JP3618304B2 - ハイドロフォーム法による偏芯管の製造方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はハイドロフォーム法による偏芯管の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ハイドロフォーム法が着目されている。ハイドロフォーム法は、筒状体の内部に水圧などの流体圧を膨出方向に作用させることにより、筒状体の周壁を膨出変形させる技術である。ハイドロフォーム法によれば、溶接を廃止または簡略化できるため、溶接歪などの不具合を低減させることができる。またハイドロフォーム法で成形された製品は、鋳物などに比較して軽量化を図ることができる。このようにハイドロフォーム法は数々の利点をもつため、種々の製品を成形する際に用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記したハイドロフォーム法によれば、同芯性を保ちつつ筒状体の周壁を径外方向に膨出させて拡管した同芯管を製造するものであり、偏芯管を製造するものではなく、用途の拡大には限界があった。
【0004】
本発明は上記した実情に鑑みなされたものであり、ハイドロフォーム法を用いて偏芯管を製造することができ、これにより用途を拡大できる偏芯管の製造方法を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るハイドロフォーム法による偏芯管の製造方法は、筒状体の内部に流体圧を膨出方向に作用させることにより、前記筒状体の周壁の一部を他の部分よりも半径方向において相対的に大きく膨出変形させ、1次偏芯拡管部分を有する1次偏芯管を形成する第1工程と、前記1次偏芯管の内部に流体圧を膨出方向に作用させつつ、前記1次偏芯管の前記1次偏芯拡管部分を外側から軸長方向に沿って加圧手段によって加圧することにより、前記1次偏芯拡管部分の軸長寸法を短縮させつつ、前記1次偏芯拡管部分を径外方向に更に膨出変形させ、2次偏芯拡管部分を有する2次偏芯管を形成する第2工程とを順に実施することを特徴とするものである。
【0006】
本発明に係るハイドロフォーム法による偏芯管の製造方法によれば、第1工程において、筒状体の周壁の一部を他の部分よりも半径方向において相対的に大きく膨出変形させ、周壁が偏芯した1次偏芯拡管部分を有する1次偏芯管を形成する。このように1次偏芯拡管部分を有する1次偏芯管を予め形成するため、第2工程において、1次偏芯管の内部に流体圧を膨出方向に作用させつつ、前記1次偏芯管の1次偏芯拡管部分を外側から軸長方向に沿って加圧手段によって加圧することにより、1次偏芯拡管部分の軸長寸法を短縮させつつ、1次偏芯拡管部分を径外方向に更に膨出変形させることができる。これにより1次偏芯管の1次偏芯拡管部分よりも拡管度及び偏芯度が高められた2次偏芯拡管部分を有する2次偏芯管を形成することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明に係るハイドロフォーム法による偏芯管の製造方法によれば、筒状体の材質としては塑性変形能に富む金属が好ましく、鉄系、アルミニウム系合金、チタン系合金、銅系合金等を例示できる。殊に筒状体が鉄系である場合には、耐熱性及び耐食性に優れたステンレス鋼を例示することができ、塑性変形能が高いオーステナイト系及びフェライト系を例示できる。流体圧としては水圧、油圧が一般的である。前記した第1工程は複数の工程で構成することもできる。同様に、前記した第2工程も複数の工程で構成することもできる。
【0008】
本発明に係るハイドロフォーム法による偏芯管の製造方法によれば、次の形態を採用することができる。
【0009】
・2次偏芯管を形成するにあたっては、周壁の皺や座屈等の成形不良の発生を抑えるために、周壁全体をなるべく均一に膨出変形させて拡管させることが好ましい。しかしこの場合には、最終製品において不必要通路部分も拡管されてしまうおそれがある。そこで、第2工程を実施した後に、2次偏芯管の2次偏芯拡管部分のうち、径方向における膨出量が相対的に少ない領域を、2次偏芯管の軸長方向に沿って加圧して潰すことにより、2次偏芯管の2次偏芯拡管部分の一部に圧潰部を形成する第3工程を実施する形態を採用することができる。圧潰部は、最終製品において不必要通路部分に相当する。このように第3工程において最終製品の不必要通路部分に相当する圧潰部を形成するため、その前に実施される第2工程において、2次偏芯管の2次偏芯拡管部分をなるべく平均化して膨出変形させて拡管させることができる。従って第2工程において拡管度及び偏芯度が大きい場合であっても、皺や座屈等の成形不良が生じることを抑制することができる。
【0010】
