JP3612753B2 - 方向性けい素鋼板の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、方向性けい素鋼板の製造方法に関し、特に脱炭焼鈍において形成させる表面酸化物層の物性が良好になるように制御することによって、磁気特性及び被膜特性を大幅に改善しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】
方向性けい素鋼板は、軟磁性材料として主に変圧器あるいは回転機等の鉄心材料として使用されるものであり、磁気特性として磁束密度が高く、鉄損及び磁気歪が小さいことが要求される。このためには、鋼板面に{110}面、圧延方向に〈001〉軸を持った、いわゆるゴス方位と呼ばれる組織を圧延方向に高度に揃えることは、優れた磁気特性を得る上で必須である。
【0003】
かかる方向性けい素鋼板は、2次再結晶に必要なインヒビター、例えばMnS 、MnSe、AlN 等を含むけい素鋼スラブを加熱して熱間圧延を行ったあと、必要に応じて焼鈍を行い、1回あるいは中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延によって最終製品板厚とし、次いで脱炭と1次再結晶を兼ねた焼鈍を行ったあと、鋼板にMgO 等を主成分とした焼鈍分離剤を塗布してから、2次再結晶のための高温仕上焼鈍を行って製造される。
【0004】
このようにして製造された方向性けい素鋼板の表面には、特殊な場合を除いてフォルステライト(MgSiO )質絶縁被膜が形成されているのが普通である。かかるフォルステライト質絶縁被膜を方向性けい素鋼板に形成させるには、上記工程において、所望の最終板厚に冷間圧延したのち、まず湿水素中で700 〜900 ℃の温度で連続焼鈍を行う。この焼鈍は、
(1) 冷間圧延後の組織を適正な2次再結晶が起こるように1次再結晶させ、
(2) その後の2次再結晶を完全に行わせて磁気特性を向上させるべく、鋼板に0.01〜0.1 wt%程度含まれる炭素を、0.003 wt%以下のできるだけ低い濃度まで脱炭するばかりでなく、
(3) 酸化によってフォルステライト被膜の原料物質となるSiOを主成分とするサブスケールを鋼板表層に生成させる
ことを目的とするものである。
【0005】
この焼鈍の後、MgO を主成分とする焼鈍分離剤を鋼板上にスラリーとして塗布し、乾燥させた後、コイル状に巻き取って、還元または非酸化性雰囲気にて2次再結晶焼鈍と純化焼鈍を兼ねた最高1200℃程度の温度で仕上焼鈍を施すことにより、主として以下の式で示される固相反応によってフォルステライト質絶縁被膜を形成させる。
2MgO +SiO→MgSiO
上式においてMgO は焼鈍分離剤として塗布したMgO 、SiOは、サブスケール中のSiOである。
【0006】
このようにして形成したフォルステライト被膜は、厚みわずか数μm のセラミックス薄膜絶縁体であって、均一で欠陥がないことが要求される。また、せん断、打ち抜き及び曲げ加工等に耐え得る密着性の優れたものでなければならない。さらに、平滑で鉄心として積層したときに高い占積率を示すものでなければならない。
【0007】
この被膜は、表面の電気的絶縁だけでなく、以下のように磁気特性の改善にも寄与しているため、この被膜の形成過程を適正化し被膜品質を良好にすることが重要である。
【0008】
まず、フォルステライト被膜は、その低熱膨張性によって引張応力を鋼板に付与することにより、鉄損さらには磁気歪をも効果的に改善している。また、この被膜の存在により、高温仕上焼鈍で2次再結晶が完了して不要となったインヒビター成分が被膜中に濃化することになって実質的に鋼を純化することによっても鋼板の磁気特性の十分な発揮を助けている。さらに、被膜の形成挙動によってインヒビターの挙動が影響されるために、2次再結晶、ひいては磁気特性にも影響が及ぼされる。
【0009】
ところで、フォルステライト質絶縁被膜は、1μm 前後の微細結晶が緻密に集積したセラミックス質被膜であり、上述の如く脱炭焼鈍において鋼板表層に生成した酸化物を一方の原料物質として、その鋼板上に生成するものであるから、この酸化物の種類、量、分布等はフォルステライトの核生成や粒成長挙動に関与するとともに、被膜結晶粒の粒界や粒そのものの強度にも影響を及ぼし、したがって、仕上焼鈍後の被膜品質にも多大な影響を及ぼす。例えば、酸化層中の鉄酸化物分が多すぎると、フォルステライト被膜が局所的にはく離する欠陥が出易くなったり、あるいはフォルステライト粒子の粗大化が起こる。一方、酸化物の量が少な過ぎると、薄くて脆弱な、ところどころ地鉄が裸出した被膜になり易い。また、酸化物の量が多すぎる場合には、フォルステライト被膜が厚くなり過ぎて密着性の劣化を来すとともに、鋼板中の非磁性部分の増大によって、鉄心に組み立てた場合の占積率の低下を招く。
