JP3619302B2 - 内視鏡の先端連結部 - Google Patents
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【０００１】
【発明の属する技術分野】
この発明は、挿入部可撓管の少なくとも先端側の部分がマルチルーメンチューブによって形成された内視鏡の先端連結部に関する。
【０００２】
【従来の技術】
図３は、そのような従来の内視鏡の先端連結部を示しており、挿入部可撓管の先端部分が、内蔵物を通すための複数の貫通孔５２，５３が可撓性のある棒状部材に軸線と平行方向に穿設されたマルチルーメンチューブ５１によって形成されている。
【０００３】
先端部本体５５には、マルチルーメンチューブ５１側の複数の貫通孔５２，５３と同軸に複数の孔５６，５７が穿設されていて、一つの孔５６内には対物光学系５９が内蔵され、もう一つの孔５７は処置具挿通孔として用いられている。
【０００４】
その他にも、ライトガイドファイバを通す孔等があるが、その図示は省略されている。６１ａは、イメージガイドファイババンドル６１の先端口金、６２は、処置具挿通孔の接続管である。
【０００５】
マルチルーメンチューブ５１の最先端部分は、少し細く形成されて、筒状に形成された先端部本体の後端部内周に嵌挿されていて、その嵌合部Ａにおいてマルチルーメンチューブ５１と先端部本体５５とが接合、連結されている。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、そのようにマルチルーメンチューブ５１と先端部本体５５とを連結部で嵌合させるには、その部分でマルチルーメンチューブ５１と先端部本体５５とを径方向に重ね合わせる必要があるので、その部分の外径が太くなって体腔内における挿入性が低下してしまう。また、マルチルーメンチューブ５１と先端部本体５５とを嵌合させるようにする機械加工も面倒である。
【０００７】
そこで本発明は、挿入部可撓管を構成するマルチルーメンチューブと先端部本体とを、連結部が太くならないようにしかも簡単に連結することができる内視鏡の先端連結部を提供することを目的とする。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の内視鏡の先端連結部は、挿入部可撓管の少なくとも先端側の部分が、可撓性のある棒状部材に複数の貫通孔が軸線と平行方向に穿設されたマルチルーメンチューブによって形成され、対物光学系が内蔵されて上記マルチルーメンチューブの複数の貫通孔と同軸に連通する複数の孔が穿設された先端部本体が、上記マルチルーメンチューブの先端に連結された内視鏡の先端連結部において、上記マルチルーメンチューブの複数の貫通孔内と上記先端部本体の複数の孔内とにまたがって挿通された部材の外周面を上記貫通孔の内周面と上記孔の内周面とに接合することによって、上記マルチルーメンチューブと上記先端部本体とを連結したことを特徴とする。
【０００９】
なお、上記貫通孔内と孔内とにまたがって挿通された部材の外周面が、上記貫通孔の内周面と上記孔の内周面とに各々水密状態に接合されているとよい。
【００１０】
【発明の実施の形態】
図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図１は内視鏡の先端連結部付近の断面を示しており、図２は、それと異なる切断面における断面を示している。
【００１１】
挿入部可撓管は、少なくともその先端部分が、例えばシリコンゴムや四フッ化エチレン等からなる弾力性と可撓性のある棒状部材に複数の貫通孔２，３，４が穿設されたマルチルーメンチューブ１によって形成されている。
【００１２】
各貫通孔２，３，４はマルチルーメンチューブ１の軸線と平行方向に穿設されていて、その第１の貫通孔２内にはイメージガイドファイババンドル１１が挿通され、第２の貫通孔３は処置具挿通孔として利用され、第３の貫通孔４内にはライトガイドファイバ１３が挿通されている。
【００１３】
金属製の先端部本体５には、マルチルーメンチューブ１側の複数の貫通孔２，３，４と同軸に複数の孔６，７，８が穿設されていて、第１の貫通孔２と連通する孔６内には先端側に対物光学系９が内蔵されている。９ａはレンズ枠、９ｂは絞りである。
【００１４】
また、イメージガイドファイババンドル１１の先端口金１１ａが、その孔６と第１の貫通孔２とにまたがって嵌め込まれていて、その外周面が孔６の内周面と第１の貫通孔２の内周面とに接着されている。接着部は太線で図示されており、水分が通過できないように、水密状態に接合されている（以下同じ）。
【００１５】
