JP3991485B2 - 天井埋込型空気調和機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は天井埋込型空気調和機に係わり、より詳細には、ケース本体を吊り下げ固定する際、天井内のスペースに余裕がない場合であっても設置可能としたものに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の天井埋込型空気調和機は、例えば図14(A)および図14(B)で示すように、ケース本体21と、このケース本体21の内部中央に配設された遠心ファン22と、その駆動用モータ23と、前記遠心ファン22の下部吸込側に設けられたベルマウス24と、前記遠心ファン22の周囲に配設された複数の熱交換器25と、同熱交換器25の下部に配設されたドレンパン26と、中央に方形状の吸込口27を設けるとともに、同吸込口27の周辺部に複数の吹出口28を設け、ケース本体21の下部開口部に被せられる化粧パネル29と、同化粧パネル29の吸込口27に被せられる吸込グリル30と、同吸込グリル30の内側に装着されるフィルタ31等からなり、前記吸込グリル30は例えば前記吸込口27に対して着脱自在に構成され、前記フィルタ31の清掃時および機器内部の点検時に取り外すようになっている。
【0003】
しかしながら、被空調室の天井内は、必ずしもケース本体 21 を設置するだけのスペースが確保されているとは限らず、とくに、設置スペースが確保されていない場合には、ケース本体 21 の下部が天井面から被空調室に下降した状態で吊り下げ固定され、その下部に装着される化粧パネル 29 と天井面との間に隙間が出来、化粧パネル 29 によって天井面とケース本体 21 との隙間を塞ぐことが出来なくなり、美観上の観点から設置ができなくなるといった問題点を有していた。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記問題を解決するため、底面側が開口され、内部に送風ファンおよび熱交換器を収容した天井内の吊りボルトに吊り下げ固定されるケース本体と、同ケース本体の底面側の開口部に取り付けられるパネル枠体と、同パネル枠体に取り付けられ、吸込口と、同吹出口の周辺部に複数の吹出口を有する吸込グリルと、前記パネル枠体の外側に上下に移動可能に取り付けられ、取付時に天井面に添設される化粧枠とから構成され、前記化粧枠を前記パネル枠体に取り付ける取付手段が、前記化粧枠の相対向する二辺に設けられた複数のフックと、前記パネル枠体の相対向する一方の二辺に設けられ、前記フックを上位に係止するように浅く形成した第一の凹部および前記パネル枠体の相対向する他方の二辺に設けられ、前記フックを下位に係止するように深く形成した第二の凹部とにより構成されており、前記ケース本体を吊り下げ固定する際、天井内のスペースに余裕がある場合には、前記化粧枠のフックを前記パネル枠体の第二の凹部に係止することにより、同化粧枠を前記吸込グリルと略面一となる位置に取り付け、天井内のスペースに余裕がない場合には、前記化粧枠のフックを前記パネル枠体の第一の凹部に係止することにより、同化粧枠を前記吸込グリルよりも上位となる位置に取り付けるようにした構成となっている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、底面側が開口され、内部に送風ファンおよび熱交換器を収容した天井内の吊りボルトに吊り下げ固定されるケース本体と、同ケース本体の底面側の開口部に取り付けられるパネル枠体と、同パネル枠体の外側に上下に移動可能に取り付けられ、取付時に天井面に添設される化粧枠とから構成され、前記化粧枠を前記パネル枠体に取り付ける取付手段が、前記化粧枠の相対向する二辺に設けられた複数のフックと、前記パネル枠体の相対向する一方の二辺に設けられ、前記フックを上位に係止する第一の凹部および前記パネル枠体の相対向する他方の二辺に設けられ、前記フックを下位に係止する第二の凹部とにより構成されており、前記ケース本体を吊り下げ固定する際、天井内のスペースに余裕がある場合には、前記化粧枠のフックを前記パネル枠体の第二の凹部に係止することにより、同化粧枠を前記吸込グリルとほぼ面一となる位置に取り付け、天井内のスペースに余裕がない場合には、前記化粧枠のフックを前記パネル枠体の第一の凹部に係止することにより、同化粧枠を前記吸込グリルよりも上位となる位置に取り付けるようにした構成となっている。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に基づいた実施例として説明する。
