JP2004308781A - ゴムロール製造方法およびゴムロール製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】芯軸のゴムチューブへの挿入性を向上させ、且つ、芯軸を挿入させた際のゴムチューブの縮みを最小限にさせ、更に、ゴムチューブと芯軸の挿入位置関係の再現性が高くなるゴムロールの製造方法およびゴムロール製造装置を提供すること。
【解決手段】ゴムチューブの通孔に芯軸を挿入したゴムロールの製造方法において、該ゴムチューブの両端を把持する工程(A)と、該ゴムチューブの通孔の一端からノズルを挿入する工程(B)と、該ゴムチューブの通孔の他端に配置された該芯軸と該ノズルを合芯する工程(C)と、該ノズルより正圧エアを放出しながら該ノズルを後退させつつ該芯軸を該ゴムチューブの通孔に挿入する工程(D)と、を含むゴムロール製造方法とする。また、それを可能にする手段を有する製造装置とする。
【選択図】 図3
【解決手段】ゴムチューブの通孔に芯軸を挿入したゴムロールの製造方法において、該ゴムチューブの両端を把持する工程(A)と、該ゴムチューブの通孔の一端からノズルを挿入する工程(B)と、該ゴムチューブの通孔の他端に配置された該芯軸と該ノズルを合芯する工程(C)と、該ノズルより正圧エアを放出しながら該ノズルを後退させつつ該芯軸を該ゴムチューブの通孔に挿入する工程(D)と、を含むゴムロール製造方法とする。また、それを可能にする手段を有する製造装置とする。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゴムロール(特に複写機、レーザービームプリンタ、ファクシミリ等の電子写真に用いられる帯電ロール、現像ロール、その他の各種ゴムロール)の製造工程において、ゴムチューブの通孔に芯金等の芯軸を挿入させるゴムロール製造方法およびゴムロール製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、複写機等の電子写真に用いられる各種ゴムロールを短時間で安価に製造する方法の一つとして、まずゴムチューブのみを成形した後、そのゴムチューブの通孔に芯軸を挿入する方法が知られている。この方法においては大抵の場合、ゴムチューブの通孔の内径は芯軸の外径よりも小さく設定されている為、ゴムチューブの通孔に芯軸を挿入することは容易ではない。ゴムチューブの通孔の内径が芯軸の外径よりも小さく設定されているのは、芯軸挿入後にゴムチューブが芯軸を締め付ける力を利用して芯軸とゴムチューブを完全に密着させることが目的である。また、芯軸には接着剤が塗布されている場合が多く、その接着剤の種類はホットメルトタイプや加硫接着タイプなどであり、芯軸挿入後にゴムロールを加熱することで芯軸とゴムチューブを接着することが可能となっている。この接着剤が塗布された芯軸は、接着剤が塗布されていない芯軸に比べて摩擦が大きくなるため、更に挿入し難くなってしまう。
【0003】
従来、この工程を行う装置には、ゴムチューブの一端にエアノズルを配置して正圧エアをチューブ内に送り込んでゴムチューブを膨らませた状態で他端から芯軸を挿入させる方法や、ゴムチューブの外側を、パイプ状金型の内側の滑り止め部で支持して芯軸を挿入させる方法(例えば、特許文献1、特許文献2参照)が用いられている。
【0004】
しかしながら、従来の方法では、特にゴムチューブの肉厚が1〜3mmの範囲の場合には、ゴムチューブの膨らみ量がそれほど大きくならない為に挿入性の向上は乏しく、且つ、ゴムチューブの腰も弱くて芯軸の挿入の直進性が低くなる為に挿入させることが非常に困難となる。更に、パイプ状金型でチューブの外側を支持した場合でも、ゴムチューブの芯軸挿入後の縮みを防止することは不可能であった。このゴムチューブの芯軸挿入後の縮みは、ゴムチューブの長手方向の各位置において均一ではなく、芯軸の挿入を開始する側の特に端部の位置で縮みが大きくなってしまう。ゴムチューブが縮められた位置ではゴムの応力が残ったままであり、その後の加工、例えばゴムロールの外周面を研削加工して高精度の寸法を確保する場合においては研削後のゴムロールの寸法(外径、振れ、真円度etc)に影響を及ぼしてしまう。また、ゴムロールに導電性を持たせている場合においては、位置による縮み量の違いによって長手方向の導電性の差(ムラ)が発生してしまう。
【0005】
特に近年の電子写真においては高画質化、高速化、カラー化が求められており、ゴムロールに要求される寸法・物性は非常に厳しいものとなっている。その為、ゴムロールの寸法精度向上や導電ムラ低減のために、芯軸挿入後のゴムチューブの縮みを最小限に抑える必要があった。
【0006】
【特許文献1】
実開平6−27022号公報
【特許文献2】
特開平4−146031号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記のような問題を解決する為の手段として考え出されたものであり、芯軸のゴムチューブへの挿入性を向上させ、且つ、芯軸を挿入させた際のゴムチューブの縮みを最小限にさせ、更に、ゴムチューブと芯軸の挿入位置関係の再現性が高くなるゴムロールの製造方法およびゴムロール製造装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記した課題の解決は以下に説明する新規な特徴的構成手段により可能となる。
