JP3616149B2 - 揮散容器 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は揮散容器に関し、特に、芳香剤、防虫剤等の固形状の揮散物を揮散させるのに有効な揮散容器に関するものである。
【0002】
【従来技術およびその問題点】
一般に、芳香剤や防虫剤等の固形状の揮散物を揮散させるために用いられる揮散容器にあっては、容器の内部に収納した揮散物を容器に設けた通気孔を介して空気と接触させて揮散させ、揮散物の香りを空気中に漂わせることで室内の悪臭等を消失させるようになっている。
【0003】
しかしながら、通気孔は、デザイン処理上の問題等から容器の限られた部分にしか設けることができないとともに、開口面積の調節ができないために揮散物の揮散量の調節ができず、悪臭等の強さに応じた適度な香りを空気中に漂わせることができない。そのため、悪臭等を完全に消失させることができなかったり、香りが強すぎたりする等の不具合が生じる。
【0004】
一方、実開昭61−115547号公報には、芳香剤の揮散量の調節を可能にした芳香剤容器が開示されている。この芳香剤容器は、芳香剤を収容する容器本体に連結部を設け、連結部の上面又は下面のいずれか一方に突起を形成し、この突起が嵌合する穴をいずれか他方に形成し、これら突起と穴を他の芳香剤容器にも形成し、このように突起と穴を形成した複数の芳香剤容器を積み重ね、各々の芳香剤容器を水平方向に旋回可能としたものである。
【0005】
このような芳香剤容器にあっては、各々の芳香剤容器を水平方向に旋回させることで各々の芳香剤容器に収納されている芳香剤の香りを空気中に漂わせることができるとともに、各々の芳香剤容器の旋回角度を調節することによって芳香剤の揮散量の調節が可能となるものである。
【0006】
しかしながら、各々の芳香剤容器は上面側が開口するようになっているために設置方向が限定されてしまい、押入れや箪笥等の限られた空間に傾斜した状態等で設置することができず、汎用性のないものとなってしまう。
【0007】
この発明は前記のように従来のもののもつ問題点を解決したものであって、揮散物の揮散量の調節が簡単にできるとともに、設置方向が限定されることがなく汎用性の高い揮散容器を提供することを目的とするものである。
【0008】
【問題点を解決するための手段】
上記の問題点を解決するために、本発明の請求項1に係る揮散容器は、揮散物を収納し得る上部が開口する容器本体と、この容器本体の開口部に着脱可能に装着されるとともに、容器本体内外を連通する通気孔を有する蓋部材とからなる一対の揮散物収納体を、各々の蓋部材が互いに密着した状態で相対的に回動可能に連結し、回動角度に応じて前記通気孔の開口面積が変化するように構成した手段を採用している。
また、本発明の請求項2に係る揮散容器は、請求項1記載の揮散容器であって、前記一対の揮散物収納体を回動可能に連結した状態で前記各蓋部材の一部を前記各容器本体から着脱自在とした手段を採用している。
さらに、本発明の請求項3に係る揮散容器は、請求項1又は2記載の揮散容器であって、前記一対の揮散物収納体を連結手段を介して回動可能に連結した手段を採用している。
さらに、本発明の請求項4に係る揮散容器は、請求項3記載の揮散容器であって、前記連結手段は、前記一方の揮散物収納体に設けた凹部と、前記他方の揮散物収納体に設けた凸部とからなり、これら凹部と凸部を相互に係合させることにより、前記一対の揮散物収納体を相対的に回動可能に連結した手段を採用している。
さらに、本発明の請求項5に係る揮散容器は、請求項3記載の揮散容器であって、前記連結手段は、前記一対の揮散物収納体を挿通するボルトと、このボルトに螺合するナットとからなる手段を採用している。
さらに、本発明の請求項6に係る揮散容器は、請求項1から5の何れかに記載の揮散容器であって、前記一方の揮散物収納体に噛合部材を設けるとともに、この噛合部材と噛合し得る被噛合部材を前記他方の揮散物収納体に設け、これらを相互に噛合させることにより、前記一対の揮散物収納体を所定の回動位置に保持可能とした手段を採用している。
さらに、本発明の請求項7に係る揮散容器は、請求項6記載の揮散容器であって、前記噛合部材は前記凹部の周囲に設けられる大ギア部からなるとともに、前記被噛合部材は前記凸部の周囲に設けられる小ギア部からなり、これらを相互に噛合させることにより、前記一対の揮散物収納体を所定の回動位置に保持可能とした手段を採用している。
