JP3616441B2 - マルチフィルムの巻取り装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、圃場の畝に敷設したマルチフィルムを巻き取る巻取り装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のマルチフィルムの巻取り装置には、例えば、特開平3−262425号公報に記載のように、一側部を回転自在に支承させた左右方向の伝動軸と、この伝動軸の突出基部に備えた円板と、該円板に放射状に形成した長孔に内側端部が挿通支持されて前記伝動軸に沿う複数の棒体と、該棒体の外側端部を放射方向に摺動可能に支持する四角板と、前記棒体の内側部側よりも外側部側を小半径にさせうるリンク機構を備えたものがある(従来例1)。
【0003】
また、実開昭64−24951号公報に記載のように、同心円状に片持ち支持状態で配列された複数個の棒状の巻取り部材を有する第1の巻取り部と、巻取り部材の自由端側に係脱自在に嵌合される複数個の嵌合部材を有する第2の巻取り部とを設けるとともに第1,第2巻取り部とを連結したマルチフィルム巻取り体を回転自在に設け、第1,第2の巻取り部の嵌合を離脱することで、巻取り部材の自由端部側が縮径するように軸支するようにしたものがある(従来例2)。
【0004】
そして、実公昭61−201551号公報に記載のように、巻取り体を構成する複数のローラ板の一端を側板に蝶番により片持ち支持し、他端を他の側板に取り外し自在とし、ローラ板の他端を他の側板から取り外すことで、ローラ板の他端側を縮径してテーパー状とするものがある(従来例3)。
上記の従来例1の巻取り装置は、マルチフィルムを複数の棒体よりなる巻取り体によりロール状に巻き取った後、該ロール状のフィルムを巻取り体より取り外す際に、リンク機構にて棒体の外側部側を内側部側よりも小半径にさせることで、巻き取られたロール状マルチフィルムの緊張を解き、棒体との間に隙間を生じさせて外側部側からフィルムを抜き取りやすくしており、従来例2,3の巻取り装置は、巻取り部材又はローラ板の一端を蝶番等にて片持ち状に軸支しており、ロール状のマルチフィルムを巻取り装置から取り外す際に、従来例2のものについては、巻取り体を構成する第1巻取り部とを第2巻取り部との嵌合を外し、従来例3のものについては、ローラ板の他端を他の側板から取り外すことで該端部の支持を解き、巻取り部材,ローラ板の自由端部側を縮径してテーパー状にすることで、ロール状になったマルチフィルムを抜き取り易くしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記の従来の巻取り装置は、いずれも、棒体,巻取り部材又はローラ板の外側部側(他端側)を小半径にすることでテーパー状にしロール状のマルチフィルムの緊張を解くため、それなりに抜き取り易さの向上は得られるものの、巻取り装置からマルチフィルムを取り外すのに、従来例1,3のものについては直接巻取り体の全体から抜き取るものであるため、特にマルチフィルムの棒体への巻付き圧が更に高い場合等には、棒体等をテーパー状にするのみでは十分に巻付き圧を緩めることができず、ロール状フィルムを棒体等から抜き取りにくく、ロールの崩れ等を招来し、また、巻取り量が多い場合には、ロール状フィルムの重量が重くなり、該フィルムを支えながら巻取り体より抜き取る作業は困難な作業であった。また、従来例2のものについては巻取り体の一部(第2巻取り部)は、予め取りはずされるためフィルムを抜き取る長さは短くなるものの上記のような抜き取り困難性は未だ残されていた。
【0006】
そこで、本発明は上記問題点に鑑み、特に、巻き取ったマルチフィルムの巻取り圧が高い場合、また、巻取り量が多い場合(巻き取ったフィルムが重い場合)等であっても容易にマルチフィルムを取り外すことができるマルチフィルム巻取り装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述の目的を達成するために以下の技術的手段を講じた。
すなわち、畝40に敷設したマルチフィルムMを巻取り回収する巻取り体27と、該巻取り体27の一端側を支持して巻取り方向に回転する回転体21とを備え、巻取り体27にて巻き取ったマルチフィルムMを取り外す際に該マルチフィルムMとともに巻取り体27を回転体21から離脱可能とするべく、前記巻取り体27を回転体21に対して巻取り軸芯方向に挿脱自在に取り付けることを特徴としている。
