JP3613310B2 - キャビネットの扉構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、洗面室、台所、浴室等で使用される収納キャビネットに関し、特に洗面化粧台に設置されるミラーキャビネットに好適な扉構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の洗面化粧台は、実公平2−16708号(図6)のように、洗面台Aの上部側にミラーキャビネットBを設け、ミラーキャビネットBの下部に形成された収納部Cの前側に扉Dを開閉自在に設けている。扉Dの裏には歯ブラシ立てEを一体的に形成し、使用後の歯ブラシFをそこに収め乾燥させるようにしている。そのため、収納部内の湿気を排除する必要が有り、扉Dの上下に通気孔Gを設けている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来例では、扉Dの前面側の上下に通気孔Gを設けていたので、外観の意匠性が低下していた。また、意匠性を損なわないように通気孔Gをできるだけ小さくする必要があり、そのため収納部内の換気性能が小さく、収納物や収納部内がよく乾かずにカビが発生してしまうという問題があった。
そこで、本発明は、収納部の外観をすっきりさせて意匠性を向上させると共に収納部内の換気を良好に行えるキャビネットを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、洗面器の上部にキャビネットを設置してなる洗面化粧台において、前記キャビネットに形成した収納部の開口部に開閉自在に設けられた扉の下部側に下通気孔を開設したキャビネットの扉構造であって、前記扉の前面を、上部側に対して下部側が前方に突出するように斜面状に構成し、少なくとも扉の下端部を上記開口部の前面より前方に突出させ、前記下通気孔を扉の底面に設けたことを特徴とする。
【0005】
扉の前面側に下通気孔を形成しないので、扉の外観がすっきりし意匠性が向上する。
扉の下端部を収納部の開口部の前面より前方に突出させたので、下通気孔を大きく形成することができ、収納部内の換気性能が向上する。
【0006】
扉の前面を、上部側に対して下部側が前方に突出するように斜面状に構成したので、下通気孔を大きく形成することができ、収納部内の換気性能が向上する。また、扉の下端部が洗面器の直上に位置するので、扉への跳ね水を洗面器に直接落とすことができ、水垢などの発生が無くなる。
【0007】
また、上記した下通気孔を人の手指の先端が入る程度の大きさに形成し、通気孔を扉開閉用の把手とすることができる。
それによると、扉の把手を外観に現れないところに形成したので、すっきりとした外観となり意匠性が向上する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施の形態を図に基づいて説明する。
図2及び図3に示すように、洗面化粧台1は、床に設置されるフロアキャビネット2の上部に洗面器3が固着され、その上部にミラーキャビネット4を壁面に固定させて設置したものである。
ミラーキャビネット4は合成樹脂で本体4aを形成され、上部に照明具5を設け、中央に鏡6を設け、鏡6の側方に着脱自在な棚7を設け、鏡6の下方のパネル部8に吐水操作用ハンドル9a及びシャワー水栓9bからなる水栓装置9を設けている。そして、パネル部8の側方に収納部10を形成し、その前面の開口部10aを扉11で開閉自在としている。
図1に示すように、収納部10はミラーキャビネット本体4aと合成樹脂で一体形成されている。扉11の上下端部に形成した上面11a及び底面11bにそれぞれ支持軸11cを形成し、収納部10の開口部10aの近傍に支持軸11cを嵌め込んで扉11を開閉自在にしている。
【0009】
図4に示すように、扉11は合成樹脂で形成され、その表面は、上部側を平坦にし下部側に向かうにつれて前方側(洗面器側)に円弧を張り出すような湾曲形状としている。また、扉11の前面上部に上通気孔12を形成し、扉11の底面11bに下通気孔13を開口形成している。下通気孔13は、最大奥行き寸法を約10mm、横幅を約50mmとして形成して、人の手指の先端を挿入可能な大きさとされている。
