JP3612831B2 - シールドフラットケーブル - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、シールドフラットケーブルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
フラットケーブルは、たとえば各種ビデオ機器、カメラ、コンピュータ、液晶機器等の精密電子機器の内部配線として多用されているが、これら機器の多機能化にともなって、機器の内部にノイズ対策を必要とする部位が増加する傾向にあり、これに対応すべくフラットケーブルについても、シールド付きのものに対する需要が増加しつつある。
【0003】
上記シールドフラットケーブルFとしては従来、たとえば図4に示すように、絶縁被覆10内に複数本の導体11〜15を埋設し、かつそのうち導体15を接地線として、絶縁被覆10に形成した凹部10aを通じて外部に露出させたケーブル本体1の外周に、当該シールドフラットケーブルFの外被層91となるフィルムの片面に金属箔92をラミネートし、さらにこの金属箔92の表面に熱接着性あるいは感圧接着性の接着層93を積層したものを巻きつけて接着するとともに、上記導体15と金属箔91とを、凹部10a内で電気的に接続したものが一般的であった。
【0004】
しかし、かかるシールドフラットケーブルFにおいては、金属箔91をケーブル本体1に接着するための接着層93が絶縁性であるため、導体15と金属箔91とを電気的に接続するには、両者をスポット溶接等で直接に接続する工程が別途、必要であった。
そこで近時、従来の絶縁性の接着剤に代えて、導電性フィラーを含有することで導電性が付与された組成物(導電性組成物)からなる接着剤を使用して、金属箔と接地線との導通を、両者と接着される上記導電性組成物の導通により確保することで、スポット溶接等を省略したシールドフラットケーブルが提案された。
【0005】
また上記導電性組成物の層は、上記のごとくそれ自体、導電性を有し、金属箔とともにシールド層として機能することから、金属箔を省略して、上記層自体をシールド層としたシールドフラットケーブルも提案された。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
導電性組成物は、上述したように熱接着性、または感圧接着性の接着剤としての機能が要求されるので、当該導電性組成物を構成する基材樹脂としては熱可塑性樹脂が使用され、中でもとくに熱接着性の接着剤の場合は、熱接着によるシールドフラットケーブル製造の効率化をはかるべく、主として低融点のホットメルト接着剤が好適に使用される。
【0007】
ところが、上記ホットメルト接着剤等の熱可塑性樹脂を基材樹脂として使用した導電性組成物の層は、高温にさらされると抵抗値が上昇して、シールド層としてのシールド特性が低下する他、抵抗値の上昇の程度が個々のケーブル毎にばらついて一定しないために、各ケーブル毎のシールド特性にもばらつきが生じて、製品として特性の安定したものがえられないといった問題が生じるおそれがあった。
【0008】
すなわち導電性組成物の層においては、基材樹脂中に分散された導電性フィラー同士の接触により導電性が付与されているが、かかる層が高温にさらされると熱可塑性の基材樹脂が軟化して、上記導電性フィラー同士の接触がゆるむ結果、層の抵抗値が上昇し、当該層の、シールド層としてのシールド特性が低下する。
しかもこの抵抗値の上昇の程度は、単に温度によって一義的に決まるのではなく、層中での導電性フィラーの分散状態や、導電性フィラー同士の元々の接触状態、あるいは上記接触状態の、熱によるゆるみの程度等の様々な要因によって変化するため、シールドフラットケーブル製造時の層の抵抗値が一定となるように調整しても、各ケーブル毎のシールド特性にばらつきが生じるのである。
【0009】
導電性フィラー同士の接触状態のゆるみによる、導電性組成物の層の抵抗値の上昇を単純に防止するだけなら、たとえば二液硬化型の不飽和ポリエステル樹脂等の、硬化型の接着剤を基材樹脂として使用して、層の耐熱性を向上することも考えられるが、
▲1▼ 融点以下に冷却すれば固化するため接着を瞬時に完了できるホットメルト接着剤や、つねに感圧接着性を有するため瞬時に接着できる感圧接着剤と違って、硬化型の接着剤は、完全硬化させるのに長時間、加熱しなければならないため、製造工程の連続化が容易でないことや、あるいは
