JP3618532B2 - 半導体記憶装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、半導体記憶装置に関し、より特定的には、DRAM(Dynamic Random Access Memory)の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、コンピュータなどの情報機器の目ざましい普及によって、半導体記憶装置の需要が急速に拡大している。また機能的には、大規模な記憶容量を有し、かつ高速動作が可能なものが要求されている。これに伴って、半導体記憶装置の高集積化および高応答性あるいは高信頼性に関する技術開発が進められている。
【0003】
半導体記憶装置の中で、記憶情報のランダムな入出力が可能なものとしてDRAMが一般的に知られている。このDRAMは、多数の記憶情報を蓄積する記憶領域であるメモリセルアレイと、外部との入出力に必要な周辺回路とから構成されている。
【0004】
このように構成されるDRAM半導体チップ上において、メモリセルアレイは大きな面積を占めている。また、このメモリセルアレイには、単位記憶情報を蓄積するためのメモリセルがマトリックス状に複数個配列されて形成されている。このメモリセルは、通常1個のMOSトランジスタと、これに接続された1個のキャパシタとから構成されており、1トランジスタ1キャパシタ型のメモリセルとして広く知られている。このトランジスタは、ビット線により周辺回路の構成要素であるセンスアンプと接続される。
【0005】
次に、従来のDRAMの具体的な構成について説明する。
図18は、従来のDRAMの構成を示す平面図である。図18を参照して、シリコン基板上には、メモリセル部201とダミーセル部202により構成されるメモリセルアレイ領域と、センスアンプ部203により構成されるセンスアンプ領域が形成されている。
【0006】
メモリセル部201には、情報が記憶され、ダミーセル部202には、情報が記憶されない。これは、メモリセル領域の外周部分のダミーセル部202では、微細な繰返しパターンが途切れ、また段差が存在するためメモリセルが設計通りに形成されない場合があるからである。メモリセルアレイ領域には、能動領域204が形成されている。シリコン基板上には互いに距離を隔てて1方向に並んで延びるようにワード線(ゲート電極)205および206が形成されている。ワード線205および206と直交する方向に延びるように複数本のビット線208が形成されている。ビット線208は、コンタクトホール207により能動領域204と接続される。ビット線208の幅は、コンタクトホール207が存在する部分で相対的に広く、それ以外の部分では相対的に狭い。能動領域204上にキャパシタのストレージノード211および212が形成される。能動領域204とストレージノード211とはコンタクトホール209により接続され、能動領域204とストレージノード212とはコンタクトホール210により接続される。
【0007】
センスアンプ部203は、ビット線208によりメモリセル部201やダミーセル部202と電気的に接続される。センスアンプ部203には能動領域214が形成される。能動領域214上にゲート電極205が形成される。ビット線208と能動領域214がコンタクトホール217により電気的に接続され、能動領域214と配線220もコンタクトホール217により電気的に接続される。
【0008】
図19は、図18中のC−C線に沿って見た断面を示す図である。図19を参照して、シリコン基板218上に分離酸化膜219が形成されている。分離酸化膜219に囲まれた領域が能動領域であり、能動領域には、不純物領域231が形成されている。不純物領域231に隣接してゲート電極205および206が形成されている。ゲート電極205は、シリコン基板218上にゲート酸化膜(図示せず)を介在させて形成されたポリシリコン層205aと、ポリシリコン層205a上に形成されたタングステンシリサイド層205bにより構成される。ゲート電極206もゲート酸化膜(図示せず)上に形成されたポリシリコン層206aと、ポリシリコン層206a上に形成されたタングステンシリサイド層206bにより構成される。また、ゲート電極205および206の側壁にはサイドウォール酸化膜223が形成される。
【0009】
シリコン基板218の表面を覆うように層間絶縁膜226が形成される。層間絶縁膜226には、不純物領域231に達するコンタクトホール207が形成されている。コンタクトホール207を充填するように、ポリシリコン層238とタングステンシリサイド層248により構成されるビット線208が埋込まれる。また、センスアンプ部203では、コンタクトホール207に、ポリシリコン層238とタングステンシリサイド層248により構成される配線220が埋込まれる。