【0009】
本発明は、ゴムチューブの通孔に芯軸を挿入する前に、ゴムチューブの両端2箇所を押さえ冶具で把持固定した状態で、ゴムチューブの通孔の一端から通孔の内径よりも小さい径のノズルを先に貫通挿入させ、ゴムチューブの通孔の他端から芯軸を合芯させて、ゴムチューブ内でノズルが正圧エアを放出して後退させつつ芯軸をゴムチューブの通孔に挿入させる製造方法および製造装置を提供する。
【0010】
すなわち、本発明は、
ゴムチューブの通孔に芯軸を挿入したゴムロールの製造方法において、該ゴムチューブの両端を把持する工程(A)と、該ゴムチューブの通孔の一端からノズルを挿入する工程(B)と、該ゴムチューブの通孔の他端に配置された該芯軸と該ノズルを合芯する工程(C)と、該ノズルより正圧エアを放出しながら該ノズルを後退させつつ該芯軸を該ゴムチューブの通孔に挿入する工程(D)と、を含むゴムロール製造方法である。前記工程(B)を、前記ノズルより正圧エアを放出しながら行うことが好ましい。また、前記ゴムチューブの肉厚が1〜3mmであることが好ましい。また、前記ゴムチューブの通孔に前記芯軸を挿入した後、前記ゴムチューブの両端を把持する手段で、該ゴムチューブをその軸方向に動かす工程(E)を含むことが好ましい。
【0011】
また、本発明は、
ゴムチューブの通孔に芯軸を挿入したゴムロールの製造装置において、該ゴムチューブの両端を把持する手段と、正圧エアを放出でき、該ゴムチューブの通孔の内径よりも小さい外径のノズルと、該ノズルを移動させる手段と、該芯軸を移動させる手段と、を有するゴムロール製造装置である。前記ノズルの表面が低摩擦化処理、特にフッ素樹脂処理されていることが好ましい。また、前記ゴムチューブの両端を把持する手段をその軸方向に動かす機構を有することが好ましい。
【0012】
本発明により、芯軸のゴムチューブへの挿入性を向上させ、且つ、芯軸を挿入させた際のゴムチューブの縮みを最小限にさせ、更に、ゴムチューブと芯軸の挿入位置関係の再現性が高くなるゴムロールの製造方法およびゴムロール製造装置を提供することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1から図4を参照しながら詳細に説明する。
【0014】
本発明のゴムロール製造方法および製造装置で用いるゴムチューブは、通常はゴム専用の一軸の押し出し機によって成形して得られる。押し出し機には外径を制御するダイスと内径を制御するニップルとが設けてあり、これによりゴムが押し出されることで、円筒状のゴムチューブが連続的に成形される。これを引き取って所定の寸法に切断して一本づつのゴムチューブとする。これらの押し出し・切断されたゴムチューブは未加硫であり、通常このゴムチューブは水蒸気加硫缶・UHF・熱風炉等の加硫装置により加硫される。更にその後、必要に応じて電気炉等で熱風加熱(二次加硫)することもある。この時の加硫温度・加硫時間はゴムの種類およびゴムロールの必要物性の程度によって様々である。以上の方法は一例であり、本発明で使用するゴムチューブの製造方法には特に制限はない。
【0015】
本発明では特に、NBR(ニトリルゴム)、EPDM(エチレンプロピレンゴム)、ヒドリンゴム、ウレタンゴム、シリコンゴム等のソリッドタイプのゴムチューブに芯軸を挿入する際に効果が大きく得られる。また、発泡タイプのゴムロールにおいても同様な効果は得られる。ゴムチューブの内径は、芯軸とゴムチューブを密着させるために、通常、芯軸の外径よりも0.5〜1.0mm程度小さく設計される。ゴムチューブの肉厚(ゴムチューブの外半径と内半径の差)は1〜3mmの範囲のものが特に本発明で大きな効果が得られるが、それ以外の肉厚でも芯軸挿入性は向上する。
【0016】
一方、本発明におけるゴムロールに挿入する芯軸は、ゴムロールに導電性を必要とする場合が多い為、金属製の棒状の芯軸を用いる場合が多い。通常、快削鋼等をダイスで引き抜き加工して所定の寸法に切断したものを無電解ニッケルメッキ処理して製造される。導電性を必要としない場合などは、各種の樹脂製の芯軸等も用いることができる。形状は、丸棒状の芯軸の他にも、切断後に芯軸端部を所定の形状(例えば、段付き形状やDカット形状etc)に二次加工した芯軸も用いることができる。もちろん芯軸の製造方法や材質にも特に制限はない。芯軸の太さは挿入時の剛性の面から6〜10mmであることが好ましい。
【0017】
次に、本発明のゴムロール製造方法と、それを可能とするゴムロール製造装置の一例を説明する。
【0018】
