JP3618987B2 - 管状フィルムの製造装置及び製造方法 - Google Patents

管状フィルムの製造装置及び製造方法 Download PDF

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    • B29C66/70General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts characterised by the composition, physical properties or the structure of the material of the parts to be joined; Joining with non-plastics material
    • B29C66/71General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts characterised by the composition, physical properties or the structure of the material of the parts to be joined; Joining with non-plastics material characterised by the composition of the plastics material of the parts to be joined

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  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Shaping Of Tube Ends By Bending Or Straightening (AREA)
  • Lining Or Joining Of Plastics Or The Like (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、精密部品を所定位置に高精度の位置精度を保証して搬送するのに用いる搬送用ベルトや、物品を包装、収納する収納用密閉包体などの環状、管状、筒状、リング状、及びベルト状のフィルム、及びそれらのフィルムの製造装置及び製造方法に関し、特に画像形成装置の機能部品としての管状フィルム、及びその製造装置及び製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の管状フィルムの製造装置においては、シート状のフィルムが巻かれ、円筒状の外型に挿入される内型には、PTFE樹脂単体の丸棒を用いるか、またはPTFE樹脂の中空円筒に常温で金属の芯金を軽圧入したものを用いていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来例では、フィルムを巻いた内型を円筒状の外型に挿入し加熱した際に、以下のような問題点があった。
(1)内型がPTFE樹脂単体の丸棒であった場合には、加熱状態でPTFE樹脂そのものが柔らかくなっているため、PTFE樹脂が膨張して内型に巻いたフィルムが外型の内周面に押し当てられた際に、PTFE樹脂が外型の軸方向に伸びてしまい、直径方向に成形に必要な圧力が得られない場合がある。
(2)内型がPTFE樹脂の中空円筒に常温で金属の芯金を軽圧入したものであった場合には、加熱状態でPTFE樹脂と金属の芯金の熱膨張率の差により、中空円筒と金属の芯金の間に隙間ができており、中空円筒が膨張して、内型に巻いたフィルムが外型の内周面に押し当てられた際に、PTFE掛脂そのものが柔らかくなっているため、中空円筒が芯金との隙間の方へ変形してしまい直径方向に成形に必要な圧力が得られない場合がある。
【0004】
このように、円筒状の外型に挿入される内型が加熱され、成形時に変形すると、フィルムを外型に押しつける圧力が充分でなくなる。そのため、成形後に全体を冷却しフィルムを取り出すと、フィルムの長手方向にシート状フィルム端部の境界線が残ってしまったり、また、フィルムを巻いた際にフィルムとシートの間やフィルムの層と層の間に入った空気が成形時に抜けきらず、気泡となって残ってしまったりする問題があった。また、加熱成形時に内型部材が変形するため、冷却後、内型部材の寸法を測定してみると、変形してしまっているという問題があった。
【0005】
また、従来の管状フィルムの製造装置においては、成形後に円筒状の外型の内周面に付着している管状フィルムを剥がす際、図16に示すように、外型の内周面に嵌合する押し出し工具により、外型から管状フィルムを押し出していた。
【0006】
または、管状フィルムの内面に剥がし工具を押し当てることにより発生する摩擦力を利用し、図17に示すように、押し当てた剥がし工具を軸方向に引っ張る、または押し出すことで、管状フィルムを剥がしていた。
