JP4182710B2 - 防虫剤容器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、衣類の虫避け防虫用の所定サイズのプレート状の防虫剤マットを収容装着する偏平形状の防虫剤容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、プレート状の防虫剤マットは、外装ケースとしての偏平状の外気と連通する通気性の防虫剤容器内に装着固定されて収容されているものであり、その防虫効能の効力は、収容されている蒸散性防虫剤を保持(含有)した防虫剤マットの総体積又は総表面積(厚さ、縦、横長さなど大きさ)により決定される。そのため、防虫剤マットは、必要とする効力(設定効力)に見合うある一定以上の体積や重量や縦、横サイズを必要とし、その防虫剤マットを収容する従来の偏平状の防虫剤容器の大きさ(縦、横のサイズ)は、所定以上の大きさが必要であった。
【0003】
一般的に偏平状の防虫剤容器は、図5の正面図に示すように、底板1と側板2とにより形成され、該底板1の適宜箇所に部分的に窓孔部3を孔設した一方(正面)の偏平トレー状容器Aと、底板11と側板12とにより形成され、該底板11の適宜箇所に部分的に窓孔部13を孔設した他方(裏面)の偏平トレー状容器Bとを、そのトレー状容器の開口上端部を互いに重ね合わせて封止して、その容器A、B内部に単1枚のプレート状の防虫剤マットDを装着したものである。
【0004】
このように、従来の偏平状の防虫剤容器内には、防虫剤マットが1枚のみ収容される構造であるため、その防虫剤容器の大きさは、設定効力に見合う1枚の防虫剤マットの総体積に制約されて、所定の縦、横サイズ以下のサイズに小型化することは効力の制約上、きわめて困難であり、そのため防虫剤マット入り防虫剤容器を洋服タンスやクローゼット内に設置して使用する場合の容器のコンパクト化や、設置スペースの縮小化も困難であり、また、防虫剤マットを収容する外装ケースとしての防虫剤容器の製造原価の低減化も困難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、所定サイズのプレート状の防虫剤マットを収容装着する外装ケースとしての偏平状の防虫剤容器であって、容器の内部構造を改良することにより外形を大きくすることなく、所定以上の体積や重量の防虫剤マットを収容できるようにしてコンパクト化し、使用時の設置スペースを縮小化するとともに、製造原価の低減化を図ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る発明は、底板1と側板2と、該底板1の適宜箇所に部分的に孔設した窓孔部3とからなる偏平トレー状容器Aと、底板11と側板12と、該底板11の適宜箇所に部分的に孔設した窓孔部13とからなる偏平トレー状容器Bとを、その側板2、12の上端部を互いに重ね合わせて封止し、その容器A、B内部にマット状防虫剤を装着した偏平状の防虫剤容器であって、偏平状の防虫剤容器内の各々底板1、11に装着される2枚のマット状防虫剤D、Dは、その間に通気性の空間を設け、且つその対向する内面が開放された状態であることを特徴とする防虫剤容器である。
【0007】
本発明の請求項2に係る発明は、底板1と側板2と、該底板1の適宜箇所に部分的に孔設した窓孔部3とからなる偏平トレー状容器Aと、底板11と側板12と、該底板11の適宜箇所に部分的に孔設した窓孔部13とからなる偏平トレー状容器Bとを、その側板2、12の上端部を互いに重ね合わせて封止し、その容器A、B内部にマット状防虫剤を装着した偏平状の防虫剤容器であって、偏平状の防虫剤容器内の各々底板1、11に装着される2枚のマット状防虫剤D、Dは、その間に通気性の空間を設け、且つその対向する内面が開放された状態となるように底板1の内面に一方のマット状防虫剤の少なくとも両端部を係止する一対の対向するホルダー部7、8を備え、底板11の内面に他のマット状防虫剤の少なくとも両端部を係止する一対の対向するホルダー部17、18を備えることを特徴とする防虫剤容器である。
【0008】
