JP3811020B2 - 蝶形弁及び蝶形弁の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、弁箱内部の流路を該流路と略直交する弁軸回りに揺動する弁体により開閉する構成とした蝶形弁(バタフライバルブ)及びその製造方法に関し、更に詳しくは、前記流路を形成する筒部の両端に円皿形のガスケット座を備える内筒を、これと別体に構成された外殻としての円筒形の外筒に内嵌固定して前記弁箱を構成してなる蝶形弁及び該蝶形弁の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
弁箱の内部に形成された流路を、該流路と略直交する弁軸回りに揺動する円板形の弁体により開閉する構成とした蝶形弁(バタフライバルブ)は、流路構成が単純であるという構造上の利点を有し、また、全閉から全開までの開閉操作が、前記弁軸及び弁体を略90°揺動させることにより行わせ得るという操作上の利点を有しており、主として低圧流体用の配管系における流路開閉用の弁として広く用いられている。
【0003】
このような蝶形弁の弁体は、その周面の径方向に対向する2か所に平坦部を備える円板であり、両平坦部の夫々から径方向に突設された弁軸を介して弁箱内に支持される。従って、このような弁体が配される弁箱内部の流路は、前記弁体の閉止時にこれの周面に保持されたシールリングとの密着性を高め、確実な閉止状態を得るべく、前記弁体と対応する断面形状、即ち、径方向に対向する2か所に弁軸挿通用の平坦部を有する円形断面としてある。
【0004】
本願出願人の一方による特公平3-50150号公報及び特公平3-75791号公報等には、以上の如き弁箱内部の流路断面を高精度に実現するため、流路を形成する内筒を管材のプレス成形により製造し、この内筒を単純な円筒形状を有する外筒に内嵌固定して弁箱を構成してなる蝶形弁が開示されている。
【0005】
図8は、この種の蝶形弁の内筒の外観斜視図である。図示の如く内筒1は、流路を形成する筒状部の両端を拡径し、平底の円皿形をなすガスケット座10,10を形成してなり、これらのガスケット座10,10を介して円筒形をなす外筒に内嵌され、溶接等の接合手段により相互に固定されて前記弁箱を構成すべく用いられている。
【0006】
このような内筒1の内側流路を開閉する弁体3は、図8中に2点鎖線により略示するように円板形状を有し、外周面の径方向に対向する2か所には、揺動軸としての弁軸30の突出させるために平坦化された座部31,31が設けられており、これらの座部31,31に対応するように、前記内筒1の筒状部には、径方向に対向する2か所に適幅に亘る平坦部11,11が設けられ、これらの平坦部11,11の中央には、前記弁軸30の挿通孔12,12が開設されている。
【0007】
図9は、以上の如き内筒1の従来の製造手順の説明図である。内筒1の製造においては、図9(a)に示す如く、予め所定長さに切断された円管を素管Aとして用い、まず、図9(b)に示す如く、前記素管Aの両端部をテーパ状に拡径せしめて第1成形管A1 を作成し、次いで、この第1成形管A1 の両端拡径部の拡径比とテーパ部の傾斜角度とを段階的に増加させる成形を行い、図9(c)及び図9(d)に示す如く第2,第3成形管A2 ,A3 を作成する。
【0008】
図9(d)に示す第3成形管A3 は、両端の拡径部が前記ガスケット座10,10として必要な拡径比及び形状を備えるが、これらの間の筒状部は、前記素管Aとして用いた円管の断面形状を有している。次いで、第3成形管A3 の筒状部周面の必要か所を平坦化して、図9(e)に示す如く、前記平坦部11,11(片側のみ図示)を備える第4成形管A4 を作成し、最後に、これらの平坦部11,11の中央に前記挿通孔12,12を開設して、図9(f)及び前記図8に示す如き内筒1が製造される。
【0009】