【0010】
また、脱炭焼鈍で生じた鋼板表面の酸化物層の物性により、被膜特性、磁気特性に影響を及ぼす追加酸化の受け易さが大きく左右される。すなわち、フォルステライト被膜の他方の原料物質であるMgO を主体とする焼鈍分離剤は、水に懸濁したスラリーとして塗布されるため、乾燥させた後も物理的に吸着したHO を保有する他、一部が水和してMg(OH) に変化しているため、仕上焼鈍中は800 ℃あたりまで少量ながらHO を放出し続ける。このため鋼板表面はこのHO により、追加酸化を受けるのである。この追加酸化が多いとフォルステライトの生成速度が抑制されるとともに、インヒビターの酸化や分解が増大する。したがって、追加酸化が多いと被膜特性、磁気特性いずれも劣化するところ、この追加酸化の受けやすさも、脱炭焼鈍で生じた鋼板表層の酸化物層の物性に大きく左右されるのである。
【0011】
さらに、特にAlN をインヒビターとする方向性けい素鋼板においては、この酸化物層の物性が仕上焼鈍中の鋼板からの脱N挙動、あるいは焼鈍雰囲気からの鋼中への侵N挙動に影響するため、インヒビターの動きを通して磁気特性にも影響を及ぼす。すなわち、脱Nが進行するとインヒビターの抑制力は弱まり、磁気特性は劣化する。一方侵Nが進行し過ぎると、インヒビターが強くなりすぎて正常な2次再結晶が起こり難くなり、この場合も特性劣化を来す。
【0012】
以上述べた理由により、脱炭焼鈍において形成する鋼板表層の酸化物層の物性を制御することは、優れたフォルステライト質絶縁被膜を適切な温度で均一に形成させるため、また2次再結晶を望ましい状態で発現させるために欠かせない事項であり、方向性けい素鋼板の製品品質を左右する製造技術上の重要なポイントの一つと云える。
【0013】
方向性けい素鋼板の脱炭焼鈍に関しては、例えば特公昭58−46547号公報に開示されているように、脱炭焼鈍前にSi、OあるいはSi、O、Hを含有するけい素化合物を付着せしめる方法、特公昭57−1575号公報に示されているように、雰囲気の酸化度を脱炭の前半では0.15とし、後半では0.75以下でかつ前半よりも低くする方法、あるいは特開平2−240215号公報や特公昭54−24686号公報に示されているように、脱炭焼鈍後に非酸化性雰囲気中で850 〜1050℃の熱処理を行う方法等が知られている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これはの方法はある程度の効果は認められるものの、必ずしも十分なものではなく、ストリップの幅方向あるいは長手方向で磁気特性や被膜の密着性、被覆性、あるいは均一性が劣化する場合が往々にして生じるなど、昨今の厳しい品質要求や高歩留まり要求に対しては未だ改善の余地を残すものであった。
【0015】
この発明は、上記の問題点を有利に解決しようとするものであり、コイルの全幅及び全長にわたって、欠陥のない均一で密着性の優れた被膜を有し、かつ磁気特性も優れた方向性けい素鋼板を得るための製造方法について提案するものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
この発明は、方向性けい素鋼素材を熱間圧延したのち、1回又は中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延によって最終製品板厚とし、次いで脱炭焼鈍を行い、その後焼鈍分離剤を塗布してから仕上げ焼鈍を施す一連の工程からなる方向性けい素鋼板の製造方法において、
脱炭焼鈍前の鋼板表面に、SiO ・x の形で表される化合物の1種又は2種以上を、Si重量換算で鋼板片面1m当たり0.5 〜7.0 mgの範囲であらかじめ付着させ、
次いで脱炭焼鈍を、前段と後段とに分け、この前段は雰囲気酸化性P(HO) /P(H)が0.3 以上0.7 未満、後段は雰囲気酸化性P(HO) /P(H)が0.2 〜0.005 の焼鈍雰囲気で行うことを特徴とする方向性けい素鋼板の製造方法である。
