JP3612651B2 - バケットコンベア装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ケーシング底部に投入された搬送物を上下方向に走行するバケットで掬いとって上方に搬送させるバケットコンベア装置に係り、特に、使用時にケーシング底部に穀類等の搬送残りを生じさせず、しかもシール性を確保し得るバケットコンベア装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
大豆、とうもろこし、粟、大麦、その他の穀類を含む粉粒状物の搬送装置はそれらを原料とする食品、飲料品製造工場、倉庫、運輸会社、輸出入業者等において広く用いられている。特に、近年倉庫等が大型化し高層化した各階に搬送用コンベアを設置して所要の貯蔵倉庫に対する搬出入が行なわれている。さらに、各階の搬送用コンベアに連係させて縦方向の搬送を行なう縦型バケットコンベアが公知であり、この縦形バケットコンベアでは、ケーシングを縦形に配置しその内部に上下方向に走行する複数のバケットを配置させ、投入口からケーシング内部に向けて投下されてケーシングの底部に投入された粉粒状物をバケットで掬いとって上方に搬送させるものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この縦形バケットコンベアに関し、例えば実開平4−121914号に示す穀粒の揚上搬送装置が提案されており、この搬送装置では、穀粒受体51の内面形状を、バケット52aの先端部の周回軌跡に沿った形状となし、かつ、穀粒受体51を周回軌跡に近接した位置とその周回軌跡から離間した位置とに位置変更自在に構成されている。しかしながら、この搬送装置では穀粒受体51と装置本体50の内壁とが常時密着させた状態としたままで穀粒受体を上下動させるものであるから、例えば穀粒受体51の外縁部分に施したパッキンが数回の移動で早期に損傷し、シール性が破壊されて粉粒状物が圧力で穀粒受体51の外部に吹き出し、搬送物を減少させるとともに、穀粒受体の下部に外部に排出された粉粒状物が散乱あるいは堆積して清掃作業あるいはメンテナンス作業の能率を低下させる問題があった。さらに、この搬送装置では、昇降レバー51aの操作により、単に、穀粒受体51の周回軌跡に近接した位置とその周回軌跡から離間した位置との2つの位置を変更するだけであるから、バケットコンベアのコンベアチェーンが使用に際してしだいに伸長していくような場合に穀粒受体51の無段階的な下方移動が困難で、実用できないものであった。更に、外部に設けた操作レバーの操作で穀粒受体を上下動させるについては、装置本体内は穀粒が通流するから、装置本体外部にその操作を受けた伝達機構を設けねばならず、既設の装置本体部分を大幅に改造して組み込む必要があり、製造コストが高いものとなる。
【0005】
これに対し、出願人は特許第3050503号において、ケーシングの底壁を、バケット先端の回転軌跡に沿うように湾曲状に形成し、しかも、バケット先端と底壁の内側面との間隔を調整可能としたバケットコンベア装置を提案した。この装置では、底壁を3分割して湾曲両端側の底壁をケーシングの壁に枢着し、両端側の底壁に重畳するスライド板を設け、そのスライド移動により、3分割の両端側をケーシングに固定的に枢着させた状態で例えばU字状の中央部分のみを下方に移動させるものであり、したがって、各底壁板とスライド板との重畳部分にはずれ防止並びにシール性確保用の襞状の凹凸を形成し、壁板部分の製造加工、組付施工作業に手間がかかるとともに、部品点数が多くコスト増の要因となっていた。また、この装置ではコンベアベルト支持用のプーリ軸支位置を下方に下げて行く場合にその下方移動幅が限定され、コンベアベルトの延びに対応してバケット先端の周回軌道と十分な間隔を開けて底壁の位置を設定する際のその下方移動範囲が小さく、十分な間隔を保持することができないという問題あった。さらに、この装置では、図11に示すように、3分割の底壁を下方にずらせるにしたがって、湾曲の曲率形状が両端底壁部分と中央壁部分とで異なり、バケットの先端の周回軌跡に沿った底壁形状から大きく歪んで間隔調整そのものが円滑に行なえないという問題があった。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その1つの目的は、簡単な構成で製造、組み付けが容易であるとともに、上下動によってもケーシングの内壁とケーシング底部とのシール性を損なうことなく安定的にケーシング底部の上下動調整を行わせることのできるバケットコンベ装置を提供することである。