JP4832981B2 - 吊下げ容器 - Google Patents

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Description

本発明は、内容物を収納した容器体を吊下げ支持するフック部を備えた吊下げ容器に関するものである。
この種の吊下げ容器として、例えば特許文献1に示されるように、内部に収納された薬剤の気化ガスを外部へと放散させる放散面を備えた容器体と、この容器体の上部にフック部が設けられたものが提供されている。この吊下げ容器は、内部に例えば防虫剤が収納され、洋服タンス等に横設されたロッドに前記フック部を掛止することにより容器体を吊下げた状態で配置し、容器体の内部に収納された薬剤が揮発又は昇華して放散面から放散され、洋服タンス内の害虫を駆除するものである。
特開2001−197999号公報
ところで、この種の吊下げ容器においては、防虫剤等の薬剤を揮発又は昇華させて放散させているので、一般的に一つの容器体には一種類の薬剤のみが収納されることになる。したがって、例えば、防虫剤、消臭剤、芳香剤等の複数の薬剤を洋服タンス内に配置したり、より多くの薬剤を使用する必要がある場合には、複数の吊下げ容器を配置する必要があった。
また、前述の吊下げ容器においては、薬剤を容器体から効率良く放散させるために、容器体の放散面を大きくする必要がある。これに加えて、フック部が容器体から突出するように設けられているので、吊下げ容器全体のサイズが大きくなり、輸送時や保管時にかさばってしまうといった問題があった。
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、一つの吊下げ容器によって複数の薬剤の効果を発揮させたり、より多くの薬剤を放散させるとともに、使用時以外にはサイズを小さくすることが可能な吊下げ容器を提供することを目的とする。
この課題を解決するために、本発明の吊下げ容器は、内部に収納した薬剤の気化ガスを外部へと放散させる放散面を有する複数の容器体と、これらの複数の容器体を吊下げ支持するフック部とを備え、前記複数の容器体及び前記フック部は、それぞれ連結部によって互いに積み重ね可能となるようにこの連結部回りに回転自在に連結されるとともに、前記複数の容器体において、これらを積み重ねたときに互いに重なり合う各重ね合わせ面は、該重ね合わせ面に対向する方向から見て同形同大に構成され、前記複数の容器体のうち、前記フック部が連結された第1容器体における端部には、複数の前記連結部のうち、当該第1容器体と前記フック部とを連結するフック連結部が設けられるとともに、当該第1容器体における前記端部と反対側の端部には、複数の前記連結部のうち、当該第1容器体と他の容器体とを連結する容器体連結部が設けられていることを特徴としている。
この構成の吊下げ容器においては、複数の容器体を備え、各容器体にそれぞれ薬剤を収納しているので、一つの吊下げ容器でより多くの薬剤を放散させたり、複数の薬剤の効果を発揮させたりすることができる。
また、連結部回りに回転させることで互いに積み重ね可能に構成されているので、フック部で吊下げ支持して使用する場合には複数の前記容器体のそれぞれの重ね合わせ面を外部に向けることができ、この重ね合わせ面に放散面を設けることでそれぞれの容器体に収納された薬剤を効率的に揮発又は昇華させて放散させることができる。さらに、吊下げ容器を使用しないときには、複数の容器体及びフック部を互いに積み重ねることができ、吊下げ容器のサイズを小さくすることができる。
さらに、前記複数の容器体の一つには、一の薬剤が収納され、残りの容器体の少なくとも一つには、他の薬剤を収納させることができ、複数の薬剤の効果を総合的に発揮させることができる。
ここで、前記連結部を、前記容器体及び前記フック部の積み重ね方向に延びる回転軸を有するものとし、前記容器体及び前記フック部を前記積み重ね方向と交差する方向に回転させることで開閉可能な構成としてもよい。
この場合、容器体及びフック部を互いに回転させることで開閉させることができ、取り扱いが容易となる。