そして、本発明の請求項8に係る揮散容器は、揮散物を収納し得る上部が開口する容器本体と、この容器本体の開口部に着脱可能に装着されるとともに、容器本体内外を連通する通気孔を有する蓋部材とからなる一対の揮散物収納体間に、上下面が開口する容器本体と、この容器本体の開口部に着脱可能に装着されるとともに、容器本体内外を連通する通気孔を有する蓋部材とからなる少なくとも1つの揮散物収納体を設け、これらの揮散物収納体を隣接する蓋部材が互いに密着した状態で相対的に回動可能に連結し、回動角度に応じて前記通気孔の開口面積が変化するように構成した手段を採用している。
【0009】
【作用】
この発明は前記のような手段を採用したことにより、一対の揮散物収納体の各々の容器本体に揮散物を収納し、一方の揮散物収納体を他方の揮散物収納体に対して相対的に回動させると、各々の蓋部材の通気孔を介して揮散物が空気と接触して揮散し、揮散物の香りが空気中に漂うことになる。この場合、一方の揮散物収納体の他方の揮散物収納体に対する相対的な回動角度を調節することによって、そのときの回動角度に応じた通気孔の開口面積が得られ、通気孔の開口している部分を介して揮散物が空気と接触して揮散し、揮散物の香りが空気中に漂うことになる。
【0010】
そして、一方の揮散物収納体に凹部を設けるとともに、他方の揮散物収納体に凸部を設けてそれらを相互に係合させ、または一対の揮散物収納体に挿通したボルトにナットを螺合させることにより、一対の揮散物収納体が回動可能に連結されるものである。
【0011】
さらに、一方の揮散物収納体に設けた噛合部材と、他方の揮散物収納体に設けた被噛合部材を相互に噛合させることにより、一対の揮散物収納体の回動角度の調節が可能となるとともに、所定の回動位置に保持可能となるので、回動角度に応じた揮散物の揮散量が確実に得られるものである。この場合、噛合部材として大ギア部、被噛合部材として小ギア部を用い、両者を相互に噛合させれば両揮散物収納体の回動位置における保持力が更に高まるので、所望の揮散量が確実に得られるものである。
【0012】
さらに、一対の揮散物収納体間に、上下面に通気孔を有する少なくとも1つの揮散物収納体を設けることによって、揮散物の揮散量をさらに増やすことができるので、悪臭等の強い箇所には有効となるものである。
【0013】
【実施例】
以下、図面に示すこの発明の実施例について説明する。
図1〜図15には、この発明による揮散容器の一実施例が示されていて、この実施例に示す揮散容器は、一対の揮散物収納体1、20を互いに回動可能に連結したものであって、回動角度に応じた芳香剤や防虫剤等の揮散物40、40の揮散量が得られるように構成したものである。
【0014】
前記一方の揮散物収納体1は、上部が開口するリーフ形状の樹脂製の容器本体2と、この容器本体2の開口部に着脱自在に装着されるリーフ形状の樹脂製の蓋部材10とから構成されている(図4〜図9参照)。
【0015】
前記容器本体2は、リーフ形状をなす平板状の本体部3と、この本体部3の周縁部に全周に渡って一体に設けられる環状の囲い部4とからなるものであって、本体部3の上面に芳香剤や防虫剤等の固形状の揮散物40が載置されるようになっている。
【0016】
前記本体部3の図中左端部には、連結手段5の一方の構成部材である筒状の凹部6が一体に設けられ、この凹部6の内周面には断面半円形状で環状をなす突起6aが一体に設けられ、この突起6aは後述する連結手段5の他方の構成部材である筒状の凸部26の外周面の溝26aに嵌合するようになっている。
【0017】
前記凹部6の外周面の下半分には、全周に渡って山部7a、谷部7bが交互に一体に設けられ、これらの山部7a、谷部7bによって噛合部材である大ギア部7が構成されるとともに、この大ギア部7の各谷部7bに後述する被噛合部材である小ギア部27、27の突部27b、27bが噛合するようになっている。
【0018】
前記大ギア部7の前記凹部6の中心を中心として対向する部位には一対の板状のストッパ部8、8が一体に設けられ、このストッパ部8、8に後述する被噛合部材である小ギア部27の本体部27aが当接することで一対の揮散物収納体1、20の回動範囲が制限されるものである。
【0019】
前記容器本体2の本体部3には一対の筒状の位置決め用の穴9、9が一体に設けられ、この位置決め用の穴9、9に後述する蓋部材10の位置決め用のピン16、16を嵌合させることで、蓋部材10が容器本体2の所定の位置に位置決めされるものである。
