JP3616903B2 - 自動取引装置 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動取引装置に関し、さらに詳しくは、ある顧客が他の顧客の口座に対して入出金取引を容易かつ安全に行うことができる自動取引装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
銀行などの金融機関に設置されている従来の自動取引装置では、ある顧客Ａが、他の顧客Ｂの口座に対して入金を行うときは、その顧客Ｂから事前に銀行名，支店名，口座番号，名義などを教えてもらって振込カードを発行する。そして、その振込カードを用いて、顧客Ｂの口座に対して振込取引を行う。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、顧客Ａが銀行に対して振込カードを発行するために依頼をする必要と、顧客Ｂから事前に銀行名，支店名，口座番号，名義などを教えてもらう必要があるので面倒であった。
また、顧客Ｂにおいては、顧客Ａに自分の口座番号，名義などの個人データを教えなければならないという問題があった。
【０００４】
なお、振込カードを発行しないで振り込みを行う方法はあるが、顧客Ｂの銀行名，支店名，口座番号，名義などを手入力しなければならないため操作は面倒であった。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決するため、本発明は、金額と顧客の個人データが与えられたときに、その金額と個人データに基づいて、前記顧客の口座への入金取引または前記顧客の口座からの出金取引のどちらか選択された一方の取引のその取引データを記録した一度のみの使い捨てカードを発行するカード発行手段と、前記使い捨てカードに記録されている取引データを読み取って前記取引データに基づいて入金または出金の取引を行うと共にその使い捨てカードを回収するカード処理手段とを具備したことを特徴とする自動取引装置を提供する。
【０００６】
上記自動取引装置では、例えば顧客Ｂが自動取引装置で金額と個人データを記録した使い捨てカードを発行して顧客Ａに渡し（送付または手渡し）、顧客Ａはその使い捨てカードを用いて入金取引を行い、一度使われた使い捨てカードは自動取引装置内に回収する。このように、顧客Ａが顧客Ｂの口座番号，名義などの個人データが知らなくとも顧客Ｂの口座に対して入金取引を行うことができるようになるから、顧客Ｂが顧客Ａに自分の口座番号，名義などの個人データを教える必要がなくなる。また、使い捨てカードは一度のみ使えるので安全である。
【０００８】
また、上記自動装置では、例えば顧客Ｂが自動取引装置で金額と個人データを記録した使い捨てカードを発行して顧客Ａに渡し（送付または手渡し）、顧客Ａはその使い捨てカードを用いて出金取引を行い、一度使われた使い捨てカードは自動取引装置内に回収する。 このように、顧客Ａが顧客Ｂの口座番号、名義などの個人データを知らなくとも顧客Ｂの口座に対して出金取引を行うことができるようになり、顧客Ｂが顧客Ａに自分の口座番号、名義などの個人データを教える必要がなくなる。また、使い捨てカードは一度のみ使えるもので安全である。
【０００９】
【発明の実施の形態】
以下、図に示す実施の形態により本発明をさらに詳細に説明する。なお、これにより本発明が限定されるものではない。
図１は、本発明の一実施形態の自動取引装置のブロック図である。
自動取引装置１００は、顧客に対して操作の案内をしたり，顧客からの指示や入力を受け取るための操作・表示部１０と、キャッシュカードや振込カードや後述する入金用使い捨てカードや出金用使い捨てカードの磁気ストライプの読み取り／書き込みを行うためのカード処理部２０と、紙幣の入出金および計数を行うと共にそれらの紙幣を収納する紙幣処理部３０と、硬貨の入出金および計数を行うと共にそれらの硬貨を収納する硬貨処理部４０と、ジャーナルを記録するジャーナル処理部５０と、通帳の記帳を行うための通帳処理部６０と、取引の内容を印字したレシート（明細票）を発行するレシート処理部７０と、新規の使い捨てカードを収納すると共に一度使用された使い捨てカードを回収するカード収納・回収部７５と、上位装置であるホストコンピュータ１１０と接続部９５により接続される中央処理部８０と、データを記憶する記憶部９０とを具備して構成される。