【0007】
しかしながら、上記の従来の管状フィルムの剥がし方法では、以下のような問題点があった。
(1)管状フィルムを押し出す方法では、軸方向に押し出すにつれて管状フィルムにしわが発生すること、また、管状フィルム及び外型の内周面を傷つけることがある。
(2)管状フィルムの内面に剥がし工具を押し当て、軸方向に引っ張る、または押し出す方法では、管状フィルムと剥がし工具との摩擦力を利用しているため、管状フィルムが強く貼り付いていた場合、管状フィルムと剥がし工具がすべって剥がれないことがある。また、管状フィルムがさほど強く貼り付いていない場合でも、剥がし工具を押し当てる力を調節することが難しい。
【0008】
従って、本発明は上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、フィルムに適正な圧力を加えて成形することができる管状フィルムの製造装置及び製造方法を提供することである。
【0009】
また、本発明の他の目的は、管状フィルム及び型に損傷を与えることなく、容易に管状フィルムを型から剥がすことができる管状フィルムの製造装置及び製造方法を提供することである。
【0010】
また、本発明のさらに他の目的は、上記の装置及び方法により製造された管状フィルム、及びその管状フィルムを用いた画像形成装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係わる管状フィルムの製造装置は、円柱状の内型と円筒状の外型との間に熱可塑性のシート状のフィルムを挟み、所定の成形温度に加熱することにより前記シート状のフィルムを管状のフィルムに成形するための管状フィルムの製造装置において、
前記内型が、円筒状の内型本体の内周部に、該内型本体の材料よりも熱膨張係数の小さい材料からなる円柱状の心棒を前記成形温度よりも高い温度で焼きばめして構成されていることを特徴としている。
【0012】
また、この発明に係わる管状フィルムの製造装置において、前記内型本体は、前記外型の材料よりも熱膨張係数の大きい材料から形成されていることを特徴としている。
【0013】
また、この発明に係わる管状フィルムの製造装置において、前記内型本体の内径と前記心棒の外径とは、前記成形温度において締まりばめの関係となる寸法に設定されていることを特徴としている。
【0014】
また、この発明に係わる管状フィルムの製造装置において、前記内型本体は、PTFE樹脂から形成されており、前記心棒はPTFE樹脂よりも熱膨張係数の小さい材料から形成されていることを特徴としている。
【0015】
また、この発明に係わる管状フィルムの製造装置において、前記外型は、金属材料から形成されていることを特徴としている。
【0018】
また、本発明に係わる管状フィルムの製造方法は、円柱状の内型と円筒状の外型との間に熱可塑性のシート状のフィルムを挟み、所定の成形温度に加熱することにより前記シート状のフィルムを管状のフィルムに成形するための管状フィルムの製造方法において、前記内型として、円筒状の内型本体の内周部に、該内型本体の材料よりも熱膨張係数の小さい材料からなる円柱状の心棒を前記成形温度よりも高い温度で焼きばめしたものを用いることを特徴としている。
【0019】
また、この発明に係わる管状フィルムの製造方法において、前記内型本体は、前記外型の材料よりも熱膨張係数の大きい材料から形成されていることを特徴としている。
【0020】
また、この発明に係わる管状フィルムの製造方法において、前記内型本体の内径と前記心棒の外径とは、前記成形温度において締まりばめの関係となる寸法に設定されていることを特徴としている。
【0021】
また、この発明に係わる管状フィルムの製造方法において、前記内型本体は、PTFE樹脂から形成されており、前記心棒はPTFE樹脂よりも熱膨張係数の小さい材料から形成されていることを特徴としている。
【0022】
また、この発明に係わる管状フィルムの製造方法において、前記外型は、金属材料から形成されていることを特徴としている。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な一実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0034】
図1は、本発明の一実施形態に係わる管状フィルムの製造工程を示す図であり、本実施形態では、管状フィルムの材料として、2種類のシート状フィルムを用いるものとする。
【0035】
図1において、2はロール状に巻かれた熱可塑性樹脂のフィルム、4は円柱状の内型、6は円筒状の外型、8,10はロール状のフィルム2から切り出されたシート状フィルム、8’,10’は、シート状のフィルム8,10から成形された管状フィルム、12は冷却部である。冷却部12としては、水槽に冷媒としての水道水を溜めたものを用いるが、その他、冷却エアや、内型、管状フィルム、外型を侵さないという条件で、種々の液体などを用いてもよい。