また、本発明の他の目的は、バケット先端の回転軌跡に沿った湾曲形状を変えることなく、かつ無段階状に上下動が可能なバケットコンベア装置を提供することである。さらに、本発明の他の目的は、ケーシング内壁との離開駆動と、上下駆動と、底部全体の支持を同時に行わせることにより、構造を簡略し、また、ケーシングの操作口等からの上下動操作などを簡単に行なわせ得る実用性を有するバケットコンベ装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明は、ケーシング底部に投入された搬送物Mを上下方向に走行するバケットで掬いとって上方に搬送させるバケットコンベアにおいて、ケーシング底部は、該ケーシング10内を閉鎖するように設けられており、さらに該ケーシング底部近傍におけるバケット16の反転周回軌跡から間隙をおいて下方に離隔して円弧状に湾曲して配置され、ケーシング内において全体が上下動可能に取り付けられた底部ユニット18からなり、底部ユニットは、相互に枢着された分割底板22を含み、底部ユニット18の湾曲両端縁がそれらに対向するケーシング内壁に対して密着、離開可能であり、かつ、底部ユニット全体を上下動させ得るように分割底板を下方から支持する支持機構20を含むバケットコンベア装置から構成される。
【0008】
その際、底部ユニット18は、ケーシング10の断面形状に対応して平面投影形状が矩形形状で構成され、底部ユニットの湾曲両端縁以外の他の対向両端縁のうちの少なくとも1つの端縁100Aにはその幅方向に進退移動し得るように移動幅板26が係着されている構成としてもよい。
【0009】
また、分割底板22は、中央板22bと、該中央板にそれぞれ枢着接続されて他端側が湾曲せり上がり状にケーシング内壁側に伸ばされた両端板22a、22cと、からなり、支持機構20は、ケーシング10に一端を固定され他端をいずれかの両端板(22a、22c)に枢支接続された第1の伸縮装置(42)と、ケーシングに一端を固定され他端を中央板22bに枢支接続された第2の伸縮装置(44)と、を含むこととしてもよい。
【0010】
また、それぞれの伸縮装置(42、44)は、基部をケーシング側にルーズな連結で連係させたターンバックル装置からなり、該基部側のケーシング側との連結部46を介して底部ユニットの周縁がケーシング内壁から離係し得るように構成してもよい。
【0011】
また、ターンバックル装置は、縦方向に配置させるとよい。
【0012】
また、底部ユニット18の外部から挿入され先端を底部ユニットの湾曲内壁面に沿うように曲折させたブラスタノズル62を有するエアーブラスタ60が設けられたこととしてもよい。
【0013】
さらに、中央板22bに外部から底部ユニット18の内部を点検する点検口25が設けられたこととしてもよい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明によるバケットコンベア装置の実施の形態を詳細に説明する。図1ないし図5には、本発明によるバケットコンベア装置の一実施形態が示されている。バケットコンベア装置は、大豆、とうもろこし、粟、大麦、その他の穀類を含む粉粒状物の搬送装置であり、特に縦に配置させた中空のケーシング内部に例えば底部近傍から投入した粉粒状物を縦長状に周回駆動するバケットコンベアにより掬い上げて他の搬送工程等に移送する搬送装置である。
【0015】
図1は、バケットコンベア装置の底部の一部縦断面説明図であり、図において、ケーシング10の内部には図示しない上部駆動軸に固定された上部駆動スプロケットと、下部軸12に固定された図示しない下部スプロケットに調帯されてコンベアチェーン14が縦長方向に周回駆動されるように設けられている。コンベアチェーン14には適の間隔をあけて掬い取り用の複数のバケット16が直列状に連結されており、これによって、バケットコンベアが上下端側で方向反転しながら周回駆動される。
【0016】
ケーシング10の底部側には底部ユニット18がケーシングの内部を横断方向に閉鎖するように設けられ、この底部ユニット18を支持する支持機構20が底部ユニット18の下部側に設置されている。すなわち、バケットコンベア装置におけるケーシング底部は、下部スプロケット軸12の近傍におけるバケット16の先端の反転周回軌跡から間隙をおいて下方に離隔して円弧状に湾曲して配置された略U字形状であり、ケーシング10内において全体が上下動可能に取り付けられた底部ユニット18から構成されている。
