JP3616934B2 - 加熱調理器 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、電子レンジやオーブンレンジ等に係わり、さらに詳しくは、絶対湿度センサ等の気体センサを用いて調理を制御する加熱調理器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の加熱調理器は例えば特開昭60−32288号公報に開示されている。図28はその公報に開示された電子レンジの回路構成図、図29はその電子レンジの概略断面図、図30は加熱時間の経過に伴って変化する絶対湿度センサの出力線図、図31は従来の電子レンジのタイミングチャートである。
【0003】
図28において、1はマグネトロン2、高圧トランス3、ダイオード4及びコンデンサ5で構成される高周波加熱装置、6は高周波加熱装置1と電源9との間に接続された接点6aを開閉するリレー、11はインターフェース10を介してリレー6を制御するマイクロコンピュータ、12は操作パネル13に配置され、各種の機能をマイクロコンピュータ11に設定するためのキースイッチである。14は絶対湿度センサで、大気中に露出された開放型サーミスタ15と、乾燥した空気中に封じ込められた密閉型サーミスタ16とからなり、直列接続された2つの抵抗17、18とでブリッジ回路19が構成されている。20は電流制限抵抗、21はブリッジ回路19に電源を供給する直流電源、22は増幅器である。
【0004】
図29において、23は加熱庫、24はロワー、25はブロワー24からの空気を加熱庫23内に取り入れるための吸気口、26は被加熱物である食品、27は吸気口25に対向する加熱庫23の側壁に設けられた排気口で、その近傍には前述した絶対湿度センサ14が設けられている。
【0005】
次に動作について説明する。高周波加熱装置1を起動させるべくキースイッチ12を押すと、この信号がマイクロコンピュータ11に入力され、このマイクロコンヒュータ11に予め設定されたキースイッチ12に対する調理条件で調理が行われる。まず、マイクロコンピュータ11はリレー6を作動して、高周波加熱装置1に電圧を供給する。供給された電圧は、高圧トランス3で昇圧され、ダイオード4とコンデンサ5とによって更に昇圧され、マグネトロン2に印加する。マグネトロン2はその高電圧によりマイクロ波を発生し加熱庫23内に照射する。マイクロ波は加熱庫23にある食品26に吸収され、食品26はマイクロ波加熱される。加熱された食品26からは水蒸気が発生し、その水蒸気はプロワー24からの空気と共に排気口27を通って絶対湿度センサ14に当たりながら通過する。このとき、絶対湿度センサ14の開放型サーミスタ15は加熱庫23からの水蒸気により温度が下がって抵抗値が大きくなるので、ブリッジ回路19の出力電圧Vbが発生し、これを増幅器22が増幅して絶対湿度検出信号VAHを得る。この絶対湿度検出信号VAHは、図30に示すように食品26の加熱時間uの経過に伴って変化する。このとき、絶対湿度検出信号VAHに対し基準レベルVAHO を予め決めておくことにより、加熱時開始からの絶対湿度検出信号VAHのレベルが前記基準レベルVAHO に達するまでの加熱時間u1を制御することができる。
【0006】
また、図31に示すように、調理開始以前に、加熱庫23内に前回の調理による水蒸気が残留していた場合、この水蒸気と今回の調理で発生する水蒸気とを区別するために、調理開始時にブロワー24のみを一定時間の間動作させて加熱庫23内のクリーニングを行ない、クリーニング終了時には高周波加熱装置1を起動させてマグネトロン2をONし、マイクロ波による食品26の加熱を行う。さらに、前記公報では、雰囲気温度の変化により絶対湿度検出信号VAHが変化し、基準レベルVAHO との間で加熱時間を正確に設定・制御することが困難にならないように、ブリッジ回路19の抵抗17、18の中点の電圧を雰囲気温度検出信号VTPとして取り出し、このVTPを基に絶対湿度検出信号VAHを補正した補正値Vで、食品26の加熱仕上がりを制御するようにし、雰囲気温度の影響を受けることなく再加熱が可能な電子レンジが開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前述した従来の加熱調理器では、再加熱を行なう場合、例えば1分で加熱調理が終了する食品26であっても、加熱庫23内をクリーニングする時間を要するために、その分、加熱調理時間が長くなっていた。
また、加熱調理開始前に加熱庫23内の絶対湿度検出信号VAHのレベルが異なった場合、予め設定された加熱終了の基準レベルVAHO が一定であるため、食品26から発生した水蒸気の絶対量が同じであっても最終的な加熱調理の終了時間に差が生じ、食品26の再加熱仕上がりにばらつきがあった。
さらに、今までの加熱調理器は、絶対湿度センサ14を用いた自動調理において、絶対湿度検出信号VAHを雰囲気温度検出信号VTPを基に補正した補正電圧Vが予め設定された基準レベルVAHO に達するまでの加熱時間u1が、被加熱物である食品26により様々であるため、使用者は調理ができあがるまでの時間が予測できないという課題もあった。
【0008】