【0008】
これによれば、巻取り体27により巻き取ったロール状のフィルムMを取り外す際に、フィルムの巻取り圧が強い場合等には、ロール状フィルムMを支えた状態で巻取り体27の他端側に向けて巻取り軸芯方向に引っ張ると、フィルムMの巻取り圧によりフィルムMとともに巻取り体27が回転体21から取り外される。従って巻取り体27からフィルムMを抜き取る作業をせずに容易に巻取り装置からフィルムMを取り外すことができる。また、この際には、フィルムMを巻取り装置から取り外した後に該フィルムMから巻取り体27を抜き取ればよい。
【0009】
そして、本発明は、前記巻取り体27は、巻取り軸芯方向に沿って複数が並行配置される棒状の巻取り部材28よりなり、該複数の巻取り部材28の夫々の一端部は前記回転体21に挿脱自在に取り付けられるとともに、巻取り部材28の夫々の他端部には、該他端部間隔を保持する保持部材29が着脱自在に取り付けられることを特徴としている。
【0010】
これによれば、巻取り部材28へのフィルムMの巻取り圧が高い場合や巻取り量が多い場合には、上記したように、フィルムMとともに巻取り部材28が回転体から抜き取られ、容易にフィルムMを巻取り装置から取り外すことができるとともに、巻取り圧が低い場合や巻取り量が少ない場合(巻取ったフィルムが非常に軽い場合)であれば、巻取り部材28の他端部側を保持する保持部材を取り外すことで、巻取り部材28の一端部は回転体21に取り付けられて保持されたまま他端部はフリーとなってフィルムMの巻取り圧等によりテーパー状に径縮し、フィルムMを巻取り部材28から容易に抜き取ることが可能である。
【0011】
また、本発明は、前記巻取り部材28と回転体21とは、巻取り部材28にかかる巻取り軸芯方向に垂直方向の力に対して、回転体21が巻取り部材28を支持可能とする嵌合長さで挿脱自在に嵌合されていることを特徴としており、したがって、上記のように回転体21から巻取り部材28を巻取り軸芯方向に容易に離脱可能としているとともに、マルチフィルムMの巻取り時や、巻き取ったマルチフィルムMの重さ等によってかかる軸芯方向に垂直方向の力によっては巻取り部材28が容易に回転体21から外れないようにでき、フィルムMの巻取り作業を確実なものとし、フィルムMの取り外し作業を容易ならしめている。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図4は、マルチフィルム回収装置1をトラクタ38に装着した状態を示しており、該トラクタ38は、圃場の畝40間の溝底を走行し、この走行に伴ってマルチフィルム回収装置1にて畝40上面に敷設したマルチフィルムMを巻取り回収するようにしている。尚、図4,図6に示すように畝に敷設されたマルチフィルムMはその左右端縁部分を盛土Xにより押さえられている。
【0013】
マルチフィルム回収装置1は、前部枠4、後部枠5及び左右側部枠6により平面視略矩形状に構成される主フレーム3を有し、該主フレーム3上にはマルチフィルムを巻き取る巻取り装置20を搭載しており、前部枠4の左右略中央には、ブラケット13を介してマルチフィルムの左右略中央部分を畝に沿って切断する切断手段10を備え、同前部枠4の左右寄りには、支持ブラケット18を介して左右一対の土避け手段15を備えている。
【0014】
また、後部枠5の後側面には、支持板31aを介して左右方向の軸心回りに回動可能な横ローラ31を備え、後部枠5の左右略中央上面には、支持板32aを介して前後方向の軸心回りに回動可能な左右一対の内ローラ32を備え、同じく後部枠5の上面の左右寄りには、左右一対の支持ブラケット33を介して一対の外ローラ34を備えている。なお、この外ローラ34の支持ブラケット33は、その左右内方側が後部寄りとなるように傾斜して設けられており、従って左右の外ローラ34は、後端部が拡開した状態に配置されている。また、支持ブラケット33には長孔状の調整孔33aを形成し、該調整孔33aに外ローラ34の軸部分を固定するようにしており、外ローラ34の左右位置を調整孔33aの長さの範囲で調整可能となっている。
【0015】
主フレーム3は、前部枠4の前部から突設した連結ブラケット3aがトラクタ38の3点リンク機構39におけるロアーリンク39aに連結され、トップリンク39bに、連結ブラケット3a及び後部枠5から延設された上部枠3bが連結されることによりトラクタ38に装着されている。