【0017】
底部ユニット18は、図1、2、4に示すように、3個の分割底板22a、22b、22cを含む。実施形態において、分割底板は、中央板22bと、その中央板にそれぞれ蝶番24を介して枢着接続された両端板22a、22cと、からなり、図1に示すように底部ユニット全体がバケット16の周回軌跡に沿うように湾曲されている。例えば、実施形態において、中央板22bが最も曲率が大きい湾曲形状であるのに対し、両端板22a、22cは直板状あるいは中央板に比較して曲率が少なく設定されている(図では直板状になっているが、ある程度の曲面で形成されるのが好ましい)。
【0018】
底部ユニットの分割底板はそれぞれ鋼板等の金属から構成され、ケーシング10の底部側の内壁とともに、底部ユニット18のケーシング内部側の面には帯電防止被膜が被着されている。また、底部ユニット18の湾曲両端縁220、222にはそれぞれ気密用パッキンが施されている。底部ユニットの両端板22a、22cのケーシング内壁に対向する端縁220、222はそれぞれ単に該ケーシング内壁面に当接しているだけであり、したがって、底部ユニット18は後述する支持機構20により、ケーシング内部において浮動状に支持されている。中央板22bと両端板22a、22cとは、それぞれ蝶番を介してそれぞれ回動し得るようになっている。分割底板の中央板22bには、図1ないし図4に示すように、点検口25と、これを開閉自在に閉鎖させる蓋部材28とを有する点検口装置30が設けられている。底部ユニット18は支持機構20により下部側から浮動状に支持されているので、中央板22bを広く設定することができ、これによって、点検口25の大きさを大きく設定できて、ケーシング内の点検、清掃、その他のメンテナンスを行ないやすくさせている。
【0019】
図2ないし図4に示すように、底部ユニット18は、ケーシング10の断面形状に対応して平面投影形状が矩形形状で構成されている。そして、底部ユニット18の湾曲両端縁220、222以外の他の対向両端縁のうちの1つの端縁に移動幅板26がその幅方向に進退移動し得るように係着されている。図3において、3個の分割底板のU形湾曲の側面側の幅はケーシング内の幅空間よりも狭い幅で構成されている。これらの分割底板は、それらの幅方向端部側に移動幅板26と一部を重畳させて係合し、その移動幅板26の幅方向の移動によりケーシングの内壁に密着する状態と、図4に示すように内壁から離れてその間に間隙Hを形成させる状態とを選択的に形成し得る。
【0020】
詳細には、図3において、移動幅板26は分割底板の3分割板の曲率と同じ曲率を有する3個の細板状湾曲板から構成され、それぞれ複数のL字溝が設けられてそれらのL字溝内にボルト等の締着部材を貫通させ、分割底板側に設けた孔を貫通させて締めつけることにより各分割底板と移動幅板の幅方向の連結を行なう。締着部材を緩めることにより移動幅板26は間隙H(図4参照)を形成するように幅方向の中央側に移動させることができる。移動幅板26の端縁部分、すなわち、ケーシングの内壁と当接する部分にはパッキン部材が張設してあり、内壁との当接時に気密を確保する。なお、図中32は、蓋部材28の開閉ハンドル、34は、把手である。また、36は移動幅板26からL字状に曲折して設けられたフランジであり、図示しない分割底板22側に設けたフランジ及びジャッキボルトを介して該フランジ36をねじ込み押動し、設置状態でのケーシング壁面に対する移動幅板26のシール部であるパッキンを押圧して気密を保持させる。
【0021】
一方、分割底板22の移動幅板の取り付け側である第1幅端縁100Aと対向する他端側の第2幅端縁100Bは、図示しないフランジが曲折して設けられており、このフランジの裏面側にもシール部材としてのパッキンが張設されてケーシング内壁に当着される。移動幅板26とそれぞれの分割底板22a〜22cとの固定を解除して緩めることにより支持機構20とケーシングとの枢着あるいはルーズな連結を介してケーシング内壁面との固定的当接が解除されて底部ユニット全体がケーシング内壁との当接を解除された状態で上下動させ得るようになっている。
【0022】
図1ないし図4において、底部ユニット18の下面側には該底部ユニット全体を下方側から支持する支持機構20が設けられている。この支持機構20は、底部ユニット18の湾曲両端縁220、222がそれらに対向するケーシング内壁に対して密着、離開駆動可能に分割底板22を下方から支持しつつ底部ユニット全体18を上下駆動させる。