図1乃至図4と、図5(A)および図5(B)と、図6乃至図9と、図10(A)および図10(B)と、図11と、図12と、図13とで構成を示すように、天井埋込型空気調和機Aは、天井内2に複数の吊りボルト3を設置して吊り下げ固定され、底面側が開口されて天井内2の吊りボルト3で吊り下げ固定されたケース本体1の内部中央に配設された遠心ファン7と、同遠心ファン7を駆動する駆動用モータ8と、前記遠心ファン7の下部吸込側に配設されたベルマウス11と、周囲に配設された熱交換器9と、同熱交換器9の下部に配設されたドレンパン10と、同ドレンパン10と前記ケース本体1の下端との間に形成され、前記熱交換器9により熱交換された空気を送出する送出口15と、前記ケース本体1の底面側の開口部に取り付けられ、前記送出口15に連通する吹出部1bを連続形成したパネル枠体1aと、同吹出部1bに支軸部16a により回動自在に軸支され、駆動部18を備えてジョイント17により連結された複数の風向変更板16と、前記吹出部1bの内側に取り付けられ、前記ベルマウス11に連通する吸込口を有し、同吸込口の周辺部に前記送出口15に連通する複数の吹出口6を有した吸込グリル13と、前記パネル枠体1aの外側に上下に移動可能に取り付けられて被空調室の天井面14に添設される化粧枠4とで構成されてなり、
前記送出口15の一部15a を、前記吹出部1bと前記パネル枠体1aとの間に隙間なく収容するとともに、前記ケース本体1を、前記天井内2のスペースに余裕がある場合に吊り下げ固定する際、前記化粧枠4を前記吸込グリル13とほぼ面一状態となる位置に移動して取り付けるようにし、前記天井内2のスペースに余裕がない場合に吊り下げ固定する際、前記化粧枠4を前記吸込グリル13よりも上位に移動して取り付けるようにした構成となっており、
これによって、前記風向変更板16、前記駆動部18および前記ジョイント17等を、前記パネル枠体1aに対し同一方向(吸込グリル13側)から組立できるようにした構成となるため組立の作業性等を大幅に向上できるようになり、また、前記送出口15の一部15a を前記吹出部1bと前記パネル枠体1aとの間に隙間なく収容したことによって、該箇所の断熱性能を向上できるとともに、該箇所からの冷気漏れによる露付きの問題が生じないように防止できるようになり、更に、前記天井内2のスペースに余裕がない場合であっても、前記ケース本体1を低い位置に吊り下げ固定できるようにした構造となる。
【0018】
また、前記吹出部1bが、その下端を前記パネル枠体1aの外側に向けて傾斜させた傾斜面からなる構成となっており、これによって、同吹出部1bから前記吹出口6を経て吹き出される吹出空気を、被空調室の所定の位置に向けて効果的に送出できるようにした構造となる。
【0019】
また、前記傾斜面が曲面状に形成されたことにより、吹出空気の抵抗を少なくして円滑に吹き出せるようにした構成となっている。
【0020】
また、前記パネル枠体1aの下端に、同パネル枠体1aの外側に延出した水平部と、同水平部の先端に立設した垂直部とからなる断面略L字状の延出部1cを連続形成する一方、前記化粧枠4の下部に、前記延出部1cを収容する収容部4aを形成したことにより、前記パネル枠体1aと前記化粧枠4との間の隙間が視認できないように前記延出部1cで遮蔽できて外観性を損ねることがないようにした構成となっている。
【0021】
また、前記化粧枠4を前記パネル枠体1aの外側に上下に移動可能に取り付ける取付部が、前記化粧枠4の相対向する二辺に設けられた複数のフックaと、前記パネル枠体1aの相対向する一方の二辺に、前記フックaを上位に係止するように浅く形成された図6で示すような第一凹部bと、他方の二辺に、前記フックaを下位に係止するように深く形成された図7で示すような第二凹部b'とで構成されてなり、
前記化粧枠4を前記ケース本体1にその上方から挿入し、前記フックaを前記第一凹部bまたは前記第二凹部b'に係止して、前記化粧枠4を前記パネル枠体1aの外側に取り付けるようにした構成となっており、
これによって、前記フックaを図6で示す前記第一凹部bに係止するか、もしくは、90°ずらして図7で示す前記第二凹部b'に係止することにより、前記天井内2のスペースに応じて前記化粧枠4を上下に移動できるようにし、前記ケース本体1の上下位置を容易に、且つ正確に調節して吊下げ固定できるようにした構造となる。
【0022】
