JP3616257B2 - 床板装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は起床式ベッド装置に用いられる床板装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、病院などに老人や病人などの自力で身体を自由に動かすことができない利用者が入院した場合には病院用のベッド装置が用いられる。この種のベッド装置には種々のタイプがあるが、その1つとして起床式のベッド装置が知られている。
【0003】
起床式のベッド装置は、周知のようにベッドフレ−ムを有し、このベッドフレ−ム上に複数の床部に分割された床板装置が設けられている。複数の床部のうちの1つは上記フレ−ムに固定され、利用者の上半身に対応する床部は駆動機構によって起伏駆動されるようになっている。
【0004】
したがって、利用者は自力で上半身を起こすことができなくとも、上記駆動機構によって床部を起上させることで、上半身を起こすことができるから、食事や読書などをするときに便利である。
【0005】
上記床板装置の性能や生産性の向上、洗浄などの衛生面のために、複数の床部を合成樹脂によって一体成形することが考えられている。その場合に、各床部をブロー成形などで中空状に成形し、端面に凹凸状のかみ合わせ部を作り、凹凸部にロッドを挿入して回動自在に連結することが計られていた。
【0006】
しかしながら、各床部をロッドで連結する場合、上記床部のかみ合わせ部にロッドを通すための孔を開けなければならないから、その作業に手間が掛り、さらに上記ロッドによって各床部を連結するという作業も行わなければならないから、その作業にも手間が掛かるということがあり、生産性の向上に支障をきたしていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このように、隣り合う各床部をロッドで連結する作業は生産性の向上に不向きであり、また組立て作業も容易でないなどのことがあった。
この発明は、隣り合う床部をロッドで連結する場合に比べて作業性の向上を計ることができるようにした床板装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、複数の床板体に分割され各床板体が回動自在に連結された床板装置において、
各床板体は合成樹脂によって成形されるとともに、少なくとも1つは薄肉ヒンジを介して回動自在に連結された複数の床部および両端に位置する床部から突出形成されたフックを有し、
その床板体と隣り合う床板体には上記フックと対応する位置に凹み部が形成されているとともに、その凹み部に一部を露出させて係止軸が設けられ、この係止軸の凹み部に露出した部分に上記フックが係止されることを特徴とする。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、少なくとも長手方向中央部に位置する床板体の幅方向端部には、その幅方向内方へ凹んだ凹部が形成されていることを特徴とする。
【0012】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2の発明において、上記床板体の幅方向端部には、1つの床部の端面に取り付け固定される取付け部及びこの取付け部に回動自在に連結されるとともに上記1つの床部に薄肉ヒンジによって連結された他の床部に取付け固定される回動部とを有する補強部材が設けられていることを特徴とする。
【0013】
請求項4の発明は、請求項2の発明において、長手方向中央に位置する床板体の幅方向内方へ凹んだ凹部には、1つの床部の端面に取り付け固定される取付け部及びこの取付け部に回動自在に連結されるとともに上記1つの床部に薄肉部によって連結された他の床部に取付け固定される回動部とを有する補強部材が設けられていることを特徴とする。
【0014】
請求項5の発明は、請求項4の発明において、上記補強部材の取付け部には支持体が上記凹部に対して突没自在に設けられていることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項5の発明において、上記補強部材の取付け部は、厚肉部およびこの厚肉部の両端から延出された薄肉部とを有し、この薄肉部上に隣り合う床部の一端部が位置しており、上記薄肉部の端部に上記支持体を上記取付け部にスライド自在に支持するガイド孔が形成されていることを特徴とする。
【0015】