本発明は、かかる課題を解消するためになされたもので、調理の総調理時間を延ばすことなく、絶対湿度センサによる調理終了検出を可能とすると共に、調理開始前の加熱庫内の絶対湿度レベルが異なっても、正確に食品の仕上がり状態を検出でき、新たな部品を追加してコストを上げることなく、使用者が食品の加熱状態及び経過を加熱調理終了以前に確認できる加熱調理器を得ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明に係る加熱調理器は、排気口を有し、被加熱物が収納される加熱庫と、被加熱物の重量を検出する重量センサと、加熱庫内の温度を検出する温度センサと、排気口の近傍に設けられ、排気口を介して排出される加熱庫からの気体を検出する気体センサと、重量センサの検出重量に基づいて被加熱物の加熱調理時間を設定する加熱時間設定手段と、被加熱物の加熱調理が開始されたときに温度センサの検出による庫内温度が所定温度を超えているかどうかを判定し、庫内温度が所定温度を超えていたときは、加熱時間設定手段により設定された加熱調理時間の経過後に被加熱物の加熱調理を終了し、また、庫内温度が所定温度以下のときは、気体センサの検出信号を所定時間毎に入力すると共に、その前の検出信号と比較して値の小さい方を基準値とし、かつ、その基準値を基準に検出信号が上限値△Vに達したかどうかを判定し、検出信号が上限値△Vに達する前に加熱調理時間を経過したときは加熱調理を終了し、この加熱調理時間を経過する前に前記検出信号が上限値△Vに達したときは加熱調理を終了する加熱終了判定手段とを備えたものである。
【0010】
(2)本発明に係る加熱調理器は、排気口を有し、被加熱物が収納される加熱庫と、排気口の近傍に設けられ、排気口を介して排出される加熱庫からの気体を検出する気体センサと、気体センサの検出信号のレベルを可変するための複数の抵抗器と、被加熱物の加熱調理が開始されたときに気体センサの検出信号のレベルが所定値Sの範囲内に入るように抵抗器から何れかの抵抗器を選択し、抵抗器の選択により検出信号のレベルが所定値Sの範囲内に入ったときは、そのレベルを当該検出信号に対する基準値として、選択した抵抗器と共に記憶手段に記憶する基準値設定手段と、被加熱物の加熱調理が開始されてから所定時間T1 を経過したときに、気体センサの検出信号を所定時間毎に入力して、基準値を基準にその検出信号が上限値△Vに達したかどうかを判定し、検出信号がその上限値△Vに達したときは加熱調理を終了する加熱終了判定手段と、加熱調理終了による加熱庫の扉が開放されてから所定時間H内で再び加熱調理が開始されたかどうかを判定し、所定時間H内で加熱調理が開始されなかったときは記憶手段に記憶された基準値と抵抗器を消去し、所定時間H内で再び加熱調理が開始されたときは記憶手段に記憶された基準値と抵抗器を保持する基準値管理手段とを備えたものである。
【0011】
(3)本発明に係る加熱調理器は、前記(2)において、基準値設定手段は、被加熱物の加熱調理が開始されたときに前記気体センサの検出信号のレベルが、範囲を有する所定値Sに代えて、一つの値からなる所定値Sに近似するように複数の抵抗器から何れかの抵抗器を選択し、抵抗器の選択により検出信号のレベルが前記所定値Sに近似したときは、そのレベルを検出信号に対する基準値として、選択した抵抗器と共に記憶手段に記憶する。
【0013】
【作用】
(1)本発明においては、被加熱物の加熱調理が開始されると、加熱終了判定手段は、温度センサの検出による庫内温度が所定温度を超えているかどうかを判定し、庫内温度が所定温度を超えていたときは、加熱時間設定手段により設定された加熱調理時間の経過後に被加熱物の加熱調理を終了する。また、温度センサにより検出された庫内温度が所定温度以下のときは、気体センサの検出信号を所定時間毎に入力すると共に、その前の検出信号と比較して値の小さい方を基準値とし、かつ、その基準値を基準に気体センサの検出信号が上限値△Vに達したかどうかを判定する。気体センサの検出信号が上限値△Vに達する前に加熱時間設定手段により設定された加熱調理時間を経過したときは加熱調理を終了し、この加熱調理時間を経過する前に気体センサの検出信号が上限値△Vに達したときは加熱調理を終了する。
【0014】
(2)本発明においては、被加熱物の加熱調理が開始されると、基準値設定手段は、気体センサの検出信号のレベルが所定値Sの範囲内に入るように複数の抵抗器から何れかの抵抗器を選択し、この抵抗器の選択により気体センサの検出信号のレベルが所定値Sの範囲内に入ったときは、そのレベルを検出信号に対する基準値として、選択した抵抗器と共に記憶手段に記憶する。一方、加熱終了判定手段は、被加熱物の加熱調理が開始されてから所定時間T1 を経過すると、気体センサの検出信号を所定時間毎に入力して、その都度、記憶手段に記憶された基準値を基準として気体センサの検出信号が上限値△Vに達したかどうかを判定し、検出信号がその上限値△Vに達したときは加熱調理を終了する。また、基準値管理手段は、加熱調理終了による加熱庫の扉が開放されてから所定時間H内で再び加熱調理が開始されたかどうかを判定し、所定時間H内で加熱調理が開始されなかったときは記憶手段に記憶された基準値と抵抗器を消去し、所定時間H内で再び加熱調理が開始されたときは記憶手段に記憶された基準値と抵抗器を保持する。
【0015】
(3)本発明においては、被加熱物の加熱調理が開始されると、基準値設定手段は、気体センサの検出信号のレベルが一つの値からなる所定値Sに近似するように複数の抵抗器から何れかの抵抗器を選択し、この抵抗器の選択により検出信号のレベルが前記所定値Sに近似したときは、そのレベルを検出信号に対する基準値として、選択した抵抗器と共に記憶手段に記憶する。
【0017】
【実施例】
実施例1.