また、前記フックaを、下方を開口して略コ字状に形成したことにより、前記フックaを前記第一凹部bまたは前記第二凹部b'に容易に、且つ正確に係止できるようになり、係止したのちに、前記パネル枠体1aと前記天井面14とで外観性を損ねないように前記化粧枠4をほぼ隙間なく挟持できるよう、図1で示すような前記複数の吊りボルト3によって、前記ケース本体1の上下位置を調節して吊り下げ固定できるようにした構成となっている。
【0023】
また、前記第一凹部bおよび前記第二凹部b'の下位両側に、前記フックaの両側を規制する段部cを連続形成したことにより、前記フックaが横滑りすることなく前記第一凹部bおよび、または前記第二凹部b'に正確に、且つ強固に係止されて、前記化粧枠4を前記パネル枠体1aに正確に、且つ強固に取り付けることができるようにした構成となっている。
【0024】
また、前記段部cが、その下部を厚肉状にするように傾斜させた傾斜面からなる構成となっており、これによって、前記フックaが前記第一凹部bおよび、または前記第二凹部b'に円滑に係止できるようにした構造となる。
【0025】
また、前記駆動部18を、図12で示すような保護カバー19を装着して覆うようにしたことにより、例えばメンテナンス時に前記吸込グリル13を取り外した際、作業者が前記駆動部18に不用意に触指してしまう恐れがないようにした構成となっている。
【0026】
また、前記パネル枠体1aに、図9で示すように、前記ジョイント17を保持する保持片17a を設けたことにより、同ジョイント17のアバレをなくして前記風向変更板16を円滑に連動させることができるようにした構成となっている。
【0027】
また、前記吹出部1bに、図11で示すように、前記風向変更板16の中間部を支持する支持部16b を設けたことにより、同風向変更板16が撓まないように正確に軸支して円滑に回動できるようにした構成となっている。
【0028】
更に、前記支持部16b を、前記吹出部1bと一体的に形成したことにより、寸法形状を正確に仕上げることができるとともにコスト的に有利にした構成となっている。
【0029】
以上の構成により、図1乃至図4と、図5(A)および図5(B)と、図6乃至図9と、図10(A)および図10(B)と、図11と、図12、図13とで示すように、天井内2に複数の吊りボルト3を設置して吊り下げ固定され、底面側が開口されて天井内2の吊りボルト3で吊り下げ固定されたケース本体1の内部中央に配設された遠心ファン7と、同遠心ファン7を駆動する駆動用モータ8と、前記遠心ファン7の下部吸込側に配設されたベルマウス11と、周囲に配設された熱交換器9と、同熱交換器9の下部に配設されたドレンパン10と、同ドレンパン10と前記ケース本体1の下端との間に形成され、前記熱交換器9により熱交換された空気を送出する送出口15と、前記ケース本体1の底面側の開口部に取り付けられ、前記送出口15に連通する吹出部1bを連続形成したパネル枠体1aと、同吹出部1bに支軸部16a により回動自在に軸支され、駆動部18を備えてジョイント17により連結された複数の風向変更板16と、前記吹出部1bの内側に取り付けられ、前記ベルマウス11に連通する吸込口を有し、同吸込口の周辺部に前記送出口15に連通する複数の吹出口6を有した吸込グリル13と、前記パネル枠体1aの外側に上下に移動可能に取り付けられて被空調室の天井面14に添設される化粧枠4とで構成されてなり、
前記送出口15の一部15a を、前記吹出部1bと前記パネル枠体1aとの間に隙間なく収容するとともに、前記ケース本体1を、前記天井内2のスペースに余裕がある場合に吊り下げ固定する際、前記化粧枠4を前記吸込グリル13とほぼ面一状態となる位置に移動して取り付けるようにし、前記天井内2のスペースに余裕がない場合に吊り下げ固定する際、前記化粧枠4を前記吸込グリル13よりも上位に移動して取り付けるようにしたので、
前記風向変更板16、前記駆動部18および前記ジョイント17等を、前記パネル枠体1aに対し同一方向(吸込グリル13側)から組立できるようにした構成となるため組立の作業性等を大幅に向上できるようになり、また、前記送出口15の一部15a を前記吹出部1bと前記パネル枠体1aとの間に隙間なく収容したことによって、該箇所の断熱性能を向上できるとともに、該箇所からの冷気漏れによる露付きの問題が生じないように防止できるようになり、更に、前記天井内2のスペースに余裕がない場合であっても、前記ケース本体1を低い位置に吊り下げ固定できるようにした天井埋込型空気調和機となる。
【0030】
【発明の効果】
