JP3614809B2 - コンクリート型枠用スリーブ形成部材及びスリーブ形成方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンクり−卜建造物の梁や壁の部分に、貫通孔を形成するために用いるコンクリート型枠用スリーブ形成部材と、このスリーブ形成部材を用いるスリーブ形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、コンクり−卜建造物を施工する際に梁や壁に、電気の配線や水道管・ガス管の配管、空調設備用の配管等を挿通する貫通孔を形成するために、コンクリート型枠内にワックスなどを含浸させた耐水性を有する紙製のスリーブ(ボイドスリーブ)を配置することが広く行われている。
【0003】
このスリーブを、例えば、コンクリート梁を形成する型枠に配置する場合は、型枠の梁溝幅に合わせて所定の長さに切断したスリーブを、梁溝内に組まれた鉄筋に保持させた状態で、梁溝内壁と鉄筋との隙間から梁溝内に手を差し入れてスリーブ両端を釘によって梁溝内壁面に打ち付けて固定し、この後に、コンクリートを打設してコンクリートが固化してから型枠を解体して撤去し、コンクリート梁内に残されるスリーブを除去することによって、コンクリート梁に貫通孔を形成する手法が採られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記するように、型枠内にあって鉄筋に保持した紙製のスリーブの両端部を、釘を用いて梁溝内壁面に固定するには、鉄筋が配置された狭い梁溝内でハンマーを用いなければならないため、作業性がきわめて悪いばかりでなく、スリーブの長さは型枠の梁溝幅よりは短く切断されるので、梁溝内壁面とスリーブ端部との隙間からスリーブ内部にコンクリートが流入しないようにするために、スリーブを釘止めした後で、スリーブ両端部付近にはテープ等を巻き付けるようなことも必要になるもので、スリーブの固定作業には手間が掛かる。
【0005】
そこで、本発明は、鉄筋が配置された狭い型枠内でのスリーブ固定作業を必要とせず、しかも、スリーブ自体は型枠内に鉄筋を配置した後から所定の位置に確実に固定できるコンクリート型枠用スリーブ形成部材と、このスリーブ形成部材を用いたスリーブ形成方法を提供することを目的としたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のコンクリート型枠用スリーブ形成部材は、一方向に屈曲自在にして円筒状のスリーブを形成するスリーブ板と、該スリーブ板で形成されるスリーブ両端部が挿入される環状ガイド溝を対向して設けた一対のスリーブ支持環とからなり、スリーブ支持環には、ガイド溝壁の一部を切欠してガイド溝を溝壁外に開放した誘導溝をガイド溝周方向に傾斜して設けたことを特徴とする。
【0007】
このように構成した本発明に係るコンクリート型枠用スリーブ形成部材によれば、一対のスリーブ支持環は、型枠内に鉄筋を配置(配筋)する前に、型枠内壁面に対向的に取着されるので、その位置決めが容易で正確にでき、その取着作業も短時間に確実にできる。
【0008】
また、鉄筋内へのスリーブ自体の配置は、型枠内に配置した鉄筋内で、ロール巻き状に小さく丸めたスリーブ板の両端部を、先に型枠内壁面に取着された一対のスリーブ支持環の対向する内側空間内に入れ、この内側空間内からスリーブ板の先縁両端部を誘導溝からガイド溝に通し、対向するガイド溝沿いに一周させて円筒状のスリーブを形成するので、スリーブ支持環に対するスリーブの組み付けも、作業の巧拙がなく確実にできる。こうして、型枠内に配置した鉄筋に対して円筒状に形成したスリーブはスリーブ支持環を介して所定位置にしっかり固定される。
【0009】
ここで、一方向に屈曲自在にしたスリーブ板としては、金属薄板製の波板とするのが好ましい。この場合のスリーブ板は、金属薄板材を波形加工するだけで作られるので、安価に提供できる。また、実用的なスリーブ板としては、スリーブ板の波ピッチを10mm、見掛け板厚を5mmに設定すると、汎用のコンクリート型枠用スリーブとして取り扱い易く、作業性を向上できる。
【0010】
また、スリーブ板は、一旦は、これをロール巻き状に小さく丸めてその両端部を、型枠内壁面に取着された一対のスリーブ支持環の内側空間内に入れ、この内側空間内から、スリーブ板の先縁両端部をガイド溝内入り込ませて円筒状のスリーブを形成するので、このスリーブ板の両端部をスリーブ支持環の内側空間からスリーブ支持環のガイド溝に誘導する誘導溝を、ガイド溝周方向に傾斜して設けると、スリーブ支持環の内側空間内からロール巻き状のスリーブ板は、その巻き戻しを図りながら無理なくスリーブ板両端部をスムーズにガイド溝に入り込ませることができる。
【0011】