【００１０】
図２は、上記自動取引装置１００の外見斜視図である。
２００は筐体、２０１は取引業務表示、２０３はカード挿入排出口、２０４はレシート排出口、２０５は通帳挿入排出口、２０６は硬貨入出金口、２０７は紙幣入出金口、２０８は表示・タッチパネルである。
前記カード挿入排出口２０３は、前記カード処理部２０と連結されている。前記レシート排出口２０４は、前記レシート処理部７０と連結されている。前記通帳挿入排出口２０５は、前記通帳処理部６０と連結されている。前記硬貨入出金口２０６は、前記硬貨処理部４０と連結されている。前記紙幣入出金口２０７は、前記紙幣処理部３０と連結されている。前記表示・タッチパネル２０８は、前記操作・表示部１０と連結されている。
【００１１】
前記カード処理部２０は、入金用使い捨てカードや出金用使い捨てカードを発行するときに、前記カード収納・回収部７５から新規の使い捨てカードを取り出す。また、一度使用された使い捨てカードを前記カード収納・回収部７５に搬送する。
上記構成によれば、ある顧客Ａが他の顧客Ｂの口座に対して入出金取引を容易かつ安全に行うことができるための使い捨てカードを発行することができる。なお、使い捨てカードの発行手続は顧客Ｂが行い、その使い捨てカードを顧客Ａに送付（手渡可）する。そして、顧客Ａは、顧客Ｂから貰った使い捨てカードを用いて、顧客Ｂの口座に対して入出金取引を行う。
【００１２】
次に、図３のフローチャートを用いて、自動取引装置１００における使い捨てカード発行処理について説明する。
ステップＳ１では、前記表示・タッチパネル２０８に、図４に示すように、取引選択画面Ｇ１を表示する。
ステップＳ２では、顧客Ｂは、取引選択画面Ｇ１の「使い捨てカード発行」を押下する。
【００１３】
ステップＳ３では、前記表示・タッチパネル２０８に、図５に示すように、入金／出金選択画面Ｇ２を表示する。
ステップＳ４では、顧客Ｂは顧客Ａに自分の口座に対して入金取引を許すか出金取引を許すかを判断し、入金取引を許すならば入金／出金選択画面Ｇ２の「入金」を押下し、出金取引を許すならば入金／出金選択画面Ｇ２の「出金」を押下する。なお、説明の都合上、顧客Ｂが、入金／出金選択画面Ｇ２の「入金」を押下してと仮定する。
【００１４】
ステップＳ５では、前記表示・タッチパネル２０８に、図６に示すように、キャッシュカード挿入画面Ｇ３を表示する。
ステップＳ６では、顧客Ｂは、前記カード挿入排出口２０３からキャッシュカードを挿入する。
ステップＳ７では、カード処理部２０は、キャッシュカードを受け取り、そのキャッシュカードの磁気ストライプから銀行名，支店名，口座番号，名義などの個人データを読み取って中央処理部８０に渡す。中央処理部８０は、キャッシュカードから読み取った個人データとホストコンピュータ１１０のデータベースに記録されている顧客Ｂの個人データに基いて本人確認を行う。なお、ステップＳ６とステップＳ７の間に、暗証番号を入力するステップを設けてもよい。
【００１５】
ステップＳ８では、前記表示・タッチパネル２０８に、図７に示すように、金額入力画面Ｇ４を表示する。この金額入力画面Ｇ４には、例えば、取引に用いる金額を入力するための枠と相手（顧客Ａ）の氏名や名称を入力する枠がある。なお、図示しないが、金額入力画面Ｇ４には、文字や数字などを入力するためのキーが表示される。
【００１６】
ステップＳ９では、図７に示すように、顧客Ｂは顧客Ａに自分の口座に対して入金するために許す金額を入力する。なお、顧客Ｂが、金額として「１，００，０００」、顧客Ａの氏名として「東京 太郎」を入力したと仮定する。