請求項7の発明は、ベッドフレームを有し、このベッドフレームには少なくとも一部が起伏駆動可能な床板装置が設けられる背上げ式のベッド装置において、
上記床板装置は請求項1乃至請求項6のいずれかに記載された構成であることを特徴とする。
【0017】
請求項1の発明によれば、複数の床板体を有する床板装置において、床板体を合成樹脂によって成形するとともに、少なくとも1つの床板体は薄肉ヒンジを介して回動自在に連結された複数の床部を有する構成としたから、ロッドによる連結作業が不要となるため、生産性の向上が計れる。
【0019】
また、請求項1の発明によれば、複数に分割された床板体の隣り合う部分の一方にフック、他方に係止軸を露出させる凹み部を形成し、上記フックと係止軸とを係合させるという作業によって床板体を組み立てるようにしたから、その組立作業を容易に行うことができる。
【0020】
請求項2の発明によれば、床板体お幅方向端部に、その幅方向内方へ凹んだ凹部を形成したことで、床板装置上に仰臥した病人などを介護する場合、床板体の幅方向中央側に近付き、病人などの介護を容易に行うことが可能となる。
【0021】
請求項3の発明によれば、床板体の幅方向端部に、1つの床部に取り付け固定される取付け部及びこの取付け部に回動自在に連結されるとともに上記1つの床部に薄肉ヒンジを介して連結された床部に取り付けられる回動部を有する補強部材を設けたので、薄肉ヒンジによって連結された床部の起伏を繰り返しても、その薄肉ヒンジによる連結状態が損なわれることがない。
【0022】
請求項4の発明によれば、床板体の幅方向内方へ凹んだ凹部には、1つの床部に取り付け固定される取付け部及びこの取付け部に回動自在に連結されるとともに上記1つの床部に薄肉ヒンジを介して連結された床部に取り付けられる回動部を有する補強部材を設けたので、薄肉ヒンジによって連結された床部の起伏を繰り返しても、その薄肉ヒンジによる連結状態が損なわれることがないばかりか、床板装置上に仰臥した病人などを介護する場合、床板体の幅方向中央側に近付き、病人などの介護を容易に行うことが可能となる。
【0023】
請求項5の発明によれば、床板体の凹部に設けられた補強部材の取付け部に、支持体を上記凹部に対して突没自在に設けるようにしたから、この支持体によって床板装置上に載置されるマットレス装置の上記凹部に対応する部分を確実に支持することができ、しかもマットレス装置の上記凹部に対応する部分を圧縮変形させるとともに上記支持体を凹部内へ変位させることで、床板装置上に仰臥した病人などを介護する場合、床板体の幅方向中央側に近付き、病人などの介護を容易に行うことが可能となる。
【0024】
請求項6の発明によれば、補強部材の取付け部を、厚肉部及びこの厚肉部の両端から延出された薄肉部とから形成し、この薄肉部上に隣り合う床部の一端部を位置させ、かつ薄肉部の端部に支持体をスライド自在に支持するガイド孔を形成したことで、一対の薄肉部に形成されるガイド孔の間隔を1つの床部の寸法よりも大きくし、支持体の支持スパンを大きくできるから、床板体に形成される凹部の寸法を大きくしても、その支持体の支持状態の安定性を確保することができる。
【0025】
請求項7の発明によれば、背上げ式のベッド装置のベッドフレーム上に、薄肉ヒンジによって床部が回動自在に連結された床板体を有する床板装置を用いるようにしたことで、そのベッド装置の生産性の向上と組立作業の容易化とを計ることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施の形態を図面を参照して説明する。
図10に示すベッド装置Bは下面四隅部に脚2が設けられたベ−スフレ−ム1を備えている。このベ−スフレ−ム1の四隅部には取付部3が設けられ、各取付部3には上下駆動ア−ム4の一端が回動自在に連結されている。各上下駆動ア−ム4の他端はベッドフレ−ム5に連結されている。
【0028】
つまり、ベッドフレ−ム5の両側の長手方向両端部にはそれぞれブラケット6が垂設されている。ベッドフレ−ム5の幅方向において対応する各一対のブラケット6には横軸7が回転自在に架設されている。各横軸7には上記上下駆動ア−ム4の他端が固着されている。
【0029】
上記一対の横軸7は図示しない上下駆動機構によって回転駆動されるようになっている。横軸7が回転駆動されれば、上記上下駆動ア−ム4が起伏駆動される。それによって、上記ア−ム4の他端に連結されたベッドフレ−ム5が上下駆動されるようになっている。
【0030】
