JP3615367B2 - 天吊型空気調和装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、天吊型空気調和装置のサイドカバーの取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、天吊型空気調和装置の空気調和機本体は出荷に際して吸込グリル等を備える下面を保護するために下面を上方に向けた状態で梱包・輸送される。従って、施工現場において梱包を解くときには空気調和機本体の天地は逆になった状態にある。このような状態の空気調和機本体の取付けを行うときには空気調和機本体の両端の樹脂製サイドカバーに手を掛けて持ち上げることがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来、空気調和機本体の両サイドに取り付けられるサイドカバーは意匠上の美観が目的であるために、空気調和機本体を支持する程度の強度を有しておらず、上述のようにサイドカバーに手を掛けて持ち上げたときには、空気調和機本体とサイドカバーとの結合部分が破損するおそれがある。
【0004】
従来では、このような事態を回避するため、空気調和機本体を梱包する箱にサイドカバーに手を掛けて持ち上げることを禁止する旨を記載していたが、このように禁止する旨を記載しただけでは、空気調和機本体の取付けを行う作業者に注意徹底させることは困難であり、作業者が誤ってサイドカバーに手を掛けて持ち上げて、結合部分を破損させるトラブルが解消されていない。
【0005】
本発明の目的は、上述した従来の技術が有する課題を解消し、サイドカバーに荷重が加えられてもサイドカバーと空気調和機本体との結合部分が破損しにくいサイドカバーの取付構造を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、吸込グリルを設けた空気調和機本体の両端にそれぞれ樹脂製のサイドカバーを備えた天吊型空気調和装置において、前記空気調和機本体の側面に側方へ突出する吊り金具を備え、この吊り金具は、両端側に、天井から吊り下げられた吊りボルトを引っかける溝を夫々備えると共に、これら溝の間に、前記空気調和機本体の側方へ突出する係合部を一体的に備え、前記サイドカバーの内面には前記吸込グリルを上にしたときの前記係合部の下面に係合する凸部を設けたことを特徴とするものである。
【0008】
この発明によれば、たとえ天吊型空気調和機本体の天面が下方に向いた状態でサイドカバーに手を掛けて持ち上げたとしても、凸部と係合部とが係合しているため、サイドカバーとの結合部分は破損しにくい。また、空気調和機本体が梱包状態で輸送されているときに落下しても、空気調和機本体あるいはサイドカバーの結合部分は破損しにくい。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0010】
図1において、符号1は空気調和機本体を示す。この空気調和機本体1は天井から吊り下げられた吊りボルト3に引っかけられて室内天井板5の下面に設置・固定されている。空気調和機本体1には電装箱11、送風機13、熱交換器15、冷媒配管29等の各種機器類が殆ど隙間なく収納されている。送風機13は、図2に示すように四台の送風機ユニット21〜24からなりこれらは一台のモータ25で駆動される回転軸27上に固定・配置されている。
【0011】
熱交換器15は、図1に示すようにフィン・チューブ型の熱交換器であり、空気調和機本体1内に斜めに設置される。この熱交換器15には冷媒配管29が接続され、この冷媒配管29は空気調和機本体1の外に導出され、室外機(図示せず)の圧縮機、減圧装置、室外熱交換器等に接続される。
【0012】
この熱交換器15の下方には、図1に示すように発泡スチロール製のドレンパン31が設置され、このドレンパン31の下面には板金製パネル33が設置される。ドレンパン31のドレン溜まり31aには、図2に示すようにフレキシブルチューブ32を介してドレンポンプユニット35が接続され、このドレンポンプユニット35に収容されるドレンポンプは、ドレン溜まり31aに収集されたドレンを吸い上げて空気調和機本体1の外に排出する。
【0013】
送風機13の下方には、図1に示すように樹脂製の吸込グリル37が開閉可能に設置され、この吸込グリル37には空気清浄用フィルタ39が取り付けられる。そして、送風機13が駆動されると吸込グリル37およびフィルタ39を通じて室内の空気が空気調和機本体1内に吸い込まれ、この空気は熱交換器15で熱交換された後に、吹出口41を通じて室内に吹き出される。43は空気調和機本体1の略中央を横断的に仕切る中仕切板である。