【0020】
前記蓋部材10は、リーフ形状をなす平板状の本体部11と、この本体部11の周縁部に全周に渡って一体に設けられる環状の囲い部12とからなるものであって、この囲い部12の外周面を前記容器本体2の囲い部4の内周面に嵌合させることで、蓋部材10が容器本体2の開口部に装着されるものである。
【0021】
前記蓋部材10の前記容器本体2の凹部6に対応する部位には、容器本体2の凹部6を挿通させるための孔13が穿設されるとともに、この孔13の近傍の前記囲い部12が設けられている側の面にはV字状の溝14が全幅に渡って穿設され、この溝14を境にして蓋部材10の図中右側の部分又は左側の部分のみを容器本体2から外すことが可能となるものである。
【0022】
前記蓋部材10の溝14の図中右側の部分にはリーフの芯状をなす通気孔15が穿設され、蓋部材10を前記容器本体2の開口部に装着した際、前記通気孔15を介して容器本体2の内外が相互に連通するものである。
【0023】
前記蓋部材10の前記容器本体2の位置決め用の穴9、9に対応する部分には一対の位置決め用のピン16、16が一体に設けられ、このピン16、16を前記容器本体2の位置決め用の穴9、9に嵌合することで蓋部材10が前記容器本体2の所定の位置に位置決めされるものである。なお、前記蓋部材10を透明体又は半透明体とすることによって、外から揮散物40の減り具合を把握することが可能となるものである。
【0024】
前記他方の揮散物収納体20は、前記一方の揮散物収納体1と同様に、上部が開口するリーフ形状の樹脂製の容器本体22と、この容器本体22の開口部に着脱自在に装着されるリーフ形状の樹脂製の蓋部材30とから構成されている(図10〜図15参照)。
【0025】
前記容器本体22は、リーフ形状をなす平板状の本体部23と、この本体部23の周縁部に全周に渡って一体に設けられる環状の囲い部24とからなるものであって、本体部23の図中左端部(前記一方の容器本体2の凹部6に対応する部分)には連結手段5の他方の構成部材である筒状の凸部26が一体に設けられるとともに、この凸部26の外周面には断面V字状をなす溝26aが全周に渡って穿設され、この溝26aに前記一方の容器本体2の凹部6内周面の突起6aが嵌合するようになっている。
【0026】
前記凸部26の周囲の凸部26の中心を中心として対向する部位には、一対の被噛合部材である小ギア部27、27が一体に設けられている。小ギア部27、27は、棒状をなす本体部27a、27aと、この本体部27a、27aの前記凸部26との対向面に一体に設けられる断面半円形状の棒状の突部27b、27bとからなり、この突部27b、27bを前記一方の容器本体2の大ギア部7の谷部7bに噛合させるようになっている。
【0027】
前記一対の小ギア部27、27の各本体部27a、27aは、前記一方の容器本体2の一対のストッパ部8、8に各々当接するようになっていて、この小ギア部27、27の各本体部27a、27aが前記一対のストッパ部8、8に当接することで一対の揮散物収納体1、20の回動範囲が制限されるものである。
なお、この実施例においては、一方の揮散物収納体1を他方の揮散物収納体20に対して0〜90度の範囲内で回動可能としたが、これに限定することなく、他の回動範囲としてもよいものであり、用途に応じて回動範囲を設定すればよいものである。
【0028】
前記容器本体22の本体部23には一対の筒状の位置決め用の穴29、29が一体に設けられ、この位置決め用の穴29、29に後述する蓋部材30の位置決め用のピン36、36を嵌合させることで、蓋部材30が容器本体22の所定の位置に位置決めされるものである。
【0029】
前記蓋部材30は、リーフ形状をなす平板状の本体部31と、この本体部31の周縁部に全周に渡って一体に設けられる環状の囲い部32とからなるものであって、この囲い部32の外周面を前記容器本体22の囲い部24の内周面に嵌合させることで、蓋部材30が容器本体22の開口部に装着されるものである。
【0030】
前記蓋部材30の前記容器本体22の凸部26に対応する部位には、容器本体22の凸部26を挿通させるための孔33が穿設されるとともに、この孔33の近傍の前記囲い部32が設けられている側の面にはV字状の溝34が全幅に渡って穿設され、この溝34を境にして蓋部材30の図中右側の部分又は左側の部分のみを容器本体22から外すことが可能となるものである。
【0031】