図1は、本発明のゴムロール製造方法の1つの工程である、ゴムチューブ1の両端を把持する工程(A)を行った後の状態である。本発明のゴムロール製造装置は、ゴムチューブ1の両端を把持する手段として、押さえ冶具2a、2bを有している。ゴムチューブ1をこのゴムロール製造装置にセットし、ゴムチューブ1の両端部を押さえ冶具2a、2bで把持固定することで、ゴムチューブの長さが規制される。押さえ冶具2a、2bには複数本の爪(図示せず)が埋め込まれており、チューブ径を潰さない程度の把持力で固定される。ゴムチューブ1の両端を把持する手段としては、他にも押さえ面を粗してチューブ径を潰さない程度の食いつき可能な滑り止めを設ける方法でも良い。押さえ冶具2a、2bが把持固定する部分の幅は、その対象となるゴムチューブの種類にもよるが、10mm程度が好ましい。また、押さえ冶具2a、2bは、ノズル3および芯軸4が通孔11のセンターを通って挿入されるように位置を出して、ゴムチューブ1を把持固定している。その状態で、ゴムチューブ1の通孔11の一端にノズル3の先端を配置させ、他端に芯軸4の先端を配置させる。また、このゴムロール製造装置のノズル3を挿入する側には、ノズルフォルダー5が設けてある。このノズルフォルダー5の内部にはOリング(図示せず)でゴムチューブの外周を軽くシールしている。
【0019】
ゴムロール製造装置に設けられるノズルは、正圧エアを放出でき、かつゴムチューブの通孔の内径よりも小さい外径を持つ。通常、外径がゴムチューブの通孔の内径よりも0.5〜1.0mm程度小さく設計されたノズルを用いる。ノズル先端のエア放出部の形状はゆるやかな流線型とし、先端には複数の切り込みを入れてエアの放出を安定させている。ノズルの材質は通常、SUS材を用いるが、特に制限はない。また、表面がフッ素樹脂処理等による低摩擦化処理をされたノズルを用いることが好ましい。これは、後述するように、ノズルの挿入が困難な場合に特に好適である。
【0020】
通常、ゴムチューブ1の内径は挿入する芯軸4の外径よりも0.5〜1.0mm程度小さくしている為に挿入が困難であるのに対して、ノズル3はゴムチューブ1の内径よりも0.5〜1.0mm程度小さく設計されている為に挿入が容易となっている。
【0021】
図2は、本発明のゴムロール製造方法の1つの工程である、ゴムチューブ1の通孔11にノズル3を挿入する工程(B)を行った後の状態である。本発明のゴムロール製造装置は、ノズル3を移動させる手段として、空気圧シリンダー(図示せず)を有している。ノズル3は空圧式シリンダーにより、ゴムチューブ1の通孔11を図の右から左へと挿入させる。前記したように、ノズル3の外径がゴムチューブ1の内径よりも小さく設定されていることから、容易に貫通挿入させることが可能となる。しかし、ノズル3の外径とゴムチューブ1の内径の差が小さい場合や、ゴムチューブ1の材質によってはゴムの摩擦抵抗が大きい場合などは、ノズル3の表面をフッ素樹脂処理等による低摩擦化処理することで、より容易に挿入が可能となるため好ましい。なお、フッ素樹脂処理は、市販のフッ素樹脂、例えばポリフッ化ビニリデンをコーティングや粉末塗装の塗工方法により処理できる。また、工程(B)中にノズル3から正圧エアを放出すると、ノズル3を容易に挿入できるようになるため、好ましい。このゴムロール製造装置において、ノズル3の挿入完了位置はちょうどゴムチューブ1の他端の口までに設計してある。
【0022】
本発明のゴムロール製造装置は、芯軸4を移動させる手段として、空気圧シリンダー(図示せず)を有している。そして、上述の工程(B)が終わった後、芯軸4は、空圧式シリンダーによってノズルとは反対側から押され、芯軸4の先端がノズル3の先端に軽く押し当られ合芯される。これが、本発明のゴムロール製造方法の1つの工程である、ゴムチューブ1の通孔11の他端に配置された芯軸4とノズル3を合芯する工程(C)である。
【0023】
図3は、本発明のゴムロール製造方法の1つの工程である、ノズル3より正圧エアを放出しながらノズル3を後退させつつ芯軸4をゴムチューブ1の通孔11に挿入する工程(D)の途中の状態である。ノズル3は芯軸4の先端と合芯された状態で、正圧エアを放出する。正圧エアを放出することによりゴムチューブ内径が膨張して芯軸4が入りやすくなると共に、ノズル3の周りと芯軸4の周りをエアが通り抜けることにより芯軸4とチューブ内側との摩擦抵抗が小さくなる。また、ノズルフォルダー5内にOリング等でゴムチューブ1の外周をシールする機構を設けていることにより、エア漏れを抑えてゴムチューブ1内のエアの流れを効率よく利用することが可能となる。ノズル3は先端が芯軸4の先端と合芯されたままの状態でエアを放出しながら空圧式シリンダーによって後退させる。この時、芯軸4を同時に空圧式シリンダーにより前進させることで、芯軸4がノズル3の先端を押していく形のままでゴムチューブ1の通孔11を図の左から右へと円滑に挿入される。
【0024】
図4は、本発明のゴムロール製造方法の工程(A)〜(D)が完了し、ゴムチューブ1の通孔11に芯軸4が挿入された後の状態である。ノズル3はゴムチューブ1の通孔11から抜け出て、芯軸4もゴムチューブ1の反対側から先端を出してノズルフォルダー5内にある位置決め用のストッパー(図示せず)に突き当たり芯軸4の先端の位置が決まる。このストッパーの径はノズル3の外径よりも大きく芯軸4の外径よりも小さく設計されている。芯軸4の後端の位置は芯軸側の空圧式シリンダーが芯軸4を押してストッパーに突き当たった位置で、ゴムチューブ1との位置関係が決まる設計となっている。これにより挿入後のゴムチューブ1の両側からの芯軸4が突出している寸法の再現性は非常に高いものとなる。
【0025】
