JP3620784B2 - 高周波加速空胴用磁心およびこれを用いた高周波加速空胴 - Google Patents

高周波加速空胴用磁心およびこれを用いた高周波加速空胴 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は荷電粒子を加速する加速器に用いられる高周波加速空胴用磁心およびこれを用いた高周波加速空胴に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、加速器は原子核物理学の研究のみならず、医療、材料科学、生命科学などの先端技術開発に広く用いられるようになってきている。シンクロトロンでは、イオンを加速するために高周波電圧を発生させる高周波加速空胴が必要となる。通常、空胴共振器内に磁性体を用いた周波数帯域が数MHzの加速空胴が採用されており、特に、大強度陽子加速器に用いられる加速空胴には高い加速電圧が必要とされている。
【0003】
磁性体を装荷した高周波加速空胴は図5に示すように、円筒状の真空ダクト1の中央に加速間隙2を有し、真空ダクト1の周囲に磁心3bと磁心3cが対向して装荷されており、真空ダクト1と外側カバー5で同軸伝送線路が構成されている。高周波電源4により給電することにより、磁心のインダクタンスと加速間隙のキャパシタンスとの共振により高周波電圧が加速間隙に発生し、イオンビームはこの高周波電圧により加速される。
更に、イオンビームの加速エネルギーの増加に伴って周回速度が上がるため、加速空胴の共振周波数を時間と共に上げる必要があり、通常、バイアス電源6を設置しており、磁心に巻線を施すことにより、バイアス電流が作る外部磁界で磁心の透磁率を制御することで対応している。
【0004】
従来、加速空胴用磁心にはNi−Znフェライトが用いられてきた。また、最近では特開平6−333717号および特許番号第2856130号に開示の粒径50nm以下の微細なナノ結晶粒が組織の少なくとも50%を占めるナノ結晶軟磁性合金薄帯を用いた磁心を加速空胴として適用することが提案されている。これらの技術については、吉井:”高周波加速空胴”、高エネルギー加速器セミナー、OHO96(1996)などに記載されている。
【0005】
加速空胴用磁心の性能は、動作周波数fにおける磁心の複素透磁率の実数部μ’およびQ値を用いたμ’Qf値にて評価され、この値が高い磁心を使用することにより、損失が小さく、高効率で動作する優れた加速空胴が得られる。なお、Q値は複素透磁率の実数部μ’と虚数部μ”の比μ’/μ”で定義され、この値が大きいほど優れた磁心であることを意味する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
Ni−Znフェライト磁心を用いた加速空胴は、飽和磁束密度、キュリー温度が低いため加速間隙の高電圧化が困難であった。加速電圧を高くするために高電力を投入するとフェライトの発熱により磁気飽和が起こるためμ’Qf値が著しく低下し、加速空胴の動作が不安定になる問題があった。また、上記ナノ結晶軟磁性合金を用いた場合は、加速空胴が動作するMHz帯域におけるQ値が小さいためμ’Qf値が低くなり、加速空胴として損失が大きく充分な性能が得られない問題があった。
【0007】
本発明は前記課題を解決するためになされたものであって、μ’Qf値が大きい高性能な高周波加速空胴用磁心およびこれを用いた高周波加速空胴を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、ナノ結晶軟磁性合金薄帯の特性を高周波加速空胴として利用することを鋭意検討した。その結果、モールド磁心として形成すると共に、ナノ結晶軟磁性合金薄帯の厚さを 10 30 μ m とし、かつ、磁路の少なくとも一部に空隙を有するようにすれば、優れた特性を得ることができることを見出し、本発明に到達した。即ち、本発明は、平均粒径が100nm以下のbcc-Fe固溶体結晶が組織の50%以上を占めるナノ結晶軟磁性合金薄帯を巻き回したモールド磁心であって、前記ナノ結晶軟磁性合金薄帯の厚さが 10 30 μ m であり、かつ、当該モールド磁心の磁路の少なくとも一部に空隙を有することを特徴とする高周波加速空胴用磁心である。そして、上述した加速空胴用磁心を直列に複数個配置したスタックコアを、高電圧ギャップを介して対向設置することで、優れた高周波加速空胴を提供することが可能となる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の加速空胴に使用する磁心の形状の一例を図1に示す。