【0036】
ここで、内型4と外型6の材料は、内型4の材料の熱膨張係数が外型6の材料の熱膨張係数より大きくなるように選択する。
【0037】
次に、具体的な例について説明する。
【0038】
製造する管状フィルムの内径に応じてシート状フィルム8,10の寸法を選定し、また、それに応じて、内型4、外型6の大きさを選定する。
【0039】
まず、図1の(1)の剥がしの工程で、ロール状に巻かれた熱可塑性樹脂のフィルム2をロールから剥がし、(2)の切断の工程で切断し、2種類のシート状のフィルム8,10を作成する。
【0040】
次に、(3)の巻き付け工程で、内型4の外周面に、(2)の工程で用意したシート状フィルム8を、その両端が重ね合わさるように巻き付ける。フィルム8の両端の重なり部の幅は約4.0mmである。
【0041】
次に、フィルム8が巻かれた内型4の外周面に(2)の工程で用意したもう一枚のシート状フィルム10を、その両端が重ね合わさるように、また、重なり部が、フィルム8の重なり部と、逆側にくるように巻き付ける。フィルム10の両端の重なり部の幅もまた約4.0mmである。
【0042】
次に、(4)の挿入の工程で内型4に巻いたフィルム8,10を、外型6の中空部の中に挿入する。そして、(5)の加熱の工程で内型4、フィルム8,10、外型6を加熱炉内に設置して加熱する。加熱時間、加熱温度はフィルム材料の溶融温度と、フィルムの熱劣化特性とを考慮して決定する。内型4、フィルム8,10、外型6は加熱されてそれぞれの部材の温度が上昇し、内型4と外型6はそれぞれの熱膨張係数に応じて膨張する。フィルム8,10は温度上昇につれて軟化し始める。
【0043】
内型4と外型6は温度上昇につれて膨張し始めるが、内型10のテフロン材料(PTEF)の熱膨張係数が外型6の鉄系材料の熱膨張係数より大きいので、内型4の外径と外型6の内径との寸法ギャップは初期の低温状態より狭まってくる。内型4と外型6の隙間の狭まりとともに、間に挟まれたフィルム8,10は更に軟化し、フィルムの両端の重なり部は隙間の減少により内型4の周方向に伸ばされるとともに重なり部が互いに溶着して接合状態になる。なお、内型4と外型6のギャップは最終的に所望のフィルム厚と同じになり、重ね合わせ部の段差はなくなる。
【0044】
その後、フィルム8,10は所定の温度での加熱状態の維持により、内型4と外型6の膨張による両者の隙間の減少によりフィルムの肉厚の全体への広がりの調整が行われる。上記の加熱時間の経過後、加熱を止め、冷却工程に移行する。
【0045】
冷却工程では、加熱工程の加熱の停止後、自然冷却状態にして内型4、管状フィルム8’,10’、外型6を冷却させてもよいが、冷却時間短縮のために急冷してもよい。本例では加熱後、(5)の冷却工程に示すように、液槽12内の水道水に漬けて冷却する。冷却によって室温近くの温度になった後、(6)の内型抜きの工程で内型4を外型6から取り出す。
【0046】
このとき、管状フィルム8’,10’は外型6の内側に円筒状に貼り付いており、最初のシート状のフィルムの重ね合わせ部も綺麗に接合されている。次に、(7)の剥がし・端部切断工程で、管状フィルム8’、10’を外型6から引き剥がし、端部を切断する。
【0047】
図2及び図3は、上記の製造工程に従来の方法で製造した内型4’,5を用いた場合の状態図であり、常温でフィルムを内型4’,5に巻いて外型6に挿入した状態と、成形温度での型内の状態を示している。また、図4は本実施形態の方法により製造した内型4を用いて成形した場合の、成形温度での型内の状態を示す図である。
【0048】
より詳しくは、図2は熱可塑性樹脂のシート状フィルムを従来の内型4’に巻き付け、外型6に挿入した状態を示す軸方向断面図であり、8,10は内型4’に巻かれたシート状フィルム、4’はPTFE樹脂の中空円筒に常温でアルミの芯金を軽圧入した内型、6は外型である。また、図3は、従来のPTFE丸棒からなる内型5を用いて成形した場合の、型の軸に直交する方向の断面図である。
【0049】
図4は本実施形態の方法により製造した内型4を用いて成形した場合の、型の軸に直交する方向の断面図であり、4aはPTFEの中空円筒、4bはアルミの芯金である。
【0050】
次に、図4を参照して、本実施形態による内型の製造方法を具体的に説明する。
【0051】
図4において、外型6の材質はSK材で、その線膨張係数は、1.1×10−5(1/K)であり、中空円筒4aの材質はPTFEで、その線膨張係数は12.5×10−5(1/K)である。また、アルミ芯金4bの線膨張係数は2.4×10−5(1/K)である。
【0052】
また、常温(25℃)で、外型6の内径は68.00mm、中空円筒4aの外径は成形後のフィルムの厚み(0.30mm)より逆算して66.64mm、内径は53.00mmとしている。
