JP3584643B2 - レンズ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内視鏡の対物レンズ等として用いられるレンズ装置に関するものであり、特に防曇機能を有するレンズ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
内視鏡は本体操作部に体腔内等に挿入される挿入部を連設してなるものであるが、体腔内等の観察・検査を行うために、照明機構及び観察機構を備えている。照明機構は、光学繊維束からなり、内視鏡が着脱可能に接続される光源装置の光源ランプからの照明光を伝送するライトガイドを有する。ライトガイドの出射端は、先端部本体に形成した照明機構装着部に臨ませて設け、また照明機構装着部にはライトガイドからの照明光を発散させる照明用レンズが装着されている。一方、観察機構は照明機構により照明された体腔内の映像情報を外部に取り出すためのものであって、この体腔内像は、イメージガイドによって光学像のまま本体操作部に連結して設けた接眼部にまで伝送して、術者がこの接眼部に接眼することにより体腔内像の観察を行う光学式内視鏡と、撮像手段を用いて、この撮像手段によって体腔内像に関する情報を電気信号に変換して取り出し、この電気信号に基づいて所定の信号処理を行った上で、モニタ装置に内視鏡映像を表示するようにした電子内視鏡とがある。
【0003】
光学式内視鏡であれ、電子内視鏡であれ、挿入部の先端部本体には照明機構装着部に近接した位置に観察機構装着部が設けられており、この観察機構装着部には対物レンズが配置される。対物レンズは、通常は、複数枚のレンズから構成され、これらのレンズはレンズ鏡筒に装着される。光学式内視鏡であれば、イメージガイドの入射端が、電子内視鏡の場合には撮像手段が、それぞれ対物レンズの結像位置に設けられる。対物レンズは複数のレンズから構成されることから、レンズ鏡筒に装着して、このレンズ鏡筒が観察機構装着部に装着される。
【0004】
そして、イメージガイドや撮像手段は対物レンズと光軸を一致させるために、保持筒が連結して設けられ、レンズ鏡筒に嵌合させるようにし観察機構がアセンブルされる。ここで、複数枚のレンズで構成される対物レンズをレンズ鏡筒に組み込む際や、対物レンズを組み込んだレンズ鏡筒と保持筒とを連結する際における組み付け誤差等があることから、この観察機構により鮮明な像を得るために、観察機構としてアセンブルされた後に、対物レンズと撮像手段等との間でピント調整が行われるようになっている。従って、レンズ鏡筒は保持筒に対して摺動可能に嵌合されており、ピント調整後にレンズ鏡筒と保持筒との間を固定する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、観察窓は挿入部の先端において外部に露出しており、体腔内での検査中に、この観察窓には体液等の汚損物が付着することがあり、この汚損物の付着により観察視野が悪くなる。従って、挿入部には、観察窓から汚損物を洗い流すレンズ面洗浄機構が設けられている。ここで、観察窓にはレンズ鏡筒における最も被写体側に位置する第1レンズが位置しており、この第1レンズは平凹のレンズで構成され、平面側は被写体側に向いており、凹面側はレンズ鏡筒内に位置している。レンズ面洗浄機構は、具体的には第1レンズの平面側に付着する汚損物を除去するためのものであり、このレンズ面に向けて洗浄用流体を噴出させるノズルを設けて、このノズルから洗浄液、通常は洗浄水を噴射させて、汚損物を洗い流し、次いで加圧エアを吹き付けて、レンズ面に残存する洗浄水を除去する構成となっている。
【0006】
挿入部の先端、即ち第1レンズは、体腔内では体温とほぼ同じ程度の温度状態となっており、また電子内視鏡の場合には、固体撮像素子等の発熱体が存在することから、体温より高い温度状態になることもある。一方、洗浄水は格別加温されておらず、従って洗浄水温度はほぼ室温程度となっている。このために、洗浄水が第1レンズのレンズ面に噴射させると、第1レンズが急速に冷却されることになる。この第1レンズが冷却される結果、レンズ鏡筒内の空気に湿気が含んでいると、第1レンズの凹面側に曇り乃至結露を生じる。しかも、第1レンズの凹面の曲率は大きいことから、この第1レンズのうち、最も厚みの薄い中央部分乃至その近傍の温度低下が最も著しくなり、第1レンズの凹面における中央部分に集中的に曇り乃至結露する。この第1レンズの凹面の中央部分は結像に必要な光線が集中しており、この部位に僅かでも曇ると、得られる観察像の画質が急激に低下して、極めて見難いものとなる。