以下、本発明の実施例1をオーブンレンジに適用して説明する。図1は本発明の実施例1を示すオーブンレンジの回路図、図2はオーブンレンジの概略断面図、図3は実施例1に係るオーブンレンジの排気ダクトを示す斜視図、図4及び図5はオーブンレンジの動作を説明するためのタイミングチャートである。なお、図28及び図29で説明した従来例と同一又は相当部分には同じ符号を付し説明を省略する。
【0018】
図において、7はヒータ8と電源9との間に接続された接点7aを開閉するリレー、8は前記のヒータで、加熱庫23の上部と下部とにそれぞれ設けられている。11aは本発明の加熱終了判定手段の機能を有するマイクロコンピュータ(以下、「マイコン」という)で、キースイッチ12からの入力信号に基づいてマグネトロン2及びブロワー24を同時にON、あるいはヒータ8のみをONする。このとき、絶対湿度センサ14の検出に基づく絶対湿度検出信号VAHが入力されるが、加熱調理開始してから時間T1経過後に絶対湿度検出信号VAHを読み込んで、その信号VAHのレベルが所定値に達したかどうかを判定する。絶対湿度検出信号VAHのレベルが所定値に達したときはマグネトロン2、ブロワー24等の電源をOFFして加熱調理を終了する。なお、この絶対湿度検出信号VAHの入力タイミングは、実施例3で説明するが、商用電源電圧のゼロボルト付近以外である。これは、高電圧でマグネトロン2を駆動する際に発生する誘導ノイズの影響を避けるためである。
【0019】
28はマグネトロン2から発振されたマイクロ波を給電口29に導く導波管、30は図示せぬモータによって回転し、食品26に均一にマイクロ波が照射されるようにするターンテーブルである。32は排気口27を覆うように加熱庫23の外壁に取り付けられた排気ダクトで、図3に示すように排気口27を覆う面には気体流入口32aが設けられ、図示していないがオーブンレンジの筐体の背面に穿設された開口部を覆う面には気体流出口32bが設けられている。この排気ダクト32は、底部を基準に気体の流出方向に行くに従って開口断面積が大きくなるような形状で、
A<B
の関係がなりたつように構成されている。また、気体流入口32a側の側面に対向する側面には絶対湿度センサ14が取り付けられている。この絶対湿度センサ14の開放型サーミスタ15と密閉型サーミスタ16は排気ダクト32内に突出している。
【0020】
前記のように構成されたオーブンレンジにおいて動作を説明する。まず図4のタイミングチャートに基づいて説明し、次いで図5のタイミングチャートに基づいて動作を説明する。
マイコン11aは、キースイッチ12の操作入力よりマイクロ波による加熱調理と判断すると、直ちにマグネトロン2とブロワー24とをONし、絶対湿度センサ14の検出に基づく絶対湿度検出信号VAHの読み込みを開始する。このとき、ブロワー24は起動して加熱庫23内に送風し、マグネトロン2はマイクロ波を発生し、導波管28を介して加熱庫23内の食品26を加熱する。食品26はマイクロ波により次第に加熱されて水蒸気を発生し、水蒸気は、ブロワー24の送風により加熱庫23の排気口27側に流れて排気ダクト32内に流入し、絶対湿度センサ14の開放型サーミスタ15と密閉型サーミスタ16とに触れながら排気ダクト32の後方より外部に排出される。
【0021】
一方、マイコン11aは、加熱調理開始から時間T1を経過したかどうかを判定していると共に、絶対湿度検出信号VAHを読み込んでいる。この時点ではその信号VAHを単に読み込んでいるだけであるが、加熱調理が開始されたから時間Tを経過すると、その時点から絶対湿度検出信号VAHのレベルが予め設定された上限値△Vに達したかどうかを判定する。そして、そのレベルが上限値△Vに達したときブロワー24の運転をオフすると共に、マグネトロン2の駆動をオフして加熱調理を終了する。
【0022】
ヒータ8による加熱調理と判断したときは(図5参照)、リレー7をONしてヒータ8に電源を供給すると共に、前記と同様に絶対湿度センサ14の検出に基づく絶対湿度検出信号VAHの読み込みを開始する。このとき、マイクロ波による加熱と異なりブロワー24の運転を行わないが、ヒータ8の加熱により加熱庫23内は自然対流を起こすため、食品26からの水蒸気は、排気口27側に流れて排気ダクト32内に流入し、絶対湿度センサ14の開放型サーミスタ15と密閉型サーミスタ16とに触れながら排気ダクト32の後方より外部に排出される。一方、マイコン11aは、前記と同様に加熱調理開始から時間T1を経過したかどうかを判断していると共に、絶対湿度検出信号VAHを読み込んでいる。この場合も、この時点ではその信号VAHを単に読み込んでいるだけであって、加熱調理が開始されてから時間Tを経過したとき、その時点から絶対湿度検出信号VAHのレベルが予め設定された上限値△Vに達したかどうかを判定する。そして、そのレベルが上限値△Vに達したときにリレー7をオフしてヒータ8による加熱調理を終了する。
【0023】
この実施例1によれば、加熱調理の終了の判定を時間T1後に入力される絶対湿度検出信号VAHのレベルに基づいて行うようにしたので、マイクロ波による加熱料理の場合、マグネトロン2とブロワー24を同時にONして加熱調理開始ができ、そのため、従来必要であったクリーニング時間が不要になって加熱調理の時間を短縮できるという効果が得られている。
【0024】
また、キースイッチ12の操作を行なってからタイムラグなしに加熱動作を開始するので、オープンレンジを使用するうえでの使用者に対する違和感をなくすことができ、加熱庫23内の水蒸気を短時間でクリヤーにするために、ブロワー24の回転数を可変する等の複雑な制御をも必要とせず、また、排気ダクト32を備えているので、水蒸気の排出性が良く、しかも加熱時に発生した水蒸気を的確に捕らえることができ、より精度の高い加熱調理の終了を検出できるという効果がある。
【0025】
実施例2.
なお、実施例1では、絶対湿度検出信号VAHを加熱調理開始から読み込んでいることを述べたが、図6のタイミングチャートに示すように時間T1を経過したときにその絶対湿度検出信号VAHを読み込むようにしてもよい。この場合、前記のように加熱調理開始から時間T1の間、絶対湿度検出信号VAHを読み込んでいないため、他の処理、例えば重量センサによる食品26の重量算出等を優先して処理できるので、マイコン11aの処理能力が向上し、より信頼性のある制御が可能となるオーブンレンジが得られる。
【0026】
実施例3.