更に、本発明の製造装置に、ゴムチューブ1を把持する手段である押さえ冶具2a、2bをその軸方向(図1〜4においての左右方向)に動かす機構を追加し、本発明の製造方法として、ゴムチューブ1の通孔11に芯軸4を挿入した後に、ゴムチューブ1を把持する手段である押さえ冶具2a、2bでゴムチューブをその軸方向(図1〜4においての左右方向)に動かす工程(E)を追加することにより、押さえ両端部付近に残ったゴム応力を緩和させることが可能となるため、より好ましい実施形態である。その後にゴムチューブ1の押さえ冶具2a、2bを解除することにより、ゴムロールを取り出せる。本発明のゴムロール製造方法により、ゴムロールの芯軸を挿入する前後で発生するゴムチューブ1の縮みは、ほぼ最小限に抑えられる。この最小限の縮みとは、芯軸4がゴムチューブ1に挿入した際に、チューブが外側に膨れた分だけ長手方向に縮んだものである。
【0026】
従来の技術であるパイプ状金型を用いて芯軸を挿入させるゴムロール製造方法が、金型でゴムチューブの外側を支持・規制して挿入性を高めているのに対して、本発明のゴムロール製造方法は先に挿入したノズルでゴムチューブの内側を支持・規制して芯軸の挿入性をより高めている点で大きく異なる。ノズルがゴムチューブ内に芯を通した状態にすることで芯軸の挿入時の直進性が高くなり優位性が得られる。更に、本発明のゴムロール製造装置には、ゴムチューブの外側をパイプ状金型で支持する機構が必要なく、装置がより簡易で安価なものとなる。もちろん本発明のゴムロール製造装置に、更にゴムチューブの外周をパイプ状金型で支持・規制する機構を盛り込むことは可能である。また、従来の技術のエアでゴムチューブを膨らませる方法でゴムチューブの膨らみ量が小さくて芯軸を挿入させることが困難となる場合にも、本発明ではノズルを先に挿入することによりゴムチューブへの芯軸の挿入の直進性が高めている為に容易に挿入が可能となる。
【0027】
【実施例】
以下に本発明の実施例と比較例を挙げて説明する。
【0028】
実施例では、ゴムチューブとしては、ソリッドタイプのヒドリンゴム(ダイソー(株)製、商品名:エピクロマーCG102)を押し出し成形((株)三葉製作所製、70mm押出し機)し、引き取って切断したものを160℃で40分間加硫(関西ロール(株)製、A型1.5M加硫缶)することにより得られた長さ250mm、外径φ10mm、内径φ5mmの寸法のゴムチューブを使用した。一方、芯軸は、材質がSUM材で、長さ255mm、外径φ6mm、両端面はC面0.1mmに加工された芯軸にポリエステル系の接着剤を塗布したものを用いた。また、先に挿入するノズルは材質がSUS材で、外径φ4.5mmで先端を流線型に加工して、フッ素樹脂の表面処理を行ったものを用意した。これらのゴムチューブと芯軸を用いて、前述した構成を有する本発明のゴムロール製造装置により、前述した工程を有する本発明のゴムロール製造方法に従って、ゴムロールを製造した。
【0029】
挿入条件としてはノズルの挿入の移動速度は30cm/sec、芯軸の挿入の移動速度は15cm/secに設定し、エアは芯軸の挿入開始後に放出した。
【0030】
また、比較例では、実施例と同じゴムチューブと芯軸を用いて、ゴムチューブ外周全域をφ12mmのパイプ状金型で支持・規制したタイプの試作装置を作製し、エアをチューブの片端より注入して膨らませて他端より芯軸を挿入する方法でゴムロールを製造した。芯軸の挿入の移動速度は同じく15cm/secで行った。
【0031】
前述した実施例および比較例で製造した各10本づつのゴムロールにおける、芯軸の挿入前後でのゴムチューブの長さを測定し、挿入前後の差(ゴムチューブの縮み)を算出した結果を表1、2に示した。実施例のゴムチューブの縮みは−1〜−3mm(平均:−2.3mm)となり、比較例のゴムチューブの縮みが−8〜−12mm(平均:−10mm)だったのに比べて、非常に小さいものであった。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【発明の効果】
本発明により、芯軸のゴムチューブへの挿入性を向上させ、且つ、芯軸を挿入させた際のゴムチューブの縮みを最小限にさせ、更に、ゴムチューブと芯軸の挿入位置関係の再現性が高くなるゴムロールの製造方法およびゴムロール製造装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における、ゴムチューブの両端を把持する工程(A)を行った後の状態を示す側面図である。
【図2】本発明における、ゴムチューブの通孔にノズルを挿入する工程(B)を行った後の状態を示す側面図である。
【図3】本発明における、ノズルより正圧エアを放出しながらノズルを後退させつつ芯軸をゴムチューブの通孔に挿入する工程(D)の途中の状態を示す側面図である。
【図4】本発明における、ゴムチューブの通孔に芯軸が挿入された後の状態を示す側面図である。
【符号の説明】
1 ゴムチューブ
11 通孔
2a 押さえ冶具
2b 押さえ冶具
3 ノズル
4 芯軸
5 ノズルフォルダー