【0053】
ここで、アルミ芯金4bの外径を従来と同じように中空円筒4aの内径に常温で軽圧入状態となる寸法である、53.00mmに設定したと仮定する。
【0054】
これを電気炉にて、成形温度である165(℃)程度に加熱すると、
線膨張の計算式
(加熱後直径)=(加熱前直径)+(加熱前直径)×(線膨張係数)×{(加熱後温度)−(加熱前温度)}より、
外型6の内径は、
68.00+68.00×1.1×10−5×(165−25)=68.10mm
中空円筒4aの外径は、
66.64+66.64×12.5×10−5×(165−25)=67.81mm
中空円筒4aの内径は、
53.00+53.00×12.5×10−5×(165−25)=53.93mm
アルミの芯金4bの外径は、
53.00+53.00×2.4×10−5×(165−25)=53.18mm
となり、外型6の内径と中空円筒4aの外径の隙間は、
68.10−67.81=0.29mm
中空円筒4aの内径とアルミ芯金4bの外径の隙間は、
53.93−53.18=0.75mmとなる。
【0055】
このように、中空円筒4aにアルミ芯金4bを常温で軽圧入した従来例では、成形温度で中空円筒4aの内径とアルミ芯金4bの外径に隙間が発生し、かつ温度上昇によりPTFEの中空円筒4aは軟化しているので、中空円筒4aが芯金4bとの隙間の方へ変形してしまい、直径方向に、成形に必要な圧力が得られないということが起こっていた。また、内型5が、図3に示すように、PTFE樹脂単体の丸棒であった場合には、加熱状態でPTFE樹脂そのものが軟化しているため、PTFE樹脂が膨張して、内型5に巻いたフィルムが外型6の内周面に押し当てられた際に、PTFE樹脂が外型6の軸方向に変形してしまい、直径方向に成形に必要な圧力が得られないということが起こっていた。
【0056】
これを解決するために、本実施形態では、上記の従来例とは異なり、外型6の内側に挿入する内型4を、PTFEの中空円筒4aに、この中空円筒4aより熱膨張率の小さいアルミの芯棒4bを焼き嵌めして製作した。
【0057】
具体的には、常温において、外型6の内径は68.00mm、内型4のPTFEの中空円筒4aの外径は焼ばめ後66.64mmに製作した。中空円筒4aの内径は、成形温度である165(℃)において、アルミの芯金4bの外径が中空円筒4aの内径より0.2mm大きくなるように逆算して、52.07mmとし、アルミの芯金4bの外径は53.00mmとした。
【0058】
これを電気炉で165(℃)程度に加熱した場合、外型6の内径は68.10mm、中空円筒4aの外径は67.81mm、中空円筒4aの内径は、
52.07+52.07×12.5×10−5×(165−25)=52.98mmであり、アルミ芯金4bの外径は、
53.00+53.00×2.4×10−5×(165−25)=53.18mmとなる。
【0059】
165(℃)では、アルミ芯金4bの外径が中空円筒4aの内径よりも、53.18−52.98=0.2mm大きくなり、成形温度でも締まりばめの状態になっている。
【0060】
そこで、中空円筒4aにアルミの芯金4bを焼きばめする際には、中空円筒4aとアルミの芯金4bを、電気炉により250(℃)程度に加熱して焼きばめした。ここで、25(℃)→250(℃)でのPTFEの線膨張係数を17.0×10−5(1/K)として、
中空円筒4aの内径は、
52.07+52.07×17.0×10−5×(250−25)=54.06mmであり、
アルミ芯金4bの外径は、
53.18+53.18×2.4×10−5×(165−25)=53.47mmとなる。
【0061】
従って、250(℃)まで加熱すると、中空円筒4aの内径とアルミの芯金4bの外径とは、すきまばめの関係となり、中空円筒4aの内側にアルミの芯金4bをスムーズに挿入することができる。
【0062】
上記の方法で製作した内型4を用いて、管状フィルムの成形を行ったところ、軸方向にシート状フィルム端部の境界線がなく、フィルムを巻いた際にフィルムの層と層の間に入った空気が成形時に抜けて、気泡のない良質の管状フィルムを成形できた。
【0063】
また、成形、冷却後、内型の寸法を測定してみると、中空円筒4aには寸法の変化はみられなかった。
【0064】
本実施形態の管状フィルムの製造装置により製造された管状フィルムは、複写機、プリンタ等の転写ベルトとして用いられるが、その使用形態を図5を参照して説明する。
【0065】
図5において、8’、10’は管状フィルムとしての転写ベルト、101は帯電ドラム、102は転写ドラム、103は現像ローラー、104は転写、搬送ローラー、105はコピー紙、106はトナーであり、転写ベルト8’、10’は転写、搬送ローラー104にかけられている。まず、帯電ドラム101により、転写ドラム102に画像の電圧が印加される。次に、現像ローラー103より、転写ドラム102にトナーが供給され、画像の形にトナーが転写される。ここで、転写ベルト8’、10’によりコピー紙105が供給されており、トナーが転写ドラムからコピー紙に転写される。トナーが転写されたコピー紙は、図示されてはいないが、定着部へ運ばれる。