上記ベッドフレ−ム5は、その長手方向に沿う一対の長尺杆8と幅方向に沿う一対の短尺杆(図示せず)との端部を連結部材11によって連結した矩形枠状をなしている。長手方向一端側に位置する一対の連結部材11にはヘッドボ−ド枠12が取り付けられ、他端側に位置する一対の連結部材11にはフットボ−ド枠13が取り付けられている。
【0031】
上記ベッドフレ−ム5の上面には床板装置21が設けられている。この床板装置21は図1に示すように第1乃至第3の3つの床板体22,23,24に分割されている。
【0032】
長手方向中央に位置する第2の床板体23の長手方向両端には図2に示すようにそれぞれフック25が逆向きに突出形成されている。このフックの内面の開放端側の両端部には図4に示すように突条26が形成されている。
【0033】
上記第1の床板部22と第3の床板部24との端部には上記フック25に対応する位置に凹み部27が形成されているとともに、その端部の幅方向に沿って係止軸28が架設されている。この係止軸28は上記凹み部27の部分で露出しており、その露出部分が上記フック25に係止されている。
【0034】
それによって、第1乃至第3の床板体22〜24が回動自在に連結されている。なお、係止軸28は上記フック25の突条26を弾性的に変形させてそのフック25内に入り込むようになっている。それによって、各床板体22〜24の連結状態が不用意に外れることがないようになっている。
【0035】
上記第2の床板体23は合成樹脂によって第1乃至第3の3つの床部31a〜31cが一体成形されてなる。つまり、各床部31a〜31cは図3に示すようにブロー成形によって中空状に形成されているとともに、中央に位置する第2の床部31bの両側には第1の床部31aと第3の床部31cとがそれぞれ薄肉ヒンジ32によって折り曲げ自在に一体的に連結されている。
【0036】
図1に示すように、上記第2の床部31bは幅方向両端部に内方へ凹んだ凹部33が形成されている。この凹部33の端面部、つまり第2の床部31bの幅方向両端部にはそれぞれ合成樹脂製の補強部材34が設けられている。この補強部材34は図5と図8に示すように中央に位置する第2の床部31aの端面に取付け固定される取付け部35を有する。この取付け部35は厚肉部36aの両端に薄肉部36bが形成され、この薄肉部36b上に上記第1の床部31aと第3の床部31cとの幅方向一端部が位置するようになっている。
【0037】
上記厚肉部36aの両端部にはレバー状の回動部37の一端がピン38によって回動自在に連結されている。この回動部37は、上記薄肉部36a上に位置する第1、第3の床部31a,31cの幅方向端部の上面にねじ39によって連結固定されている。
【0038】
上記厚肉部36aの両端部には取付孔41が厚さ方向に貫通して形成され、この取付孔41に挿通される図示しないねじによって上記補強部材34はベッドフレーム5に取り付け固定されている。
【0039】
補強部材34をベッドフレームに固定することで、第2の床部31bがベッドフレーム5に固定され、第1の床部31aと第3の床部31cとは上記第2の床部31bに対して薄肉ヒンジ32により折り曲げ自在(回動自在)となっている。第1の床部31aと第3の床部31cは薄肉ヒンジ32によって連結されているだけでなく、上記補強部材34の回動部37によっても連結されている。
【0040】
そのため、第1の床部31aと第3の床部31cとの幅方向において荷重が不均一に加わっても、回動部37によって連結された第1の床部31aと第3の床部31cとが大きく撓むのを規制されるから、上記薄肉ヒンジ32に大きなせん断力が加わって破損するのが防止できるようになっている。
【0041】
上記第2の床板体23の凹部33にはそれぞれ支持体43がこの凹部33に突没自在に設けられている。支持体43は図5に示すように帯状のプレート44と、このプレート44の上端側に所定間隔で一端が連結された3本のガイドロッド45と、上記プレート44の下端側に中途部が連結固定されたコ字状のガイド部材46とから構成されている。
【0042】
上記補強部材34の取付け部35には、厚肉部36aの中央部および両端部と、薄肉部36bの端部とにそれぞれガイド孔42が形成されている。上記ガイドロッド45は上記厚肉部36bのガイド孔42にスライド自在に挿入支持され、上記ガイド部材46の両端部は上記薄肉部36bのガイド孔42にスライド自在に挿入支持されている。それによって、上記支持体43は上記凹部33に図1に矢印で示す方向に突没自在にスライドできるようになっている。
【0043】