この図は、ナノ結晶軟磁性合金薄帯を巻き回した磁心3aに、磁路に空隙10を設けたものである。
本発明において、空隙を設けるのは、空隙の形成により磁気共鳴が起こる周波数がより高周波側にシフトするので、MHz帯域においてμ’を極力低下させずにQ値を大きくすることが可能となるためである。これにより、結果としてのμ’Qf値が高くなり、高性能な加速空胴が実現できるものである。
もちろん、図2に示すように2カ所の空隙を用いたり、それ以上の空隙を形成しても良い。
なお、空隙の間隔や個数が大きくなるとQ値は大きくなるが、基本的な磁気特性であるμ’が低下するため、必要に応じて調整する必要がある。
また、空隙にはエポキシ系樹脂などの電気絶縁材を挿入することができる。空隙を設けるための磁心の切断は、砥石、ワイヤー放電、ウォータージェット、レーザなどの加工方法により行うことができる。切断面はそのままの状態で使用することもできるが、バフ研磨あるいは化学研磨により切断面を平滑化することにより、渦電流損失をより一層低下させることができる。
【0010】
磁心に平均粒径が100nm以下のbcc−Fe固溶体結晶が組織の50%以上を占めるナノ結晶軟磁性合金薄帯を用いることにより飽和磁束密度、キュリー温度が共に高いため、高周波加速空胴の加速間隙の高電圧化が容易に達成できる。
上述したように、空隙の形成は、μ’の低下に繋がるため、空隙のない場合のμ’ができるだけ大きい磁性材料が要求される。すなわち低磁歪で結晶磁気異方性が小さい高周波特性に優れる素材であることが必要である。
これらの条件を満たす磁性材料として本発明者は、上述したナノ結晶軟磁性合金薄帯を選択したのである。
【0011】
本発明磁心のモールドは、磁路に空隙を設けるすなわち磁心を切断する場合に、層間絶縁が施された合金薄帯同士を固着させ、切断時薄帯の脱落を防止するために不可欠である。
モールド材としては、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、フェノール系樹脂、変性アルキルシリケートを主成分とするワニス、シリコーン系樹脂などを使用することができる。モールドは真空中あるいは減圧下で行うことが望ましい。これによりピンホールなどの欠陥を発生させずに均一にモールドできる。モールド後、磁心は室温あるいは100〜200℃に数時間保持して硬化させることができる。
【0012】
本発明においては、層間絶縁膜を形成することが好ましい。層間絶縁膜を形成した場合の磁心の構造は、たとえば、模式図として
図3に示す断面構造を有するものである。図3において、磁心3aは層間絶縁膜7を有するナノ結晶軟磁性合金薄帯8から構成され、周囲を樹脂9によりモールドしたものである。
ナノ結晶軟磁性合金薄帯の少なくとも一方の面に層間絶縁膜を形成させることにより渦電流損失を低減し、MHz帯域におけるμ’の低下を抑制できる。層間絶縁膜の厚さは0.5〜5μmが好ましく、より好ましくは1〜3μmである。絶縁膜厚が0.5μm未満の場合は渦電流損失によるμ’の低下が著しくなり、逆に5μmを超えると磁心に応力歪みが発生するためμ’が劣化し、加速空胴としての性能が低下する場合があるためである。
【0013】
層間絶縁膜はSiO、Al、MgOなどが使用できる。この場合、金属アルコキシドを含有するアルコール溶液を合金薄帯に塗布、乾燥させることにより形成させる方法、粉末を浸漬法、スプレー法、電気泳動法により付着させる方法、スパッター法や蒸着法で成膜させる方法、熱処理により薄帯表面に形成させる方法などを適用して形成することができる。