・第2工程又は第3工程を実施した後に、2次偏芯管の内部に流体圧を膨出方向に作用させることにより、2次偏芯管の2次偏芯拡管部分の壁を軸長方向に向けて膨らませる形態を採用することができる。これにより2次偏芯管の2次偏芯拡管部分で包囲される通路を、丸みを帯びた断面形状とすることができる。また、第2工程又は第3工程を実施した後に、切断手段により2次偏芯管の周壁を切断して2次偏芯管の周壁に開口を形成する開口形成工程を実施する形態を採用することができる。切断手段としては、レーザビームやメタルソー等が挙げられる。開口には他の部材をスライド可能に嵌めることができる。
【0011】
・前記したように形成された2次偏芯管がタービンハウジングの内管として用いられる形態を採用することができる。タービンハウジングは、外管と、外管内に配置された内管とを備えている。タービンハウジングとしては車両の内燃機関に搭載されるタービンに使用されるハウジングを例示することができる。
【0012】
【実施例】
以下、本発明を具体化した実施例について図1〜図10を参照して説明する。まず、図1に模式的に示すような筒状体1を用いる。筒状体1は塑性変形能に富む金属製(オーステナイト系ステンレス鋼)であり、直状円筒形状をなしている。第1工程においては、図2に模式的に示すように、成形型面20をもつ第1型2、成形型面30をもつ第2型3、成形型面40をもつ第3型4、成形型面50をもつ第4型5を用いる。筒状体1の中心軸線Naから成形型面20の外端までの外端径をr1とし、筒状体1の中心軸線Naから成形型面40の外端までの外端径をr2とすると、r1はr2よりも大きく設定されている。
【0013】
そして第1型2、第2型3、第3型4、第4型5に筒状体1をセットするとともに、流体通過孔90及びシール部材91をもつプラグ9を筒状体1の端部にセットする。この状態で、2個1組のプラグ9を互いに接近する方向に付勢させつつ、流体供給源に接続された流体通過孔90から筒状体1の内部に流体95を供給し、筒状体1の内部に流体圧P1(3〜100MPa)を膨出方向に作用させる。これにより筒状体1の周壁の一部を他の部分よりも半径方向において相対的に大きく膨出変形させる。この結果、1次偏芯拡管部分60を有する1次偏芯管6を形成する。なお、前記した筒状体1の周壁の一部と他の部分とは筒状体1の径方向において互いに背向する部位である。1次偏芯管6の1次偏芯拡管部分60の軸長寸法をL1(図2参照)として示す。図7は1次偏芯拡管部分60を有する1次偏芯管6を模式的に示す。図7に示すように、1次偏芯拡管部分60は1次偏芯管6の端部6a,6bの軸芯に対して偏芯している。なお第1工程を終えたら、第1型2、第2型3、第3型4、第4型5から1次偏芯管6を離脱させる。
【0014】
第2工程においては、図3及び図4に示すように、成形型面20Bをもつ第1型2B、成形型面30Bをもつ第2型3B、成形型面40Bをもつ第3型4B、成形型面50Bをもつ第4型5Bを用いる。第1型2B、第2型3B、第3型4B、第4型5Bは、加圧手段として機能する。成形型面20B,30B,40B,50Bは1次偏芯管6の軸直角方向に沿っている。図3に示すように、1次偏芯管6の中心軸線Nbから成形型面20Bの外端までの外端径をr4とし、1次偏芯管6の中心軸線Nbから成形型面40Bの外端までの外端径をr5とすると、r4はr5よりも大きく設定されている。また1次偏芯管6の中心軸線Nbから成形型面30Bの外端までの外端径をr6(=r4)とし、1次偏芯管6の中心軸線Nbから成形型面50Bの外端までの外端径をr7(=r5)とすると、r6はr7よりも大きく設定されている。
【0015】
そして、第1型2B、第2型3B、第3型4B、第4型5Bに1次偏芯管6をセットすると共に、プラグ9を1次偏芯管6の端部6a,6bにセットする。この状態で、2個1組のプラグ9を互いに接近する方向に付勢させつつ、1次偏芯管6の内部にプラグ9の流体通過孔90から流体95を供給して流体圧P2(3〜30MPa)を膨出方向に作用させる。更に、第1型2B及び第2型3Bを互いに接近する方向(矢印B1,B2方向)に移動させると共に、第3型4B及び第4型5Bを互いに接近させる方向(矢印B1,B2方向)に1次偏芯管6の軸長方向に沿って移動させる。これにより第1型2Bの成形型面20B及び第2型3Bの成形型面30Bを1次偏芯拡管部分60に加圧し、1次偏芯管6の1次偏芯拡管部分60を径外方向(矢印R1,R2方向)に更に膨出変形させつつ、1次偏芯拡管部分60の軸長寸法L1を短縮させる。矢印R1方向への膨出量は、矢印R2方向への膨出量よりも大きい。この結果、図4に模式的に示すように、2次偏芯拡管部分70を有する2次偏芯管7を形成する。2次偏芯管7の2次偏芯拡管部分70は、1次偏芯拡管部分60の軸長寸法L1よりも短い軸長寸法L2(L1>L2)を有しており、1次偏芯管6の1次偏芯拡管部分60よりも偏平化されている。図8は2次偏芯拡管部分70を有する2次偏芯管7を模式的に示す。図8に模式的に示すように2次偏芯管7において、2次偏芯拡管部分70は2次偏芯管7の端部7a,7bの軸芯に対して偏芯している。なお第2工程を終えたら、第1型2B、第2型3B、第3型4B、第4型5Bから2次偏芯管7を離脱させる。