【0010】
層間絶縁膜226を覆うように層間絶縁膜227が形成される。不純物領域231に達するコンタクトホール209および210が層間絶縁膜226および227に形成される。コンタクトホール209および210を充填するようにストレージノード211および212が形成される。ストレージノード211および212を覆うように層間絶縁膜(図示せず)およびセルプレート229が形成される。
【0011】
図20は、図18中のD−D線に沿って見た断面を示す図である。図20を参照して、シリコン基板218上に分離酸化膜219が形成される。分離酸化膜219上にはゲート電極205および206が形成され、ゲート電極205および206を覆うように層間絶縁膜226が形成されている。
【0012】
メモリセル部201およびダミーセル部202では、分離酸化膜219の上にビット線208が形成されている。また、ビット線208はセンスアンプ部203においては、シリコン基板218の上に形成されている。センスアンプ部203では、ゲート電極205の上にはビット線208や配線220が形成されていない。
【0013】
ビット線208および配線220を覆うように層間絶縁膜227、層間絶縁膜(図示せず)およびセルプレート229が形成されている。
【0014】
図21は図18中のE−E線に沿って見た断面を示す図である。図21を参照して、シリコン基板218上に分離酸化膜219が形成される。分離酸化膜219の上に位置するようにビット線208が形成される。分離酸化膜219の間には不純物領域231が形成され、シリコン基板218を覆うように層間絶縁膜226および227が形成される。層間絶縁膜226および227には、不純物領域231に達するコンタクトホール210が形成され、コンタクトホール210を充填するようにストレージノード212が形成されている。ストレージノード212を覆うように層間絶縁膜(図示せず)およびセルプレート229が形成されている。
【0015】
次に、図18〜図21で示す従来のDRAMの製造方法について説明する。図22および26は、図18で示す従来のDRAMの製造工程を示す平面図であり、図23〜図25は、図22中のC−C、D−D、E−E線に沿って見た断面を示す図である。図27〜図29は、図26中のC−C、D−D、E−E線に沿って見た断面を示す図である。図22〜図25を参照して、シリコン基板218上にLOCOS法により、分離酸化膜219を形成する。次にシリコン基板218の表面にシリコン酸化膜を形成し、このシリコン酸化膜と分離酸化膜219とを覆うようにドープトポリシリコンを堆積する。ドープトポリシリコン上にタングステンシリサイドを堆積し、タングステンシリサイド上に所定のパターンを有するレジストパターンを形成する。レジストパターンに従ってタングステンシリサイドとドープトポリシリコンとシリコン酸化膜とをエッチングすることにより、タングステンシリサイド層205bおよび206bと、ポリシリコン層205aおよび206aと、ゲート酸化膜(図示せず)を形成する。タングステンシリサイド層205bとポリシリコン層205aがゲート電極205を構成し、タングステンシリサイド層206bとポリシリコン層206aがゲート電極206を構成する。
【0016】
ゲート電極205および206をマスクとしてシリコン基板218にリンをイオン注入することにより、ゲート電極205および206の両側に不純物領域231を形成する。ゲート電極205および206を覆うようにシリコン酸化膜を堆積し、このシリコン酸化膜を全面エッチバックすることによりゲート電極205および206の側壁にサイドウォール酸化膜223を形成する。ゲート電極205および206を覆うように層間絶縁膜226を形成する。層間絶縁膜226上に所定のパターンを有するレジストパターンを形成し、このレジストパターンに従って層間絶縁膜226をエッチングすることにより、不純物領域231に達するコンタクトホール207を形成する。層間絶縁膜226の表面とコンタクトホール207の底面と側面を覆うようにドープトポリシリコンを堆積し、コンタクトホール207を充填しドープトポリシリコンの表面を覆うようにタングステンシリサイドを堆積する。タングステンシリサイド上に所定のパターンを有するレジストパターン299を形成し、レジストパターン299に従ってタングステンシリサイドとドープトポリシリコンをエッチングすることにより、タングステンシリサイド層248とポリシリコン層238により構成されるビット線208を形成する。また、センスアンプ部203では、タングステンシリサイド層248とポリシリコン層238により構成される配線220を形成する。