【0007】
従って、内視鏡の対物レンズとして用いられるレンズ装置にあっては、レンズ鏡筒の第1レンズが曇ったり、結露したりするのを防止するために、レンズ鏡筒内おける空間部には、ドライエアまたは窒素ガス等湿気を含まない気体を封入するのが一般的である。防曇機能を長期間にわたって維持させるには、レンズ鏡筒内に湿気を含む空気が入り込まないようにしなければならない。このために、レンズ鏡筒の内周面と第1レンズの外周面との間は気密状態に保持する。また、既に説明したように、レンズ鏡筒はピント調整のために保持筒に対して光軸方向に移動可能となっているから、ピント調整が行われた後にレンズ鏡筒と保持筒との間をシールしなければならない。
【0008】
前述したレンズ鏡筒と保持筒との間のシールは、従来技術にあっては、保持筒の端面をレンズ鏡筒の外周面に位置させて、この保持筒の端面部にシール材を付着させるようにしている。しかしながら、体腔内等に挿入されることから、挿入操作性及び患者の苦痛軽減等の観点から、挿入部は細径化を図る必要があり、このために保持筒に余分な厚みを持たせることができない。従って、保持筒の厚みは、かなり薄いものであり、この部位に供給可能なシール材は極僅かなものである。このために、シールの完全性を図ることができず、たとえ全周がシール材で覆われているにしても、内視鏡の洗浄時等に水分が付着したりすると、時間の経過と共にこのシール材に水分が含浸されて、やがてはレンズ鏡筒内に滲み込むようになる等によって、防曇機能を低下させるという問題点があった。
【0009】
本発明は以上の点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、レンズ鏡筒と保持筒との間の部位のシール機能の向上を図ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために、撮像手段またはイメージガイドを保持する保持筒に対物レンズを装着したレンズ鏡筒を摺動可能に挿嵌して、ピントが合った位置でレンズ鏡筒と保持筒との間をシールして固定するために、レンズ鏡筒の外周面に円環状の凹部を形成し、また保持筒側には内周面に段差部を形成して、凹部と段差部との間にシール材を充填するシール材溜め部を形成する構成としたことをその特徴とするものである。
【0011】
レンズ鏡筒に設けた円環状の凹部は、ピント調整時のレンズ鏡筒の最大移動範囲より幅が広くなし、またこれら凹部と段差部と間に形成されるシール材溜め部には、レンズ鏡筒を光軸方向に移動させることによりピント調整を行った状態でも、シール材が充填可能なシール材供給部が形成される構成とするのが好ましい。ここで、円環状の凹部を設けたレンズ鏡筒に対して、保持筒側のシール材溜め部を構成するための段差は、保持筒の先端の内周側を所定の長さにわたって薄肉部を形成するようにしたり、またはレンズ鏡筒の外周面及び保持筒の内周面にはそれぞれ円環状の凹部を形成することにより構成できる。また、シール材溜め部に外部からシール材を導入するシール材供給部を形成するが、前者の場合では、ピント調整時における前記レンズ鏡筒の移動範囲内では、保持筒の先端部が前記凹部の上部位置に位置するようになし、この凹部と保持筒の端部との間をシール材供給部とする。また、後者の場合には、保持筒の周胴部における円環状凹部の位置にシール材供給部として機能する透孔を形成する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の一形態について説明する。なお、以下の説明においては、内視鏡の観察機構として用いられる対物レンズを構成するレンズ装置としたが、本発明のレンズ装置はこれ以外にも用いることができる。また、内視鏡としては、固体撮像手段等からなる撮像手段を用いた電子内視鏡とするが、イメージガイドを用いた光学式内視鏡としても構成できる。
【0013】
