JPS6320298Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、殺虫剤、室内芳香剤、消臭剤等を
含浸させたマツトを、触媒燃焼を利用して加熱
し、含浸剤を蒸発させる装置の燃料容器に関する
ものである。

通常、この種の装置は、白金、パラジウムなど
の金属触媒とアルコール等の揮発性燃料とを、空
気中で接触させ、そこに生じた反応熱を利用し
て、マツトに含浸させた殺虫剤等を加熱蒸散して
いる。また使用される燃料は、液状、ゲル状、固
形のいずれでもよく、装置内にセツトした触媒部
材の下側に容器を入れて置かれ、揮発した燃料を
触媒部材と接触させている。この場合、未燃焼燃
料が装置から漏出するのを防止するために、装置
における燃料収納部分は、気密に構成されてい
る。また燃焼に伴つて水が生成し、この水が触媒
部材に触れて、一時的にせよ触媒の機能が失なわ
れないように、水溜りなども設けている。このた
め簡単であるべき装置の構造が、複雑になり易い
問題を抱えている。

この考案は、上記触媒型加熱蒸散装置の問題点
を解決することができる燃料容器を提供しようと
するものである。

上記目的によるこの考案は、容器本体とネツク
部とを合成樹脂により一体形成し、そのネツク部
の上部を外方へ拡開して、漏斗状の水受皿に形成
し、その水受皿をもつて、燃焼により生じた水を
容器本体内へ還流できるようになし、また場合に
よつては、水受皿を介して燃料容器を装置内に取
付けできるようにしてなるものである。

以下この考案を図示の実施例により詳細に説明
する。

１は燃料容器で、扁平な容器本体２と、その上
部中央に突設したネツク部３とを、合成樹脂によ
り一体に形成してなり、かつネツク部２の上部は
外方に拡開されて漏斗状の水受皿４に形成してあ
る。

また第２図に示す例は、上記水受皿４の周縁４
ａを、容器本体２よりも外側に水平に突出形成
し、この周縁４ａに取付孔５が鍵穴状に穿設して
あり、後記するように、装置内の仕切部材に周縁
４ａを当接して、燃料容器１を直接装置に取付け
ることができるようにしてある。

なお６は水受皿４に嵌着した蓋部材である。

燃料容器１を形成する合成樹脂としては、燃料
として用いられるアルコール、ベンジン、ヘキサ
ン、エーテル類に対して耐久性を有するもの、た
とえばポリプロピレン、高密度ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリエチレンテレフタレートナイ
ロンなどの樹脂でよく、それらを単層にまたは多
層に成形して作られ、成形は一般に中空体の成形
とし使用されているブロー成形法をもつて行うこ
とができる。

第３図は、第１図に示す燃料容器１を、加熱蒸
散装置１０に収納した場合を示すもので、１１は
上部が開口した燃料ケース、１２は燃料ケース１
１の開口周縁にねじ着した装置本体で、その装置
本体１２の天板１２ａに、殺虫剤、殺菌剤、室内
芳香剤、消臭剤などを含浸した四角形のマツト１
３の挿入口１４が設けてある。

また装置本体１２の内周側には、段部１５が形
成してあり、その段部１５に触媒部材１６を中央
部に貫設した断熱部材１７による仕切部材１８
が、ねじ部材１９を用いて取付けてある。上記触
媒部材１６の上方には、上記マツト挿入口１４の
真下に位置する放熱板２０があり、その放熱板２
０を触媒部材１６からの燃焼ガスにより加熱し
て、放熱板上のマツト１３に含浸した薬剤等が蒸
散するようにしてある。

このような構造の装置への燃料容器１の収納
は、上記燃料ケース１１に入れて行われる。燃料
ケース内の燃料容器１は、装置本体１２のねじ着
により、水受皿４の外周辺が、図示のように、上
記仕切部材１８の下面に接するようになり、装置
本体１２を燃料ケース１１の開口周縁に充分にね
じ着したときには、完全に密着して外周辺からの
燃料の漏出が防止される。また触媒部材１６はネ
ツク部３の上方に位置し、かつ仕切部材１８と水
受皿４との間に生じた燃焼水は、外部に漏出する
ことなく、水受皿４のテーパー面を容器本体２へ
と流れる。したがつて燃料ケース側に水溜り部を
設ける必要がなくなり、燃料ケース１１の内部構
造を簡素化することができる。

次に第４図は、第２図に示す燃料容器１を、上
記仕切部材１８の下側に直接取付けることによつ
て、燃料ケース１１を不要とすることができる場
合を示すものである。即ち、装置本体１２の下部
開口から、第２図に示す燃料容器１を仕切部材１
８の下側に挿入し、水受皿４の周縁４ａに設けた
取付孔５を、ねじ部材１９に当てがい、次に燃料
容器全体を回動して、ねじ部材１９のヘツドを取
付孔５の両縁に掛け止めする。これにより周縁４
ａは図示のように仕切部材１８の下面と密着し、
また燃料容器１はねじ部１９に止着されて、装置
本体１２と一体的に連結された状態となる。

この考案は上述のように、容器本体２とネツク
部３とを合成樹脂により一体に形成するととも
に、ネツク部３の上部を外方へ拡開して、燃料容
器１に漏斗状の水受皿４を形成し、その水受皿４
をもつて燃焼水のすべてを、容器本体内に還流す
るようにしたことから、燃焼水による触媒部材へ
の悪影響を阻止でき、また装置内に水溜り部を設
ける必要もないので、装置の内部構造を簡素化す
ることができる。更にまた水受皿を介して、燃料
容器を装置内に気密に収納または取付けることが
できるため、未燃焼燃料の漏出もなく、燃料ケー
スをも省略することができるなどの特長を有す
る。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案に係る燃料容器の実施例を示す
もので、第１図は第１実施例の縦断正面図、第２
図は第２実施例の縦断正面図、第３図は第１実施
例の燃料容器を収納した加熱蒸散装置の縦断正面
図、第４図は第２実施例の燃料容器を取付けた加
熱蒸散装置の縦断正面図である。 １……燃料容器、２……容器本体、３……ネツ
ク部、４……水受皿、４ａ……周縁、５……取付
孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 容器本体とネツク部とを合成樹脂により一体形
   成し、そのネツク部の上部を外方へ拡開して、漏
   斗状の水受皿に形成してなる触媒型加熱装置の燃
   料容器。