【0016】
次に第3工程を実施する。第3工程においては図5から理解できるように、成形型面20Cをもつ第1型2C、成形型面30Cをもつ第2型3C、成形型面40Cをもつ第3型4C、成形型面50Cをもつ第4型5Cを用いる。そして、第1型2C、第2型3C、第3型4C、第4型5Cに2次偏芯管7をセットした状態で、2次偏芯管7の内部に流体を供給して流体圧を膨出方向に作用させつつ、第1型2C及び第2型3Cを互いに接近する方向に移動させると共に、第3型4C及び第4型5Cを互いに接近させる方向に移動させる。これにより2次偏芯管7の2次偏芯拡管部分70のうち径方向における膨出量が少ない領域を、軸長方向に沿って加圧して潰す。この結果、2次偏芯管7の2次偏芯拡管部分70の一部に圧潰部73を形成する。図9は2次偏芯管7の2次偏芯拡管部分70に圧潰部73を形成した状態を模式的に示す。なお第3工程を終えたら、第1型2C、第2型3C、第3型4C、第4型5Cから2次偏芯管7を離脱させる。
【0017】
次に第4工程を実施する。第4工程においては、図6に模式的に示すように、成形型面20Dをもつ第1型2D、成形型面30Dをもつ第2型3D、成形型面40Dをもつ第3型4D、成形型面50Dをもつ第4型5Dを用いる。成形型面20D,30D,40D,50Dは凹形状に窪んでいる。そして第1型2D、第2型3D、第3型4D、第4型5Dに2次偏芯管7をセットすると共に、プラグ9を2次偏芯管7の端部7a,7bにセットした状態で、2次偏芯管7の内部に流体95を供給して流体圧P4(10〜200MPa)を膨出方向に作用させる。これにより2次偏芯管7の2次偏芯拡管部分70を軸長方向(矢印X1,X2方向)に向けて膨らませる。この結果、2次偏芯管7の2次偏芯拡管部分70を、丸みをもつ通路78を有する断面形状とする。このように2次偏芯拡管部分70を軸長方向(矢印X1,X2方向)に向けて膨らませるため、通路78の流路面積が確保される。図10は2次偏芯管7の2次偏芯拡管部分70を膨らませて通路78を形成した状態を模式的に示す。なお第4工程を終えたら、第1型2D、第2型3D、第3型4D、第4型5Dから2次偏芯管7を離脱させる。
【0018】
更に、上記したように形成した2次偏芯管7の周壁に開口75を形成する開口形成工程を実施する。この場合には、図10に模式的に示すように、切断手段としてのレーザビーム98を2次偏芯管7の2次偏芯拡管部分70の周壁に外側から軌跡MAに沿って照射することにより周壁の一部を切断し、開口75を形成する。レーザビーム98としては、一般的には、高エネルギ密度を有するCO2レーザビーム、YAGレーザビームを採用する。
【0019】
以上説明したように本実施例によれば、第1工程において、筒状体1の内部に流体圧を膨出方向に作用させることにより、筒状体1の周壁の一部を他の部分よりも半径方向において相対的に大きく膨出変形させ、周壁が偏芯した1次偏芯拡管部分60を有する1次偏芯管6を形成する。このように周壁が偏芯した1次偏芯拡管部分60を有する1次偏芯管6を先行して形成する。このため、次工程である第2工程において、1次偏芯管6の1次偏芯拡管部分60の内部に流体圧を膨出方向に作用させつつ、1次偏芯管6の1次偏芯拡管部分60を外側から軸長方向に沿って加圧して1次偏芯拡管部分60の軸長寸法L1をL2に短縮させれば、1次偏芯管6の1次偏芯拡管部分60よりも拡管度及び偏芯度が高い2次偏芯拡管部分70を有する2次偏芯管7を容易に形成することができる。
【0020】
ところで拡管度及び偏芯度が高い偏芯構造の管を形成するにあたっては、周壁の皺や座屈等の成形不良の発生を抑えるために、周壁全体をなるべく均一に膨出変形させることが好ましい。しかしこの場合には、最終製品において不必要通路部分も拡管されて形成されてしまうおそれがある。そこで、第2工程を実施した後の第3工程において、2次偏芯管7の2次偏芯拡管部分70のうち、径方向における膨出量が相対的に少ない領域を、軸長方向に沿って加圧して潰すことにより、2次偏芯管7の2次偏芯拡管部分70の一部に圧潰部73を形成する。圧潰部73は、最終製品において不必要通路部分に相当する。このように本実施例によれば、第3工程において最終製品の不必要通路部分に相当する圧潰部73を形成するため、その前に実施される第2工程において、2次偏芯管7の2次偏芯拡管部分70の拡管度及び偏芯度が大きい場合であっても、周壁をなるべく平均化して膨出変形させて拡管させることができ、皺や座屈等の成形不良が生じることを抑制することができる。
【0021】
また本実施例によれば、2次偏芯管7の内部に流体圧を膨出方向に作用させることにより、2次偏芯管7の2次偏芯拡管部分70の壁を軸長方向に向けて膨らませる。このため2次偏芯拡管部分70をこれが丸みを帯びるように膨らませることができ、2次偏芯拡管部分70の壁で包囲された空間の流路面積が確保され、前記空間を通路として使用し易くなる。
【0022】