第２の貫通孔３と連通する孔７は、処置具挿通孔として用いられている。そして、金属製の接続管１２がその孔７と第２の貫通孔３とにまたがって嵌め込まれていて、その外周面が孔７の内周面と第２の貫通孔３の内周面とに接着されている。この部分は、特に水密性に気を付けて接着されている。
【００１６】
第３の貫通孔４と連通する孔８内には、ライトガイドファイバ１３の先端部分が嵌め込まれていて、そこから射出される照明光の配光角を広げるための凹レンズ１０が孔８の先端部分に取り付けられている。そして、ライトガイドファイバ１３の外周面が、孔８の内周面と第３の貫通孔４の内周面とに接着されている。
【００１７】
マルチルーメンチューブ１と先端部本体５とは、両者の接続部Ｂに段差ができないようにほぼ同じ外径寸法に形成されて、単純に突き当てて配置されていて、その突き当て面は水密に接着されている。
【００１８】
したがって、マルチルーメンチューブ１と先端部本体５とは、イメージガイドファイバ先端口金１１ａと処置具挿通孔接続管１２とライトガイドファイババンドル１３とが、マルチルーメンチューブ１の複数の貫通孔２，３，４の内周面と先端部本体５の複数の孔６，７，８の内周面とにまたがって挿通接着されることによって連結固定されている。
【００１９】
また、マルチルーメンチューブ１と先端部本体５との接続部Ｂの突き当て面が水密状態に接着され、さらに上述の各部材１１ａ，１２，１３が各貫通孔２，３，４から孔６，７，８にまたがって水密状態に接着されているので、外部から接続部Ｂを通って内視鏡の内部に水分が侵入することはない。
【００２０】
【発明の効果】
本発明によれば、挿入部可撓管を構成するマルチルーメンチューブの複数の貫通孔内と先端部本体の複数の孔内とにまたがって挿通された部材の外周面を、貫通孔の内周面と孔の内周面とに接合することによって、マルチルーメンチューブと先端部本体とを連結したことにより、マルチルーメンチューブと先端部本体とは単に突き当てて配置すればよいので、連結部を太くすることなくマルチルーメンチューブと先端部本体とを簡単に連結することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施の形態のイメージガイドファイバと処置具挿通路を含む切断面における断面図である。
【図２】本発明の実施の形態のライトガイドファイバを含む切断面における断面図である。
【図３】従来例のイメージガイドファイバと処置具挿通路を含む切断面における断面図である。
【符号の説明】
１ マルチルーメンチューブ
２，３，４ 貫通孔
５ 先端部本体
６，７，８ 孔
９ 対物光学系
１１ａ 先端口金
１２ 接続管
１３ ライトガイドファイバ
【発明の属する技術分野】
この発明は、挿入部可撓管の少なくとも先端側の部分がマルチルーメンチューブによって形成された内視鏡の先端連結部に関する。
【０００２】
【従来の技術】
図３は、そのような従来の内視鏡の先端連結部を示しており、挿入部可撓管の先端部分が、内蔵物を通すための複数の貫通孔５２，５３が可撓性のある棒状部材に軸線と平行方向に穿設されたマルチルーメンチューブ５１によって形成されている。
【０００３】
先端部本体５５には、マルチルーメンチューブ５１側の複数の貫通孔５２，５３と同軸に複数の孔５６，５７が穿設されていて、一つの孔５６内には対物光学系５９が内蔵され、もう一つの孔５７は処置具挿通孔として用いられている。
【０００４】
その他にも、ライトガイドファイバを通す孔等があるが、その図示は省略されている。６１ａは、イメージガイドファイババンドル６１の先端口金、６２は、処置具挿通孔の接続管である。
【０００５】
マルチルーメンチューブ５１の最先端部分は、少し細く形成されて、筒状に形成された先端部本体の後端部内周に嵌挿されていて、その嵌合部Ａにおいてマルチルーメンチューブ５１と先端部本体５５とが接合、連結されている。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、そのようにマルチルーメンチューブ５１と先端部本体５５とを連結部で嵌合させるには、その部分でマルチルーメンチューブ５１と先端部本体５５とを径方向に重ね合わせる必要があるので、その部分の外径が太くなって体腔内における挿入性が低下してしまう。また、マルチルーメンチューブ５１と先端部本体５５とを嵌合させるようにする機械加工も面倒である。
【０００７】