図7は本発明の実施例3を説明するための絶対湿度検出信号の変化図である。なお、回路構成及びオーブンレンジの構成は図1及び図2と同様である。
この実施例におけるマイコン11aは、ROMに予め時間T1 及び上限値の電圧△Vが書き込まれている。例えばマグネトロン2とブロワー24をONしてから時間T1 を経過すると、絶対湿度センサ14の検出に基づく絶対湿度検出信号VAHを所定時間毎に入力すると共に、その検出信号VAHを前回入力の絶対湿度検出信号VAHのレベルと比較して値の小さい方を基準値Vmin とし、かつその基準値Vmin を基準に絶対湿度検出信号VAHのレベルが電圧△Vに達したかどうかを判定する。そして、絶対湿度検出信号VAHのレベルが上限値△Vに達したときは加熱調理を終了する
前記電圧△Vは、マイコン11aのROMに記憶されており、これは過去の経験と調理実験によって得られた値で、食品26の加熱調理の仕上がりが最適になるように設定されたものである。前記基準値Vmin はRAMに書き込まれるようになっている。この値は加熱時における加熱庫23内の絶対湿度レベルを決定するためである。
【0027】
前記のような機能を有するオーブンレンジの動作を図7(a),(b)を参照しながら説明する。マイコン11aは、前述のごとくマグネトロン2とブロワー24とをONして時間T1経過後に絶対湿度検出信号VAHを所定時間毎に読み込む。その際、最初の絶対湿度検出信号VAHのレベルを基準値Vmin としてRAMに書き込む。それ以降は、絶対湿度検出信号VAHを読み込む度にそのレベルが基準値Vmin より低いかどうかを比較すると共に、電圧△Vに達しているかどうかを判定する。後に読み込んだ絶対湿度検出信号VAHのレベルが基準値Vmin より大きい場合にはその信号VAHが電圧△Vに達しているかどうかを判定し、後に読み込んだ絶対湿度検出信号VAHのレベルが小さい場合にはその絶対湿度検出信号VAHのレベルを基準値Vmin として更新する。この処理は所定時間毎に読み込んだ絶対湿度検出信号VAHが前記電圧△Vに達するまで繰り返し行う。
図7(a)の場合は、最初に読み込んだ絶対湿度検出信号VAHのレベルを基準値値Vmin としたときであり、図7(b)の場合は、ある時間の間、絶対湿度検出信号VAH を読み込む毎にレベル(基準値Vmin)が減少していった場合を示す。
【0028】
この実施例によれば、読み込んだ絶対湿度検出信号VAHのうち最小のレベルを基準値Vmin とし、その基準値Vmin を基準に絶対湿度検出信号VAHが電圧△Vに達したとき加熱調理を終了するようにしたので、加熱調理開始時に前回の残留水蒸気が加熱庫23内に漂っていても影響を受けることなく、正確に加熱調理を終了できるという効果がある。
【0029】
実施例4.
図8は実施例4を説明するための絶対湿度検出信号の変化図である。なお、回路構成及びオーブンレンジの構成は図1及び図2と同様である。
この実施例におけるマイコン11aは、ROMに予め時間T1 、上限値の電圧△V及び時間T2が書き込まれてる。
【0030】
例えばマグネトロン2とブロワー24をONしてから時間T1 を経過すると、絶対湿度センサ14の検出に基づく絶対湿度検出信号VAHを所定時間毎に入力すると共に、その検出信号VAHと前回入力の絶対湿度検出信号VAHのレベルとを比較して値の小さい方を基準値Vmin とし、それをRAMに書き込む。そして、その基準値Vmin を基準に絶対湿度検出信号VAHのレベルが電圧△Vに達したかどうかを判定する。絶対湿度検出信号VAHのレベルが電圧△Vに達したときは、その時点から時間T2 の間、絶対湿度検出信号VAHが
VAH≧△V
の関係を満足しているときに加熱調理を終了する。
【0031】
マイコン11aが絶対湿度検出信号VAHを読み込む際、絶対湿度検出信号VAHに何らかの原因でノイズが加わった場合には、食品26が十分に加熱される以前に絶対湿度検出信号VAHが電圧△Vに達して加熱調理終了となる恐れがある。しかし、この実施例によれば、絶対湿度検出信号VAHのレベルが電圧△Vに達したときから時間T2 の間、絶対湿度検出信号VAHのレベルが電圧△Vより高かった場合にマグネトロン2とブロワー24をOFFして加熱調理を終了するので、ノイズによる加熱調理終了の誤検出を防止でき、前記第3実施例と比べ、より正確な加熱調理の終了を検出できる。
【0032】
実施例5.
なお、前述した実施例4では、絶対湿度検出信号VAHのレベルが電圧△Vに達したときから時間T2 の間、絶対湿度検出信号VAHのレベルが電圧△Vより高かった場合に加熱調理を終了することについて説明したが、絶対湿度検出信号VAHのレベルが電圧△Vに達したとき、所定時間毎に入力される絶対湿度検出信号VAHを読み込んで計数し、その計数値がN回達したときに加熱調理を終了するようにしてもよい。この実施例においてもノイズによる加熱調理終了の誤検出を防止できるという効果がある。
【0033】
実施例6.
図9は実施例6を説明するための絶対湿度検出信号の変化図である。なお、回路構成及びオーブンレンジの構成は図1及び図2と同様である。
この実施例におけるマイコン11aは、ROMに予め時間T1 、電圧△Vk 及び時間T3がそれぞれ書き込まれている。その電圧△Vk は、
0<K<1
となるような定数Kを電圧△Vに乗じて得られた値である。時間T3は加熱調理の終了が間近である旨を知らせるための時間である。
【0034】
マイコン11aは、例えばマグネトロン2とブロワー24をONしてから時間T1 を経過すると、絶対湿度センサ14の検出に基づく絶対湿度検出信号VAHを所定時間毎に入力すると共に、その都度、前回の絶対湿度検出信号VAHのレベルと比較して値の小さい方を基準値Vmin とし、それをRAMに書き込む。そして、その基準値Vmin を基準に絶対湿度検出信号VAHのレベルが電圧△Vk に達したかどうかを判定する。絶対湿度検出信号VAHのレベルが電圧△Vk に達したときは、残り時間と加熱調理終了間近の内容とを例えば蛍光表示管(図示せず)に表示すると共にブザー(図示せず)を鳴動する。そして、表示開始から時間T3を経過したときにはそれらの表示をOFFして加熱終了したことを表示し、かつマグネトロン2とブロワー24をOFFして加熱調理を終了する。
【0035】
この実施例によれば、絶対湿度検出信号VAHのレベルが電圧△Vk に達したときから時間T3経過するまで、加熱調理終了間近の内容を蛍光表示管とブザーとで表示するようにしたので、絶対湿度センサ14を用いた自動加熱調理においても、使用者が食品の加熱状態を加熱調理終了以前に確認できる。
【0036】
実施例7.