また本実施例によれば、切断手段としてレーザビーム98により2次偏芯管7の周壁を切断して2次偏芯管7の周壁に開口75を形成している。この開口75に他の部材を嵌めることができ、2次偏芯管7の用途を拡げることができる。
【0023】
(適用例)
図11及び図12は車両の内燃機関に搭載するタービンハウジング300に適用した適用例を模式的に示す。図11及び図12に示すようにタービンハウジング300は、外管310と、外管310内に配置された内周面320a,320bを有する内管320と、リング形状の第1フランジ340と、リング形状の第2フランジ350と、リング形状の第3フランジ部360とを備えている。外管310は第1外管311と第2外管312とを組み付け、両者の合わせ面を溶接して形成されている。
【0024】
内管320は前述したハイドロフォーム法により形成されたスクロール形状の2次偏芯管7で形成されている。内管320を構成する2次偏芯管7の通路78には、内燃機関の排気ポートから排出された高温の排気ガスが流れる。内管320を構成する2次偏芯管7の開口75には、可動筒400が矢印M1,M2方向にスライド可能に嵌合されている。これにより可動筒400のスライドにより熱膨張・熱収縮を吸収することができる。本適用例によれば、内管320を、従来から使用されている鋳物製品に代えて、ハイドロフォーム法で形成したステンレス鋼製の2次偏芯管7を用いているため、軽量化及び高強度化を図ることができる。
【0025】
その他、本発明は上記した且つ図面に示した実施例及び適用例に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できるものである。
【0026】
【発明の効果】
本発明に係るハイドロフォーム法による偏芯管の製造方法によれば、第1工程において、筒状体の周壁の一部を他の部分よりも半径方向において相対的に大きく膨出変形させ、周壁が偏芯した1次偏芯拡管部分を有する1次偏芯管を形成する。このように2次工程に先立って、周壁が偏芯している1次偏芯拡管部分を有する1次偏芯管を予め形成するため、第2工程において1次偏芯拡管部分を1次偏芯管の内部に流体圧を膨出方向に作用させつつ、1次偏芯管の偏芯拡管部分を外側から軸長方向に沿って加圧手段により加圧して1次偏芯拡管部分の軸長寸法を短縮させれば、1次偏芯管の1次偏芯拡管部分よりも拡管度及び偏芯度が高い2次偏芯拡管部分を有する2次偏芯管を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1工程を実施する前の筒状体を模式的に示す断面図である。
【図2】1次偏芯拡管部分を有する1次偏芯管をハイドロフォーム法により形成した状態を模式的に示す断面図である。
【図3】1次偏芯管を用い、2次偏芯拡管部分を有する2次偏芯管をハイドロフォーム法により形成する直前の状態を模式的に示す断面図である。
【図4】2次偏芯拡管部分を有する2次偏芯管をハイドロフォーム法により形成した状態を模式的に示す断面図である。
【図5】圧潰部を形成した2次偏芯管の側面図である。
【図6】2次偏芯管の2次偏芯拡管部分を軸長方向に沿ってハイドロフォーム法により膨らませた状態を模式的に示す断面図である。
【図7】1次偏芯拡管部分を有する1次偏芯管を模式的に示す斜視図である。
【図8】2次偏芯拡管部分を有する2次偏芯管を模式的に示す斜視図である。
【図9】圧潰部を有する2次偏芯管を模式的に示す斜視図である。
【図10】2次偏芯拡管部分を軸長方向に沿って膨らませた2次偏芯管を模式的に示す断面図である。
【図11】車両の内燃機関に搭載するタービンハウジングに適用した適用例を模式的に示す断面図である。
【図12】車両の内燃機関に搭載するタービンハウジングに適用した適用例を模式的に示す異なる方向の断面図である。
【符号の説明】
図中、1は筒状体、6は1次偏芯管、60は1次偏芯拡管部分、7は2次偏芯管、70は2次偏芯拡管部分、73は圧潰部、75は開口、95は流体、2Bは第1型(加圧手段)、3Bは第2型(加圧手段)、4Bは第3型(加圧手段)、5Bは第4型(加圧手段)を示す。
【発明の属する技術分野】
本発明はハイドロフォーム法による偏芯管の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ハイドロフォーム法が着目されている。ハイドロフォーム法は、筒状体の内部に水圧などの流体圧を膨出方向に作用させることにより、筒状体の周壁を膨出変形させる技術である。ハイドロフォーム法によれば、溶接を廃止または簡略化できるため、溶接歪などの不具合を低減させることができる。またハイドロフォーム法で成形された製品は、鋳物などに比較して軽量化を図ることができる。このようにハイドロフォーム法は数々の利点をもつため、種々の製品を成形する際に用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記したハイドロフォーム法によれば、同芯性を保ちつつ筒状体の周壁を径外方向に膨出させて拡管した同芯管を製造するものであり、偏芯管を製造するものではなく、用途の拡大には限界があった。