まず、図1に内視鏡の挿入部の先端部分の外観を示す。図中において、1は挿入部であって、この挿入部1の先端部分は硬質部材からなる先端部本体1aとなっており、この先端部本体1aには所定の長さにわたって所望の方向に湾曲操作可能なアングル部1bが連設され、さらに図示は省略するが、アングル部1bには軟性部が連設される。先端部本体1aの先端面(または側面)には照明窓2及び観察窓3が設けられると共に、鉗子その他の処置具を挿通させる処置具挿通チャンネル4が開口すると共に、観察窓3が汚損された時に、この観察窓3に向けて洗浄用流体、例えば洗浄水と加圧エアとを噴射させるノズル5が設けられている。
【0014】
図2に先端部本体1aの断面を示す。先端部本体1aにおける観察窓3の部位には、透孔が設けられており、この透孔内には対物レンズユニット10が装着される。対物レンズユニット10は、レンズ鏡筒11内に複数のレンズが装着されており、このレンズ鏡筒11には保持筒12が嵌合されている。この保持筒12にはフィルタ板13が挿嵌されると共に、その端部には光路を90°曲げるためのプリズム14が接合されている。また、プリズム14には基板15に装着した撮像手段としての固体撮像素子16が接合されている。なお、光路を曲げる必要がなければ、プリズムを設けず、固体撮像素子を直接保持筒に連結する等の構成としても良い。
【0015】
レンズ鏡筒11に設けられる対物レンズのレンズ構成としては、例えば4枚のレンズL1 ,L2 ,L3 及びL4 から構成される。これら各レンズL1 〜L4 のうち、最被写体側に位置する第1レンズL1 は被写体側が平面で、結像側が凹面となった平凹レンズであり、その平面側は観察窓3において、外部に露出している。また、第1レンズL1 より被写体側に位置する第2レンズL2 は凸面を結像側に向けた平凸レンズである。さらに第3レンズL3 と第4レンズL4 とは接合レンズで構成される。そして、第1レンズL1 と第2レンズL2 との間は外周部分には開口径を規制して、有害光をカットするために円環状の遮光板17が装着されており、この遮光板17は第1レンズL1 と第2レンズL2 との間で挾持される。第2レンズL2 と第3レンズL3 との間にはレンズ鏡筒11の内面に連設した突条からなるスペーサ11aが装着され、またこのスぺーサ11aと第3レンズL3 との間には絞り18が介装されている。そして、第4レンズL4 の結像側の位置にはストッパリング19が設けられている。
【0016】
レンズ鏡筒11は保持筒12に摺動可能に挿嵌されており、このレンズ鏡筒11を光軸方向に移動させて、対物レンズユニット10と固体撮像素子16との間の間隔を調整することによって、ピント調整を行える。ここで、ピント調整は、内視鏡の対物レンズは広角のものである等の関係から、4枚構成のレンズ相互間の組み付け誤差や、保持筒12へのプリズム14及び固体撮像素子16の連結精度、さらにはレンズ鏡筒11を保持筒12に組み込む際における組み付け誤差等に起因して生じる対物レンズユニット10の焦点位置のずれを調整するものである。そして、このピント調整は、通常はレンズ鏡筒11と保持筒12とをアセンブルした基準位置に対して約±0.2mm、即ち全体で0.4mm程度レンズ鏡筒11を前後動させることにより行われる。
【0017】
このように、ピント調整を行う必要があることから、組み付け時においては、レンズ鏡筒11は保持筒12に対して摺動可能に挿嵌されており、従ってピント合わせを行った状態で、レンズ鏡筒11と保持筒12との間を固定する際に、その間の隙間を密閉しなければ、レンズ鏡筒11の内部の気密が取れなくなってしまう。そこで、このレンズ鏡筒11と保持筒12との間のシール機能を完全なものとするために、レンズ鏡筒11の外周面には円環状の凹部20が形成されており、また保持筒12の先端側の部分には、その内周側が薄肉化されて、所定の位置に段差壁を形成することにより円環状隙間21が形成されている。これら凹部20と円環状隙間21とによって、レンズ鏡筒11と保持筒12との間にシール材溜め部が形成され、このシール材溜め部の内部に接着機能を有するシール材22が充填される。なお、保持筒12の他端側の部位には、プリズム14及び固体撮像素子16を覆うようにシール材23が充填される。また、レンズ鏡筒11の内周部と第1レンズL1の外周部との間にもシール材24が充填される。
【0018】
ここで、前述したシール材溜め部は、レンズ鏡筒11側の凹部20と保持筒12側の円環状隙間21とにより形成されるものであるから、ピント調整のためにレンズ鏡筒11を光軸方向に移動させても、形状の変化はあるものの、シール材溜め部が必ず形成されなければならない。このために、まずレンズ鏡筒11における凹部20の幅は、ピント調整時におけるレンズ鏡筒11の最大移動範囲より十分長くする。また、凹部20の深さは、レンズ鏡筒11の強度が保たれる状態で可及的に深くする。