【0023】
図1において、ケーシング10であって、底部ユニット18が配置された部分よりも低位置の対向両側には操作口38がそれぞれ開口され、常時は蓋40a、40bにより閉鎖されてその底部ユニットの下側の作業空間Sを閉鎖している。実施形態において、支持機構20は、ケーシング10に一端をルーズな連結力で連結され他端をいずれかの両端板22a、22cに枢支接続された第1のターンバックル装置42と、ケーシング10に一端をルーズな連結力で連結され他端を中央板22bに枢支接続された第2のターンバックル装置44と、を含む。実施形態において、これらの第1、第2ターンバックル装置42、44は、底部ユニットの底面側をそれぞれ1つの部位について1対で設けられており、平面視で底部ユニット18の四隅位置の下面側にそれぞれ配置されている。例えば図3において、蓋40aを開蓋した状態の第1、第2ターンバックル装置42、44は、それぞれ作業空間S内の両側に配置され、操作口38から作業者が手を差し入れて把持操作し得る位置に設定されている。
【0024】
第1、第2のターンバックル装置42、44は、それぞれの基部をケーシング10側にルーズな連結力の連結部46を介して連係され、該連結部46を介して底部ユニット18の周縁がケーシング内壁から離係させるようにし得る伸縮装置である。第1のターンバックル装置42は、それぞれバックル本体48の両側に第1、第2の長ボルト52、54を螺合連結させ、第1長ボルト52の先端側を第1枢着部56において左端板22aに枢着させ、第2の長ボルト54の下端側(ターンバックル機構の基部側)をルーズ連結部46を介してケーシング10に対してルーズに連係させている。すなわち、図1、図3において、ケーシング10に固定した取付板50に基部側の係止用ボルトである第2長ボルト54をルーズに締めつけた状態で取り付けており、したがって、該第1のターンバックル装置によって分割底板の左端板22aはある程度動き得るように支持される。第1ターンバックル装置42は、図1に示すように地面に対して略直立状に立てて縦方向に配置されており、操作口38から手を伸ばしてバックル本体48を両手で把持して回動させるだけで底部ユニット18の分割底板22の湾曲両端縁がそれらに対向するケーシング内壁に対して密着、離開するように駆動させる。
【0025】
第2のターンバックル装置44は、第1のターンバックル装置42と同様の構成であり、それぞれバックル本体48の両側に第1、第2の長ボルト52、54を螺合連結させ、第1長ボルト52の先端側を第2枢着部58において中央板22bに枢着させ、第2の長ボルト54の下端側(ターンバックル機構の基部側)をルーズ連結部46を介してケーシング10に対してルーズに連係させている。図1、図3において、ケーシング10に固定した取付板51に基部側の係止用ボルトである第2長ボルト54をルーズに締めつけた状態で取り付けており、したがって、該第2のターンバックル装置44によって分割底板の中央板22bはある程度動き得るように支持される。第2ターンバックル装置44は、斜めに向けて配置されており、同じく操作口38から手を伸ばしてバックル本体48を両手で把持して回動させうる。この第2ターンバックル装置44のバックル本体48を中央板22bの引き下げ方向に回動させると、該中央板22bに接続させた両端板22a、22 も同時に引き下げられる。
【0026】
これらの第1、第2ターンバックル装置42、44がそれぞれ底部ユニット18の四隅位置において配置され、その操作によって、底部ユニット18全体が上下動する。
【0027】
さらに、図1、4に示すように、底部ユニット18にはエアーブラスタ60が設けられ、底部ユニット18の湾曲内壁面に沿うように空気を噴射させるようにしている。実施形態において、1つの操作口(図1上、右側の操作口)側の底部ユニットの湾曲右端板22cに、その底部ユニットの内部側に貫通するようにブラスタノズル62が挿着され、さらに、このブラスタノズル62の先端は底部ユニットの湾曲内壁面に沿うように曲折させた曲折部64を形成している。このようにブラスタノズルの先端を分割底板の内壁面に沿うように曲折させているので湾曲内面に沿って空気を確実に圧送し、粉粒状物の搬送残留を防止し得る。図5に示すように、ブラスタノズルは立体三角形状の構成であり、細長いノズル開口を有し、その内部は空気の均等吹き出し部としての仕切り板66が設けられて空気の流れ方向を均等に分流させている。
