜き機構を有する食品容器及び食品容器の圧力抜き機構に用いる圧力抜きラベルを剥離紙上に設けたラベルシートの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、容器の通気孔を剥離性接着剤である粘着剤を塗布したラベルで封口して、電子レンジで加熱したときに、内部の圧力でラベルが剥離して通気孔からの蒸気が抜ける機構を有する食品容器は知られている(特許第3133193号公報、特開平11−91835号公報、実開昭63−156978号公報、特開2001−213483号公報、特開平11−70977号公報)。
これらの従来技術は、粘着剤層の種類は1種類であり、圧力抜き機構としてはラベルが剥がれるときの圧力を調節するのが容易ではなかった。
例えば、特許第3133193号公報の容器の場合は、通気孔の上に貼着するラベルの裏面に、三角形状の粘着剤が塗布されていない部分を設けて、三角形状の先端から水蒸気の抜け道を誘導することを企図したものが開示されている。しかし、実際には、必ずしも、三角形状の先端角から水蒸気が抜けるようにはならない。これらの公知文献等ではクサビ形の非粘着区分の先端からラベルの剥離が伸展すると考えているが、実際の剥離はクサビ形の先端は両側の接着剤で押さえられて、ラベルの剥離は伸展しない。これら公知文献では材料の亀裂の伸展現象と剥離の伸展現象を同一と誤解している。
また、この方式の圧力抜きラベルにおいては、粘着剤層非塗布部分とラベル外縁との距離を1mm程度まで短縮すると圧力抜きラベルは少しの圧力で剥離するが、当該距離を約1mm前後で調節することは、ラベルの製造上も困難であり、正確に1mmの間隔を実現して均一な圧力抜き性能を達成するのが困難である。
また、特開平11−91835号公報の場合は、温度があがると粘着剤の粘着力が低下するが、100℃で接着力を消失する適切な粘着剤の選択が困難であった。また、封口に用いた粘着ラベルが100℃で脱落して、調理中に容器の通気孔が開口したまま露出する。
その結果、接着剤の接着剤力の強さによっては、調理時に圧力が上がり過ぎて、容器が水蒸気の圧力で大きく膨張したり、ラベルの剥離と同時に容器内部で蒸気が突沸したりして円滑な圧力抜きが達成できないおそれがあった。
また、食品容器には、スープ、汁粉等殆どが水分のもので、温度が100℃以上で通気孔が開放すると突沸する恐れのあるもの及び水分が殆どない食品、特に冷凍食品等を加熱調理する場合には、できるだけ100℃近くの温度で、水蒸気で内部を蒸らして長く加熱調理する必要がある。
従来の圧力抜き機構では、内容物に応じて、圧力抜きの圧力及び抜ける蒸気量を調節することはできなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、内部温度が100℃になったときに、圧力抜きが円滑に行える圧力抜き構造を達成することによって、調理温度を100℃近くに維持するとともに、温度が上がり過ぎて容器が膨張して破裂したり又は圧力抜きの瞬間に沸騰する危険性のない圧力抜きラベル付き食品包装容器及び食品容器用圧力抜きラベルシートの製造方法を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、圧力抜きラベルの裏面を、強い接着力部分と弱い接着力部分に区分して、強い接着力面は100℃においても剥離することなく接着させて、弱い接着力面のみを円滑に剥離させることによって、蒸気を通気孔から弱い接着面を経由して外部に発散させることを企図した。
しかしながら、この強弱の接着剤層を区分して設けるために接着力の相違する2種の接着剤を設ける方法及び一方を熱シールにする方法が考えられる。
前者の方法で、ラベルの裏面に2種の粘着剤を2度塗りによって塗布することは、最初に塗布した粘着剤の粘着性が2度目の粘着工程を困難にするので採用できない。