本発明の請求項3に係る発明は、上記請求項2に係る防虫剤容器において、前記底板1内面のホルダー部7、8の間に突起部9を備え、前記底板11内面のホルダー部17、18の間に突起部19を備え、一方のマット状防虫剤の少なくとも両端部の外面側を前記ホルダー部7、8にて係止し、その防虫剤の中間部の内面側が前記突起部9にて保持され、他方のマット状防虫剤の少なくとも両端部の外面側を前記ホルダー部17、18にて係止し、その防虫剤の中間部の内面側が前記突起部19にて保持されていることを特徴とする防虫剤容器である。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の防虫剤容器の実施の形態を、図1に示す正面図、図2(a)に示す側面図、図2(b)に示す側断面図にしたがって以下に詳細に説明すれば、本発明の防虫剤容器は、図1、図2(a)に示すように偏平トレー状容器Aと偏平トレー状容器Bとにより構成され、また偏平トレー状容器A、Bのいずれか一方又は両方には、必要に応じて吊り下げ部Cが一体的に設けられている。
【0010】
一方(正面)の偏平トレー状容器Aは、図1、図2(b)に示すように、底板1と側板2とにより形成され、該底板1の1箇所乃至数箇所の適宜箇所には、部分的に窓孔部3が孔設され、また側板2の1箇所乃至数箇所の適宜箇所には、部分的に窓孔部4が孔設されていて、側板2の上端部は開口している。
【0011】
また他方(裏面)の偏平トレー状容器Bは、図1、図2(b)に示すように、底板11と側板12と、該底板11の1箇所乃至数箇所の適宜箇所には、部分的に窓孔部13が孔設されていて、側板12の上端部は開口している。
【0012】
上記一方の偏平トレー状容器Aと他方の偏平トレー状容器Bの両方には、プレート状の防虫剤D(防虫剤マット)を装着する防虫剤装着手段7、8、17、18(後述)を備えていて、該容器A、Bのそれぞれ防虫剤装着手段には、防虫剤マットDが、少なくとも、その両端部が保持されて1枚ずつ装着されている。
【0013】
本発明の防虫剤容器は、図2(b)に示すように、上記防虫剤マットDを装着した偏平トレー状容器AとBとを組み合わせることにより偏平状の防虫剤容器として形成されている。
【0014】
図2(b)に示すように、本発明の防虫剤容器は、一方の偏平トレー状容器Aの側板2上端部(開口部)と、偏平トレー状容器Bの側板12上端部(開口部)とを、互いに重ね合わせ、組み合わせて封止することにより形成されて、該容器A、Bのそれぞれ防虫剤装着手段に装着した防虫剤マットDは、防虫剤容器内に互いに平行に離間対向した状態で収容装着されることになる。
【0015】
偏平トレー状容器A、Bの重ね合わせ封止における係止手段としては、例えば図2(b)に示すように、一方の偏平トレー状容器Aの底板1の両端部内面に係止部5、6と、他方の偏平トレー状容器Bの底板11の両端部内面に係止部15、16を立設し、前記係止部5と15の先端に設けた突起部5a、15a、及び前記係止部6と16の先端に設けた突起部6a、16aを、互いに係合することにより、偏平トレー状容器A、Bを重ね合わせ係止することができる。
【0016】
次に本発明の防虫剤容器の具体的構造の一例を、図2(b)に基づいて以下に詳細に説明すれば、偏平トレー状容器Aは、底板1と側板2と、該底板1の適宜箇所に部分的に孔設した窓孔部3とからなる。
【0017】
偏平トレー状容器Bは、底板11と側板12と、該底板11の適宜箇所に部分的に孔設した窓孔部13とからなる。
【0018】
各々偏平トレー状容器A、Bのそれぞれ底板1、11には、それに平行に2枚のプレート状の防虫剤マットDが離間対向して装着されるように、各々防虫剤装着手段が設けられている。
【0019】
一方の偏平トレー状容器Aの防虫剤装着手段は、その容器A底板1の内面に、防虫剤マットDを底板1に対して平行に、そのマットDの少なくとも両端部を係止する一対の対向するホルダー部7、8を立設して構成され、また、他方の偏平トレー状容器Bの防虫剤装着手段は、その容器B底板11の内面に、防虫剤マットDを底板11に対して平行に、そのマットDの少なくとも両端部を係止する一対の対向するホルダー部17、18を立設して構成されている。
【0020】