図10は、以上の製造手順における第2成形管A2 から第3成形管A3 への成形方法の説明図である。第3成形管A3 は、上型B及び下型Cとの間にて第2成形管A2 をプレス成形して得られる。上型B及び下型Cは、第3成形管A3 の半部の内のり形状に対応する外形を有する内型B1 ,C1 を、第3成形管A3 の拡径側端部の最大外径に対応する内径を有する円筒形の外型B2 ,C2 の内側に夫々一体化して構成されている。
【0010】
素材となる第2成形管A2 は、図10(a)に示す如く、下型C上に同軸的にセットし、該下型Cに向けて接近移動する上型Bとの間に挾持する。この後、前記上型Bを更に接近移動させると、夫々の内型B1 , C1 の形状に沿うように第2成形管A2 の上下の各半部が拡径せしめられ、図10(b)に示す如く、上型B及び下型Cが合わせられたとき、これらの内型B1 ,C1 により夫々の側の半部が成形されて第3成形管A3 が得られる。なお、素管Aから第1成形管A1 への成形、及び第1成形管A1 から第2成形管A2 への成形も、夫々に対応する上型及び下型とを用いて同様にして行われる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
以上の如く行われる内筒1の製造方法において、素管Aから第3成形管A3 までの成形工程を複数回に分けるのは、素管Aの外径からガスケット座10,10の外径に至るまでの拡径比が大きいためである。ガスケット座10,10の外径は、これに装着されるガスケットの所要面積に応じて選定されるため、拡径比が更に大きくなり、4回以上の成形工程が必要となる場合もある。
【0012】
また、前述した第3成形管A3 の成形に用いる上型B及び下型Cは、両者の接近時における変形を可能とするため、第2成形管A2 との当接面をテーパ面としておく必要があり、このテーパ面に沿って形成される第3成形管A3 両側のガスケット座10,10は、外周側が浅く、内周側が深いテーパ状の底面を有することとなり、望ましい形状である平底円皿形のガスケット座10,10を形成するには、形状修正のために更に1工程の成形が必要となる。
【0013】
このように、従来の蝶形弁の内筒1の製造においては、ガスケット座10,10の形成のための多数回の成形工程を要し、更にその後、平坦部11,11の形成、及び挿通孔12,12の穴あけを含めて多大の工数が必要となり、また夫々の成形工程での精度確保が難しいという問題があった。
【0014】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、蝶形弁の内筒の成形工数を削減し、高い生産性にて良好な形状精度を有して製造され得る内筒を備える蝶形弁を提供し、また、この蝶形弁の製造方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1発明に係る蝶形弁は、径方向に対向する2か所に弁軸挿通用の平坦部を有する円筒体の軸長方向両端部に円皿状に拡径されたガスケット座を備える内筒を、前記ガスケット座を介して外筒に内嵌固定して弁箱を構成し、該弁箱内部の流路を前記弁軸回りに揺動する弁体により開閉する蝶形弁において、前記内筒は、素材管の内部に液圧を加え、該素材管の周壁を軸長方向の所定間隔毎に波形に屈曲成形してなる液圧成形管を用い、該液圧成形管を夫々の波形の頂点近傍の軸断面において切断して各切断片の両側に残る波形の半部を前記ガスケット座として構成してあり、前記弁体は、外周に巻着されたシールリングを介して前記流路の内面に密着させてあることを特徴とする。
【0016】
本発明においては、素材管の周壁を内部に導入される液圧の作用により屈曲成形し、軸長方向に適宜のピッチ毎に並設された複数の波形突起を備える液圧成形管を用い、この成形管を、夫々の波形の頂点近傍の軸断面において切断して、各切断片の両側に残る波形の半部をガスケット座として内筒を構成し、ガスケット座の間の円筒部により形成される流路の内面に、外周に巻着されたシールリングを介して弁体を密着させて閉止状態を実現する蝶形弁を構成する。波形に屈曲成形された周壁を有する液圧成形管は、流体輸送用の配管系の振動を吸収すべく、該配管系の中途に介装して用いられるフレキシブルチューブとして製品化されている。