そこで本発明は、挿入部可撓管を構成するマルチルーメンチューブと先端部本体とを、連結部が太くならないようにしかも簡単に連結することができる内視鏡の先端連結部を提供することを目的とする。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の内視鏡の先端連結部は、挿入部可撓管の少なくとも先端側の部分が、可撓性のある棒状部材に複数の貫通孔が軸線と平行方向に穿設されたマルチルーメンチューブによって形成され、対物光学系が内蔵されて上記マルチルーメンチューブの複数の貫通孔と同軸に連通する複数の孔が穿設された先端部本体が、上記マルチルーメンチューブの先端に連結された内視鏡の先端連結部において、上記マルチルーメンチューブの複数の貫通孔内と上記先端部本体の複数の孔内とにまたがって挿通された部材の外周面を上記貫通孔の内周面と上記孔の内周面とに接合することによって、上記マルチルーメンチューブと上記先端部本体とを連結したことを特徴とする。
【０００９】
なお、上記貫通孔内と孔内とにまたがって挿通された部材の外周面が、上記貫通孔の内周面と上記孔の内周面とに各々水密状態に接合されているとよい。
【００１０】
【発明の実施の形態】
図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図１は内視鏡の先端連結部付近の断面を示しており、図２は、それと異なる切断面における断面を示している。
【００１１】
挿入部可撓管は、少なくともその先端部分が、例えばシリコンゴムや四フッ化エチレン等からなる弾力性と可撓性のある棒状部材に複数の貫通孔２，３，４が穿設されたマルチルーメンチューブ１によって形成されている。
【００１２】
各貫通孔２，３，４はマルチルーメンチューブ１の軸線と平行方向に穿設されていて、その第１の貫通孔２内にはイメージガイドファイババンドル１１が挿通され、第２の貫通孔３は処置具挿通孔として利用され、第３の貫通孔４内にはライトガイドファイバ１３が挿通されている。
【００１３】
金属製の先端部本体５には、マルチルーメンチューブ１側の複数の貫通孔２，３，４と同軸に複数の孔６，７，８が穿設されていて、第１の貫通孔２と連通する孔６内には先端側に対物光学系９が内蔵されている。９ａはレンズ枠、９ｂは絞りである。
【００１４】
また、イメージガイドファイババンドル１１の先端口金１１ａが、その孔６と第１の貫通孔２とにまたがって嵌め込まれていて、その外周面が孔６の内周面と第１の貫通孔２の内周面とに接着されている。接着部は太線で図示されており、水分が通過できないように、水密状態に接合されている（以下同じ）。
【００１５】
第２の貫通孔３と連通する孔７は、処置具挿通孔として用いられている。そして、金属製の接続管１２がその孔７と第２の貫通孔３とにまたがって嵌め込まれていて、その外周面が孔７の内周面と第２の貫通孔３の内周面とに接着されている。この部分は、特に水密性に気を付けて接着されている。
【００１６】
第３の貫通孔４と連通する孔８内には、ライトガイドファイバ１３の先端部分が嵌め込まれていて、そこから射出される照明光の配光角を広げるための凹レンズ１０が孔８の先端部分に取り付けられている。そして、ライトガイドファイバ１３の外周面が、孔８の内周面と第３の貫通孔４の内周面とに接着されている。
【００１７】
マルチルーメンチューブ１と先端部本体５とは、両者の接続部Ｂに段差ができないようにほぼ同じ外径寸法に形成されて、単純に突き当てて配置されていて、その突き当て面は水密に接着されている。
【００１８】
したがって、マルチルーメンチューブ１と先端部本体５とは、イメージガイドファイバ先端口金１１ａと処置具挿通孔接続管１２とライトガイドファイババンドル１３とが、マルチルーメンチューブ１の複数の貫通孔２，３，４の内周面と先端部本体５の複数の孔６，７，８の内周面とにまたがって挿通接着されることによって連結固定されている。
【００１９】
また、マルチルーメンチューブ１と先端部本体５との接続部Ｂの突き当て面が水密状態に接着され、さらに上述の各部材１１ａ，１２，１３が各貫通孔２，３，４から孔６，７，８にまたがって水密状態に接着されているので、外部から接続部Ｂを通って内視鏡の内部に水分が侵入することはない。
【００２０】
【発明の効果】
本発明によれば、挿入部可撓管を構成するマルチルーメンチューブの複数の貫通孔内と先端部本体の複数の孔内とにまたがって挿通された部材の外周面を、貫通孔の内周面と孔の内周面とに接合することによって、マルチルーメンチューブと先端部本体とを連結したことにより、マルチルーメンチューブと先端部本体とは単に突き当てて配置すればよいので、連結部を太くすることなくマルチルーメンチューブと先端部本体とを簡単に連結することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施の形態のイメージガイドファイバと処置具挿通路を含む切断面における断面図である。
