JPH0532821Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はたとえば血管用内視鏡など細径の内視
鏡に関する。

〔従来の技術〕

近年では血管などの細径な生体腔を観察するた
めの有効な内視鏡がより強く望まれている。この
種の内視鏡ではその挿入部の外径がたとえば１〜
２mm程度まで極限近くまで小さなものであること
が必要である。また、人体に損傷を与えないよう
にするため、できるだけ可撓性の高い（曲り易
い）ものであることも必要である。

そこで、特開昭59−195215号公報のものではイ
メージガイドの先端部や対物レンズ保持部を細く
するため、ライトガイドを兼ねた単一部材の透明
体で外皮を形成している。さらに、イメージガイ
ドの先端部における被覆を取り除き、この露出さ
せた先端部に筒状のレンズ支持枠を挿入して取り
付けてある。

一方、実開昭59−94317号公報では上記同様に
イメージガイドの先端部における被覆を取り除
き、そのイメージガイドの先端部そのものに筒状
のレンズ支持枠を挿入して取り付けてある。

〔考案が解決しようとする問題点〕 しかしながら、特開昭59−195215号公報で示さ
れる構造ではライトガイド自体が挿入部の外皮を
兼ね、そのライトガイドは単一部材で構成せざる
を得ないため、可撓性の高い（曲り易い）挿入部
とはなり得なかつた。

また、両公報で示される構造ともイメージガイ
ドの先端部における被覆を取り除く際、イメージ
ガイドの光学繊維を傷付ける危険性が高い。この
ため、その被覆を取り除く作業そのものに多大な
時間と労力がかかり生産性に劣るものであつた。
さらに、被覆は取り除くことができるようにする
ため、その材料はプラスチツクやゴムなど比較的
柔らかいものが用いられている。そこで、マイク
ロレンズによる結像面にフアイバ端面を位置させ
るべくピンセツトなどの工具で上記被覆を持つと
光学繊維が折れてしまうという欠点もあつた。

本考案は上記問題点に着目してなされたもの
で、その目的とするところは先端部の組立てが容
易でイメージガイド用フアイバ束を損傷させるこ
とも少ない内視鏡を提供することにある。

〔問題点を解決するための手段および作用〕

上記問題点を解決するために本考案はイメージ
ガイド用フアイバ束の先端部分に第１の保護管を
被嵌して第１の保護管を取着固定し、さらに、そ
のフアイバ束の先端部分には第１の保護管より先
端側に位置して第２の保護管を被嵌して固定し、
この第２の保護管には対物用光学部材を取着した
内視鏡である。

この内視鏡においてはイメージガイド用フアイ
バ束と対物用光学部材を組み立てる際、そのフア
イバ束の先端部は第１の保護管により保護され
る。したがつて、第２の保護管を被嵌し調整作業
を行なつてもそのイメージガイド用フアイバ束を
損傷させない。

〔実施例〕

第１図および第２図は本考案の第１の実施例を
示すものである。

第２図は細径用内視鏡１を示している。この内
視鏡１はたとえば血管などの狭い管腔に挿入でき
る太さの挿入部２と操作部３とからなり、操作部
３には接眼部４が設けられている。

挿入部２は可撓性の外被チユーブ５の内部にイ
メージガイド用フアイバ束６とライトガイド用フ
アイバ束７とを内挿してなり、その先端部８は第
１図で示すように構成されている。すなわち、挿
入部２の先端部８において、イメージガイド用フ
アイバ束６の先端部分９はその先端面９ａから所
定の長さｌにわたり円形断面をもつ形で硬められ
ている。この硬質な先端部分９よりも操作部３側
では各光学繊維が結合せず、ばらばらな軟質部分
となつている。

さらに、硬質な先端部分９にはそれぞれ金属製
で略同径のパイプからなる第１の保護管１１と第
２の保護管１２が被嵌され、接着剤により固定さ
れている。第１の保護管１１は第２の保護管１２
より操作部３側に位置してその全長が被嵌されて
いる。また、第２の保護管１２はその基端部分の
みが先端部分９に被嵌して固定されている。そし
て、この第２の保護管１２の先端部分内には対物
用光学部材としての複数の対物レンズ１３……が
固定されている。

また、上記第１および第２の保護管１１，１２
の外周と外被チユーブ５との間にはライトガイド
用フアイバ束７の先端部分１４が円管状の硬質部
分となつて介在している。なお、このライトガイ
ド用フアイバ束７もその先端部分９よりも操作部
３側では各光学繊維が結合せず、ばらばらな軟質
部分となつている。

しかして、ライトガイド用フアイバ束７を通じ
て導びかれた照明光はその先端から外へ出射し、
観察部位を照射する。また、対物レンズ１３……
はその照明した部位の像をイメージガイド用フア
イバ束６の先端面９ａに結び、そのイメージガイ
ド用フアイバ束６はその像を操作部３の接眼部４
に導びく。