また、後者の方法は、通気孔の上にラベルを熱シールしたのちに粘着剤を塗布することは不可能であり、粘着剤塗布後に熱シールする方法も粘着剤層が熱シールを妨害するので採用できない。
そこで、本発明者は、粘着剤層の粘着力は、粘着剤層の厚さによって変化することに着目して、かつ、グラビヤ印刷方式によれば、1種類の粘着剤を、ラベルの裏面の所定の区分毎に厚さを変えて1度塗りで塗布できることに着目して、ラベル裏面の粘着剤層の薄い区分から蒸気を円滑に抜き出す通路を形成する本発明の方法を案出するに至った。
このとき、厚さの厚い粘着剤層は、100℃近くの温度でも強い接着力を維持するのに対して、薄い粘着剤層は、100℃近くの圧力及び温度では粘着力が低下して、ラベルの裏面にかかる内部圧力でラベルが剥離して、薄い粘着剤層の区分に蒸気が抜ける通路を形成する。
そして、加熱後容器を外に出したときに、圧力抜きラベルは通気孔を再度閉鎖して容器は密封される。
すなわち、本発明は次の各項の発明よりなる。
(1)容器の通気孔に粘着層を裏面に有する圧力抜きラベルを貼着してなる圧力抜き機構を有する食品包装容器であって、圧力抜きラベルの裏面を粘着剤層を有する強粘着区分、粘着剤層を有する弱粘着区分及び粘着剤層のない非粘着区分に分けてなり、非粘着区分は圧力抜きラベル裏面の内部に圧力抜きラベル外縁と接しない位置に存在し、弱粘着区分は非粘着区分と圧力抜きラベル外縁の間及び強粘着区分の間に存在し、強粘着区分は弱粘着区分に接する位置関係にあり、強粘着区分の粘着剤層及び弱粘着区分の粘着剤層をグラビヤ印刷方式で塗布することによって、弱粘着区分には強粘着区分の厚さより薄い粘着剤層を設けてなることを特徴とする圧力抜きラベル付き食品包装容器。
(2)グラビヤ方式の粘着剤の塗布に用いる印刷版の弱粘着区分の印刷版部分の深度が強粘着区分の印刷版部分の深度の1〜90%、好ましくは10〜60%、特に好ましくは20〜40%である第1項記載の圧力抜きラベル付き食品包装容器。
(3)弱粘着区分の粘着剤の厚さをラベル外縁から非粘着区分に向かうに従って薄くすることを特徴とする第1項記載の圧力抜きラベル付き食品包装容器。
(4)容器の通気孔に粘着層を裏面に有する圧力抜きラベルを貼着してなる圧力抜き機構を有する食品包装容器であって、圧力抜きラベルの裏面を強粘着区分及び弱粘着区分に分けてなり、弱粘着区分は、ラベル裏面の略中央部からラベル外縁の間に存在し、強粘着区分は弱粘着区分に接する位置関係にあり、強粘着区分の粘着剤層及び弱粘着区分の粘着剤層をグラビヤ印刷方式で塗布することによって、弱粘着区分には強粘着区分の厚さより薄い粘着剤層を設けてなることを特徴とする圧力抜きラベル付き食品包装容器。
(5)グラビヤ方式の粘着剤の塗布に用いる印刷版の弱粘着区分の印刷版部分の深度が強粘着区分の印刷版部分の深度の1〜90%、好ましくは10〜60%、特に好ましくは20〜40%である第4項記載の圧力抜きラベル付き食品包装容器。
(6)弱粘着区分のラベル外縁から中央部に向かうに従って粘着剤層の厚さを薄くすることを特徴とする第4項記載の圧力抜きラベル付き食品包装容器。
(7)長尺のプラスチックフイルムの表面側に、等間隔で反復する圧力抜きラベルの印刷パターン及び長尺プラスチックフイルムの側縁に沿って該印刷パターンを感知するための光電マークを印刷し、次いで、該印刷を施工した長尺プラスチックフイルムを繰り出して、その裏面側に粘着剤を塗布するラベルシートの製造方法であって、ラベル裏面の粘着剤の塗布を印刷方式で行うに際して、光電マークを検知して、各ラベルの裏面の所定の区分に、区分毎に決められた異なる厚さの粘着剤をグラビヤ印刷方式で塗布することを特徴とする食品容器用圧力抜きラベルシートの製造方法。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明圧力抜きラベル付き食品包装容器は、水分を含有する食品を包装した容器であって、電子レンジ、オーブンレンジ等で容器に入れたまま加熱して調理することができる容器であり、箱型又は袋状のものを使用することができる。容器の材質は、電子レンジ用の場合は、合成樹脂シート製又は合成樹脂フイルム製の容器を使用することができる。また、オーブンレンジ用の場合は、合成樹脂製容器又は金属製容器も使用することができる。