また、上記構成のスリーブ形成部材を使用すれば、一対のスリーブ支持環をコンクリート型枠の内壁面所定位置に取着し、ロール巻き状に小さく丸めたスリーブ板を、型枠内の鉄筋の隙間から挿入してその両端部をスリーブ支持環の内側空間内に入れ、この内側空間内からスリーブ板の先縁両端部を誘導溝からガイド溝に通し、スリーブ板の巻き戻しを図りながらスリーブ板両端部をガイド溝に漸進的に入り込ませてガイド溝内を一周させるとともに、スリーブ板の先縁部と後縁部をガイド溝内で重合させて円筒状のスリーブを形成することができる。
【0012】
このように、一対のスリーブ支持環は、鉄筋の配置がない状態でコンクリート型枠の内壁面の所定位置に取着され、この後に型枠内には鉄筋だけが配置され、次いで、この型枠内の鉄筋の隙間からロール巻き状に小さく丸めたスリーブ板の両端部をスリーブ支持環の内側空間内に入れ、この内側空間内からロール巻き状のスリーブ板の展開を図りつつ、スリーブ板の先縁両端部を誘導溝を介してガイド溝に入り込ませてスリーブ支持環を介して型枠内に支持された円筒状のスリーブを形成するので、作業手順を合理化して能率よくスリーブを形成することができる。なお、スリーブ支持環の型枠内壁面への取着は、必ずしも、型枠内に鉄筋を配置する前に行う必要はなく、型枠内に鉄筋配置後に取着してもスリーブ板の取付けが十分にできる。
【0013】
こうしてスリーブ形成後のコンクリート型枠内に、コンクリートを打設してコンクリートが固化した後、スリーブ支持環を型枠とともに撤去し、円筒状のスリーブは固化したコンクリート内に残すようにすると、スリーブ支持環は型枠から外して再使用されるので、資源の無駄にならず有効利用される。また、固化したコンクリート内に取り残されるスリーブは、貫通孔壁面の保護材として機能し、有効利用される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
図1は本発明に係るスリーブ形成部材を分解した状態を示す斜視図である。
【0015】
図1において、スリーブ形成部材1は、一対のスリーブ支持環2と、一方向に屈曲自在なスリーブ板3からなる。
【0016】
一対のスリーブ支持環2には、スリーブ板3の両端部が挿入される環状のガイド溝4を対向して設けている。このガイド溝4は、同心円状をなす内外ガイド溝壁5,6によって形成され、これらの内外ガイド溝壁5,6には、その一部を切欠してガイド溝4をガイド溝壁5,6外に開放する誘導溝7,8を、ガイド溝周方向に傾斜して設けている。ここでガイド溝壁5に設ける誘導溝7は、スリーブ支持環2の内側からガイド溝4向けにスリーブ板3を誘導するためのものであり、ガイド溝壁6に設ける誘導溝8はガイド溝4に支持されたスリーブ板3やスリーブ支持環2の内側にあるスリーブ板3を交換したりする時に、外部に引き出したりするのに使用される。また、スリーブ支持環2の外周面2aはテーパ面に形成している。
【0017】
スリーブ板3は、金属薄板製の波板からなり、その凹凸波条に直交する方向にのみ屈曲可能とし、ロール巻き状に小さく丸めて適宜太さの棒状形態とすることができるもので、実施の形態では、亜鉛メッキした厚さ0.2〜0.25mmの薄鋼鈑製の波板を使用し、波ピッチが10mm、見掛け板厚5mmの波板を使用している。また、実際に使用されるスリーブ板3の大きさは、スリーブ板3の凹凸波条に平行する方向に必要とされるスリーブ長さを採り、凹凸波条に直交する方向の長さは、スリーブ周長、すなわち、ガイド溝周長に、ガイド溝4内でスリーブ板3の先縁3a部と後縁3b部を重ね合わせる分(3〜5cm程度)を見込んだ長さにする。
【0018】
上記構成において、図1に示すスリーブ形成部材を用い、コンクリート梁に貫通孔を形成する方法の好ましい実施の形態を具体的に説明する。
【0019】
図2(a)、(b)は、スリーブ形成部材の使用方法を説明する概略断面図で、コンクリート梁を施行する場合を例示している。図3(a)、(b)、(c)、(d)は、スリーブ支持環へのスリーブ板の組み付け要領説明図である。
【0020】
図2(a)、(b)において、9は型枠、10は型枠9内の梁溝、11は梁溝10内に配置した鉄筋、12はスリーブ支持環2に設けた釘孔を示す。
【0021】
本発明においては、梁溝10内に鉄筋11がない状態で、梁溝10内壁面に、予め、位置決めされて対向的に一対のスリーブ支持環2を取着する。このスリーブ支持環2の取着には、スリーブ支持環2の適所に設けた釘孔12(図1参照)に釘又は木ねじ等を通して固定する。この後、梁溝10内に周知の手法で鉄筋11を、貫通孔回りを補強する補強筋11aとともに配置する。
【0022】