前記一方の偏平トレー状容器A側の防虫剤装着手段のホルダー部7、8には、防虫剤マットD端部の表裏面を保持する突起部7a、7a、8a、8aを備え、他方の偏平トレー状容器B側の防虫剤装着手段のホルダー部17、18には、防虫剤マットD端部の表裏面を保持する両側突起部17a、17a、18a、18aを備えている。
【0021】
次に本発明の防虫剤容器の具体的構造の他の例を、図2(b)に基づいて以下に詳細に説明すれば、上記具体的構造の一例にて説明した防虫剤容器の一方の偏平トレー状容器Aの防虫剤装着手段を構成する底板1に立設した一対の対向するホルダー部7、8には、防虫剤マットD端部の外面(他方の偏平トレー状容器Bと対向する面)のみを保持する片側突起部7a、8aを備え、その底板1内面側の防虫剤Dの中間部相当部には突起部9が設けられ、防虫剤マットDは、その両端外面(他方の偏平トレー状容器Bと対向する面)を保持する片側突起部7a、8aと、その内面の中間部を保持する突起部9とにより、底板1に平行に保持される。
【0022】
また、上記具体的構造の一例にて説明した防虫剤容器の他方の偏平トレー状容器Bの防虫剤装着手段を構成する底板11に立設した一対の対向するホルダー部17、18には、前記ホルダー部7、8と同様に、防虫剤マットD端部の外面(一方の偏平トレー状容器Aと対向する面)のみを保持する片側突起部17a、18aを備え、その底板11内面側の防虫剤Dの中間部相当部には突起部19が設けられ、防虫剤マットDは、その両端外面(一方の偏平トレー状容器Aと対向する面)を保持する片側突起部17a、18aと、その内面の中間部を保持する突起部19とにより、底板11に平行に保持される。
【0023】
本発明の防虫剤容器には、一方の偏平トレー状容器Aの適宜箇所に、図1に示すように、防虫剤マットDの防虫効能の有効期限を知らせるインジケータEが設けられる。
【0024】
そのインジケータEは、例えば図2(b)に示すように、一方の偏平トレー状容器Aの底板1内面のインジケータ配置位置に相当する窓孔部3周端に沿って、全周又は部分周に、プレート状のインジケータEを挟持するための挟持板10を設け、他方の偏平トレー状容器Bの底板11内面のインジケータ配置位置に相当する窓孔部3周端に沿って、全周又は部分周に、プレート状のインジケータEを挟持するための挟持板20を前記挟持板10に対向して設け、該挟持板10、20によりプレート状のインジケータEを挟持する。なおインジケータEの両端は保持板10a、10aにより抜け落ちないように保持される。
【0025】
図3は、本発明の防虫剤容器の具体的構造のその他の例を説明する正面図、図4(a)はその側面図、図4(b)はその側断面図であり、本発明の防虫剤容器は、図3、図4(a)に示すように、偏平トレー状容器Aと偏平トレー状容器Bとにより構成され、また偏平トレー状容器A、Bのいずれか一方又は両方には、必要に応じて、吊り下げ部Cが一体的に設けられ、図4(b)に示すように、一方の偏平トレー状容器Aは、図3、図4(b)に示すように、底板1と側板2とにより形成され、該底板1の1箇所乃至数箇所の適宜箇所には、部分的に窓孔部3が孔設され、また側板2の1箇所乃至数箇所の適宜箇所には、部分的に窓孔部4が孔設されていて、側板2の上端部は開口している。
【0026】
また、他方の偏平トレー状容器Bは、図3、図4(b)に示すように、底板11と側板12と、該底板11の1箇所乃至数箇所の適宜箇所には、部分的に窓孔部13が孔設され、また側板2の1箇所乃至数箇所の適宜箇所には、部分的に窓孔部4が孔設されていて、側板12の上端部は開口している。
【0027】
一方の偏平トレー状容器Aの防虫剤装着手段を構成する底板1に立設した一対の対向するホルダー部7、8には、防虫剤マットD端部の外面(他方の偏平トレー状容器Bと対向する面)のみを保持する片側突起部7a、8aを備え、その底板1内面側の防虫剤Dの中間部相当部には突起部9が設けられ、防虫剤マットDは、その両端外面(他方の偏平トレー状容器Bと対向する面)を保持する片側突起部7a、8aと、その内面の中間部を保持する突起部9とにより、底板1に平行に保持される。
【0028】