本発明圧力抜きラベル付き食品包装容器は、例えば、図5で示す電子レンジ加熱用樹脂製容器の場合は、フランジ1’付き容器本体1に蓋材2の周縁がフランジ部分で熱融着して密封されているものである。蓋材シートの中央部に点線で示す通気孔3があり、この通気孔3の上に圧力抜きラベル4が裏面の粘着剤層によって貼着されている。
圧力抜きのための通気孔は、図5のように、食品を収納した場合の容器の上部の空間に面する部分に設けられている。
通気孔の形状は、特に制限なく、円、楕円、三角、四角、多角形、星形などどのような形状でも適宜選択することができる。特に、打抜工程に便利形状、例えば、十字形状、棒形状なども好適である。本発明の圧力抜きラベルは、通気孔の形状に応じて、強粘着区分、弱粘着区分及び非粘着区分の形状を印刷方式で行って、通気孔の細部の形状について対応できる点に特徴がある。
本発明容器の通気孔の大きさ及び数には特に制限はないが、平均直径2〜10mm程度の孔を1〜4個程度設けることができる。通気孔の数が多いと安全であるが、製造に手間がかかる。本発明の場合は、圧力抜きが円滑に進行するので、通常は通気孔は1個でも圧力抜き機構は十分作動する。
本発明圧力抜きラベル付き食品包装容器のラヘルに用いる粘着剤の種類は、特に制限がなく、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤等公知の粘着剤を使用することができる。
また、本発明圧力抜きラベル付き食品包装容器の圧力抜きラベルの基材は、通常ラベルに使用されている公知の基材は特に制限なく使用することができ、特に熱可塑性樹脂、例えばポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリメチル−1−ペンテン、エチレン−環状オレフィン共重合体等のポリオレフイン樹脂、ナイロン等のポリアミド樹脂、熱可塑性ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド並びにこれらの樹脂のブレンド物又は積層シートを使用することができる。
特に、ポリオレフィン系樹脂が好ましい。
また、これらの樹脂の耐熱性を向上させるために、無機充填剤を1〜60重量%配合することができる。無機粉末としては、炭酸カルシウム、クレー、酸化チタン等を適宜使用することができる。
また、これらの基材を延伸によって発泡させたボイド率60%以下の基材を使用することができる。
【0006】
本発明は圧力抜きラベルの裏面に設ける粘着剤層を所定の区分毎に厚さを変更する点に第1の特徴がある。そして、この厚さの変更をグラビヤ印刷方式で粘着剤を塗布することによって行う点に第2の特徴がある。
グラビヤ印刷方式での塗布の際に、印刷版の深度を変更することによって、区分毎に粘着剤層の厚さを所望の厚さに塗布することができる。
本発明において、該当区分の粘着剤層に厚さとはグラビヤ印刷方式の塗布の際の印刷版の深度と一致するものと定義する。粘着剤が溶剤を含む場合は、溶媒の蒸散分だけ粘着剤の厚さは、印刷版の深度より減少する。
印刷版の弱粘着区分に相当する部分の深度は、強粘着区分に相当する印刷版の部分の深度の1〜90%、好ましくは10〜60%、特に好ましくは20〜40%にすることができる。
本発明の圧力抜きに用いる圧力抜きラベルの第1の態様は、ラベルの裏面を、強粘着区分、弱粘着区分及び非粘着区分に分けた態様である。