上記第2の床部31bの下面には、図3と図7に示すように、その下面側に開放した溝部47が幅方向全長にわたって形成されている。この溝部47には図7に示すようにチャンネル部材48が設けられている。このチャンネル部材48内の一端側と他端側とにはそれぞれスライダ51がスライド自在に設けられている。
【0044】
各スライダ51はチャンネル部51aと、L字状部51bとを有し、チャンネル部51aの両側壁には所定長さの長孔(図示せず)が長手方向に沿って形成され、この長孔には上記チャンネル部材48の幅方向に架設されたガイドロッド52が挿入されている。したがって、上記スライダ51はその長孔の範囲内で上記ガイドロッド52に沿ってスライド自在となっている。
【0045】
各スライダ51のチャンネル部51aの端部は上記支持体43のプレート44に連結固定されている。さらに、上記ガイドロッド52と上記スライダ51のL字状部51bの先端との間にはばね53が張設されている。
【0046】
上記支持体43を上記床板体23の凹部33に入り込む方向へスライドさせ、そのスライドにスライダ51が連動すると、スライダ51とガイドロッド52との間に張設されたばね53が復元力に抗して引き伸ばされる。つまり、支持体43はばね53の復元力に抗して凹部33内方へ没入する方向へ変位する。したがって、支持体43に付与した押圧力を解除すれば、上記支持体43はばね53の復元力によって凹部33に突出する状態に戻ることになる。
【0047】
上記床板装置21上にはマットレス装置61が載置される。このマットレス装置61は図9に示すようにクッション体62が袋状に縫製された布製の外装体63に収容されてなる。
【0048】
上記クッション体62は、発泡ウレタンフォーム、サイザル繊維あるいは圧縮成形された綿などの弾性材料によってほぼ矩形状に形成された本体部64を有する。この本体部64は幅方向両側の長手方向中途部に凹状の窪み部65が形成されていて、この窪み部65には補助弾性部材66が設けられている。
【0049】
上記補助弾性部材66は上記本体部64よりも十分に軟質になるよう発泡成形されたウレタンフォームなどによって形成されていて、幅方向(マットレス装置61の幅方向と同方向)に圧縮変形し易いようになっている。
【0050】
上記窪み部65に設けられた補助弾性部材66は、クッション体62の周囲を被覆するとともにこのクッション体62に紐状部材67によって結合されたメッシュ68によってクッション体62と一体的に保持されている。
【0051】
上記クッション体62の上下面には幅方向に沿う溝部62aが長手方向に所定間隔で形成されている。この溝部62aはクッション体52の上面と下面において長手方向における位置を上記間隔の約2分の1ずらして形成されている。
【0052】
上記マットレス装置61の両側に設けられた補助弾性部材66は、このマットレス装置61の左右方向および前後方向において対称形状に形成されている。それによって、床板装置21上に載置されたマットレス装置61を裏返したり、前後の向きを変えて使用しても、床板21の凹部24に対してマットレス装置61の補助弾性部材66の位置がずれることがないようになっている。
【0053】
マットレス装置61の補助弾性部材66は上記床板装置21の第2の床板体23に形成された凹部33に対応位置する。つまり、支持体43によって支持されている。したがって、上記補助弾性部材66の部分を幅方向内方へ押圧すれば、この補助弾性部材66が圧縮変形するとともに、その変形によって支持体43を凹部33内へ没入する方向へ弾性的に変位させることができる。
【0054】
図10に示すように、上記ベッドフレ−ム5の下面側には背上げ駆動機構71が設けられている。この背上げ駆動機構71は一側面に駆動源70が設けられたボックス72を有し、このボックス72の一端側と他端側とにはそれぞれ軸線をベッドフレ−ム5の幅方向に沿わせた第1の駆動軸73と第2の駆動軸74とが設けられている。
【0055】
ヘッドボ−ド枠12側に位置する第1の駆動軸73には第1のア−ム75の一端が固着されている。この第1のア−ム75の他端部には一対の第1のロ−ラ76が所定間隔で回転自在に設けられている。このロ−ラ76は上記第1の床板体22の下面に設けられた断面コ字状のレ−ル77に転動自在に係合している。
【0056】
上記第2の駆動軸74には第2のア−ム78の一端が連結されている。この第2のア−ム78の他端には第2のロ−ラ79が回転自在に設けられている。この第2のロ−ラ79は上記第2の床板体23の第3の床部31cの下面に当接している。
【0057】