【0004】
本発明は上記した実情に鑑みなされたものであり、ハイドロフォーム法を用いて偏芯管を製造することができ、これにより用途を拡大できる偏芯管の製造方法を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るハイドロフォーム法による偏芯管の製造方法は、筒状体の内部に流体圧を膨出方向に作用させることにより、前記筒状体の周壁の一部を他の部分よりも半径方向において相対的に大きく膨出変形させ、1次偏芯拡管部分を有する1次偏芯管を形成する第1工程と、前記1次偏芯管の内部に流体圧を膨出方向に作用させつつ、前記1次偏芯管の前記1次偏芯拡管部分を外側から軸長方向に沿って加圧手段によって加圧することにより、前記1次偏芯拡管部分の軸長寸法を短縮させつつ、前記1次偏芯拡管部分を径外方向に更に膨出変形させ、2次偏芯拡管部分を有する2次偏芯管を形成する第2工程とを順に実施することを特徴とするものである。
【0006】
本発明に係るハイドロフォーム法による偏芯管の製造方法によれば、第1工程において、筒状体の周壁の一部を他の部分よりも半径方向において相対的に大きく膨出変形させ、周壁が偏芯した1次偏芯拡管部分を有する1次偏芯管を形成する。このように1次偏芯拡管部分を有する1次偏芯管を予め形成するため、第2工程において、1次偏芯管の内部に流体圧を膨出方向に作用させつつ、前記1次偏芯管の1次偏芯拡管部分を外側から軸長方向に沿って加圧手段によって加圧することにより、1次偏芯拡管部分の軸長寸法を短縮させつつ、1次偏芯拡管部分を径外方向に更に膨出変形させることができる。これにより1次偏芯管の1次偏芯拡管部分よりも拡管度及び偏芯度が高められた2次偏芯拡管部分を有する2次偏芯管を形成することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明に係るハイドロフォーム法による偏芯管の製造方法によれば、筒状体の材質としては塑性変形能に富む金属が好ましく、鉄系、アルミニウム系合金、チタン系合金、銅系合金等を例示できる。殊に筒状体が鉄系である場合には、耐熱性及び耐食性に優れたステンレス鋼を例示することができ、塑性変形能が高いオーステナイト系及びフェライト系を例示できる。流体圧としては水圧、油圧が一般的である。前記した第1工程は複数の工程で構成することもできる。同様に、前記した第2工程も複数の工程で構成することもできる。
【0008】
本発明に係るハイドロフォーム法による偏芯管の製造方法によれば、次の形態を採用することができる。
【0009】
・2次偏芯管を形成するにあたっては、周壁の皺や座屈等の成形不良の発生を抑えるために、周壁全体をなるべく均一に膨出変形させて拡管させることが好ましい。しかしこの場合には、最終製品において不必要通路部分も拡管されてしまうおそれがある。そこで、第2工程を実施した後に、2次偏芯管の2次偏芯拡管部分のうち、径方向における膨出量が相対的に少ない領域を、2次偏芯管の軸長方向に沿って加圧して潰すことにより、2次偏芯管の2次偏芯拡管部分の一部に圧潰部を形成する第3工程を実施する形態を採用することができる。圧潰部は、最終製品において不必要通路部分に相当する。このように第3工程において最終製品の不必要通路部分に相当する圧潰部を形成するため、その前に実施される第2工程において、2次偏芯管の2次偏芯拡管部分をなるべく平均化して膨出変形させて拡管させることができる。従って第2工程において拡管度及び偏芯度が大きい場合であっても、皺や座屈等の成形不良が生じることを抑制することができる。
【0010】
・第2工程又は第3工程を実施した後に、2次偏芯管の内部に流体圧を膨出方向に作用させることにより、2次偏芯管の2次偏芯拡管部分の壁を軸長方向に向けて膨らませる形態を採用することができる。これにより2次偏芯管の2次偏芯拡管部分で包囲される通路を、丸みを帯びた断面形状とすることができる。また、第2工程又は第3工程を実施した後に、切断手段により2次偏芯管の周壁を切断して2次偏芯管の周壁に開口を形成する開口形成工程を実施する形態を採用することができる。切断手段としては、レーザビームやメタルソー等が挙げられる。開口には他の部材をスライド可能に嵌めることができる。
【0011】
・前記したように形成された2次偏芯管がタービンハウジングの内管として用いられる形態を採用することができる。タービンハウジングは、外管と、外管内に配置された内管とを備えている。タービンハウジングとしては車両の内燃機関に搭載されるタービンに使用されるハウジングを例示することができる。
【0012】
【実施例】