【0019】
図3乃至図5にピント調整時のレンズ鏡筒11と保持筒12との位置関係を示す。このうち、図3はレンズ鏡筒11と保持筒12との組み付け状態の位置、即ち基準位置である。この基準位置は、組み付け誤差等がなければ、固体撮像素子16に正確にピントが合う位置である。従って、ピントずれが起きている場合において、レンズ鏡筒11における図4の位置が最も固体撮像素子16に遠ざかる側の移動端位置であり、また図5は最も固体撮像素子16に近づく方向の移動端位置である。従って、レンズ鏡筒11を、その図4の移動端位置から図5の移動端位置までのどこかの位置に配置すれば、ピントが合うことになる。
【0020】
而して、図3〜図5に凹部20の中心位置を仮想線で示す。保持筒12は、図3の基準位置においては、その先端部がレンズ鏡筒11の凹部20の中心位置を越えた位置にあり、かつ円環状隙間21の端部は凹部20の端部とほぼ同じ位置となるように設定される。また、図4の移動端位置では、保持筒12の先端と凹部20の中心とがほぼ同じ位置となる。さらに、図5の移動端位置では、円環状隙間21の端部が凹部20の中心位置を越えず、また保持筒12の先端は凹部20の端部の近傍に位置するようになす。これによって、レンズ鏡筒11をピント調整した時に、どの位置に変位しても、凹部20と円環状隙間21とによりシール材溜め部が確保され、かつシール材溜め部の少なくとも一部が外部に開放されて、この開放された部位からシール材を充填することができ、これによってシール材溜め部にシール材22を充填するシール材供給部が確保される。なお、凹部20と円環状隙間21とはレンズ鏡筒11のピント調整時に移動する範囲の全体において、凹部20と円環状隙間21とでシール材溜め部が形成され、かつシール材供給部が確保されるようになってれば良く、前述した形状に限定されるものではない。
【0021】
以上のように構成することによって、挿入部1の先端部本体1aに装着するに当っては、まずレンズL1 〜L4 を装着したレンズ鏡筒11を固体撮像素子16等をアセンブルした保持筒12に挿嵌させる。まず、この嵌合状態では、図3の基準位置になるようにする。この状態で、固体撮像素子16の映像をモニタ画面に表示させて、その位置でピントが合っておれば、直ちにシール材22を凹部20と保持筒12の端部との間のシール材供給部から凹部22と円環状隙間21との間に形成されているシール材溜め部にシール材を充填して、レンズ鏡筒11と保持筒12との間を固着すると共に、その間の気密が保たれる。ピント調整を行う必要がある場合には、レンズ鏡筒11を光軸方向に動かし、ピントが合った位置でシール溜め部にシール材22を充填する。ピント調整の範囲内では、シール材供給部が確実に形成され、かつシール材溜め部も形成されているから、このシール材溜め部内のほぼ全体にわたってシール材22を充填できる。これにより、観察機構のユニットが形成されて、先端部本体1aに組み込むことができる。
【0022】
以上のように、シール材溜め部に十分な量のシール材22を充填して、レンズ鏡筒11の外周面及び保持筒12の内周面の広い範囲にわたってシール材22を位置させることによって、レンズ鏡筒11と保持筒12との接合部分を確実に気密状態に保持でき、またシール材22に水分が付着して、シール材22に多少の水分が滲み込んだとしても、レンズ鏡筒11と保持筒12との間のシール材溜め部全体のシール材22が湿潤になるようなことはなく、従ってレンズ鏡筒11の内部に水分が入り込む余地は全くない。しかも、シール材22が硬化すると、レンズ鏡筒11側の凹部20と保持筒12側の円環状隙間21とに形成される段差壁と凹部20の他側の段差壁とに硬化したシール材22が固着されているから、このシール材22がアンカー効果を発揮して、レンズ鏡筒11と保持筒12との位置関係を安定的に保持される。従って、レンズ鏡筒11がみだりにピント調整した位置からずれるおそれはない。
【0023】