上記第1の駆動軸73と第2の駆動軸74は上記背上げ駆動機構71によって回転駆動されるようになっている。第1の駆動軸73が回転駆動されて第1のア−ム75が起上方向に回動すると、第1の床板体22と第2の床板体23の第1の床部31aとが起上させられる。第2の駆動軸74が回転駆動されて第2のア−ム78が起上方向に回動すると、第2の床板体23の第3の床部31cが起上方向に駆動され、この第3の床部31cに第3の床板体24が連動する。
【0058】
第3の床板体24とベッドフレ−ム5との間にはリンク81が両端部を回転自在に連結して設けられている。それによって、第3の床板体24は第3の床部31cに連動した状態、つまり第3の床部31cとでほぼへの字状をなした状態で保持されるようになっている。
【0059】
上記構成のベッド装置によれば、床板装置21の第2の床板体23の幅方向両側には幅方向に凹んだ凹部33が形成され、マットレス装置61のクッション体62の長手方向中央部分の幅方向両側は補助弾性部材65によって形成されている。
【0060】
上記マットレス装置61の補助弾性部材65は圧縮変形可能な柔らかさであるが、その補助弾性部材65の下面側は上記床板装置21の凹部33に突出した支持体43によって支持されている。
【0061】
そのため、支持体43によって支持された補助弾性部材65は、荷重によって変形し過ぎるようなことがないから、通常のベッド面の一部として有効に利用することができる。つまり、補助弾性部材65を設けることで、マットレス装置65の有効使用面積が減少するということがない。
【0062】
しかも、本体部63の窪み部64に設けられた補助弾性部材65はメッシュ67によって本体部63と一体的に保持されているから、窪み部64から脱落して利用者に違和感を与えたり、接着剤で接着固定した場合のように固化した接着剤の硬さによってクッション性能が低下したり、使用にともない剥離するなどのことが防止される。
【0063】
一方、マットレス装置61上に仰臥した図示しない老人や病人などの利用者を診察したり、介護する場合、診察者や介護者は床板装置21の凹部33に突出した支持体43と、マットレス装置61の支持体43上に載置された補助弾性部材65とを身体の一部、たとえば太腿の部分で押圧する。それによって、上記支持体43が弾性的に没入方向へスライドするとともに、マットレス装置61の補助弾性部材65が圧縮変形されるから、診察者や観察者は床板装置21の凹部33内へ入り込み、マットレス装置61に仰臥した利用者に近付くことができる。
【0064】
そのため、診察者や介護者は、利用者の身体を部分的に持ち上げたり、寝返りを打たせるなどの作業を、腰に負担が掛かることのない態勢で容易に行うことができる。
【0065】
また、足腰が弱った利用者がマットレス装置61上から降りる場合、床板装置21の凹部33の箇所から降りるようにする。それによって、利用者が立ち上がるとき、利用者の大腿部が支持体61や補助弾性部材55によって弾性的に保持されるから、保持されない場合に比べて立ち上がるときの安定性が得られる。
【0066】
一方、利用者の上半身を起す場合には、背上げ駆動機構71を作動させて第1の駆動軸73と第2の駆動軸74を回転させる。それによって、第1のアーム75と第2のアーム78とが起立方向に回動するから、その動きに連動して第1の床板体22、第2の床板体23の第1の床部31aと第3の床部31cさらに第3の床板体24が図10に示すように回動上昇する。
【0067】
床板装置21の各床板体22〜24が駆動されれば、それに応じてマットレス装置61も屈曲されるから、このマットレス装置61上に仰臥した利用者は上半身が起され、脚部が持ち上げられた状態で支持されることになる。
【0068】
上記床板装置21の第2の床板体23は第1乃至第3 の床部31a〜31cが合成樹脂によって薄肉ヒンジ32を介して一体に連結された状態で成形されてなる。
【0069】
そのため、各床部31a〜31cを別々に成形してロッドで連結する場合に比べて上記第2の床板体23の生産を容易に、しかも能率よく行うことが可能となる。
【0070】
第1乃至第3 の床部31a〜31cが薄肉ヒンジ32を介して一体に連結された第2の床板体23では、その第1 の床部31aや第3の床部31cに荷重が不均一に加わるなどすると、その荷重が薄肉ヒンジ32に直接、せん断力として作用することになるから、上記薄肉ヒンジ32が損傷する虞がある。
【0071】
しかしながら、第2の床板体23の幅方向端部には補強部材34の取付け部35が第2の床部332bに連結固定され、回動部37が第1、第2の床部31a,31cにそれぞれ連結して設けられている。