【0017】
【作用】
さて、発明者らは、方向性けい素鋼板の製品品質を改善すべく、脱炭焼鈍で形成するサブスケールの品質を良好に制御する方法を確立するための種々の実験を行った。その結果、脱炭焼鈍前に一定量のSi化合物を付着させることによって、酸化反応が促進されるとともに、サブスケール表層ではFeO の生成が抑制されてFeO −SiO系酸化物の形成が促進されることが分かった。また、このような条件下で形成したサブスケールを、引き続いて特定の雰囲気条件のもとで還元処理すると、化学的に安定な保護性の強いサブスケールになることが分かった。
【0018】
これら一連の過程を経て形成されたサブスケールは、前述した特公昭58−46547号公報に開示されている如き脱炭焼鈍前にSi、OあるいはSi、O、Hを含有するけい素化合物を単に付着させる方法又は特公昭57−1575号公報に開示されている如き雰囲気の酸化度を単に脱炭焼鈍の前半では0.15以上とし、後半では0.75以下で、かつ前半よりも低くする方法、さらにはこれらの方法の組み合わせから予測される効果よりも格段に優れた効果を示すことが分かった。
【0019】
まず、脱炭焼鈍前にSi化合物を付着させる効果について説明する。
この発明において使用するSi化合物は、本質的にSi、O、HあるいはSi、Oからなり、すなわち、SiO・xHO の形で表される化合物である。オルト珪酸(HSiO)、メタ珪酸(HSiO)、コロイダルシリカの如き水溶状超微粒SiO及び珪酸アルカリ水溶液中で鋼板を電解処理したときに電着するSiO又はこれにHO が結合した化合物等がこれに該当する。
【0020】
そこで、3.3 wt%のSiとインヒビターとしてMnSe及びSbを含むけい素鋼板を冷延により板厚0.35mmにした後、表面を十分に清浄化し、次いで3%オルト珪酸ナトリウム水溶液中で電解処理実験を行ってSi付着量と、その鋼板を脱炭焼鈍したのちの酸化膜形成量(酸素目付量)及び表面の酸化鉄(FeO )生成程度とについて調べた。このように珪酸ナトリウムを含む水溶液中で鋼板を電解処理した場合は、電気量条件にもよるが数十mg/mまでのSiO又はこれにHO の結合した化合物が鋼板表面に電着することが一般に認められ、後述するように、冷延後のけい素鋼板表面にSi化合物を一定量、付着させるこの発明の手段の一つにこの電解処理を採用することができる。
【0021】
上記実験においてSi付着量を求めるに当たっては、蛍光X線分析装置を用い、予め作成した検量線から目付量に換算した。この場合、バックグラウンドは何らSi付着処理を行わない脱脂後のけい素鋼板表面の状態であって、これをゼロとする。FeO 生成程度は、赤外線吸収スペクトルの波形及び外観の黒変程度から判定した。
【0022】
図1に、電解処理によるSi付着量と、その鋼板を脱炭焼鈍したのちの酸化膜形成量(酸素目付量)及び表面の酸化鉄(FeO )生成程度との関係をグラフで示す。図1から、Si化合物の付着によるFeO 生成の抑制効果は、鋼板片面1m当たり、Siとして0.2 mgの場合から既に現れ、Si化合物の付着量の増大に連れてより顕著になることが分かる。
【0023】
このように、Si化合物がFeO 生成抑制及び酸化量促進をもたらす効果は、Si付着量が0.2 mg/m から現れるが、0.5 mg/mより少ないとあまり顕著ではない。この発明においてSi付着量の下限を0.5 mg/mとした理由はこのためである。より好ましくは、0.7 mg/m以上である。
【0024】
かかる電解処理によるSi付着量が0及び3mg/mになる冷延後のけい素鋼板のそれぞれを脱炭焼鈍したのち、表面反射赤外吸収スペクトルを測定した。その結果を図2に示す。図2において、700 〜400 cm−1の間にあるブロードな吸収はFeO の吸収を示し、また、1000cm−1付近あるいは600 cm−1付近の比較的鋭い吸収は、ファイヤライト(FeSiO)の存在を示すものである。図2より、Si化合物の付着によってファイヤライトの生成が促進される一方、FeO の生成が抑制されることが明らかである。なお、前述の如く仕上焼鈍の昇温過程では、分離剤に含まれる水分が徐々に放出されるため、コイル層間は酸化性が上がる。このためFeO を生成し易いが、Si化合物の付着によるFeO 抑制効果は、この段階においても認められた。Si化合物付着による製品品質の改善効果は、これらの作用が複合されて発揮されるものである。