以上のように本発明によると、ケース本体を吊り下げ固定する際、天井内のスペースに余裕がない場合であっても、天井面とケース本体 21 との隙間を隠すことができる天井埋込型空気調和機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による天井埋込型空気調和機の要部断面図である。
【図2】本発明による天井埋込型空気調和機の斜視図である。
【図3】本発明による天井埋込型空気調和機のパネル枠体および風向変更板の分解斜視図である。
【図4】本発明による天井埋込型空気調和機のケース本体、パネル枠体、化粧枠および吸込グリルを示す分解斜視図である。
【図5】本発明による天井埋込型空気調和機の組立状態を示す分解斜視図で、(A)は化粧枠の組立中の状態を示し、(B)は組立後の状態を示す。
【図6】本発明による天井埋込型空気調和機の一例を示す要部斜視図である。
【図7】本発明による天井埋込型空気調和機の他の例を示す要部斜視図である。
【図8】本発明による天井埋込型空気調和機の要部断面図である。
【図9】本発明による天井埋込型空気調和機の要部断面図である。
【図10】本発明による天井埋込型空気調和機の要部断面図で、(A)は化粧枠とケース本体の下部とをほぼ面一状にした状態を示し、(B)は化粧枠に対しケース本体の位置を下位に設置するようにした状態を示す。
【図11】本発明による天井埋込型空気調和機の要部断面図である。
【図12】本発明による天井埋込型空気調和機の要部断面図である。
【図13】本発明による天井埋込型空気調和機の要部分解断面図である。
【図14】従来例による天井埋込型空気調和機の要部説明図で、(A)は断面図であり、(B)は斜視図である。
【符号の説明】
A 天井埋込型空気調和機
1 ケース本体
1a パネル枠体
1b 吹出部
1c 延出部
2 天井内
3 吊りボルト
4,4' 化粧枠
4a,4a' 収容部
6 吹出口
7 遠心ファン
8 駆動用モータ
9 熱交換器
10 ドレンパン
11 ベルマウス
12 フィルタ
13 吸込グリル
14 天井面
15 送出口
15a 送出口の一部(下部)
16 風向変更板
16a 支軸部
16b 支持部
17 ジョイント
17a 保持片
18 駆動部
19 保護カバー
a フック
b 第一凹部
b' 第二凹部
c 段部
Claims (1)
- 底面側が開口され、内部に送風ファンおよび熱交換器を収容した天井内の吊りボルトに吊り下げ固定されるケース本体と、同ケース本体の底面側の開口部に取り付けられるパネル枠体と、同パネル枠体に取り付けられ、吸込口と、同吹出口の周辺部に複数の吹出口を有する吸込グリルと、前記パネル枠体の外側に上下に移動可能に取り付けられ、取付時に天井面に添設される化粧枠とから構成され、前記化粧枠を前記パネル枠体に取り付ける取付手段が、前記化粧枠の相対向する二辺に設けられた複数のフックと、前記パネル枠体の相対向する一方の二辺に設けられ、前記フックを上位に係止するように浅く形成した第一の凹部および前記パネル枠体の相対向する他方の二辺に設けられ、前記フックを下位に係止するように深く形成した第二の凹部とにより構成されており、前記ケース本体を吊り下げ固定する際、天井内のスペースに余裕がある場合には、前記化粧枠のフックを前記パネル枠体の第二の凹部に係止することにより、同化粧枠を前記吸込グリルと略面一となる位置に取り付け、天井内のスペースに余裕がない場合には、前記化粧枠のフックを前記パネル枠体の第一の凹部に係止することにより、同化粧枠を前記吸込グリルよりも上位となる位置に取り付けるようにしてなることを特徴とする空気調和機。
Priority Applications (1)
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Applications Claiming Priority (1)
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JP01135699A JP3991485B2 (ja) | 1999-01-20 | 1999-01-20 | 天井埋込型空気調和機 |
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Country Status (1)
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- 1999-01-20 JP JP01135699A patent/JP3991485B2/ja not_active Expired - Fee Related
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