前記蓋部材30の溝34の図中右側の部分にはリーフの芯の形状をなす通気孔35が穿設され、蓋部材30を前記容器本体22の開口部に装着した際、前記通気孔35を介して容器本体22の内外が相互に連通するものである。
【0032】
前記蓋部材30の前記容器本体22の位置決め用の穴29、29に対応する部分には、一対の位置決め用のピン36、36が一体に設けられ、この位置決め用のピン36、36を前記容器本体22の位置決め用の穴29、29に嵌合することで蓋部材30が前記容器本体22の所定の位置に装着されるものである。なお、前記蓋部材30を透明体又は半透明体とすることによって、外から揮散物40の減り具合を把握することが可能となるものである。
【0033】
そして、上記のように構成した一対の揮散物収納体1、20を一体に組み立てるには、まず、一方の揮散物収納体1の容器本体2の本体部3上面に芳香剤や防虫剤等の揮散物40を載置するとともに、容器本体2の開口部に蓋部材10を位置して、蓋部材10の囲い部12外周面を容器本体2の囲い部4内周面に嵌合し、蓋部材10の位置決め用のピン16、16を容器本体2の位置決め用の穴9、9内に嵌合し、蓋部材10を容器本体2の開口部に装着する(図4および図5参照)。
【0034】
次に、他方の揮散物収納体20の容器本体22の本体部23上面に芳香剤や防虫剤等の揮散物40を載置するとともに、容器本体22の開口部に蓋部材30を位置して、蓋部材30の囲い部32外周面を容器本体22の囲い部24内周面に嵌合し、蓋部材30の位置決め用のピン36、36を容器本体22の位置決め用の穴29、39内に嵌合し、蓋部材30を容器本体22の開口部に装着する(図10および図11参照)。
【0035】
この状態で一方の揮散物収納体1と他方の揮散物収納体20の蓋部材10、30を互いに密着させるとともに、一方の容器本体2の凹部6に他方の容器本体22の凸部26を挿入し、凸部26外周面の溝26aに凹部6内周面の突起6aを嵌合させ、一方の容器本体2の大ギア部7の谷部7bに他方の容器本体22の小ギア部27、27の突部27b、27bを噛合させることで両揮散物収納体1、20が回動可能に連結されるものである。
【0036】
次に、前記に示すものの作用について説明する。
上記のように組み立てた一対の揮散物収納体1、20からなる揮散容器を悪臭等を消失させようとする箇所に設置し、一方の揮散物収納体1を他方の揮散物収納体20に対して相対的に回動させると、各々の蓋部材10、30の通気孔15、35が開口し、各々の容器本体2、22に収納されている揮散物40、40が通気孔15、35の開口している部分を介して空気と接触して揮散し、揮散物40、40の香りが空気中に漂って悪臭等が消失されるものである。
【0037】
この場合、一方の揮散物収納体1は、他方の容器本体22に設けた小ギア部27、27の本体部27a、27aが一方の容器本体2に設けたストッパ部8、8に当接する範囲内(0〜90度の範囲内)で、他方の揮散物収納体20に対して相対的に回動可能となっているので、一方の揮散物収納体1の他方の揮散物収納体20に対する相対的な回動角度を調節することにより、各々の通気孔15、35の開口面積を変化させることができることになる。
【0038】
したがって、回動角度に応じた通気孔15、35の開口面積、すなわち揮散物の揮散量が得られることになるので、悪臭等の強さに応じて揮散物の揮散量を調節することにより、揮散物の香りが強すぎたり弱すぎたりするような不具合が生じることはなく、悪臭等を確実に消失させることができることになる。
【0039】
また、一対の揮散物収納体1、20の各々の蓋部材10、30に各々通気孔15、35を設けたことにより、1つの揮散物収納体によって揮散容器を構成した場合に比べて、揮散物の揮散量を大幅に増やすことができることになり、揮散物の揮散量の調節幅を大きくすることができることになる。
【0040】
さらに、一方の容器本体2の大ギア部7に他方の容器本体22の小ギア部27、27を噛合させるようにしたことにより、一対の揮散物収納体1を他方の揮散物収納体20に対して相対的に回動した際、大ギア部7と小ギア部27、27との協働により一対の揮散物収納体1はその回動位置に保持されることになるので、回動角度に応じた揮散物40、40の揮散量が確実に得られるものである。
【0041】
さらに、各々の容器本体2、22の開口部にはそれぞれ蓋部材10、30が装着されているので、水平方向に設置しなくても縦置き、横置き、斜め置き等であっても揮散物40、40が容器本体2、22から脱落するようなことはなく、押入れや箪笥等の限られた空間にも容易に設置することができ、汎用性を高めることができることになる。