また、他方の偏平トレー状容器Bの防虫剤装着手段を構成する底板11に立設した一対の対向するホルダー部17、18には、前記ホルダー部7、8と同様に防虫剤マットD端部の外面(一方の偏平トレー状容器Aと対向する面)のみを保持する片側突起部17a、18aを備え、その底板11内面側の防虫剤Dの中間部相当部には突起部19が設けられ、防虫剤マットDは、その両端外面(一方の偏平トレー状容器Aと対向する面)を保持する片側突起部17a、18aと、その内面の中間部を保持する突起部19とにより、底板11に平行に保持される。
【0029】
なお、この場合に、図3に示すようにインジケータEは、例えば、一方の偏平トレー状容器Aの底板1表面にプレート状のインジケータEを貼り合わせることにより配置され、また、偏平トレー状容器A、Bの重ね合わせ封止における係止手段は、前述の防虫剤容器と同様に係止部5、15、係止部6、16の係合により行うものであるので説明は省略する。
【0030】
【発明の効果】
本発明の防虫剤容器は、その容器内にプレート状の2枚の防虫剤マットを平行に離間対向させて配置して収容することができ、防虫剤容器内には、少なくとも2枚の防虫剤マットが平行に離間対向して収容できる構造であるため、その防虫剤容器の大きさを拡大変更せずに、防虫剤マット収容可能総体積を増大でき、容器サイズの小型化や、設置スペースの縮小化、また、防虫剤容器の製造原価の低減化に効果的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の防虫剤容器の一例を説明する正面図。
【図2】(a)は本発明の防虫剤容器の一例を説明する側面図、(b)は本発明の防虫剤容器の一例を説明する側断面図。
【図3】本発明の防虫剤容器の他の例を説明する正面図。
【図4】(a)は本発明の防虫剤容器の他の例を説明する側面図、(b)は本発明の防虫剤容器の他の例を説明する側断面図。
【図5】従来の防虫剤容器の正面図。
【符号の説明】
A…偏平状トレー容器 B…偏平状トレー容器 C…吊り下げ部
D…殺虫剤マット E…インジケータ
1…底板 2…側板 3…窓孔部 4…窓孔部 5、6…係止部
7、8…ホルダー部 9…保持部
10…挟持部 11…底板 12…側板 13…窓孔部 14…窓孔部
15、16…係止部 17、18…ホルダー部 19…保持部
20…挟持部

Claims (3)

  1. 底板1と側板2と、該底板1の適宜箇所に部分的に孔設した窓孔部3とからなる偏平トレー状容器Aと、底板11と側板12と、該底板11の適宜箇所に部分的に孔設した窓孔部13とからなる偏平トレー状容器Bとを、その側板2、12の上端部を互いに重ね合わせて封止し、その容器A、B内部にマット状防虫剤を装着した偏平状の防虫剤容器であって、偏平状の防虫剤容器内の各々底板1、11に装着される2枚のマット状防虫剤D、Dは、その間に通気性の空間を設け、且つその対向する内面が開放された状態であることを特徴とする防虫剤容器。
  2. 底板1と側板2と、該底板1の適宜箇所に部分的に孔設した窓孔部3とからなる偏平トレー状容器Aと、底板11と側板12と、該底板11の適宜箇所に部分的に孔設した窓孔部13とからなる偏平トレー状容器Bとを、その側板2、12の上端部を互いに重ね合わせて封止し、その容器A、B内部にマット状防虫剤を装着した偏平状の防虫剤容器であって、偏平状の防虫剤容器内の各々底板1、11に装着される2枚のマット状防虫剤D、Dは、その間に通気性の空間を設け、且つその対向する内面が開放された状態となるように底板1の内面に一方のマット状防虫剤の少なくとも両端部を係止する一対の対向するホルダー部7、8を備え、底板11の内面に他のマット状防虫剤の少なくとも両端部を係止する一対の対向するホルダー部17、18を備えることを特徴とする防虫剤容器。
  3. 前記底板1内面のホルダー部7、8の間に突起部9を備え、前記底板11内面のホルダー部17、18の間に突起部19を備え、一方のマット状防虫剤の少なくとも両端部の外面側を前記ホルダー部7、8にて係止し、その防虫剤の中間部の内面側が前記突起部9にて保持され、他方のマット状防虫剤の少なくとも両端部の外面側を前記ホルダー部17、18にて係止し、その防虫剤の中間部の内面側が前記突起部19にて保持されていることを特徴とする請求項2記載の防虫剤容器。
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