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゴムロール(特に複写機、レーザービームプリンタ、ファクシミリ等の電子写真に用いられる帯電ロール、現像ロール、その他の各種ゴムロール)の製造工程において、ゴムチューブの通孔に芯金等の芯軸を挿入させるゴムロール製造方法およびゴムロール製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、複写機等の電子写真に用いられる各種ゴムロールを短時間で安価に製造する方法の一つとして、まずゴムチューブのみを成形した後、そのゴムチューブの通孔に芯軸を挿入する方法が知られている。この方法においては大抵の場合、ゴムチューブの通孔の内径は芯軸の外径よりも小さく設定されている為、ゴムチューブの通孔に芯軸を挿入することは容易ではない。ゴムチューブの通孔の内径が芯軸の外径よりも小さく設定されているのは、芯軸挿入後にゴムチューブが芯軸を締め付ける力を利用して芯軸とゴムチューブを完全に密着させることが目的である。また、芯軸には接着剤が塗布されている場合が多く、その接着剤の種類はホットメルトタイプや加硫接着タイプなどであり、芯軸挿入後にゴムロールを加熱することで芯軸とゴムチューブを接着することが可能となっている。この接着剤が塗布された芯軸は、接着剤が塗布されていない芯軸に比べて摩擦が大きくなるため、更に挿入し難くなってしまう。
【0003】
従来、この工程を行う装置には、ゴムチューブの一端にエアノズルを配置して正圧エアをチューブ内に送り込んでゴムチューブを膨らませた状態で他端から芯軸を挿入させる方法や、ゴムチューブの外側を、パイプ状金型の内側の滑り止め部で支持して芯軸を挿入させる方法(例えば、特許文献1、特許文献2参照)が用いられている。
【0004】
しかしながら、従来の方法では、特にゴムチューブの肉厚が1〜3mmの範囲の場合には、ゴムチューブの膨らみ量がそれほど大きくならない為に挿入性の向上は乏しく、且つ、ゴムチューブの腰も弱くて芯軸の挿入の直進性が低くなる為に挿入させることが非常に困難となる。更に、パイプ状金型でチューブの外側を支持した場合でも、ゴムチューブの芯軸挿入後の縮みを防止することは不可能であった。このゴムチューブの芯軸挿入後の縮みは、ゴムチューブの長手方向の各位置において均一ではなく、芯軸の挿入を開始する側の特に端部の位置で縮みが大きくなってしまう。ゴムチューブが縮められた位置ではゴムの応力が残ったままであり、その後の加工、例えばゴムロールの外周面を研削加工して高精度の寸法を確保する場合においては研削後のゴムロールの寸法(外径、振れ、真円度etc)に影響を及ぼしてしまう。また、ゴムロールに導電性を持たせている場合においては、位置による縮み量の違いによって長手方向の導電性の差(ムラ)が発生してしまう。
【0005】
特に近年の電子写真においては高画質化、高速化、カラー化が求められており、ゴムロールに要求される寸法・物性は非常に厳しいものとなっている。その為、ゴムロールの寸法精度向上や導電ムラ低減のために、芯軸挿入後のゴムチューブの縮みを最小限に抑える必要があった。
【0006】
【特許文献1】
実開平6−27022号公報
【特許文献2】
特開平4−146031号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記のような問題を解決する為の手段として考え出されたものであり、芯軸のゴムチューブへの挿入性を向上させ、且つ、芯軸を挿入させた際のゴムチューブの縮みを最小限にさせ、更に、ゴムチューブと芯軸の挿入位置関係の再現性が高くなるゴムロールの製造方法およびゴムロール製造装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記した課題の解決は以下に説明する新規な特徴的構成手段により可能となる。
【0009】
本発明は、ゴムチューブの通孔に芯軸を挿入する前に、ゴムチューブの両端2箇所を押さえ冶具で把持固定した状態で、ゴムチューブの通孔の一端から通孔の内径よりも小さい径のノズルを先に貫通挿入させ、ゴムチューブの通孔の他端から芯軸を合芯させて、ゴムチューブ内でノズルが正圧エアを放出して後退させつつ芯軸をゴムチューブの通孔に挿入させる製造方法および製造装置を提供する。
【0010】
すなわち、本発明は、
ゴムチューブの通孔に芯軸を挿入したゴムロールの製造方法において、該ゴムチューブの両端を把持する工程(A)と、該ゴムチューブの通孔の一端からノズルを挿入する工程(B)と、該ゴムチューブの通孔の他端に配置された該芯軸と該ノズルを合芯する工程(C)と、該ノズルより正圧エアを放出しながら該ノズルを後退させつつ該芯軸を該ゴムチューブの通孔に挿入する工程(D)と、を含むゴムロール製造方法である。前記工程(B)を、前記ノズルより正圧エアを放出しながら行うことが好ましい。また、前記ゴムチューブの肉厚が1〜3mmであることが好ましい。また、前記ゴムチューブの通孔に前記芯軸を挿入した後、前記ゴムチューブの両端を把持する手段で、該ゴムチューブをその軸方向に動かす工程(E)を含むことが好ましい。
【0011】
また、本発明は、
ゴムチューブの通孔に芯軸を挿入したゴムロールの製造装置において、該ゴムチューブの両端を把持する手段と、正圧エアを放出でき、該ゴムチューブの通孔の内径よりも小さい外径のノズルと、該ノズルを移動させる手段と、該芯軸を移動させる手段と、を有するゴムロール製造装置である。前記ノズルの表面が低摩擦化処理、特にフッ素樹脂処理されていることが好ましい。また、前記ゴムチューブの両端を把持する手段をその軸方向に動かす機構を有することが好ましい。