図1は本発明の圧力抜きラベル裏面の区分の1事例である。図1に示される圧力抜きラベルの裏面は、2区分の強粘着区分Aと2区分の弱粘着区分Bと1区分の中央部の非粘着区分Cに分割されている。
図1の圧力抜きラベルの裏面の非粘着区分Cは、圧力抜きラベル外縁には接しない中央部に存在し、非粘着区分Cの外側周縁は、二つの弱粘着区分Bと二つの強粘着区分Aに接している。弱粘着区分Bは、圧力抜きラベルの外縁Dと非粘着区分Cの間に存在し、その両側は強粘着区分Aとの境界で区切られている。
圧力抜きラベルは、容器の通気孔の上に非粘着区分Cの面を位置合わせをして貼着される。非粘着区分Cの寸法が通気孔の直径より大きいと、容器を逆さまにしても中の食品が圧力抜きラベルの粘着剤層に接することがない。しかし、いずれにしても衛生上の問題のない粘着剤を使用するので、粘着剤層が通気孔の上に存在してもあまり問題とならない。
容器が加熱されたとき、圧力抜きラベルも加熱され、粘着剤層の粘着力は全体に低下する、そして、容器内部の水蒸気圧力が上がったときに、内部圧力は通気孔の上にある非粘着区分Cにかかり、圧力抜きラベル裏面の非粘着区分Cを持ち上げる力が作用する。この圧力が増大すると、非粘着区分Cと弱粘着区分Bの境界線から圧力抜きラベルが剥がれ出し、直ちに圧力抜きラベルの外縁Dまで水蒸気の通路が開放される。強粘着区分Aは、水蒸気の通路の両側を形成している。
【0007】
強粘着区分の粘着剤層の厚さは、100℃の温度でも接着力を有する厚さに形成されており、強粘着区分Aの粘着剤層の厚さは、粘着剤の接着力に応じて適宜選択することができる。
弱粘着区分Bの粘着剤層の厚さが厚いと、圧力抜きの圧力が高くなり、薄いと低い圧力で剥がれて、密封性が低い温度で消失して食品の加熱調理が不十分となる。
弱粘着区分Bの粘着剤の厚さは、圧力抜きラベルの非粘着区分C及び弱粘着区分Bの配置状況によっても、適宜変更することができる。
例えば、圧力抜きラベル裏面の非粘着区分Cと弱粘着区分Bの境界線の長さが長いと、低い圧力でも圧力抜きラベルの剥離が開始される。また、図1のように、弱粘着区分Bが圧力抜きラベルの外縁に向かって広がる形状の場合には、弱粘着区分Bと非粘着区分Cの境界線が剥離すると直ちに通路は外縁まで開放される。圧力抜きの剥離の開始は、この境界線の長さで決まるので、この境界線の長さを適宜設定することができる。
【0008】
図3のように、弱粘着区分Bの形状が外縁Dの方向に向かって狭くなる形状の場合は、外縁D部分の剥離の抵抗が大きくなる。この抵抗によって、開放圧力が調節できる。圧力抜き機構の作動は、圧力抜きラベルの外縁の弱粘着区分Bの長さによって調節できる。
図2の圧力抜きラベルの裏面の区分図は、強粘着区分Aが圧力抜きラベル両側に存在し、非粘着区分Cは、弱粘着区分Bに囲まれていて、強粘着区分Aには接していない事例である。
図2の場合は、非粘着区分Cと弱粘着区分Bの境界線が長く、剥離の開始が起こり易く、圧力抜き機構が円滑に作動する。
図3の事例は、強粘着区分Aが1区分からなり、強粘着区分Aが弱粘着区分Bの通路を外縁Dに向かうにしたがって狭めている。
そして、弱粘着区分Bの粘着剤層の厚さを非粘着区分Cとの境界線では薄くして、外縁Dに向かうにつれて、粘着剤層の厚さを増大させることによって、水蒸気を脱気するときの圧力を圧力抜きラベルの外縁部分の剥離抵抗で調節することができる。本発明の圧力抜き機構は、圧力抜きラベルが剥がれるきっかけの剥離が起こると直ちに円滑な剥離が開始する。
【0009】
従って、円滑な圧力抜きのためには、弱粘着区分Bと非粘着区分Cの境界線の剥離抵抗を少なくするのが望ましい。本発明では、弱粘着区分Bの粘着剤層の厚さは非粘着区分Cの境界線では、圧力抜きラベルの外縁Dでの粘着剤層の厚さの1〜50%とすることができ、特に1〜20%にすることができる。
そして、該境界線から圧力抜きラベル外縁に向かって、連続的又は段階的に粘着剤の厚さを増加させることができる。