図10は本発明の実施例7を示すオーブンレンジの概略断面図、図11は実施例7の動作を説明するためのフローチャートである。なお、回路構成は基本的には図1と同様である。
図において、41は重量センサで、加熱庫23のターンテーブル30に載置された食品26の重量に基づいて重量検出信号をマイコン11aに出力する。42温度センサで、排気ダクト32の上面に設けられ、排気ダクト32内の温度を通して加熱庫23の庫内温度を検出し、それに基づいて温度検出信号をマイコン11aに出力する。
【0037】
マイコン11aは、後述するが本発明の加熱時間制御手段、加熱終了判定手段及び加熱制御手段の機能をそれぞれ備え、マイコン11aのROMには予め上限値の電圧△V及び設定温度の例えば80℃が書き込まれている。この加熱制御は、前回の調理によって加熱庫23内が80℃を越えた高温の場合に対してなされたものである。水蒸気を検出する絶対湿度センサ14の開放型サーミスタ15は、加熱庫23内が80℃を越えていた場合、食品26の水蒸気を検出するものの感度が悪くなってしまうため、その場合には重量センサ41で加熱制御するようにしたものである。
【0038】
次に、図11のフローチャートに基づいて動作を説明する。
マイコン11aは、キースイッチ12の操作入力に基づいて例えばマグネトロン2とブロワー24とをONすると、温度センサ42の温度検出信号に基づいて加熱庫23の庫内温度を認識して、ROM内の温度80℃を越えているかどうかを判定する(S1)。庫内温度が温度80℃を越えているときは、重量センサ41の重量検出信号を読み込み(S8)、それに基づいて加熱調理時間Wを設定する(S9)。そして、この加熱調理時間Wの間(S10)、マグネトロン2とブロワー24への電源供給を維持し、経過後にそれらをOFFして加熱調理を終了する(S7)。
【0039】
また、温度センサ42を通して検出した庫内温度が温度80℃以下の場合は、S2を選択して重量センサ41の重量検出信号を読み込み、それに基づいて加熱調理時間Wを設定する(S3)。次いで、マグネトロン2とブロワー24とをONしてから時間T1経過後に絶対湿度検出信号VAHを所定時間毎に読み込む(S4)。その際、最初の絶対湿度検出信号VAHのレベルを基準値Vmin としてRAMに書き込む。それ以降は、絶対湿度検出信号VAHを読み込む度にそのレベルが基準値Vmin より低いかどうかを比較すると共に、電圧△Vに達しているかどうかを判定する。後に読み込んだ絶対湿度検出信号VAHのレベルが基準値Vmin より大きい場合にはその信号VAHが電圧△Vに達しているかどうかを判定し、後に読み込んだ絶対湿度検出信号VAHのレベルが小さい場合にはその絶対湿度検出信号VAHのレベルを基準値Vmin として更新する。
【0040】
この処理は所定時間毎に読み込んだ絶対湿度検出信号VAHが前記電圧△Vに達するまで繰り返し行うが、絶対湿度検出信号VAHが電圧△Vに達していないときは、重量センサ41の検出による加熱調理時間Wを経過したかどうか判定する(S5,S6)。その時間Wを経過していないときは再びステップ5に戻って前記と同様の判定を行う。このように、絶対湿度センサ14と重量センサ41とを併用し、いずれか一方が条件を満たしたときにマグネトロン2とブロワー42とをOFFして加熱調理を終了する(S7)。
【0041】
この実施例によれば、加熱庫内が80℃を越える高温の場合、温度に影響されない重量センサ41の検出による加熱調理時間Wで食品を調理するので、いかなる環境下でも最適な加熱調理の終了を検出できるという効果がある。
【0042】
実施例8.
図12は本発明の実施例8を示すオーブンレンジの回路図、図13は実施例8における回路の動作を説明するためのフローチャート、図14及び図15は実施例8における絶対湿度検出信号の変化図である。
【0043】
この実施例においては、マイコン11aは、本発明の基準値設定手段、加熱終了判定手段及び基準値管理手段の機能を備え、インターフェース10との間に、抵抗18に並列に接続された複数のバランス抵抗43が接続されている。マイコン11aのROMには、予め設定値S、時間T1、上限値の電圧△V及び時間Hが書き込まれている。設定値Sは、図14、15に示すように幅を有し、絶対湿度検出信号VAHのレベルをこの範囲内に納めて基準値Vmin とするための値である。なお、この設定値Sは範囲を有しているが一つの値であってもよい。その場合、絶対湿度検出信号VAHのレベルを少なくともその値の近似値まで持ってくるようにする。時間Hは、例えば最初の加熱調理終了によるオーブンレンジの扉が開いてから次の調理が開始されるまでの時間である。
【0044】
マイコン11aは、キースイッチ12の操作入力に基づいて例えばマグネトロン2とブロワー24をONして加熱調理を開始すると(S11)、図14に示すように絶対湿度センサ14の検出に基づく絶対湿度検出信号VAHを読み込んで、その絶対湿度検出信号VAHのレベルが設定値Sの範囲内に入るようにバランス抵抗43を選択して導通する。バランス抵抗43の選択により、そのレベルが設定値S内に入ったときは、そのときのレベルを基準値Vmin としてRAMに記憶すると共に、バランス抵抗43の導通状態をそのRAMに記憶する(S12)。そして、加熱調理を開始してから時間T1 を経過したとき、絶対湿度検出信号VAHを所定時間毎に読み込んで、その都度、基準値Vmin を基準に絶対湿度検出信号VAHのレベルが電圧△Vに達したかどうかを判定する。絶対湿度検出信号VAHのレベルがその電圧△Vに達したときマグネトロン2とブロワー24をOFFして加熱調理を終了する(S13)。
【0045】
加熱調理の終了で扉(図示せず)が開くと時間Hを経過したかどうかを判定する(S14)。時間Hを経過しても加熱調理が開始されなかった場合にはRAMに記憶した基準値Vmin 及びバランス抵抗43の導通状態を消去するが(S15)、時間Hを経過するまで、加熱調理が再び開始されたかどうか(S16)、重量センサ(図示せず)に基づく加熱調理が開始されたかどうかを判定する(S18)。時間Hを経過するまでにキースイッチ12の操作入力より例えば再びマグネトロン2とブロワー24をONした場合には、RAMに記憶した基準値Vmin 及びバランス抵抗41の導通状態を設定して(S17)、前述のように絶対湿度検出信号VAHを所定時間毎に読み込んでいく(図15参照)。また、重量センサに基づく加熱調理を開始された場合にはRAMに記憶した基準値Vmin 及びバランス抵抗43の導通状態を消去して(S19)、前記実施例7で述べたごとく重量センサの重量検出信号に基づいて加熱調理を行う。
【0046】
この実施例によれば、加熱調理開始と共に変化する絶対湿度検出信号VAHの最小値(基準値Vmin )と、そのときのバランス抵抗43の導通状態とを、予め設定した時間H、ここでは加熱庫23内の残留水蒸気が次回の加熱調理に影響のないレベルになる時間までマイコン11aのRAMに記憶させることで、加熱庫内に水蒸気が残留した状態での連続加熱調理においては設定値Sに再び合わせることなく、前回の加熱調理時の基準値Vmin を基準に絶対湿度検出信号VAHと電圧△Vとを比較できるようにしたので、残留水蒸気濃霧に影響されずに加熱調理終了の検出を行えるという効果がある。
【0047】
実施例9.
