JP3381869B2 - フラットケーブル - Google Patents
フラットケーブルInfo
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Description
どに使用されるフラットケーブル、特に半田耐熱性に優
れたフラットケーブルに関するものである。
各種機器内配線が複雑化するのに対応して、配線作業の
省力化や誤配線防止のため、ビデオ機器,音響機器,O
A機器,コンピュータ機器等の内部配線用の電線として
フラットケーブルが使用されている。
の絶縁の間に複数本の導体を並列して挟み、絶縁基材同
士を熱融着して一体化することにより製造されており、
絶縁基材として軟質PVCシートや2軸延伸ポリエチレ
ンテレフタレート(PET)フィルム層とこれを融着す
るための接着剤層の2層からなる積層フィルムなどが用
いられてきた。
末をコネクタへ挿脱することにより行う方法と端末部を
基板に半田付けする方法とがある。半田付けにより配線
する場合、半田付け時の熱により端末に近い部分の絶縁
が溶融又は収縮してしまうことがあり、高度の半田耐熱
性が要求される場合には絶縁を架橋して半田付け時の熱
で溶融しないようにしたフラットケーブルを使用してい
た。一般に絶縁基材を架橋する手段としては過酸化物な
どによる化学的架橋や電離放射線の照射による照射架橋
などの方法が挙げられるが、このようなフラットケーブ
ルは熱融着後にスリッターで絶縁基材の幅方向に切断し
て複数の製品とし、各製品ごとに架橋を行っている。
熱融着した後に架橋工程を設けなければならず、生産性
が悪いという問題がある。これは絶縁を架橋してしまっ
た後では樹脂が溶融しなくなるために熱融着が不可能に
なってしまうからである。特に、スリット後に各製品ご
とに架橋を行わなうことは非常に生産性が悪く、コスト
面でも好ましくない。従って、本発明は半田耐熱性を有
し、かつ高い生産性を有するフラットケーブルを提供す
ることを目的とする。
を達成すべく鋭意検討した結果、絶縁基材の全てを架橋
せず、予め表層のみを架橋した絶縁基材を用いてフラッ
トケーブルを製造すれば、融着後に架橋工程を行う必要
がなく、かつ、半田耐熱性も得られることを見出した。
その要旨は、2枚の絶縁基材の間に複数本の導体を挟ん
で熱融着し一体化したフラットケーブルにおいて、絶縁
基材は、単一の樹脂組成物からなるシートの片面から電
子線を照射することにより、シートの一方の表面からシ
ートの厚みの20%以上90%以下の範囲で架橋される
架橋層を有するシートから形成され、前記各絶縁基材
が、外表側が架橋層、導体側が非架橋層とした状態で導
体を挟んで熱融着されていることにある。また製造に際
しては単一の樹脂組成物からなるシートを製造するシー
ト製造工程、シートの片面から加速電圧の制御によって
電子線を照射することにより、シートの一方の表面から
シートの厚みの20%以上90%以下の範囲で架橋して
架橋層を有する絶縁基材を形成する架橋処理工程、架橋
層側を表面とし、他面の非架橋層側を導体側として、2
枚の絶縁基材の非架橋層の間に導体を供給し、絶縁基材
同士を融着する熱融着工程を有することを特徴とする。
脂は電子線照射により架橋できる樹脂であれば何でもよ
い。例えば、ポリエチレンやエチレン・酢酸ビニル共重
合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体等のポリ
オレフィン系樹脂、あるいはポリ塩化ビニル樹脂(PV
C)等を挙げることができる。ただし、ポリプロピレン
系樹脂は架橋しないため不適当である。また、PVCを
使用する場合には多官能性モノマーを添加すると効果的
に架橋を促進することができる。
みと樹脂組成物の密度を考慮して決定することができ
る。例えば、厚み300μm、密度1.0の絶縁基材に
対しては50keV〜200keV程度の加速電圧が適
当となる。また、照射線量は10から300kGyが適
当である。
うち外表側だけを架橋していれば半田付け時の熱で変
形,収縮することを十分に妨げる効果がある。ただし、
絶縁基材シートの全厚みのうち、架橋層が20%未満で
あれば十分な半田耐熱性を得ることができず、逆に90
%を越えると熱融着が困難となってしまう。
法について詳しく説明する。先ず、絶縁基材となるシー
トを製造する。シートの製造方法はポリオレフィン系樹
脂ならばTダイ押出機によりシート状に押し出しする方
法が、PVCならカレンダーによる方法が一般的であ
る。
片面から照射する。後工程で架橋工程があると生産した
製品ごとに架橋処理を行わなければならず生産性が悪い
ためコスト高の原因となるが、この時点で架橋工程を行
ってしまうと大量に処理できるため、生産性が良くコス
トも低減できる。
程に入る。一般に2枚の絶縁基材の間に導体を供給し、
2本の加熱ロールによって熱融着する方法がとられてい
る。ここでも同様の方法であるが、この際架橋層を加熱
ロール側に、非架橋層を導体側に配置しておく。フラッ
トケーブルの外面となる架橋層は熱によって溶融しない
ので並べられた導体のピッチを乱すことがなく、内面の
非架橋層のみ溶融して導体を十分に埋め込むため、対向
する絶縁基材と高い密着性をもって熱融着することがで
きる。熱融着工程の後は、所定の幅,長さに切断し、端
末加工を行って製品とする。なお、従来は熱融着工程後
または端末加工後に架橋工程が設けられていた。
する。 (実施例1)先ず、表1に示した樹脂組成物から100
mm幅,300μm厚の絶縁シートをカレンダーにより
作製した。次に図1(A)に示すようにこのシートの片
面から100keVの電子線を50kGy照射して架橋
層が80μmの絶縁基材シート1を得た。つまり、架橋
層と非架橋層を独立したシートとしてこれを貼着したの
ではなく、単一の樹脂組成物に架橋層と非架橋層を形成
している。続いて同図(B)に示すように、2枚の絶縁
基材シート1の間に30本の0.5mmφ錫メッキ軟銅
導体2を2.5mmピッチで並べて加熱ロール3により
連続的に熱融着した。このとき絶縁基材1の非架橋層を
導体側としている。そして融着直後にスリッター4に通
して導体5本ごとにスリットし、15mm幅×100m