【0072】
そのため、第1の床部31aと第3の床部31cとに荷重が不均一に加わっても、上記回動部37によって各床部31a,31cから薄肉ヒンジ32にせん断力が加わるのが制限される。つまり、回動部37によって第1の床部31aと第3の床部31cとが不均一な荷重によって大きく撓むのが阻止されることで、薄肉ヒンジ32にせん断力が作用するのが制限されるから、上記薄肉ヒンジ32が早期に破損するのを防止することができる。
【0073】
上記補強部材34の取付け部35は、厚肉部36aの両端部から薄肉部36bを延出した構成とし、その薄肉部36b上に第1の床部31aと第3の床部31cとの端部を位置させるとともに、上記薄肉部36bの端部に支持体43のガイド部材46をスライド自在に支持するガイド孔42を形成した。
【0074】
そのため、一対のガイド孔42の間隔を第2の床部31bの幅寸法よりも大きく取ることができるから、上記支持体43を安定性よく支持することができる。つまり、支持体43を支持するガイド部材46の両端部の間隔を大きく取ることができるから、支持体43の長さ寸法が長くなっても、この支持体43を補強部材34の取付け部35に安定性のよい状態でスライド自在に支持することができる。
【0075】
上記マットレス装置61のクッション体62の本体部63には、上下面に幅方向に沿う溝部62aが長手方向に所定間隔で形成されていることで長手方向に沿って屈曲され易い状態になっている。
【0076】
そのため、クッション体62は床板装置21の第1乃至第3の床板体22〜24を起上させることで、その起上に応じて容易に屈曲させることができる。つまり、クッション体62が屈曲されにくいと、起上させられた床板体21の上面に沿って湾曲せず、これら床板体から浮き上がる虞があるが、上記クッション体62は溝部62aよって屈曲され易くしているため、床板装置21から浮き上がることなく屈曲されることになる。
【0077】
この発明は上記一実施の形態に限定されず、たとえば第2の床板体の3つの床部から形成し、これら3つの床部をそれぞれ薄肉ヒンジで回動自在に連結したが、床板体の床部は2つあるいは4つ以上であってもよく、要は複数の床部が薄肉ヒンジによって回動自在に連結されていればよい。したがって、補強部材も、連結する床部の数が限定されるものでない。
【0078】
また、マットレス装置としては、エアーマットレス、ウオータマットレス、とくに低反発のポリウレタンフォーム製で、床板装置の凹部に対応する部分に幅方向内方へ圧縮変形し易いよう厚さ方向に貫通する孔が形成されたものなどであってもよい。
【0079】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、複数の床板体を有する床板装置において、床板体を合成樹脂によって成形するとともに、少なくとも1つの床板体は薄肉ヒンジを介して回動自在に連結された複数の床部を有する構成としたから、ロッドによる連結作業が不要となるため、生産性の向上が計れる。
【0081】
また、請求項1の発明によれば、複数に分割された床板体の隣り合う部分の一方にフック、他方に係止軸を露出させる凹み部を形成し、上記フックと係止軸とを係合させるという作業によって床板体を組み立てるようにしたから、その組立作業を容易に行うことができる。
【0082】
請求項2の発明によれば、床板体お幅方向端部に、その幅方向内方へ凹んだ凹部を形成したことで、床板装置上に仰臥した病人などを介護する場合、床板体の幅方向中央側に近付き、病人などの介護を容易に行うことが可能となる。
【0083】
請求項3の発明によれば、床板体の幅方向端部に、1つの床部に取り付け固定される取付け部及びこの取付け部に回動自在に連結されるとともに上記1つの床部に薄肉ヒンジを介して連結された床部に取り付けられる回動部を有する補強部材を設けたので、薄肉ヒンジによって連結された床部の起伏を繰り返しても、その薄肉ヒンジによる連結状態が損なわれることがない。
【0084】
請求項4の発明によれば、床板体の幅方向内方へ凹んだ凹部には、1つの床部に取り付け固定される取付け部及びこの取付け部に回動自在に連結されるとともに上記1つの床部に薄肉ヒンジを介して連結された床部に取り付けられる回動部を有する補強部材を設けたので、薄肉ヒンジによって連結された床部の起伏を繰り返しても、その薄肉ヒンジによる連結状態が損なわれることがないばかりか、床板装置上に仰臥した病人などを介護する場合、床板体の幅方向中央側に近付き、病人などの介護を容易に行うことが可能となる。