なお、前記実施例8では、絶対湿度検出信号VAHのレベルを設定値S内に納めて基準値Vmin としているが、図16に示すように予め基準値Vmin が設定された基準値設定回路44を設け、加熱調理の開始時にその基準値Vmin をマイコン11aに出力し、その以降は、入力される絶対湿度検出信号VAHをそのままマイコン11aに出力する。この場合でも前記実施例と同じ効果を奏する。
【0048】
実施例10.
また、前記実施例8では、RAMに記憶した基準値Vmin 及びバランス抵抗43の導通状態を時間Hを経過するまで保存していることを述べたが、加熱調理が終了したとき、引き続き絶対湿度検出信号VAHを読み込んで、そのレベルが予め設定されたしきい値に下降するまでRAMに保存するようにしてもよい。この実施例においても前記実施例と同じ効果を奏する。
【0049】
実施例11.
図17は実施例11を示す回路図、図18は実施例11における絶対湿度検出信号の読み込みタイミングを説明するための波形図である。
この実施例は、絶対湿度検出信号VAHの読み込みを交流信号のゼロボルト付近で行わないようにしたものである。変換器45が商用電源の交流信号を例えば矩形波信号に変換し、マイコン11aがその矩形波信号の入力に基づいて絶対湿度検出信号VAHの読み込みを行う。
【0050】
例えば、図18(a)に示すように交流信号がゼロボルトになってから時間Ta後に絶対湿度検出信号VAHの読み込みを開始して、時間Tbの間にその絶対湿度検出信号VAHを所定時間毎に読み込み、これを交流信号の半周期毎に行う。これは、マグネトロン2を高電圧で駆動しているときに発生する誘導ノイズが絶対湿度検出信号VAHに相乗しないようにしたものである。この誘導ノイズは、図18(b)に示すように電圧のゼロボルト前後に発生するため、それを避けるようにしたものである。交流信号の半周期は、50Hz で10ms、60Hz で8.3msであるため、この実施例においては、例えば時間Taを2ms、時間Tbを4msとしてある。
なお、この絶対湿度検出信号VAHを時間Tbの間だけ読み込む機能を前述した実施例にそれぞれ適用してもよい。ぞの場合、変換器42をインターフェースを介してマイコン11aに接続する。
【0051】
以上のように、誘導ノイズの発生するタイミングを外して絶対湿度検出信号VAHを読み込むようにしたので、誘導ノイズによる誤検出がなくなり精度のよい加熱調理の終了を検出できるという効果がある。
【0052】
実施例12.
また、前記実施例11では、絶対湿度検出信号VAHの読み込める時間(時間Tb)を固定して説明したが、その時間Tbを任意に設定できるようにしてもよい。例えば、図19に示すように半周期が10msの50Hz の交流信号の場合、時間Ta(2ms)後の残りの時間は8msであるが、その時間8msから時間Tcを減算して、絶対湿度検出信号VAHの読み込み可能な時間Tbを設定するようにしてもよい。
この実施例においては、絶対湿度検出信号VAHを読み込む時間Tbを任意に設定できるので、誘導ノイズが何らかの原因で大きくなっても対処できるという効果がある。
なお、絶対湿度検出信号VAHの読み込み可能な時間Tbを任意に設定できる件も前述した実施例にそれぞれ適用して誤検出がなくなるようにしてもよい。
【0053】
実施例13.
前述した実施例6では、自動調理による食品26の加熱状態を加熱調理終了以前に確認できることについて例示したが、手動で調理時間を設定しても加熱状態を確認できるようにしてもよい。
図20その加熱状態の設定を説明するためのタイミングチャート、図21は表示内容を説明するための図である。この場合、マイコン11aは本発明の請求項11の第2加熱状態設定手段の機能備え、ROMには予め定数Pが書き込まれている。その定数Pは、
0<P<1
となるような値で、例えば0.2である。
【0054】
図20に示すように、手動にて調理時間T4が設定されたときは、マイコン11aは、その調理時間T4に予め設定された定数Pを乗じて表示時間T5を算出すると共に表示開始時間を算出する。加熱調理を開始してから表示開始時間に達したときは、算出した表示時間T5の間、加熱調理の残り時間と加熱調理終了間近を知らせる内容を蛍光表示管に表示すると共にブザーを鳴動する。例えば、蛍光表示管には図21に示すように残り時間と「もうすぐできあがり」という内容を表示する。
【0055】
このように手動加熱においては、調理の残り時間の表示だけでなくブザーも鳴動させるので、聴覚的にも使用者が確認できるようになり、さらには蛍光表示管に文字も表示されるので、より使いやすく、わかりやすいオーブンレンジを実現できる。
この実施例は、前記の第6実施例のオーブンレンジに適用しているが、前述した他の実施例のオーブンレンジに適用してもよい。
【0056】
実施例14.
図22は実施例14を説明するための断面図である。
この実施例においては、排気ダクト33は、加熱庫23と筐体34との間に設けられ、その一方の側面は気体流入口33aと排気口27とが連通するように加熱庫23に取り付けられ、他方の側面はほぼ中央部に凹部33cが形成されている。また、背面には気体流出口33bが設けられ、上面は前記第1実施例と同様に手前より後方にかけて上方に傾斜している。絶対湿度センサ14はその凹部33cに装着され、絶対湿度センサ14の開放型サーミスタ15と密閉型サーミスタ16とが排気ダクト内に突出している。
加熱によって発生する食品26からの水蒸気は、排気口27及び気体流入口33aを通って排気ダクト33内に入り、絶対湿度センサ14の開放型サーミスタ15と密閉型サーミスタ16とに触れながら気体流出口33bを介して外部に排出される。
【0057】
本実施例においては、排気ダクト33の凹部33cに絶対湿度センサ14を取り付けて、排気ダクト33の幅を絶対湿度センサ14の厚み分広げるようにしたので、排気ダクト33の容積が増加し、そのため水蒸気の排出がよくなって湿度の飽和が起こりにくくなり、より正確な加熱調理の終了を検知できるという効果が得られている。
【0058】
実施例15.