扉11の下部は、前方に突出するように湾曲状に形成されているので、扉11の下端部は収納部10の開口部10aよりも前方に突出する形態となっている。そのため、洗面化粧台1での水作業時に水が扉11の前面に飛び跳ねても、その水は扉11の前面を伝って洗面器3に直接落ちる。
【0010】
この収納部10を開放するときは、扉11の底面11bに形成された下通気孔13に手指の先を挿入して、前方側(洗面器側)に引くと扉11が開き、収納部10の開口部10aから歯ブラシ等の出し入れをすることができる。
なお、扉11の底面11b及び上部に通気孔12,13が形成されているので、下通気孔13から収納部内を通って上通気孔12に抜ける換気流路が形成されるので、収納部内の換気は良好に行われる。その場合、下通気孔13を扉11の前面に形成するのに比べて大きく形成されているので、換気の性能は従来技術より向上する。
【0011】
以上説明したように、この実施の形態においては、収納部10の扉11の底面11bに下通気孔13を開口形成したので、通気孔の面積が大きくなり収納部内の換気性能を向上することができ、さらに扉11の外観がすっきりし意匠性が向上する。
また、扉11表面に付着した跳ね水は扉11の下端部から直接洗面器3に落ちるので、開口部10aと扉11との間に水が溜まって水垢が付着するようなことがなく、清潔である。また、従来技術のように扉の前面に形成された下通気孔は小さいため水が溜まりやすかったが、この発明では下通気孔に水が溜まることがなく水垢が付着せず、清潔である。
【0012】
次に、本発明の第2の実施の形態を図5に基づいて説明する。なお、先の実施の形態と同一の構成については同じ符号を付し、その説明を省いた。
この例では、収納部10の扉21の全体を平面視で円弧を描くような湾曲形状とし、扉21の上面21a及び底面21bにそれぞれ上通気孔22、下通気孔23を開口形成している。
そのため、扉11の前面には通気孔が露出せず、すっきりした外観が得られるため意匠性が向上する。上通気孔22を下通気孔23と同様大きく形成することができるので、上通気孔22に手指を引っ掛けて扉開閉の把手として使用することができる。
【0013】
なお、本発明の実施の形態として洗面化粧台の示したが、これに限らず浴室用収納キャビネットや台所用キャビネットなどに本発明を適用することができる。
【0014】
【発明の効果】
本発明は、収納部の扉の底面に下通気孔を開口形成したので、扉の外観がすっきりとし意匠性が向上する。
また、扉の底面に形成した下通気孔の面積を大きくして収納部内の換気性能を向上させることができる。
さらに、扉表面に付着した跳ね水は扉の下端部から直接洗面器に落ちるので、開口部と扉との間や下通気孔に水が溜まって水垢が付着するようなことがなく、清潔である。
また、扉の把手を外観に現れないところに形成したので、すっきりとした外観となりさらに意匠性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の扉の第1の実施の形態を示す収納部の断面図である。
【図2】図1の扉を使用した洗面化粧台の斜視図である。
【図3】図2の洗面化粧台の(a)正面図及び(b)右側面図である。
【図4】扉の詳細図であり、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は(b)の中央縦断面図、(d)は底面図である。
【図5】扉の第2の実施の形態を示す収納部の断面図である。
【図6】従来技術の洗面化粧台の収納部を示す図である。
【符号の説明】
1…洗面化粧台、3…洗面器、4…ミラーキャビネット、10…収納部、10a…開口部、11…扉、13…下通気孔、21…扉、23…下通気孔

Claims (2)

  1. 洗面器の上部にキャビネットを設置してなる洗面化粧台において、前記キャビネットに形成した収納部の開口部に開閉自在に設けられた扉の下部側に下通気孔を開設したキャビネットの扉構造であって、前記扉の前面を、上部側に対して下部側が前方に突出するように斜面状に構成し、少なくとも扉の下端部を上記開口部の前面より前方に突出させ、前記下通気孔を扉の底面に設けたことを特徴とするキャビネットの扉構造。
  2. 上記下通気孔を人の手指の先端が入る程度の大きさに形成し、該通気孔を扉開閉用の把手としたことを特徴とする請求項1記載のキャビネットの扉構造。
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