【0017】
図26〜図29を参照して、層間絶縁膜226上に層間絶縁膜227を堆積する。層間絶縁膜227上に所定のパターンを有するレジストパターンを形成し、このレジストパターンに従って層間絶縁膜227および226をエッチングすることにより、不純物領域231に達するコンタクトホール209および210を形成する。
【0018】
図18〜図21を参照して、コンタクトホール209および210を充填しかつ層間絶縁膜227の表面を覆うようにドープトポリシリコンを堆積する。このドープトポリシリコン上に所定のパターンを有するレジストパターンを形成し、このレジストパターンに従ってドープトポリシリコンをエッチングすることにより、ストレージノード211および212を形成する。ストレージノード211および212を覆うように層間絶縁膜(図示せず)およびセルプレート229を形成する。これにより図18〜図21で示すDRAMが完成する。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
図30は、上述のような従来のDRAMの製造工程で生じる問題点を示す図である。図30を参照して、従来の製造方法の図24で示す工程においてレジストパターン299を形成する際には、タングステンシリサイド上にレジストを塗布し、このレジストの所望の部分にだけ光を当てる。光が照射されたレジストを現像液に浸すと、光が照射された部分が現像液に溶解するため光が照射されなかった部分がレジストパターン299として残る。
【0020】
しかしながら、従来の製造方法では、図30で示すように、ダミーセル部202とセンスアンプ部203の境目で分離酸化膜219が途切れる。分離酸化膜219の途切れる部分301〜304での反射が図30のXおよびYで示す部分に集中するため、XおよびYで示す部分でビット線208が細くなる。特にYで示す部分は、メモリセル領域のような繰返しパターンが途切れる箇所でもあり、光近接効果によってもパターンが細る。これにより、本来露光されないはずの図30中のXおよびYで示す部分のレジストが露光されるので、この部分でのレジストパターンの幅が細くなる。図31は幅が細くなったビット線を示す図であり、図32は図31中のF−F線に沿って見た断面を示す図である。図31および図32を参照して、幅が細くなった部分を有するレジストパターンに従ってビット線208を形成すれば、XおよびYで示す部分においてビット線208が細くなり、最悪の場合は断線してしまうというおそれがあった。
【0021】
この問題を解決するためにダミーセル部202において、ビット線208の幅を広げることも考えられるが、ビット線208の隣にはコンタクトホール210が形成されている。そのため、ビット線208の幅を十分に広げることができず、ビット線の断線に対して必ずしも効果を発揮するとは言い難い。
【0022】
そこで、この発明は、上述のような問題点を解決するためになされたものであり、ビット線の断線を抑制できる半導体記憶装置を得ることを目的とするものである。
【0023】
【課題を解決するための手段】
この発明に従った半導体記憶装置は、情報を記憶するためのメモリセルアレイ領域と、メモリセルアレイ領域内の情報を読出す信号を増幅するためのセンスアンプ領域と、メモリセルアレイ領域からセンスアンプ領域まで延在するビット線とを備える。メモリセルアレイ領域は、情報の記憶に関与するメモリセル部と、メモリセル部に隣接して形成された、情報の記憶に関与しないダミーセル部とを有する。ダミーセル部は、能動領域と、その能動領域を取囲むように形成された分離酸化膜と、能動領域に電気的に接続された導電層とを含む。ビット線は、ダミーセル部において分離酸化膜とそれに隣接する能動領域の上に延在するビット線部分を含む。ビット線部分は他の部分よりも相対的に広い幅を有する。ダミーセル部においてビット線部分の上に導電層が形成されている。ダミーセル部は、第1のダミーセル部分と、第1のダミーセル部分に隣接して設けられる第2のダミーセル部分とを含み、導電層と能動領域とは第1のダミーセル部分で電気的に接続され、導電層と能動領域とは第2のダミーセル部分で電気的に接続されない。
【0024】