【0028】
次に、図6ないし図10を参照して実施形態のバケットコンベア装置の作用について説明する。底部ユニット18の内面側とバケット16の反転周回軌跡との間隙が正常の場合、図10において、ケーシング10内で上下方向に長くバケットコンベアを周回駆動させている状態で、図示しない投入口からケーシング内に粉粒状物Mが投入されると該搬送対象物は底部ユニット上面に落下し、これを連続的にバケット16が掬い取ってケーシング内を上方に向けて搬送する。搬送終了後、図6のように点検口25を開いてエアーブラスタ60から空気を圧送すると、底部ユニットの内壁側に滞留していた残留物が完全に排出される。
【0029】
コンベアチェーン14が使用によりしだいに延びてきて下方にその周回端がり、底部ユニットの内面との間隔調整を行う場合、まず、操作口38の蓋を開蓋して操作口38を介して、分割底板側から移動幅板に向けて押し付けている押し付け手段としてのジャッキボルトを緩める。次に、図3の移動幅板26と各分割底板22a、22b、22cとの連結ボルトを緩め移動幅板26を分割底板側に移動させて例えば図4に示すようにケーシング内壁と移動幅板26のパッキン取付縁との間に間隙を保持させる程度に移動させる。このとき、第1、第2のターンバックル装置42、44の基部側のルーズ連結部によりある程度のガタツキをもってルーズに底部ユニット18全体を支持しているから、第1端縁100Aがケーシング内壁から離れ、それに張設されたパッキンも壁面から離れる。同時に、第2端縁100Bもケーシング内壁面から離れやすくなる。
【0030】
この状態で、操作口38の両側に配置された各1対のターンバックル装置のうちの第1ターンバックル装置42のバックル本体48をそれぞれ左右の手で把持して回動させ、装置の長さを伸長させる。すると、図7(a)、(b)のように分割底板の湾曲両端板(図7では左端板22aのみを示している)が中央板との枢着部回りにそれぞれ中央側に向けて回動し、それぞれの左右端板の端縁がケーシングの内壁から離係し、両端板の端縁のパッキンもケーシング内壁から離れる。これによって、第1、第2ターンバックル装置42、44のルーズ連結部により移動幅板の取付側の対向側となる第2端縁100Bもケーシング内壁から離開し、そのパッキン部分も離れて、底部ユニット全体は支持機構20により完全に浮動支持された状態となる。次に、第2ターンバックル装置44のバックル本体を把持して図7(b)矢示方向、すなわち、ターンバックル装置の縮長方向にバックル本体を回動させる。これによって、中央板22bが下方に下げられ、同時にその両端板22a、22cも下方に下げられる(図8(a))。そして、底部ユニット18の内面側とバケット16の反転周回軌跡との間隔を正しく保持するように上下動操作して設定する。そして、調整終了後、第1ターンバックル装置42を縮長動作させ、湾曲端縁をケーシング内壁に当接させてパッキンにより気密を取る。さらに、移動幅板26を分割底板22側から幅方向にスライド移動させて第1、第2端縁100A、100Bがそれぞれの対向するケーシング内壁に密着当接させる。この状態でもよいが、実施形態では、ジャッキボルトを螺合させて移動幅板を壁に向けて押し付けて、バケットの反転周回軌跡から正しい離隔間隔で湾曲した底部ユニットが配置固定される。図9の鎖線により、底部ユニットが湾曲形状を変化させずに下方に移動した状態を示す。上記した工程は、それぞれ対向した両側の操作口から工程ごとに各操作口からの操作を交互に行って移動させる。
【0031】
本発明の、バケットコンベア装置は上記実施形態のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の本質を逸脱しない範囲において、任意の改変を行なってもよい。例えば底部ユニットの分割数は、3個以上を枢着接続させてもよい。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のバケットコンベア装置によれば、簡単な構成で製造、組み付けが容易であるとともに、上下動によってもケーシングの内壁とケーシング底部とのシール性を損なうことなく安定的にケーシング底部の上下動調整を行わせることが可能である。また、バケット先端の回転軌跡に沿った湾曲形状を変えることなく、かつ無段階状に上下動が可能であり、バケットの反転周回軌跡と底部ユニットとの間隔微調整を行なえ、実用性のあるバケットコンベア装置を提供し得る。さらに、ケーシング内壁との離開駆動と、上下駆動と、同時に底部ユニット全体の支持を行うことができ、構造が簡単で、ケーシングの操作口等からの上下動操作などを簡単に行なわせることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるバケットコンベア装置の一実施形態を示す一部省略要部縦断面説明図である。