【図２】本発明の実施の形態のライトガイドファイバを含む切断面における断面図である。
【図３】従来例のイメージガイドファイバと処置具挿通路を含む切断面における断面図である。
【符号の説明】
１ マルチルーメンチューブ
２，３，４ 貫通孔
５ 先端部本体
６，７，８ 孔
９ 対物光学系
１１ａ 先端口金
１２ 接続管
１３ ライトガイドファイバ
Claims (1)
- 挿入部可撓管の少なくとも先端側の部分が、可撓性のある棒状部材に複数の貫通孔が軸線と平行方向に穿設されたマルチルーメンチューブによって形成され、対物光学系が内蔵されて上記マルチルーメンチューブの複数の貫通孔と同軸に連通する複数の孔が穿設された先端部本体が、上記マルチルーメンチューブの先端に連結された内視鏡の先端連結部において、
上記先端部本体と上記マルチルーメンチューブとを、上記先端部本体の後端面と上記マルチルーメンチューブの先端面とが当接する状態に付き当ててその付き当て面を水密に接着すると共に、上記マルチルーメンチューブの複数の貫通孔内と上記先端部本体の複数の孔内とにまたがって挿通された部材の外周面を、上記貫通孔の内周面と上記孔の内周面とに、各々が上記付き当て面の接着と連続的につながった状態に水密状態に接着することによって、上記マルチルーメンチューブと上記先端部本体とを連結したことを特徴とする内視鏡の先端連結部。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP27216295A JP3619302B2 (ja) | 1995-10-20 | 1995-10-20 | 内視鏡の先端連結部 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP27216295A JP3619302B2 (ja) | 1995-10-20 | 1995-10-20 | 内視鏡の先端連結部 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09108172A JPH09108172A (ja) | 1997-04-28 |
| JP3619302B2 true JP3619302B2 (ja) | 2005-02-09 |
Family
ID=17509959
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP27216295A Expired - Fee Related JP3619302B2 (ja) | 1995-10-20 | 1995-10-20 | 内視鏡の先端連結部 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3619302B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US9439555B2 (en) * | 2005-05-20 | 2016-09-13 | Karl Storz Endovision, Inc. | Liner for endoscope working channel |
| JP2006340878A (ja) * | 2005-06-09 | 2006-12-21 | Pentax Corp | 可撓性内視鏡の挿入部 |
| US20110166419A1 (en) * | 2008-06-27 | 2011-07-07 | Matthias Reif | Endoscope having a shaft tube and optic |
| WO2020021718A1 (ja) * | 2018-07-27 | 2020-01-30 | オリンパス株式会社 | 内視鏡 |
-
1995
- 1995-10-20 JP JP27216295A patent/JP3619302B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH09108172A (ja) | 1997-04-28 |
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Legal Events
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|---|---|---|---|
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