切断手段10は、前部枠4に設けた前記ブラケット13の筒状の保持部14に挿通された支持杆11と、該支持杆11の下端部に左右方向の軸心回りに回動自在に枢支された円盤状の切断刃12とからなり、前記支持杆11には上下に複数の位置決め孔11aを設けるとともにブラケット13の保持部14には前記位置決め孔11aに対応可能な少なくとも一つの貫通孔14aを形成しており、支持杆11の位置決め孔11aと保持部14の貫通孔14aとを適合させて両孔にピン19を挿通することで、切断刃12の上下高さを変更し、位置決め可能となっている。また、ブラケット13は前部枠4に対して左右に位置変更可能に取り付けられている。
【0016】
前記土避け手段15は、前記支持ブラケット18を介して前部枠4から後方に延設されるとともに、その後端部が下方に屈曲延設されており、その下端部は前下方に弯曲して先細り状の避け板16をボルト固定してなる。また、土避け手段15は、後方延設部分においてとぐろ状に捲回されており、該後方延設部分に生じる撓みを該捲回部分17において吸収することができるようになっている。また、この土避け手段15の下端部は、畝40の裾野部分におけるマルチフィルム上面沿った位置に配置されている。そして、支持ブラケット18は前部枠4に対して左右方向に位置変更可能に備えており、畝40の幅に応じて調整可能となっている。なお、この土避け手段15を下方延設部分のみにて形成するとともに主フレーム3の適宜箇所に保持し、上記の切断手段10の支持杆11の如く上下調整自在に備えるようにしてもよい。
【0017】
前記巻取り装置20は、図5,6に示すように、前後部枠4,5の左右略中央部を前後に繋ぐように設けられた一対の中間枠7上に搭載された正面視門型形状の架台8に設けられており、巻取り装置20は、架台8の側面に設けられた駆動モータ22及び架台8の上面に設けられた駆動軸23と、駆動軸23の両端部に固定された左右一対の回転体21と、回転体21の左右外方側に、回転体21の回転軸方向に挿脱自在に取り付けられる左右一対の巻取り体27とを有する。
【0018】
前記駆動軸23は、架台8の上面に備えた軸受24により左右方向の軸心回りに回動自在に支持され、該駆動軸23の一端部に備えたスプロケット23aと、駆動モータ22の軸部22aに設けたスプロケット22bとに伝動チェーン25が巻回されて駆動モータ22からの動力が駆動軸23に伝達されるようになっている。
【0019】
回転体21は椀状に形成されており、その底部が左右外方に向いて配置されるように駆動軸23の両端部に固定され、椀状底部分がマルチフィルムMを巻き取る際の該フィルムMの内側端の位置を規制するようになされている。また、回転体21は、駆動モータ22からの回転動力が駆動軸23を介して伝達され、巻取り体27にてマルチフィルムMを巻き取らせる方向に回転する。なお、図2に示すように回転体21は、駆動モータ22のスプロケット22a、駆動軸23のスプロケット23a及び伝動チェーン25を覆うように(椀状の内部に収めるように)設けられており、これらスプロケット22a,23a及び伝動チェーン25に土等が付着するのを防ぎ円滑な動力伝達を可能とするとともに、外部からの衝突等から保護している。
【0020】
図1〜3に示すように、巻取り体27は、回転体21の外側面に左右外方に向けて突設した複数の棒状の支持部材26に挿脱自在に嵌合する複数の棒状の巻取り部材28を、巻取り軸芯方向に沿って並行して配置することで構成されており、本実施形態では、巻取り体27は2本のパイプ状の巻取り部材28にてなり、該巻取り部材28を2箇所の中実棒状の支持部材26に外嵌することにより回転体21に取り付けるようになっている。
【0021】
巻取り部材28は、切断装置にて切断されて略半分となったマルチフィルムMの幅よりも長く、即ち、この略半分のマルチフィルムMを巻き取るのに十分な長さを有している。これに比して支持部材26は短く形成されており、巻取り部材28によりマルチフィルムMを巻き取る場合等に生じる回転体21の回転軸方向(巻取り軸芯方向)に垂直な力(フィルムMによって引っ張られる力及び巻き取ったマルチフィルムMの重さ等)に対して巻取り部材28を支持可能とするのに必要な長さとなっており、該長さが巻取り部材28との嵌合長さとなっている。また、2本の支持部材26の間隔は、巻取り部材28を回転させることによりマルチフィルムMを巻取り可能な巻取り芯を形成するべく設定されている。
【0022】