【0042】
そして、各々の蓋部材10、30に溝14、34を設けて、溝14、34を境にして各々の蓋部材10、30の右側の部分又は左側の部分を容器本体2、22から外せるようにしたので、揮散物40、40を詰め換えるには、一方の揮散物収納体1を他方の揮散物収納体20に対して所定量(全開状態が好ましい)回動させ、各々の蓋部材10、30の溝14、34の右側の部分を溝14、34を境にして容器本体2、22から外せば足りることになり、揮散物40、40の詰め換え作業が容易となる。
【0043】
なお、前記の説明では一方の容器本体に設けた凹部に他方の容器本体に設けた凸部を挿入することで、一対の揮散物収納体を回動可能に連結したが、これに限定することなく、ボルトとナットとを用いて一対の揮散物収納体を可動可能に連結してもよいものである。
【0044】
また、前記の説明では、一対の揮散物収納体を回動可能に連結したが、一対の揮散物収納体間に1つ又はそれ以上の揮散物収納体を位置し、この揮散物収納体も回動可能としてもよいものである。この揮散物収納体を上下面が開口する容器本体と、容器本体の開口部に着脱自在に装着される蓋部材とで構成し、各蓋部材に通気孔を設けることによって、さらに揮散量を増やすことができるものである。
【0045】
さらに、前記の説明においては、容器本体および蓋部材をリーフ形状とするとともに、蓋部材にリーフの芯状の通気孔を穿設したが、これに限定することなく他の形状(ハート形状等)の容器本体および蓋部材であってもよく、他の形状(格子状等)の通気孔であってもよいものである。
【0046】
さらに、前記の説明においては、一対の揮散物収納体を相対的に回動可能に連結したが、一対の揮散物収納体を直線的にスライド可能に連結して、通気孔の開口面積を変化させるようにしてもよいものである。この場合、2次元的なスライドでなく、3次元的なスライドであってもよいものである。
【0047】
【発明の効果】
この発明は、揮散物を収納し得る上部が開口する容器本体と、この容器本体の開口部に着脱可能に装着されるとともに、容器本体内外を連通する通気孔を有する蓋部材とからなる一対の揮散物収納体を、各々の蓋部材が互いに密着した状態で相対的に回動可能に連結し、回動角度に応じて前記通気孔の開口面積が変化するように構成したことにより、一方の揮散物収納体を他方の揮散物収納体に対して相対的に回動させると、そのときの回動角度に応じた値に各々の通気孔の開口面積が設定され、通気孔の開口している部分を介して各容器本体内の揮散物が空気と接触して揮散し、揮散物の香りが空気中に漂い、悪臭等が消失されることになる。
この場合、一方の揮散物収納体の他方の揮散物収納体に対する相対的な回動角度を悪臭等の強さに応じて調節することにより、適量の揮散物の香りを空気中に漂わせることができるので、悪臭等を消失させることができなかったり、揮散物の香りが強すぎたりするような不具合がなくなる。
また、各々の容器本体の開口部には蓋部材が装着されているので、設置方向が水平方向に限定されることはなく、横置き、縦置き、斜め置き等としても揮散物が容器本体から脱落するようなことはなく、押入れや箪笥等の限られた空間にも容易に設置することができ、汎用性を高めることができることになる。
さらに、一対の揮散物収納体を連結した状態で各蓋部材の一部を容器本体から着脱可能としたことにより、揮散物を詰め換える際に各揮散物収納体を完全に分解する必要はなく、各蓋部材の一部を容器本体から外せば足りることになるので、揮散物の詰め換えが容易となる。
また、一対の揮散物収納体は、一方の揮散物収納体に設けた凹部と、他方の揮散物収納体に設けた凸部とを相互に係合させることにより、あるいは一対の揮散物収納体を挿通したボルトにナットを螺合することにより、回動可能に連結されることになるので、全体の構成を複雑にすることなく、簡単な機構で揮散物の揮散量の調節が可能となり、安価なものを提供することができることになる。
さらに、一方の揮散物収納体に噛合部材を設けるとともに、この噛合部材と噛合し得る被噛合部材を前記他方の揮散物収納体に設け、これらを相互に噛合させることにより、一対の揮散物収納体を所定の回動位置に確実に保持することができるので、横置き、縦置き、斜め置き等としても通気孔の開口面積が変化するようなことはなく、所望の揮散物の揮散量が確実に得られることになる。この場合、噛合部材を、凹部の周囲に設けられる大ギア部と、凸部の周囲に設けられる小ギア部とで構成し、これらを相互に噛合させることにより更に保持力が高まるので、確実に所望の揮散量が得られるものである。