▲2▼ 融点以上に加熱すれば溶融していつでも使用可能な状態となるホットメルト接着剤や、上記のようにつねに感圧接着性を有するためいつでも使用な感圧接着剤と違って、とくに二液硬化型の接着剤は、一旦、混合すると接着可能な時間、いわゆるポットライフ(可使時間)が限られてしまい、このポットライフが製造工程上、種々の制約となること、
等の問題があり、シールドフラットケーブルの生産性が低下するという新たな問題をひき起こすおそれがあるため、上記硬化型の接着剤は、基材樹脂としては使用できなかった。
【0010】
この発明の目的は、ホットメルト接着剤等の熱可塑性樹脂からなる基材樹脂を含む導電性組成物の層を有しているにも拘らず、当該層の熱安定性がよいため、熱にさらされた際等に層の抵抗値が上昇して、シールド層としてのシールド特性が大幅に低下したり、あるいはシールド特性が製品毎にばらついたりしないシールドフラットケーブルを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための、この発明のシールドフラットケーブルは、熱可塑性の基材樹脂と導電性フィラーとを含有する導電性組成物の層を、シールド層として備えたシールドフラットケーブルであって、上記導電性組成物を構成する基材樹脂が、層形成後に架橋されていることを特徴とするものである。
【0012】
上記構成からなる、この発明のシールドフラットケーブルにおいては、導電性組成物を構成する基材樹脂が架橋されて、熱的に安定な三次元網目状構造となっており、当該導電性組成物の層がたとえ高温にさらされても、基材樹脂が軟化して導電性フィラー同士の接触がゆるんだりしないので、導電性組成物の層の抵抗値が上昇して、シールド層としてのシールド特性が低下したり、あるいはシールド特性が製品毎にばらついたりすることが防止される。
【0013】
また上記基材樹脂は、層形成後に架橋されるまでは熱可塑性樹脂としての性質を示すため、硬化型の接着剤を基材樹脂として使用した場合のように、シールドフラットケーブルの生産性が低下する等の問題を引き起こすおそれもない。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下にこの発明のシールドフラットケーブルを、その実施の形態の一例を示す図1(a)(b)を参照しつつ説明する。
これらの図に示したシールドフラットケーブルFは、従来同様に、ケーブル本体1の外周に、シールド層と接着層とを兼ねる、熱可塑性の基材樹脂と導電性フィラーとを含有した導電性組成物の層2を介して、外被層3を接着することで構成されており、このうち層2を構成する基材樹脂が、層形成後に架橋されたものである。
【0015】
この架橋により基材樹脂は、熱的に安定な三次元網目状構造となり、層2がたとえ高温にさらされても、軟化して導電性フィラー同士の接触がゆるんだりしないので、上記層2の抵抗値が上昇して、シールド層としてのシールド特性が低下したり、あるいはシールド特性が製品毎にばらついたりすることが防止される。上記のうちケーブル本体1は、絶縁被覆10内に複数本(図では5本)の導体11〜15を埋設し、かつそのうち導体15を接地線として、絶縁被覆10に形成した凹部10aを通じて外部に露出させたもので、この導体15に、凹部10a内で層2を構成する導電性組成物が接着されて、当該層2と導体15とが電気的に接続されている。
【0016】
上記ケーブル本体1を構成する絶縁被覆10および導体11〜15の材料、寸法等は、従来と同様でよい。たとえば導体11〜15としては、従来同様に銅箔やすずめっき銅箔等が、好適に使用される。
層2を構成する導電性組成物は、前記のように基材樹脂と導電性フィラーとを含有するもので、このうち基材樹脂としては、前述したように熱接着性、または感圧接着性を有する熱可塑性樹脂が好適に使用される。
【0017】