本発明に係る吊下げ容器によれば、複数の容器体にそれぞれ薬剤を収納するため、より多くの薬剤を使用したり、2種類以上の薬剤を収納して複数の薬剤の効果を発揮させることができるとともに、輸送時や保管時には複数の容器体及びフック部を積み重ねてサイズを小さくして取り扱うことができる。
以下に、本発明の第1の実施形態について添付した図面を参照して説明する。図1から図4に、本発明の第1の実施形態である吊下げ容器を示す。
この吊下げ容器10は、2つの容器体(第1容器体20、第2容器体30)とこれら容器体20、30を吊下げ支持するためのフック部11とを備えており、フック部11と第1容器体20とがフック連結部12によって連結されるとともに、第1容器体20と第2容器体30とが容器体連結部13によって連結されていて、開閉可能に構成されている。
第1容器体20は、図1及び図2に示すように、円板状の底板部21及び円筒面状をなす側面部22を備えた本体部23とこの本体部23の開口部を塞ぐように配置された蓋板部24とで構成されている。
底板部21と蓋板部24には、それぞれ第1容器体20の内部と外部とを連通するスリット状の通気口25が複数設けられており、これら底板部21及び蓋板部24が、内部に収納した薬剤の気化ガスが放散される放散面26とされている。そして、この第1容器体20には、一の薬剤として防虫剤が収納されている。
第2容器体30は、前述した第1容器体20と同形同大に形成されており、円板状の底板部31及び円筒面状をなす側面部32を備えた本体部33と蓋板部34とを有している。底板部31と蓋板部34には、それぞれ第2容器体30の内部と外部とを連通する通気口35が複数設けられ、これら底板部31及び蓋板部34が内部に収納した薬剤の気化ガスが放散される放散面36とされている。そして、この第2容器体30には、他の薬剤として消臭剤が収納されている。
フック部11は、洋服タンスに横設されたロッドに掛止可能に構成されており、本実施形態においては、図1に示すように、C字状をなすように帯状体が曲げられて構成されている。なお、フック部11を厚さ方向から見た場合には、フック部11の大きさは、第1容器体20及び第2容器体30の放散面26、36よりも小さく構成されている。
フック部11と第1容器体20とを連結するフック連結部12は、フック部11の一端に凸設された回転軸部12Aと、第1容器体20の端部に穿設された軸受孔12Bとで構成されている。回転軸部12Aは、図2に示すように、フック部11の厚さ方向に沿って延びるように形成されている。この回転軸部12Aを軸支する軸受孔12Bは、第1容器体20の底板部21及び蓋板部24(放散面26)に対して直交して厚さ方向に貫通するように穿設されている。
回転軸部12Aが軸受孔12Bに軸支されることで、フック部11と第1容器体20とは、回転軸部12Aを中心として互いに回転可能に連結されている。なお、軸受孔12Bからの抜け防止のために、前記回転軸部12Aの先端部及び根元部は一段大径とされている。
一方、第1容器体20と第2容器体30とを連結する容器体連結部13は、概略円柱状をなす軸ピン13Aと、第1容器体20及び第2容器体30の端部にそれぞれ穿設された挿通孔13Bとで構成されている。
第1容器体20及び第2容器体30にそれぞれ設けられた挿通孔13B、13Bは、第1容器体20の底板部21及び蓋板部24(放散面26)、第2容器体30の底板部31及び蓋板部34(放散面36)に対して直交して厚さ方向に貫通するように形成されている。これら挿通孔13B、13Bに軸ピン13Aが挿入されることにより、第1容器体20と第2容器体30とは、軸ピン13Aを中心として互いに回転可能に連結される。なお、これら挿通孔13B、13Bからの抜け防止のために、軸ピン13Aの両端は一段大径とされている。
この吊下げ容器10を使用する場合には、フック部11を洋服タンス内に横設されたロッドに掛止する。すると、図1及び図2に示すように、フック部11、第1容器体20、第2容器体30が段状に垂下されるように配置され、第1容器体20の放散面26及び第2容器体30の放散面36が、それぞれ外部に向けられることになる。
そして、第1容器体20に収納された防虫剤が揮発して放散面26から放散されるともに、第2容器体30に収納された消臭剤が揮発して放散面36から放散される。