このように構成された半導体記憶装置においては、ダミーセル部においてビット線部分が他の部分よりも相対的に広い幅を有する。そのため、ビット線を形成する際に半導体基板からの反射光によりダミーセル部が露光された場合においても、ビット線が断線する可能性が少なくなる。さらに、ダミーセル部において、ビット線部分の上に導電層が形成されている。すなわち、ビット線部分は、導電層の下に入り込むように形成されているので、導電層の下に位置する全部分にビット線部分を形成できる。その結果、ビット線部分の幅をさらに広げることができ、ビット線の断線を抑制できる。第2のダミーセル部分では導電層と能動領域が電気的に接続されないので、第2のダミーセル部分で、能動領域の幅とほぼ等しい幅のビット線部分を形成することができる。その結果、第2のダミーセル部分上でビット線部分の幅が広くなりビット線の断線を抑制できる。
【0025】
また、センスアンプ領域は、メモリセルアレイ領域の一方端部に隣接して設けられる第1のセンスアンプ部と、メモリセルアレイ領域の他方端部に隣接して設けられる第2のセンスアンプ部とを含み、ビット線は第1のセンスアンプ部に電気的に接続される第1のビット線と、第2のセンスアンプ部に電気的に接続される第2のビット線とを含むことが好ましい。
【0027】
さらに、第1のダミーセル部分には能動領域と導電層を電気的に接続するコンタクトホールが形成され、第2のダミーセル部分には能動領域と導電層を電気的に接続するコンタクトホールが形成されていないことが好ましい。この場合、第2のダミーセル部分にコンタクトホールが形成されていないため、第2のダミーセル部分で能動領域の幅と同じ幅を有するビット線部分を形成できる。その結果、第2のダミーセル部分上でビット線部分の幅が太くなり、ビット線の断線を抑制できる。
【0028】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1に従った半導体記憶装置を示す平面図である。図2は図1中のA−A線に沿って見た断面を示す図であり、図3は、図1中のB−B線に沿って見た断面を示す図である。図1を参照して、シリコン基板上にメモリセル部1とダミーセル部2からなるメモリセルアレイ領域と、センスアンプ部3からなるセンスアンプ領域とが形成されている。図1中の右側にもセンスアンプ部(図示せず)が形成されている。メモリセル部1は、情報の記憶に関与するが、ダミーセル部2は、情報の記憶に関与しない。メモリセルアレイ領域では、能動領域4aおよび4bが形成される。ダミーセル部2において、能動領域4bの上が第1のダミーセル部分であり、能動領域4aの上が第2のダミーセル部分である。
【0029】
メモリセルアレイ領域では、図1中の横方向に並ぶビット線8a〜8dおよび18a〜18dが形成されている。ビット線8a〜8dが第1のビット線であり、ビット線18a〜18dが第2のビット線である。ビット線18a〜18dはセンスアンプ部3と電気的に接続され、ビット線8a〜8dは図1中の右方向にさらに延び、その先でセンスアンプ部(図示せず)と電気的に接続される。
【0030】
ビット線18a〜18dの幅は、第2のダミーセル部分において相対的に広くなっている。ビット線18a〜18dの相対的に幅の広い部分の幅はW1 であり、幅の狭い部分の幅はW2 である。また、隣り合うビット線間の距離が広い部分と狭い部分があり、広い部分の距離はW1 であり、狭い部分の距離がW2 である。ビット線8a〜8dおよび18a〜18dは、コンタクトホール7により能動領域4aと電気的に接続される。
【0031】
メモリセルアレイ領域では、導電層としてのストレージノード11および12が形成されている。ストレージノード11は、メモリセル部1に形成され、コンタクトホール9により能動領域4aと電気的に接続される。一方、ストレージノード12は、ダミーセル部2に形成され、ストレージノード11を2つ繋げたような形状となっている。ストレージノード12は第1のダミーセル部分と第2のダミーセル部分に位置する。ストレージノード12と能動領域4bとは第1のダミーセル部分でコンタクトホール10により電気的に接続される。第2のダミーセル部ではストレージノード12と能動領域は電気的に接続されない。
【0032】
センスアンプ部3は、能動領域14を有する。能動領域14とビット線18a〜18dがコンタクトホール17により電気的に接続される。配線20と能動領域14がコンタクトホール17により電気的に接続される。
【0033】
図2は、図1中のA−A線に沿って見た断面を示す図である。図2に示す断面は、従来の図19で示す断面に対応する。図19では、ビット線208の幅が細かったため、分離酸化膜219上にはビット線208が現れなかったのに対して、図2では、ビット線18cの幅が広いので、分離酸化膜19上にもビット線18cが現れている。