【0025】
また、図1によると、脱炭焼鈍後の酸化膜形成量(酸素目付量)は、Si付着量が約6mg/m 以下では、Si化合物の付着量の増加とともに連続的に増加する。この酸素目付量の増加は、付着させたSi化合物に配位する酸素量に比べてはるかに多いことが重要な特徴である。すなわち、脱炭焼鈍前の鋼板表面にSi化合物を付着させることは、単に酸化物の不足分を脱炭焼鈍前にSi化合物を用いて補っただけの効果を得るものではない。なお、酸素目付量は、サブスケールの量的指標として重要な指標で、前述した如く、これが不足すると密着性の悪い不均一な被膜しか得られず、磁気特性も劣化し易いと云える。
【0026】
Si化合物がSiとして7mg/mを超えると、酸素目付量は急激に減少する。これは、表面に緻密で酸素が透過しにくい被膜が形成されるためと考えられる。また、このような酸素目付量の低減ともに脱炭も不良になる傾向が認められた。方向性けい素鋼の場合、脱炭の不良は磁気特性に対し大なる悪影響を及ぼすものである。この発明において、Si化合物の付着量の上限をSiにして7mg/mと定めたのは、以上の理由によるものである。より好ましくは、6mg/m以下である。
【0027】
このように、Si化合物の付着によって酸化挙動が変化する理由は、まだ明らかにはなっていないが、脱炭焼鈍の初期にできる酸化物の組成や形態、あるいは物性の変化に伴い、その後の均熱過程での酸化挙動に影響を与えているものと思われる。
【0028】
このようなSi化合物の付着によるFeO 生成の抑制及び酸化膜形成量の増加をもたらす効果は、所期の成分と酸素量をもつ酸化膜を得ることにも利用し得るばかりでなく、脱炭焼鈍の諸条件の選択範囲を広げることにも役立つ。例えば、酸化速度の小さな弱酸化性の雰囲気でもSi化合物を付着させることにより、けい素鋼板を製造する際に適用可能となる。また、Si化合物を付着させることによりライン速度を増加させることができ、生産性向上の点において有利である。
【0029】
この発明に従って鋼板表面上にSi化合物を付着させるには、大別して塗布による方法と電解処理による方法との二つの方法を用いることができる。
まず、塗布による方法を選ぶ場合には、最終冷間圧延後の方向性けい素鋼板は、塗布液がはじかれないように事前に表面を脱脂して、濡れ性を十分に良くしておかなければならない。塗布剤としては、4〜50 nm 程度の粒径を持つコロイド状シリカ、あるいは水に対する溶解度は小さいが珪酸(SiO・xHO )等を用いることができる。塗布のための具体的な手段や塗布液の成分や濃度等は特に限定するものではない。例えば、0.5 〜2.0 mmの間隔に溝を切った塗布ロールを用いれば、塗布液濃度、ロール圧下力の選択により、塗布量が任意に制御できるため好適である。
【0030】
次に、電解処理による方法について述べる。方向性けい素鋼板には、最終冷間圧延後に表面に付着した圧延油、鉄粉あるいは最終冷延に先立つ種々の工程において形成したスケールの粒子などを除去し、清浄な表面を得るためのクリーニングを施す。
【0031】
このクリーニング方法としては浸漬脱脂、スプレー脱脂、ブラッシング脱脂等の他、アルカリ性脱脂浴中で鋼板を電解処理する、いわゆる電解脱脂がある。この電解脱脂には通常、苛性ソーダ、炭酸ソーダ、りん酸ソーダ、珪酸ソーダ等の一種あるいは二種以上を含む水溶液を脱脂浴として採用するが、珪酸塩を含む脱脂浴を用いて鋼板を電解脱脂すれば、鋼板表面に珪酸又は珪酸塩もしくはそれらとFeとの水和酸化物を含む化合物が電着する。この現象は、特に陰極において顕著である。したがって、最終冷延後の方向性けい素鋼板を、珪酸塩を含む脱脂浴中で電解脱脂するか、通常の浸漬脱脂の末部に電解用電極を付設することは、脱脂処理と同時にこの発明の要件であるSi化合物の付着を実現できることから極めて有利である。また、電気量の制御によってSi化合物の付着量を任意に選ぶことができることも有利な点である。
【0032】
また、電解処理の電解浴に用いる珪酸塩としては、ナトリウムの珪酸塩すなわちオルト珪酸ナトリウム(NaSiO)、メタ珪酸ナトリウム(NaSiO )又は種々の珪酸ナトリウムの液体混合物であるいわゆる水ガラス等が適当である。また、カリウムあるいはリチウムの珪酸塩を用いることも可能である。いずれも金属イオンとSiとのモル比は、その如何を問わない。