【図2】図1の実施形態によるバケットコンベア装置の底部からの見上げ図である。
【図3】図1の実施形態によるバケットコンベア装置の操作口部分を断面した内部機構説明図である。
【図4】図2の状態で、移動幅板を移動させた状態の底部からの見上げ図である。
【図5】(a)は、エアーブラスタの一部省略要部側面説明図である。(b)は、底面説明図である。(c)は、(a)のA−A線断面図である。
【図6】図1の実施形態によるバケットコンベア装置の蓋部材を開蓋した状態の作用説明図である。
【図7】(a)、(b)は、実施形態のターンバックル装置及び底部ユニットの作用説明図である。
【図8】(a)、(b)は、実施形態のターンバックル装置及び底部ユニットの作用説明図である。
【図9】図1の実施形態で底部ユニットを下方に移動させた状態の説明図である。
【図10】図1の実施形態に適用されるエアーブラスタを駆動させた状態を示す作用説明図である。
【図11】従来の底板による上下移動状態を示す説明図である。
【符号の説明】
10 ケーシング
14 コンベアチェーン
16 バケット
18 底部ユニット
20 支持機構
22 分割底板
22a 左端板
22b 中央板
22c 右端板
26 移動幅板
38 操作口
42 第1ターンバックル装置
44 第2ターンバックル装置
46 連結部
48 バックル本体
62 エアーブラスタ
64 曲折部
100A 第1端縁
100B 第2端縁

Claims (7)

  1. ケーシング底部に投入された搬送物を上下方向に走行するバケットで掬いとって上方に搬送させるバケットコンベアにおいて、
    ケーシング底部は、該ケーシング内を閉鎖するように設けられており、さらに該ケーシング底部近傍におけるバケットの反転周回軌跡から間隙をおいて下方に離隔して円弧状に湾曲して配置され、ケーシング内において全体が上下動可能に取り付けられた底部ユニットからなり、
    底部ユニットは、相互に枢着された分割底板を含み、
    底部ユニットの湾曲両端縁がそれらに対向するケーシング内壁に対して密着、離開可能であり、かつ、底部ユニット全体を上下動させ得るように分割底板を下方から支持する支持機構を含むバケットコンベア装置。
  2. 底部ユニットは、ケーシングの断面形状に対応して平面投影形状が矩形形状で構成され、
    底部ユニットの湾曲両端縁以外の他の対向両端縁のうちの少なくとも1つの端縁にはその幅方向に進退移動し得るように移動幅板が係着されている請求項1記載のバケットコンベア装置。
  3. 分割底板は、中央板と、該中央板にそれぞれ枢着接続されて他端側が湾曲せり上がり状にケーシング内壁側に伸ばされた両端板と、からなり、
    支持機構は、ケーシングに一端を固定され他端をいずれかの両端板に枢支接続された第1の伸縮装置と、ケーシングに一端を固定され他端を中央板に枢支接続された第2の伸縮装置と、を含む請求項1または2記載のバケットコンベア装置。
  4. それぞれの伸縮装置は、基部をケーシング側にルーズな連結で連係させたターンバックル装置からなり、該基部側のケーシング側との連結部を介して底部ユニットの周縁がケーシング内壁から離係し得るようにした請求項3記載のバケットコンベア装置。
  5. ターンバックル装置は、縦方向に配置されている請求項4記載のバケットコンベア装置。
  6. 底部ユニットの外部から挿入され先端を底部ユニットの湾曲内壁面に沿うように曲折させたブラスタノズルを有するエアーブラスタが設けられたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のバケットコンベア装置。
  7. 中央板に外部から底部ユニットの内部を点検する点検口が設けられたことを特徴とする請求項3ないし6のいずれかに記載のバケットコンベア装置。
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