【0034】
その他の構成について説明すると、シリコン基板18表面に分離酸化膜19が形成されている。分離酸化膜19に囲まれた領域が能動領域であり、能動領域に不純物領域31a、31bおよび32が形成される。シリコン基板1上にゲート酸化膜(図示せず)を介在させてゲート電極5および6が生成されている。ポリシリコン層5aおよび6aと、タングステンシリサイド層5bおよび6bによりゲート電極5および6が構成される。ゲート電極5および6の側壁にはサイドウォール酸化膜23が形成されている。ゲート電極5および6を覆うように層間絶縁膜26が形成される。層間絶縁膜26には不純物領域31aおよび32に達するコンタクトホール7が形成されている。コンタクトホール7の側面と底面と層間絶縁膜26の表面にはポリシリコン層38が形成され、ポリシリコン層38の表面を覆いかつコンタクトホール7を充填するようにタングステンシリサイド層48が形成されている。タングステンシリサイド層48とポリシリコン層38がビット線18cを形成する。また、センスアンプ部3では、タングステンシリサイド層48とポリシリコン層38からなる配線20が形成される。
【0035】
ビット線18cおよび配線20を覆うように層間絶縁膜27が形成される。不純物領域31aに達するコンタクトホール9が層間絶縁膜26および27に形成される。コンタクトホール9を充填するように層間絶縁膜27の表面にストレージノード11が形成される。また、層間絶縁膜27の表面にストレージノード12が形成される。ストレージノード11および12を覆うように層間絶縁膜(図示せず)とセルプレート29が形成される。
【0036】
図3は、図1中のB−B線に沿って見た断面を示す図である。図3は図21で示す断面に対応する。図21では、すべての不純物領域231の上にコンタクトホール210が設けられていたのに対して、図3では、不純物領域31aの上にはコンタクトホールは設けられていない。また、図21で示すビット線208はすべて同じ幅であったのに対して、図3では、ビット線18cの幅は相対的に広いが、ビット線8cの幅が相対的に狭い。ビット線18cの幅を相対的に広くできるのは、不純物領域31a上にコンタクトホールが存在しないからである。
【0037】
その他の構成について説明すると、図3では、シリコン基板18上に分離酸化膜19が形成されている。隣り合う分離酸化膜19の間には不純物領域31aおよび31bが形成されている。シリコン基板18上に層間絶縁膜26が形成され、層間絶縁膜26の表面にビット線8b、8c、18bおよび18cが形成されている。ビット線8b、8c、18bおよび18cを覆うように層間絶縁膜27が形成されている。不純物領域31bに達するコンタクトホール10が層間絶縁膜26および27に形成されている。コンタクトホール10を充填するように層間絶縁膜27の表面にストレージノード12が形成され、ストレージノード12を覆うように層間絶縁膜(図示せず)およびセルプレート29が形成されている。
【0038】
このように構成された半導体記憶装置においては、従来に比べて、第2のダミーセル部において、コンタクトホールが存在しない。そのため、この部分においてビット線18a〜18dの幅を十分に太くすることができ、能動領域の上にもビット線を広げることができる。したがって、従来のように、ビット線を形成する際に分離酸化膜19が途切れる箇所からの光の反射により分離酸化膜上に位置するビット線の部分が細くなったとしても、能動領域の上にビット線が存在する。その結果、ビット線の断線を抑制することができる。
【0039】
(実施の形態2)
実施の形態2では、実施の形態1で示した半導体記憶装置の製造方法について説明する。図4および7は、図1で示した半導体記憶装置の製造工程を示す平面図である。図5は図4中のA−A線に沿って見た断面を示す図であり、図6は図4中のB−B線に沿って見た断面を示す図である。また、図8は、図7中のA−A線に沿って見た断面を示す図であり、図9は、図7中のB−B線に沿って見た断面を示す図である。
【0040】
図4〜図6を参照して、シリコン基板18の表面にLOCOS法により分離酸化膜19を形成する。シリコン基板18の表面にシリコン酸化膜を形成し、このシリコン酸化膜を覆うようにドープトポリシリコンを堆積する。ドープトポリシリコン上にタングステンシリサイドを堆積する。タングステンシリサイド上に所定のパターンを有するレジストパターンを形成する。このレジストパターンに従ってタングステンシリサイドとドープトポリシリコンとシリコン酸化膜とをパターニングすることにより、タングステンシリサイド層5bおよび6bと、ポリシリコン層5aおよび6aと、ゲート酸化膜(図示せず)とを形成する。ポリシリコン層5aとタングステンシリサイド層5bがゲート電極5を構成し、ポリシリコン層6aとタングステンシリサイド層6bがゲート電極6を構成する。