【0033】
電解浴の組成は、上記珪酸化合物を含むものであれば、その他の成分、例えばNaOH、NaCO等の存在及びその濃度の如何を問わないが、珪酸塩の濃度が0.5 〜5%程度であれば、脱脂とSiの付着との双方において所期の目的を達成することが可能なので有利である。この他、コロイダルシリカの懸濁液中で鋼板を電解処理することによってもSi化合物を電着させることが可能である。
【0034】
電解の方法や条件、すなわち通電方法、電流密度、電解時間あるいは電解温度等については特に限定はせず、公知の範囲内で適宜選択することができる。
【0035】
次に、この発明における脱炭焼鈍の雰囲気条件について述べる。脱炭焼鈍で生成する酸化膜の組成としては、シリカ(SiO)、ファイヤライト(FeSiO)、クリノフェロシライト(FeSiO)、酸化鉄(FeO 、Fe)の各相がこれに関与する。そして、その比率は焼鈍雰囲気、温度、時間によって影響されるが雰囲気の酸化性が最も支配的で、酸化性が高いほどファイヤライト、さらには酸化鉄の比率が増加する。発明者らの知見によると、FeO の生成領域で脱炭焼鈍した場合には、得られるフォルステライト被膜が部分的に点状の被膜欠除が生じて電気絶縁性が劣るものや、全体に表面の凹凸が激しく占積率の劣るもの等が生じ易く、均一で平滑なフォルステライト被膜を得るには極めて不利である。そこで、ベースとなる酸化膜の構成成分としては、シリカとファイヤライトとを主成分とし、かつそのトータル量(酸素目付量)がある範囲に管理されていることが良好なフォルステライト被膜を得るための必要条件となるのである。
【0036】
図3はけい素鋼板の表面に生成する酸化物の平衡状態図である。通常の脱炭焼鈍温度である700 〜900 ℃の範囲でFeO の生成を避けるためには、雰囲気酸化性P(H0) /P(H)を0.7 未満とする必要がある。FeO はSiOのように酸素原子が鋼板中に拡散していく内部酸化で生成するものとは異なり、Fe原子の外部への拡散が主となる外部酸化によって生成するといわれている。このような条件で生成するサブスケールは、保護性が悪いため、仕上焼鈍中の追加酸化が激しくなり、フォルステライト被膜の劣化が生ずるものと考えられる。以上の理由によってこの発明の脱炭焼鈍の雰囲気酸化性は、均熱前段を0.7 未満と規定するものである。このことにより、Si化合物付着によるFeO 生成抑制効果とあいまって、製品コイルでの被膜の均一性はさらに向上する。また、均熱前段の雰囲気酸化性の下限は、特に限定しないが、脱炭及び酸化量確保の点から0.3 以上が望ましい。より好ましくは、0.4 〜0.6 の範囲である。
【0037】
この発明においては、脱炭焼鈍は、P(H0) /P(H)が0.3 以上0.7 未満の雰囲気で焼鈍したあと、さらに引き続きP(H0) /P(H)が0.005 〜0.2 の雰囲気で処理することを特徴とする。この後段の処理によってサブスケール表面の保護性はさらに強化され、その結果、仕上焼鈍後の被膜特性と磁気特性にとって極めて良好な効果がもたらされる。このことを実験例をもって説明する。
【0038】
3.1wt%のSiとインヒビターとしてMnSe及びSbを含む、板厚0.23mmの冷延後のけい素鋼板を浸漬脱脂によって表面を十分に清浄化した。その後サンプルを2群に分け、1群はそのまま、もう1群はコロイダルシリカ水溶液を、乾燥後のSiO付着量がSiとして5mg/mとなるよう塗布ロールによって塗布し、その後、両方を同じ条件で脱炭焼鈍に供した。この脱炭焼鈍の条件は、均熱を820 ℃で120 秒とし、雰囲気P(H0) /P(H)を均熱前段の100 秒は0.55で一定とし、均熱後段の20秒はP(H0) /P(H)を0.001 〜0.4 の範囲で種々に変更した。その後、酸素目付量を化学分析によって求めるとともに、5%HCl にて60℃で60秒酸洗による溶解量(以下、酸洗減量と称する)を求めた。酸素目付量はサブスケールの量的指標として重要なことは先に述べたが、酸洗減量はサブスケールの質的指標として重要である。この酸洗減量の値が大きいことは、表面の化学的活性度が大きいこと、言い換えれば表面の保護性が悪いことを意味し、仕上焼鈍中に追加酸化を受け易く、被膜特性や磁気特性の劣化を来す。かかる酸素目付量と酸洗減量の調査結果を図4に示す。
【0039】