【0019】
また本発明の第2発明に係る蝶形弁の製造方法は、径方向に対向する2か所に弁軸挿通用の平坦部を有する円筒形状を有し、軸長方向の両端部を円皿状に拡径して形成されたガスケット座を介して外筒に内嵌固定されて弁箱を構成する内筒を備える蝶形弁の製造方法において、マンドレルに挿通された素材管を、該マンドレルと、これの外側にて軸長方向に接離する一対の金型との間に挾持し、これらの金型を、前記素材管の内側に液圧を加えつつ前記マンドレルに沿って接近させて突き合わせ、前記液圧の作用により外側に膨れ出す前記素材管の周壁を両金型の合わせ形状に沿わせて波形に屈曲せしめる液圧成形により、軸長方向の所定間隔毎に波形の屈曲部を有する周壁を備える液圧成形管を製造し、この液圧成形管を、夫々の波形の頂点近傍の軸断面において切断し、各切断片の両側に残る波形の半部を前記ガスケット座として前記内筒を構成することを特徴とする。
【0020】
この発明においては、筒形のマンドレルと、該マンドレルの外側にて軸長方向に接離する一対の金型とを備えるフレキシブルチューブ製造用の液圧成形設備を用い、マンドレルに挿通された素材管の内側に液圧を作用させつつ、これらの外側を挾持する金型を接近移動させて突き合わせる成形手順の繰り返しにより、軸長方向の所定間隔毎に複数の波形屈曲部を有する周壁を備える液圧成形管を製造した後、この液圧成形管を各波形屈曲部の頂点近傍にて切断する手順により、前記波形屈曲部の形成個数に対応する数の蝶形弁内筒を、夫々について一回の成形により、高い生産性及び良好な形状精度を有して製造する。
【0021】
更に本発明の第3発明に係る蝶形弁内筒の製造方法は、第2発明に係る蝶形弁の製造方法において、前記マンドレル及び一対の金型の前記素材管の挾持部を、径方向に対向する2か所が平坦化された円形断面とし、前記液圧成形の過程での前記金型の接近動作により、前記弁軸挿通用の平坦部を一括成形することを特徴とする。
【0022】
この発明においては、マンドレル及び金型の形状設定により、素材管の周壁を波形に屈曲成形する際に、夫々の波形間の管状部を蝶形弁内筒に要求される軸断面、即ち、径方向に対向する2か所が平坦化された円形断面に一括成形し、波形頂部での切断により得られるガスケット座間の筒状部の後成形を不要とし、一層の工数削減を図る。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。図1は、本発明に係る蝶形弁の縦断面図である。この蝶形弁は、前記特公平3-50150号公報、特公平3-75791号公報等に開示された蝶形弁と同様に、流路を形成する内筒1を、単純な円筒形状を有する外筒2に内嵌固定してなる弁箱の内部に弁体3を備えている。
【0024】
内筒1は、流路を形成する筒状部の両端を拡径し、平底の円皿形をなすガスケット座10,10を形成してなり、これらのガスケット座10,10を介して円筒形をなす外筒2に内嵌され、溶接等の接合手段により固定されている。弁体3は径方向に貫通する弁軸30を一体に備え、また外周にゴム製のシールリング31が巻着された円板であり、前記内筒1の筒状部に嵌め込まれている。
【0025】
弁軸30は、内筒1の夫々の該当位置に形成された挿通孔12,12(図8参照)を経て内筒1の外側に突出されており、一側の短寸の突出部は、対応する挿通孔12の外位置に面して前記外筒2の内側に配された支持ブッシュ13により支持されている。また他側の長寸の突出部は、前記外筒2の周壁を径方向に貫通し、同側の挿通孔12の外位置に臨ませた支持筒20内に延長され、該支持筒20内に嵌着された支持ブッシュ14により支持させてある。
【0026】