【0041】
ゲート電極5および6をマスクとしてシリコン基板18にリンなどの不純物イオンを注入することにより、不純物領域17を形成する。ゲート電極5および6を覆うようにシリコン酸化膜を堆積し、このシリコン酸化膜を全面エッチバックすることによりサイドウォール酸化膜23を形成する。
【0042】
ゲート電極5および6を覆うように層間絶縁膜26を形成し、層間絶縁膜26上に所定のパターンを有するレジストパターンを形成する。レジストパターンに従って層間絶縁膜26をエッチングすることにより、不純物領域17に達するコンタクトホール7を形成する。コンタクトホール7の側面と底面と層間絶縁膜26の表面を覆うようにドープトポリシリコンを堆積する。このドープトポリシリコンの表面を覆いかつコンタクトホール7を充填するようにタングステンシリサイドを堆積する。タングステンシリサイド上に所定のパターンを有するレジストパターン99を形成し、このレジストパターン99に従ってタングステンシリサイドとドープトポリシリコンとをエッチングすることにより、タングステンシリサイド層48とポリシリコン層38により構成されるビット線8a〜8dおよび18a〜18dを形成する。また、センスアンプ部3では、タングステンシリサイド層48とポリシリコン層38からなる配線20を形成する。
【0043】
図7〜図9を参照して、層間絶縁膜26上に層間絶縁膜27を形成する。不純物領域31aに達するコンタクトホール9を層間絶縁膜26および27に形成し、不純物領域31bに達するコンタクトホール10を層間絶縁膜26および27に形成する。
【0044】
図1〜3を参照して、コンタクトホール9および10を充填するようにドープトポリシリコンを堆積する。このドープトポリシリコンを所定の形状にパターニングすることにより不純物領域31aに電気的に接続されたストレージノード11と、不純物領域31bに電気的に接続されたストレージノード12を形成する。ストレージノード11および12の上に層間絶縁膜(図示せず)およびセルプレート29を形成することにより図1〜図3で示す半導体装置が完成する。
【0045】
このような製造工程に従えば、図1〜図3で示す半導体装置を、特別な工程を付加することなく容易に製造することができる。
【0046】
(比較例1)
図10は、比較例1に従った半導体記憶装置の断面図である。図3で示す半導体記憶装置において、図21で示す従来のストレージノードを形成するためのパターンを用いれば図10で示すストレージノード12と導電層53が形成される。ストレージノード12はシリコン基板18と電気的に接続され、導電層53は、シリコン基板18と電気的に接続されない。
【0047】
このような半導体記憶装置においては、導電層53がシリコン基板18と電気的に接続されていないので導電層53を形成するプラズマエッチングの際に導電層53となる部分が十分エッチングされない。そのため、隣り合うダミーセル部のストレージノード12だけでなくメモリセル部のストレージノード11とも接触しショートするという問題がある。
【0048】
また、導電層53を形成しないことも考えられるが、この場合、ストレージノード12上に誘電体膜、セルプレート、層間絶縁膜を堆積していくと、不純物領域31a上の層間絶縁膜では高さが低くなる。そのため、この層間絶縁膜上にアルミニウムなどからなる配線を形成すると、不純物領域31a上で配線が所定の形状にパターニングされず、配線が断線するということが予想される。
【0049】
(実施の形態3)
図11は、この発明の実施の形態2に従った半導体記憶装置の平面図である。図11で示すビット線118a〜118dのダミーセル部2上での幅は、図1で示すものよりも広くなっている。また、図11で示すビット線108a〜108dは、ダミーセル部2上に延びていない。また図11において隣り合うビット線間の距離をW3 、ビット線の幅の狭い部分の幅をW4 、ビット線の幅の広い部分の幅をW5 とすると、これらの間にはW5 =W3 +2・W4 で示す関係が成り立つ。その他の構成については図11で示す半導体記憶装置は図1で示す半導体記憶装置と同様であるので、その説明は繰返さない。
【0050】
図12は図11中のB−B線に沿って見た断面を示す図である。図12で示す断面は実施例1の図3で示す断面に対応する。図12中のビット線118cは図3中のビット線18cよりも幅が広く、ビット線118cは2つの分離酸化膜19と不純物領域31aの上に位置している。なお、図11中のA−A線に沿って見た断面は、図3で示すものと同様であるのでその説明は繰返さない。