【0012】
本発明により、芯軸のゴムチューブへの挿入性を向上させ、且つ、芯軸を挿入させた際のゴムチューブの縮みを最小限にさせ、更に、ゴムチューブと芯軸の挿入位置関係の再現性が高くなるゴムロールの製造方法およびゴムロール製造装置を提供することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1から図4を参照しながら詳細に説明する。
【0014】
本発明のゴムロール製造方法および製造装置で用いるゴムチューブは、通常はゴム専用の一軸の押し出し機によって成形して得られる。押し出し機には外径を制御するダイスと内径を制御するニップルとが設けてあり、これによりゴムが押し出されることで、円筒状のゴムチューブが連続的に成形される。これを引き取って所定の寸法に切断して一本づつのゴムチューブとする。これらの押し出し・切断されたゴムチューブは未加硫であり、通常このゴムチューブは水蒸気加硫缶・UHF・熱風炉等の加硫装置により加硫される。更にその後、必要に応じて電気炉等で熱風加熱(二次加硫)することもある。この時の加硫温度・加硫時間はゴムの種類およびゴムロールの必要物性の程度によって様々である。以上の方法は一例であり、本発明で使用するゴムチューブの製造方法には特に制限はない。
【0015】
本発明では特に、NBR(ニトリルゴム)、EPDM(エチレンプロピレンゴム)、ヒドリンゴム、ウレタンゴム、シリコンゴム等のソリッドタイプのゴムチューブに芯軸を挿入する際に効果が大きく得られる。また、発泡タイプのゴムロールにおいても同様な効果は得られる。ゴムチューブの内径は、芯軸とゴムチューブを密着させるために、通常、芯軸の外径よりも0.5〜1.0mm程度小さく設計される。ゴムチューブの肉厚(ゴムチューブの外半径と内半径の差)は1〜3mmの範囲のものが特に本発明で大きな効果が得られるが、それ以外の肉厚でも芯軸挿入性は向上する。
【0016】
一方、本発明におけるゴムロールに挿入する芯軸は、ゴムロールに導電性を必要とする場合が多い為、金属製の棒状の芯軸を用いる場合が多い。通常、快削鋼等をダイスで引き抜き加工して所定の寸法に切断したものを無電解ニッケルメッキ処理して製造される。導電性を必要としない場合などは、各種の樹脂製の芯軸等も用いることができる。形状は、丸棒状の芯軸の他にも、切断後に芯軸端部を所定の形状(例えば、段付き形状やDカット形状etc)に二次加工した芯軸も用いることができる。もちろん芯軸の製造方法や材質にも特に制限はない。芯軸の太さは挿入時の剛性の面から6〜10mmであることが好ましい。
【0017】
次に、本発明のゴムロール製造方法と、それを可能とするゴムロール製造装置の一例を説明する。
【0018】
図1は、本発明のゴムロール製造方法の1つの工程である、ゴムチューブ1の両端を把持する工程(A)を行った後の状態である。本発明のゴムロール製造装置は、ゴムチューブ1の両端を把持する手段として、押さえ冶具2a、2bを有している。ゴムチューブ1をこのゴムロール製造装置にセットし、ゴムチューブ1の両端部を押さえ冶具2a、2bで把持固定することで、ゴムチューブの長さが規制される。押さえ冶具2a、2bには複数本の爪(図示せず)が埋め込まれており、チューブ径を潰さない程度の把持力で固定される。ゴムチューブ1の両端を把持する手段としては、他にも押さえ面を粗してチューブ径を潰さない程度の食いつき可能な滑り止めを設ける方法でも良い。押さえ冶具2a、2bが把持固定する部分の幅は、その対象となるゴムチューブの種類にもよるが、10mm程度が好ましい。また、押さえ冶具2a、2bは、ノズル3および芯軸4が通孔11のセンターを通って挿入されるように位置を出して、ゴムチューブ1を把持固定している。その状態で、ゴムチューブ1の通孔11の一端にノズル3の先端を配置させ、他端に芯軸4の先端を配置させる。また、このゴムロール製造装置のノズル3を挿入する側には、ノズルフォルダー5が設けてある。このノズルフォルダー5の内部にはOリング(図示せず)でゴムチューブの外周を軽くシールしている。
【0019】
ゴムロール製造装置に設けられるノズルは、正圧エアを放出でき、かつゴムチューブの通孔の内径よりも小さい外径を持つ。通常、外径がゴムチューブの通孔の内径よりも0.5〜1.0mm程度小さく設計されたノズルを用いる。ノズル先端のエア放出部の形状はゆるやかな流線型とし、先端には複数の切り込みを入れてエアの放出を安定させている。ノズルの材質は通常、SUS材を用いるが、特に制限はない。また、表面がフッ素樹脂処理等による低摩擦化処理をされたノズルを用いることが好ましい。これは、後述するように、ノズルの挿入が困難な場合に特に好適である。
【0020】
通常、ゴムチューブ1の内径は挿入する芯軸4の外径よりも0.5〜1.0mm程度小さくしている為に挿入が困難であるのに対して、ノズル3はゴムチューブ1の内径よりも0.5〜1.0mm程度小さく設計されている為に挿入が容易となっている。
【0021】