図3の事例は、弱粘着区分Bの境界線上の粘着剤層の厚さを薄くして、圧力抜きのきっかけの剥離を容易にして、剥離抵抗を通路の幅を狭めること及び粘着剤層の厚さを増大させることによって大きくして、圧力抜きが起こるまでの加熱温度を調節する作用を達成したものである。
非粘着区分Cと弱粘着区分Bで形成される圧力抜きラベルの外縁Dへ抜ける蒸気の通路が図3では1方向であり、図1〜2では2方向である。また、これを3方向以上にすることもできる。通路が多いほど圧力抜き機構の安全性は増大するが、3方向以上にしても安全性増大の効果はあまりない。
また、圧力抜きラベルの形状は、円形ラベルに限らず、楕円、四角、三角等適宜選択することができる。
本発明の第2の態様は、圧力抜きラベルの区分が強粘着区分Aと弱粘着区分Bとの2種類の区分で分割されているものである。
前記の図1〜3の非粘着区分Cを弱粘着区分Bと併せて、弱粘着区分Bとしたものに相当する。
【0010】
本発明の第2の態様においては、通気孔の縁が圧力抜きラベルと粘着剤で接着されているので、圧力抜きラベルの剥離の開始のきっかけが起こりにくくなる可能性があるが、弱粘着区分Bの中央部の粘着剤層を薄くすることによって、解消することができる。
本発明の圧力抜きラベルを供給する圧力抜きラベルシートは、次の工程で製造することができる。
(イ)長尺のプラスチックフイルムの表面側に、等間隔で反復する多数列の圧力抜きラベルの印刷パターンP及び長尺プラスチックフイルムの側縁に沿って該印刷パターンを感知するための光電マークRを印刷する。
(ロ)次いで、該印刷を施工した長尺プラスチックフイルムを繰り出して、その裏面側に粘着剤をグラビヤ印刷方式で塗布する。
グラビヤ印刷の版深度を圧力抜きラベルの区分毎に変更することによって、各区分毎に決められた所定の厚さに粘着剤を塗布することができる。
印刷は、長尺のプラスチックフイルムの側縁の光電マークRを検知して、各ラベルの裏面の所定の区分に、区分毎に決められた所定の厚さの粘着剤をグラビヤ印刷方式で正確に塗布することができる。
本発明の製造方法によって、接着力の相違する粘着剤層を1回の印刷方式による塗布工程で施工することができる。
粘着剤の塗布後、剥離紙シートを粘着剤層のある面に張り合わせて、本発明圧力抜きラベルシートを製造する。この圧力抜きラベルシートを、各圧力抜きラベルパターンの周縁を圧力抜きラベルのみを打ち抜いて、本発明圧力抜きラベルシートをロール状に巻き取る。
【0011】
図4は、本発明製造方法で製造された実施例の長尺の圧力抜きラベルシートの平面図である。
各圧力抜きラベルの印刷パターンPは、この場合は円形となっている。この円形の印刷パターンの裏面に、前記図1〜3で示されるような区分毎に厚さが相違する粘着剤層が設けられている。
圧力抜きラベルシートのロールを圧力抜きラベルの1列毎の幅でロール巻状態のまま切断して、1列分の圧力抜きラベルが剥離紙シートに貼着されている圧力抜きラベルシートをオートラベラーに仕込んで、容器の通気孔に圧力抜きラベルを連続的に貼着することができる。
圧力抜きラベルシートは、各圧力抜きラベルの周縁を圧力抜きラベルのみを打ち抜いたときの余白部をシートからはぎ取って除去して、圧力抜きラベルのみが残っている圧力抜きラベルシートをオートラベラーに供給して剥離紙シート上の各圧力抜きラベルを連続的に容器の通気孔の上に貼着することができる。
【0012】
【発明の効果】