以下、本発明を具体化した実施例について図1〜図10を参照して説明する。まず、図1に模式的に示すような筒状体1を用いる。筒状体1は塑性変形能に富む金属製(オーステナイト系ステンレス鋼)であり、直状円筒形状をなしている。第1工程においては、図2に模式的に示すように、成形型面20をもつ第1型2、成形型面30をもつ第2型3、成形型面40をもつ第3型4、成形型面50をもつ第4型5を用いる。筒状体1の中心軸線Naから成形型面20の外端までの外端径をr1とし、筒状体1の中心軸線Naから成形型面40の外端までの外端径をr2とすると、r1はr2よりも大きく設定されている。
【0013】
そして第1型2、第2型3、第3型4、第4型5に筒状体1をセットするとともに、流体通過孔90及びシール部材91をもつプラグ9を筒状体1の端部にセットする。この状態で、2個1組のプラグ9を互いに接近する方向に付勢させつつ、流体供給源に接続された流体通過孔90から筒状体1の内部に流体95を供給し、筒状体1の内部に流体圧P1(3〜100MPa)を膨出方向に作用させる。これにより筒状体1の周壁の一部を他の部分よりも半径方向において相対的に大きく膨出変形させる。この結果、1次偏芯拡管部分60を有する1次偏芯管6を形成する。なお、前記した筒状体1の周壁の一部と他の部分とは筒状体1の径方向において互いに背向する部位である。1次偏芯管6の1次偏芯拡管部分60の軸長寸法をL1(図2参照)として示す。図7は1次偏芯拡管部分60を有する1次偏芯管6を模式的に示す。図7に示すように、1次偏芯拡管部分60は1次偏芯管6の端部6a,6bの軸芯に対して偏芯している。なお第1工程を終えたら、第1型2、第2型3、第3型4、第4型5から1次偏芯管6を離脱させる。
【0014】
第2工程においては、図3及び図4に示すように、成形型面20Bをもつ第1型2B、成形型面30Bをもつ第2型3B、成形型面40Bをもつ第3型4B、成形型面50Bをもつ第4型5Bを用いる。第1型2B、第2型3B、第3型4B、第4型5Bは、加圧手段として機能する。成形型面20B,30B,40B,50Bは1次偏芯管6の軸直角方向に沿っている。図3に示すように、1次偏芯管6の中心軸線Nbから成形型面20Bの外端までの外端径をr4とし、1次偏芯管6の中心軸線Nbから成形型面40Bの外端までの外端径をr5とすると、r4はr5よりも大きく設定されている。また1次偏芯管6の中心軸線Nbから成形型面30Bの外端までの外端径をr6(=r4)とし、1次偏芯管6の中心軸線Nbから成形型面50Bの外端までの外端径をr7(=r5)とすると、r6はr7よりも大きく設定されている。
【0015】
そして、第1型2B、第2型3B、第3型4B、第4型5Bに1次偏芯管6をセットすると共に、プラグ9を1次偏芯管6の端部6a,6bにセットする。この状態で、2個1組のプラグ9を互いに接近する方向に付勢させつつ、1次偏芯管6の内部にプラグ9の流体通過孔90から流体95を供給して流体圧P2(3〜30MPa)を膨出方向に作用させる。更に、第1型2B及び第2型3Bを互いに接近する方向(矢印B1,B2方向)に移動させると共に、第3型4B及び第4型5Bを互いに接近させる方向(矢印B1,B2方向)に1次偏芯管6の軸長方向に沿って移動させる。これにより第1型2Bの成形型面20B及び第2型3Bの成形型面30Bを1次偏芯拡管部分60に加圧し、1次偏芯管6の1次偏芯拡管部分60を径外方向(矢印R1,R2方向)に更に膨出変形させつつ、1次偏芯拡管部分60の軸長寸法L1を短縮させる。矢印R1方向への膨出量は、矢印R2方向への膨出量よりも大きい。この結果、図4に模式的に示すように、2次偏芯拡管部分70を有する2次偏芯管7を形成する。2次偏芯管7の2次偏芯拡管部分70は、1次偏芯拡管部分60の軸長寸法L1よりも短い軸長寸法L2(L1>L2)を有しており、1次偏芯管6の1次偏芯拡管部分60よりも偏平化されている。図8は2次偏芯拡管部分70を有する2次偏芯管7を模式的に示す。図8に模式的に示すように2次偏芯管7において、2次偏芯拡管部分70は2次偏芯管7の端部7a,7bの軸芯に対して偏芯している。なお第2工程を終えたら、第1型2B、第2型3B、第3型4B、第4型5Bから2次偏芯管7を離脱させる。
【0016】
次に第3工程を実施する。第3工程においては図5から理解できるように、成形型面20Cをもつ第1型2C、成形型面30Cをもつ第2型3C、成形型面40Cをもつ第3型4C、成形型面50Cをもつ第4型5Cを用いる。そして、第1型2C、第2型3C、第3型4C、第4型5Cに2次偏芯管7をセットした状態で、2次偏芯管7の内部に流体を供給して流体圧を膨出方向に作用させつつ、第1型2C及び第2型3Cを互いに接近する方向に移動させると共に、第3型4C及び第4型5Cを互いに接近させる方向に移動させる。これにより2次偏芯管7の2次偏芯拡管部分70のうち径方向における膨出量が少ない領域を、軸長方向に沿って加圧して潰す。この結果、2次偏芯管7の2次偏芯拡管部分70の一部に圧潰部73を形成する。図9は2次偏芯管7の2次偏芯拡管部分70に圧潰部73を形成した状態を模式的に示す。なお第3工程を終えたら、第1型2C、第2型3C、第3型4C、第4型5Cから2次偏芯管7を離脱させる。