ステップＳ１０では、前記表示・タッチパネル２０８に、図９に示すように、使い捨てカード確認画面Ｇ５を表示する。この使い捨てカード確認画面Ｇ５に発行する入金用使い捨てカードのイメージが表示される。
【００１７】
ステップＳ１１では、顧客Ｂは、使い捨てカード確認画面Ｇ５に表示されている入金用使い捨てカードのイメージからその内容を確認する。入金用使い捨てカードの内容が正しければ「次へ」を押下する。入金用使い捨てカードの内容が間違っていれば「やり直し」を押下する。入金用使い捨てカードの発行をやめる場合は「取消」を押下する。
【００１８】
ステップＳ１２では、中央処理部８０は、上記使い捨てカード確認画面Ｇ５で「次へ」が押下されたか否かを判定する。使い捨てカード確認画面Ｇ５で「次へ」が押下されたならばステップＳ１４に進み、使い捨てカード確認画面Ｇ５で「次へ」以外（すなわち、「やり直し」または「取消」）が押下されたならばステップＳ１３に進む。
【００１９】
ステップＳ１３では、中央処理部８０は、上記使い捨てカード確認画面Ｇ５で「やり直し」が押下されたか否かを判定する。使い捨てカード確認画面Ｇ５で「やり直し」が押下されたならば上記ステップＳ１に戻り、使い捨てカード確認画面Ｇ５で「やり直し」が押下されない（すなわち「取消」が押下された）ならば動作を終了する。
【００２０】
ステップＳ１４では、前記カード処理部２０は、前記カード収納・回収部７５から新規の使い捨てカードを取り出し、そのカードに必要な情報を記録して入金用使い捨てカードとして前記カード挿入排出口２０３から排出する。顧客Ｂはその入金用使い捨てカードを受け取る。
図１０に、入金用使い捨てカードＮＣの例示図を示す。
【００２１】
図１０（ａ）に示すように、入金用使い捨てカードＮＣの表面に、例えば銀行名と「ことカードにより、［東京 太郎］様が［大阪 花子］様の口座に［１，００，０００］円を一度のみ入金することができる」と印字されている。なお、［大阪 花子］は、キャッシュカードから読み取られた顧客Ｂの氏名であり、［東京 太郎］および［１，００，０００］は、顧客Ｂが、上記金額入力画面Ｇ４で入力した顧客Ａの氏名と取引の金額である。
【００２２】
なお、入金用使い捨てカードＮＣにより、［東京 太郎］様が［大阪 花子］様の口座に［１，００，０００］円を一度のみ入金することができることが分かればよいので、入金用使い捨てカードＮＣに印字する内容は上記限りではない。また、入金用使い捨てカードＮＣにより、［東京 太郎］様が［大阪 花子］様の口座に［１，００，０００］円を一度のみ入金することができることは他の方法で現すことが可能であれば、入金用使い捨てカードＮＣになにも印字しなくてもよい。
【００２３】
図１０（ｂ）に示すように、入金用使い捨てカードＮＣの裏面に磁気ストライプＴが設けられており、この磁気ストライプＴに、カード処理部２０により、顧客Ｂの銀行名，支店名，口座番号，名義、顧客Ａの氏名，取引の金額が記録されている。顧客Ｂの銀行名，支店名，口座番号，名義などはキャッシュカードから読み取ったものである。なお、顧客Ｂの銀行名，支店名，口座番号と顧客Ａに入金取引に許す金額を特定できればよいので、磁気ストライプＴに記録する情報は上記限りではない。
【００２４】
顧客Ｂは、入金用使い捨てカードＮＣを顧客Ａに渡す。そして、顧客Ａは、自動取引装置１００の前記カード挿入排出口２０３から顧客Ｂから貰った入金用使い捨てカードＮＣを挿入する。すると、前記カード処理部２０は、入金用使い捨てカードＮＣの磁気ストライプＴに記録されている情報に基づいて顧客Ｂの口座を特定し、その顧客Ｂの口座に対して［１，００，０００］円の入金取引を許可して入金用使い捨てカードＮＣを回収する。これにより、顧客Ａは、顧客Ｂの口座に［１，００，０００］円を一度のみ入金することができる。
【００２５】
なお、上記ステップＳ３で、顧客Ｂが、「出金」を押下したなら、上記ステップＳ１４で、前記カード処理部２０は、図１１に示すように、出金用使い捨てカードＳＣを発行する。