また、それぞれの巻取り部材28の自由端部には、2本の巻取り部材28の自由端部間隔を位置決めし、保持する保持部材29を設けている。該保持部材29は、基板30aの側面に2本の棒体30bを突設してなり、該棒体30bを巻取り部材28に長手方向に内嵌することで、2本の巻取り部材28の自由端側の間隔を一定に保つようになっている。また、2本の支持部材26間と、保持部材29の2本の棒体30b間とは略同一間隔となっており、従って2本の巻取り部材28は略平行に配置されることとなる。また、保持部材29の棒体30bは、巻取り部材28の間隔保持可能な長さであればよく、好ましくは、支持部材26と同一長さに形成することで同一部材を使用し、部品の共通化を図ることができる。なお、支持部材26と棒体30bとは中空のパイプ状に形成し、また、巻取り部材28を中実棒状に形成してもよい。
【0023】
以下、マルチフィルム回収装置が、畝上面のマルチフィルムを回収する動作を説明する。
まず、畝上面から所定深さ埋まるように支持杆11の上下高さを調整した切断手段10の切断刃12により、トラクタ38の走行に伴ってマルチフィルムの左右中央を切断する。この際に、図6に示すように切断刃12は、畝中に広がった作物の根を切断する程度の深さに調整することで、マルチフィルムM巻取り後の作物Pの抜き取り作業等を容易にすることができる。また、土避け手段15はトラクタ38の進行に伴ってマルチフィルムMを押さえている盛土Xを外方に放出するようにしている。なお、図5,6に示すように土避け手段15は、支持ブラケット18を左右に位置変更可能することで畝40の幅に対応させている。また、土避け手段15は、畝40の側部に沿って配置していることから畝に倣って回収装置1を進行させるガイド機能をも果たしている。
【0024】
そして、所定長のマルチフィルムMを切断し、左右に切断されたマルチフィルムMの後端部分を内外ローラ32,34間及び横ローラ31に沿わせつつ巻取り装置20の左右の巻取り体27に巻き付ける。また、左右のマルチフィルムMの内側端を回転体21の外側面に沿わせるように巻取り部材28に巻き付ける。なお、一対の外ローラ34は、支持ブラケット33の調整孔33aにより左右位置を変更することで、畝幅の略半分(切断したマルチフィルムMの幅)に対応させて内ローラ32との間隔を変更可能である。また、一対の外ローラ34は後方拡開状とされているため、横ローラ31に対して鈍角をなして配置されることとなり、マルチフィルムMを横ローラ31,外ローラ34に略広がった状態で沿わせることが可能であり、フィルムMを巻取り体27に巻付け易くしている。
【0025】
そして、マルチフィルムMを巻取り体27に巻付けた後、駆動モータ22を作動させることにより複数の巻取り部材28が巻取り芯を形成し、トラクタ38の進行に伴ってマルチフィルムMの巻取りが行われる。この際に、回転体21は、マルチフィルムMの内側端を揃えて巻き付けるべく位置規制をする機能をも有している。
【0026】
なお、図6の背面視に示すように、左右の巻取り体27は、畝に敷設されたマルチフィルムMを内,外ローラ32,34間を介して巻取り体27に巻き付ける間で、若干左右外方に拡げるように配置されている。すなわち、巻取り中には巻取り体27に対して若干回転体21の回転軸方向(巻取り軸芯方向)内方への力がかかることとなり、巻取り部材28の支持部材26からの左右外方への抜けを防止している。また、図4の側面視に示すように、巻取り体27は、横ローラ31及び内外ローラ32,34よりも後方に位置しており、巻取り体27にてフィルムMを巻き取る際に、フィルムMの表面はローラ31,32,34と巻取り体27との間で下向きに傾斜することとなり、フィルムM上にのっていた土や作物の根,葉等を落下させ易くしており、該土等をフィルムMとともに巻き込まないようにしている。
【0027】
巻取り体27によるフィルムMの巻取りが行われるに従い、巻き付いたフィルムMの外周径は拡大されて、外周速度及び一回転当たりの巻取り量が逐次増大していくため、トラクタ38の進行量より巻取り体27の巻取り量が多くなって巻取り圧が高くなり駆動モータ22に高負荷がかかることがあるが、本実施形態における巻取り装置20は、図2に示すように、駆動軸23と回転体21との固定部分において滑り機構36を介しており、高負荷時に駆動軸23と回転体21間に滑りを生じさせ、回転体21に適切なトルクを伝達するとともに、トラクタ38の進行に応じたフィルムの巻取りを可能としている。また、巻取り部材28は、マルチフィルムMを巻き付ける際の引っ張り力に対して支持部材26により支持されている。