一方、吊下げ容器10を保管、運搬等する場合には、フック連結部12の回転軸部12Aを中心にしてフック部11と第1容器体20とをこれらの厚さ方向と直交する方向に向けて互いに回転させることでフック部11と第1容器体20とが積み重なるように配置される。また、容器体連結部13の軸ピン13Aを中心にしてフック部11と第1容器体20とをこれらの厚さ方向と直交する方向に向けて互いに回転させることで第1容器体20と第2容器体30とが、互いの蓋板部24、34を重ね合わせるようにして積み重ねられる。すなわち、本実施形態においては、これら蓋板部24、34が重ね合わせ面とされている。
このようにフック部11、第1容器体20、第2容器体30を積み重ねることで、吊下げ容器10は、図3に示すように、第1容器体20及び第2容器体30の蓋板部24、34(重ね合わせ面)に対向する方向から見てこれら蓋板部24、34(重ね合わせ面)の内側にすべてが収まるように構成される。
この構成の吊下げ容器10においては、第1容器体20及び第2容器体30を備えていて、第1容器体20に一の薬剤として防虫剤が収納され、第2容器体30に他の薬剤として消臭剤が収納されているので、この吊下げ容器10を洋服タンスのロッドに掛止しておくことで、洋服タンス内の害虫を駆除するとともに、洋服タンス内の臭いを除去することができる。
また、フック部11によって吊下げ支持した際には、第1容器体20の放散面26及び第2容器体30の放散面36が外部に向けられるので、第1容器体20に収納された防虫剤及び第2容器体30に収納された消臭剤を効率的に放散させることができ、これら防虫剤及び消臭剤の効果を確実に奏功せしめることができる。
また、吊下げ容器10を使用しないときには、第1容器体20とフック部11とを互いに積み重ねるように、かつ、第1容器体20と第2容器体30とを互いに積み重ねるように配置することで吊下げ容器10のサイズを小さくすることができ、保管時や輸送時の取り扱いが容易となる。
さらに、フック連結部12が、第1容器体20及びフック部11の厚さ方向(積み重ね方向)に延びる回転軸部12Aを有するとともに、容器体連結部13が第1容器体20及び第2容器体30の厚さ方向に延びるように配置された軸ピン13Aを有しているので、フック部11、第1容器体20、第2容器体30をスライドさせるように回転させることでこれらを積み重ねてサイズを小さくすることができる。
また、第1容器体20と第2容器体30とが同形同大に構成され、フック部11がこれらの蓋板部24、34(重ね合わせ面)よりも小さく構成されているので、積み重ねた際に蓋板部24、34の中にすべてが収まるように構成され、吊下げ容器10のサイズを確実に小さくすることができる。
前記実施形態においては、第1容器体20及び第2容器体30として全く同じ容器体を使用しており、両者を軸ピン13Aで連結して構成している。また、これにフック部11を連結したものである。つまり、各容器体は同一金型を使用して成形されたものであり、目的に応じて必要数を連結して使用することが出来る。例えば、本発明の容器を配置する空間が広い場合には、同一の薬剤を収納した容器体を複数個連結して使用したり、複数種の薬剤を使用する為に、使用薬剤の種類数と同数の容器体を連結して使用することが容易に実施可能である。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、第1の実施形態と同一の部材には、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
この吊下げ容器10は、図5に示すように、第1容器体20と第2容器体30とフック部11とを備えていて、これら第1容器体20、第2容器体30及びフック部11がそれぞれヒンジ部15で連結されていて、折り畳み可能に構成されている。
第1容器体20と第2容器体30の重ね合わせ面(蓋板部24、34)には、係合凸部と係合凹部とをそれぞれ設け、これら係合凸部と係合凹部とが係合することにより、これら第1容器体20と第2容器体30とを積み重ねた状態で固定できる構成としてもよい。