【0051】
このように構成された半導体記憶装置においては、ビット線の幅をさらに広げることができる。そのため、ビット線を形成する際のフォトリソグラフィ工程において分離酸化膜19が途切れる箇所からの光の反射により分離酸化膜19上のビット線の部分が細くなったとしても能動領域上にビット線が存在する。その結果、ビット線の断線を抑制できる。
【0052】
(実施の形態4)
実施の形態4では、図11および図12で示す半導体記憶装置の製造方法について説明する。
【0053】
図13および15は図11で示す半導体記憶装置の製造工程を示す平面図である。図14は図13中のB−B線に沿って見た断面を示す図である。図16は図15中のB−B線に沿って見た断面を示す図である。なお、図13中のA−A線に沿って見た断面は図5で示され、図15中のA−A線に沿って見た断面は図8で示される。
【0054】
図13および図14を参照して、実施の形態2と同様に、シリコン基板18上に分離酸化膜19、ゲート電極5および6、不純物領域31a、31bおよび32、サイドウォール酸化膜23、層間絶縁膜26を形成する。層間絶縁膜26上にドープトポリシリコンを堆積し、このドープトポリシリコン上にタングステンシリサイドを堆積する。タングステンシリサイド上に所定のパターンを有するレジストパターン119を形成する。レジストパターン119に従ってタングステンシリサイドおよびドープトポリシリコンをエッチングすることにより、タングステンシリサイド層148とポリシリコン層138からなるビット線108a〜108dおよび118a〜118dを形成する。
【0055】
図15および図16を参照して、ビット線118bおよび118cを覆うように層間絶縁膜27を形成する。層間絶縁膜27上に所定のパターンを有するレジストパターンを形成する。このレジストパターンに従って層間絶縁膜26および27をエッチングすることにより不純物領域31aに達するコンタクトホール9と不純物領域31bに達するコンタクトホール10を形成する。
【0056】
図11および図12を参照して、コンタクトホール9および10を充填しかつ層間絶縁膜27の表面を覆うようにドープトポリシリコンを堆積する。このドープトポリシリコン上に所定のパターンを有するレジストパターンを形成する。このレジストパターンに従ってドープトポリシリコンをエッチングすることによりストレージノード11および12を形成する。ストレージノード11および12上に層間絶縁膜(図示せず)およびセルプレート29を形成することにより図11および図12で示す半導体記憶装置が完成する。
【0057】
このような製造工程に従えば、図11および図12で示すような半導体記憶装置を、特別な工程を付加することなく容易に製造することができる。
【0058】
(比較例2)
図17は、比較例2に従った半導体記憶装置の断面図である。図12で示す半導体記憶装置において、図21で示す従来のストレージノードを形成するためのパターンを用いれば図17で示すストレージノード12と導電層53が形成される。ストレージノード12はシリコン基板18と電気的に接続され、導電層53はシリコン基板18と電気的に接続されない。
【0059】
このような半導体記憶装置においては、比較例1と同様に、導電層53がシリコン基板19と電気的に接続されていないので、プラズマエッチングで導電層53を形成する際に導電層53を所定の形状にパターニングできない。そのため、隣り合うダミーセル部のストレージノード12だけでなくメモリセル部のストレージノード11とも接触しショートするという問題がある。
【0060】
また、導電層53を形成しなければ、ストレージノード12を覆うように層間絶縁膜(図示せず)およびセルプレート29および層間絶縁膜を形成した場合、不純物領域31a上の層間絶縁膜の高さが低くなる。そのため、この層間絶縁膜上にアルミニウムなどからなる配線を形成すれば、この配線が不純物領域31a上で所定の形状にパターニングされにくくなり、配線の断線が生じるという問題が考えられる。
【0061】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0062】
【発明の効果】
請求項1〜3に記載の発明によれば、ビット線の断線を抑制できる半導体記憶装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1に従った半導体記憶装置を示す平面図である。