外筒2の外方へ延びる支持筒20の端部には、開閉レバー、開閉ハンドル、開閉モータ等の開閉用の操作手段(図示せず)の取付け座となる固定フランジ23が設けてある。前記弁軸30の先端部は、環状のカラー24により抜け止めしたOリング25により封止されて前記固定フランジ23の略中央に突出し、該固定フランジ23に取付けられた前記操作手段に連結されている。
【0027】
以上の如く構成された蝶形弁は、内筒1両側のガスケット座10,10に環状のガスケットG,Gを取付け、図1中に2点鎖線により示す管フランジF,F間に介装し、これらの管フランジF,Fを、周方向に複数本の通しボルト15,15…により締め付け、前記ガスケットG,Gに押し付けることにより、内筒1及び外筒2からなる弁箱を配管系の中途に液密に介装して用いられる。
【0028】
この状態で内筒1は、配管系に連続する流路を形成し、この流路は、前記操作手段の操作に応じて弁軸30と共に揺動する弁体3により開閉される。図1は、全閉時の弁体3の状態を示しており、このとき弁体3は、内筒1の軸心に対して直交し、前記流路は、外周のシールリング31を介して内筒1の筒状部に密着する弁体3により閉止される。このような状態にある弁体3は、前記弁軸30と共に90°揺動することにより内筒1の軸心に対して平行となり、前記流路は、弁体3の厚さ分を除いて全開される。
【0029】
以上の如き蝶形弁の内筒1は、前記図8に示す如く、両側のガスケット座10,10に挟まれた筒状部の径方向に対向する2か所に適幅の平坦部11,11を備え、これらの平坦部11,11の中央に、前記弁体3の弁軸30が挿通される挿通孔12,12を開設して構成されている。本発明の特徴は、以上の如き内筒1の構成、更には、この内筒1の製造方法にある。図2は、本発明に係る蝶形弁の内筒1の製造手順の説明図である。
【0030】
蝶形弁の内筒1の製造においては、図2(a)に示す如き液圧成形管4を用いる。この液圧成形管4は、円管状の素材チューブの周壁を屈曲成形し、軸長方向に適宜のピッチ毎に並ぶ複数(図においては3つ)の波形突起40,40…を形成してなり、例えば、流体輸送用の配管系の中途に介装されて、内部流れの作用による振動、外部からの加振による振動等の各種の振動を、前記波形突起40、40…夫々の弾性変形により吸収するフレキシブルチューブとして用いられているものである。なお、前記波形突起40,40…の形成個数は、図2(a)に示す3つに限らず、後述する成形用装置の大きさ、素材チューブの長さによる制限を超えない範囲において適宜に設定することができる。
【0031】
本発明において用いる液圧成形管4の波形突起40,40…は、製品として得るべき内筒1両端のガスケット座10,10の深さの略2倍の軸長寸法を有して形成されている。また相隣する波形突起40,40間の筒状部の長さは、前記内筒1の両側のガスケット座10,10間の筒状部に対応させてあり、この筒状部には、後述する成形装置の構成により、図2(a)中に2点鎖線により示す如く、前記平坦部11,11に対応する平坦成形部41,41(片側のみ図示)を一体に成形することが可能である。
【0032】
以上の如く構成された液圧成形管4は、夫々の波形突起40,40…の頂点近傍の軸断面において、即ち、図2(a)中に破線により示す切断線に沿って切断される。各波形突起40は、前述の如く、得るべきガスケット座10の深さの略2倍の軸長寸法を有しており、前記切断線により切断された切断片は、図2(b)に示す如く、短寸の筒体の両側に波形突起40,40の半部が残された形状となり、これらの半部により円皿状の拡径部としてのガスケット座10,10が構成される。
【0033】