【0017】
次に第4工程を実施する。第4工程においては、図6に模式的に示すように、成形型面20Dをもつ第1型2D、成形型面30Dをもつ第2型3D、成形型面40Dをもつ第3型4D、成形型面50Dをもつ第4型5Dを用いる。成形型面20D,30D,40D,50Dは凹形状に窪んでいる。そして第1型2D、第2型3D、第3型4D、第4型5Dに2次偏芯管7をセットすると共に、プラグ9を2次偏芯管7の端部7a,7bにセットした状態で、2次偏芯管7の内部に流体95を供給して流体圧P4(10〜200MPa)を膨出方向に作用させる。これにより2次偏芯管7の2次偏芯拡管部分70を軸長方向(矢印X1,X2方向)に向けて膨らませる。この結果、2次偏芯管7の2次偏芯拡管部分70を、丸みをもつ通路78を有する断面形状とする。このように2次偏芯拡管部分70を軸長方向(矢印X1,X2方向)に向けて膨らませるため、通路78の流路面積が確保される。図10は2次偏芯管7の2次偏芯拡管部分70を膨らませて通路78を形成した状態を模式的に示す。なお第4工程を終えたら、第1型2D、第2型3D、第3型4D、第4型5Dから2次偏芯管7を離脱させる。
【0018】
更に、上記したように形成した2次偏芯管7の周壁に開口75を形成する開口形成工程を実施する。この場合には、図10に模式的に示すように、切断手段としてのレーザビーム98を2次偏芯管7の2次偏芯拡管部分70の周壁に外側から軌跡MAに沿って照射することにより周壁の一部を切断し、開口75を形成する。レーザビーム98としては、一般的には、高エネルギ密度を有するCO2レーザビーム、YAGレーザビームを採用する。
【0019】
以上説明したように本実施例によれば、第1工程において、筒状体1の内部に流体圧を膨出方向に作用させることにより、筒状体1の周壁の一部を他の部分よりも半径方向において相対的に大きく膨出変形させ、周壁が偏芯した1次偏芯拡管部分60を有する1次偏芯管6を形成する。このように周壁が偏芯した1次偏芯拡管部分60を有する1次偏芯管6を先行して形成する。このため、次工程である第2工程において、1次偏芯管6の1次偏芯拡管部分60の内部に流体圧を膨出方向に作用させつつ、1次偏芯管6の1次偏芯拡管部分60を外側から軸長方向に沿って加圧して1次偏芯拡管部分60の軸長寸法L1をL2に短縮させれば、1次偏芯管6の1次偏芯拡管部分60よりも拡管度及び偏芯度が高い2次偏芯拡管部分70を有する2次偏芯管7を容易に形成することができる。
【0020】
ところで拡管度及び偏芯度が高い偏芯構造の管を形成するにあたっては、周壁の皺や座屈等の成形不良の発生を抑えるために、周壁全体をなるべく均一に膨出変形させることが好ましい。しかしこの場合には、最終製品において不必要通路部分も拡管されて形成されてしまうおそれがある。そこで、第2工程を実施した後の第3工程において、2次偏芯管7の2次偏芯拡管部分70のうち、径方向における膨出量が相対的に少ない領域を、軸長方向に沿って加圧して潰すことにより、2次偏芯管7の2次偏芯拡管部分70の一部に圧潰部73を形成する。圧潰部73は、最終製品において不必要通路部分に相当する。このように本実施例によれば、第3工程において最終製品の不必要通路部分に相当する圧潰部73を形成するため、その前に実施される第2工程において、2次偏芯管7の2次偏芯拡管部分70の拡管度及び偏芯度が大きい場合であっても、周壁をなるべく平均化して膨出変形させて拡管させることができ、皺や座屈等の成形不良が生じることを抑制することができる。
【0021】
また本実施例によれば、2次偏芯管7の内部に流体圧を膨出方向に作用させることにより、2次偏芯管7の2次偏芯拡管部分70の壁を軸長方向に向けて膨らませる。このため2次偏芯拡管部分70をこれが丸みを帯びるように膨らませることができ、2次偏芯拡管部分70の壁で包囲された空間の流路面積が確保され、前記空間を通路として使用し易くなる。
【0022】
また本実施例によれば、切断手段としてレーザビーム98により2次偏芯管7の周壁を切断して2次偏芯管7の周壁に開口75を形成している。この開口75に他の部材を嵌めることができ、2次偏芯管7の用途を拡げることができる。
【0023】
(適用例)
図11及び図12は車両の内燃機関に搭載するタービンハウジング300に適用した適用例を模式的に示す。図11及び図12に示すようにタービンハウジング300は、外管310と、外管310内に配置された内周面320a,320bを有する内管320と、リング形状の第1フランジ340と、リング形状の第2フランジ350と、リング形状の第3フランジ部360とを備えている。外管310は第1外管311と第2外管312とを組み付け、両者の合わせ面を溶接して形成されている。
【0024】