上記熱接着性の熱可塑性樹脂としてはホットメルト接着剤の組成を有するものが好ましく、また感圧接着性の熱可塑性樹脂としては感圧接着剤の組成を有するものが好ましい。かかるホットメルト接着剤および感圧接着剤はともに熱可塑性樹脂をベースとして、たとえば粘着性付与剤、粘度調整剤、酸化防止剤、無機充てん剤、可塑剤等の各種添加剤を適宜添加して融点を調整したもので、ベースとなる熱可塑性樹脂としては、これに限定されないがたとえば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸共重合体等のポリオレフィン系共重合体;飽和ポリエステル樹脂を主体とする共重合体;ポリアミド系樹脂;アタクチックポリプロピレン;ブチルゴム、スチレン系ブロック共重合体等の熱可塑性エラストマーなどがあげられる。
【0018】
また上記ホットメルト接着剤や感圧接着剤に添加される、粘着性付与剤その他の添加剤としては、これらの接着剤において常用される、従来公知の種々の添加剤がいずれも使用可能である。たとえば粘着性付与剤としてはロジン誘導体、石油樹脂等があげられ、粘度調整剤としてはパラフィン等のワックス類があげられる。これら添加剤の配合量は、ホットメルト接着剤の場合は融点等に応じて、また感圧接着剤の場合は感圧接着性等に応じて、適宜調整される。
【0019】
また基材樹脂を、後述する電離放射線の照射によって架橋する場合は、架橋を効果的に行うために、上記の各成分にさらに架橋剤を添加する必要がある。
架橋剤としては、分子内に複数個の不飽和結合部分を有する多官能性化合物が使用できる。
多官能性化合物としては、たとえばエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート等のアクリル系単量体;トリアリルシアヌレート、ジエチレンゴルコールジアリルエーテル等のアリル系単量体;アクリル変性エポキシオリゴマー、アクリル変性エステルオリゴマー、アクリル変性ウレタンオリゴマー、アクリル変性スピロアセタールオリゴマー、アクリル変性ブタジエンオリゴマー等のアクリル変性オリゴマー類;ポリエン−チオール型スピロアセタールオリゴマー等があげられ、これらはそれぞれ単独で使用できる他、2種以上を併用することもできる。
【0020】
架橋剤の配合量はとくに限定されないが、架橋による層2の耐熱性向上の効果を考慮すると、上記架橋剤の配合量は、熱可塑性樹脂100重量部に対して5〜100重量部、とくに10〜50重量部であるのが好ましい。
上記基材樹脂とともに導電性組成物を構成する導電性フィラーとしては、これに限定されないがたとえば、銀、銅、ニッケル等の金属粉や合金粉、金属ウィスカー、金属めっきを施したガラス繊維、カーボンブラック等があげられる。
【0021】
上記導電性フィラーは、基材樹脂中でのフィラー同士の接触抵抗を低くするために、隣接するもの同士が接触しやすい形状が好ましい。具体的には球状よりも鱗片状(薄片状)が好ましく、樹枝状がさらに好ましい。
【0022】
さらに導電性フィラーは、長期間に亘って初期の導電性を維持すべく、酸化防止処理されたり、あるいは基材樹脂に対する分散性を向上するために、たとえばシランカップリング剤やチタネートカップリング剤等で処理されてもよい。
導電性組成物における、上記導電性フィラーと基材樹脂との配合割合は、導電性組成物の層2が、シールド層として十分なシールド特性を発揮しうる程度の抵抗値を有する範囲内であれば、とくに限定はされない。具体的には、導電性フィラーの種類や形状、粒径等を考慮して、上記の条件を満たすように、両者の配合割合の範囲を設定すればよいが、一般的には、基材樹脂100重量部に対して、導電性フィラーを50〜400重量部の範囲内、とくに150〜300重量部の範囲内で配合するのが好ましい。
【0023】
導電性フィラーの配合量が上記範囲未満では、導電性フィラー間の接触抵抗が大きくなって、導電性組成物の層2の抵抗値が高くなる分、当該層2の、シールド層としてのシールド特性が低下するおそれがあり、また逆に配合量が上記範囲を超えた場合には、相対的に基材樹脂の配合量が少なくなる分、当該基材樹脂による熱接着性や感圧接着性が不十分となるおそれがある。
【0024】
導電性組成物は、上記導電性フィラーと基材樹脂とを、たとえばオープンロールミキサーや単軸あるいは多軸の混合機等で混合して製造される。
上記導電性組成物の層2の厚みはとくに限定されないが、当該層2の、シールド層としてのシールド特性や、接着層としての接着力、さらには絶縁被覆10の凹部10a内で導体15と電気的に接続される際に、当該凹部10aの内外の層2の連続性を維持すること等を考慮すると、10〜100μm程度、とくに10〜50μm程度が好ましい。