図2は、本発明のゴムロール製造方法の1つの工程である、ゴムチューブ1の通孔11にノズル3を挿入する工程(B)を行った後の状態である。本発明のゴムロール製造装置は、ノズル3を移動させる手段として、空気圧シリンダー(図示せず)を有している。ノズル3は空圧式シリンダーにより、ゴムチューブ1の通孔11を図の右から左へと挿入させる。前記したように、ノズル3の外径がゴムチューブ1の内径よりも小さく設定されていることから、容易に貫通挿入させることが可能となる。しかし、ノズル3の外径とゴムチューブ1の内径の差が小さい場合や、ゴムチューブ1の材質によってはゴムの摩擦抵抗が大きい場合などは、ノズル3の表面をフッ素樹脂処理等による低摩擦化処理することで、より容易に挿入が可能となるため好ましい。なお、フッ素樹脂処理は、市販のフッ素樹脂、例えばポリフッ化ビニリデンをコーティングや粉末塗装の塗工方法により処理できる。また、工程(B)中にノズル3から正圧エアを放出すると、ノズル3を容易に挿入できるようになるため、好ましい。このゴムロール製造装置において、ノズル3の挿入完了位置はちょうどゴムチューブ1の他端の口までに設計してある。
【0022】
本発明のゴムロール製造装置は、芯軸4を移動させる手段として、空気圧シリンダー(図示せず)を有している。そして、上述の工程(B)が終わった後、芯軸4は、空圧式シリンダーによってノズルとは反対側から押され、芯軸4の先端がノズル3の先端に軽く押し当られ合芯される。これが、本発明のゴムロール製造方法の1つの工程である、ゴムチューブ1の通孔11の他端に配置された芯軸4とノズル3を合芯する工程(C)である。
【0023】
図3は、本発明のゴムロール製造方法の1つの工程である、ノズル3より正圧エアを放出しながらノズル3を後退させつつ芯軸4をゴムチューブ1の通孔11に挿入する工程(D)の途中の状態である。ノズル3は芯軸4の先端と合芯された状態で、正圧エアを放出する。正圧エアを放出することによりゴムチューブ内径が膨張して芯軸4が入りやすくなると共に、ノズル3の周りと芯軸4の周りをエアが通り抜けることにより芯軸4とチューブ内側との摩擦抵抗が小さくなる。また、ノズルフォルダー5内にOリング等でゴムチューブ1の外周をシールする機構を設けていることにより、エア漏れを抑えてゴムチューブ1内のエアの流れを効率よく利用することが可能となる。ノズル3は先端が芯軸4の先端と合芯されたままの状態でエアを放出しながら空圧式シリンダーによって後退させる。この時、芯軸4を同時に空圧式シリンダーにより前進させることで、芯軸4がノズル3の先端を押していく形のままでゴムチューブ1の通孔11を図の左から右へと円滑に挿入される。
【0024】
図4は、本発明のゴムロール製造方法の工程(A)〜(D)が完了し、ゴムチューブ1の通孔11に芯軸4が挿入された後の状態である。ノズル3はゴムチューブ1の通孔11から抜け出て、芯軸4もゴムチューブ1の反対側から先端を出してノズルフォルダー5内にある位置決め用のストッパー(図示せず)に突き当たり芯軸4の先端の位置が決まる。このストッパーの径はノズル3の外径よりも大きく芯軸4の外径よりも小さく設計されている。芯軸4の後端の位置は芯軸側の空圧式シリンダーが芯軸4を押してストッパーに突き当たった位置で、ゴムチューブ1との位置関係が決まる設計となっている。これにより挿入後のゴムチューブ1の両側からの芯軸4が突出している寸法の再現性は非常に高いものとなる。
【0025】
更に、本発明の製造装置に、ゴムチューブ1を把持する手段である押さえ冶具2a、2bをその軸方向(図1〜4においての左右方向)に動かす機構を追加し、本発明の製造方法として、ゴムチューブ1の通孔11に芯軸4を挿入した後に、ゴムチューブ1を把持する手段である押さえ冶具2a、2bでゴムチューブをその軸方向(図1〜4においての左右方向)に動かす工程(E)を追加することにより、押さえ両端部付近に残ったゴム応力を緩和させることが可能となるため、より好ましい実施形態である。その後にゴムチューブ1の押さえ冶具2a、2bを解除することにより、ゴムロールを取り出せる。本発明のゴムロール製造方法により、ゴムロールの芯軸を挿入する前後で発生するゴムチューブ1の縮みは、ほぼ最小限に抑えられる。この最小限の縮みとは、芯軸4がゴムチューブ1に挿入した際に、チューブが外側に膨れた分だけ長手方向に縮んだものである。
【0026】
従来の技術であるパイプ状金型を用いて芯軸を挿入させるゴムロール製造方法が、金型でゴムチューブの外側を支持・規制して挿入性を高めているのに対して、本発明のゴムロール製造方法は先に挿入したノズルでゴムチューブの内側を支持・規制して芯軸の挿入性をより高めている点で大きく異なる。ノズルがゴムチューブ内に芯を通した状態にすることで芯軸の挿入時の直進性が高くなり優位性が得られる。更に、本発明のゴムロール製造装置には、ゴムチューブの外側をパイプ状金型で支持する機構が必要なく、装置がより簡易で安価なものとなる。もちろん本発明のゴムロール製造装置に、更にゴムチューブの外周をパイプ状金型で支持・規制する機構を盛り込むことは可能である。また、従来の技術のエアでゴムチューブを膨らませる方法でゴムチューブの膨らみ量が小さくて芯軸を挿入させることが困難となる場合にも、本発明ではノズルを先に挿入することによりゴムチューブへの芯軸の挿入の直進性が高めている為に容易に挿入が可能となる。