磁心を構成するナノ結晶軟磁性合金薄帯の厚さは、たとえば10〜30μm、好ましくは15〜25μmである。厚さが10μm未満の薄帯を製造することは難しく、一方、薄帯厚さが30μmを超えると、磁心の渦電流損失が増大し高周波加速空胴の性能が劣化したり、薄帯の靭性が低下する場合があるためである。
【0014】
また、磁心の占積率は、好ましくは60〜80%、さらに好ましくは65〜75%であり、この範囲で高性能な加速空胴用磁心が得られる。ここで、占積率とは見かけの磁心体積に対する磁性体のみが占める体積の空間的な比率で定義される。占積率が60%未満の場合は空間が多すぎて磁心の製造自体が困難となり、占積率が80%を超えると磁心の渦電流損失が増大し高周波加速空胴の性能が低下する場合があるためである。
【0015】
本発明に係わる磁心を構成するナノ結晶磁性合金薄帯としては、Feを主体とし、Cu、Auから選ばれる少なくとも1種の元素およびTi、V、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、Wから選ばれる少なくとも1種の元素を必須元素として含むものが適している。例えば、特公平4−4393号に開示のFe−Cu−Nb−Si−B系の他、Fe−Cu−Nb−Zr−Si−B系、Fe−Cu−Nb−Zr−B系、
Fe−Mo−B系、Fe−Nb−B系、Fe−Zr−B系、Fe−Cu−Zr−B系、Fe−Nb−Al−Si−B系などがあげられる。
【0016】
次に、本発明の磁心製造方法の一例について説明をしておく。
まず、上記した所定組成の合金溶湯から単ロール法などの液体急冷法により非晶質合金薄帯を作製する。この非晶質合金薄帯は結晶相を含んでも良いが、その後の熱処理によりナノ結晶粒を均一に生成させるためには非晶質単相であることが望ましい。
次に、上記した方法で層間絶縁を施した後、非晶質合金薄帯を巻き回して磁心を製造した後熱処理を行う。
【0017】
熱処理は本発明に係わる平均粒径が100nm以下のbcc−Fe固溶体結晶が組織の50%以上を占めるナノ結晶組織を得るために必須である。
熱処理温度および時間は磁心の形状あるいは磁心を構成する合金薄帯の組成により異なるが、一般的には450〜700℃で5分から24時間程度であり、好ましくは500〜600℃で20分から6時間である。熱処理温度が450℃未満であると結晶化が起こりにくく、熱処理に時間がかかり過ぎ、700℃を超えると粗大な結晶粒が不均一に生成する恐れがあり、ナノ結晶粒を均一に得ることができなくなるからである。
【0018】
熱処理時間については、5分未満では磁心全体を均一な温度とすることが困難でありμ’がばらつきやすく、24時間より長いと生産性が悪くばかりでなく、結晶粒の過剰な成長や不均一な形態の結晶粒の生成により磁気特性の劣化が起きやすくなる。熱処理雰囲気は真空中、窒素、アルゴン、水素などの不活性ガス雰囲気中、還元性ガス雰囲気中が望ましいが、大気中などの酸化性雰囲気でも良い。冷却は空冷、炉冷など適宜選択できる。
【0019】
熱処理は直流あるいは交流などの磁場中で行うこともできる。磁場中熱処理により磁心に磁気異方性を付与して磁気特性の向上を図ることができる。磁場は熱処理の全期間印加する必要はなく、合金薄帯のキュリー温度より低い温度に保持されている期間中であれば良い。また、印加する磁場の強さは磁心が磁気飽和する程度で良く、一般的には1000A/m以上が望ましい。
【0020】
熱処理した磁心を上記のように樹脂によってモールドした後、磁心の一部を切断することにより空隙を設ける。最後に、空隙部分にスペーサを挿入し、非磁性金属のバンドで磁心外周を固定する。特に、外径が500mmを超えるような大型磁心の場合は、図4に示すように自重による変形を防止するために、磁心の内側に非磁性金属や絶縁物などで内芯11を配し、非磁性金属のバンド12で磁心外周を固定すると共に、非磁性金属や絶縁物などの支持板13にて補強する方法を取ることが望ましい。非磁性金属としてはステンレス鋼、真鍮、アルミニウムなど、絶縁材としてはエポキシ系樹脂、フェノール樹系樹脂、繊維強化プラスチック、セラミックスなどをあげることができる。