図23は実施例15を説明するための斜視図及び側面図である。この実施例は、穴の開いた缶に封入された絶対湿度センサ14の開放型サーミスタ15を油や、ちり、ほこり等から保護するようにしたもので、例えば図23(a)に示すように湿度のみを透過させる和紙のフィルタ35を備えたフィルタ保持具36に、絶対湿度センサ14を装着したものである。フィルタ保持具36は、排気ダクト32又は33の他方の側面(加熱庫の側壁に当接している一方の側面に対向する側面のこと)に穿設された開口部に嵌入して固定される。また、他の実施例として、例えば図23(b)に示すように前記開口部にフィルタ35を貼り、それに絶対湿度センサ14をねじ等で取り付けるようにしたものである。
本実施例によれば、排気ダクト32に流入した水蒸気をフィルタを通して検知するので、油性の多い食品を加熱調理しても前記穴がその油でふさがられるということがない。
【0059】
実施例16.
図24は実施例16を説明するための断面図である。この実施例は、絶対湿度センサ14を、排気ダクト32の中に設置された台座37に取り付けたものである。このように絶対湿度センサ14を排気ダクト32の中に設けたので、排気ダクトの容積が増加して湿度による飽和が起こりにくくなり、より正確な加熱調理の終了を検知できる。また、開放型サーミスタと密閉型サーミスタを同じ条件で水蒸気に当てることが可能となるので、より精度の高い検知ができる。
【0060】
実施例17.
図25は実施例17を説明するための断面図である。この実施例は、排気口27を通った加熱庫23からの水蒸気を一旦集めるチャンバー38を排気ダクト32内に設け、その吹き出し口38aから排出される水蒸気を絶対湿度センサ14が検出するようにしたものである。
【0061】
この実施例においては、排気口27から流入する水蒸気を集中させて絶対湿度センサ14に当てるようにしたので、食品26の加熱初期に発生する水蒸気による気圧の変化を効率よく絶対湿度センサ14まで伝えることが可能になり、さらに、ある程度の水蒸気が排気ダクト32に充満し始め、絶対湿度センサ14の周囲の湿度が向上した場合でも、チャンバー38の吹き出し口38aから流出する気体の圧力により、絶対湿度センサ14に常に加熱庫23からの水蒸気が当てられることになる。よって、絶対湿度センサ14の周囲に漂う残留水蒸気を削減することが可能になり、より正確な加熱調理の終了を検知できるという効果が得られている。
【0062】
実施例18.
図26は実施例18を説明するための断面図である。この実施例は、絶対湿度センサ14は排気ダクト33内に装着され、排気ダクト33とブロワー24との間に気体案内ダクト43が設けられている。このように構成した場合、加熱調理開始時には、絶対湿度センサ14の周囲の雰囲気をクリーニングでき、そのことで精度よく検出することが可能となり、より正確な加熱調理の終了を検出できる。
【0063】
実施例19.
図27は実施例19を示す絶対湿度センサの配置図である。この実施例においては、絶対湿度センサ14は、排気ダクト32の気体流入口に対向する面に取り付けられているが、その絶対湿度センサ14を構成する開放型サーミスタ15がもう一方の密閉型サーミスタ16よりも相対的に上方に位置するように配置されている。また、絶対湿度センサ14そのものは、加熱庫23からの食品26の水蒸気が排気ダクト32内で上昇しながら外部へ排出されるように流れるので、水蒸気が当たるような位置に取り付けられている。
【0064】
このため、加熱による初期の微量の水蒸気も確実に検出でき、また、絶対湿度センサ14の場合、開放型サーミスタ15と密閉型サーミスタ16の2つのサーミスタに同条件で水蒸気が当たることが、より精度の高い湿度検出を可能にするので、水蒸気の排気方向に対し2つのサーミスタ15,16の並び方向が垂直、あるいは排気ダクト32の上面の傾斜に対し2つのサーミスタ15,16の並び方向が垂直となるような配置を採ることで、より精度の高い湿度検出を行えるという効果がある。
【0065】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、被加熱物の加熱調理が開始されたときに温度センサの検出による庫内温度が所定温度を超えているかどうかを判定し、庫内温度が所定温度を超えていたときは、加熱時間設定手段により設定された加熱調理時間の経過後に被加熱物の加熱調理を終了し、また、庫内温度が所定温度以下のときは、気体センサの検出信号を所定時間毎に入力すると共に、その前の検出信号と比較して値の小さい方を基準値とし、かつ、その基準値を基準に検出信号が上限値△Vに達したかどうかを判定し、検出信号が上限値△Vに達する前に加熱時間設定手段により設定された加熱調理時間を経過したときは加熱調理を終了し、この加熱調理時間を経過する前に前記検出信号が上限値△Vに達したときは加熱調理を終了するようにしたので、被加熱物の加熱調理開始時に加熱庫内が高温であっても最適な加熱調理の終了を検出できるという効果がある。
【0066】
また、本発明によれば、被加熱物の加熱調理が開始されたときに気体センサの検出信号のレベルが所定値Sの範囲内に入るように抵抗器から何れかの抵抗器を選択し、抵抗器の選択により検出信号のレベルが所定値Sの範囲内に入ったときは、そのレベルを気体センサの検出信号に対する基準値として、選択した抵抗器と共に記憶手段に記憶し、被加熱物の加熱調理が開始されてから所定時間T1 を経過したときに、気体センサの検出信号を所定時間毎に入力して、基準値を基準にその検出信号が上限値△Vに達したかどうかを判定し、気体センサの検出信号がその上限値△Vに達したときは加熱調理を終了し、そして、加熱調理終了による加熱庫の扉が開放されてから所定時間H内で再び加熱調理が開始されたかどうかを判定し、所定時間H内で加熱調理が開始されなかったときは記憶手段に記憶された基準値と抵抗器を消去し、所定時間H内で再び加熱調理が開始されたときは記憶手段に記憶された基準値と抵抗器を保持するようにしたので、残留の気体濃霧に影響されずに加熱調理終了の検出を行えるという効果がある。
【0067】