【0066】
次に、上記の様にして製造された管状フィルム8’,10’を図1における(7)の工程で外型6から引き剥がす機構について説明する。
【0067】
図6は、本実施形態における、管状フィルム剥がし装置の全体構成を示す図である。
【0068】
図6において、32は外型6を保持する保持ブロック、34は保持ブロック32から流体を噴出させるための継手、42,44,46は管状フィルム8’,10’を剥がす剥がし工具、50は剥がし工具42,44,46をシフトさせるシフターである。
【0069】
次に、図7乃至図13を参照して、本装置における管状フィルムの剥がし方法を説明する。
【0070】
まず、図1の冷却、内型抜き工程が終了した時点で、外型6の内周面に管状フィルム8’,10’が貼り付いた形で形成され、外型6の端部から内側に10(mm)程度の位置に管状フィルム8’,10’の端部が位置している。
【0071】
図12において、52は管状フィルム8’,10’の端部を強制的に剥がす端部剥がし工具であり、図12のように端部剥がし工具52を外型6の内周面に嵌合させ、矢印Aの方向に20(mm)程度押し入れる。すると、図13のように外型6の内周面から管状フィルム8’,10’の端部が10(mm)程度の長さで剥がれる。
【0072】
次に、図7のように保持ブロック32に外型6を保持し、剥がし工具42を外型6の内側に、シフター50に嵌合するように挿入する。このときシフター50の先端は、保持ブロック32の段差部32aの底面の位置にある。
【0073】
次に、図8のように継手34からエア(圧力約4.0 kg/cm2)を噴出させると、既に、端部剥がし工具52により管状フィルム8’,10’の端部は剥がされているので、管状フィルム8’,10’の端部がめくれあがる。
【0074】
次に、図9のようにシフター50を矢印Bの方向に10(mm)程度押し出すと、剥がし工具42の表面が管状フィルム8’,10’のめくれた面と略接する位置にくる。
【0075】
次に、図10のように外型6に剥がし工具44を挿入し、図11のように固定ネジ46で剥がし工具42,44を固定すると、管状フィルム8’,10’は、剥がし工具42,44により把持される。また、管状フィルム8’,10’の端部をめくるために噴出したエアは逃げ場がないので、同時に軸方向に筋状に3〜4個所、エアが通過し、外型6の逆側の端部まで、管状フィルム8’,10’の一部が外型6から剥がれる。
【0076】
最後に、図11の矢印Cの方向に剥がし工具46を引っ張り、外型6から抜き出すと、管状フィルム8’,10’を、外型6の内面から裏返しながら剥がすことができる。この後、固定ネジ46をはずすと、剥がし工具42,44による把持が解かれ、管状フィルム8’,10’を裏返した状態で、簡単に取り外すことができる。
【0077】
(他の実施形態)
上記の実施形態では、剥がし工具42,44及び固定ネジ46により管状フィルム8’,10’を裏返しながら剥がしているが、エアにより、管状フィルム8’,10’は軸方向に3〜4個所、筋状に剥がれているので、図14のように、剥がし工具42,44にて、管状フィルム8’,10’を把持した後、剥がし工具を矢印Dの方向に回転させてフィルムを引き剥がし、矢印Fの方向に押し出し、裏返さずに剥がすようにしてもよい。この場合、固定ネジ46をはずすと、剥がし工具42,44による把持が解かれ、管状フィルム8’,10’を裏返さずに簡単に取り外すことができる。
【0078】
また、図15のように、剥がし工具42,44の直径を小さくし、外型6の内面との間に隙間を設けておき、先端にローラー72を付けた剥がし棒74を矢印Gの方向に押し出して、管状フィルム8’,10’を剥がすようにしてもよい。
【0079】
この場合、フィルムを剥がした後、剥がし工具42,44を矢印Cの方向に引き出すと、管状フィルムを裏返しながら剥がすことができ、剥がし工具42,44を矢印Fの方向に押し出すと、管状フィルムを裏返さずに剥がすことができる。
【0080】
また、上記の実施形態では、強制的に剥がした管状フィルムの端部をめくるために、エアを吹きかけているが、吹きかける流体は、管状フィルムを侵さないものであればよく、水のような液体でもよい。
【0081】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、フィルムに適正な圧力を加えて成形することができる。
【0082】
また、管状フィルム及び型に損傷を与えることなく、容易に管状フィルムを型から剥がすことができる。
【0083】