図4から分かるように、酸素目付量は、Si化合物を付着させることにより、明らかに増大した。しかし、脱炭焼鈍の際の均熱後段の雰囲気酸化性の影響はわずかである。一方、酸洗減量は、Si化合物の付着によって明瞭に低減し、さらに後段雰囲気酸化性が0.005 〜0.2 の範囲において最も低いレベルを示した。これ以外の酸化性領域では逆に増大した。この発明において均熱後段の雰囲気酸化性を0.005 〜0.2 の範囲に限定するのは、以上の理由による。より好ましくは、0.007 〜0.15の範囲とする。
【0040】
このように均熱後段の酸化性が0.2 以下で酸洗減量が低下するのは、図3の平衡状態図をみれば、P(H0) /P(H)が0.2 以下ではSiO生成域に入ることから、均熱前段で形成した表面の酸化物がある程度還元されることによって表面が低活性になるためと思われる。また、酸化性が、0.005 よりもさらに小さくなると酸洗減量が再び増大するのは、還元が進行し過ぎて表面が活性化するのであろう。
【0041】
Si化合物の付着は、既に図2に示したようにFeO の生成を抑制する一方、FeSiOの生成を促進する。このような効果ばかりでなくSi化合物の付着によって酸洗減量がより低減するという効果も得られる。これは、均熱前段で多く生成する表面のFeSiOが、後段の還元領域においてより強固なバリヤーに変化するためと考えられる。
【0042】
この発明は、以上に述べたように脱炭焼鈍前のSi化合物の付着、脱炭焼鈍における均熱前段及び後段の雰囲気酸化性の所定範囲での独立制御により、それらの相乗作用によって従来技術から予測されるよりもはるかに大きな効果が得られるのである。
【0043】
かかる脱炭焼鈍の際の温度は、通常の方向性けい素鋼板の製造の際に用いられる温度、すわなち700 〜900 ℃の範囲が適当である。処理時間は、既述の観点から、脱炭と酸化膜形成が適切に行える範囲で任意に設定することができる。但し、後段の還元領域での均熱時間は、還元反応を進行させる観点から5秒以上を確保することが望ましい。また、この後段の還元領域の温度は、同じく還元反応を促進させるために、均熱前段より高く設定してもよい。雰囲気のH濃度及び露点は、P(H0) /P(H)がこの発明の範囲である限り、任意の条件を選ぶことができる。
【0044】
その他の要件としてこの発明は、2〜4.5 wt%のSiを含む従来公知のけい素鋼に熱延を施し、それに続いて適当な焼鈍並びに冷延を施して最終板厚としたけい素鋼板を脱炭焼鈍に供すればよい。すなわち、従来の方向性けい素鋼素材の成分組成範囲内にある素材、例えばインヒビターとしてMnSe、MnS 、AlN さらにSb、Cu、Sn等を含有した素材を用いることができ、最終冷延によって最終板厚にされるまでに方向性けい素鋼素材に施される従来公知の熱延、中間焼鈍、冷延等の種々の処理を施すことができる。
【0045】
この発明における出発材成分の好適な含有量を挙げると次のとおりである。
C、Si及びMnの好適範囲は、それぞれC:0.02〜0.10wt%、Si:2.0 〜4.5 wt%、Mn:0.02〜0.15wt%である。その理由は、Cは、熱延組織の改善に必要であるが、多すぎると脱炭が困難になるので0.02〜0.10wt%程度とする。Siは、あまりに少ないと電気抵抗が少なくなって良好な鉄損特性が得られず、一方、あまりに多すぎると冷間圧延が困難になるためである。Mnは、インヒビター成分として必要であるが、多すぎるとインビビターサイズが粗大化し、好ましくないので0.02〜0.15wt%の範囲が好適である。
【0046】
また、S及び/又はSeは、0.05wt%を超えると純化焼鈍での純化が困難となり、一方、0.01wt%未満ではインヒビターの量が不足するため、合計で0.01〜0.05wt%の範囲で含有するものとする。AlN をインヒビターとして使用する場合は、Alが少なすぎると磁束密度は低くなり、多すぎると2次再結晶が不安定となる。このため、Alは0.01〜0.05wt%程度が良い。Nは、0.004 wt%未満ではAlN の量が不足し、0.012 wt%を超えると製品にブリスターが発生するので、0.004 〜0.012 wt%の範囲とする。
【0047】
Sbは、0.01wt%未満では、表面濃化の効果とサブインヒビターとしての効果に乏しく、また、0.2 wt%を超えると脱炭性及び表面被膜の形成に問題を生じるので、0.01〜0.20wt%とする。さらに、これらの成分以外に、Cu、Cr、Bi、Sn、B、Ge等のインヒビター補強元素も適宜添加することができる。また、熱間ぜい性に起因した表面欠陥防止のためにMoを添加することもできる。