図１１（ａ）に示すように、出金用使い捨てカードＳＣの表面に、例えば銀行名と「ことカードにより、［東京 太郎］様が［大阪 花子］様の口座から［１，００，０００］円を一度のみ引き出すことができる」と印字されている。
【００２６】
図１１（ｂ）に示すように、出金用使い捨てカードＳＣの裏面に磁気ストライプＴが設けられており、この磁気ストライプＴに、カード処理部２０により、顧客Ｂの銀行名，支店名，口座番号，名義、顧客Ａの氏名，取引の金額が記録されている。なお、顧客Ｂの銀行名，支店名，口座番号と顧客Ａに出金取引に許す金額を特定できればよいので、磁気ストライプＴに記録する情報は上記限りではない。
【００２７】
顧客Ｂは、出金用使い捨てカードＳＣを顧客Ａに渡す。そして、顧客Ａは、自動取引装置１００の前記カード挿入排出口２０３から顧客Ｂから貰った出金用使い捨てカードＳＣを挿入する。すると、前記カード処理部２０は、出金用使い捨てカードＳＣの磁気ストライプＴに記録されている情報に基づいて顧客Ｂの口座を特定し、その顧客Ｂの口座に対して［１，００，０００］円の出金取引を許可して出金用使い捨てカードＳＣを回収する。これにより、顧客Ａは、顧客Ｂの口座から［１，００，０００］円を一度のみ出金することができる。
【００２８】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、自動取引装置に、金額と顧客の個人データが与えられたときに、その金額と個人データに基いて、前記顧客の口座に、他の顧客が前記金額を一度のみ入金ができるための取引データを記録した使い捨てカードを発行するカード発行手段と、前記使い捨てカードに記録されている取引データを読み取ってその使い捨てカードを回収すると共に前記取引データに基いて前記顧客の口座に対して前記金額の入金取引を行うカード処理手段とを具備する。このため、他人の口座番号などの個人データが知らなくともその人（または会社）の口座に対して入出金取引を容易にかつ安全に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施形態の自動取引装置のブロック図である。
【図２】本発明の自動取引装置の外見斜視図である。
【図３】本発明の自動取引装置における使い捨てカード発行処理のフローチャートである。
【図４】取引選択画面の例示図である。
【図５】入金／出金選択画面の例示図である。
【図６】キャッシュカード挿入画面の例示図である。
【図７】金額入力画面の例示図である。
【図８】金額の入力の説明図である。
【図９】使い捨てカード確認画面の例示図である。
【図１０】入金用使い捨てカードの例示図である。
【図１１】出金用使い捨てカードの例示図である。
【符号の説明】
１００ 自動取引装置
１０ 操作・表示部
２０ カード処理部
３０ 紙幣処理部
４０ 硬貨処理部
５０ ジャーナル処理部
６０ 通帳処理部
７０ レシート処理部
７５ カード収納・回収部
２１０ 取引件数表示盤

Claims (3)

1. 金額と顧客の個人データが与えられたときに、その金額と個人データに基づいて、前記顧客の口座への入金取引または前記顧客の口座からの出金取引のどちらか選択された一方の取引のその取引データを記録した一度のみの使い捨てカードを発行するカード発行手段と、
   前記使い捨てカードに記録されている取引データを読み取って前記取引データに基づいて入金または出金の取引を行うと共にその使い捨てカードを回収するカード処理手段とを具備したことを特徴とする自動取引装置。
2. 請求項１において、前記顧客データとは、少なくとも前記顧客の口座番号であることを特徴とする自動取引装置。
3. 請求項１において、前記取引データとは、少なくとも前記金額と顧客の口座番号であることを特徴とする自動取引装置。

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