また、管状フィルムの端部を強制的に剥がし、流体によりめくるため、剥がし工具により端部を確実に把持することができ、管状フィルムを確実に剥がすことができる。
【0084】
また、管状フィルムを剥がす場合、裏返しながら引き剥がすため、管状フィルムにしわ、キズができにくい。
【0085】
また、管状フィルムを把持した剥がし工具を回転しながら押し出す方法をとれば、フィルムを裏返さずに剥がすことができる。
【0086】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における管状フィルムの製造工程を示す図である。
【図2】熱可塑性樹脂のシート状フィルムを内型に巻き付け、外型に挿入し、成形した状態を示す図である。
【図3】従来の内型を用いて成形した場合の型の軸に直交する方向の断面図である。
【図4】本発明の一実施形態の内型を用いて成形した場合の型の軸に直交する方向の断面図である。
【図5】一実施形態の製造方法により製造された管状フィルムの使用形態を表わす図である。
【図6】管状フィルムの剥がし装置の構成を示す図である。
【図7】管状フィルムを剥がす手順を示す図である。
【図8】管状フィルムを剥がす手順を示す図である。
【図9】管状フィルムを剥がす手順を示す図である。
【図10】管状フィルムを剥がす手順を示す図である。
【図11】管状フィルムを剥がす手順を示す図である。
【図12】管状フィルムの端部を強制的に剥がす方法を示す図である。
【図13】管状フィルムの端部を強制的に剥がす方法を示す図である。
【図14】管状フィルムを把持した剥がし工具を回転させ、裏返さずに剥がす方法を示す図である。
【図15】剥がし工具により把持してできた外型との隙間をローラーで押しながら剥がす方法を示す図である。
【図16】管状フィルムを押し出して剥がす方法を示す図である。
【図17】管状フィルムの内側に剥がし工具を押し当て、摩擦力を利用して剥がす方法を示す図である。
【符号の説明】
2 ロール状に巻かれた熱可塑性樹脂のフィルム
4 内型
4a PTFEの中空円筒
4b アルミの芯金
5 PTFE丸棒
6 外型
8,10 シート状フィルム
8’,10’ 管状フィルム
12 冷却部
101 帯電ドラム
102 転写ドラム
103 現像ローラー
104 転写、搬送ローラー
105 コピー紙
106 トナー

Claims (10)

  1. 円柱状の内型と円筒状の外型との間に熱可塑性のシート状のフィルムを挟み、所定の成形温度に加熱することにより前記シート状のフィルムを管状のフィルムに成形するための管状フィルムの製造装置において、
    前記内型が、円筒状の内型本体の内周部に、該内型本体の材料よりも熱膨張係数の小さい材料からなる円柱状の心棒を前記成形温度よりも高い温度で焼きばめして構成されていることを特徴とする管状フィルムの製造装置。
  2. 前記内型本体は、前記外型の材料よりも熱膨張係数の大きい材料から形成されていることを特徴とする請求項1に記載の管状フィルムの製造装置。
  3. 前記内型本体の内径と前記心棒の外径とは、前記成形温度において締まりばめの関係となる寸法に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の管状フィルムの製造装置。
  4. 前記内型本体は、PTFE樹脂から形成されており、前記心棒はPTFE樹脂よりも熱膨張係数の小さい材料から形成されていることを特徴とする請求項1に記載の管状フィルムの製造装置。
  5. 前記外型は、金属材料から形成されていることを特徴とする請求項1に記載の管状フィルムの製造装置。
  6. 円柱状の内型と円筒状の外型との間に熱可塑性のシート状のフィルムを挟み、所定の成形温度に加熱することにより前記シート状のフィルムを管状のフィルムに成形するための管状フィルムの製造方法において、
    前記内型として、円筒状の内型本体の内周部に、該内型本体の材料よりも熱膨張係数の小さい材料からなる円柱状の心棒を前記成形温度よりも高い温度で焼きばめしたものを用いることを特徴とする管状フィルムの製造方法。
  7. 前記内型本体は、前記外型の材料よりも熱膨張係数の大きい材料から形成されていることを特徴とする請求項に記載の管状フィルムの製造方法。
  8. 前記内型本体の内径と前記心棒の外径とは、前記成形温度において締まりばめの関係となる寸法に設定されていることを特徴とする請求項に記載の管状フィルムの製造方法。
  9. 前記内型本体は、PTFE樹脂から形成されており、前記心棒はPTFE樹脂よりも熱膨張係数の小さい材料から形成されていることを特徴とする請求項に記載の管状フィルムの製造方法。
  10. 前記外型は、金属材料から形成されていることを特徴とする請求項に記載の管状フィルムの製造方法。
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