【0048】
また、この発明においては、脱炭焼鈍の後の焼鈍分離剤塗布及び高温仕上焼鈍の各工程についても、今日の方向性けい素鋼板の製造において公知となっている方法に従って実施することができる。焼鈍分離剤としてはマグネシアを単身で使用する場合はもちろん、Ti化合物、Mn化合物、Sr化合物、B化合物あるいはその他の添加物を1種又は2種以上を加えた場合も被膜の均一性及び密着性が向上するために用いることができる。さらに、仕上焼鈍については、Hを含む雰囲気中で最高1100〜1300℃の焼鈍を行えばよい。
【0049】
【実施例】
実施例1
C:0.067 wt%、Si:3.30wt%、Mn:0.069 wt%、Se:0.023 wt%、sol.Al:0.026 wt%、N:0.0087wt%及びSb:0.025 %を含有する方向性けい素鋼素材を2.3 mm厚に熱延後、1000℃の均一化焼鈍を行い、さらに1100℃の中間焼鈍を挟む2回の冷間圧延によって0.23mmの最終冷延板厚とした。その後、市販のアルカリ性脱脂剤を用いた脱脂浴で浸漬脱脂を行い、引き続いて電解脱脂を兼ねた3%オルト珪酸ナトリウム水溶液中で電解処理を行って鋼板表面にSi化合物を付着させた。この時の電解電気量を変更することにより、Si化合物の付着量をSiとして表1に示す値に変化させた。Siの付着量は、前述の蛍光X線分析による方法で評価した。
【0050】
次いで、840 ℃で140 秒間、H−N−HO 雰囲気中で脱炭焼鈍を行った。この脱炭焼鈍のとき、均熱の前段120 秒間及び均熱の後段20秒間の雰囲気酸化性をそれぞれ独立に制御し、P(HO) /P(H)として表1に示す値に制御した。脱炭焼鈍により生成した表面酸化物量を化学分析により調べ、酸素目付量として評価した。次いでMgO にTiOを5%添加した焼鈍分離剤をスラリーとして塗布し、乾燥した後、コイルに巻取り、H雰囲気中で1200℃、10時間の2次再結晶焼鈍、純化焼鈍を行った。この後、りん酸マグネシウムとコロイダルシリカを主成分とするコーティングを施した。
【0051】
このようして得られた製品の磁界800 A/m における磁束密度B値、1.7 T、50Hzにおける鉄損W17/50値、被膜の曲げ密着性及び被膜の外観について評価した。この被膜の曲げ密着性は、5mm間隔で種々の径になる丸棒に試験片を巻き付けて被膜がはく離しない最小径で示した。この評価は、各コイルとも内巻、中巻、外巻で行った。また、板幅方向でのばらつきを調べるため、それぞれ両エッジ部及び中央部に分けて評価した。表1にこれらの評価結果を最大値〜最小値の範囲と平均値とで示す。
【0052】
【表1】
Figure 0003612753
【0053】
No. 1〜3、7〜9の適合例は、いずれも全幅、全長にわたって磁気特性、被膜特性ともに極めて良好である。これに対し、Si化合物を付着させなかったNo. 4、均熱の後段の雰囲気酸化性がこの発明の範囲よりも高いNo. 5及び均熱前段の雰囲気酸化性がこの発明の範囲よりも高いNo. 6は、いずれも磁気特性、被膜特性のばらつきが大きく、レベルもこの発明よりも劣る。
【0054】
実施例2
C:0.041 wt%、Si:3.36wt%、Mn:0.062 wt%、Se:0.024 wt%及びSb:0.025 %を含有する方向性けい素鋼素材を2.0 mm厚に熱間圧延後、900 ℃の均一化焼鈍を行い、さらに980 ℃の中間焼鈍を挟む2回の冷間圧延によって0.23mmの最終冷延板厚とした。その後、市販のアルカリ性脱脂剤を用いた脱脂浴で浸漬脱脂を行った。水洗、乾燥させた後、塗布ロールを用いてコロイダルシリカをSiとして表2に示す値になるように塗布し、乾燥した。このコロイダルシリカの塗布量は、コロイダルシリカの濃度及び塗布ロールの圧下量の調整によって行った。
【0055】
引き続いて、830 ℃で120 秒間、H−N−HO 雰囲気中で脱炭焼鈍を行った。この脱炭焼鈍のとき、均熱の前段100 秒間及び均熱の後段20秒間の雰囲気酸化性をそれぞれ独立に制御し、P(HO) /P(H)として表2に示す値に制御した。脱炭焼鈍により生成した表面酸化物量を化学分析により調べ、酸素目付量として評価した。次いでMgO にTiOを1%、SrSOを2%添加した焼鈍分離剤をスラリーとして塗布し、乾燥した後、コイルに巻取り、N中850 ℃で50時間の2次再結晶焼鈍と、引き続くH雰囲気中で1180℃、7時間の純化焼鈍を行った。この後、実施例1と同様に処理し、得られた製品について実施例1と同様の調査を行った。その結果を表2に併記する。