【図2】図1中のA−A線に沿って見た断面を示す図である。
【図3】図1中のB−B線に沿って見た断面を示す図である。
【図4】図1で示す半導体記憶装置の製造方法の第1工程を示す平面図である。
【図5】図4中のA−A線に沿って見た断面を示す図である。
【図6】図4中のB−B線に沿って見た断面を示す図である。
【図7】図1で示す半導体記憶装置の製造方法の第2工程を示す平面図である。
【図8】図7中のA−A線に沿って見た断面を示す図である。
【図9】図7中のB−B線に沿って見た断面を示す図である。
【図10】比較例1に従った半導体記憶装置の断面図である。
【図11】この発明の実施の形態3に従った半導体記憶装置の平面図である。
【図12】図11中のB−B線に沿って見た断面を示す図である。
【図13】図11で示す半導体記憶装置の製造方法の第1工程を示す平面図である。
【図14】図13中のB−B線に沿って見た断面を示す図である。
【図15】図11で示す半導体記憶装置の製造方法の第2工程を示す断面図である。
【図16】図15中のB−B線に沿って見た断面を示す図である。
【図17】比較例2に従った半導体記憶装置の断面図である。
【図18】従来の半導体記憶装置の平面図である。
【図19】図18中のC−C線に沿って見た断面を示す図である。
【図20】図18中のD−D線に沿って見た断面を示す図である。
【図21】図18中のE−E線に沿って見た断面を示す図である。
【図22】図18で示す半導体記憶装置の製造方法の第1工程を示す平面図である。
【図23】図22中のC−C線に沿って見た断面を示す図である。
【図24】図22中のD−D線に沿って見た断面を示す図である。
【図25】図22中のE−E線に沿って見た断面を示す図である。
【図26】図18で示す半導体記憶装置の製造方法の第2工程を示す平面図である。
【図27】図26中のC−C線に沿って見た断面を示す図である。
【図28】図26中のD−D線に沿って見た断面を示す図である。
【図29】図26中のE−E線に沿って見た断面を示す図である。
【図30】従来の製造工程における問題点を説明するための半導体記憶装置の断面図である。
【図31】ビット線が細くなった従来の半導体記憶装置の平面図である。
【図32】図31中のF−F線に沿って見た断面を示す図である。
【符号の説明】
1 メモリセル部、2 ダミーセル部、3 センスアンプ部、4a,4b 能動領域、8a〜8d,18a〜18d,108a〜108d,118a〜118d ビット線、9,10 コンタクトホール、12 ストレージノード。
Claims (3)
- 情報を記憶するためのメモリセルアレイ領域と、
前記メモリセルアレイ領域内の情報を読出す信号を増幅するためのセンスアンプ領域と、
前記メモリセルアレイ領域から前記センスアンプ領域まで延在するビット線とを備え、
前記メモリセルアレイ領域は、情報の記憶に関与するメモリセル部と、前記メモリセル部に隣接して形成された、情報の記憶に関与しないダミーセル部とを有し、
前記ダミーセル部は、能動領域と、前記能動領域を取囲むように形成された分離酸化膜と、前記能動領域に電気的に接続された導電層とを含み、
前記ビット線は、前記ダミーセル部において前記分離酸化膜とそれに隣接する前記能動領域の上に延在するビット線部分を含み、前記ビット線部分は他の部分よりも相対的に広い幅を有し、
前記ダミーセル部において前記ビット線部分の上に前記導電層が形成されており、
前記ダミーセル部は、第1のダミーセル部分と、前記第1のダミーセル部分に隣接して設けられる第2のダミーセル部分とを含み、
前記導電層と前記能動領域とは前記第1のダミーセル部分で電気的に接続され、前記導電層と前記能動領域とは前記第2のダミーセル部分で電気的に接続されていない、半導体記憶装置。 - 前記センスアンプ領域は、前記メモリセルアレイ領域の一方端部に隣接して設けられる第1のセンスアンプ部と、前記メモリセルアレイ領域の他方端部に隣接して設けられる第2のセンスアンプ部とを含み、
前記ビット線は、前記第1のセンスアンプ部に電気的に接続される第1のビット線と、前記第2のセンスアンプ部に電気的に接続される第2のビット線とを含む、請求項1に記載の半導体記憶装置。 - 前記第1のダミーセル部分には、前記能動領域と前記導電層とを電気的に接続するコンタクトホールが形成され、前記第2のダミーセル部分には、前記能動領域と前記導電層とを電気的に接続するコンタクトホールが形成されていない、請求項1または2に記載の半導体記憶装置。
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