ここで、図2(a)に示すように、予め、梁寸法に合わせて所定の長さに切断されたスリーブ板3を、ロール巻き状に小さく丸めてこれを手に持ち、梁溝10内の鉄筋11の隙間から挿入して補強筋11aの中に入れ、スリーブ板3の両端部をスリーブ支持環2の内側空間内に入れる(図3(a)参照)。
【0023】
の内側空間内から、図3(b)、(c)に示すように、スリーブ板3の先縁3a両端部を誘導溝7からガイド溝4に通し、スリーブ板3を回して巻き戻しを図りながらスリーブ板3の両端部をガイド溝4に漸進的に入り込ませ、ガイド溝4内を一周させるとともに、最終的には、スリーブ板3の先縁3a部と後縁3b部をガイド溝4内で重ね合わせて円筒状のスリーブを形成する(図3(d)参照)。
【0024】
こうして、図2(b)に示すように、型枠9内に配置した鉄筋11に対して円筒状に形成したスリーブ3はスリーブ支持環2を介して所定位置にしっかり固定される。
【0025】
この後、周知の手法により梁溝10内にコンクリートを打設し、このコンクリートが固化したならば、型枠9を解体して除去する。この際に、スリーブ支持環2の外周面2aはテーパ面に形成してあるので、難なく固化したコンクリートから抜出できる。また、このスリーブ支持環2は、解体された型枠9から取り外されて再使用されるので資源の無駄にならない。一方、円筒状のスリーブ3は、図4に示すように、コンクリート梁Aに形成された貫通孔B内に残されるが、これは貫通孔Bの壁面の保護材として機能し、有効利用される。
【0026】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、本発明によれば、一対のスリーブ支持環は、型枠内に鉄筋を配置する前に、型枠内壁面に取着されるので、鉄筋が配置された狭い型枠内での必要とせず、その位置決めが容易で正確に、且つ、短時間に確実にできる。また、スリーブ支持環に組み付けられるスリーブ板は、ロール巻き状に小さく丸められた状態で型枠内に鉄筋を配置した後で、鉄筋内に挿入して先にスリーブ板の両端部を型枠内壁面に取着された一対のスリーブ支持環の対向する内側空間内に入れ、この内側空間内からスリーブ板の先縁両端部をガイド溝沿いに展開させて円筒状のスリーブを形成するので、スリーブの組み付けも、作業の巧拙がなく確実にできて作業性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示すスリーブ形成部材を分解した状態を示す斜視図である。
【図2】(a)、(b)は、スリーブ形成部材の使用方法を説明する概略断面図である。
【図3】(a)、(b)、(c)、(d)は、スリーブ支持環へのスリーブ板の組み付け要領説明図である。
【図4】本発明に係るスリーブ形成部材を用いて形成したコンクリート梁の貫通孔部分の断面図である。
【符号の説明】
1 スリーブ形成部材
2 スリーブ支持環
2a スリーブ支持環外周面
3 スリーブ板
3a 先縁
3b 後縁
4 ガイド溝
5 内側ガイド溝壁
6 外側ガイド溝壁
7 誘導溝
8 誘導溝
3 ガイド板
9 型枠
10 梁溝
11 鉄筋
11a 補強筋
12 釘孔
A コンクリート梁
B 貫通孔

Claims (5)

  1. 一方向に屈曲自在にして円筒状のスリーブを形成するスリーブ板と、該スリーブ板で形成されるスリーブ両端部が挿入される環状ガイド溝を対向して設けた一対のスリーブ支持環とからなり、スリーブ支持環には、ガイド溝壁の一部を切欠してガイド溝を溝壁外に開放した誘導溝をガイド溝周方向に傾斜して設けたことを特徴とするコンクリート型枠用スリーブ形成部材。
  2. スリーブ板が、金属薄板製の波板からなることを特徴とする請求項1記載のコンクリート型枠用スリーブ形成部材。
  3. スリーブ板の波ピッチを10mm、見掛け板厚を5mmに設定したことを特徴とする請求項1又は2記載のコンクリート型枠用スリーブ形成部材。
  4. 一対のスリーブ支持環をコンクリート型枠の内壁面所定位置に取着し、ロール巻き状に小さく丸めたスリーブ板を、型枠内の鉄筋の隙間から挿入してその両端部をスリーブ支持環の内側空間内に入れ、この内側空間内からスリーブ板の先縁両端部を誘導溝からガイド溝に通し、スリーブ板の巻き戻しを図りながらスリーブ板両端部をガイド溝に漸進的に入り込ませてガイド溝内を一周させるとともに、スリーブ板の先縁部と後縁部をガイド溝内で重合させて円筒状のスリーブを形成することを特徴とするコンクリート型枠用スリーブ形成方法。
  5. スリーブ形成後のコンクリート型枠内に、コンクリートを打設してコンクリートが固化した後、スリーブ支持環を型枠とともに撤去し、円筒状のスリーブは固化したコンクリート内に残すことを特徴とする請求項記載のコンクリート型枠用スリーブ形成方法。
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