【0056】
【表2】
Figure 0003612753
【0057】
No. 1〜3の適合例は、いずれも全幅、全長にわたって磁気特性、被膜特性ともに極めて良好である。これに対し、Si化合物の付着量がこの発明の範囲よりも多いNo. 4、均熱の後段の雰囲気酸化性がこの発明の範囲よりも低いNo. 5は、いずれも磁気特性、被膜特性のばらつきが大きく、レベルもこの発明よりも劣る。
【0058】
実施例3
C:0.024 wt%、Si:3.10wt%、Mn:0.060 wt%、S:0.021 wt%を含有する方向性けい素鋼素材を3mm厚に熱延後、970 ℃で5分間の焼鈍を行い、さらに900 ℃の中間焼鈍を挟む2回の冷間圧延によって0.30mmの最終冷延板厚とした。その後、市販のアルカリ性脱脂剤を用いた脱脂浴で浸漬脱脂を行い、引き続いて3%オルト珪酸ナトリウム水溶液中で電解処理を行って鋼板表面にSi化合物を付着させた。この時の電解電気量を変更することにより、Si化合物の付着量をSiとして表3に示す値に変化させた。
【0059】
次いで、820 ℃で150 秒間、H−N−HO 雰囲気中で脱炭焼鈍を行った。この脱炭焼鈍のとき、均熱の前段120 秒間及び均熱の後段30秒間の雰囲気酸化性をそれぞれ独立に制御し、P(HO) /P(H)として表3に示す値に制御した。脱炭焼鈍により生成した表面酸化物量を化学分析により調べ、酸素目付量として評価した。次いでMgO にMgSOを2%添加した焼鈍分離剤をスラリーとして塗布し、乾燥した後、コイルに巻取り、H雰囲気中で1180℃、5時間の2次再結晶焼鈍、純化焼鈍に供した。この後、実施例1と同様に処理し、得られた製品について実施例1と同様の調査を行った。この結果を表3に併記する。
【0060】
【表3】
Figure 0003612753
【0061】
No. 1,2の適合例は、いずれも全幅、全長にわたって磁気特性、被膜特性ともに極めて良好である。これに対し、均熱の前段の雰囲気酸化性がこの発明の範囲よりも高いNo. 3は、磁気特性、被膜特性のばらつきが大きく、レベルもこの発明よりも劣る。
【0062】
【発明の効果】
以上のべたところか明らかなように、この発明は、脱炭焼鈍の前に一定量のSi化合物を付着させ、さら に焼鈍雰囲気の酸化性を均熱前段と後段とに分け、それぞれ独立に特定範囲に制御することによって、コイル全幅及び全長にわたって磁気特性、被膜特性ともに従来の方法では得られることのなかった、極めて均一で良好な水準の方向性珪素鋼板の得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る脱炭焼鈍前の電解処理によるSi付着量と、その鋼板を脱炭焼鈍した後の酸化膜形成量及び表面の酸化鉄生成程度との関係を示すグラフである。
【図2】脱炭焼鈍後に鋼板表面に形成された酸化膜の表面反射赤外吸収スペクトルを示す図である。
【図3】湿水素中において3%けい素鋼板の表面に生成する酸化物の平衡状態図である。
【図4】脱炭焼鈍における後段の雰囲気酸化性と酸素目付量、酸洗減量との関係を示すグラフである。

Claims (1)

  1. 方向性けい素鋼素材を熱間圧延したのち、1回又は中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延によって最終製品板厚とし、次いで脱炭焼鈍を行い、その後焼鈍分離剤を塗布してから仕上げ焼鈍を施す一連の工程からなる方向性けい素鋼板の製造方法において、
    脱炭焼鈍前の鋼板表面に、SiO ・x の形で表される化合物の1種又は2種以上を、Si重量換算で鋼板片面1m当たり0.5 〜7.0 mgの範囲であらかじめ付着させ、
    次いで脱炭焼鈍を、前段と後段とに分け、この前段は雰囲気酸化性P(HO) /P(H)が0.3 以上0.7 未満、後段は雰囲気酸化性P(HO) /P(H)が0.2 〜0.005 の焼鈍雰囲気で行うことを特徴とする方向性けい素鋼板の製造方法。
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