【0028】
マルチフィルムMをロール状に巻き取った後、該フィルムMを巻取り装置20から取り外すには、以下のように行う。
すなわち、図1に示すように、フィルムMを巻取り軸芯方向左右外方に引っ張ると、該フィルムMとともに巻取り部材28が引っ張られ、これにより巻取り部材28が支持部材26から離脱する。従って、フィルムMとともに巻取り部材28も取り外すようにすることで、特に、フィルムMの巻取り量が多い場合、また、巻取り圧が大きい場合であっても容易にフィルムMが巻取り装置20から取り外される。
【0029】
なお、支持部材26と巻取り部材28とは、棒状体とパイプ状体の長手方向(フィルム引き抜き方向)の嵌合によるため容易にその嵌合を離脱することができる。また、支持部材26は、巻取り部材28にかかる巻取り軸芯方向に垂直方向の力に対して巻取り部材28を支持しうる長さ(巻取り部材28との嵌合長さ)を有しているため、マルチフィルムMの引っ張り初期においては、作業者による支持と支持部材26による支持とにより支えられ、マルチフィルムMを引っ張ると同時に全加重が作業者にかかるようなことがないようにし、フィルムMの取り外し作業を容易なものとしている。
【0030】
そして、フィルムM及び巻取り部材28を取り外した後に、例えばフィルムMを地面等に置いて安定させた状態でフィルムMの芯より巻取り部材28を取り外せば良い。
図1では保持部材29を巻取り部材28に取り付けた状態でフィルムMを取り外すようにしているが、先に保持部材29を取り外した後フィルムM及び巻取り部材28を取り外すようにしてもよい。いずれの場合においても、マルチフィルムMから巻取り部材28を抜き取る際において、保持部材29を巻取り部材28から外しておくことにより、複数の巻取り部材28の間隔は位置規制されることなくそれぞれ単体状態となるため、容易にマルチフィルムMの芯から抜き取ることができる。
【0031】
そして、フィルムMの巻取り量が少ない場合(巻き取ったフィルムが非常に軽い場合)、また、巻取り圧が小さい場合であれば、図2に示すように、まず、保持部材29を巻取り部材28の自由端部から外すと、該自由端部間の位置決めが解かれ、支持部材26と巻取り部材28との嵌合のガタ、或いはフィルムMの巻取り圧による巻取り部材28の撓みにより、2本の巻取り部材28の自由端間がテーパー状に狭くなる。これにより、巻き取ったフィルムMの巻付き圧は小さくなり、巻取り部材28から容易にマルチフィルムMは抜き取られ、巻取り装置20から取り外し可能となる。この際には、巻取り部材28は、回転体21に取り付けられたままの状態となるため、次の巻取り作業において再び巻取り部材28を取り付ける作業は必要としない。
【0032】
上記のように、回転体21の支持部材26,巻取り部材28,保持部材29の棒体30bは、マルチフィルムMの巻取り時や、巻き取ったマルチフィルムMの重さを支えるに際して、巻取り軸芯方向に垂直方向の荷重はかかるが、該軸芯方向の荷重はほとんどかからないため、巻取り軸芯方向に挿脱自在に嵌合されるようにそれぞれを棒材、パイプ材等の極めて簡単な構造で形成できるようになっている。
【0033】
なお、巻取り体27は、回転体21に挿脱自在としていることから、マルチフィルムの巻取りの際等に巻取り体27が折れ曲がったり、破損した場合には、巻取り体のみを交換すればよく、また、その交換作業も容易である。
本発明は、上記実施形態に限ることなく、例えば、回転体から突設した支持部材を回転径内方に傾斜して設けることができ、この場合には、保持部材を巻取り部材から外した状態で、巻取り部材が強制的にテーパー状に傾斜するようになり、上記したようなマルチフィルムMの巻取り量が少ない場合等の該フィルムの取り外しを容易にすることができる。また、このように支持部材を傾斜させた場合に、保持部材の棒体を傾斜させずに平行とすることで、保持部材を取り付けた際には、支持部材に嵌合してテーパー状となった巻取り部材を平行状態に矯正するようになり、支持部材,巻取り部材及び保持部材の相互の嵌合に若干こじれが生じて強固な嵌合となり、巻取り部材,保持部材が自然に外れるのを防止することができる。
【0034】
巻取り体は上記実施形態においては2本の巻取り部材にて構成したが、2本以上の複数本であってもよく、この場合も巻取り部材に対応させて支持部材、保持部材を設ける等適宜設計変更可能である。