この吊下げ容器10においては、ヒンジ部15を中心にして互いに回転させることでフック部11、第1容器体20、第2容器体30を積み重ねるように折り畳むことができる。一方、フック部11で吊下げ支持する場合には、第1容器体20の放散面26及び第2容器体30の放散面36が外部に向けられるように配置される。したがって、第1の実施形態と同様の効果を奏することができる。
また、図5に示すように、フック部11、第1容器体20、第2容器体30が垂直方向に並ぶように配置されるので、この吊下げ容器10を使用する際の厚みを小さくすることができる。
以上、本発明の実施形態である吊下げ容器について説明したが、本発明の技術的範囲はこの範囲に限定されることはなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、第1容器体と第2容器体との2つの容器体を備えたものとして説明したが、これに限定されることはなく、3つ以上の容器体を備えていても良い。
また、消臭剤と防虫剤との2種類の薬剤を収納したものとして説明したが、3種類以上の薬剤を収納したものであってもよいし、1種類の薬剤を収納したものであってもよい。
さらに、第1容器体、第2容器体をそれぞれ概略円板状に形成したものとして説明したが、これに限定されることはなく、これら複数の容器体を積層できる形状とされていればよい。また、第1容器体、第2容器体の厚さを同一に設定したもので説明したが、厚さは異なっていてもよい。
また、放散面に、スリット状の通気口を形成したもので説明したが、通気孔を複数形成してもよい。
また、容器体の適宜の箇所に、内部に収納した薬剤の残量を確認するためのインジケータを設けてもよい。
さらに、重ね合わせ状態を維持するための、着脱可能な係止部を設けてもよい。
複数の薬剤を収納することができるとともに、輸送時や保管時にはサイズを小さくすることが可能な吊下げ容器を提供することができる。
本発明の第1の実施形態である吊下げ容器の使用状態における正面図である。 図1に示す吊下げ容器の側面断面図である。 本発明の第1の実施形態である吊下げ容器の積み重ね状態における正面図である。 図3に示す吊下げ容器の側面断面図である。 本発明の第2の実施形態である吊下げ容器の側面断面図である。
符号の説明
10 吊下げ容器
11 フック部
12 フック連結部(連結部)
12A 回転軸部(回転軸)
13 容器体連結部(連結部)
13A 軸ピン(回転軸)
20 第1容器体(容器体)
24 蓋板部(重ね合わせ面)
26 放散面
30 第2容器体(容器体)
34 蓋板部(重ね合わせ面)
36 放散面

Claims (3)

  1. 内部に収納した薬剤の気化ガスを外部へと放散させる放散面を有する複数の容器体と、これらの複数の容器体を吊下げ支持するフック部とを備え、
    前記複数の容器体及び前記フック部は、それぞれ連結部によって互いに積み重ね可能となるようにこの連結部回りに回転自在に連結されるとともに、
    前記複数の容器体において、これらを積み重ねたときに互いに重なり合う各重ね合わせ面は、該重ね合わせ面に対向する方向から見て同形同大に構成され
    前記複数の容器体のうち、前記フック部が連結された第1容器体における端部には、複数の前記連結部のうち、当該第1容器体と前記フック部とを連結するフック連結部が設けられるとともに、当該第1容器体における前記端部と反対側の端部には、複数の前記連結部のうち、当該第1容器体と他の容器体とを連結する容器体連結部が設けられていることを特徴とする吊下げ容器。
  2. 前記連結部は、前記容器体及び前記フック部の積み重ね方向に延びる回転軸を有しており、前記容器体及び前記フック部を前記積み重ね方向と交差する方向に回転することで開閉可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の吊下げ容器。
  3. 前記複数の容器体の一つには、一の薬剤が収納され、残りの容器体の少なくとも一つには、他の薬剤が収納されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の吊下げ容器。
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