【0025】
外被層3としては、少なくとも導電性組成物の層2と接する面が導電性を有するか、または導電性を有しないものが使用される。
このうち前者の、少なくとも導電性組成物の層2と接する面が導電性を有する外被層3としては、たとえば上記層2と接する面に金属箔がラミネートされたフィルムや、あるいは上記面に、真空蒸着法、湿式めっき法等の方法で金属薄膜が形成されたフィルム等があげられる。上記金属箔や金属薄膜は、導電性組成物の層2との接着により電気的に接続されて、当該層2とともにシールド層として機能する。
【0026】
一方、後者の、導電性を有しない外被層3としては、上記金属箔や金属薄膜等を有しないフィルムがあげられる。
上記外被層3を構成するフィルムとしては、当該外被層3が表面保護層として機能することを考慮すると、機械的強度や耐熱性等にすぐれ、しかもシールドフラットケーブルFの柔軟性を妨げない柔軟性にすぐれたフィルムが好ましい。
【0027】
かかるフィルムとしては、これに限定されないがたとえば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリカーボネート、ポリアミド等があげられる。
また、たとえばUL規格等を満足するために、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリアリレート等の難燃性のフィルムを使用してもよい。
【0028】
フィルムの厚みについてもとくに限定されないが、前記機械的強度やシールドフラットケーブルFの柔軟性等を考慮すると、9〜50μm程度、とくに9〜25μm程度が好ましい。
上記各部からなるフラットケーブルFは、たとえば図2に示すようにその片面に、熱接着性、あるいは感圧接着性の導電性組成物2aを塗布した、外被層3となるフィルム3aを、ケーブル本体1の周囲に巻きつけ、導電性組成物2aが熱接着性である場合はたとえば熱ロール等を用いて加熱、加圧して熱接着処理し、また感圧接着性である場合は加圧接着処理して図1(a)(b)に示す状態とした後、層2を構成する導電性組成物中の基材樹脂を架橋することで製造される。
【0029】
導電性組成物2aは、フィルム3aの全面に均一に形成するのが一般的であるが、場合によっては、ストライプ状、網目状等いったように部分的に形成してもよい。
またフィルム3aの、上記導電性組成物2aが塗布される面は、当該導電性組成物2aとの密着強度を向上すべく、あらかじめコロナ放電処理等の表面処理を施してもよい。
【0030】
熱接着や加圧接着の条件は、導電性組成物2aの接着特性(たとえば熱接着性のものではその融点等)に応じて、適宜調整すればよい。
基材樹脂を架橋するには種々の方法が考えられるが、とくにごく短時間の処理で、熱架橋等ではえられない高度の架橋が可能である、電離放射線の照射による架橋処理が好適に採用される。
【0031】
照射する電離放射線としては、たとえばα線、電子線(β線)、γ線、X線等がいずれも採用可能であるが、電離放射線の透過厚み(層2の中まで十分に透過できるか否か)、電離放射線の照射量と照射時間との関係(短時間でどれだけ効率よく照射できるか)、必要とする設備の規模(とくに放射線の漏れを防止する保安設備の規模)等の工業的見地からすると、電子線またはγ線が好適に採用される。
【0032】
上記のうち電子線の加速電圧や照射量についてはとくに限定されないが、層2の中まで電子線を十分に透過させるためには、その加速電圧は200kV〜1MV程度であるのが好ましく、また層2を電子線によって十分に架橋させるためには、その照射量は、吸収線量で表して25〜50kGy程度であるのが好ましい。一方、γ線の照射量についてもとくに限定されないが、層2を十分に架橋させるためには、γ線の照射量は、吸収線量で表して25〜50kGy程度であるのが好ましい。
【0033】
上記電離放射線は、その上の外被層3を通して内部の層2に照射されるので、外被層3も同時に架橋される場合がある。この発明はこのような場合を排除するものではなく、外被層3が、とくに耐熱性の低い樹脂によって形成される場合には、積極的に架橋させるのが好ましい。ただし、樹脂の種類によっては、架橋により外被層3の柔軟性が低下する等の問題を生じる場合もあり、そのような場合には、たとえば外被層3を構成する樹脂中に、架橋禁止剤を配合すればよい。