内管320は前述したハイドロフォーム法により形成されたスクロール形状の2次偏芯管7で形成されている。内管320を構成する2次偏芯管7の通路78には、内燃機関の排気ポートから排出された高温の排気ガスが流れる。内管320を構成する2次偏芯管7の開口75には、可動筒400が矢印M1,M2方向にスライド可能に嵌合されている。これにより可動筒400のスライドにより熱膨張・熱収縮を吸収することができる。本適用例によれば、内管320を、従来から使用されている鋳物製品に代えて、ハイドロフォーム法で形成したステンレス鋼製の2次偏芯管7を用いているため、軽量化及び高強度化を図ることができる。
【0025】
その他、本発明は上記した且つ図面に示した実施例及び適用例に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できるものである。
【0026】
【発明の効果】
本発明に係るハイドロフォーム法による偏芯管の製造方法によれば、第1工程において、筒状体の周壁の一部を他の部分よりも半径方向において相対的に大きく膨出変形させ、周壁が偏芯した1次偏芯拡管部分を有する1次偏芯管を形成する。このように2次工程に先立って、周壁が偏芯している1次偏芯拡管部分を有する1次偏芯管を予め形成するため、第2工程において1次偏芯拡管部分を1次偏芯管の内部に流体圧を膨出方向に作用させつつ、1次偏芯管の偏芯拡管部分を外側から軸長方向に沿って加圧手段により加圧して1次偏芯拡管部分の軸長寸法を短縮させれば、1次偏芯管の1次偏芯拡管部分よりも拡管度及び偏芯度が高い2次偏芯拡管部分を有する2次偏芯管を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1工程を実施する前の筒状体を模式的に示す断面図である。
【図2】1次偏芯拡管部分を有する1次偏芯管をハイドロフォーム法により形成した状態を模式的に示す断面図である。
【図3】1次偏芯管を用い、2次偏芯拡管部分を有する2次偏芯管をハイドロフォーム法により形成する直前の状態を模式的に示す断面図である。
【図4】2次偏芯拡管部分を有する2次偏芯管をハイドロフォーム法により形成した状態を模式的に示す断面図である。
【図5】圧潰部を形成した2次偏芯管の側面図である。
【図6】2次偏芯管の2次偏芯拡管部分を軸長方向に沿ってハイドロフォーム法により膨らませた状態を模式的に示す断面図である。
【図7】1次偏芯拡管部分を有する1次偏芯管を模式的に示す斜視図である。
【図8】2次偏芯拡管部分を有する2次偏芯管を模式的に示す斜視図である。
【図9】圧潰部を有する2次偏芯管を模式的に示す斜視図である。
【図10】2次偏芯拡管部分を軸長方向に沿って膨らませた2次偏芯管を模式的に示す断面図である。
【図11】車両の内燃機関に搭載するタービンハウジングに適用した適用例を模式的に示す断面図である。
【図12】車両の内燃機関に搭載するタービンハウジングに適用した適用例を模式的に示す異なる方向の断面図である。
【符号の説明】
図中、1は筒状体、6は1次偏芯管、60は1次偏芯拡管部分、7は2次偏芯管、70は2次偏芯拡管部分、73は圧潰部、75は開口、95は流体、2Bは第1型(加圧手段)、3Bは第2型(加圧手段)、4Bは第3型(加圧手段)、5Bは第4型(加圧手段)を示す。
Claims (5)
- 筒状体の内部に流体圧を膨出方向に作用させることにより、前記筒状体の周壁の一部を他の部分よりも半径方向において相対的に大きく膨出変形させ、1次偏芯拡管部分を有する1次偏芯管を形成する第1工程と、
前記1次偏芯管の内部に流体圧を膨出方向に作用させつつ、前記1次偏芯管の前記1次偏芯拡管部分を外側から軸長方向に沿って加圧手段により加圧することにより、前記1次偏芯拡管部分の軸長寸法を短縮させつつ、前記1次偏芯拡管部分を径外方向に更に膨出変形させ、2次偏芯拡管部分を有する2次偏芯管を形成する第2工程とを順に実施することを特徴とするハイドロフォーム法による偏芯管の製造方法。 - 請求項1において、前記第2工程を実施した後に、前記2次偏芯管の前記2次偏芯拡管部分のうち、径方向における膨出量が相対的に少ない領域を、前記2次偏芯管の軸長方向に沿って加圧して潰すことにより、前記2次偏芯管の前記2次偏芯拡管部分の一部に圧潰部を形成する第3工程を実施することを特徴とするハイドロフォーム法による偏芯管の製造方法。
- 請求項1または請求項2において、前記2次偏芯管の内部に流体圧を膨出方向に作用させることにより、前記2次偏芯管の前記2次偏芯拡管部分の壁を軸長方向に向けて膨らませることを特徴とするハイドロフォーム法による偏芯管の製造方法。
- 請求項1から請求項3のいずれか一項において、切断手段により前記2次偏芯管の周壁を切断して前記2次偏芯管の周壁に開口を形成する開口形成工程を実施することを特徴とするハイドロフォーム法による偏芯管の製造方法。
- 請求項1から請求項4のいずれか一項において、タービンハウジングの内管として用いられることを特徴とするハイドロフォーム法による偏芯管の製造方法。
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