【0085】
請求項5の発明によれば、床板体の凹部に設けられた補強部材の取付け部に、支持体を上記凹部に対して突没自在に設けるようにしたから、この支持体によって床板装置上に載置されるマットレス装置の上記凹部に対応する部分を確実に支持することができ、しかもマットレス装置の上記凹部に対応する部分を圧縮変形させるとともに上記支持体を凹部内へ変位させることで、床板装置上に仰臥した病人などを介護する場合、床板体の幅方向中央側に近付き、病人などの介護を容易に行うことが可能となる。
【0086】
請求項6の発明によれば、補強部材の取付け部を、厚肉部及びこの厚肉部の両端から延出された薄肉部とから形成し、この薄肉部上に隣り合う床部の一端部を位置させ、かつ薄肉部の端部に支持体をスライド自在に支持するガイド孔を形成したことで、一対の薄肉部に形成されるガイド孔の間隔を1つの床部の寸法よりも大きくし、支持体の支持スパンを大きくできるから、床板体に形成される凹部の寸法を大きくしても、その支持体の支持状態の安定性を確保することができる。
【0087】
請求項7の発明によれば、背上げ式のベッド装置のベッドフレーム上に、薄肉ヒンジによって床部が回動自在に連結された床板体を有する床板装置を用いるようにしたことで、そのベッド装置の生産性の向上と組立作業の容易化とを計ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態を示す床板装置の斜視図。
【図2】同じく床板装置の長手方向に沿う断面図。
【図3】同じく第2の床板体の長手方向に沿う拡大断面図。
【図4】同じく第2の床板体の端部のフックの部分の拡大断面図。
【図5】同じく補強部材と支持体とを示す斜視図。
【図6】同じく第2の床板体の上面側を示す平面図。
【図7】同じく第2の床板体の下面側を示す平面図。
【図8】同じく第2の床板体と補強部材との断面図。
【図9】同じくマットレス装置の斜視図。
【図10】同じくベッド装置の側面図。
【符号の説明】
5…ベッドフレーム
21…床板装置
22〜24…床板体
31a〜31c…床部
32…薄肉ヒンジ
33…凹部
34…補強部材
35…取付け部
37…回動部
43…支持体
Claims (7)
- 複数の床板体に分割され各床板体が回動自在に連結された床板装置において、
各床板体は合成樹脂によって成形されるとともに、少なくとも1つは薄肉ヒンジを介して回動自在に連結された複数の床部および両端に位置する床部から突出形成されたフックを有し、
その床板体と隣り合う床板体には上記フックと対応する位置に凹み部が形成されているとともに、その凹み部に一部を露出させて係止軸が設けられ、この係止軸の凹み部に露出した部分に上記フックが係止されることを特徴とする床板装置。 - 少なくとも長手方向中央部に位置する床板体の幅方向端部には、その幅方向内方へ凹んだ凹部が形成されていることを特徴とする請求項1記載の床板装置。
- 上記床板体の幅方向端部には、1つの床部の端面に取り付け固定される取付け部及びこの取付け部に回動自在に連結されるとともに上記1つの床部に薄肉ヒンジによって連結された他の床部に取付け固定される回動部とを有する補強部材が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の床板装置。
- 長手方向中央に位置する床板体の幅方向内方へ凹んだ凹部には、1つの床部の端面に取り付け固定される取付け部及びこの取付け部に回動自在に連結されるとともに上記1つの床部に薄肉部によって連結された他の床部に取付け固定される回動部とを有する補強部材が設けられていることを特徴とする請求項2記載の床板装置。
- 上記補強部材の取付け部には支持体が上記凹部に対して突没自在に設けられていることを特徴とする請求項4記載の床板装置。
- 上記補強部材の取付け部は、厚肉部およびこの厚肉部の両端から延出された薄肉部とを有し、この薄肉部上に隣り合う床部の一端部が位置しており、上記薄肉部の端部に上記支持体を上記取付け部にスライド自在に支持するガイド孔が形成されていることを特徴とする請求項5記載の床板装置。
- ベッドフレームを有し、このベッドフレームには少なくとも一部が起伏駆動可能な床板装置が設けられる背上げ式のベッド装置において、
上記床板装置は請求項1乃至請求項6のいずれかに記載された構成であることを特徴とするベッド装置。
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