【0027】
【実施例】
以下に本発明の実施例と比較例を挙げて説明する。
【0028】
実施例では、ゴムチューブとしては、ソリッドタイプのヒドリンゴム(ダイソー(株)製、商品名:エピクロマーCG102)を押し出し成形((株)三葉製作所製、70mm押出し機)し、引き取って切断したものを160℃で40分間加硫(関西ロール(株)製、A型1.5M加硫缶)することにより得られた長さ250mm、外径φ10mm、内径φ5mmの寸法のゴムチューブを使用した。一方、芯軸は、材質がSUM材で、長さ255mm、外径φ6mm、両端面はC面0.1mmに加工された芯軸にポリエステル系の接着剤を塗布したものを用いた。また、先に挿入するノズルは材質がSUS材で、外径φ4.5mmで先端を流線型に加工して、フッ素樹脂の表面処理を行ったものを用意した。これらのゴムチューブと芯軸を用いて、前述した構成を有する本発明のゴムロール製造装置により、前述した工程を有する本発明のゴムロール製造方法に従って、ゴムロールを製造した。
【0029】
挿入条件としてはノズルの挿入の移動速度は30cm/sec、芯軸の挿入の移動速度は15cm/secに設定し、エアは芯軸の挿入開始後に放出した。
【0030】
また、比較例では、実施例と同じゴムチューブと芯軸を用いて、ゴムチューブ外周全域をφ12mmのパイプ状金型で支持・規制したタイプの試作装置を作製し、エアをチューブの片端より注入して膨らませて他端より芯軸を挿入する方法でゴムロールを製造した。芯軸の挿入の移動速度は同じく15cm/secで行った。
【0031】
前述した実施例および比較例で製造した各10本づつのゴムロールにおける、芯軸の挿入前後でのゴムチューブの長さを測定し、挿入前後の差(ゴムチューブの縮み)を算出した結果を表1、2に示した。実施例のゴムチューブの縮みは−1〜−3mm(平均:−2.3mm)となり、比較例のゴムチューブの縮みが−8〜−12mm(平均:−10mm)だったのに比べて、非常に小さいものであった。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【発明の効果】
本発明により、芯軸のゴムチューブへの挿入性を向上させ、且つ、芯軸を挿入させた際のゴムチューブの縮みを最小限にさせ、更に、ゴムチューブと芯軸の挿入位置関係の再現性が高くなるゴムロールの製造方法およびゴムロール製造装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における、ゴムチューブの両端を把持する工程(A)を行った後の状態を示す側面図である。
【図2】本発明における、ゴムチューブの通孔にノズルを挿入する工程(B)を行った後の状態を示す側面図である。
【図3】本発明における、ノズルより正圧エアを放出しながらノズルを後退させつつ芯軸をゴムチューブの通孔に挿入する工程(D)の途中の状態を示す側面図である。
【図4】本発明における、ゴムチューブの通孔に芯軸が挿入された後の状態を示す側面図である。
【符号の説明】
1 ゴムチューブ
11 通孔
2a 押さえ冶具
2b 押さえ冶具
3 ノズル
4 芯軸
5 ノズルフォルダー
Claims (8)
- ゴムチューブの通孔に芯軸を挿入したゴムロールの製造方法において、該ゴムチューブの両端を把持する工程(A)と、該ゴムチューブの通孔の一端からノズルを挿入する工程(B)と、該ゴムチューブの通孔の他端に配置された該芯軸と該ノズルを合芯する工程(C)と、該ノズルより正圧エアを放出しながら該ノズルを後退させつつ該芯軸を該ゴムチューブの通孔に挿入する工程(D)と、を含むゴムロール製造方法。
- 前記工程(B)を、前記ノズルより正圧エアを放出しながら行うことを特徴とする請求項1に記載のゴムロール製造方法。
- 前記ゴムチューブの肉厚が1〜3mmであることを特徴とする請求項1又は2に記載のゴムロール製造方法。
- 前記ゴムチューブの通孔に前記芯軸を挿入した後、前記ゴムチューブの両端を把持する手段で、該ゴムチューブをその軸方向に動かす工程(E)を含む請求項1〜3のいずれかに記載のゴムロール製造方法。
- ゴムチューブの通孔に芯軸を挿入したゴムロールの製造装置において、該ゴムチューブの両端を把持する手段と、正圧エアを放出でき、該ゴムチューブの通孔の内径よりも小さい外径のノズルと、該ノズルを移動させる手段と、該芯軸を移動させる手段と、を有するゴムロール製造装置。
- 前記ノズルの表面が低摩擦化処理をされていることを特徴とする請求項5に記載のゴムロール製造装置。
- 前記低摩擦化処理がフッ素樹脂処理であることを特徴とする請求項6に記載のゴムロール製造装置。
- 前記ゴムチューブの両端を把持する手段をその軸方向に動かす機構を有する請求項5〜7のいずれかに記載のゴムロール製造装置。
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2003
- 2003-04-07 JP JP2003102905A patent/JP2004308781A/ja active Pending
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