ここで、シール材溜め部は、前述したように、レンズ鏡筒側の凹部と、保持筒側の円環状隙間とから構成する以外にも、例えば図6に示したような構成とすることもできる。即ち、レンズ鏡筒30の外周側には前述と同じ寸法形状の凹部31を形成すると共に、保持筒32の内周側にも円環状の凹部33を形成する。これによって、レンズ鏡筒30側及び保持筒32側が共に両側に段差壁を有するシール材溜め部が形成される。そして、両凹部31,33は、レンズ鏡筒30を基準位置に配置した時に、幅方向の中心部がほぼ同じ位置になるようにする。凹部31の幅と凹部33の幅とは同じでも良いが、凹部33の幅の方を大きくすることも可能である。従って、これら凹部31,33間にシール材溜め部が形成されて、このシール材溜め部にシール材34が充填される。このように、シール材溜め部にシール材34を充填できるようにするために、凹部33の幅方向のほぼ中心部には少なくとも1箇所のシール材充填用の透孔35が形成されている。なお、透孔35を2箇所設けることもでき、そうすると一方の透孔からシール材34を充填して、他方の透孔から空気抜きを行うことができるので、より円滑にシール材34を充填できる。
【0024】
以上のように構成することによっても、前述した凹部と円環状隙間とからなるシール材溜め部と同様、凹部31,33からなるシール材溜め部によりレンズ鏡筒30と保持筒32との間のシールを完全に行うことができ、またレンズ鏡筒30と保持筒32との間の固定性も良好になる。
【0025】
【発明の効果】
本発明は以上のように、レンズ鏡筒の外周面に円環状の凹部を設けると共に、保持筒の内周面に段差を設けて、その間にシール材溜め部を形成して、このシール材溜め部にシール材を充填する構成としたので、レンズ鏡筒と保持筒との間の部位のシール機能が著しく向上し、レンズ鏡筒内に水分及び湿気を含んだ空気が入り込むのを確実に防止できる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】内視鏡の挿入部における先端部分を示す外観図である。
【図2】本発明の実施の一形態を示すレンズ装置を装着した挿入部の先端部本体の断面図である。
【図3】レンズ鏡筒と保持筒との嵌合部分のみを示す図2のA部の拡大図である。
【図4】ピント調整時におけるレンズ鏡筒の一方側への移動端に位置させた状態を示す作用説明図である。
【図5】ピント調整時におけるレンズ鏡筒の他方側への移動端に位置させた状態を示す作用説明図である。
【図6】シール材溜め部の他の構成を示す図3と同様の位置での断面図である。
【符号の説明】
1 挿入部
1a 先端部本体
3 観察窓
10 対物レンズユニット
11,30 レンズ鏡筒
12,32 保持筒
20,31,33 凹部
21 円環状隙間
22,34 シール材
35 透孔
Claims (4)
- 撮像手段またはイメージガイドを連結した保持筒に、対物レンズを装着したレンズ鏡筒を摺動可能に挿嵌し、このレンズ鏡筒を保持筒に対して摺動させることによりピント調整を行うようになし、ピントが合った位置でレンズ鏡筒と保持筒とを固定すると共にその間をシールするものにおいて、前記レンズ鏡筒の外周面に円環状の凹部を形成し、また保持筒側には内周面に段差部を形成して、凹部と段差部との間にシール材を充填するシール材溜め部を形成する構成としたことを特徴とするレンズ装置。
- 前記レンズ鏡筒に設けた円環状の凹部は、ピント調整時のレンズ鏡筒の最大移動範囲より幅が広くなっており、またこれら凹部と段差部と間に形成されるシール材溜め部には、レンズ鏡筒を光軸方向に移動させることによりピント調整を行った状態でも、シール材が充填可能なシール材供給部が形成される構成としたことを特徴とする請求項1記載のレンズ装置。
- 前記保持筒の先端の内周側を所定の長さにわたって薄肉部を形成して、この凹部と薄肉部との間でシール材溜め部を形成し、ピント調整時における前記レンズ鏡筒の移動範囲内では、保持筒の先端部が前記凹部の上部位置に位置するようになし、この凹部と保持筒の端部との間にシール材供給部を形成する構成としたことを特徴とする請求項2記載のレンズ装置。
- 前記レンズ鏡筒の外周面及び保持筒の内周面にそれぞれ円環状の凹部を形成することによってシール材溜め部を形成し、これら両凹部の軸線方向の長さをピント調整時のレンズ鏡筒の移動量より長くし、かつ前記保持筒の周胴部における円環状凹部の位置に透孔を穿設して、この透孔をシール材供給部とする構成としたことを特徴とする請求項2記載のレンズ装置。
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