従って、前記平坦成形部41,41が一体成形されている場合、これらの中央に弁軸30挿通用の挿通孔12,12を開設して平坦部11,11を構成し、また前記平坦成形部41,41が一体成形されていない場合、個々の切断片の筒状部を径方向に対向する位置にて平坦化した後、平坦化部分の中央に前記挿通孔12,12を開設して平坦部11,11を構成することにより、図8に示す如き形状をなす内筒1を製造することができる。なお、このような内筒1の製造においては、前記液圧成形管4と同等の形状を有しておれば、液圧成形以外の成形方法によって成形された成形管を用いてもよい。
【0034】
図3は、以上の如き液圧成形管4の製造に用いる素材チューブを示す。図示の如く素材チューブ5は、円形断面を有する管体であり、その先端部には、適宜の長さに亘って小なる拡径比にてテーパ状に拡径し、この拡径部50の周上の径方向の対向する2か所に所定幅の平坦部51,51(片側のみ図示)を設けて、最終製品となる内筒1の筒状部の断面形状に対応させる予備成形が施されている。
【0035】
この予備成形は、液圧成形のための成形装置への装着を可能とするために、素材チューブ5の先端部に限ってなされるものであり、例えば、図中に2点鎖線により示す如く、テーパ状に縮径する先端部を備える所定断面のポンチPを、円形断面を有する管材の先端に打ち込むことにより簡易に実施することができる。なお、前記平坦成形部41,41を後成形する場合、前記予備成形は、円管の先端部を所定の内径に至るまで拡径するのみでよい。
【0036】
図4及び図5は、液圧成形管4の成形手順の説明図である。この成形は、前述したフレキシブルチューブの製造用として実用化されている装置を小改良した成形装置を用いる。この装置は、マンドレル6と、該マンドレル6の外側に軸長方向に並設された一対の金型(固定金型7及び移動金型8)とを備えて構成されている。
【0037】
マンドレル6は、図3に示す如く予備成形された素材チューブ5の先端部に対応する断面形状、即ち、円形断面の径方向に対向する2か所に所定幅の平坦部を設けてなる断面形状を有する筒体であり、軸長方向への移動不可に固定されている。該マンドレル6の先端には、前記素材チューブ5の他部、即ち、予備成形されていない円管部に対応する円形断面を有する円筒部60が同軸的に連設されており、該円筒部60及び前記マンドレル6の先端側外周には、Oリング等のシールリング61,62が巻着され、後述の如く外側に嵌め込まれる素材チューブ5の内面を液密に封止する封止部が夫々構成されており、これらの封止部間には、マンドレル6の軸心部に形成され、前記円筒部60の基端近傍の外周に連通する導圧孔63を介して高圧の液体(一般的には高圧水)が導かれるようにしてある。
【0038】
図6は、固定金型7の外観斜視図である。図示の如く固定金型7は、その軸心部に前記マンドレル6の断面形状に対応する支持孔71を備え、該支持孔71の2か所に設けた平坦部の中央において2つ割り可能としてあり、その一面(図6における正面)の支持孔71の周上には、前記波形突起40の半部に相当する成形用の凹所70が形成されている。なお前記支持孔71の周上の平坦部は、該支持孔71の割り面への連続部に設けた凹溝に矩形のブロック72を嵌め込む構成により高精度に形成することができる。
【0039】
図7は、移動金型8の外観斜視図である。図示の如く移動金型8は、前記固定金型7と同様、その軸心部に支持孔81を備え、該支持孔81の中央において2つ割り可能としてあり、その一面(図7における正面)には、前記支持孔81の外側を囲繞するように前記波形突起40の半部に相当する成形用の凹所80が形成されている。
【0040】
移動金型8の支持孔81は、固定金型7の支持孔71と同様、割り面を含む周上の2か所に矩形のブロック82,82を嵌め込んで形成された平坦部を備え、前記マンドレル6と対応する断面形状を有して前記一面から所定の深さに亘って形成されており、この支持孔81の内奥側には、マンドレル6先端の前記円筒部60に対応する円形断面の小径孔83が、テーパ状の縮径部を介して同軸的に連設されている。なお、図8に示す移動金型8は、軸長寸法を実際よりも減じてある。
【0041】