また、本発明によれば、被加熱物の加熱調理が開始されたときに気体センサの検出信号のレベルが一つの値からなる所定値Sに近似するように複数の抵抗器から何れかの抵抗器を選択し、抵抗器の選択により検出信号のレベルが前記所定値Sに近似したときは、そのレベルを気体センサの検出信号に対する基準値として、選択した抵抗器と共に記憶手段に記憶するようにしたので、残留の気体濃霧に影響されずに加熱調理終了の検出を行えるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1を示すオーブンレンジの回路図である。
【図2】オーブンレンジの概略断面図である。
【図3】実施例1に係るオーブンレンジの排気ダクトを示すの斜視図である。
【図4】オーブンレンジの動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図5】オーブンレンジの動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図6】実施例2を説明するためのタイミングチャートであ。
【図7】本発明の実施例3を説明するための絶対湿度検出信号の変化図である。
【図8】実施例4を説明するための絶対湿度検出信号の変化図である。
【図9】実施例6を説明するための絶対湿度検出信号の変化図である。
【図10】本発明の実施例7を示すオーブンレンジの概略断面図である。
【図11】実施例7の動作を説明するためのフローチャートである。
【図12】本発明の実施例8を示すオーブンレンジの回路図図である。
【図13】実施例8における回路の動作を説明するためのフローチャートである。
【図14】実施例8における絶対湿度検出信号の変化図である。
【図15】実施例8における絶対湿度検出信号の変化図である。
【図16】実施例9を説明するためのオーブンレンジの回路図である。
【図17】実施例11を示す回路図である。
【図18】実施例11における絶対湿度検出信号の読み込みタイミングを説明するための波形図である。
【図19】実施例12における絶対湿度検出信号の読み込みタイミングを説明するための波形図である。
【図20】手動の調理時間設定による加熱状態の設定を説明するためのタイミングチャートである。
【図21】手動の調理時間設定による加熱状態の表示内容を示す図である。
【図22】実施例14を説明するための断面図である。
【図23】実施例15を説明するための斜視図及び側面図である。
【図24】実施例16を説明するための断面図である。
【図25】実施例17を説明するための断面図である。
【図26】実施例18を説明するための断面図である。
【図27】実施例19を示す絶対湿度センサの配置図である。
【図28】例えば特開昭60−32288号公報に開示された電子レンジの回路構成図である。
【図29】従来の電子レンジの概略断面図である。
【図30】加熱時間の経過に伴って変化する絶対湿度センサの出力線図である。
【図31】従来の電子レンジのタイミングチャートである。
【符号の説明】
7 リレー、8 ヒータ、14 絶対湿度センサ、32,33排気ダクト、41 重量センサ、42 温度センサ、43 バランス抵抗、44 基準値設定回路、45 変換器。

Claims (3)

  1. 排気口を有し、被加熱物が収納される加熱庫と、
    被加熱物の重量を検出する重量センサと、
    前記加熱庫内の温度を検出する温度センサと、
    排気口の近傍に設けられ、排気口を介して排出される前記加熱庫からの気体を検出する気体センサと、
    前記重量センサの検出重量に基づいて被加熱物の加熱調理時間を設定する加熱時間設定手段と、
    被加熱物の加熱調理が開始されたときに前記温度センサの検出による庫内温度が所定温度を超えているかどうかを判定し、前記庫内温度が所定温度を超えていたときは、前記加熱時間設定手段により設定された加熱調理時間の経過後に被加熱物の加熱調理を終了し、また、前記庫内温度が所定温度以下のときは、前記気体センサの検出信号を所定時間毎に入力すると共に、その前の検出信号と比較して値の小さい方を基準値とし、かつ、その基準値を基準に前記検出信号が上限値△Vに達したかどうかを判定し、前記検出信号が上限値△Vに達する前に前記加熱調理時間を経過したときは加熱調理を終了し、この加熱調理時間を経過する前に前記検出信号が上限値△Vに達したときは加熱調理を終了する加熱終了判定手段と
    を備えたことを特徴とする加熱調理器。
  2. 排気口を有し、被加熱物が収納される加熱庫と、
    排気口の近傍に設けられ、排気口を介して排出される前記加熱庫からの気体を検出する気体センサと、
    該気体センサの検出信号のレベルを可変するための複数の抵抗器と、
    被加熱物の加熱調理が開始されたときに前記気体センサの検出信号のレベルが所定値Sの範囲内に入るように前記抵抗器から何れかの抵抗器を選択し、前記抵抗器の選択により前記検出信号のレベルが所定値Sの範囲内に入ったときは、そのレベルを当該検出信号に対する基準値として、選択した抵抗器と共に記憶手段に記憶する基準値設定手段と、
    被加熱物の加熱調理が開始されてから所定時間T1 を経過したときに、前記気体センサの検出信号を所定時間毎に入力して、前記基準値を基準にその検出信号が上限値△Vに達したかどうかを判定し、前記検出信号がその上限値△Vに達したときは加熱調理を終了する加熱終了判定手段と、
    加熱調理終了による前記加熱庫の扉が開放されてから所定時間H内で再び加熱調理が開始されたかどうかを判定し、前記所定時間H内で加熱調理が開始されなかったときは前記記憶手段に記憶された基準値と抵抗器を消去し、前記所定時間H内で再び加熱調理が開始されたときは前記記憶手段に記憶された基準値と抵抗器を保持する基準値管理手段と
    を備えたことを特徴とする加熱調理器。
  3. 前記基準値設定手段は、被加熱物の加熱調理が開始されたときに前記気体センサの検出信号のレベルが、前記範囲を有する所定値Sに代えて、一つの値からなる所定値Sに近似するように前記複数の抵抗器から何れかの抵抗器を選択し、抵抗器の選択により前記検出信号のレベルが前記所定値Sに近似したときは、そのレベルを当該検出信号に対する基準値として、選択した抵抗器と共に記憶手段に記憶することを特徴とする請求項2記載の加熱調理器。
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