そして、一対の揮散物収納体間に、上下面が開口する容器本体と、この容器本体の開口部に着脱可能に装着されるとともに、容器本体内外を連通する通気孔を有する蓋部材とからなる少なくとも1つの揮散物収納体を設けることにより、更に揮散物の揮散量を増やすことができるものである等の優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による揮散容器の全体を示した平面図である。
【図2】図1に示すもののA−A線断面図である。
【図3】図1に示すものの回動状態を示した平面図である。
【図4】図1に示すものの一方の揮散物収納体の平面図である。
【図5】図4に示すもののB−B線断面図である。
【図6】図4に示すものの容器本体の平面図である。
【図7】図6に示すもののC−C線断面図である。
【図8】図4に示すものの蓋部材の平面図である。
【図9】図8に示すもののD−D線断面図である。
【図10】図1に示すものの他方の揮散物収納体の平面図である。
【図11】図10に示すもののE−E線断面図である。
【図12】図10に示すものの容器本体の平面図である。
【図13】図12に示すもののF−F線断面図である。
【図14】図10に示すものの蓋部材の平面図である。
【図15】図14に示すもののG−G線断面図である。
【符号の説明】
1、20……揮散物収納体
2、22……容器本体
3、11、23、27a、31……本体部
4、12、24、32……囲い部
5……連結手段
6……凹部
6a……突起
7……噛合部材(大ギア部)
7a……山部
7b……谷部
8……ストッパ部
9、29……位置決め用の穴
10、30……蓋部材
13、33……孔
14、26a、34……溝
15、35……通気孔
16、36……位置決め用のピン
26……凸部
27……被噛合部材(小ギア部)
27b……突部
40……揮散物
Claims (8)
- 揮散物を収納し得る上部が開口する容器本体と、この容器本体の開口部に着脱可能に装着されるとともに、容器本体内外を連通する通気孔を有する蓋部材とからなる一対の揮散物収納体を、各々の蓋部材が互いに密着した状態で相対的に回動可能に連結し、回動角度に応じて前記通気孔の開口面積が変化するように構成したことを特徴とする揮散容器。
- 前記一対の揮散物収納体を回動可能に連結した状態で前記各蓋部材の一部を前記各容器本体から着脱自在とした請求項1記載の揮散容器。
- 前記一対の揮散物収納体を連結手段を介して回動可能に連結した請求項1又は2記載の揮散容器。
- 前記連結手段は、前記一方の揮散物収納体に設けた凹部と、前記他方の揮散物収納体に設けた凸部とからなり、これら凹部と凸部を相互に係合させることにより、前記一対の揮散物収納体を相対的に回動可能に連結した請求項3記載の揮散容器。
- 前記連結手段は、前記一対の揮散物収納体を挿通するボルトと、このボルトに螺合するナットとからなる請求項3記載の揮散容器。
- 前記一方の揮散物収納体に噛合部材を設けるとともに、この噛合部材と噛合し得る被噛合部材を前記他方の揮散物収納体に設け、これらを相互に噛合させることにより、前記一対の揮散物収納体を所定の回動位置に保持可能とした請求項1から5の何れかに記載の揮散容器。
- 前記噛合部材は前記凹部の周囲に設けられる大ギア部からなるとともに、前記被噛合部材は前記凸部の周囲に設けられる小ギア部からなり、これらを相互に噛合させることにより、前記一対の揮散物収納体を所定の回動位置に保持可能とした請求項6記載の揮散容器。
- 揮散物を収納し得る上部が開口する容器本体と、この容器本体の開口部に着脱可能に装着されるとともに、容器本体内外を連通する通気孔を有する蓋部材とからなる一対の揮散物収納体間に、上下面が開口する容器本体と、この容器本体の開口部に着脱可能に装着されるとともに、容器本体内外を連通する通気孔を有する蓋部材とからなる少なくとも1つの揮散物収納体を設け、これらの揮散物収納体を隣接する蓋部材が互いに密着した状態で相対的に回動可能に連結し、回動角度に応じて前記通気孔の開口面積が変化するように構成したことを特徴とする揮散容器。
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