【0014】
前記構成の天吊型空気調和装置では、出荷に際して、空気調和機本体1を梱包する。この場合には、吸込グリル37を備える下面を保護するために当該下面を上方に向けた状態(例えば図4)で梱包し、かつ輸送される。従って施工現場において梱包を解くときには、空気調和機本体1の天地は逆である。この状態の空気調和機本体1の据え付けを行うときには、空気調和機本体1の両端の樹脂製サイドカバー45(図2)に手を掛けて持ち上げることがある。
【0015】
この実施形態では、空気調和機本体1の両側面に、図2に示すように、樹脂製のサイドカバー45が取り付けられる。そして、サイドカバー45は、図3(B),(C)に示すように内側に凹み部45aを有する。サイドカバー45の内面には3個のフック47が一体に設けられ、通常、これらのフック47を、図4に示すように、空気調和機本体1のフック穴51に引っかけることによって、当該サイドカバー45が空気調和機本体1に結合される。これらフック47による結合だけでは、空気調和機本体1の両端の樹脂製サイドカバー45(図2)に手を掛けて持ち上げる場合に、フック47が破損するおそれがある。
【0016】
これを解消するため、この実施形態では、図4に示すように、空気調和機本体1の側面に、3個のねじ53によってねじ止めされた、側方へ突出する吊り金具55が設けられ、この吊り金具55には一体的に係合部55aが形成される。そして、サイドカバー45の内面には吸込グリル37を上にしたときの係合部55aの下面にその上面が当接して係合する凸部49が一体的に形成される。尚、この吊り金具55の溝56には、図1に示すように、吊りボルト3が引っかけられる。
【0017】
この実施形態では、サイドカバー45の内面に凸部49が設けられ、この凸部49は、図4に示す状態において、空気調和機本体1の側面における係合部55aの下面に係合するので、たとえ図4に示す状態において、空気調和機本体1のサイドカバー45に手を掛けて持ち上げたとしても、凸部49と係合部55aとの係合によって空気調和機本体1の重量が支えられるので、サイドカバー45と空気調和機本体1との結合部分(フック47)は破損しにくい。また、空気調和機本体1が梱包状態で輸送されているときに落下しても空気調和機本体1あるいはサイドカバー45の結合部分は破損しにくい。
【0018】
以上、一実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、係合部55aは吊り金具55に形成せずに、空気調和機本体1の側面に別部材で形成してもよい。また、凸部49および係合部55aの位置や形状は上述した位置や形状に限定されない。
【0019】
【発明の効果】
これらの発明によれば、本体の側面に側方へ突出する凸部を設け、サイドカバーの内面には吸込グリルを上にしたときの凸部の下面に係合する係合部を設けたので、たとえ空気調和機本体の吸込グリル面が上方に向いた状態でサイドカバーに手を掛けて持ち上げたとしても、サイドカバーの結合部分は破損しにくい。また、空気調和機本体が梱包状態で輸送されているときに落下しても、空気調和機本体あるいはサイドカバーの結合部分は破損しにくい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による空気調和装置の一実施形態を示す側面断面図である。
【図2】同じく内部構造を示す平面図である。
【図3】空気調和装置のサイドカバーをそれぞれ示し、(A)は平面図、(B)は上面図、(C)は背面図である。
【図4】サイドカバーの空気調和機本体に対する取付けを説明する図である。
【符号の説明】
1 空気調和機本体
45 サイドカバー
47 フック
49 凸部
51 フック穴
53 ねじ
55 支持金具
55a 係合部
Claims (1)
- 吸込グリルを設けた空気調和機本体の両端にそれぞれ樹脂製のサイドカバーを備えた天吊型空気調和装置において、
前記空気調和機本体の側面に側方へ突出する吊り金具を備え、この吊り金具は、両端側に、天井から吊り下げられた吊りボルトを引っかける溝を夫々備えると共に、これら溝の間に、前記空気調和機本体の側方へ突出する係合部を一体的に備え、前記サイドカバーの内面には前記吸込グリルを上にしたときの前記係合部の下面に係合する凸部を設けたことを特徴とする天吊型空気調和装置。
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Family
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