以上の如く構成された固定金型7は、マンドレル6の先端部外側に配設されており、図4及び図5中に一部を示す固定フレーム9により、前記凹所70の形成面の逆側から軸長方向への移動不可に支えられている。また、以上の如く構成された移動金型8は、マンドレル6の先端に連設された円筒部60の外側に、前記凹所80の形成面を前記固定金型7に対向させて配してあり、他面に当接するプレスヘッド90により押圧され、固定フレーム9との間に架設されたガイド杆91に沿って固定金型7に向けて移動する構成としてある。
【0042】
前述の如く構成された素材チューブ5は、図4(a)に示す如く、マンドレル6先端の円筒部60に外嵌せしめ、前記マンドレル6に先端側の予備成形部を外嵌せしめてセットされる。その後、夫々が2つ割り状態にある固定金型7及び移動金型8を合わせ、図4(b)に示す如く、マンドレル6への嵌合部の外側を固定金型7内周の支持孔71により掴持し、前記円筒部60への嵌合部の外側を、前記固定金型7から離反状態にある移動金型8内周の小径孔83により掴持して成形準備が完了する。
【0043】
このとき素材チューブ5の内側には、前記円筒部60外周のシールリング61及びマンドレル6の先端側外周のシールリング62が、移動金型8及び固定金型7の対応位置にて密着し、これらにより両側を液密に封止された圧力室が構成され、このようにセットされた素材チューブ5は、両側を封止された圧力室の内部に前記導圧孔63を介して高圧水を導入し、前記プレスヘッド90により移動金型8を押圧移動せしめることより成形される。図5(a)には成形初期の状態が示され、図5(b)には、成形完了後の状態が示されている。
【0044】
図5(a)に示す如く素材チューブ5は、前記圧力室内に導入される高圧水の圧力により、固定金型7及び移動金型8の当接部間にて外側に膨れ出すように変形し、これと共に移動金型8が、固定金型7に向けて移動せしめられ、図9に示す如く固定金型7に突き合わされる。この結果、前記素材チューブ5は、両金型7,8の合わせ部に形成された凹所70,80の内面に沿って変形し、これらの凹所70,80に対応する波形突起40が形成されると共に、この波片突起40の一側部分が、前記移動金型8の支持孔81の内面に沿って変形し、マンドレル6に対応する外形形状を有する予備成形部42が一体形成される。
【0045】
このような成形完了後、固定金型7及び移動金型8を開き、マンドレル6に向けて素材チューブ5を所定量送り込み、先の成形により得られた予備成形部42を前記マンドレル6に外嵌し、図4及び図5に示す手順を繰り返すことにより、図2(a)に示す液圧成形管4が製造される。
【0046】
このように製造される液圧成形管4は、軸長方向に並ぶ波形突起40,40…の夫々について各1回の成形を必要とするのみであり、夫々の成形により得られた波形突起40,40…は、固定金型7及び移動金型8の合わせ部の凹所70,80の形状に精度良く対応し高い形状精度が得られ、更に、各成形の工程において得られる予備成形部42が、前記平坦成形部41,41を備える波形突起40,40…間の円筒部となる。従って、このような液圧成形管4を用いる内筒1の製造は、両側のガスケット座10,10及び径方向に対向する2か所の平坦部11,11の一括成形と、各波形突起40の頂点での切断と、平坦部11,11に対する挿通孔12,12の穴あけとの3工程が必要となるのみであり、図9に示す従来の製造方法と比較して、大幅な工数削減が可能となる。
【0047】
【発明の効果】
以上詳述した如く本発明の第1発明に係る蝶形弁においては、その周壁を軸長方向の所定間隔毎に波形に屈曲成形してなる液圧成形管を用い、夫々の波形の頂点近傍の軸断面において切断し、各切断片の両側に残る波形の半部をガスケット座として内筒を構成したから、良好な形状精度を有する内筒を備える弁箱を高い生産性にて製造することができ、この弁箱の内側流路に外周に巻着されたシールリングを介して弁体を密着させる構成としたから、高い生産性にて製造され得る蝶形弁を提供することができる。