一方、上記挿入部２の先端部８を組み立てる場
合にはあらかじめ第２の保護管１２内に対物レン
ズ１３……を取付け固定する。そして、この第２
の保護管１２に基端側からイメージガイド用フア
イバ束６の硬質な先端部分９を差し込む。つい
で、対物レンズ１３……により上記イメージガイ
ド用フアイバ束６の先端面９ａに像が結像する位
置を捜すため、第１の保護管１１の外周をピンセ
ツトなどの工具で挾んで把持しながら前後させ
る。その位置が決つたとろで接着剤により第２の
保護管１２を固定する。

また、第１および第２の保護管１１，１２の外
周にライトガイド用フアイバ束７の先端部分１４
を配して外被チユーブ５を被せて固定する。この
実施例ではイメージガイド用フアイバ束６の被覆
がない（外皮チユーブ５がそれを兼ねる）ので、
その被覆をはがす必要がなく、組立てがそれだけ
簡単である。また、外皮チユーブ５が各フアイバ
束６，７の被覆を兼ねるので、スペースの有効利
用ができ、挿入部２の細径化が図れる。

ところで、上記構成においてイメージガイド用
フアイバ束６とライトガイド用フアイバ束７は各
光学繊維がばらばらな軟質部では外被チユーブ５
の内孔面積に対して各光学繊維の面積の総和の割
合は65〜70％が限界であり、これ以上になると、
各光学繊維間の摩擦で折れ易くなる。

しかしながら、先端部分９，１４の硬質部では
各光学繊維が接着剤等でより密集して構成されて
いるため、外被チユーブ５の内径に対し余裕がで
きる。

そこで、この余裕に相当する肉厚に第１の保護
管１１および第２の保護管１２の肉厚を設定すれ
ばよい。したがつて、スペースの有効利用が図
れ、挿入部２の外径を細くできる。しかも、各フ
アイバ束６，７の被覆は外被チユーブ５が兼ねて
いるので、これによつてより挿入部２の細径化が
図れる。

第３図は本考案の第２の実施例を示すものであ
る。

この実施例は上記第１の実施例の構成における
第１の保護管１１の先端側端縁２１と第２の保護
管１２の後端側端縁２２とをそれぞれ所定の同じ
角度をもつて斜めに形成されている。さらに、第
２の保護管１２にはその内部空間に通じる通気孔
２３が形成されていて、この通気孔２３により内
外を連通するようになつている。その他の構成は
上記第１の実施例のものと同じである。

そこで、この実施例において組み立てる場合に
はあらかじめ対物レンズ１３……を固定してある
第２の保護管１２に第１の保護管１１よりも突き
出した先端部分９を挿入する。そして、対物レン
ズ１３……によりイメージガイド用フアイバ束６
の先端面９ａに像が結像するように第１の保護管
１１をピンセツトなどの工具で挟んで把持して前
後に動かす。この際、第１の保護管１１を回転さ
せると、各保護管１１，１２における斜めの端縁
２１，２２の係合によりイメージガイド用フアイ
バ束６の先端面９ａが前後に動く。したがつて、
その斜面からなる各端縁２１，２２の突き合せに
より調整できるから、人の手のふるえなどの影響
がなく、微妙な調整ができる。

この後、接着剤で第２の保護管１２を固定する
が、このとき接着剤を加熱乾燥する際にはその第
１の保護管１２内の空間の空気が膨脹しても上記
通気孔２３を通じて洩れるため、イメージガイド
用フアイバ束６が動かされることがない。

なお、上記各端縁２１，２２の傾斜角度は同じ
でなくともよい。また、通気孔２３に代え第４図
で示すような切欠き孔２４であつてもよい。さら
に、各保護管１１，１２の材質は特に金属に限定
されず、合成樹脂などであつてもよいものであ
る。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案によれば、イメージ
ガイド用フアイバ束を損傷させることなく、容易
に組み立てることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１の実施例の内視鏡の正面
図、第２図は同じくその挿入部の先端部の側断面
図、第３図は本考案の第２の実施例の内視鏡にお
ける要部の側断面図、第４図は本考案の第３の実
施例の内視鏡における要部の側面図である。 １……内視鏡、２……挿入部、８……先端部、
９……先端部分、１１……第１の保護管、１２…
…第２の保護管、１３……対物レンズ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 先端部分は硬質なイメージガイド用フアイバ束
   と、このフアイバ束の先端部分に被嵌して固定さ
   れた第１の保護管と、この第１の保護管より先端
   側に位置して上記フアイバ束の先端部分に被嵌し
   て固定された第２の保護管と、この第２の保護管
   に取着された対物用光学部材とを具備したことを
   特徴とする内視鏡。