本発明は、圧力抜き作用を果たす圧力抜きラベルの裏面にグラビヤ印刷方式によって塗布することによって粘着剤の厚さを強粘着区分Aと弱粘着区分Bで変更して、強粘着区分Aでは、100℃の加熱時でも通気孔から剥がれないようにして、一方弱粘着区分Bでは確実に剥がれるようにして、加熱調理用容器の蒸気加熱と圧力抜きを確実に実行させる効果を達成したものである。また、本発明の圧力抜きラベルは、100℃においても強粘着区分Aによって、通気孔に貼着しているので、加熱調理後に容器内が冷却されると、圧力抜きラベルが減圧によって通気孔に密着して通気孔は封鎖されるので衛生的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明圧力抜きラベルの裏面の塗布区分の区分けの態様を例示する図面である。
【図2】図2は、本発明圧力抜きラベルの裏面の塗布区分の区分けの態様を例示する図面である。
【図3】図3は、本発明圧力抜きラベルの裏面の塗布区分の区分けの態様を例示する図面である。
【図4】図4は、本発明製造方法で製造される圧力抜きラベルシートの平面図である。
【図5】図5は、本発明の圧力抜きラベル付き食品包装容器の1形態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 本体容器
1’本体容器フランジ部
2 蓋材
3 通気孔
4 圧力抜きラベル
A 強粘着区分
B 弱粘着区分
C 非粘着区分
D 圧力抜きラベル外縁
P 印刷パターン
R 光電マーク
Claims (7)
- 容器の通気孔に粘着層を裏面に有する圧力抜きラベルを貼着してなる圧力抜き機構を有する食品包装容器であって、圧力抜きラベルの裏面を粘着剤層を有する強粘着区分、粘着剤層を有する弱粘着区分及び粘着剤層のない非粘着区分に分けてなり、非粘着区分は圧力抜きラベル裏面の内部に圧力抜きラベル外縁と接しない位置に存在し、弱粘着区分は非粘着区分と圧力抜きラベル外縁の間及び強粘着区分の間に存在し、強粘着区分は弱粘着区分に接する位置関係にあり、強粘着区分の粘着剤層及び弱粘着区分の粘着剤層をグラビヤ印刷方式で塗布することによって、弱粘着区分には強粘着区分の厚さより薄い粘着剤層を設けてなることを特徴とする圧力抜きラベル付き食品包装容器。
- グラビヤ方式の粘着剤の塗布に用いる印刷版の弱粘着区分の印刷版部分の深度が強粘着区分の印刷版部分の深度の1〜90%である請求項1記載の圧力抜きラベル付き食品包装容器。
- 弱粘着区分の粘着剤の厚さをラベル外縁から非粘着区分に向かうに従って薄くすることを特徴とする請求項1記載の圧力抜きラベル付き食品包装容器。
- 容器の通気孔に粘着層を裏面に有する圧力抜きラベルを貼着してなる圧力抜き機構を有する食品包装容器であって、圧力抜きラベルの裏面を強粘着区分及び弱粘着区分に分けてなり、弱粘着区分は、ラベル裏面の略中央部からラベル外縁の間に存在し、強粘着区分は弱粘着区分に接する位置関係にあり、強粘着区分の粘着剤層及び弱粘着区分の粘着剤層をグラビヤ印刷方式で塗布することによって、弱粘着区分には強粘着区分の厚さより薄い粘着剤層を設けてなることを特徴とする圧力抜きラベル付き食品包装容器。
- グラビヤ方式の粘着剤の塗布に用いる印刷版の弱粘着区分の印刷版部分の深度が強粘着区分の印刷版部分の深度の1〜90%である請求項4記載の圧力抜きラベル付き食品包装容器。
- 弱粘着区分のラベル外縁から中央部に向かうに従って粘着剤層の厚さを薄くすることを特徴とする請求項4記載の圧力抜きラベル付き食品包装容器。
- 長尺のプラスチックフイルムの表面側に、等間隔で反復する圧力抜きラベルの印刷パターン及び長尺プラスチックフイルムの側縁に沿って該印刷パターンを感知するための光電マークを印刷し、次いで、該印刷を施工した長尺プラスチックフイルムを繰り出して、その裏面側に粘着剤を塗布するラベルシートの製造方法であって、ラベル裏面の粘着剤の塗布を印刷方式で行うに際して、光電マークを検知して、各ラベルの裏面の所定の区分に、区分毎に決められた異なる厚さの粘着剤をグラビヤ印刷方式で塗布することを特徴とする食品容器用圧力抜きラベルシートの製造方法。
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