【0034】
【実施例】
その片面に、真空蒸着法によって厚み0.2μmのアルミニウム薄膜が形成された、外被層3となる厚み25μmのPETフィルムの、上記アルミニウム薄膜の上に、導電性フィラーであるニッケル粉60重量部と、基材樹脂である飽和ポリエステル系ホットメルト接着剤30重量部と、アクリル変性オリゴマー系の架橋剤10重量部とを混合して作製した導電性組成物の層を、ドライラミネート法により形成した。
【0035】
そして、上記PETフィルム上の導電性組成物の層に、γ線を、吸収線量が50kGyとなるように照射して、当該導電性組成物中の基材樹脂を架橋させたものを実施例1とし、γ線の照射を省略して基材樹脂を架橋させなかったものを比較例1とした。
上記実施例1、比較例1のサンプルをそれぞれ5枚ずつ作製し、各サンプルの初期のシート抵抗値を、下記の方法で測定した。また、それぞれのサンプルを7日間、113℃に加熱して熱老化させた後のシート抵抗値を、同じ方法で測定した。測定結果を、各サンプルにおける初期および熱老化後のシート抵抗値の平均値、ならびに各サンプルにおける初期および熱老化後のシート抵抗値の最大値と最小値との差の結果とともに表1に示す。
シート抵抗値測定
図3に示すように、PETフィルム3a上の導電性組成物2aの表面に、縦1cm×横1cmの金属ブロックMを2個、1cmの間隔をあけて載置し、さらにその上に、図中二点鎖線で示す絶縁性の板Pを含む合計1kgの荷重を載せた状態で、環境温度25℃における両金属ブロックM間の抵抗値(mΩ/□)を、ミリオームメータで測定した。
【0036】
【表1】
Figure 0003612831
【0037】
上記表1より、導電性組成物中の基材樹脂を架橋させなかった比較例1の各サンプルは、熱老化によりシート抵抗値が著しく上昇するとともに、その最大値と最小値との差も大きくなるが、これに比べて実施例1の各サンプルは、熱老化によるシート抵抗値の上昇が小さく、かつそのばらつきの増加も小さいことがわかった。
【0038】
【発明の効果】
以上、詳述したようにこの発明によれば、ホットメルト接着剤等の熱可塑性樹脂からなる基材樹脂を含む導電性組成物の層を有しているにも拘らず、当該層の熱安定性がよいため、熱にさらされた際等に層の抵抗値が上昇して、シールド層としてのシールド特性が大幅に低下したり、あるいはシールド特性が製品毎にばらついたりしないシールドフラットケーブルがえられるという特有の作用効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のシールドフラットケーブルの、実施の形態の一例を示す図であって、同図(a) は平面図、同図(b) は同図(a) のB−B線断面図である。
【図2】図1のシールドフラットケーブルを製造する一工程を示す断面図である。
【図3】この発明の実施例、比較例で作製した導電性組成物の層のシート抵抗値を測定する方法を説明する斜視図である。
【図4】従来のシールドフラットケーブルの一例を示す断面図である。
【符号の説明】
F シールドフラットケーブル
1 ケーブル本体
2 導電性組成物の層
2a 導電性組成物
3 外被層
3a フィルム

Claims (4)

  1. 熱可塑性の基材樹脂と導電性フィラーとを含有する導電性組成物の層を、シールド層として備えたシールドフラットケーブルであって、上記導電性組成物を構成する基材樹脂が、層形成後に架橋されていることを特徴とするシールドフラットケーブル。
  2. 基材樹脂が、電離放射線の照射により架橋されている請求項1記載のシールドフラットケーブル。
  3. 導電性組成物の層の外側に、少なくとも当該層と接する面が導電性を有するか、または導電性を有しない外被層を備えており、導電性組成物の層が、上記外被層をケーブル本体と接着する接着層をも兼ねている請求項1または2記載のシールドフラットケーブル。
  4. 片面に導電性組成物を塗布した、外被層となるフィルムを、上記導電性組成物を塗布した側がケーブル本体の表面と接するようにして、当該ケーブル本体の表面に接着させて形成されている請求項3記載のシールドフラットケーブル。
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