【0035】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明は、巻取り体にて巻き取ったマルチフィルムを取り外す際に、マルチフィルムとともに巻取り体を回転体から離脱可能とするべく巻取り体を回転体に対して巻取り軸芯方向に挿脱自在に取り付けているため、巻き取ったロール状のフィルムを支えた状態で巻取り体の他端側に向けて軸芯方向に引っ張ると、フィルムの巻取り圧によりフィルムとともに巻取り体が回転体から取り外され、特に、巻取り圧が高い場合や巻取り量が多い場合(巻き取ったフィルムが重い場合)であっても巻取り体からフィルムを抜き取る作業をせずに容易に巻取り装置からフィルムを取り外すことができる(請求項1)。
【0036】
そして、本発明は、前記巻取り体を構成する複数の棒状の巻取り部材の夫々の一端部は前記回転体に挿脱自在に取り付けられ、巻取り部材の夫々の他端部には、該他端部間隔を保持する保持部材が着脱自在に取り付けられるため、巻取り部材へのフィルムの巻取り圧が高い場合や巻取り量が多い場合等には、上記と同様に、フィルムとともに巻取り部材が回転体から抜き取られ、容易にフィルムを巻取り装置から取り外すことができる。
【0037】
そして、巻取り圧が低い場合や巻取り量が少ない場合(巻き取ったフィルムが非常に軽い場合)であれば、巻取り部材の他端部側を保持する保持部材を取り外すことで、巻取り部材の一端部は回転体に取り付けられて保持されたまま他端部はフリーとなってフィルムの巻取り圧等によりテーパー状に径縮し、フィルムを巻取り部材から容易に抜き取ることが可能である(請求項2)。
【0038】
また、本発明は、前記巻取り部材と回転体とは、巻取り部材にかかる巻取り軸芯方向に垂直方向の力に対して、回転体が巻取り部材を支持可能とする嵌合長さで挿脱自在に嵌合されているため、上記のように回転体から巻取り部材を巻取り軸芯方向に容易に離脱可能としているとともに、マルチフィルムの巻取り時や、巻き取ったマルチフィルムの重さ等によってかかる前記軸芯方向に垂直方向の力によっては巻取り部材が容易に回転体から外れないようにでき、フィルムの巻取り作業を確実なものとし、また、フィルムの取り外し作業を容易とすることができる(請求項3)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る要部の正面図である。
【図2】同要部の正面図である。
【図3】同要部の分解斜視図である。
【図4】本発明の実施形態に係る巻取り装置を備えたフィルム回収装置の全体側面図である。
【図5】同平面図である。
【図6】同背面図である。
【符号の説明】
20 マルチフィルム巻取り装置
21 回転体
27 巻取り体
28 巻取り部材
29 保持部材
40 畝
M マルチフィルム
Claims (2)
- 畝(40)に敷設したマルチフィルム(M)を巻取り回収する巻取り体(27)と、該巻取り体(27)の一端側を支持して巻取軸芯回りに巻取り方向に回転する回転体(21)とを備え、回転体(21)は、該回転体(21)の巻取り軸芯方向一側に配置された駆動軸(23)の端部に固定され、巻取り体(27)は、回転体(21)の巻取り軸芯方向他側に、巻取り軸芯方向に沿って並行配置された複数の棒状の巻取り部材(28)よりなり、各巻取り部材(28)の一端部は、回転体(21)に突設された支持部材(26)に、巻取り部材(28)にかかる巻取り軸芯方向に垂直な方向の力に対して、回転体(21)が巻取り部材(28)を片持ち支持可能とする嵌合長さで挿脱自在に嵌合されていて、巻取り体(27)が回転体(21)に片持ち状に支持されており、巻取り体(27)の他端部には、基板(30a)の側面に、各巻取り部材(28)に挿脱自在に嵌合して該巻取り部材(28)の他端部間隔を保持する棒材(30b)を固定してなる保持部材(29)を設けていることを特徴とするマルチフィルムの巻取り装置。
- 駆動軸(23)は左右方向に配置されると共に左右方向中央側が軸心回りに回動自在に支持され、回転体(21)、巻取体(27)及び保持部材(29)は、駆動軸(23)の軸心方向両端側にそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項1に記載のマルチフィルムの巻取り装置。
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