【0049】
また本発明の第2発明に係る蝶形弁の製造方法においては、マンドレルに挿通された素材管の内側に液圧を作用させつつ、これらの外側を挾持する金型を接近移動させて突き合わせる成形手順の繰り返しにより、軸長方向の所定間隔毎に複数の波形屈曲部を有する周壁を備える液圧成形管を製造するから、この液圧成形管を各波形屈曲部の頂点近傍にて切断する手順により、波形屈曲部の形成個数に対応する数の内筒を、夫々について一回の成形により良好な形状精度を有して製造することができる。
【0050】
更に本発明の第3発明に係る蝶形弁の製造方法においては、マンドレル及び一対の金型の素材管の挾持部を、径方向に対向する2か所が平坦化された円形断面としたから、液圧成形の過程において弁軸挿通用の平坦部を一括成形することができ、波形頂部での切断後の平坦部の後成形が不要となり、一層の工数削減が可能となる等、本発明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る蝶形弁の縦断面図である。
【図2】 本発明に係る蝶形弁の内筒の製造手順の説明図である。
【図3】 液圧成形管の製造に用いる素材チューブを示す図である。
【図4】 液圧成形管の成形手順の説明図である。
【図5】 液圧成形管の成形手順の説明図である。
【図6】 液圧成形管の成形に用いる固定金型の外観斜視図である。
【図7】 液圧成形管の成形に用いる移動金型の外観斜視図である。
【図8】 蝶形弁の内筒の外観斜視図である。
【図9】 蝶形弁の内筒の従来の製造手順の説明図である。
【図10】 図9に示す製造手順における成形管の成形方法の説明図である。
【符号の説明】
1 内筒
2 外筒
3 弁体
4 液圧成形管
5 素材チューブ
6 マンドレル
7 固定金型
8 移動金型
10 ガスケット座
11 平坦部
12 挿通孔
40 波形突起
41 平坦成形部
Claims (3)
- 径方向に対向する2か所に弁軸挿通用の平坦部を有する円筒体の軸長方向両端部に円皿状に拡径されたガスケット座を備える内筒を、前記ガスケット座を介して外筒に内嵌固定して弁箱を構成し、該弁箱内部の流路を前記弁軸回りに揺動する弁体により開閉する蝶形弁において、
前記内筒は、素材管の内部に液圧を加え、該素材管の周壁を軸長方向の所定間隔毎に波形に屈曲成形してなる液圧成形管を用い、該液圧成形管を夫々の波形の頂点近傍の軸断面において切断して各切断片の両側に残る波形の半部を前記ガスケット座として構成してあり、前記弁体は、外周に巻着されたシールリングを介して前記流路の内面に密着させてあることを特徴とする蝶形弁。 - 径方向に対向する2か所に弁軸挿通用の平坦部を有する円筒形状を有し、軸長方向の両端部を円皿状に拡径して形成されたガスケット座を介して外筒に内嵌固定されて弁箱を構成する内筒を備える蝶形弁の製造方法において、
マンドレルに挿通された素材管を、該マンドレルと、これの外側にて軸長方向に接離する一対の金型との間に挾持し、これらの金型を、前記素材管の内側に液圧を加えつつ前記マンドレルに沿って接近させて突き合わせ、前記液圧の作用により外側に膨れ出す前記素材管の周壁を両金型の合わせ形状に沿わせて波形に屈曲せしめる液圧成形により、軸長方向の所定間隔毎に波形の屈曲部を有する周壁を備える液圧成形管を製造し、この液圧成形管を、夫々の波形の頂点近傍の軸断面において切断し、各切断片の両側に残る波形の半部を前記ガスケット座として前記内筒を構成することを特徴とする蝶形弁の製造方法。 - 前記マンドレル及び一対の金型の前記素材管の挾持部を、径方向に対向する2か所が平坦化された円形断面とし、前記液圧成形の過程での前記金型の接近動作により、前記弁軸挿通用の平坦部を一括成形する請求項2記載の蝶形弁の製造方法。
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