また、磁心の発熱を防止するために熱伝導率の高い材質、例えばCu製パイプを磁心周囲に配置し、パイプ内部に冷却水を循環させて磁心を冷却することができる。
【0021】
本発明における高周波加速空胴は、たとえば上述した図5に示す加速空胴として使用することができる。
図5に示す加速空胴は、上述した本発明の加速空胴用磁心3aを直列に複数個配置したスタックコアを、図5に示す磁心3bとし、加速間隙2を介して同様のスタックコアで形成した磁心3cを対向設置すれば良い。
本発明の加速空胴で使用する磁心3bあるいは磁心3cを構成する本発明の加速空胴用磁心3aのスタック数は、磁心に要求される有効断面積を確保するために適宜選択できる。
【0022】
高周波電源4により給電することにより、磁心のインダクタンスと加速間隙のキャパシタンスとの共振により高周波電圧が加速間隙に発生し、イオンビームはこの高周波電圧により加速することができる。
もちろん、従来の高周波加速空胴と同様に、イオンビームの加速エネルギーの増加に伴って周回速度が上がるため、加速空胴の共振周波数を時間と共に上げる制御することが好ましく、バイアス電源6を設置し、磁心に巻線を施すことにより、バイアス電流が作る外部磁界で磁心の透磁率を制御することで対応することもできる。
【0023】
【実施例】
(実施例1)
単ロール法により幅25mm、厚み18μmのFebalCuNbSi16(at%)合金薄帯を作製し、この合金薄帯の両面に2μm厚さのSiOの層間絶縁膜を塗布、乾燥しながら巻き回し外径900mm、内径300mm、高さ25mmのトロイダル磁心を得た。その後、窒素ガス雰囲気中で550℃、1時間、無磁場中で熱処理した。磁心の組織は80%が平均粒径20nmの微細なナノ結晶粒であった。次に、この磁心を減圧下でエポキシ樹脂にてモールド固化後、ウォータージェット加工にて磁路の一部を切断して図2に示すように磁心3aの磁路に各々2mmの空隙10を設けた。
また、比較例として、磁路には空隙を設けない磁心を同様に得た。表1にLCRメータにより周波数0.5〜10MHzにおいて測定した磁心のQ値およびμ’Qf値を示す。
【0024】
【表1】
Figure 0003620784
【0025】
表1から分かるように、本発明例は比較例に比べQ値が著しく向上する。その結果、高いμ’Qf値を示すことから、高効率で動作する優れた高周波加速空胴が得られる。
また、本発明の高周波加速空胴用磁心は、飽和磁束密度が1.24Tであり、キュリー温度が570℃と高いため、高周波加速空胴の加速間隙の高電圧化が可能である。
【0026】
(実施例2)
単ロール法により幅25mm、厚み15μmのFebalCu1.5Nb3.5Zr2.9Si0.36.4(at%)合金薄帯を作製し、この合金薄帯の両面にMgOの層間絶縁膜を塗布しながら巻き回し外径950mm、内径260mm、高さ25mmのトロイダル磁心を得た。なお、磁心としては層間絶縁膜の厚さを0から7μmまで変えたものを作製した。その後、真空中で600℃、1時間、無磁場中で熱処理した。磁心の組織は90%が平均粒径15nmの微細なナノ結晶粒であった。
次に、この磁心を真空中でエポキシ樹脂にてモールド固化後、炭酸ガスレーザーにて磁心の一部を切断して図1に示すように磁路に2mmの空隙10を設けた。表2に層間絶縁膜厚を変えて作製した磁心の周波数1MHzにおける複素透磁率の実数部μ’を示す。この表から分かるように、0.5〜5μm厚さの層間絶縁膜を有する磁心が高いμ’を示し、加速空胴用磁心として特に優れている。
【0027】
【表2】
Figure 0003620784
【0028】
(実施例3)
単ロール法により幅25mmのFebalNb7.48.4(at%)合金薄帯を厚さを8から35μmまで変えて作製し、この合金薄帯の片面に1.8μm厚さのSiO層間絶縁膜を塗布しながら巻き回し外径550mm、内径300mm、高さ50mmのトロイダル磁心を得た。その後、水素ガス雰囲気中で650℃、1時間、無磁場中で熱処理した。磁心の組織は95%が平均粒径12nmの微細なナノ結晶粒であった。次に、この磁心を真空中で無機ワニスでモールド固化後、ワイヤー放電加工にて磁心の一部を切断して図2に示すように磁心3aの磁路に各々1mmの空隙10を設けた。表3に作製した磁心の周波数1MHzにおける複素透磁率の実数部μ’およびQ値を示す。10〜30μm厚さのナノ結晶合金薄帯を用いた磁心が高いμ’およびQ値を示し、加速空胴用磁心として特に優れていることが分かる。