長のフラットケーブルを得た。
ようにして行った。併せて結果も述べる。 半田耐熱性 フラットケーブルの端末を剥離し、5mmだけ導体を剥
き出して露出した導体部分を300℃の半田槽に10秒
間浸漬した後、絶縁の伸縮長を測定した。その結果、幅
方向,長手方向ともに収縮がなく、半田耐熱性は良好で
あった。
脂が充填されており、導体の埋まり性は十分であった。
で、密着力は問題がなかった。
の架橋が不要となり、非架橋製品と同様の生産性が得ら
れ良好であった。
射の際、加速電圧230keVとし、架橋層厚を250
μmとしたこと以外は実施例1と同様にした。評価結果
も全て実施例1と同様に良好であった。
ず、熱融着後スリットしてから製品ごと電子線の照射を
行った。照射の加速電圧は500keVで照射線量は5
0kGyである。評価の結果、半田耐熱性,導体埋まり
性,絶縁密着力は問題なかった。しかし生産性の点では
6本のフラットケーブルにスリットした後照射したの
で、照射器を6回通さなければならず煩雑であった。
射の際、加速電圧50keVとし、架橋層厚を20μm
をしたこと以外は実施例1と同様にした。評価の結果、
半田耐熱試験で絶縁が収縮してしまい目的が達成できな
かった。
際、加速電圧を260keVとし、架橋層厚を280μ
mとしたこと以外は実施例1と同様にした。評価の結
果、導体の埋まり性が悪く絶縁基材の密着も不十分であ
った。
め単一の樹脂組成物からなるシートの一方の面からシー
ト厚み方向に部分的に架橋させて絶縁基材を形成してお
くことにより半田耐熱性を有するフラットケーブルの生
産性を向上させることができる。
(B)は融着及びスリット工程を示す。
Claims (2)
- 【請求項1】 2枚の絶縁基材の間に複数本の導体を挟
んで熱融着し一体化したフラットケーブルにおいて、絶縁基材は、単一の樹脂組成物からなるシートの片面か
ら加速電圧の制御によって電子線を照射することによ
り、シートの一方の表面からシートの厚みの20%以上
90%以下の範囲で架橋される架橋層を有するシートか
ら形成され、 前記各絶縁基材は、外表側が架橋層、導体側が非架橋層
とした状態で導体を挟んで熱融着されている ことを特徴
とするフラットケーブル。 - 【請求項2】 2枚の絶縁基材の間に複数本の導体を並
列して挟み、熱融着して一体化するフラットケーブルの
製造方法であって、単一の樹脂組成物からなるシートを製造するシート製造
工程、 シートの片面から加速電圧の制御によって電子線を照射
することにより、シートの一方の表面からシートの厚み
の20%以上90%以下の範囲で架橋して架橋層を有す
る絶縁基材を形成する架橋処理工程、 架橋層側を表面とし、他面の非架橋層側を導体側とし
て、2枚の絶縁基材の非架橋層の間に導体を供給し、絶
縁基材同士を融着する熱融着工程を有する ことを特徴と
するフラットケーブルの製造方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP31258493A JP3381869B2 (ja) | 1993-11-17 | 1993-11-17 | フラットケーブル |
Applications Claiming Priority (1)
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JP31258493A JP3381869B2 (ja) | 1993-11-17 | 1993-11-17 | フラットケーブル |
Publications (2)
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JPH07141925A JPH07141925A (ja) | 1995-06-02 |
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Family
ID=18030969
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31258493A Expired - Fee Related JP3381869B2 (ja) | 1993-11-17 | 1993-11-17 | フラットケーブル |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3381869B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100890627B1 (ko) * | 2007-12-17 | 2009-03-27 | 한국생산기술연구원 | 디지털 밴드, 그 제조 장치 및 제조 방법 |
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---|---|---|---|---|
JP3646379B2 (ja) * | 1995-12-11 | 2005-05-11 | 住友電気工業株式会社 | フラットケーブルの接続方法 |
JP3612831B2 (ja) * | 1995-12-27 | 2005-01-19 | 住友電気工業株式会社 | シールドフラットケーブル |
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-
1993
- 1993-11-17 JP JP31258493A patent/JP3381869B2/ja not_active Expired - Fee Related
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KR100890627B1 (ko) * | 2007-12-17 | 2009-03-27 | 한국생산기술연구원 | 디지털 밴드, 그 제조 장치 및 제조 방법 |
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JPH07141925A (ja) | 1995-06-02 |
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