【0029】
【表3】
Figure 0003620784
【0030】
(実施例4)
単ロール法により幅25mm、厚み25μmのFebalCuNbSi7.512(at%)合金薄帯を作製し、この合金薄帯の両面に2μm厚さのSiOの層間絶縁膜を塗布、乾燥しながら巻き回し外径930mm、内径520mm、高さ25mmのトロイダル磁心を得た。なお、磁心作製の際、巻張力を変えながら55から85%の占積率を有する磁心を得た。その後、窒素ガス雰囲気中で530℃、1時間、磁心の高さ方向に1000A/mの磁場を印加しながら熱処理した。磁心の組織は80%が平均粒径25nmの微細なナノ結晶粒であった。次に、この磁心を減圧下でエポキシ樹脂でモールド後、ウォータージェット加工にて磁心の一部を切断して図2に示すように磁心3aの磁路に各々2mmの空隙10を設けた。表4に作製した磁心の周波数3MHzにおける複素透磁率の実数部μ’およびQ値を示す。この表から分かるように、占積率が60〜80%の磁心が高いμ’およびQ値を示し、優れた加速空胴用磁心である。
【0031】
【表4】
Figure 0003620784
【0032】
【発明の効果】
本発明によれば、高い加速間隙電圧で安定に動作する高性能な高周波加速空胴用磁心および高周波加速空胴を提供できるためその効果には著しいものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる高周波加速空胴用磁心の構造の一例を示す図である。
【図2】本発明に係わる高周波加速空胴用磁心の構造の別の例を示す図である。
【図3】本発明に係わる高周波加速空胴用磁心の断面構造の一例を示す図である。
【図4】本発明に係わる高周波加速空胴用磁心の構造の別の例を示す図である。
【図5】本発明に係わる高周波加速空胴の構成図である。
【符号の説明】
1 真空ダクト、2 加速空隙、3a,3b,3c 磁心、4 高周波電源、5 外側カバー、6 バイアス電源、7 層間絶縁膜、8 ナノ結晶軟磁性合金薄帯、9樹脂、10 空隙、11 内芯、12 外周バンド、13 支持板

Claims (6)

  1. 平均粒径が100nm以下のbcc-Fe固溶体結晶が組織の50%以上を占めるナノ結晶軟磁性合金薄帯を巻き回したモールド磁心であって、前記ナノ結晶軟磁性合金薄帯の厚さが 10 30 μ m であり、かつ、当該モールド磁心の磁路の少なくとも一部に空隙を有することを特徴とする高周波加速空胴用磁心。
  2. ナノ結晶軟磁性合金薄帯の少なくとも一方の面に層間絶縁膜を有することを特徴とする請求項1に記載の高周波加速空胴用磁心。
  3. 層間絶縁膜の厚さが0.5〜5μmであることを特徴とする請求項2に記載の高周波加速空胴用磁心。
  4. 磁心の占積率が60〜80%であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の高周波加速空胴用磁心。
  5. ナノ結晶軟磁性合金薄帯がFeを主体とし、Cu、Auから選ばれる少なくとも1種の元素およびTi、V、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、Wから選ばれる少なくとも1種の元素を必須元素として含むことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の高周波加速空胴用磁心。
  6. 請求項1乃至請求項の何れかに記載の加速空胴用磁心を直列に複数個配置したスタックコアを、加速間隙を介して対向設置することを特徴とする高周波加速空胴。
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